JP4854558B2 - 床構造、建物ユニット及びユニット建物 - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃音を低減させる床構造と、この床構造を備える建物ユニットと、この建物ユニットを備えるユニット建物に関する。
従来、上階において、子供が飛び跳ねたり、物を落下させたりした場合に発生する衝撃音が、下階における騒音として問題となっている。
この衝撃音を低減する方法として、例えば特許文献1に示す床構造が知られている。この床構造は、床小梁間に重錘機能を有する鋼板が架設されるとともに、この鋼板と床小梁の間に粘性材が介装されて構成される鋼板ダンパーを備えることを特徴としている。
このように鋼板ダンパーを構成することで、床の振動を鋼板ダンパーが吸収するため、床振動の減衰性が高くなって、衝撃音を抑えることができる。
また、特許文献2に示す床構造は、対向する床小梁の略中央に横架材が差し渡され、この横架材にダンパーを介して重りが吊り下げられて構成される粘性マスダンパーを備えることを特徴としている。
このように粘性マスダンパーを構成することで、床小梁と錘の固有振動数が異なるために振動し難いことと、ダンパーによる減衰との相乗効果によって、衝撃音を低減させることができる。
特開2003−247294号公報 特開2001−65099号公報
一方、上記した特許文献1の鋼板ダンパーを備えた床構造では、ダンパーの固有振動数を小さくするために、板を長くしたり、重りを付加したりする必要があった。
また、上記した特許文献2の粘性マスダンパーを備えた床構造では、ゴム製の上板の弾性が温度に依存するため、安定した遮音効果が得られない場合があった。
そこで、本発明は、小型で、安定した遮音効果を得ることができるダンパーを備える床構造建物ユニット及びユニット建物を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の床構造は、床梁に床小梁が架け渡され、該床小梁の上に床材が取り付けられて床を構成し、前記床小梁にダンパーが取り付けられる床構造であって、前記ダンパーは、板部材によって形成されるとともに、該板部材における前記床小梁の軸直交方向の中央の中心線に沿って、前記床小梁に、両端部が自由端となるように取り付けられることを特徴とする。
ここで、このダンパーには、前記板部材における前記床小梁の軸直交方向の中央に沿って取付部材が突設されるとともに、該取付部材が前記床小梁に沿って取り付けられることが好ましい。
さらに、上記したいずれのダンパーも、前記床の衝撃音による振動モードの腹位置近傍に設置されることが好ましい。
そして、本発明の建物ユニット又はユニット建物は、上記したような床構造を備えることを特徴とする。
ここにおいて、床材とは、床根太、床板又は床仕上げ材などをいうものとする。
このように、本発明の床構造は、長方形又は正方形の板部材によって形成されるとともに、板部材における床小梁の軸直交方向の中央の中心線に沿って床小梁に両端部が自由端となるように取り付けられるダンパーを備えている。
したがって、床に衝撃音が発生すると、床の振動が床小梁に伝達され、この床小梁の振動が床小梁に取り付けられたダンパーに伝達されて、ダンパーを構成する板部材の中央近傍が振動する。
この際、板部材の中央近傍は、中央を挟んだ両側の端部近傍から慣性力を受けるため、効率よく振動を減衰する。
また、板部材における床小梁の軸直交方向の中央に沿って取付部材を突設し、この取付部材を床小梁に取り付けることで、板部材が床小梁と接触して一体となって振動することを防止できるため、より効率よく振動を減衰することができる。
加えて、温度に依存して性質が変化する部材を用いていないため、安定した遮音効果を得ることができる。
また、ダンパーを床の衝撃音による振動モードの腹位置近傍に設置することで、床の振幅が大きい位置で振動を吸収できるため、床の衝撃音を効率よく減衰することができる。
さらに、上記したようなダンパーを備えることで、上階における衝撃音を低減し、下階に伝わる騒音を抑えた建物ユニット又はユニット建物とすることができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図2を用いて、ユニット建物Uの構成を説明する。このユニット建物Uは、複数の階を有している。すなわち、基礎3の上に1階部分となる複数の建物ユニット1A,・・・を設置し、この建物ユニット1A,・・・の上に2階部分となる複数の建物ユニット1,・・・を設置し、さらに建物ユニット1,・・・の上に屋根パネル4を取り付けている。
次に図3を用いて、本実施の形態の床構造Cを備えた、建物ユニット1の構成を説明する。この建物ユニット1は、4本の柱11,・・・と、この柱11,・・・の下端を連結した4本の床梁12,・・・と、この柱11,・・・の上端を連結した4本の天井梁13,・・・と、を有する骨組み構造体を備えている。
