JP7128658B2 - 天井下地材の支持構造 - Google Patents
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Description
図1は、第一の実施の形態に係る天井下地材の支持構造を示したものである。
この天井下地材の支持構造では、下地材保持部材2が用いられ、この下地材保持部材2は、ここでは際架材4及びランナー材6を組み合わせて構成する。
また、天井下地材8としてここでは野縁材8を用いる。この野縁材8の下部に、天井板材10を取り付けて天井を構築する。
上記際架材4及びランナー材6は、何れも薄板軽量鋼板を屈曲成形したものである。
上記天井板材10は、石膏ボード等のボード材、岩綿吸音板等の仕上げ材等からなる板材である。
このため、図2に示すように、鋼板を屈曲成形した際架材4の角部は、横からの外力により通常90°の角度が、90°以上の鈍角或いは90度以下の鋭角に弾性変形し、外力が無くなると通常の角度(90度)に弾性復帰する。
また、鋼板を屈曲成形したランナー材6の角部についても、外力により通常90°の角度が、90°以上或いは90度以下に弾性変形し、外力が無くなると通常の角度(90度)に弾性復帰する。
なお、ここでは天井下地材8として野縁材8を適用しているが、天井下地材8として他に野縁受け材等、天井下地に用いられる横材を適用することも可能である。
止着具36としてはネジ、セルフドリリングネジ或いはボルト等が用いられる。
このように、際架材4の側板部16とランナー材6の側板部18同士を、止着具36を用いて固着し、下地材保持部材2を組み立てる。そして、左右の天井の際の各壁面部34に下地材保持部材2を配置する。
そして、図3に示すように下地材保持部材2の各部位を、固定部42(際架材4の固定部14)、上板部44(際架材4の上板部12)、側板部46(際架材4の側板部16及びランナー材6の側板部18)、及び下板部48(ランナー材6の下板部22)から構成する。
但し、上記角度(θ)の拡大縮小の範囲を考慮した場合、実用的には、上記平常時の角度(θ)は90度±10度の範囲内が適当である。
上記側板部46と野縁材8との間の間隙(S)の大きさは、自由に設定可能である。野縁材8が側板部46と反対方向へ移動する場合には、上記隙間(S)の大きさとは関係なく、上記角度(θ)が拡大して弾性保持可能である。
これとは逆に、上記間隙(S)を大きくした場合、野縁材8の大きな揺れ(横移動)に順応可能であり弾性保持が可能である。
したがって、断面ロ字状或いは溝状の野縁材8を用いる場合には、地震等による最大揺れによる移動範囲を予め予測し、これに基づいて上記間隙(S)の大きさを設定するのが実用的である。
他に、野縁材8の端部9を斜めに(下部を鋭角状に)カットしたものを用いた場合には、野縁材8の端部上部が側板部46の上部近傍に当たる虞が軽減され、野縁材8の横揺れに十分順応し弾性保持が可能である。
図4(a)は、平常時など野縁材8からの力(横振動)が加わらない状態を示したものである。ここで、地震その他の原因で天井の天井板材10等が揺れて横振動が発生し、これに伴い野縁材8(長尺方向)から壁面部34方向の力が作用すると、この力(図中左向き)は野縁材8の端部9からランナー材6の下板部22に加わる。
また同時に、際架材4の側板部16(46)の上部は上板部12によって移動が阻まれるため、際架材4の弾性により側板部16(46)は上板部12に対して、角度(θ2)が鋭角になる状態に屈曲する。ここで、下板部22と上板部12とは互いに平行であるため、角度(θ1)と角度(θ2)とは同じ(θ1=θ2=θ)である。
なお、この際、ランナー材6の上面部20は、野縁材8の上面部30に当接した状態となり、このまま側板部46(18)の角度が変化するため、角部の角度(δ)は拡大し鈍角に屈曲する。
上記野縁材8が元の位置に復帰し、野縁材8からの力の作用が無くなると、ランナー材6及び際架材4の各角部の上記角度(θ)は、元の90度(直角)の状態に弾性復帰する。
