JP7122185B2 - 床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の木質の横架材の上面に床面材を取り付けて床部を構成する床構造に関するものである。
従来、建物において、下階へ伝播される重量床衝撃音を低減する床構造の技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、床根太の側面に、ゴム弾性体及びマス部材からなるダイナミックダンパを有する制振装置を設置する構成が開示されている。これにより、下階へ伝播される重量床衝撃音を低減する。
特許文献2には、横架材の側面に、錘を取り付けた構成が開示されている。これにより、下階へ伝播される重量床衝撃音を低減する。
特開2006-070494号公報 特開平05-287934号公報
しかしながら、特許文献1では、ダイナミックダンパの共振周波数を、床の固有値(振動卓越周波数)に合わせる、面倒なチューニング作業をする必要がある、という問題がある。
特許文献2では、横架材に錘を取り付けて、動吸振器として振動を吸収するものであり、重量床衝撃音を十分に低減できる程に振動を未然に低減することができない、という問題がある。
そこで、本発明は、チューニング作業を行うことなく、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる床構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の床構造は、複数の木質の横架材の上面に床面材を取り付けて床部を構成する床構造であって、前記横架材の側面又は底面に前記横架材の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体を備え、前記錘体は、2つ以上の前記横架材に跨らずに取り付けられ、前記錘体の総重量は、前記床部の重量の25%~70%であることを特徴とする。
ここで、本発明の床構造は、床面材の縁部に配置された縁材間に架け渡された木質の横架材の上面に床面材を取り付けて床部を構成する床構造であって、前記縁材に接続されずに、前記横架材の側面又は底面に前記横架材の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体を備え、前記錘体の総重量は、前記床部の重量の25%~70%であってもよい。
また、本発明の床構造では、前記錘体は、前記横架材の長手方向に沿って、複数設けられてもよい。
また、本発明の床構造では、前記錘体は、前記横架材の長手方向に沿って延在する帯板状としてもよい。
また、本発明の床構造では、前記錘体は、前記床面材と隙間を空けて前記横架材に取り付けられてもよい。
また、本発明の床構造では、前記錘体の総重量は、前記床部の重量の60%~70%としてもよい。
このように構成された本発明の床構造では、横架材の側面又は底面に前記横架材の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体を備え、前記錘体は、2つ以上の前記横架材に跨らずに取り付けられ、前記錘体の総重量は、前記床部の重量の25%~70%であることで、床部に振動が発生した際に、剛性を上げずに錘体を横架材と一体として、揺らすようにすることができるので、横架材を積極的に揺らすのではなく、横架材を極力揺らさないようにして、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる。また、本発明の床構造では、錘体を横架材の任意な位置に取り付けることが可能となり、錘体の取付位置を調整する面倒なチューニング作業を行う必要がなくなる。
また、本発明の床構造では、縁材に接続されずに、横架材の側面又は底面に前記横架材の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体を備え、前記錘体の総重量は、床部の重量の25%~70%であるので、床部に振動が発生した際に、剛性を上げずに錘体を横架材と一体として、揺らすようにすることができるので、横架材を積極的に揺らすのではなく、横架材を極力揺らさないようにして、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる。また、本発明の床構造では、錘体を横架材の任意な位置に取り付けることが可能となり、錘体の取付位置を調整する面倒なチューニング作業を行う必要がなくなる。
また、本発明の床構造では、前記錘体は、前記横架材の長手方向に沿って、複数設けられることで、錘体の総重量を維持しつつ、1つの錘体の重さを軽くすることができるので、作業者が錘体を横架材に取り付ける取付作業性を向上させることができる。
また、本発明の床構造では、前記錘体は、前記横架材の長手方向に沿って延在する帯板状とすることで、床部に振動が発生した際に、横架材の揺れを、より偏りなく低減することができる。
また、本発明の床構造では、前記錘体は、前記床面材と隙間を空けて前記横架材に取り付けられることで、床面材と横架材との間の剛性を増加させないで、横架材に錘体を取り付けることができ、床部の固有振動数を低下させて、重量床衝撃音の評価周波数で影響の大きいピーク振動を低減することができるので、重量床衝撃音に対する遮断性能の向上を図ることができる。
