JP6958824B2 - 動吸振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動吸振装置に関する。
従来、住宅やマンションなどの建物において、上層階から下層階へ伝わる床衝撃音を低減することが要求されており、この課題に対して様々な対策が検討されている。代表的なものとしては、例えば、建物に使用される床材や天井材の重量を重くする対策や、床材や天井材に防振機能を持たせる対策等が考案されている。
このような床衝撃音の低減対策の1つとして、例えば特許文献1では、弾性体と当該弾性体上に設けられた質量体とを有するダイナミックダンパーを、2本の野縁の下面に固定された天井ボードに設置することが提案されている。ダイナミックダンパーを天井ボードに設置することで、上層階から伝わった床衝撃音によって下層階の天井ボードが振動した時に、弾性体を介して質量体を固有の共振周波数で共振させることができ、この共振による反力によって天井の振動を低減することができる。
特許文献1には、ダイナミックダンパーとして、弾性体は2本の野縁の間に配置可能な大きさを有し、弾性体上に設けられた質量体は2本の野縁にまたがって載置可能な長さを有するものが開示されている。また、このダイナミックダンパーの質量体を天井ボードを取り付ける前の野縁に引掛けるように載置すると、弾性体の下面は、野縁の下面よりも下方に配置される。
このダイナミックダンパーを天井に施工する場合、天井ボードを取り付ける前の野縁に質量体を引掛けたうえで、天井ボードを野縁に取り付ける。このとき、ダイナミックダンパーは、弾性体の下面が天井ボードの上面に接して持ち上げられることにより、質量体が野縁から離れた状態で天井ボードに載置され、施工が完了する。そのため、ダイナミックダンパーを容易に施工することができる。
特開2018−028177号公報
しかし、特許文献1に記載のダイナミックダンパーは、野縁にまたがって載置可能な長さを有する質量体を利用するため、質量体の大きさ、形状等に制限があり、共振周波数の調整が困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、取付けの施工性に優れているとともに、共振周波数の調整が容易である動吸振装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討した結果、上記目的は、以下の発明により達成されることを見出した。
本発明の一局面に係る動吸振装置は、互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、前記延伸部は、前記弾性部が前記延伸部から離間しながら前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有する。
上記の動吸振装置では、動吸振部材と動吸振部材を支持する支持部材とが独立しているため、動吸振部材の共振周波数の設定が容易である。
上記の動吸振装置を天井に施工する場合、隣接する野縁に支持部材の一対の取付部を取り付け、支持部材をこれらの野縁の間に架け渡す。このとき、あらかじめ支持部材の支持面に質量部を載せた状態とする。そして、弾性部が延伸部から離間しながら延伸部の下面よりも下方に突出した弾性部の下面が天井ボードの上面に接触した状態で天井ボードを野縁に下方から取り付けることにより、支持面から質量部が離れる。これにより、動吸振部材が動吸振機能を発揮可能な状態で施工することができる。また、支持部材が設けられた部分では2本の野縁の間隔が固定され、野縁により構成される天井の下地の剛性が向上し、野縁に固定された天井ボードの形状が安定する。
本発明の他の局面に係る動吸振装置は、互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、前記支持部材は、前記弾性部が前記支持部材に接触するのを妨げるように前記質量部の水平方向への移動を規制する規制部を有する。
動吸振装置が天井に施工された状態において、例えば天井の振動等に起因して動吸振部材が水平方向に移動した場合、動吸振部材の弾性部が支持部材、特に延伸部に接触し、動吸振部材の共振周波数が変動するおそれがある。しかし、この態様では、弾性部が支持部材に接触する前に質量部が規制部に接触することにより、水平方向への動吸振部材の移動が規制され、弾性部が支持部材に接触することを抑制できる。そのため、動吸振部材の共振周波数の変動が抑制され、安定して所望の周波数の振動を低減することができる。
上記の動吸振装置において、前記規制部は、前記延伸部の延びる方向に直交する方向における前記延伸部の両端から上向きに立ち上がり、前記延伸部の延びる方向に延びる一対の側壁により構成されていてもよい。