ここで、上記の骨組み構造体において、柱11,・・・としては角形鋼管などを使用することができる。また、床梁12,・・・及び天井梁13,・・・としては、溝形鋼などを使用することができる。
また、対向する長辺の床梁12,12には、複数本の床小梁15,・・・が略平行に架け渡され、この床小梁15,・・・の上にパーティクルボードなどの床材14が取り付けられて床が形成される。
さらに、対向する長辺の天井梁13,13に複数本の天井野縁17,・・・が架け渡され、この天井野縁17,・・・の下に石膏ボードなどの天井材18が取り付けられて天井が形成される。
そして、外壁(図示せず)を設ける場所には、床梁12と天井梁13との間に間柱19が取り付けられ、間柱19の屋外側と屋内側にそれぞれ外壁材と内壁材とが取り付けられ、外壁材と内壁材との間にガラスウールなどの断熱材が設けられて壁が形成される。
なお、建物ユニット1において、床材14は単層に限定されるものではなく、防音シート等を貼設することで複層としたり、床小梁とパーティクルボードの間に床根太を設けたりするものであってもよい。
そして、本実施の形態では、床小梁15にダンパー2が取り付けられている。
このダンパー2は、図1に示すように、板部材21と、この板部材21を床小梁15に取り付けるための取付部材としての取付板22と、を備えている。
この板部材21は、パーティクルボードや合板によって長方形の板状に形成され、板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央の中心線211に沿って、取付部材としての取付板22が取り付けられている。
そして、図4に示すように、板部材21が振動した際に床小梁15と接触しないように、板部材21の上面と床小梁15の下面との間には、間隙26が設けられている。
この間隙26の幅は、後に示す実証実験において測定された板部材21の振幅を考慮すると、3〜20 (mm)程度が好ましく、本実施の形態では5(mm)としている。
また、板部材21としてパーティクルボードを用いた場合には、板部材21の厚さは、一般的に用いられる12〜18(mm)程度が好ましく、本実施の形態では、15(mm)のものを用いる。
さらに、板部材21の床小梁15の軸方向の長さは、標準的な建物ユニット1の場合には、800(mm)とする。
この板部材21の最適な長さを求めるために実施した実証実験の概要について以下に説明する。
この実験は、標準的な形状及び材質を有する建物ユニット1として、床梁12,・・・と、床小梁15,・・・と、床板14とを備えた床構造Cに対して、ダンパー2,・・・を床小梁15,・・・に取り付けて実施されたものである。
すなわち、床構造Cの大きさを、長辺方向の長さL=5640(mm),短辺方向の幅B=2464(mm)とし、床梁12としては溝形鋼150×75を用い、床小梁15としては角形鋼管125×75を用い、床板14としては厚さ18(mm)のパーティクルボードを用いている。
そして、ダンパー2,・・・は、後述する振動モードの腹位置となる、建物ユニット1の床の桁方向を略4等分する位置の近傍の3箇所の床小梁15,・・・に取り付けられている。
この他、床衝撃音の発生方法や測定方法としては、日本工業規格A1419-2「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第2部:床衝撃音遮断性能」に規定される方法を用いている。
図9は、上記した実験条件のもとで、ダンパー2の板部材21の幅を600(mm)に固定し、板部材21の長さを600,800,900,1350,1800(mm)にした場合の、衝撃音の減衰量(dB)を測定した結果を示したものである。
図9からわかるように、板部材21の長さが、800(mm)の場合に、減衰量が6(dB)程度となって、最も減衰効果が大きいことがわかる。
また、長さが短い600(mm)の場合には、減衰量が5(dB)未満になるとともに、長さが長い1350(mm)又は1800(mm)の場合にも、減衰量が5(dB)程度となる。
これは、板部材21の長さが短い場合には、振動する板部材21自体が小さいことで板部材21の慣性力も小さいため、減衰効果が小さいことを表している。
一方、板部材21の長さが長い場合には、振動する板部材21自体が大きくなることで、板部材21の固有振動数が床小梁15の固有振動数に近づくため、板部材21と床小梁15が一体となって振動して、減衰効果が小さくなる。
同様に、板部材21の床小梁15の軸方向に直交する幅は、標準的な建物ユニット1の場合には、500(mm)又は600(mm)とする。
図10は、板部材21の幅を求めるために実施した実証実験の結果を示したグラフである。
