JP2003247294A - 遮音床構造 - Google Patents

遮音床構造

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JP2003247294A
JP2003247294A JP2002046637A JP2002046637A JP2003247294A JP 2003247294 A JP2003247294 A JP 2003247294A JP 2002046637 A JP2002046637 A JP 2002046637A JP 2002046637 A JP2002046637 A JP 2002046637A JP 2003247294 A JP2003247294 A JP 2003247294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純な構造で減衰性を高めることができるよ
うにする。 【解決手段】 桁床大梁12と妻床大梁13とを略矩形
状に組合せて床フレーム14を構成し、床フレーム14
の対向する桁床大梁12間に複数本の床小梁21を架設
し、床フレーム14の隣接する床小梁21間に重錘機能
を有する鋼板35を架設すると共に、鋼板35と床小梁
21との接触面間に粘性材36を介装し、床小梁21と
粘性材36との間、および、粘性材36と鋼板35との
間を接着剤で固着して鋼板ダンパー38,39を構成す
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の階を有す
る建物、特にユニット建物に適した遮音床構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の遮音床構造としては、例えば、特
開平6−306989号公報や、特開平11−2286
号公報や、特開2001−65099号公報等に記載さ
れたものが知られている。
【0003】このうち、特開平6−306989号公報
では、四角枠状に組まれた芯材の上面に床面材を貼設し
て床パネルを構成すると共に、この床パネルの下面に天
井材を取付け、更に、隣接する上記芯材間に直交方向へ
延びるブロッキング材を架設すると共に、天井材の下面
で且つブロッキング材に対応する位置に防振補強合板を
取付けるようにしている。
【0004】また、特開平11−2286号公報および
特開2001−65099号公報では、床小梁の下部ま
たは対向する床小梁間に粘性マスダンパーを取付けるよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−306989号公報のものでは、ブロッキング材や
防振補強合板には減衰性が無いため、歩行のような重量
音の対策としては不十分である。また、床パネルの下面
に直接天井材を取付けているので、固体伝播音に対する
防振効果が悪化するという問題があった。
【0006】また、特開平11−2286号公報および
特開2001−65099号公報のものでは、床小梁の
下部または対向する床小梁間に粘性マスダンパーを取付
けるようにしているので、高価な粘性マスダンパーが多
数必要になるという問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
解消し、単純な構造で減衰性を高めることのできる遮音
床構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明では、桁床大梁と妻床大
梁とを略矩形状に組合せて床フレームを構成し、該床フ
レームの対向する桁床大梁間に複数本の床小梁を架設
し、隣接する床小梁間に重錘機能を有する鋼板を架設す
ると共に、該鋼板と床小梁との接触面間に粘性材を介装
し、前記床小梁と粘性材との間、および、粘性材と鋼板
との間を接着剤で固着して鋼板ダンパーを構成した遮音
床構造を特徴としている。
【0009】このように構成された請求項1にかかる遮
音床構造の発明によれば、床小梁が振動すると、隣接す
る床小梁間に設置された鋼板ダンパーが、以下のように
して、その振動を吸収する。これによって、床振動の減
衰性が高くなり、重量音を抑えることができるようにな