この態様では、側壁によって支持部材の曲げ剛性が向上するため、天井の下地の剛性もより向上し、野縁に固定された天井ボードの形状がより安定する。
上記の動吸振装置において、前記延伸部は、前記弾性部を挿入可能な開口が設けられ、前記開口から前記側壁までの長さは、前記開口に挿入された状態の前記弾性部の側端面から前記質量部の側端面までの長さ未満であってもよい。
この態様では、弾性部が延伸部に接触する前に質量部が側壁に接触することにより、側壁方向への動吸振部材の移動が規制され、開口に挿入された弾性部が側壁側で延伸部に接触することを抑制できる。
上記の動吸振装置において、前記支持部材は、前記各側壁の上端から互いに近づく方向に延び、前記延伸部に対向する対向部を有し、前記延伸部の上面から前記対向部の下面までの高さは、前記支持面に支持された状態の前記質量部の高さよりも大きく、前記支持部材を上方から見て、前記各対向部は、前記開口よりも前記各側壁側で終端してもよい。
この態様では、対向部により支持部材の曲げ剛性がより向上するため、野縁に固定された天井ボードの形状もより安定する。
さらに、対向部が動吸振部材の質量部の上方に位置するため、例えば動吸振装置に大きな振動が加わり動吸振部材が揺れたり跳ねたりした場合において、支持部材から動吸振部材が飛び出すのを抑制することができる。そのため、より安定して動吸振部材を所定の位置に保つことができ、安定して天井ボードの振動を吸収することができる。
また、各対向部が開口よりも各側壁側で終端していることにより、対向部同士の間隔を比較的広くできるため、支持部材の支持面に動吸振部材を容易に配置することができる。
さらに、この態様では、各対向部が開口よりも各側壁側で終端しているため、上側の動吸振部材の弾性部を下側の支持部材の一対の対向部の間に挿入することができる。また、上側の動吸振部材の弾性部を下側の支持部材の一対の対向部の間に挿入した状態で、動吸振装置を積み重ねることができる。そのため、嵩を小さくした状態で動吸振装置を積み重ねることができ、より多くの動吸振装置をまとめて運搬することができる。
本発明のさらに他の局面に係る動吸振装置は、互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、前記支持部材は、前記質量部の上面よりも上方に設けられ、他の前記動吸振装置の前記延伸部を載置するための被載置面を有し、前記延伸部の下面は、他の前記動吸振装置の前記被載置面上に載置するための載置面を有し、前記支持面に前記質量部が支持された状態において、前記質量部の上面から前記被載置面までの高さは、前記弾性部の下端から前記載置面までの高さよりも大きい。
この態様では、上側の支持部材の延伸部の下面に設けられた載置面と、下側の支持部材の被載置面とが接触するように動吸振装置を積み重ねることができる。積み重ねられた動吸振装置において、上側の動吸振部材の弾性部が下側の動吸振部材の質量部に接触すると、積み重ねられた動吸振部材の重みによって弾性部が変形し、共振周波数が所定の値から変動するおそれがある。
しかし、この態様では、動吸振装置を積み重ねても上下の動吸振部材同士は互いに離隔し、上側の弾性部は下側の質量部から離れた状態となる。そのため、上側の弾性部は、運搬時に変形することがなく、動吸振装置の共振周波数が変動するのを抑制することができる。
本発明のさらに他の局面に係る動吸振装置は、互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、前記取付部は、前記野縁の延びる方向に沿った所定の範囲にわたり前記野縁に設けられた被係合部に係合し、前記野縁の長手方向に直交する方向への前記野縁に対する前記支持部材の移動を規制する係合機構を有する。
この態様では、野縁に取り付けられた支持部材の取付部は、野縁の長手方向への曲げ剛性が向上するため、野縁に固定された天井ボードの形状もより安定する。
上記の動吸振装置は、複数の前記動吸振部材を有し、前記支持部材は、前記複数の動吸振部材を支持してもよい。
この態様では、動吸振部材として、互いに共振周波数の異なるものを支持部材に配置することにより、1個の動吸振装置で、例えば重量床衝撃音と軽量床衝撃音のような複数の周波数の振動を低減することが可能である。
本発明のさらに他の局面に係る動吸振装置は、互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、前記弾性部と前記天井ボードとの間に介在し、前記天井ボードと前記弾性部との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となる低摩擦部材をさらに備える。
