JP7368574B1 - 天井構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】廊下の天井Cに、廊下長さ方向に延びるメイン下地材3と、廊下幅方向に延びるクロス下地材5とを施工する場合に、一定長さのクロス下地材5を用いながら、廊下Cの側壁1の不陸に対してメイン下地材3を固定するための大きな調整代を採用できるようにし、同時に調整代のどの位置でもメイン下地材3を安定して支持できるようにする。【解決手段】廊下幅方向に対向する側壁1にメイン下地材3が取付金具20を介して取り付けられる。取付金具20は、側壁1に固定される壁面固定金具21と、メイン下地材3を支持する下地材固定金具31とを備えている。壁面固定金具21は調整長孔28を有し、調整長孔28に下地材固定金具31が締結具42により側壁1に接離する方向に最大55mmの調整代で移動調整可能に取り付けられている。壁面固定金具21は、下地材固定金具31から荷重を受けたときの垂れ下がり変形を阻止する補強部26を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、天井構造に関する。
従来、建物内の廊下の天井部に施工される天井構造として、例えば特許文献1に示されるように、天井部の対向する側壁にそれぞれ側壁と平行に延びるメイン下地材が金具により固定支持され、両メイン下地材間にクロス下地材が架け渡されて固定されたものが提案されている。このものでは、従来用いられる野縁受けの吊元を不要とすることで、施工の簡易化や施工時間の短縮を図ることができる。
特開2021-055521号公報
ところで、実際の廊下の施工現場では、天井部の側壁の施工時のばらつき等に起因して、壁面の平面精度が不十分となり、そのために壁面が垂直面とならずに凹凸状となって不陸が生じていることがある(図3参照)。
その場合、側壁間の廊下幅にバラつきが生じたり、その廊下幅に建築図面上の廊下幅の数値と差異が発生したりすることとなる。このような原因で、施工場所の幅方向に走らせるクロス下地材として、廊下幅に対応した寸法のものを納入したとしても、それらがそのまま使用できないことがあり、そのためには、予め複数の寸法のクロス下地材を用意して納入する必要が生じる。
そこで、メイン下地材を側壁に固定する金具において、そのメイン下地材と側壁との距離をある程度調整してもよいが、現状の金具では、その調整代で調整できるのは±5mm(両側の金具で±10mm)程度までであり、それ以上の誤差がある場合には対応することが困難になる。
加えて、この調整代が大きくなると、金具において下地材を支持する位置が大きく変化することになる。そのどの位置でもメイン下地材(クロス下地材及び天井板)を安定して支持する必要があり、それが不十分であると、金具の変形等により天井面の部分的な垂れ下がりを招く等の不具合が生じることになる。これらの観点では上記従来のものに改善の余地がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、天井下地材を側壁に固定する金具の構造を工夫することで、一定長さのクロス下地材を用いる場合に側壁の不陸に対してメイン下地材を固定するための大きな調整代を採用できるようにし、同時に、その調整代のどの位置でもメイン下地材を安定して支持できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、側壁に固定される金具における下地材の支持位置を変更調整可能とした上で、その金具の補強構造を設けるようにした。
具体的には、第1の発明は、建物内の廊下の天井部に施工される天井下地材と、該天井下地材に取り付けられる天井板とを備えた天井構造であって、この天井構造では、上記天井下地材は、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材と、廊下の幅方向に延び、上記メイン下地材に連結されるクロス下地材とを備えている。また、上記天井部において廊下の幅方向に対向する2つの側壁の少なくとも一方の側壁に上記メイン下地材が取付金具を介して取り付けられ、この取付金具は、上記側壁に固定される壁面固定金具と、該壁面固定金具に取り付けられ、上記メイン下地材を支持する下地材固定金具とを備えている。下地材固定金具は壁面固定金具に対し、上記側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、上記壁面固定金具は、下地材固定金具を介して少なくともメイン下地材、クロス下地材及び天井板の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を備えている。そして、上記壁面固定金具を該壁面固定金具の下面で受けて支持する支持スタッドが側壁に固定されていることを特徴とする。
この第1の発明では、取付金具の壁面固定金具が廊下の天井部の側壁に固定され、この壁面固定金具に下地材固定金具が取り付けられ、この下地材固定金具に、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材が支持され、このことでメイン下地材は取付金具を介して側壁に取り付けられている。そして、メイン下地材に廊下の幅方向に延びるクロス下地材が連結され、メイン下地材及びクロス下地材に天井板が固定されることで、天井構造が施工される。
上記下地材固定金具は壁面固定金具に対し、側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられている。そのため、仮に側壁の壁面に不陸が生じていて、側壁間の廊下幅に大きなバラつきが生じていたり、或いはその廊下幅が建築図面上の廊下幅の数値と大きくずれていたりしていても、壁面固定金具における下地材固定金具の取付位置を調整代の範囲内で変更することで、下地材固定金具によるメイン下地材の支持位置が側壁の壁面の位置に拘わらず定位置となる。その定位置にあるメイン下地材にクロス下地材を連結することにより、クロス下地材は常に一定長さのものを用いることができ、長さの異なる複数種類のクロス下地材を用意する必要がなく、天井構造の施工が容易となる。
また、下地材固定金具の調整代が大きいと、壁面固定金具における下地材固定金具の支持位置が大きく変化し、その支持位置によってメイン下地材、メイン下地材に連結されたクロス下地材や天井板の支持強度が不安定となり、天井面の垂れ下がりを招くことになる。しかし、この発明では、壁面固定金具は補強部を備えており、この補強部により、壁面固定金具での下地材固定金具の支持位置がどの位置に変化しても、下地材固定金具を介してメイン下地材やクロス下地材等の荷重を受けたときに壁面固定金具が垂れ下がるように変形することは阻止される。よって、天井面の垂れ下がりのない天井構造を安定して実現することができる。