る。また、この鋼板ダンパーは構造が単純であるため、
粘性マスダンパーと比較して安価なものとすることがで
きる。上記したように、鋼板ダンパーでは、床小梁が振
動すると、粘性材に変形が生じ熱損失が発生する。よっ
て、床小梁の振動エネルギーが粘性材の熱エネルギーと
して変換され、結果として、床小梁の振動が減衰する。
【0010】請求項2に記載された発明では、桁床大梁
と妻床大梁とを略矩形状に組合せて床フレームを構成
し、該床フレームの対向する桁床大梁間に複数本の床小
梁を架設し、床振動を直接受振可能な棒状のスタッド
と、該スタッドが軸線方向へ移動自在に貫通配置される
と共に内部に高粘性を有するダンピングオイルを封入さ
れたケースと、該ケースおよびスタッドの貫通部間を封
止する弾性封止材と、ダンピングオイル中に位置決めさ
れてスタッドのケース内側端に一体に取付けられたダン
ピングプレートと、前記ケースに取付けられたアジャス
ティングマスとを備えた粘性マスダンパーを設け、前記
桁床大梁に、前記スタッドのケース外側端を取付ボルト
を用いて取付けた遮音床構造を特徴としている。
【0011】このように構成された請求項2にかかる遮
音床構造の発明によれば、桁床大梁や妻床大梁等(以
下、桁床大梁等という)が振動すると、桁床大梁に取付
けられた粘性マスダンパーがその振動を吸収する。これ
によって、床振動の減衰性が高くなり、重量音を抑える
ことができるようになる。上記したように、粘性マスダ
ンパーでは、桁床大梁等が振動すると、ダンピングプレ
ートとダンピングオイルとの間に変位が生じ、熱損失が
発生する。よって、桁床大梁等の振動エネルギーがダン
ピングオイルの熱エネルギーとして変換され、結果とし
て、桁床大梁等の振動が減衰する。
【0012】請求項3に記載された発明では、隣接する
床小梁間に、共振板ダンパーを設けた請求項2記載の遮
音床構造を特徴としている。
【0013】このように構成された請求項3にかかる遮
音床構造の発明によれば、床小梁が振動すると、隣接す
る床小梁間に設置された共振板ダンパーが、床振動に共
振して、その振動を吸収する。よって、床振動の減衰性
が高くなり、重量音を抑えることができるようになる。
また、この共振板ダンパーは構造が単純であるため、粘
性マスダンパーと比較して安価なものとすることができ
る。そして、請求項2の粘性マスダンパーに請求項3の
共振板ダンパーを組合せることにより、粘性マスダンパ
ーのみで構成するよりも、安価なものとすることができ
る。
【0014】請求項4に記載された発明では、請求項1
の鋼板ダンパー、請求項2の粘性マスダンパー、請求項
3の共振板ダンパーのいずれかを、ユニット建物の床フ
レームにおける振動モードの腹位置に取付けた遮音床構
造を特徴としている。
【0015】このように構成された請求項4にかかる遮
音床構造の発明によれば、請求項1の鋼板ダンパー、請
求項2の粘性マスダンパー、請求項3の共振板ダンパー
をユニット建物に適用することができる。ユニット建物
では、構造上、床構造と天井構造が分離しているので、
固体伝播音を低減することができる。また、ユニット建
物の組立工場で各ダンパーを組込むことができる。そし
て、床の歩行振動モードの腹位置および重量衝撃の振動
モードの腹位置に各ダンパーを設けることにより、最小
限の個数で効率良く振動振幅を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態1について、図示例と共に説明する。
【0017】図1〜図4は、この発明の実施の形態1を
示すものである。
【0018】まず、図1により、この実施の形態1を適
用する建物1について説明する。この建物1は、複数の
階を有している。即ち、基礎2の上に1階部分Aを形成
し、この1階部分Aの上に2階部分Bを形成し、2階部
分Bの上に屋根パネル3を取付けている。なお、建物1
は、3階以上であっても良いことは言うまでもない。
【0019】そして、この建物1は、図1では、ユニッ
ト建物4とされている。即ち、1階部分Aは、9個の略
箱状の建物ユニット5で構成されており、2階部分B
は、9個の略箱状の建物ユニット6で構成されている。