この態様では、動吸振装置を野縁に仮保持した後に天井ボードを下方から取り付ける際に、天井ボードを水平方向にずらして微修正しても、弾性部材と天井ボードとの間に低摩擦部材が介在しているので、弾性部が滑って天井ボードに追随しにくくなる。それによって、弾性部がその周囲にある延伸部に当たって変形することを防止することが可能である。
本発明によれば、取付けの施工性に優れているとともに、共振周波数の調整が容易である動吸振装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の部分平面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の部分底面図である。 図4は、図2のIV−IV線での断面図である。 図5は、図2のV−V線での断面図である。 図6は、図4と同じ位置における本発明の第1の実施形態に係る天井の天井ボードを取り付けた状態の断面図である。 図7は、本発明の第1の実施形態に係る動吸振装置の、積み重ねた状態での図5と同じ位置における断面図である。 図8は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る天井の天井ボードを外した状態の斜視図である。 図9は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る天井ボードを外した状態の天井の斜視図である。 図10は、本発明の第2の実施形態に係る動吸振部材の部分斜視図である。 図11は、本発明の第2の実施形態に係る動吸振部材の部分底面図である。 図12は、本発明の第2の実施形態に係る動吸振部材の、積み重ねた状態における図11のXII−XII線での断面図である。 図13は、本発明の第3の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の構成を示す断面図であって、図5と同じ位置で切断した状態の断面図である。 図14は、本発明の第3の実施形態に係る天井の天井ボードを取り付けた状態の断面図であって、図6と同じ位置で切断した状態の断面図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る天井および動吸振装置について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の構成を示す模式図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の部分平面図であり、図3は、その部分底面図である。図4は、図2のIV−IV線での断面図であり、図5は、図2のV−V線での断面図である。図6は、図4と同じ位置における本実施形態に係る天井の天井ボードを取り付けた状態の断面図である。
(天井)
天井1は、複数本(図1では3本)の床梁4と、複数本(2本またはそれ以上、図1では8本)の野縁2と、複数本(図1では3本)の野縁受3と、天井ボード55と、複数の動吸振装置10と、を備える。
床梁4は、上層階の床材を支えるためのものであり、図1に示すように一方向に延びる鋼からなる構造材である。床梁4は、平板形状に形成された上下一対のフランジ4A,4Bと、これらのフランジを接続するウェブ4Cと、を有するH形鋼である。図1に示すように、床梁4は、所定の方向において間隔を空けて平行に配列されている。この床梁4の配列方向を以下「方向D1」という。
野縁2は、中空部が設けられた四角柱状の細長い構造材である。図1に示すように、野縁2は、床梁4の配列方向D1に延び、方向D1と直交する方向において互いに間隔を空けて平行に配列されている。この野縁2の配列方向を以下「方向D2」という。野縁2の方向D2両側の側面2Aには、方向D1に延びる、方向D1に直交する断面の形状がV字状の溝(被係合部)2Bが設けられている。溝2Bは、上側の面が水平に、下側の面が方向D2に対して斜めに形成されている。
図1に示すように、野縁受3は、方向D2に延びる細長い構造材であり、野縁2の上面に配置されている。野縁受3は、平板形状に形成された上下一対のフランジ3A,3Bと、これらの一端部同士を接続する平板状のウェブ3Cと、を有する溝形鋼である。野縁受3は、方向D1において互いに間隔を空けて平行に配置されている。野縁受3と野縁2とは、互いに格子状に組み付けられている。
図1に示すように、野縁受3は、各床梁4に対して平行に配置されている。床梁4は、下側のフランジ4Bに設けられた取付具4D、および野縁受3のフランジ3Aを貫通するボルト4Eを有し、野縁受3はボルト4Eにより取付具4Dに固定されている。
天井ボード5は、例えば石膏ボードにより構成されており、図6に示すように野縁2の下面に跨って固定されている。天井ボード5は、隣り合う両野縁2の間隔Wよりも幅が大きく、野縁2の下面に固定されている。また、天井ボード5は、動吸振装置10の動吸振部材21〜23が載置される上面5Aを有する。