さらに、側壁に固定された支持スタッドにより上記壁面固定金具が下面で支持されるので、壁面固定金具の支持強度が高くなり、メイン下地材、クロス下地材及び天井板をより一層安定して側壁に固定支持することができる。
第2の発明は、第1の発明と同様に、建物内の廊下の天井部に施工される天井下地材と、該天井下地材に取り付けられる天井板とを備えた天井構造であって、上記天井下地材は、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材と、廊下の幅方向に延び、上記メイン下地材に連結されるクロス下地材とを備え、上記天井部において廊下の幅方向に対向する2つの側壁の少なくとも一方の側壁に上記メイン下地材が取付金具を介して取り付けられ、上記取付金具は、上記側壁に固定される壁面固定金具と、該壁面固定金具に取り付けられ、上記メイン下地材を支持する下地材固定金具とを備え、この下地材固定金具は壁面固定金具に対し、上記側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、上記壁面固定金具は、下地材固定金具を介して少なくともメイン下地材、クロス下地材及び天井板の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を備えている。そして、上記取付金具は一方の側壁のみに取り付けられていて、該取付金具によりメイン下地材が側壁に取り付けられている。一方、他方の側壁近くに、廊下の長さ方向に延びるチャンネル材が配置され、このチャンネル材は、天井部の躯体から垂下する吊りボルトと、該吊りボルトの下部に取り付けられた吊り金具とにより躯体に吊下げ支持されている。そして、クロス下地材の一端部は上記メイン下地材に連結されている一方、他端部は上記チャンネル材に支持されていることを特徴とする。
この第の発明では、一方の側壁のみに取付金具が取り付けられ、その取付金具にメイン下地材が支持されている。他方の側壁については、天井部の躯体から吊りボルトが吊り下げられ、その吊りボルトの下部に吊り金具が取り付けられ、この吊り金具に、廊下の長さ方向に延びるチャンネル材が吊下げ支持されており、クロス下地材の一端部は上記メイン下地材に連結され、他端部がチャンネル材に支持されている。この場合も、第1の発明と同様の作用効果が得られる。
の発明は、第1の発明と同様に、建物内の廊下の天井部に施工される天井下地材と、該天井下地材に取り付けられる天井板とを備えた天井構造であって、上記天井下地材は、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材と、廊下の幅方向に延び、上記メイン下地材に連結されるクロス下地材とを備え、上記天井部において廊下の幅方向に対向する2つの側壁の少なくとも一方の側壁に上記メイン下地材が取付金具を介して取り付けられ、上記取付金具は、上記側壁に固定される壁面固定金具と、該壁面固定金具に取り付けられ、上記メイン下地材を支持する下地材固定金具とを備え、この下地材固定金具は壁面固定金具に対し、上記側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、上記壁面固定金具は、下地材固定金具を介して少なくともメイン下地材、クロス下地材及び天井板の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を備え、上記壁面固定金具を該壁面固定金具の下面で受けて支持する支持スタッドが側壁に固定されている。
そして、第2の発明と同様に、取付金具は一方の側壁のみに取り付けられていて、該取付金具によりメイン下地材が側壁に取り付けられている。一方、他方の側壁近くに、廊下の長さ方向に延びるチャンネル材が配置され、このチャンネル材は、天井部の躯体から垂下する吊りボルトと、該吊りボルトの下部に取り付けられた吊り金具とにより躯体に吊下げ支持されている。そして、クロス下地材の一端部は上記メイン下地材に連結されている一方、他端部は上記チャンネル材に支持され、上記取付金具における下地材固定金具の最大調整代が55mmであることを特徴とする。
この第の発明では、第1及び第2の発明と同様の作用効果を奏することができる。そして、取付金具における壁面固定金具に対する下地材固定金具の調整代の最大で55mmという大きい範囲であっても、壁面固定金具の補強部によりその垂れ下がり変形を阻止することができる。
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つの天井構造において、壁面固定金具に、側壁に接離する方向に延びる調整長孔が形成され、下地材固定金具は、調整長孔に係合されて締結される締結具により壁面固定金具に移動調整可能に取り付けられていることを特徴とする。
この第4の発明では、下地材固定金具は、壁面固定金具にその調整長孔に係合されて締結される締結具により移動調整可能に取り付けられているので、下地材固定金具の位置を調整するときには、締結具を緩めて下地材固定金具を目的の位置に移動させた後に、締結具を締結して下地材固定金具を壁面固定金具に固定すればよく、下地材固定金具の位置調整を容易に行うことができる。
の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つの天井構造において、壁面固定金具は、板材を折り曲げて成形したものであり、この壁面固定金具は、細長板状の底部と、該底部の基端側から上側に起立するように設けられ、天井部の側壁に固定される基端壁部と、底部ないし基端壁部の幅方向両側から起立して互いに対向するように設けられた1対の側壁部とを備え、上記1対の側壁部で補強部が構成されていることを特徴とする。
この第の発明では、壁面固定金具は、板材を折り曲げて成形することで、底部と、その底部の基端側から上側に起立するように設けられた基端壁部と、底部ないし基端壁部の幅方向両側から起立する1対の側壁部とを備え、その基端壁部で天井部の側壁に固定される。側壁部は、底部ないし基端壁部から起立して、この底部及び基端壁部を幅方向両側で互いに一体化するように接続しており、この両側壁部で補強部が構成されている。このことで、補強部を有する壁面固定金具を板材の折り曲げ成形によって容易に形成することができる。