また、本発明の床構造では、前記錘体の総重量は、前記床部の重量の60%~70%とすることで、床部としての耐荷重性能を維持しつつ、重量床衝撃音レベルを5[dB]以上低減することができる。
実施例1の床構造が適用される木造建物を示す斜視図である。 実施例1の床構造を示す断面図である。 実施例1の錘体の構成を示す斜視図である。 実施例1の錘体の小梁への取付方法を示す断面図である。 実験に使用した床部を示す平面図であり、図5(a)は、実施例1の2階の床部を示し、図5(b)は、実施例1の3階の床部を示し、図5(c)は、実施例1の4階の床部を示す。 重量床衝撃音レベルの低減量を示すグラフである。 実施例1のハンマリング試験の結果を床部上のアクセレランスとして表示したグラフである。 実施例2の錘体の構成を示す斜視図である。 実施例2の錘体の構成を示す平面図である。 別の例の錘体の小梁への取付方法を示す断面図である。 別の例の錘体の小梁への取付方法を示す断面図である。
以下、本発明による床構造を実現する実施形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
床構造は、例えば、4階建ての木造建物の2階の床部と3階の床部と4階の床部とに適用される。
[床構造の構成]
図1は、実施例1の床構造が適用される木造建物を示す斜視図である。図2は、実施例1の床構造を示す断面図である。以下、図1及び図2に基づいて、実施例1の床構造の構成を説明する。
木造建物1は、図1に示すように、床部10としての2階の床部10Aと、床部10としての3階の床部10Bと、床部10としての4階の床部10Cと、を備える。なお、2階の床部10Aと、3階の床部10Bと、4階の床部10Cとは、後述する錘体20が配置される位置を除いて、同様の構成であるため、床部10として説明する。
床部10は、図1及び図2に示すように、縁材としての第1大梁11と、縁材としての第2大梁12と、横架材としての小梁13と、第1大梁11上面と第2大梁12の上面と小梁13の上面とを覆うように配置される床面材15と、を備える。
第1大梁11と第2大梁12は、木質の角材によって形成される。第1大梁11は、2本設けられ、2本の第1大梁11は、互いに並行に配置される。第2大梁12は、2本設けられ、2本の第2大梁12は、互いに並行に配置される。第2大梁12は、第1大梁11と、直交する方向に配置される。第1大梁11と第2大梁12は、柱(図示せず)に架設される。
小梁13は、木質の角材によって形成される。小梁13は、例えば3本設けられ、3本の小梁13は、第2大梁12と並行に配置される。小梁13は、第1大梁11間に架け渡される。
床面材15は、例えば、合板の上に、硬質石膏ボードを設置した板材で形成される。合板は、例えば、厚さ24[mm]で、硬質石膏ボードは、例えば、厚さ12.5[mm]で形成される。床面材15は、第1大梁11の上面と、第2大梁12の上面と、小梁13の上面とを覆うように敷設される。床面材15の縁部には、第1大梁11と第2大梁12が配置される。
小梁13には、錘体20が取り付けられる。各錘体20は、2つ以上の小梁13に跨らないように、小梁13に取り付けられる。各錘体20は、第1大梁11及び第2大梁12に接続されないで、小梁13に取り付けられる。すなわち、各錘体20は、第1大梁11及び第2大梁12と間隔を空けて、小梁13に取り付けられる。
2階の床部10Aには、図1及び図5(a)に示すように、各小梁13の両側面に、小梁13の長手方向に間隔を空けて、それぞれ2つの錘体20が取り付けられる。小梁13の一方の側面に配置される錘体20は、小梁13の他方の側面に配置される錘体20と対向するように配置される。すなわち、2階の床部10Aには、合計で12個の錘体20が小梁13に取り付けられる。
3階の床部10Bには、図1及び図5(b)に示すように、各小梁13の一方の側面に、小梁13の長手方向に間隔を空けて、それぞれ4つの錘体20が取り付けられる。すなわち、3階の床部10Bには、合計で12個の錘体20が小梁13に取り付けられる。
4階の床部10Cには、図1及び図5(c)に示すように、各小梁13の両側面に、小梁13の長手方向に間隔を空けて、それぞれ4つの錘体20が取り付けられる。小梁13の一方の側面に配置される錘体20は、小梁13の他方の側面に配置される錘体20と対向するように配置される。すなわち、4階の床部10Cには、合計で24個の錘体20が小梁13に取り付けられる。
[錘体の構成]
図3は、実施例1の錘体の構成を示す斜視図である。以下、図3に基づいて、実施例1の錘体の構成を説明する。
錘体20は、図3に示すように、例えば、200[mm]×200[mm]の大きさで矩形に形成され、重さ8[kg]とする。錘体20には、錘体20の中央に貫通穴20aが形成される。
[錘体の取付方法]
図4は、実施例1の錘体の小梁への取付方法を示す断面図である。以下、図3及び図4に基づいて、実施例1の錘体の取付方法を説明する。