動吸振装置10は、上層階の床から下層階の天井1へ伝わる床衝撃音を低減するものであり、図1に示すように隣り合う2本の野縁2に跨るように複数配置されている。動吸振装置10は、方向D1において互いに間隔を空けて配置され、方向D1に延びる列が方向D2に複数並んでいる。図1では、方向D2に隣り合う列において、一方の列の動吸振装置10同士の間となる位置に、他方の列の動吸振装置10が配置されている。
(動吸振装置)
動吸振装置10の詳細な構造について、図2〜図6を主に参照して説明する。
図2〜図4に示すように、動吸振装置10は、3個の動吸振部材21〜23と、動吸振部材21〜23を支持する支持部材30と、を備える。
動吸振部材21〜23は、それぞれ質量部24と、質量部24の下面に固定された2個の弾性部25と、を有する。質量部24は、直方体形状の金属板からなり、質量部24の底面は、角が丸みを帯びた正方形または長方形である。動吸振部材21〜23それぞれの質量部24の厚さおよび方向D1における長さは同一であり、方向D2における長さが異なる。
弾性部25は、質量部24の下面の一部の領域から下方に延びる。本実施形態では、弾性部25は、質量部24の下面の側壁よりも内側の部分の領域から下方に延びる。弾性部25は、例えばウレタンフォーム等の弾性部材により構成され、それぞれ方向D2に延びる直方体形状に形成されている。また、本実施形態では、弾性部25は、質量部24の下面に方向D1に並んで2個設けられている。弾性部25の下面は、天井ボード5の上面5Aに載置される載置面25Aとして利用されている。なお、弾性部25は、ゴム等のウレタンフォーム以外の弾性部材によって構成されていてもよいが、吸音性の観点からはウレタンフォームを用いることが好ましい。
支持部材30は、隣り合う2本の野縁2のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部31と、取付部31の間で方向D2に延びる延伸部36と、を有する。支持部材30は、一枚の金属板からなり、当該金属板を所定の形状に切り出し、折り曲げて形成されたものである。
取付部31は、水平に方向D1に延びる天板32と、天板32の延伸部36側の端部から延伸部36に向かって下向きに延びる内側壁33と、天板32の延伸部36と反対側の端部から下方に延びる外側壁34と、を有する。外側壁34は、野縁2の側面2Aに設けられた溝2Bに係合する係合機構35を有する。係合機構35は、取付部31に方向D1に並び、方向D2において延伸部36方向に向けて突出する2つの係合片35Aを備える。係合片35Aは、その下端部のみで外側壁34に接続された片であり、上に向かうに従い延伸部36方向に傾斜するように外側壁34に対して折り曲げられている。
取付部31は、野縁2に上方から覆い被さるように取り付けられる。取付部31が野縁2に取り付けられた状態において、係合機構35は、野縁2の溝2Bに方向D1に沿って2つの係合片35Aが設けられた範囲にわたって係合し、野縁2の長手方向(方向D1)に直交する方向(方向D2および鉛直上下方向)に対する支持部材30の移動を規制する。
延伸部36は、各動吸振部材21〜23の弾性部25を挿入可能な開口37が設けられている。延伸部36は、図4および図5に示すように、弾性部25が開口37に挿入され、かつ弾性部25の下端(載置面25A)が延伸部36の下面よりも下方に突出した状態で、質量部24の下面を受ける支持面36Aを開口37の周囲に有する。
内側壁33の高さは、図4に示すように、取付部31が野縁2に上方から取り付けられ、かつ質量部24の下面が支持面36Aで支持された状態で、延伸部36の下面が野縁2の下面よりも上方に位置し、かつ、弾性部25の載置面25Aが野縁2の下面よりも下方に位置するように設定されている。
取付部31が野縁2に取り付けられ、かつ質量部24の下面が支持面36Aで支持された状態で、野縁2の下面に天井ボード5を固定すると、図6に示すように、動吸振部材21〜23は、天井ボード5によって持ち上げられ、天井ボード5の上面5Aに載置される。このとき、支持部材30と動吸振部材21〜23とは互いに非接触の状態となる。
また、支持部材30は、延伸部36の方向D1における両端から上向きに立ち上がり、方向D2に延びる一対の側壁38と、側壁38の上端から互いに近づく方向に延び、延伸部36に対向する一対の対向部39と、を有する。対向部39は、支持部材30を上方から見て、開口37よりも側壁38側で終端する。