以上説明したように、本発明によると、廊下の天井部にメイン下地材及びクロス下地材からなる天井下地材を施工する天井構造において、その天井部の少なくとも一方の側壁に、壁面固定金具と下地材固定金具とを有する取付金具を取り付け、下地材固定金具は壁面固定金具に調整代だけ移動調整可能に取り付け、壁面固定金具には、下地材固定金具を介して天井下地材の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を設けた。そして、第1及び第3の発明では、壁面固定金具を下面で受けて支持する支持スタッドを側壁に固定する構造とした。また、第2及び第3の発明では、一方の側壁のみに取付金具によりメイン下地材を取り付ける一方、他方の側壁近くに、チャンネル材を躯体に吊下げ支持して、メイン下地材及びチャンネル材にクロス下地材を配置するようにした。このことにより、側壁間の廊下幅に大きなバラつき等が生じていても、クロス下地材として一定長さのものを用いて天井下地材を施工して、長さの異なる複数種類のクロス下地材を用意する必要がなく、天井構造の施工の容易化を図ることができる。また、壁面固定金具における下地材固定金具の支持位置が調整代によって大きく変化しても、壁面固定金具が天井下地材の荷重を受けたときに垂れ下がるように変形するのを補強部により阻止して、天井面の垂れ下がりのない天井構造を安定して実現することができる。
図1は、ビル内に配置される廊下の位置を示す平面図である。 図2は、廊下の天井部におけるメイン下地材及びクロス下地材に天井板が固定された状態を下側から見て示す斜視図である。 図3は、実施形態1において、天井部における側壁の不陸により廊下幅がばらついている状態を示す天井構造の平面図である。 図4は、側壁に取付金具によりメイン下地材を支持した状態を示す断面図である。 図5は、小さい支持スタッドにより壁面固定金具を支持した状態を示す図4相当図である。 図6は、大きい支持スタッドにより壁面固定金具を支持した状態を示す図4相当図である。 図7は、側壁に取付金具によりメイン下地材を支持した状態を示す側面図である。 図8は、壁面固定金具の平面図である。 図9は、壁面固定金具の正面図である。 図10は、壁面固定金具の側面図である。 図11は、壁面固定金具の斜視図である。 図12は、下地材固定金具の正面図である。 図13は、下地材固定金具の側面図である。 図14は、廊下の側壁において、壁面固定金具を支持する支持スタッドの施工位置及び非施工位置を示す平面図である。 図15は、メイン下地材の斜視図である。 図16は、メイン下地材の連結部を示す側面図である。 図17は、図16のXVII-XVII線断面図である。 図18は、クロス下地材の斜視図である。 図19は、メイン下地材にクロス下地材を連結した状態を示す水平断面図である。 図20は、実施形態2を示す図3相当図である。 図21は、実施形態2の天井構造を示す正面図である。 図22は、実施形態2においてチャンネル材によるクロス下地材の吊り構造を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は、例えばビル(実施形態では6階以上の高さを有する高層ビル)における1つのフロアの配置を示し、そのフロアには、例えば3基ずつのエレベータEV,EV,…の昇降路S,S(エレベータシャフト)の間にエレベータホールEHが配置され、このエレベータホールEHに通じる2つの廊下C,Cが互いに平行に形成されており、各廊下Cの天井部に本発明の実施形態1に係る天井構造が施工されている。廊下Cはその幅方向に対向する側壁1,1(対向側壁)を有し、両側壁1,1の間隔(廊下幅)は3000mm以下で、例えば1785mmである。
図2に示すように、上記天井構造は、廊下Cの長さ方向に延びる1対のメイン下地材3,3と、廊下Cの幅方向に延びる複数本のクロス下地材5,5,…とを備え、クロス下地材5,5,…は廊下Cの長さ方向に一定間隔(例えば364mm)をあけて配置され、これらメイン下地材3,3とクロス下地材5,5,…とによって梯子状の天井下地材が構成されている。このメイン下地材3,3とクロス下地材5,5,…とに亘る天井下地材の下面に石膏ボード等からなる大判(例えば910mm×1820mm)の複数の捨て貼り板14,14,…が流し貼りでビス留めにより固定され、その下面に複数の天井板15,15,…がレンガ貼りで貼り付けられて固定されている。
メイン下地材3及びクロス下地材5について図15~図19により説明するに、これら下地材3,5は、いずれも帯状の金属板(例えば溶融亜鉛メッキ鋼板)を折り曲げ成形加工してなる長尺材であり、両者は、互いに連結するための連結部分の構造が異なるのみで、縦断面形状は同一で略T字状である。そのため、以下の説明では、互いに同じ部分については同じ符号を付して説明する。
すなわち、図15~図17はメイン下地材3を、また図18はクロス下地材5をそれぞれ示している。メイン下地材3及びクロス下地材5は、1枚の帯状の鋼板を幅方向の中央部で折り曲げて重ね合わせかつその重ね合わせ部分の先端側の略半部を他の部分と直角になるように逆方向に折り曲げる曲げ加工をすることで、断面略T字状に成形されたものであり、上記逆方向に折り曲げられた部分からなる所定幅の細長い板状の水平部7と、この水平部7の幅方向中央から上方に突出するように延び、重ね合わせ部分からなる細長い板状の垂直部8とを有している。水平部7の幅方向両端部には、上方に折り曲げられた起立部7a,7aが形成されている。水平部7の幅方向中央寄り位置には、上方に起立状に折り曲げられた補強リブ(図15~図19では図示していない)が設けられており、これらの起立部7aや補強リブにより水平部7の剛性を増大させるようにしている。
上記垂直部8(重ね合わせ部分)の下部では、重ね合わせ部分がリベットによるカシメ結合等により固着されて分離不能となるように一体化されている。また、垂直部8の上端部には中空の矩形筒状の接続部9が一体に設けられている。この接続部9は、重ね合わせ部分からなる垂直部8の上端部(折り曲げ端部)を部分的に重ね合わせ方向と反対側に重ね合わせ部分が拡がるように折り曲げることにより、重ね合わせ部分の厚さよりも厚くなった矩形筒状部分であり、この矩形筒状部分によって接続部9の曲げ剛性を増大させるようにしている。
以上の構造がメイン下地材3及びクロス下地材5の共通構造である。そして、互いに異なる構造として、メイン下地材3の垂直部8には、長さ方向の所定位置に、クロス下地材5の端部を連結するための複数の連結係合部10,10,…,10′,10′,…が一定の間隔をあけて形成されている。