【0020】各建物ユニット5,6は、図2に示すよう
に、4本のユニット柱11と、このユニット柱11の下
端間に4本の床大梁12,13(平行な2本の桁床大梁
12(長尺)、および、平行な2本の妻床大梁13(短
尺))を略矩形状に連結して成る床フレーム14と、ユ
ニット柱11の上端間に4本の天井大梁15,16(平
行な2本の桁天井大梁15(長尺)、および、平行な2
本の妻天井大梁16(短尺))を略矩形状に連結して成
る天井フレーム17とを有する、ボックスラーメン構造
のユニットフレーム18を備えている。なお、ユニット
柱11は矩形断面を呈し、床大梁12,13および天井
大梁15,16は、それぞれ内向きのコ字断面を呈して
いる。
【0021】そして、床フレーム14の対向する桁床大
梁12間には、妻床大梁13と平行な複数本の床小梁2
1が架設され、床小梁21の上部には桁床大梁12と平
行な複数本の床根太22が取付けられ、床根太22の上
部には、パーチクルボードなどの床面材23が貼設され
て、床構造24を構成している。なお、床面材23は単
層であっても、防音シート等を貼設して複層化しても良
い。
【0022】同様に、天井フレーム17の対向する桁天
井大梁15間には、妻天井大梁16と平行な複数本の天
井野縁26が架設され、天井野縁26の下面には、石膏
ボードなどの天井面材27が貼設されている。また、天
井野縁26の上面には補強板28が貼設され、この補強
板28の上面には仕切板29が取付けられ、補強板28
上面の仕切板29で仕切られた部分にはロックウールな
どの吸音材30が取付けられている。以上により、天井
構造31が構成されている。
【0023】このように、ユニット建物4では、床構造
24と天井構造31とを別個独立に有しているので、下
階の建物ユニット5の上に上階の建物ユニット6を載置
した状態では、床構造24と天井構造31とが相互に分
離配置されることとなる。
【0024】なお、建物ユニット5,6には上記した標
準タイプのものの他に、各種の変形タイプも存在する
が、以下、そのような変形タイプのものも含まれるもの
とする。
【0025】この実施の形態1では、図3、図4に示す
ように、上記の建物1における下階の建物ユニット5ま
たは上階の建物ユニット6の床構造24に対し、隣接す
る床小梁21間に重錘機能を有する鋼板35を架設す
る。そして、鋼板35と床小梁21との接触面間に粘性
ゴムなどの粘性材36を介装する。更に、床小梁21と
粘性材36との間、および、粘性材36と鋼板35との
間を接着剤で固着して鋼板ダンパー38,39を構成す
る。
【0026】この重錘機能を有する鋼板35は、それぞ
れ自体振動しないような適度な剛性があれば、納まり上
に問題のない範囲内で、形状などは任意とすることがで
きる。また、鋼板35は重いほど効果があるので、可搬
性や施工性や床小梁21の耐荷重能力に支障のない限り
なるべく重いものを選択するのが良い。但し、鋼板35
の重さに応じて粘性材36の減衰特性を最適調整する必
要がある。
【0027】この最適調整は以下のようにする。即ち、
予め、鋼板ダンパー38,39を取付ける床(床構造2
4)の等価質量と、床の固有周波数とを求めておき、鋼
板ダンパー38,39における鋼板35と粘性材36と
の重量比を調整して振動振幅比を変えて行き、床の固有
周波数と一致するように減衰特性を調整する。
【0028】より具体的には、例えば、鋼板35の重さ
を30kgとする場合には、減衰比が略0.3〜0.6
程度の範囲となるように調整するのが望ましい。
【0029】そして、この鋼板ダンパー38,39を、
ユニット建物4の床フレーム14における振動モード4
0,41の腹位置42,43に取付ける。特に、床の歩
行振動モード40,41の腹位置42,43および重量
衝撃の振動モード40,41の腹位置42,43に取付
けるのが好ましい。
【0030】そのために、予め、床の振動モード40,
41を求めておく。そして、床の歩行振動モード40の
腹位置42として、床フレーム14の桁方向の略中央位
置に、鋼板ダンパー38を1箇所取付けるようにする。
また、重量衝撃の振動モード41の腹位置43として、
床フレーム14の桁方向の略中央位置を除いた桁方向の
