JP6222203B2 - ダイナミックダンパー及び天井 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイナミックダンパー及びこれを備えた天井に関する。
住宅やマンションなどの建物においては、上層階から下層階へ伝わる床衝撃音を低減する必要があり、この課題に対して種々の対策が検討されている。例えば、建物に使用される床材や天井材の重量を重くする対策や、床材や天井材に防振機能を持たせる対策などが考案されている。
下記特許文献1には、このような建物における床衝撃音の低減対策の例として、天井下地において質量体と弾性体とからなるダイナミックダンパーを設置することが提案されている。この公報では、天井ボード上において複数本の野縁及び野縁受が格子状に組み付けられており、当該野縁受にダンパーが取り付けられている。
特開2006−342580号公報
上記特許文献1に開示されたダンパーは、野縁受に固定されるものであるため、施工に掛かる手間が多い。また、複数のダンパーが固定された重量の大きな野縁受を組み付ける必要があるため、重労働になるという問題がある。またダンパーが野縁受及び野縁を介して天井ボードに固定されるため、野縁受及び野縁の組付状態やこれらの剛性の影響により、固定後のダンパーの固有周期が固定前のダンパー単体の固有周期よりも低くずれてしまう。そのため、ダンパーの機能が十分に得られず、床衝撃音を十分に低減することができないという問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、天井への組込時における施工性に優れ、かつ床衝撃音の低減効果にも優れたダイナミックダンパー及びこれを備えた天井を提供することである。
本発明の一局面に係るダイナミックダンパーは、所定の配列方向に互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と、両野縁の下面に固定される天井ボードと、を備えた天井に設置されるダイナミックダンパーである。上記ダイナミックダンパーは、第1端部と、前記第1端部に対して両野縁の間隔以上の間隔で配置された第2端部と、を有する質量体と、前記第1端部と前記第2端部との間で前記質量体に接続され、前記天井ボードの上面に載置される載置面を有すると共に質量体を支持する弾性変形可能な少なくとも1つの支持体と、を備える。前記第1端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法及び前記第2端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法は、前記野縁の高さ寸法よりも大きい。
上記ダイナミックダンパーは、質量体の第1及び第2端部が野縁の上面に掛かるように仮設置することができる。ここで、第1及び第2端部の下面と載置面との間の高さ寸法が野縁の高さ寸法よりも大きいため、上記載置面が野縁の下面よりも下側に位置する。その後、天井ボードを持ち上げて、天井ボードを両野縁に下から固定する。その過程で、上記載置面が天井ボード上に載置された状態でダンパーが持ち上げられる。このように、天井ボードを野縁に固定することにより、ダンパーの設置が完了する。以上のように、上記ダイナミックダンパーは、従来のように野縁受に固定する必要がなく、また天井ボードに予め固定する必要もないため、施工性に優れている。
また上記ダイナミックダンパーは、設置完了状態において、天井ボードの上面に載置され、かつ天井ボードの持ち上げによって質量体の第1及び第2端部が野縁から離れる。これにより、質量体を振動させることができ、ダンパーとしての作用が得られる。ここで、天井ボードと直接接触した状態でダンパーが配置されるため、従来のように天井ボードとの間に他部材を介して固定されるものと異なり、ダンパーの固有周期が固定前に対してずれることを防止でき、ダンパーの反力を天井ボードに対して効率的に伝えることができる。このため、上記ダイナミックダンパーは、施工性に優れるだけでなく、床衝撃音の低減効果にも優れたものとなっている。
上記ダイナミックダンパーは、前記第1端部が一方の野縁の内面から所定の長さだけ前記配列方向の外側に突出するように配置されたときに、他方の野縁の内面に対して前記所定の長さよりも小さい隙間を空けて前記配列方向の内側に配置される対向面を有していてもよい。
これにより、ダンパーが上記他方の野縁側へずれた時でも、対向面が野縁と衝突することにより、第1端部が一方の野縁の内面に対して突出した状態が維持される。そのため、ダンパーの落下を防止することができる。