図16及び図17に示すように、この各連結係合部10,10′は、垂直部8においてその長さ方向に離れた位置に略円弧状の2つのスリットを形成して両スリット間部分の2枚の鋼板を他の部分に対し頂部が他の部分と平行になるように切り起こした膨隆部10aを有し、その膨隆部10aの一側には一方のスリットによる入口10bが、また他側には他方のスリットによる出口10cがそれぞれ互いに連通するように開口している。膨隆部10aの出口10c側の垂直部8には、膨隆部10aから所定間隔をあけた位置に係合突起10dが形成されている。この係合突起10dは、垂直部8においてコ字状のスリットを形成してスリット内部分の2枚の鋼板をスリット外の他の部分と傾斜するように切り起こしてなるもので、膨隆部10aから離れるに連れて垂直部8から離れるように傾斜している。係合突起10dは、クロス下地材5の後述する連結係合片12における係合孔12cと係合する。さらに、係合突起10dの膨隆部10aと反対側の垂直部8には、係合突起10dから所定間隔をあけた位置に位置決め突起10eが形成されている。この位置決め突起10eは、垂直部8においてコ字状のスリットを形成してスリット内部分の2枚の鋼板をスリット外の他の部分と直交するように切り起こしたものであり、クロス下地材5の連結係合片12における位置決め切欠き12dと係合する。上記膨隆部10a、係合突起10d及び位置決め突起10eで連結係合部10が構成されている。
尚、垂直部8には、上記各連結係合部10を表側の連結部分としたときにそれに隣接して同様の裏側の連結係合部10′が表側の連結係合部10と対になるように形成されている。裏側の連結係合部10′は表側の連結係合部10と同じ構造であり、その膨隆部10a、係合突起10d及び位置決め突起10eの突出方向や切り起こし方向が表側の連結係合部10と反対側になっている。また、表側及び裏側の連結係合部10,10′は垂直部8の長さ方向にずれてかつ両者間の中央の位置に対し線対称となるように配置されている。本発明では、メイン下地材3にその一側面(表面側)のみからクロス下地材5が連結されるので、裏側の連結係合部10′は必須でなく、省略することもできるが、他の下地材と汎用する場合には残しておいても差し障りはない。
一方、図18に示すように、クロス下地材5の長さ方向の両端部には連結係合片12がリベットによるカシメ結合等により一体的に固定されている。具体的には、クロス下地材5の長さ方向両端部において、垂直部8が水平部7よりも突出するように延びており(例えば水平部7の長さ方向端部を切除することで、残った垂直部8を突出させる)、その突出部分に連結係合片12がカシメ結合等により一体的に固定されている。連結係合片12は、途中で直角に折り曲げ加工された平面視略L字状の板材で、その一側部は、クロス下地材5の垂直部8における接続部9を除く端部に該端部から僅かに突出するように固定される固定部12aに形成され、他側部には、メイン下地材3の連結係合部10の膨隆部10a内に入口10bから挿入可能な挿入部12bが形成されている。この挿入部12bは、その断面形状が連結係合部10の膨隆部10a内の空間形状と同等に形成され、長さが膨隆部10aよりも長くなっており、図19に示すように、挿入部12bを膨隆部10a内に入口10bから挿通することで、クロス下地材5が端部でメイン下地材3に連結され、その連結状態ではがたつきが生じず、挿入部12bの先端部が膨隆部10aの出口10cから突出するようになっている。
挿入部12bの先端側寄りの中央部には例えば矩形状の係合孔12cが貫通形成されている。また、挿入部12bの先端部にはコ字状に切り欠いた位置決め切欠き12dが形成されており、メイン下地材3へのクロス下地材5の連結状態で、係合孔12cが連結係合部10の係合突起10dと係合するとともに、位置決め切欠き12dが連結係合部10の位置決め突起10eと係合して連結係合部10の先端位置を規定するようになっている。
そして、このようにクロス下地材5が端部の連結係合片12でメイン下地材3の連結係合部10に連結された連結状態では、クロス下地材5の水平部7の長さ方向端部がメイン下地材3の水平部7の幅方向側縁に両水平部7が面一になるように突き合わされた状態で連結される。尚、クロス下地材5の長さ方向両端部の連結係合片12,12は、それぞれ挿入部12b,12bの折り曲げ方向が互いに逆方向になっている。
天井構造の説明に戻ると、図3に示すように、上記廊下Cの天井部の幅方向に対向する2つの側壁1,1(対向側壁)の同じ高さ位置にそれぞれ上記メイン下地材3,3が側壁1に沿って廊下Cの長さ方向に水平に延びるように固定支持されている。具体的には、天井部の互いに対向する2つの側壁1,1の各々に複数の取付金具20,20,…が廊下Cの長さ方向に並んで取り付けられ、これら複数の取付金具20,20,…を介して上記各メイン下地材3が側壁1に取り付けられている。
各取付金具20は、図4~図7に示すように、側壁に固定される壁面固定金具21と、この壁面固定金具21に取り付けられ、メイン下地材3を支持する下地材固定金具31とを備え、これらを組み合わせたものとなっている。
壁面固定金具21は、図8~図11に示すように、例えば長さが100mm、幅が60mm、高さが60mmのシャベル形状(スコップ形状)のものであり、水平方向に延びる細長い矩形板状(例えば長さ97.7mm、幅55.4mm)の底部22と、この底部22の基端部(図8及び図9で右側部)に該基端部から上側に起立するように一体形成された基端壁部24と、底部22ないし基端壁部24の幅方向両側にそれぞれ該幅方向両側から起立して互いに対向するように一体に形成された略L字状の1対の側壁部23,23とを備え、上方及び先端側に開放されている。各側壁部23は、底部22ないし基端壁部24から例えば12mm程度立ち上がることで、この底部22及び基端壁部24を幅方向両側で互いに一体化するように接続しており、この両側壁部23,23で補強部26が構成されている。
この壁面固定金具21は、例えば厚さ2.3mmの鋼等の金属製の板材を展開形状に切断して、その展開形状の板材を折り曲げて成形したものとなっている。
上記壁面固定金具21の基端壁部24は、側壁1に固定される部分であり、ここには複数(図示例では3つ)のビス挿通孔25,25,…が例えば上下に並んで貫通形成されている。図4~図7に示すように、各ビス挿通孔25にドリルビスVを挿通して廊下Cの側壁1にねじ込むことにより、壁面固定金具21が基端壁部24を側壁1に当接させて該基端壁部24にて固定され、その固定状態では、底部22が側壁1に直交する方向に水平に延び、両側壁部23,23が側壁1に直交して垂直に延びている。