図5に示すように、延伸部36の上面から対向部39の下面までの高さH1は、支持面36Aに支持された状態の質量部24の高さH2よりも大きい。質量部24の上面と対向部39の下面とが離れた状態で、天井ボード5によって動吸振部材21〜23を持ち上げるため、動吸振部材21〜23が持ち上げられる高さH3(不図示)は、下記式(1)を満たすように設定されている。
H1−H2>H3 …(1)
(動吸振装置の施工方法)
本実施形態に係る動吸振装置10を天井1に施工する方法について説明する。
まず、動吸振部材21〜23を傾けた状態で一対の対向部39の間に挿入し、質量部24を対向部39と延伸部36との間に入れ、さらに支持部材30の開口37に弾性部25を挿入する。これにより、質量部24は、支持面36Aに支持された状態となる。このとき、各対向部39が開口37よりも各側壁38側で終端し、対向部39同士の間隔が十分に空いているため、支持部材30の支持面36Aに動吸振部材21〜23を容易に配置することができる。
次に、隣り合う野縁2に支持部材30の一対の取付部31を上方から覆い被さるように取り付け、支持部材30をこれらの野縁2の間に架け渡す。取付部31を野縁2に取り付ける際、係合機構35の係合片35Aは、野縁2の側面2Aによって押し戻されるように回動した後、側面2Aの溝2Bにおいて弾性により元の位置に戻って溝2Bと係合する。
このとき、支持面36Aに支持された動吸振部材21〜23の弾性部25の載置面25Aが野縁2の下面より下方に配置される。それとともに、延伸部36の下面が野縁2の下面よりも上方に位置する状態となる。この状態で野縁2に天井ボード5を取り付けることにより、弾性部25の載置面25Aが天井ボード5の上面5Aに接触し、天井ボード5により動吸振部材21〜23が持ち上げられ、支持面36Aから質量部24が離れる。これにより、動吸振部材21〜23は、動吸振機能を発揮可能な状態となる。
このように、動吸振部材21〜23が支持部材30に支持された状態の動吸振装置10を隣り合う野縁2に架け渡し、これらの野縁2に天井ボード5を取り付けるという簡素な手順で、天井1に動吸振装置10を容易に施工することができる。
(床衝撃音の低減作用)
天井ボード5の上面5Aにそれぞれ独立して載置された動吸振部材21〜23は、以下のようにして上層階の床から下層階の天井1へ伝わる床衝撃音を低減させるように作用する。すなわち、上層階の床から伝わる床衝撃音により天井ボード5が振動し、一方で質量部24はその位置を保持しようとする。これにより、弾性部25は弾性変形し、質量部24は天井ボード5に対して相対的に振動する。そして、質量部24の振動による反力が弾性部25を介して天井ボード5に伝えられ、天井ボード5の振動が抑制され、床衝撃音が低減される。
動吸振部材21〜23は、それぞれ質量部24の大きさが異なるため、それぞれ異なる共振周波数を有する。そのため、天井1に伝わる床衝撃音が複数の異なる周波数成分を有する場合、例えば重量床衝撃音および軽量床衝撃音の両方が天井1に伝わる場合であっても、動吸振部材21〜23の共振周波数を各床衝撃音に対応する共振周波数に設定しておくことにより、いずれの床衝撃音とも低減することができる。
図2に示すように、本実施形態に係る動吸振部材21〜23は、方向D1における質量部24の長さが共通であるため、方向D2における質量部24の長さで共振周波数を調整することができる。共振周波数の組み合わせの一例として、方向D2における質量部24の長さが最も長い動吸振部材21では45Hz、次に長い動吸振部材22では48Hz、最も短い動吸振部材23では57Hzとすることができる。
(本実施形態に係る動吸振装置の作用および効果)
本実施形態に係る動吸振装置10は、動吸振部材21〜23と、動吸振部材21〜23を支持する支持部材30とが独立しているため、各動吸振部材21〜23の共振周波数の設定が容易である。
本実施形態に係る動吸振装置10において、延伸部36に設けられた開口37から側壁38までの長さL1は、開口37に挿入された状態の弾性部25の側端面から質量部24の側端面までの長さL2未満であり、すなわち下記式(2)を満たしている。
L1<L2 …(2)
動吸振装置10が天井1に施工された状態において、例えば天井1の振動等に起因して動吸振部材21〜23が水平方向に移動した場合、動吸振部材21〜23の弾性部25が支持部材30、特に延伸部36に接触し、動吸振部材21〜23の共振周波数が変動するおそれがある。しかし、上記式(2)を満たすことにより、一対の側壁38は、弾性部25が支持部材30に接触するのを妨げるように質量部24の水平方向への移動を規制する規制部を構成する。この場合、弾性部25が延伸部36に接触する前に質量部24が側壁38に接触することとなり、側壁38に向かう方向(方向D1)への動吸振部材21〜23の移動が規制され、開口37に挿入された弾性部25が側壁38側で延伸部36に接触することを抑制できる。そのため、動吸振部材21〜23の共振周波数の変動が抑制され、安定して所望の周波数の振動を低減することができる。