上記ダイナミックダンパーにおいて、前記対向面は、前記載置面よりも上側でかつ前記第1端部の下面から所定の高さ距離だけ下に離れた位置に設けられていてもよい。前記高さ距離は、前記第1端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法から前記野縁の高さ寸法を引いた距離よりも大きい。
これにより、天井ボードが野縁に固定され、質量体が野縁から離れた状態において、対向面を野縁に対向させることができる。そのため、ダンパーの位置がずれた時でも質量体の端部が野縁の内面よりも外側に突出した状態が維持され、天井ボードが割れた場合でもダンパーの落下を防止することができる。
上記ダイナミックダンパーにおいて、前記支持体は、前記質量体に接続された弾性変形可能な弾性体と、前記弾性体に接続され、前記対向面を有する拘束部材と、を含んでいてもよい。
これにより、天井の振動に応じて変形する機能を弾性体に持たせつつ、拘束部材の大きさや配置によって対向面の位置を調整することができる。そのため、対向面の位置を調整する時でも弾性体の設計を変更する必要がなく、ダンパーの周期が変わらないという利点がある。
上記ダイナミックダンパーにおいて、前記支持体は、両野縁の間隔よりも小さい幅を有していてもよい。前記拘束部材は、前記弾性体の下端部に接続され、前記対向面である側面と、前記載置面である下面と、を有していてもよい。前記拘束部材の厚みは、前記第2端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法から前記野縁の高さ寸法を引いた距離よりも大きくてもよい。
これにより、質量体の第1及び第2端部が野縁の上面に掛けられた仮設置状態において、支持体を両野縁の間に位置させ、かつ拘束部材を野縁に対向させることができる。そのため、天井ボードによりダンパーを持ち上げる時に位置がずれても、拘束部材と野縁とが衝突するため、天井ボードと野縁との間にダンパーが挟まれることを防止できる。これにより、天井ボードの不陸の問題を回避することができる。
上記ダイナミックダンパーにおいて、前記質量体は、石膏から構成されていてもよい。
上記ダイナミックダンパーは、天井懐の天井面に近い部分において両野縁に跨るように面状に設置することができるため、広い面積を確保することができる。そのため、質量体に比重が小さい材質を用いた場合でも、ダンパーとして機能させるのに必要な重量を確保することができる。そのため、上記ダイナミックダンパーでは、リサイクル可能で不燃材料である石膏を質量体の構成材料として用いることで、火災に強くコスト削減が可能なダイナミックダンパーを構成することができる。
上記ダイナミックダンパーは、前記第1端部から前記第2端部に向かう方向において互いに離れて配置された複数の前記支持体を備えていてもよい。
これにより、第1端部から第2端部に向かう方向において質量体を複数の支持体により安定に支持することができる。
上記ダイナミックダンパーは、前記第1端部から前記第2端部に向かう方向に直交する方向において互いに離れて配置された複数の前記支持体を備えていてもよい。
これにより、第1端部から第2端部に向かう方向に直交する方向において質量体の幅を大きくして面積を広げた場合でも、質量体を複数の支持体により安定に支持することができる。その結果、質量体の撓みを小さくすることができる。
本発明の他局面に係る天井は、所定の配列方向に互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と、両野縁の下面に固定される天井ボードと、前記天井ボードの上面に設置される上記ダイナミックダンパーと、を備える。
上記天井では、ダイナミックダンパーを天井ボードの上面に設置することで、天井ボードに対してダンパーを直接接触させることができる。これにより、従来のように天井ボードとの間に他部材を介してダンパーが固定されるものと異なり、ダンパーの固有周期が固定前よりもずれることを防止することができる。そのため、上記天井によれば、優れた床衝撃音の低減効果を得ることができる。
本発明によれば、天井への組込時における施工性に優れ、かつ床衝撃音の低減効果にも優れたダイナミックダンパー及びこれを備えた天井を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る天井の構造を示す斜視図である。 図1中の領域IIの拡大図である。 本発明の実施形態1に係るダイナミックダンパーの構造を示す側面図である。 本発明の実施形態2に係る天井の上方から見た構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る天井の下方から見た構造を示す斜視図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