上記壁面固定金具21の底部22には、その長さ方向に延びる調整長孔28が上下に貫通して形成されている。この調整長孔28は、下地材固定金具31(メイン下地材3)の移動調整代を規制するもので、例えば75mmの長さを有する。
また、底部22の基端側には例えば2つの支持スタッド取付孔29,29が調整長孔28の両側に並んで貫通形成されている。この支持スタッド取付孔29,29は、図5及び図6に示すように壁面固定金具21がその下側の側壁1に固定される後述する支持スタッド47で支持されるときに、ドリルビスVが挿通される。そのドリルビスVを支持スタッド47にねじ込むことで、壁面固定金具21を支持スタッド47に固定するようにしている。
上記下地材固定金具31は、図12及び図13に示すように、厚さが例えば1.6mmの長方形状の鋼等の金属製板材を略コ字状に折り曲げたもので、上側水平部32及び下側水平部33と、両水平部32,33の一端部同士を接続する垂直部34とを備えている。垂直部34の上部には、他の部分に比べて水平部32,33の他端側に段差状に位置がずれた段差部35が形成されている。この段差部35は、図4~図7に示すように、上記メイン下地材3の接続部9が宛がわれて係止されるように段差形状となっている。また、段差部35の左右両側にはドリルビスVのガイド孔36が形成されており、段差部35にメイン下地材3の接続部9が宛がわれて係止された状態で、接続部9を貫通するドリルビスVをガイド孔36に螺合締結することにより、メイン下地材3がその接続部9で下地材固定金具31にドリルビスVを介して取り付けられるようになっている。
このようにメイン下地材3の接続部9が下地材固定金具31の段差部35に係止された状態では、図4~図6に示すように、メイン下地材3の垂直部8が段差部35下側の垂直部34に当接し、かつメイン下地材3の水平部7(その端部の起立部7a)も下地材固定金具31の下側水平部33に当接し、このことでメイン下地材3の捻れ変形を抑制できるようになっている。
下地材固定金具31の上側水平部32には貫通孔からなるボルト挿通孔38(図13参照)が形成され、このボルト挿通孔38に締結ボルト40の軸部40bが挿通されている。この締結ボルト40の座金付き頭部40aは上側水平部32の下面に固定されており、下地材固定金具31に締結ボルト40が一体化されている。また、締結ボルト40の軸部40bは上側水平部32の上側に突出していて、その突出部には座金付きのナット41が螺合されている。そして、締結ボルト40及びナット41により締結具42が構成されている。すなわち、上側水平部32の上側に突出している締結ボルト40の軸部40bを上記壁面固定金具21の底部22の調整長孔28に挿通させて係合し、その挿通部分の上部にナット41を螺合締結することで、下地材固定金具31が締結具42(締結ボルト40及びナット41)により壁面固定金具21の底部22に固定されるとともに、そのナット41の締結を緩めた状態では下地材固定金具31の壁面固定金具21の固定位置を変更調整できるようになっている。このことにより、下地材固定金具31は壁面固定金具21に対し、調整長孔28に沿った方向、つまり天井部の側壁1に接離する方向に、調整長孔28の長さによって設定される調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、この取付金具20における下地材固定金具31の調整代は例えば最大で55mmとされている。
この壁面固定金具21に対する下地材固定金具31の取付位置を最大で55mmという大きな調整代で調整する必要がある理由について説明すると、図3に示すように、廊下Cの施工現場で、施工時のばらつき等に起因して天井部の側壁1,1の平面精度が不十分なことがあり、その場合には各側壁1の壁面が垂直面とならずに凹凸状となって不陸が生じている(尚、図3では不陸の状態を誇張して示している)。この側壁1の不陸のために、廊下Cの側壁1,1間の廊下幅にバラつきが生じたり、その廊下幅に建築図面上の廊下幅数値と差異が発生したりすることが生じる。このような原因で、仮に廊下Cの幅方向に配置される各クロス下地材5として、廊下幅に対応した一定長さのものを納入したとしても、それら全てをそのまま使用することができなくなる。
そのため、この実施形態では、側壁1に固定されて固定位置にある壁面固定金具21に対し、メイン下地材3が取り付けられる下地材固定金具31を相対移動可能に取り付け、壁面固定金具21における下地材固定金具31の取付位置の調整によって、両金具21,31からなる取付金具20でのメイン下地材3の支持位置を先端位置と基端位置との間で調整可能としている。そのとき、この先端位置と基端位置との間が上記調整代であり、壁面固定金具21の調整長孔28の長さで決まる。そして、メイン下地材3と側壁1との距離が大きいときには、図4で実線にて示すように、下地材固定金具31を壁面固定金具21の先端側に配置して取付金具20のメイン下地材3の支持位置を先端位置にする一方、メイン下地材3と側壁1との距離が小さいときには、図4で仮想線にて示すように、下地材固定金具31を壁面固定金具21の基端側に配置して取付金具20のメイン下地材3の支持位置を基端位置にするようにしている。
さらに、上記壁面固定金具21は、上記1対の側壁部23,23で構成される補強部26を備えている。この補強部26は、壁面固定金具21が下地材固定金具31を介してメイン下地材3、クロス下地材5、天井板15等の荷重を受けたときに、取付金具20のメイン下地材3の支持位置が先端位置や基端位置又はそれらの間のどの位置にあっても、壁面固定金具21が垂れ下がるように変形するのを当該補強部26によって阻止する機能を備えている。
図5及び図6に示すように、複数の取付金具20,20,…のうち一部の壁面固定金具21の下側の側壁1には、角スタッドからなる支持スタッド47が固定されている。この支持スタッド47は当該壁面固定金具21をその底部22下面の基部側において受けて支持するようになっており、このことで壁面固定金具21は部分的に支持スタッド47により側壁1で支持されている。
具体的には、例えば図14の下側部分に示すように、廊下の側壁1,1間の廊下幅が大きく変化する場合等でメイン下地材3の支持位置が側壁1から大きく離れたときに、支持スタッド47が用いられる。このときには、図5や図6に示されるように壁面固定金具21が支持スタッド47で支持される。一方、図14の上側部分に示すように、メイン下地材3の支持位置が側壁1に近いときに、図4に示されるように壁面固定金具21は支持スタッド47で支持されないようになっている。