また同時に、際架材4の側板部16(46)の上部は上板部12によって移動が阻まれるため、際架材4の弾性により側板部16(46)は上板部12に対して、角度(θ2)が鈍角になる状態に屈曲する。ここで、下板部22と上板部12とは互いに平行であるため、角度(θ1)と角度(θ2)とは同じ角度(θ1=θ2=θ)である。
なお、この際、ランナー材6の上面部20はフリーの状態であるため、角部の角度(δ)は90度のまま変わらない。
上記野縁材8が元の位置に復帰し、野縁材8からの力の作用が無くなると、ランナー材6及び際架材4の各角部の上記角度(θ)は、元の90度の状態に弾性復帰する。
尚ここでは、上記第一の実施の形態と同一の部材等は、特に説明のない限り構成及び効果等については同様であり、また同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
図5は、第二の実施の形態に係る天井下地材の支持構造を示したものである。
この天井下地材の支持構造では、下地材保持部材52が用いられ、この下地材保持部材52は、ここでは横架材54、及びL型のアングル材56を組み合わせて構成する。
また、ここでは天井下地材として野縁材8を用いる。この野縁材8の下部に、止着具36等を用いて天井板材10を取り付けて天井を構築する。
上記横架材54及びアングル材56は、何れも薄板軽量鋼板を屈曲成形したものである。
この薄板軽量鋼板は、板厚が0.3mm~1.2mm、好ましくは0.4mm~0.8mmである。これにより、薄板軽量鋼板は可撓性及び弾性を有するものとなる。
さらに、アングル材56の下部に横架材54を配置し、この横架材54の上板部62の先端部を壁面部34に当てておく。そして、横架材54の上板部62をアングル材56の横板部76の下部に重ね、下から止着具36(セルフドリリングネジ等)を用いて両者を固着する。なお、予め止着具36を用いてアングル材56に横架材54を固着しておき、この状態でアングル材56を壁面部34に固定することとしても良い。
そして、図6に示すように下地材保持部材52の各部位を、固定部42(アングル材56の縦板部78)、上板部44(横架材54の上板部62の一部、アングル材56の横板部76の一部)、側板部46(横架材54の側板部66)、及び下板部48(横架材54の下板部72)から構成する。
ここで、縦板部78を壁面部34に固定した状態で、下板部72と側板部66とがなす角部の角度(θ1)、及び側板部66と上板部62とがなす角部の角度(θ2)は、同一の角度(θ=θ1=θ2)であり、外力が無い場合には90度(直角)である。
尚、上記横架材54は、特に角度(θ)が鋭角に屈曲した場合、上板部62(側板部66間の角部近傍)が下方に撓む可能性がある。このため、上板部62の下部に補強板材55を配置し、上板部62の撓みを緩和するようにしても良い。この補強板材55は、止着部36を用いて上板部62と共にアングル材56の横板部76に固定する。
上記側板部46(66)と野縁材8との間の間隙(S)の大きさは、自由に設定可能である。野縁材8の最大揺れによる移動範囲を予測し、これに基づいて上記間隙(S)の大きさを設定するのが実用的である。
図7(a)は、平常時など野縁材8からの力(横振動)が加わらない状態を示したものである。ここで、地震その他の原因で天井が揺れ、横振動が発生して野縁材8から壁面部34方向の力が作用すると、この力(図中右向き)は野縁材8の端部9から横架材54の下板部72に加わる。
すると、図7(c)に示すように、横架材54の下板部72は、壁面部34から離れる向きに力が作用し、横架材54の弾性により下板部72に対する側板部66(46)の角度(θ1)が拡大し、鈍角に屈曲する。
また同時に、横架材54の側板部66(46)の上部は、横架材54の弾性により側板部66(46)は上板部62に対して、角度(θ2)が鈍角になる状態に屈曲する。ここで、上記角度(θ1)と角度(θ2)とは同じ角度(θ1=θ2=θ)である。
上記野縁材8が元の状態に復帰すると、横架材54の各角部の上記角度(θ)は、元の90度の状態に弾性復帰する。