まず、L字状のL字金具32,33を、それぞれ2つのネジBによって小梁13に取り付ける。L字金具32,33の長手方向の長さは、小梁13の幅より長く形成される。小梁13に取り付けられたL字金具32,33は、小梁13の幅方向で、小梁13から突出して設けられる。
次に、錘体20を、小梁13から突出したL字金具32,33の部分に載置する。この際、錘体20は、床面材15と間隔を空けて配置される。すなわち、錘体20は、小梁13の梁成より短く形成される。
次に、円環状の座金(ワッシャ)31を介して、錘体20の貫通穴20aに、ネジBを捻じ込むことで、錘体20を小梁13に取り付ける。すなわち、錘体20は、一箇所において、小梁13の側面に取り付けられる。これにより、錘体20は、小梁13の側面又は底面に小梁13の剛性を上げることなく一体に取り付けられる。ネジBは、錘体20の重量と、床部10の上部からの衝撃や振動と、に十分に耐えられるものとする。なお、ネジBの替わりに、ボルト等を用いてもよい。
このように、錘体20を小梁13に取り付けることで、錘体20は小梁13と一体となって取り付けられる。すなわち、小梁13が振動した際に、小梁13の振動と一体となって錘体20が振動するように、錘体20は、小梁13に取り付けられる。これにより、小梁13と、錘体20とは、同じ振動の挙動となる。また、錘体20は、一箇所において、小梁13の側面に取り付けられるので、小梁13の剛性を増加させることなく、錘体20を小梁13に取り付けることができる。
[重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能確認試験]
図5は、実験に使用した床部を示す平面図であり、図5(a)は、実施例1の2階の床部10Aを示し、図5(b)は、実施例1の3階の床部10Bを示し、図5(c)は、実施例1の4階の床部10Cを示す。図6は、重量床衝撃音レベルの低減量を示すグラフである。実施例1の2階の床部10Aと、実施例1の3階の床部10Bと、実施例1の4階の床部10Cと、を用いて、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能確認試験を試みた。以下、その実験について説明する。
錘体20が取り付けられていない床部10の重量は、約300[kg]とする。1つの錘体20の重量は、約8[kg]とする。
床部10Aでは、錘体20の総重量は96[kg]であり、錘体20を取り付けていない床部10Aの重量は300[kg]である。すなわち、床部10Aでは、錘体20の総重量は、錘体20を取り付けていない床部10Aの重量の32%となる。
床部10Bでは、錘体20の総重量は96[kg]であり、錘体20を取り付けていない床部10Bの重量は300[kg]である。すなわち、床部10Bでは、錘体20の総重量は、錘体20を取り付けていない床部10Bの重量の32%となる。
床部10Cでは、錘体20の総重量は192[kg]であり、錘体20を取り付けていない床部10Cの重量は300[kg]である。すなわち、床部10Cでは、錘体20の総重量は、錘体20を取り付けていない床部10Cの重量の64%となる。
重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能確認試験では、残響室に設けた床開口に、2階の床部10Aと、3階の床部10Bと、4階の床部10Cと、をそれぞれ設置して、床衝撃音遮断性能を計測した。床衝撃音遮断性能の計測は、JIS A 1418-2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法-第2部:標準重量衝撃源による方法」に準拠して行った。
また、計測結果は、JIS A 1419-2「建築物および建築部材の遮断性能の評価方法-第2部:床衝撃音遮断性能」に準拠して、重量床衝撃音レベルを算出し、錘体20を設置していない床部の測定数値との差を、重量床衝撃音レベルの低減量として比較した。
図6に示すように、重量床衝撃音に対する遮断性能の主な評価範囲である63Hz帯域と125Hz帯域において、床部10Aと床部10Bとでは、同程度の重量床衝撃音レベルの低減量となっている。
これにより、錘体20が取り付けられていない床部10の重量に対する、小梁13に取り付けられた錘体20の総重量の割合が同じであれば、錘体20の設置位置には依らず、同程度の重量床衝撃音レベルの低減量を得ることができることが分かる。
床部10A及び床部10Bのように、錘体20の総重量を、錘体20を取り付けていない床部10の重量の32%とすることで、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能は、63Hz帯域において、2~4[dB]向上することが分かる。
また、床部10Cのように、錘体20の総重量を、錘体20を取り付けていない床部10の重量の64%とすることで、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能は、63Hz帯域において、5[dB]以上向上することが分かる。