[実施形態1]
(天井)
まず、本発明の実施形態1に係る天井10の構造について、図1〜図3を参照して説明する。天井10は、複数本の床梁4、野縁2及び野縁受3と、天井ボード5と、ダイナミックダンパー1と、を有する。
床梁4は、上層階の床を支えるためのものであり、一方向に延びる鋼の構造材である。床梁4は、平板状の一対のフランジ4A,4Bと、これらを接続する平板状のウェブ4Cと、を有する。フランジ4A,4Bは互いに平行し、ウェブ4Cはフランジ4A,4Bに直交し、かつ一端部がフランジ4Aの下面に接続されると共に他端部がフランジ4Bの上面に接続されている。床梁4は、図1に示すように、所定の配列方向に互いに間隔を空けて平行に配列されている。
野縁2は、中空部が設けられた四角柱状の細長い構造材である。野縁2は、図1に示すように、床梁4の配列方向と直交する配列方向D1に互いに間隔を空けて平行に配列されている。互いに隣り合う2本の野縁2は、配列方向D1に互いに対向する内面2Aをそれぞれ有する。
野縁受3は、一方に開口したコの字状の細長い構造材であり、野縁2の上面に配置されている。野縁受3は、図1に示すように、野縁2に直交し、かつ野縁2に対して格子状に組み付けられている。野縁受3は、平板状の一対のフランジ3A,3Bと、これらの一端部を接続する平板状のウェブ3Cと、を有する。フランジ3A,3Bは互いに平行し、ウェブ3Cはフランジ3A,3Bに直交する。野縁受3は、図1に示すように、開口部を床梁4側に向けた状態で、床梁4と平行に配置されている。床梁4のフランジ4Bには取付具22が設けられており、野縁受3はフランジ3Aを貫通するボルト21により取付具22に固定されている。
天井ボード5は、石膏ボードによって構成されており、図3(右図)に示すように隣接する両野縁2の下面に固定されている。天井ボード5は、隣接する両野縁2の間隔W2よりも幅が大きく、野縁2の内面2Aよりも外側に突出した部分において野縁2の下面に固定されている。また天井ボード5は、ダイナミックダンパー1が載置される上面5Aを有する。
ダイナミックダンパー1は、上層階から伝わる床衝撃音を低減するためのものであり、図1に示すように隣接する2本の野縁2に跨るように複数配置されている。ダイナミックダンパー1は、図1に示すように、配列方向D1に列状に配列され、かつ配列方向D1に直交する方向に互いに間隔を空けて配列されている。またダイナミックダンパー1は、図3に示すように、天井ボード5の上面5Aに載置される。ダイナミックダンパー1の構造については、後に詳述する。
(ダイナミックダンパー)
次に、上記ダイナミックダンパー1の詳細な構造について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、図1中の領域IIの拡大図であり、左側はダイナミックダンパー1を上側から見た図を示し、右側は下側から見た図を示す。図3は、ダイナミックダンパー1の構造を示し、左側は天井ボード5が固定される前の状態を示し、右側は天井ボード5が固定された後の状態を示す。ダイナミックダンパー1は、質量体11と、当該質量体11に接続された支持体12と、を有する。
質量体11は、ダイナミックダンパー1の錘として機能する部分であり、上面11C及び下面11Bを有する。質量体11は、リサイクル可能な石膏ボードによって構成されており、長手方向の幅W1と、短手方向の幅W5と、を有する長方形状の板部材である。質量体11は、長手方向の一端部である第1端部11Aと、他端部である第2端部11Dと、を有する。第2端部11Dは、第1端部11Aに対して隣接する両野縁2の間隔W2以上の間隔で配置されている。つまり、質量体11の長手方向の幅W1は、両野縁2の間隔W2よりも大きくなっている。
支持体12は、隣接する両野縁2の間隔W2よりも小さい幅を有し、第1端部11Aと第2端部11Dとの間において下面11Bに接続されると共に質量体11を支持する。支持体12は、複数(2つ)の弾性体14と、当該弾性体14の下端部に接続された複数(2つ)の拘束部材13と、を有する。図3に示すように、支持体12は、第1端部11Aから第2端部11Dに向かう方向(配列方向D1)において互いに離れて配置されている。
弾性体14は、天井の振動に応じて弾性変形可能なゴム体であり、互いに間隔を空けて下面11Bに接続されている。より具体的には、弾性体14は、質量体11を厚み方向に貫通するボルト15と、上面11Cに配置されたナットと、によって質量体11に固定されている。