図8(a)は、他の形態に係る天井下地材の支持構造を示したものである。
尚ここでは、上記第二の実施の形態と同一の部材等は、特に説明のない限り構成及び効果等については同様であり、また同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
この天井下地材の支持構造では、第二の実施の形態と同様に下地材保持部材52が用いられ、この下地材保持部材52は、横架材54及びL型のアングル材56を組み合わせて構成する。なお、横架材54の上板部62とアングル材56の横板部76とは、予め溶着等により両者(一部)が固着されたものを使用してもよい。
この場合、横揺れにより野縁材8から壁面部34方向への力が作用すると、野縁材8の側面部28は下地材保持部材52の側板部66に当たった状態のままとなるが、上板部62の可撓性により、この上板部62が撓む範囲で野縁材8が壁面部34方向へ移動することができ、弾性保持が可能となる。
従って、この他の形態においても、上記第二の実施の形態と同様、横揺れに対する耐振及び防振効果が十分に発揮され、また施工性にも優れるという効果がある。
4 際架材
6 ランナー材
8 天井下地材(野縁材)
10 天井板材
34 壁面部
36 止着具
42(14、78) 固定部
44(12、62) 上板部
46(16,18,66) 側板部
48 (22,62) 下板部
54 横架材
56 アングル材
Claims (5)
- 建物の壁面部に取付けて使用され、天井下地材を壁際で弾性保持する下地材保持部材を用いた天井下地材の支持構造であって、
上記下地材保持部材は、
上板部、この上板部の一端部に設けられ上記壁面部に固定される固定部、上記上板部の他端部から90度・10度の範囲に屈曲形成された側板部、及びこの側板部の下端部から上記上板部とは反対向きに屈曲形成された下板部を有し、
上記固定部を上記壁面部に固定し、上記上板部と上記下板部とを互いに平行に保持した状態で、上記側板部と上記下板部とがなす角度及び上記側板部と上記上板部とがなす角度が、弾性を維持した状態で拡縮可能に変化できるように構成し、
上記天井下地材の一部を上記下板部の上部に載せ、上記側板部との間に間隙を設け、又は隙間を設けないで配置し、当該下板部と上記天井下地材とを止着具を用いて固定し、
上記天井下地材の横揺れに対して、上記各角度が変化し、上記下地材保持部材により上記天井下地材の横揺れを弾性保持することを特徴とする天井下地材の支持構造。 - 断面逆U字状の際架材を用い、この際架材の上板部、一方の側板部及び他方の側板部を、それぞれ上記下地材保持部材の上板部、固定部、及び側板部の一部として構成し、
断面コの字状のランナー材を用い、このランナー材の下板部及び側板部の一部を、それぞれ上記下地材保持部材の下板部、及び側板部の一部として構成し、
上記際架材の側板部と上記ランナー材の側板部とを重ね合わせ、止着具を用いて両者を固着して上記下地材保持部材の側板部を形成したことを特徴とする請求項1記載の天井下地材の支持構造。 - 断面Z字状の横架材を用い、この横架材の上板部の一部、側板部及び下板部を、それぞれ上記下地材保持部材の上板部の一部、側板部及び下板部として構成し、
断面L字状のアングル材を用い、このアングル材の縦板部及び横板部の一部を、それぞれ上記下地材保持部材の固定部及び上板部の一部として構成し、
上記横架材の上板部の一部と上記アングル材の横板部の一部とを重ね合わせ、止着具を用いて両者を固着して上記下地材保持部材の上板部を形成したことを特徴とする請求項1記載の天井下地材の支持構造。 - 上記際架材を、板厚が0.3mm~1.2mmの薄板軽量鋼板を屈曲成形して形成したことを特徴とする請求項2に記載の天井下地材の支持構造。
- 上記天井下地材を野縁材としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の天井下地材の支持構造。
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