そのため、錘体20の総重量を、錘体20を取り付けていない床部10の重量の25%~40%とすることで、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能は、2~4[dB]向上すると推測することができる。また、錘体20の総重量を、錘体20を取り付けていない床部10の重量の60%~70%とすることで、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能は、5[dB]以上向上すると推測することができる。また、錘体20の総重量を、錘体20を取り付けていない床部10の重量の40%~60%とすることで、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能は、4~5[dB]向上すると推測することができる。
これにより、重量床衝撃音に対する遮断性能は、小梁13に取り付けられる錘体20の総重量の増加に伴って、向上することが分かる。
[ハンマリング試験]
図7は、実施例1のハンマリング試験の結果を床部上のアクセレランスとして表示したグラフである。実施例1の2階の床部10Aと、実施例1の3階の床部10Bと、実施例1の4階の床部10Cと、を用いて、ハンマリング試験を試みた。以下、その試験について説明する。なお、アクセレランスとは、揺れやすさをいう。
図7に示すように、錘体20を取り付けた床部10A,10B,10Cは、錘体20を取り付けていない床部に比べて、床部10上のアクセレランス(揺れやすさ)が減少していることが分かる。また、床部10の剛性を増加させることなく、錘体20を小梁13に取り付けることで、床部10の固有振動数は下がり、重量衝撃源に対する床衝撃音遮断性能の主な評価範囲(63Hz帯域と125Hz帯域)において、より効果的に遮断性能を向上させていることが分かる。
次に、実施例1の床構造の作用を説明する。実施例1の床構造は、複数の木質の横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の上面に床面材15を取り付けて床部10を構成する床構造である。この床構造は、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の側面又は底面に横架材(小梁13)の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体20を備え、錘体20は、2つ以上の横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)に跨らずに取り付けられ、錘体20の総重量は、床部10の重量の25%~70%である(図1)。
これにより、床部10に振動が発生した際に、剛性を上げずに錘体20を横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)と一体として、揺らすようにすることができる。そのため、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)を積極的に揺らすのではなく、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)を極力揺らさないようにして、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる。
また、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の振動モードの腹位置に、錘体20を取り付けて、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の振動を吸収する必要がなくなる。そのため、錘体20を横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の任意の位置に取り付けることが可能となり、錘体20の取付位置を調整する面倒なチューニング作業を行う必要がなくなる。その結果、天井用の下地材や天井内に設置する設備機器の位置によって、錘体20の取付位置が制限される場合であっても、錘体20を横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の任意の位置に取り付けて、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる。
ところで、床面材に、重い仕上げ材や、石膏ボードを貼り重ねることで、重量のある床部を構成することができる。しかし、床面材に重い仕上げ材や石膏ボードを貼り重ねると、床部の剛性が増加する。床部の剛性が増加すると、床部の固有振動数が上昇し、重量床衝撃音の評価周波数における振動が増加する。そのため、重量床衝撃音に対する遮断性能が悪化する可能性がある。
これに対し、実施例1の床構造では、錘体20は、2つ以上の横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)に跨らずに取り付けられる。これにより、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)間の剛性を増加させないで、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)に錘体20を取り付けることができる。そのため、床部10の固有振動数を低下させて、重量床衝撃音の評価周波数で影響の大きいピーク振動を低減することができ、重量床衝撃音に対する遮断性能の向上を図ることができる。