略4等分点の位置に、鋼板ダンパー39を1箇所ずつ、
合計2箇所取付けるようにする。即ち、鋼板ダンパー3
8,39は、合計、3箇所設けるようにする。ここで、
鋼板ダンパー38には、鋼板ダンパー39よりも大型の
ものが使われるようにする。また、鋼板ダンパー38,
39は、妻方向に対しては、それぞれ中間位置に取付け
るようにする。
【0031】次に、この実施の形態1の作用について説
明する。
【0032】床小梁21が振動すると、隣接する床小梁
21間に設置された鋼板ダンパー38,39が、以下の
ようにして、その振動を吸収する。これによって、床振
動の減衰性が高くなり、重量音を抑えることができるよ
うになる。また、この鋼板ダンパー38,39は構造が
単純であるため、粘性マスダンパーと比較して安価なも
のとすることができる。
【0033】そして、上記したように、鋼板ダンパー3
8,39では、床小梁21が振動すると、粘性材36に
変形が生じ熱損失が発生する。よって、床小梁21の振
動エネルギーが粘性材36の熱エネルギーとして変換さ
れ、結果として、床小梁21の振動が減衰する。
【0034】また、上記鋼板ダンパー38,39は、一
般の建物1やユニット建物4に適用することができる。
特に、ユニット建物4では、構造上、床構造24と天井
構造31とが分離しているので、固体伝播音を低減する
ことができる。また、ユニット建物4の組立工場で鋼板
ダンパー38,39を組込むことができる。
【0035】そして、床の歩行振動モード40の腹位置
42に大型の鋼板ダンパー38を設け、重量衝撃の振動
モード41の腹位置43に小型の鋼板ダンパー39を設
けることにより、最小限の個数で効率良く振動振幅を低
減することができる。
【0036】
【発明の実施の形態2】図5〜図10は、この発明の実
施の形態2を示すものである。なお、この実施の形態2
を適用する建物1については、実施の形態1と同様なの
で、説明を省略する。
【0037】この実施の形態2のものでは、床振動を直
接受振可能な略上下方向へ延びる棒状のスタッド45
と、このスタッド45が軸線方向(上下方向)へ移動自
在に貫通配置されると共に内部に高粘性を有するシリコ
ンオイル等のダンピングオイル46を封入された鉄製容
器などのケース47と、ケース47およびスタッド45
の貫通部(即ち、ケース47上面の開口およびスタッド
45中間部外周)間を封止する硬質ゴムや弾性ゴムなど
の弾性封止材48と、ダンピングオイル46中に浸漬、
位置決めされてスタッド45のケース内側端(下端)に
一体に取付けられたダンピングプレート49と、ケース
47に取付けられたコンクリート等のアジャスティング
マス50とを備えた粘性マスダンパー51を設ける。
【0038】そして、コ字断面の桁床大梁12内に納ま
るように粘性マスダンパー51を配置し、桁床大梁12
の上フランジ52に、スタッド45のケース外側端(上
端)を貫通させ、上フランジ52から上方に突出したス
タッド45上端に取付ボルト53を螺着するなどして、
桁床大梁12に粘性マスダンパー51を取付ける。
【0039】更に、隣接する床小梁21間に、一対の架
材55を掛け渡し、この一対の架材55間に共振板ダン
パー56を設ける。この共振板ダンパー56は、図9に
示すように、一対の架材55の下端部間に接続した板材
57と、この板材57の上部に載置・固定された重錘5
8とを備えている。この板材57は、両端における架材
55との取付位置を振動の節とし、中央部を腹として、
上下に曲げ変形による振動を行い得るようになってい
る。この板材57にはパーチクルボードなどの適切な粘
性および弾性を有するものが選択される。また、重錘5
8には、振動吸収に最適な重さのものが選択される。
【0040】そして、この粘性マスダンパー51および
共振板ダンパー56を、ユニット建物4の床フレーム1
4における振動モード40,41の腹位置42,43に
取付ける。特に、床の歩行振動モード40,41の腹位
置42,43および重量衝撃の振動モード40,41の
腹位置42,43に取付けるのが好ましい。
【0041】そのために、予め、床の振動モード40,
41を求めておく。そして、床の歩行振動モード40の