支持スタッド47は、例えば40×25mmの断面長方形状(図5に示すもの)又は40×40mmの断面正方形状(図6に示すもの)を有する長尺の角筒体からなり、いずれも高さは同じとされている。図5に示す断面長方形状の支持スタッド47は、幅の大きい側が高さ方向(上下方向)になるように配置される。
この支持スタッド47の高さは、その支持スタッド47の下面と、下地材固定金具31に取り付けられるメイン下地材3の水平部7下面(クロス下地材5の水平部7下面と同じ高さ)とが同じ高さ位置となるように設定されており、天井板15は支持スタッド47の下面にも覆うように固定される。
図示しないが、支持スタッド47の壁部において、側壁1側(図5及び図6で右側)の壁部にはビス挿通孔が、また側壁1と反対側(図5及び図6で左側)の壁部には工具挿通孔がそれぞれ対応して貫通形成されており、ビス挿通孔に挿通されたドリルビスVを工具挿通孔を通してドリル(図示せず)で回し操作することで、支持スタッド47がドリルビスVによって側壁1に固定される。
また、同様に図示しないが、支持スタッド47の上側壁部には、上記壁面固定金具21の底部22にある支持スタッド取付孔29に対応するビス締結孔が貫通形成されており、支持スタッド取付孔29を挿通するドリルビスVをビス締結孔に螺合締結することで、壁面固定金具21が底部22にて支持スタッド47に連結固定されるようになっている。
以上のようにして、廊下Cの両側の側壁1,1にそれぞれメイン下地材3,3が取付金具20,20,…を介して取り付けられ、これらのメイン下地材3,3間に複数本のクロス下地材5,5,…が架け渡されている。複数本のクロス下地材5,5,…は、両側壁1,1の対向方向である廊下Cの幅方向に互いに平行に延びかつ側壁1に沿った方向である廊下Cの長さ方向に間隔をあけて並んだ状態に配置されている。各クロス下地材5の端部はメイン下地材3に、上記連結係合片12の挿入部12bをメイン下地材3の対応する連結係合部10の膨隆部10a内に挿通することで連結されている。このとき、図19に示すように、各クロス下地材5はメイン下地材3に対し直角になり、クロス下地材5における水平部7の長さ方向端部をメイン下地材3における水平部7の幅方向他側縁部(側壁1と反対側の側縁部)に両水平部7が面一になるように突き合わされた状態で連結されている。
そして、図2に示すように、このように連結されたメイン下地材3,3とクロス下地材5,5,…とに亘って上記天井板15,15,…が固定されている。具体的には、メイン下地材3の水平部7とクロス下地材5の水平部7とは水平で互いに面一であり、各々の水平部7,7の下面に捨て貼り板14,14,…がビス留めにより固定されており、該捨て貼り材14,14,…に各天井板15が接着剤による接着、ビス止め、ステープル又はそれらの組み合わせにより固定されている。天井板15は例えば300mm×600mmの長方形状の板材である。複数枚の天井板15,15,…は、図2に示すように、例えば各々の長さ方向が廊下Cの長さ方向に(幅方向が廊下Cの幅方向に)延びた状態で廊下Cの幅方向に複数列に並び、廊下Cの幅方向に隣接する天井板15が廊下Cの長さ方向に長さの半分だけずれた状態のレンガ貼りで配置されている。また、廊下Cの長さ方向に隣接する天井板15の長さ方向の端部同士はクロス下地材5の水平部7の幅方向中央部で突き合わされるように配置されている。側壁1に最も近い天井板15は、端部が側壁1に当接した状態でメイン下地材3及びクロス下地材5に固定される。
各天井板15は、石膏ボードや木質板等の単層板又は複層板が用いられる。図示しないが、本実施形態では、メイン下地材3及びクロス下地材5に直接に固着される石膏ボード等の下地板と、その下地板の下面に貼り付けられた化粧材とからなる積層板が用いられ、具体的には、耐震性を得るのに有利となる軽量なロックウール化粧吸音板である。天井板15は、長方形状でなくて正方形状の板材であってもよい。
尚、図示しないが、メイン下地材3,3及びクロス下地材5,5,…上側の天井空間にはダクトやケーブルラック等の天井収容機器や部材が配置される。
したがって、この実施形態において、廊下Cの天井構造を施工するとき、天井部の側壁1,1の目的の高さ位置にそれぞれ複数の取付金具20,20,…の壁面固定金具21,21,…をドリルビスVにより固定する。この側壁1に固定された各壁面固定金具21の底部22下側からその調整長孔28に、下地材固定金具31と一体の締結ボルト40の軸部40bを挿通して底部22上側に突出させ、その軸部40bにナット41を螺合させる。この状態では、下地材固定金具31は締結ボルト40及びナット41により壁面固定金具21に移動可能に係合される。この後、取付金具20毎に下地材固定金具31を壁面固定金具21に対し移動させて、下地材固定金具31の壁面固定金具21での取付位置、つまり壁面固定金具21が固定されている側壁1に対する取付位置を調整長孔28の長さで決まる調整代の範囲内で調整し、その位置を基準位置に調整する位置決めを行う。基準位置に調整されると、その位置でナット41を締結ボルト40に締結することで、下地材固定金具31は基準位置で壁面固定金具21に移動不能に固定される。基準位置は、複数の取付金具20,20,…の下地材固定金具31が廊下Cの長さ方向に一直線上に並ぶ位置であり、側壁1が不陸等によって凹凸面に形成されている場合には取付金具20毎に異なる。
こうして複数の壁面固定金具21,21,…に対してそれぞれ下地材固定金具31,31,…が基準位置に位置決めされて固定されると、図3に示すように、側壁1が不陸等によって凹凸面に形成されていたとしても、それを吸収するように複数の下地材固定金具31,31,…は上記基準位置で廊下Cの長さ方向に一直線上に並ぶこととなる。
このように並んだ複数の下地材固定金具31,31,…に亘ってメイン下地材3を固定する。具体的には、各下地材固定金具31における垂直部34の段差部35にメイン下地材3の接続部9を宛がってその接続部9にドリルビスVを挿通させ、ドリルビスVの先端部を段差部35のガイド孔36に螺合締結させることにより、下地材固定金具31にメイン下地材3が固定される。
上記のようにして両側の側壁1,1にそれぞれ取付金具20,20,…によってメイン下地材3,3が固定されると、両メイン下地材3,3は互いに一定間隔をあけて平行に配置される。
次いで、両メイン下地材3,3に亘り、メイン下地材3及び側壁1と直交して延びる複数のクロス下地材5,5,…を架け渡して連結固定することで、梯子状の天井下地材が施工される。しかる後、この下地材(メイン下地材3及びクロス下地材5)に捨て貼り板14及び天井板15を取り付ける作業を行い、天井構造が施工される。