また、床面材の厚みを厚くすることなく、重量床衝撃音を低減することができる。そのため、床下空間又は床上空間を圧迫することなく、重量床衝撃音を低減することができる。
実施例1の床構造では、床面材15の縁部に配置された縁材(第1大梁11)間に架け渡された木質の横架材(小梁13)の上面に床面材15を取り付けて床部10を構成する床構造である。この床構造は、縁材(第1大梁11)に接続されずに、横架材(小梁13)の側面又は底面に横架材(小梁13)の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体20を備え、錘体20の総重量は、床部10の重量の25%~70%である(図1)。
これにより、床部10に振動が発生した際に、剛性を上げずに錘体20を横架材(小梁13)と一体として、揺らすようにすることができる。そのため、横架材(小梁13)を積極的に揺らすのではなく、横架材(小梁13)を極力揺らさないようにして、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる。
また、横架材(小梁13)の振動モードの腹位置に、錘体20を取り付けて、横架材(小梁13)の振動を吸収する必要がなくなる。そのため、錘体20を横架材(小梁13)の任意の位置に取り付けることが可能となり、錘体20の取付位置を調整する面倒なチューニング作業を行う必要がなくなる。その結果、天井用の下地材や天井内に設置する設備機器の位置によって、錘体20の取付位置が制限される場合であっても、錘体20を横架材(小梁13)の任意の位置に取り付けて、重量床衝撃音の発生源となる振動を未然に低減することができる。
実施例1の床構造では、錘体20は、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の長手方向に沿って、複数設けられる(図5)。
これにより、錘体20の総重量を維持しつつ、1つの錘体20の重さを軽くすることができる。そのため、作業者が錘体20を横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)に取り付ける取付作業性を向上させることができる。
また、錘体20を横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)に分散して配置することができるので、床部10に振動が発生した際に、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の揺れを、より偏りなく低減することができる。
実施例1の床構造では、錘体20は、床面材15と隙間を空けて横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)に取り付けられる(図4)。
これにより、床面材15と横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)との間の剛性を増加させないで、床部10に錘体20を取り付けることができる。そのため、床部10の固有振動数を低下させて、重量床衝撃音の評価周波数で影響の大きいピーク振動を低減することができる。そのため、重量床衝撃音に対する遮断性能の向上を図ることができる。
実施例1の床構造では、錘体20の総重量は、床部10の重量の60%~70%である(図5(a))。これにより、床部10としての耐荷重性能を維持しつつ、重量床衝撃音レベルを5[dB]以上低減することができる。
実施例2における床構造について説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。
実施例2の床構造は、2~4階の床部に取り付けられる錘体の形状が異なる点で、実施例1の床構造と相違する。
[錘体の構成]
図8は、実施例2の錘体の構成を示す斜視図である。図9は、実施例2の錘体の構成を示す平面図である。以下、実施例2の錘体の構成を説明する。
実施例2の錘体120は、例えば、200[mm]×2500[mm]の大きさの帯板状に形成される。錘体120の長手方向の長さは、小梁13の長手方向の長さより短く形成される。錘体120には、図8に示すように、錘体120の長手方向の中央付近に貫通穴20aが形成される。
錘体120は、小梁13の一方の側面に沿って配置され、長手方向の中央付近の一箇所において、小梁13に取り付けられる。錘体120は、第1大梁11及び第2大梁12に接続されないで、小梁13に取り付けられる。すなわち、錘体120は、第1大梁11及び第2大梁12と間隔を空けて、小梁13に取り付けられる。
錘体120は、床面材15と間隔を空けて配置される。すなわち、錘体120は、小梁13の梁成より短く形成される。
次に、実施例2の床構造の作用を説明する。実施例2の床構造では、錘体120は、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の長手方向に沿って延在する帯板状とする(図9)。