腹位置42として、桁床大梁12の桁方向の略中央位置
に、粘性マスダンパー51を1箇所取付けるようにす
る。また、重量衝撃の振動モード41の腹位置43とし
て、床フレーム14の桁方向の略中央位置を除いた桁方
向の略4等分点の位置に、共振板ダンパー56を2箇所
ずつ、合計4箇所取付けるようにする。なお、共振板ダ
ンパー56は、妻方向に対しては、それぞれ中間位置に
取付けるようにする。
【0042】次に、この実施の形態2の作用について説
明する。
【0043】桁床大梁12や妻床大梁13等(以下、桁
床大梁12等という)が振動すると、桁床大梁12に取
付けられた粘性マスダンパー51がその振動を吸収す
る。よって、床振動の減衰性が高くなり、重量音を抑え
ることができるようになる。
【0044】また、上記したように、粘性マスダンパー
51では、桁床大梁12等が振動すると、図8に示すよ
うに、ダンピングプレート49とダンピングオイル46
との間に上下の変位が生じ、この時のダンピングオイル
46の抵抗力Fによって熱損失が発生する。よって、桁
床大梁12等の振動エネルギーがダンピングオイル46
の熱エネルギーとして変換され、結果として、桁床大梁
12等の振動が減衰する。
【0045】一方、床小梁21が振動すると、図10に
示すように、隣接する床小梁21間に掛け渡された一対
の架材55間に設置された共振板ダンパー56の板材5
7が、床振動に共振して、その振動を吸収する。よっ
て、床振動の減衰性が高くなり、重量音を抑えることが
できるようになる。また、この共振板ダンパー56は構
造が単純であるため、粘性マスダンパー51と比較して
安価なものとすることができる。
【0046】そして、上記した粘性マスダンパー51に
共振板ダンパー56を組合せることにより、粘性マスダ
ンパー51のみで構成するよりも、安価なものとするこ
とができる。
【0047】更に、上記粘性マスダンパー51、共振板
ダンパー56は、一般の建物1やユニット建物4に適用
することができる。特に、ユニット建物4では、構造
上、床構造24と天井構造31とが分離しているので、
固体伝播音を低減することができる。また、ユニット建
物4の組立工場で粘性マスダンパー51、共振板ダンパ
ー56を組込むことができる。
【0048】そして、床の歩行振動モード40の腹位置
42に粘性マスダンパー51を設け、重量衝撃の振動モ
ード41の腹位置43に共振板ダンパー56を設けるこ
とにより、最小限の個数で効率良く振動振幅を低減する
ことができる。
【0049】上記以外の部分については、上記実施の形
態と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得る
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明によれば、床小梁が振動すると、隣接する床小梁間に
設置された鋼板ダンパーが、以下のようにして、その振
動を吸収する。これによって、床振動の減衰性が高くな
り、重量音を抑えることができるようになる。また、こ
の鋼板ダンパーは構造が単純であるため、粘性マスダン
パーと比較して安価なものとすることができる。上記し
たように、鋼板ダンパーでは、床小梁が振動すると、粘
性材に変形が生じ熱損失が発生する。よって、床小梁の
振動エネルギーが粘性材の熱エネルギーとして変換さ
れ、結果として、床小梁の振動が減衰する。
【0051】請求項2の発明によれば、桁床大梁や妻床
大梁等(以下、桁床大梁等という)が振動すると、桁床
大梁に取付けられた粘性マスダンパーがその振動を吸収
する。これによって、床振動の減衰性が高くなり、重量
音を抑えることができるようになる。上記したように、
粘性マスダンパーでは、桁床大梁等が振動すると、ダン
ピングプレートとダンピングオイルとの間に変位が生
じ、熱損失が発生する。よって、桁床大梁等の振動エネ
ルギーがダンピングオイルの熱エネルギーとして変換さ
れ、結果として、桁床大梁等の振動が減衰する。
【0052】請求項3の発明によれば、床小梁が振動す
ると、隣接する床小梁間に設置された共振板ダンパー
が、床振動に共振して、その振動を吸収する。よって、