拘束部材13は、弾性体14よりも幅が大きいプレート状の部材である。拘束部材13は、図2(右図)に示すように、長方形状を有し、短手方向の幅が質量体11と略同じであり、かつ長手方向の長さが質量体11よりも小さくなっている。
拘束部材13は、弾性体14の下端部に接続される上面13Bと、下面13Aと、上面13Bと下面13Aとを繋ぐ側面13Cと、を有する。下面13Aは、図3(右図)に示すように、天井ボード5の上面5Aに載置される載置面である。また側面13Cは、配列方向D1に野縁2の内面2Aと対向する対向面である。
載置面13Aと第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bとの間の高さ寸法W3は、野縁2の高さ寸法W4よりも大きくなっている。そのため、図3(左図)に示すように、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面に掛かった状態では、載置面13Aが野縁2の下面よりも下方に位置する。これにより、天井ボード5の上面5Aを載置面13Aに接触させることができる。
拘束部材13の厚みT1は、高さ寸法W3から高さ寸法W4を引いた距離W7よりも大きくなっている。そのため、図3(左図)に示すように、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面に掛かった状態では、拘束部材13が野縁2の内面2Aに対向する。
また対向面13Cは、載置面13Aよりも上側でかつ、第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bから所定の高さ距離W6だけ下側に離れた位置に設けられている。この高さ距離W6は、高さ寸法W3から高さ寸法W4を引いた距離W7よりも大きくなっている。図3(右図)に示すように、距離W7は、天井ボード5が野縁2の下面に固定された状態での質量体11と野縁2との間の距離に等しい。そのため、高さ距離W6を距離W7よりも大きくすることにより、天井ボード5が固定された状態において対向面13Cが野縁2の内面2Aに対向する。
(ダイナミックダンパーの設置)
次に、ダイナミックダンパー1の設置手順について、図3を参照して説明する。
まず、ダイナミックダンパー1が両野縁2間の隙間を通るように持ち上げられ、図3(左図)に示すように、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面に掛かるように仮設置される。
この仮設置状態では、支持体12(弾性体14及び拘束部材13)が両野縁2の間に位置する。また、質量体11の長手方向の幅W1が両野縁2間の間隔W2よりも大きいため、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の内面2Aよりも配列方向D1の外側へ長さL1,L2だけ突出する。このとき、第1端部11Aが一方の野縁2の内面2Aから配列方向D1の外側へ突出する長さL1(突出長さ)は、他方の野縁2の内面2Aと対向面13Cとの間の配列方向D1における隙間L4よりも大きくなっており、また第2端部11Dが他方の野縁2の内面2Aから配列方向D1の外側へ突出する長さL2(突出長さ)は、一方の野縁2の内面2Aと対向面13Cとの間の配列方向D1における隙間L3よりも大きくなっている。そのため、当該仮設置状態においてダンパーの位置が横方向にずれた時には対向面13Cと野縁2の内面2Aとが衝突し、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2に掛かった状態が維持されるため、施工中のダンパーの落下を防止できる。
また、第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3は野縁2の高さ寸法W4よりも大きいため、載置面13Aは野縁2の下面よりも下方に位置する。そのため、天井ボード5を載置面13Aに容易に接触させることができる。
次に、図3(右図)に示すように、天井ボード5の上面5Aを載置面13Aに接触させ、天井ボード5を上方へ移動させることにより、ダイナミックダンパー1が上方へ持ち上げられる。そして、天井ボード5の両端部を野縁2の下面に固定することにより、ダイナミックダンパー1の設置が完了する。このとき、拘束部材13が野縁2の内面2Aに対して配列方向D1に対向しており、かつ野縁2の内面2Aよりも配列方向D1の外側に位置していないため、天井ボード5と野縁2の下面との間にダンパーが挟まれることを防止できる。ダイナミックダンパー1は、天井ボード5に固定されずに上面5Aに載置された状態で支持され、また天井ボード5の持ち上げによって第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bが野縁2の上面から離れた状態になる。これにより、天井ボード5の振動に応じて質量体11を振動させることができる。