そして、上記のように、各取付金具20の下地材固定金具31は壁面固定金具21に対し、側壁1に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられていることから、仮に側壁1の壁面に不陸が生じていて、側壁1,1間の廊下幅に大きなバラつきが生じていたり、或いはその廊下幅が建築図面上の廊下幅の数値と大きくずれていたりしていても、壁面固定金具21における下地材固定金具31の取付位置を調整代の範囲内で変更すれば、下地材固定金具31によるメイン下地材3の支持位置は側壁1の壁面の位置に拘わらず一定の基準位置となる。その結果、基準位置にあるメイン下地材3に連結される複数のクロス下地材5,5,…はいずれも一定長さの同じものを用いることができる。つまり、長さの異なる複数種類のクロス下地材5を用意する必要はなく、そのことで天井構造の施工が容易となる。
また、下地材固定金具31の位置を壁面固定金具21に対し調整する上記調整代は最大55mmと大きいので、その調整に伴って壁面固定金具21における下地材固定金具31の支持位置も大きく変化し、その支持位置によってメイン下地材3、メイン下地材3に連結されたクロス下地材5や天井板15の支持強度が不安定となることがあり、その場合には天井板15等の天井面の垂れ下がりを招くことになる。しかし、この実施形態では、壁面固定金具21は、底部22両側に起立する略L字板状の側壁部23,23と、底部22の基端側に起立する基端壁部24とを備え、両側壁部23,23によって補強部26が構成されている。この補強部26により、下地材固定金具31を介してメイン下地材3及びクロス下地材5の荷重を受けたときに壁面固定金具21が垂れ下がるように変形することは阻止される。よって、長期間に亘り天井面の垂れ下がりのない安定した天井構造を実現することができる。
また、下地材固定金具31は、壁面固定金具21の調整長孔28に係合されて締結される締結ボルト40及びナット41により壁面固定金具21に移動調整可能に取り付けられているので、上記天井構造の施工時に下地材固定金具31の位置を調整するときには、上記のように、締結ボルト40に対しナット41の締結を緩めて下地材固定金具31を目的の位置に移動させた後に、ナット41を締結ボルト40に再度締結して下地材固定金具31を壁面固定金具21に固定すればよく、施工現場でも下地材固定金具31の位置調整についても容易に行うことができる。
さらに、一部の壁面固定金具21の下側の側壁1には支持スタッド47(角スタッド)が固定され、この支持スタッド47により壁面固定金具21か側壁1に対し支持されているので、その支持スタッド47で支持された壁面固定金具21の支持強度は高くなり、メイン下地材3、クロス下地材5及び天井板15を安定して側壁1に固定支持することができる。
(実施形態2)
図20~図22は実施形態2を示し(尚、図1~図19と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、天井下地材の取付構造を変更したものである。
この実施形態では、図20及び図21に示すように、廊下Cの天井部における一方(図20及び図21で右側)の側壁1のみに複数の取付金具20,20,…によりメイン下地材3が取り付けられ、このメイン下地材3に各クロス下地材5の一端部が連結固定されている。
これに対し、他方(図20及び図21で左側)の側壁1にメイン下地材3は配置されていない。その代わり、この他方の側壁1近くに、廊下Cの長さ方向に延びるチャンネル材55が配置されている。このチャンネル材55は例えば断面コ字状のCチャンネルからなる。また、図21及び図22に示すように、廊下Cの天井部の躯体Aから複数の吊りボルト56,56,…が廊下の長さ方向に間隔をあけて垂下しており、その各吊りボルト56の下部にナット57が螺合され、このナット57により略L字状の吊り金具58が吊りボルト56に高さ調整可能に取り付けられている。この吊り金具58に上記チャンネル材55が係合支持されかつ取付ビスV1により固定されており、よってチャンネル材55は、吊りボルト56及び吊り金具58により躯体Aに吊下げ支持されている。
そして、図22に示すように、各クロス下地材5は上記チャンネル材55の下側に配置されて交差し、各クロス下地材5の他端部はチャンネル材55に連結金具60により支持されている。連結金具60は、チャンネル材55に跨がるように配置されるもので、略H字状の展開板材が折り曲げられて略コ字状とされている。連結金具60がチャンネル材55に跨がった状態で、その下端部間にクロス下地材5上端の接続部9を挟み込み、その挟み込み状態で連結金具60の外側から取付ビスV1をクロス下地材5の接続部9に打ち込んで締結することで、クロス下地材5を連結金具60を介してチャンネル材55に支持している。
尚、他方の側壁1にメイン下地材3が配置されていないので、各クロス下地材5の他端部に連結係合片12は設けられていない。
図22において、60aは連結金具60の上下中間部に設けられた取付部で、この取付部60aに取付ビスV1を挿通させてチャンネル材55の側壁にねじ込むことで、連結金具60をチャンネル材55に固定するようにしている。また、61は連結金具60の上部に貫通して設けられた高さ調整ネジで、その下端部はチャンネル材55の上面に当接しており、このネジ61を回し操作してチャンネル材55に対する連結金具の高さ位置つまりクロス下地材5の上下位置を調整するようになっている。
この実施形態2の他の構成は実施形態1と同じである。よって、この実施形態でも実施形態1と同様に作用効果を奏することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、壁面固定金具21に設けられている補強部26は、1対の側壁部23,23で構成されているが、この構成に限定されない。壁面固定金具21が下地材固定金具31を介してメイン下地材3及びクロス下地材5の荷重を受けたときに、取付金具20のメイン下地材3の支持位置が先端位置や基端位置又はそれらの間のどの位置にあっても、壁面固定金具21が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強機能を備えていればよく、構造や形状は限定されない。