床振動の減衰性が高くなり、重量音を抑えることができ
るようになる。また、この共振板ダンパーは構造が単純
であるため、粘性マスダンパーと比較して安価なものと
することができる。そして、請求項2の粘性マスダンパ
ーに請求項3の共振板ダンパーを組合せることにより、
粘性マスダンパーのみで構成するよりも、安価なものと
することができる。
【0053】請求項4の発明によれば、請求項1の鋼板
ダンパー、請求項2の粘性マスダンパー、請求項3の共
振板ダンパーをユニット建物に適用することができる。
ユニット建物では、構造上、床構造と天井構造が分離し
ているので、固体伝播音を低減することができる。ま
た、ユニット建物の組立工場で各ダンパーを組込むこと
ができる。そして、床の歩行振動モードの腹位置および
重量衝撃の振動モードの腹位置に各ダンパーを設けるこ
とにより、最小限の個数で効率良く振動振幅を低減する
ことができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する建物の斜視図である。
【図2】図1の建物ユニットの一部破断した斜視図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる床フレームの平
面図である。
【図4】図3の部分拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる床フレームの平
面図である。
【図6】図5の部分拡大斜視図である。
【図7】図5の縦断面図である。
【図8】(a)(b)は粘性マスダンパーの作動原理図
である。
【図9】共振板ダンパーの斜視図である。
【図10】(a)(b)(c)は共振板ダンパーの作動
原理図である。
【符号の説明】
4 ユニット建物 12 桁床大梁 13 妻床大梁 14 床フレーム 21 床小梁 35 重錘機能を有する鋼板 36 粘性材 38 鋼板ダンパー 39 鋼板ダンパー 40 振動モード 41 振動モード 42 腹位置 43 腹位置 45 スタッド 46 ダンピングオイル 47 ケース 48 弾性封止材 49 ダンピングプレート 50 アジャスティングマス 51 粘性マスダンパー 53 取付ボルト 56 共振板ダンパー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】桁床大梁と妻床大梁とを略矩形状に組合せ
    て床フレームを構成し、該床フレームの対向する桁床大
    梁間に複数本の床小梁を架設し、 隣接する床小梁間に重錘機能を有する鋼板を架設すると
    共に、該鋼板と床小梁との接触面間に粘性材を介装し、
    前記床小梁と粘性材との間、および、粘性材と鋼板との
    間を接着剤で固着して鋼板ダンパーを構成したことを特
    徴とする遮音床構造。
  2. 【請求項2】桁床大梁と妻床大梁とを略矩形状に組合せ
    て床フレームを構成し、該床フレームの対向する桁床大
    梁間に複数本の床小梁を架設し、 床振動を直接受振可能な棒状のスタッドと、該スタッド
    が軸線方向へ移動自在に貫通配置されると共に内部に高
    粘性を有するダンピングオイルを封入されたケースと、
    該ケースおよびスタッドの貫通部間を封止する弾性封止
    材と、ダンピングオイル中に位置決めされてスタッドの
    ケース内側端に一体に取付けられたダンピングプレート
    と、前記ケースに取付けられたアジャスティングマスと
    を備えた粘性マスダンパーを設け、 前記桁床大梁に、前記スタッドのケース外側端を取付ボ
    ルトを用いて取付けたことを特徴とする遮音床構造。
  3. 【請求項3】隣接する床小梁間に、共振板ダンパーを設
    けたことを特徴とする請求項2記載の遮音床構造。
  4. 【請求項4】請求項1の鋼板ダンパー、請求項2の粘性
    マスダンパー、請求項3の共振板ダンパーのいずれか
    を、ユニット建物の床フレームにおける振動モードの腹
    位置に取付けたことを特徴とする遮音床構造。
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