設置完了状態では、図3(右図)に示すように、対向面13Cが野縁2の内面2Aに対向する。また仮設置状態と同様に、第1端部11Aが一方の野縁2の内面2Aから配列方向D1の外側へ突出する長さL1が他方の野縁2の内面2Aと対向面13Cとの間の配列方向D1における隙間L4よりも大きく、かつ第2端部11Dが他方の野縁2の内面2Aから配列方向D1の外側へ突出する長さL2が一方の野縁2の内面2Aと対向面13Cとの間の配列方向D1における隙間L3よりも大きくなっている。これにより、ダンパーの位置が横方向にずれた時でも第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面と対向した状態が維持される。そのため、天井ボード5が割れた時でも第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面に掛かるため、ダンパーの落下を防止できる。以上のようにして、上記ダイナミックダンパー1の設置が完了する。
(作用効果)
次に、上記ダイナミックダンパー1の特徴的な構成及び作用効果について説明する。
上記ダイナミックダンパー1は、第1端部11Aと、第1端部11Aに対して両野縁2の間隔W2以上の間隔で配置された第2端部11Dと、を有する質量体11と、天井ボード5に載置される載置面13Aを有する弾性変形可能な支持体12と、を備える。そして、第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3は、野縁2の高さ寸法W4よりも大きくなっている。
上記ダイナミックダンパー1は、図3(左図)に示すように、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面に掛かるように仮設置することができる。このとき、第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3が野縁2の高さ寸法W4よりも大きいため、載置面13Aが野縁2の下面よりも下側に位置する。その後、図3(右図)に示すように、天井ボード5を持ち上げて、天井ボード5を両野縁2に下から固定する。その過程で、載置面13Aが天井ボード5上に載置された状態でダンパーが持ち上げられる。このように、天井ボード5を野縁2に固定することにより、ダンパーの設置が完了する。以上のように、上記ダイナミックダンパー1は、隣接する両野縁2に跨るように掛けるだけで野縁受3に固定する必要がなく、また天井ボード5に予め固定する必要もないため、施工性に優れている。
また上記ダイナミックダンパー1は、設置完了状態において、天井ボード5の上面5Aに載置され、かつ質量体11の第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面から離れる。これにより、質量体11を振動させることができ、ダンパーとしての作用が得られる。ここで、上記ダイナミックダンパー1は、天井ボード5の上面5Aと直接接触した状態で配置されるため、ダンパーの固有周期が固定前に対してずれることが防止され、ダンパーの反力を天井ボード5に対して効率的に伝えることができる。
上記ダイナミックダンパー1は、図3(左図)に示すように、第1端部11Aが一方の野縁2の内面2Aから所定の長さL1だけ配列方向D1の外側に突出するように配置されたときに、他方の野縁2の内面2Aに対して当該突出長さL1よりも小さい隙間L4を空けて配列方向D1の内側に配置される対向面13Cを有する。また第2端部11Dが他方の野縁2の内面2Aから所定の長さL2だけ配列方向D1の外側に突出するように配置されたときに、一方の野縁2の内面2Aに対して当該突出長さL2よりも小さい隙間L3を空けて配列方向D1の内側に配置される対向面13Cを有する。これにより、図3(左図)に示す仮設置状態においてダンパーの位置が横方向にずれた時でも、対向面13Cが野縁2の内面2Aと衝突することにより、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2に対して突出した状態が維持される。よって、質量体11が両野縁2に掛かった状態が維持されるため、施工中にダンパーが落下するのを防止できる。