この実験は、前記した図9に示す実験と略同様の条件によって行われたものであるが、前記した図9の実験とは反対に、板部材21の長さを900(mm)に固定し、板部材21の幅を500,600,700(mm)にした場合の実験結果を示したものである。
図10からわかるように、板部材21の幅が、500(mm)又は600(mm)の場合に、減衰量が6(dB)程度となって、減衰効果が大きいことがわかる。
一方、幅が広い700(mm)の場合には、減衰量が3(dB)程度となっており、板部材21の固有振動数が床小梁15の固有振動数に近づくことで、板部材21と床小梁15が一体となって振動するため、減衰効果が小さくなっていることがわかる。
また、本実施の形態の取付板22は、L形鋼によって形成され、床小梁15の側面に沿って溶接によって取り付けられる鉛直板221と、板部材21の長辺方向の中心線に沿ってタッピングビス25,・・・によって取り付けられる水平板222と、を備えている。
なお、鉛直板221の床小梁15に対する取り付けは、溶接の他にボルト・ナットを用いてもよいし、水平板222の板部材21に対する取り付けは、タッピングビス25の他に、ボルト・ナット、釘、接着剤を用いてもよい。
一方、建物ユニット1の床梁12,・・・と床小梁15,・・・と床板14とによって構成される床構造Cは、特定の周波数に対して共振することが知られている。
この共振周波数における床構造Cの振動波形を床構造Cの振動モードと呼び、振動モードの振幅が最大となる位置を腹、振幅がゼロとなる位置を節と呼ぶ。
そして、本実施の形態のダンパー2は、図5に示すように、建物ユニット1における床構造Cの振動モードM1,M2の腹位置A1,A2の近傍の床小梁15に取り付けられる。
特に、床構造Cにおける歩行振動モードの腹位置及び重量衝撃振動モードの腹位置に設置するのが好ましい。
例えば、歩行振動モードM1の腹位置A1が床の桁方向の略中央付近で、重量衝撃振動モードM2の腹位置A2が床の桁方向の略4等分点の位置であったとする。
この場合には、ダンパー2を床の4等分点の3箇所に設置するが、腹位置A1,A2,A2に対応する位置に床小梁15が設置されていない場合には、腹位置A1,A2,A2を挟む両側の床小梁15,15のうちのより近い床小梁15にダンパー2を取り付ける。
また、ダンパー2は、妻方向については、床小梁15の振動の振幅が最も大きくなる床小梁15の妻方向略中央近傍に取り付ける。
次に、本実施の形態の床構造Cの作用について説明する。
このように、本実施の形態の床構造Cは、床小梁15にダンパー2が取り付けられる床構造Cであって、このダンパー2は、長方形の板部材21によって形成されるとともに、板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央の中心線211に沿って、取付板22を介して床小梁15に取り付けられている。
そして、子供の飛び跳ねなどによって床材14に衝撃音が発生すると、床小梁15に振動が伝達され、取付板22を介して、床小梁15の振動がダンパー2を構成する板部材21に伝達される。
このとき、取付板22は、振動方向となる上下方向の剛性が大きいため、取付板22が取付けられている箇所の床小梁15の振動を、ほとんど減衰することなく板部材21に伝達する。
そうすると、取付板22に取り付けられている板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央の中心線211近傍は、床小梁15の振動が伝達されて、床小梁15に連動して上下に振動することとなる。
一方で、中心線211を挟む端部213,213近傍には、慣性の法則がはたらくため、振動が伝達されても元の静止したままの位置に留まろうとする。
ところが、端部213,213と中心線211近傍とは、同一の板部材21から形成されて、相互に繋がっている。
したがって、中心線211近傍に対して相対的に静止状態にある端部213,213は、中心線211近傍が振動すると振動とは逆方向に力を加えて、振動を減衰することとなる。
そして、図6(b)に示すように、本実施の形態のダンパー2を構成する板部材21は、中心線211を挟んだ両端部213,213から慣性力を受けるため、従来の構造よりも効率よく振動を減衰することができる。
すなわち、図6(a)に示す従来の構造では、板部材21が床小梁15,15に架け渡されていることで、板部材21の両端部213,213が振動するため(波形WA)、板部材21の中心線211近傍のみから慣性力を受けるものであった。
これに対して、図6(b)に示す本実施の形態の床構造Cでは、板部材21の中心線211近傍のみが振動するため(波形WB)、板部材21の両側の端部213,213近傍から慣性力を受けることとなる。
つまり、慣性力を受ける箇所が1箇所から2箇所に増えるため、より効率よく振動を減衰することが可能となる。