また、方向D2側での延伸部36への接触を抑制するため、方向D1側と同様に、延伸部36の上面の各開口37の方向D2側に、動吸振部材21〜23の方向D2への移動を規制する側壁や突起等を設けてもよい。
本実施形態に係る動吸振装置10では、対向部39が動吸振部材21〜23の質量部24の上面よりも上方に位置するため、例えば天井ボード5の振動によって、天井ボード5に載置された動吸振装置に大きな振動が加わり、動吸振部材21〜23が揺れたり跳ねたりした場合において、支持部材30から動吸振部材21〜23が飛び出すのを抑制することができる。そのため、より安定して動吸振部材を所定の位置に保つことができ、安定して天井ボードの振動を吸収することができる。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る動吸振装置10の、積み重ねた状態での図5と同じ位置における断面図である。本実施形態に係る動吸振装置10では、支持部材30は、対向部39の上面に、他の動吸振装置10の延伸部36を載置するための被載置面39Aを有し、延伸部36の下面は、他の動吸振装置10の被載置面39A上に載置するための載置面36Bを有する。そのため、一方の動吸振装置10の被載置面39Aに、他の動吸振装置10の載置面36Bを載置するように、複数の動吸振装置10を積み重ねることができる。また、対向部39は、開口37よりも側壁38側で終端している。そのため、支持部材30によって動吸振部材21〜23を支持した状態で複数の動吸振装置10を積み重ねる際に、上側の動吸振部材21〜23の弾性部25が、下側の支持部材30の一対の対向部39の間に配置することができる。そのため、嵩を小さくした状態で動吸振装置10を積み重ねることができ、運搬や収容の際にはより多くの動吸振装置10をまとめて扱うことができる。
ここで、積み重ねられた動吸振装置10において、上側の動吸振部材21〜23の弾性部25が下側の動吸振部材21〜23の質量部24に接触すると、積み重ねられた動吸振部材21〜23の重みによって弾性部25が変形し、共振周波数が所定の値から変動するおそれがある。
しかし、本実施形態では、支持面36Aに支持された状態の質量部24の上面から対向部39の被載置面39Aまでの高さH4は、支持面36Aに質量部24が支持された状態の動吸振部材21〜23の弾性部25の載置面25Aから延伸部36の載置面36Bまでの高さH5よりも大きい。そのため、図7に示すように、上側の支持部材30の延伸部36の載置面36Bと、下側の支持部材30の対向部39の被載置面39Aとが接触するように動吸振装置10を積み重ねることができ、上下の動吸振部材同士は互いに離隔し、上側の弾性部25は、下側の質量部24から離れた状態となる。これにより、上側の弾性部25は、運搬時に変形することがなく、動吸振装置の共振周波数が変動するのを抑制することができる。
動吸振装置10を積み重ねた状態で保持する場合、図7に示すように、最下部の弾性部25が床面40の上方に位置するように動吸振装置10を保持台41上に載置して、最下部の弾性部25の変形を抑制することが好ましい。
本実施形態に係る動吸振装置10によれば、野縁2の支持部材30が設けられた部分では、野縁2の間隔が固定され、野縁2により構成される天井1の下地の剛性が向上し、野縁2に固定された天井ボード5の形状が安定する。さらに、側壁38および対向部39によって支持部材30の曲げ剛性、特に延伸部36の曲げ剛性が向上するため、天井1の下地の剛性もより向上し、野縁2に固定された天井ボード5の形状がより安定する。また、支持部材30の取付部31は、係合機構35によって、野縁2の延びる方向に沿った所定の範囲にわたって野縁2の溝2Bに係合するため、野縁2の延びる方向への取付部31の曲げ剛性が向上するため、これによっても野縁2に固定された天井ボード5の形状がより安定する。
本実施形態に係る動吸振装置10において、延伸部36の下面から対向部39の上面までの高さは、野縁2の高さよりも小さいことが好ましい。これにより、天井1に施工された動吸振装置10の側壁38および対向部39を、野縁2の上面と下面との間の領域に収めることができるため、上層階の床と下層階の天井との間の空間をより有効に利用することができる。
(本実施形態の変形例)
本実施形態に係る動吸振装置の変形例について説明する。
上記説明では、動吸振装置10として、1個の支持部材30に対して3個の動吸振部材21〜23を配置していたが、1個の支持部材30に対して、1個、または3個以外の複数の動吸振部材を配置してもよい。