上記ダイナミックダンパー1において、対向面13Cは、載置面13Aよりも上側でかつ第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bから所定の高さ距離W6だけ下に離れた位置に設けられている。当該高さ距離W6は、第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3から野縁2の高さ寸法W4を引いた距離W7よりも大きくなっている。図3(右図)に示すように、天井ボード5が野縁2の下面に固定された状態では、質量体11は距離W7だけ野縁2から離れた状態になる。そのため、高さ距離W6を距離W7よりも大きくすることで、天井ボード5が固定された状態においても対向面13Cを野縁2の内面2Aに対向させることができる。これにより、天井ボード5が割れた場合でも、ダンパーの落下を防止することができる。
上記ダイナミックダンパー1において、支持体12は、質量体11に接続された弾性変形可能な弾性体14と、弾性体14に接続され、対向面13Cを有する拘束部材13と、を含む。これにより、天井ボード5の振動に応じて変形する機能を弾性体14に持たせつつ、拘束部材13の大きさや配置によって対向面13Cの位置を調整することができる。そのため、対向面13Cの位置を調整する時でも弾性体14の設計を変更する必要がなく、ダンパーの周期が変わらないという利点がある。
上記ダイナミックダンパー1において、支持体12は、両野縁2の間隔W2よりも小さい幅を有する。拘束部材13は、弾性体14の下端部に接続され、対向面13C(側面)と、載置面13A(下面)と、を有する。拘束部材13の厚みT1は、第1及び第2端部11A,11Dの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3から野縁2の高さ寸法W4を引いた距離W7よりも大きくなっている。
これにより、第1及び第2端部11A,11Dが野縁2の上面に掛けられた仮設置状態において(図3左図)、支持体12を両野縁2の間に位置させ、かつ拘束部材13を野縁2に対向させることができる。そのため、天井ボード5によりダンパーを持ち上げる時に横方向に位置がずれた時でも、拘束部材13と野縁2とが衝突するため、天井ボード5と野縁2の下面との間にダンパーが挟まれることを防止できる。これにより、天井ボード5の不陸の問題を回避することができる。
上記ダイナミックダンパー1において、質量体11は、石膏から構成されている。上記ダイナミックダンパー1は、図1に示すように、天井懐の天井面に近い部分において両野縁2に跨るように面状に設置することができるため、広い面積を確保することができる。そのため、質量体11に比重が小さい材質を用いた場合でも、ダンパーとして機能させるのに必要な重量を確保することができる。そのため、上記ダイナミックダンパー1では、リサイクル可能な石膏を質量体11の構成材料として用いることで、コスト削減を図ることができる。
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係るダイナミックダンパー1A及びこれを備えた天井10Aについて、図4及び図5を参照して説明する。
ダイナミックダンパー1Aは、質量体31と、質量体31に接続された複数(4つ)の支持体32と、を有する。支持体32の各々は、弾性体34と、弾性体34に接続された拘束部材35と、を有する。実施形態2では、質量体31における短辺方向D2(第1端部から第2端部に向かう方向に直交する方向)の幅が上記実施形態1の質量体11よりも大きくなっている。そして、支持体32は、短辺方向D2において互いに離れて配置されると共に、長手方向D1(第1端部から第2端部に向かう方向)において互いに離れて配置されている。つまり、支持体32は、図5に示すように質量体31の四隅に接続されている。
このように質量体31の短辺方向D2の幅を大きくすることで、質量体31の面積をより広げることができる。そのため、鉄に比べて密度が低く安価な石膏などを質量体31の構成材料として用いた場合でも、ダンパーとして機能させるのに必要な重量を確保することができる。また複数の支持体32を短辺方向D2において互いに離れて配置することにより、上述のように短辺方向D2の幅を大きくした場合でも、質量体31を複数の支持体32により安定に支持することができる。また支持体32を質量体31の四隅に設けることで各支持体32を野縁2付近に位置させることができ、各支持体32によって上述したようなダンパーの落下防止の効果を得ることができる。