また、上記実施形態では、壁面固定金具21に調整長孔28を形成し、下地材固定金具31は、この調整長孔28に係合されて締結される締結具42により壁面固定金具21に移動調整可能に取り付けられているが、調整長孔28にすることは限定されず、下地材固定金具31を壁面固定金具21に対し側壁に接離する方向に移動調整可能に取り付ける構造であればよく、ガイド溝やガイドレール等を用いてもよい。
本発明は、廊下における天井部の側壁間の廊下幅に大きなバラつき等が生じていても、クロス下地材として一定長さのものを用いて天井下地材を施工できるとともに、垂れ下がりのない天井構造を実現できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
C 廊下
A 躯体
1 側壁
3 メイン下地材
5 クロス下地材
9 接続部
15 天井板
20 取付金具
21 壁面固定金具
22 底部
23 側壁部
24 基端壁部
26 補強部
28 調整長孔
31 下地材固定金具
40 締結ボルト
41 ナット
42 締結具
47 支持スタッド
55 チャンネル材
56 吊りボルト
58 吊り金具

Claims (5)

  1. 建物内の廊下の天井部に施工される天井下地材と、該天井下地材に取り付けられる天井板とを備えた天井構造であって、
    上記天井下地材は、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材と、廊下の幅方向に延び、上記メイン下地材に連結されるクロス下地材とを備え、
    上記天井部において廊下の幅方向に対向する2つの側壁の少なくとも一方の側壁に上記メイン下地材が取付金具を介して取り付けられ、
    上記取付金具は、上記側壁に固定される壁面固定金具と、該壁面固定金具に取り付けられ、上記メイン下地材を支持する下地材固定金具とを備え、
    上記下地材固定金具は壁面固定金具に対し、上記側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、
    上記壁面固定金具は、下地材固定金具を介して少なくともメイン下地材、クロス下地材及び天井板の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を備え
    上記壁面固定金具を該壁面固定金具の下面で受けて支持する支持スタッドが側壁に固定されていることを特徴とする天井構造。
  2. 建物内の廊下の天井部に施工される天井下地材と、該天井下地材に取り付けられる天井板とを備えた天井構造であって、
    上記天井下地材は、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材と、廊下の幅方向に延び、上記メイン下地材に連結されるクロス下地材とを備え、
    上記天井部において廊下の幅方向に対向する2つの側壁の少なくとも一方の側壁に上記メイン下地材が取付金具を介して取り付けられ、
    上記取付金具は、上記側壁に固定される壁面固定金具と、該壁面固定金具に取り付けられ、上記メイン下地材を支持する下地材固定金具とを備え、
    上記下地材固定金具は壁面固定金具に対し、上記側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、
    上記壁面固定金具は、下地材固定金具を介して少なくともメイン下地材、クロス下地材及び天井板の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を備え、
    上記取付金具は一方の側壁のみに取り付けられていて、該取付金具によりメイン下地材が側壁に取り付けられている一方、
    他方の側壁近くに、廊下の長さ方向に延びるチャンネル材が配置され、
    上記チャンネル材は、天井部の躯体から垂下する吊りボルトと、該吊りボルトの下部に取り付けられた吊り金具とにより躯体に吊下げ支持され、
    クロス下地材の一端部は上記メイン下地材に連結されている一方、他端部は上記チャンネル材に支持されていることを特徴とする天井構造。
  3. 建物内の廊下の天井部に施工される天井下地材と、該天井下地材に取り付けられる天井板とを備えた天井構造であって、
    上記天井下地材は、廊下の長さ方向に延びるメイン下地材と、廊下の幅方向に延び、上記メイン下地材に連結されるクロス下地材とを備え、
    上記天井部において廊下の幅方向に対向する2つの側壁の少なくとも一方の側壁に上記メイン下地材が取付金具を介して取り付けられ、
    上記取付金具は、上記側壁に固定される壁面固定金具と、該壁面固定金具に取り付けられ、上記メイン下地材を支持する下地材固定金具とを備え、
    上記下地材固定金具は壁面固定金具に対し、上記側壁に接離する方向に調整代だけ移動調整可能に取り付けられており、
    上記壁面固定金具は、下地材固定金具を介して少なくともメイン下地材、クロス下地材及び天井板の荷重を受けたときに該壁面固定金具が垂れ下がるように変形するのを阻止する補強部を備え、
    上記壁面固定金具を該壁面固定金具の下面で受けて支持する支持スタッドが側壁に固定され、
    上記取付金具は一方の側壁のみに取り付けられていて、該取付金具によりメイン下地材が側壁に取り付けられている一方、
    他方の側壁近くに、廊下の長さ方向に延びるチャンネル材が配置され
    上記チャンネル材は、天井部の躯体から垂下する吊りボルトと、該吊りボルトの下部に取り付けられた吊り金具とにより躯体に吊下げ支持され、
    クロス下地材の一端部は上記メイン下地材に連結されている一方、他端部は上記チャンネル材に支持され、
    上記取付金具における下地材固定金具の最大調整代が55mmであることを特徴とする天井構造。
  4. 請求項1~3のいずれか1つの天井構造において、
    壁面固定金具に、側壁に接離する方向に延びる調整長孔が形成され、
    下地材固定金具は、上記調整長孔に係合されて締結される締結具により壁面固定金具に移動調整可能に取り付けられていることを特徴とする天井構造。
  5. 請求項1~3のいずれか1つの天井構造において、
    壁面固定金具は、板材を折り曲げて成形したものであり、
    壁面固定金具は、細長板状の底部と、該底部の基端側から上側に起立するように設けられ、天井部の側壁に固定される基端壁部と、底部ないし基端壁部の幅方向両側から起立して互いに対向するように設けられた1対の側壁部とを備え、
    上記1対の側壁部で補強部が構成されていることを特徴とする天井構造。
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