このように、ダンパー2を構成する板部材21の振動が減衰されることで、板部材21が取り付けられた床小梁15の振動を減衰させることとなるため、結果として、床構造C全体の衝撃音を低減することができる。
そして、上記のように効率よく振動を減衰することで、ダンパー2としてより小型のものを用いることができる。
すなわち、従来の構造によって得ることができる遮音効果と同等の遮音効果を得るためには、従来よりも効率よく振動を吸収する本実施の形態のダンパー2を用いることで、従来よりも小型のダンパー2とすることができる。
反対に、従来の構造と同程度の大きさのダンパー2を用いれば、従来よりも遮音効果の大きいダンパー2とすることができる。
また、温度に依存して性質が変化する部材を用いていないため、高温時でも低温時でも安定した遮音効果を得ることができる。
すなわち、ダンパー2は、ゴムなどの温度に依存して性質が変化する部材が用いられていないため、従来のように高温度時にゴムが軟化してダンパーの固有振動数が小さくなったり、低温度時にゴムが硬化してダンパーの固有振動数が大きくなったりせずに、常に一定の固有振動数を有し、安定した遮音効果を得ることができる。
そして、板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央に沿って取付板22を突設し、この取付板22を床小梁15に取り付けることで、板部材21が床小梁15と接触して一体となって振動することを防止できるため、より効率よく振動を減衰することができる。
すなわち、図6(b)に示すように、床小梁15が振動によって下方に変位した際には、板部材21の両側の端部213,213は、相対的に上方に向かって変形することとなる。
なお、この図6(a)(b)においては、振動する様子が理解しやすくなるように、床小梁15の変位を誇張して描いているが、実際には変位は微量である。
そして、このように変形した場合でも、板部材21が取付板22を介して床小梁15に取り付けられることによって、板部材21の上面と床小梁15の下面との間に間隙26が設けられて接触することがない。
そうすると、板部材21に慣性力を与えて減衰させる両端部213,213近傍の範囲が広くなるため、より大きい慣性力を与えることができる。
さらに、このように取付板22を介して、ダンパー2を取り付けるため、床小梁15として角型鋼管などが用いられる場合でも、ダンパー2を取り付けることが容易となる。
つまり、あらかじめ板部材21に取付板22の水平板222を取り付けておくことで、図4に示すように、取付板22の鉛直板221を床小梁15の側面に、面を重ねて取り付けることができるため、溶接などの取り付け作業が容易になる。
そして、上記したように、ダンパー2は板部材21と取付板22によって形成される、極めて単純な構造となっている。
したがって、建物ユニット1を工場で生産する際には、新たな工程を設けてダンパー2を取り付けなくても、床小梁15,・・・を設置する工程などにおいて、ダンパー2を取り付けることができる。
さらに、板部材21は長方形又は正方形であることで、市販されている長方形のパーティクルボードや合板などを、所定の寸法に合わせて切断するなどして、簡単に加工できるため、極めて汎用性の高いダンパー2となる。
加えて、ダンパー2は、主に、安価な板部材21によって構成されるため、従来のように複雑で機械的な構造を有する粘性マスダンパー等と比べて、安価なものとすることができる。
また、ダンパー2は、主に厚みの薄い板部材21によって構成されることで、従来のダンパーと比べて厚みを薄くできるため、2階の建物ユニット1の床と1階の建物ユニット1Aの天井との間にあるわずかな空間においても、ダンパー2を設置することができる。
そして、ダンパー2を床構造Cの衝撃音による振動モードM1,M2の腹位置A1,A2の近傍に設置することで、振幅の大きい位置で振動を減衰できるため、効率よく振動を吸収することができる。
さらに、上記したようなダンパー2を備えることで、上階における衝撃音を低減し、下階に伝わる騒音を抑えた建物ユニット1とすることができる。
そして、このような建物ユニット1を備えたユニット建物Uは、上階で発生した騒音を遮音して下階に伝達しない、快適なユニット建物Uとなる。
次に、図7を用いて、前記実施の形態とは別の形態のダンパー2Aを備える床構造C1について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、ダンパー2が、板部材21とは別に取付部材としての取付板22を備える場合について説明したが、この実施例では、取付板22を備えない場合について説明する。
本実施例の床構造C1は、図7に示すように、床小梁15と、床小梁15に取り付けられるダンパー2Aと、を備えている。