(その他実施形態)
上記実施形態では、第1端部11Aの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3と、第2端部11Dの下面11Bと載置面13Aとの間の高さ寸法W3とが同じであるがこれに限定されず、両者が異なっていてもよい。
上記実施形態では、第1端部11Aの突出長さL1が隙間L4よりも大きく、かつ第2端部11Dの突出長さL2が隙間L3よりも大きい場合について説明したがこれに限定されず、上記大小関係が逆であってもよい。
上記実施形態では、支持体12が弾性体14と拘束部材13とによって構成される場合について説明したがこれに限定されず、拘束部材13が省略されてもよい。
上記実施形態では、質量体11が石膏ボードからなる場合について説明したがこれに限定されず、鉄板などの他の材質からなる部材によって構成されてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1,1A ダイナミックダンパー
2 野縁
5 天井ボード
5A 上面
10,10A 天井
11,31 質量体
11A 第1端部
11D 第2端部
12 支持体
13 拘束部材
13A 載置面(下面)
13C 対向面(側面)
14 弾性体
D1 配列方向
L1,L2 突出長さ
L3,L4 隙間
W2 間隔

Claims (9)

  1. 所定の配列方向に互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と、両野縁の下面に固定される天井ボードと、を備えた天井に設置されるダイナミックダンパーであって、
    第1端部と、前記第1端部に対して両野縁の間隔以上の間隔で配置された第2端部と、を有する質量体と、
    前記第1端部と前記第2端部との間で前記質量体に接続され、前記天井ボードの上面に載置される載置面を有すると共に前記質量体を支持する弾性変形可能な少なくとも1つの支持体と、を備え、
    前記第1端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法及び前記第2端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法は、前記野縁の高さ寸法よりも大きい、ダイナミックダンパー。
  2. 前記第1端部が一方の野縁の内面から所定の長さだけ前記配列方向の外側に突出するように配置されたときに、他方の野縁の内面に対して前記所定の長さよりも小さい隙間を空けて前記配列方向の内側に配置される対向面を有する、請求項1に記載のダイナミックダンパー。
  3. 前記対向面は、前記載置面よりも上側でかつ前記第1端部の下面から所定の高さ距離だけ下に離れた位置に設けられ、
    前記高さ距離は、前記第1端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法から前記野縁の高さ寸法を引いた距離よりも大きい、請求項2に記載のダイナミックダンパー。
  4. 前記支持体は、
    前記質量体に接続された弾性変形可能な弾性体と、
    前記弾性体に接続され、前記対向面を有する拘束部材と、を含む、請求項2又は3に記載のダイナミックダンパー。
  5. 前記支持体は、両野縁の間隔よりも小さい幅を有し、
    前記拘束部材は、前記弾性体の下端部に接続され、前記対向面である側面と、前記載置面である下面と、を有し、
    前記拘束部材の厚みは、前記第2端部の下面と前記載置面との間の高さ寸法から前記野縁の高さ寸法を引いた距離よりも大きい、請求項4に記載のダイナミックダンパー。
  6. 前記質量体は、石膏から構成されている、請求項1〜5の何れか1項に記載のダイナミックダンパー。
  7. 前記第1端部から前記第2端部に向かう方向において互いに離れて配置された複数の前記支持体を備えた、請求項1〜6の何れか1項に記載のダイナミックダンパー。
  8. 前記第1端部から前記第2端部に向かう方向に直交する方向において互いに離れて配置された複数の前記支持体を備えた、請求項1〜7の何れか1項に記載のダイナミックダンパー。
  9. 所定の配列方向に互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と、
    前記野縁の下面に固定される天井ボードと、
    前記天井ボードの上面に設置される請求項1〜8の何れか1項に記載のダイナミックダンパーと、を備えた、天井。
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