1個の支持部材30に対して、1個の動吸振部材を配置する場合、天井1に配置する複数の動吸振装置10において、共振周波数の異なる動吸振部材を配置することにより、複数の異なる周波数成分を有する床衝撃音を低減することができる。
1個の支持部材30に対して、2個以上の動吸振部材を配置する場合、各動吸振部材の共振周波数を互いに異なるものとすることで、複数の異なる周波数成分を有する床衝撃音を低減することができる。また、3個以上の動吸振部材を配置する場合には、同じ共振周波数を有する動吸振部材を複数配置してもよい。これにより、例えば床衝撃音が特に強い周波数成分を含む場合には、その周波数成分に対応する共振周波数を有する動吸振部材を複数配置するとともに、その他の周波数成分に対応する共振周波数を有する動吸振部材も配置することで、それぞれの周波数成分の床衝撃音をバランスよく低減することができる。
図8および図9は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る天井ボードを外した状態の天井の斜視図である。以下の説明では、図2〜図7に記載の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
支持部材30の取付部31は、野縁2の上面から覆い被さる形状のものに限られず、図8に示すように、野縁2の下面にねじ31Aによって取り付けられるものであってもよい。この場合、図9に示すように、一対の取付部31の間に設けられる延伸部36は、野縁2の下面よりも高くすることが好ましい。また、この場合、野縁2の側面に溝を設ける必要はない。
支持部材30には、側壁38および対向部39を設けることが好ましいが、図8および図9に示すように設けなくてもよい。開口37は、個々の動吸振部材に対応して個別に設けてもよいし、図8に示すように、1つの開口37に複数の動吸振部材が配置できる大きさとしてもよい。図8には、2個の動吸振部材26が配置されている状態を示し、図9には、3個の動吸振部材26が配置されている状態を示す。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、支持部材30の延伸部36の両端に設けられた側壁38を、弾性部25が支持部材30に接触するのを妨げるように質量部24の水平方向への移動を規制する規制部として利用していたが、規制部の形態はこれに限られない。以下では、延伸部36に設けられた開口37を規制部として利用する、本発明の第2の実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る動吸振部材の部分斜視図であり、図11は、本発明の第2の実施形態に係る動吸振部材の部分底面図である。図12は、本発明の第2の実施形態に係る動吸振部材の、積み重ねた状態における図11のXII−XII線での断面図である。
図10および図11に示すように、本実施形態では、動吸振部材22の質量部24は、延伸部36から方向D1の両側にはみ出すように配置され、弾性部25は質量部24の延伸部36からはみ出した部分に延伸部36を挟むように設けられている。質量部24の弾性部25に挟まれた位置には、四角柱状の突起26が質量部24の下面から延びるように設けられており、突起26は、延伸部36の開口37に挿入される。
開口37が規制部として機能するための具体的な構成について説明する。開口37は、動吸振部材22が方向D1のどちらに移動した場合でも、弾性部25が延伸部36に接触する前に、突起26が開口37内において延伸部36に接触することにより、規制部として機能する。そのため、図11を参照して、2つの弾性部25の両方について、一方の弾性部25から突起26の他方の弾性部25に対向する面までの長さL3、L5は、延伸部36の当該一方の弾性部25に対向する端部から開口37の当該端部から最も離れた部分までの長さL4、L6よりも長い。すなわち、長さL3〜L6は、下記式(4)を満たしている。
L3>L4 かつ L5>L6 …(4)
これにより、延伸部36の支持面36Aに質量部24が支持された状態において、延伸部36に向かう方向(方向D1)への動吸振部材22の移動が規制され、弾性部25が延伸部36に接触することを抑制できる。
また、図12を参照して、突起26の質量部24の下面に垂直な方向の長さH6は、弾性部25の載置面25Aから質量部24の下面までの長さH7より短い。これにより、突起26は、2つの弾性部25の載置面25Aが野縁に取り付けられた天井ボードの上面に接触するのを妨げない。