この床小梁15は、取り付けられた状態において下面となるフランジ151を有する溝形鋼によって形成され、対向する長辺の床梁12,12に架け渡されている。
なお、この床小梁15としては、取り付けられた状態で下面となるフランジ151を有するものであれば、H形鋼、L形鋼など、どのような形状の部材でもよい。
また、ダンパー2Aは、板部材21によって形成されており、板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央の中心線211に沿って、床小梁15の下側のフランジ151にタッピングビス25,・・・によって取り付けられている。
そして、板部材21は、パーティクルボードや合板によって長方形又は正方形に形成され、板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央の中心線211に沿って、床小梁15のフランジ151にタッピングビス25,・・・によって取り付けられている。
このように、取付部材としての取付板22を設けないで、床小梁15に板部材21を直接取り付けることで、極めて簡単な構造のダンパー2Aとなるため、組み立てや取り付けが容易で、安価なダンパー2Aとすることができる。
また、ダンパー2Aは、板部材21のみによって形成されるため、極めて薄い構造となり、1階の建物ユニット1Aの天井と、2階の建物ユニット1の床と、の間にある極めて狭い空間にも、取り付けることができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態と略同様であるため説明を省略する。
次に、図8を用いて、前記実施の形態および実施例1とは別の形態のダンパー2Bを備えた床構造C2について説明する。なお、前記実施の形態および実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態および実施例1では、板部材21における床小梁15の軸直交方向の中央に沿って、板部材21を床小梁15に取り付ける場合について説明したが、この実施例では、板部材21の面の中心点212の近傍に突設される取付片23を介して、板部材21が床小梁15に取り付けられる場合について説明する。
本実施例の床構造C2は、図8に示すように、床小梁15と、床小梁15に取り付けられるダンパー2Bと、を備えている。
この床小梁15は、角形鋼管によって形成され、対向する長辺の床梁12,12に架け渡されている。
また、ダンパー2Bは、正方形の板部材21と、取付片23と、を備えている。
そして、板部材21は、パーティクルボードや合板によって正方形の板状に形成されて、面の中心点212の近傍には取付片23が突設されている。
また、この取付片23は、L形鋼などを切断して形成されて、鉛直片231と水平片22とを有しており、鉛直片231が床小梁15に溶接によって取り付けられるとともに、水平片232がタッピングビス25,25によって板部材21に取り付けられる。
また、この正方形の板部材21の一辺の長さは、標準的な建物ユニット1の場合には、600(mm)とする。
図11は、正方形の板部材21の一辺の長さを求めるために実施した実証実験の結果を示したグラフである。
この実験は、前記実施の形態で説明した図9に示す実験と略同様の条件によって行われたものである。
図11からわかるように、パーティクルボードの厚さが18(mm)で、一辺の長さが600(mm)の場合に、減衰量が6(dB)程度となって、減衰効果が大きいことがわかる。
一方、一辺の長さが500(mm)の場合には、減衰量が4(dB)程度となっており、板部材21の平面寸法が小さいことで質量も小さくなり、慣性力も小さくなるために、減衰効果が小さくなることがわかる。
なお、図11には、一辺の長さが600(m)であって、パーティクルボードの厚みが15(mm)の場合の結果も示しているが、この場合にも板部材21の質量が小さくなって、慣性力が小さくなることがわかる。
このように、ダンパー2Bを構成する板部材21の中心点212の近傍に取付片23が突設されて、この取付片23が床小梁15に取り付けられることで、板部材21は、中心点212近傍の周囲全体から慣性力を受けるため、効率よく振動を吸収することができる。
そして、板部材21が正方形に形成されることで、板部材21の中心点212の周囲までの距離が均等になって、周囲全体から略均等に慣性力を受けるため、効率よく振動を減衰することができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態又は実施例1と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例2では、取付部材としてL形鋼によって形成される取付板22や取付片23を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、それ自体が振動しないよう適度な剛性があれば、形状及び材質は任意に選定することができる。