これにより、床部に振動が発生した際に、横架材(小梁13,第1大梁11,第2大梁12)の揺れを、より偏りなく低減することができる。なお、実施例2のこの他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるため、説明を省略する。
以上、本発明の床構造を実施例1及び2に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1及び実施例2では、錘体20,120は、L字金具32,33と、座金31と、ネジBとによって、小梁13に取り付けられる例を示した。しかし、錘体20,120は、床部10の剛性を上げずに、小梁13に一体に取り付けられる態様であればよい。
例えば、図10に示すように、錘体20,120の下部を固定するL字状のL字金具34と、座金31と、ネジBとによって、錘体20,120を小梁13に取り付けてもよい。これにより、小梁13の下方に、より大きな空間を確保することができる。
実施例1では、2階の床部10Aと、3階の床部10Bと、4階の床部10Cとで、錘体20の取り付けられる位置が異なる例を示した。しかし、錘体の取り付けられる位置は、小梁13の何れの場所であってもよい。
実施例1及び実施例2では、錘体20,120は、横架材としての小梁13に取り付けられる例を示した。しかし、錘体20,120は、横架材としての第1大梁11や第2大梁12に取り付けられてもよいし、横架材としての根太に取り付けられてもよい。
実施例1及び実施例2では、錘体20,120を小梁13の側面に取り付けられる例を示した。しかし、錘体20,120は、小梁13の底面に取り付けられてもよいし、側面及び底面に取り付けられてもよい。
実施例1及び実施例2では、錘体20,120を一箇所で固定することで、小梁13の剛性を上げない例を示した。しかし、錘体20,120の固定方法は、この態様に限定されず、小梁13の剛性を上げることなく錘体20,120を小梁13に固定することができればよい。例えば、図11に示すように、ネジBを上下方向に2つ設けてもよい。
実施例1及び実施例2では、小梁13は、木質の第1大梁11間に架け渡される例を示した。しかし、小梁13は、鉄骨の梁間に架け渡されてもよい。
実施例1及び実施例2では、本発明の床構造を4階建ての木造建物に適用する例を示した。しかし、本発明の床構造は、2階建てや3階建ての木造建物に適用することもできるし、5階建て以上の木造建物に適用することもできる。
実施例1及び実施例2では、本発明の床構造を木造建物に適用する例を示した。しかし、本発明の床構造は、横架材としての小梁が木質であればよく、鉄筋コンクリート構造の建物や、鉄骨構造の建物に適用することができる。
本発明の床構造は、在来工法の建物や、パネル工法の建物や、ツーバイフォー工法の建物等に適用することができる。
1 木造建物
10 床部
11 第1大梁
12 第2大梁
13 小梁
15 床面材
20 錘体

Claims (6)

  1. 複数の木質の横架材の上面に床面材を取り付けて床部を構成する床構造であって、
    前記横架材の側面又は底面に前記床部の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体を備え、
    前記錘体は、一箇所においてネジ又はボルトによって前記横架材に取り付けられるものであるとともに、
    前記錘体は、2つ以上の前記横架材に跨らずに取り付けられ、
    前記錘体の総重量は、前記床部の重量の25%~70%である
    ことを特徴とする床構造。
  2. 床面材の縁部に配置された縁材間に架け渡された木質の横架材の上面に前記床面材を取り付けて床部を構成する床構造であって、
    前記縁材に接続されずに、前記横架材の側面又は底面に前記床部の剛性を上げることなく一体に取り付けられた錘体を備え、
    前記錘体は、一箇所においてネジ又はボルトによって前記横架材に取り付けられるものであるとともに、
    前記錘体の総重量は、前記床部の重量の25%~70%である
    ことを特徴とする床構造。
  3. 前記錘体は、前記横架材の長手方向に沿って、複数設けられる
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の床構造。
  4. 前記錘体は、前記横架材の長手方向に沿って延在する帯板状とする
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の床構造。
  5. 前記錘体は、前記床面材と隙間を空けて前記横架材に取り付けられる
    ことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の床構造。
  6. 前記錘体の総重量は、前記床部の重量の60%~70%である
    ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の床構造。
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