また、前記実施の形態及び実施例2では、取付部材と床小梁15とを溶接によって固定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ボルト・ナットや、スポット溶接、ビスなど固定できる方法であれば、どのような方法で固定してもよい。
また、前記実施の形態及び実施例1,2では、板部材21の寸法として、実験によって求めた最適な値を説明したが、板部材21の寸法はこれに限定されるものではなく、実験で想定した周波数帯の衝撃音以外に対して遮音効果を得たい場合には、別の寸法の板を用いることもできる。
さらに、前記実施の形態及び実施例1,2では、床小梁15の上に、直接床材14を設置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、床小梁15の上に根太を設置し、根太の上に床材14を設置するものであってもよい。
そして、前記実施の形態及び実施例1では、板部材21が長方形の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板部材21は正方形であってもよいし、多角形や円形など、線対称の図形であればどのような形状のものであってもよい。
これとは反対に、前記実施例2では、板部材21が正方形の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板部材21は長方形であってもよいし、多角形や円形など、線対称や点対称の図形であればどのような形状のものであってもよい。
また、前記実施の形態では、板部材の幅が500(mm)又は600(mm)、長さが800(mm)の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板部材の材質などによっては、幅が300〜600(mm)、長さが300〜1200(mm)の場合が最も適切となる。
さらに、前記実施例2では、正方形の板部材の一辺の長さが600(mm)の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板部材の材質などによっては、一辺の長さが300〜1200(mm)の場合が最も適切となる。
本発明の最良の実施の形態の床構造に配置されるダンパーの構成を説明する斜視図である。 ユニット建物の概略構成を説明する斜視図である。 本発明の最良の実施の形態の建物ユニットの構成を一部破断して説明する斜視図である。 本発明の最良の実施の形態に配置されるダンパーの設置位置を説明する断面図である。 床構造におけるダンパーの設置位置を説明する説明図である。 床小梁及び板部材の振動波形を説明する説明図である。(a)は従来例の振動波形であり、(b)は本発明の振動波形である。 実施例1の床構造に配置するダンパーの構成を説明する斜視図である。 実施例2の床構造に配置するダンパーの構成を説明する斜視図である。 板部材の最適な長さを求める実験の結果を示したグラフである。 板部材の最適な幅を求める実験の結果を示したグラフである。 正方形の板部材の最適な辺の長さを求める実験の結果を示したグラフである。
符号の説明
1,1A 建物ユニット
C,C1,C2 床構造
12 床梁
14 床材
15 床小梁
2,2A,2B ダンパー
21 板部材
211 中心線(中央)
212 中心点
22 取付板(取付部材)
23 取付片
M1,M2 振動モード
A1,A2 腹位置

Claims (5)

  1. 床梁に床小梁が架け渡され、該床小梁の上に床材が取り付けられて床を構成し、前記床小梁にダンパーが取り付けられる床構造であって、
    前記ダンパーは、板部材によって形成されるとともに、該板部材における前記床小梁の軸直交方向の中央の中心線に沿って、前記床小梁に、両端部が自由端となるように取り付けられることを特徴とする床構造。
  2. 前記ダンパーには、前記板部材における前記床小梁の軸直交方向の中央に沿って取付部材が突設されるとともに、該取付部材が前記床小梁に沿って取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
  3. 前記ダンパーは、前記床の衝撃音による振動モードの腹位置近傍に設置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床構造。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の床構造を備えることを特徴とする建物ユニット。
  5. 請求項4に記載の建物ユニットを備えることを特徴とするユニット建物。
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