さらに、突起26の長さH6は、動吸振部材22が野縁に取り付けられた天井ボードの上面に載置され、質量部24が支持面36Aから離れた状態において、突起26の先端が天井ボードの上面から離れるとともに、支持面36Aよりも下方に位置する長さである。具体的には、延伸部36が天井ボードの上面に接している場合には、突起26の長さH6は、突起26の先端が延伸部36の下面と支持面36Aとの間に位置する長さであり、延伸部36が天井ボードの上面から離れている場合には、突起26の先端が天井ボードの上面と延伸部36の支持面36Aとの間に位置する長さである。これにより、動吸振部材22が天井ボードの上面に載置された状態でも、開口37内において突起26が延伸部36に接触できるため、弾性部25が延伸部36に接触することを抑制することができる。
支持部材30の延伸部36には、延伸部36の方向D1における両端の対向する位置から上向きに立ち上がる、2対の立ち上がり部38Aが設けられている。立ち上がり部38Aは、動吸振部材22の方向D2への移動を規制する部材であり、方向D2に隣り合う立ち上がり部38A同士の間には、動吸振部材22が配置される。
方向D2に隣り合う立ち上がり部38A同士の間隔は、質量部24が方向D1から水平方向に最も傾いた場合でも、2つの弾性部25のいずれも延伸部36に接触しない長さとしてもよい。これにより、弾性部25が延伸部36に接触することをより抑制することができる。
開口37に挿入された突起26と延伸部36との隙間の大きさは、動吸振部材22が方向D2に移動した場合でも質量部24が方向D2において延伸部36上の所定の範囲に位置する大きさとしてもよい。さらに、開口37に挿入された突起26と延伸部36との隙間の大きさは、質量部24が方向D1から水平方向に最も傾いた場合でも、2つの弾性部25のいずれも延伸部36に接触しない大きさとしてもよい。この場合、立ち上がり部38Aを設けなくても、開口37は、動吸振部材22の方向D2への移動を規制するとともに、弾性部25が延伸部36に接触することをより抑制することができる。
支持部材30は、各立ち上がり部38Aの上端から互いに近づく方向に延び、延伸部36に対向する4対の対向部39Bを有し、対向部39Bの上面に、他の動吸振装置10の延伸部36を載置するための被載置面39Cを有する。延伸部36の下面は、他の動吸振装置10の被載置面39C上に載置するための載置面36Cを有する。
図12に示すように、本実施形態では、支持面36Aに支持された状態の質量部24の上面から被載置面39Cまでの高さH8は、支持面36Aに質量部24が支持された状態の動吸振部材22の弾性部25の載置面25Aから載置面36Cまでの高さH9よりも大きい。そのため、図12に示すように、上側の支持部材30の延伸部36と、下側の支持部材30の対向部39Bとが接触するように動吸振装置10を積み重ねることができる。このとき、上下の動吸振部材同士は互いに離隔し、上側の弾性部25は、下側の質量部24から離れた状態となる。対向部39Bの大きさは、被載置面39Cに上側の支持部材30を安定して載置できる大きさとする。
上述の実施形態では、野縁に天井ボードを取り付ける前後を問わず、規制部が機能する場合について説明した。しかし、いずれの実施形態においても、天井ボードを取り付ける前においてのみ規制部が機能してもよい。具体的には、第1の実施形態では、支持部材30に対向部39を設けず、野縁2に天井ボード5を取り付けた状態における側壁38の高さを天井ボード5に載置された動吸振部材21〜23の質量部24の下面よりも低くしてもよい。また、第2の実施形態では、突起26の長さH6は、動吸振部材22が天井ボードの上面に載置された状態で突起26の先端が支持面36Aの上方に位置する長さであってもよい。
(第3の実施形態)
また、上記の第1〜2の実施形態では、弾性部25の下端の載置面25Aが天井ボード5に直接当接しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の図13〜14の変形例のように、弾性部25と天井ボード5との間に低摩擦部材51介在させて天井ボード5の取付け時に弾性部25が変形する不具合を防止してもよい。
すなわち、第3の実施形態の動吸振装置10は、弾性部25と天井ボード5との間に介在し、天井ボード5と弾性部25との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となる低摩擦部材51をさらに備えている。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る天井の天井ボードを外した状態の構成を示す断面図であって、図5と同じ位置で切断した状態の断面図である。図14は、本発明の第3の実施形態に係る天井の天井ボードを取り付けた状態の断面図であって、図6と同じ位置で切断した状態の断面図である。
図13〜14に示される動吸振装置10は、弾性部25の下端に設けられ、天井ボード5と弾性部25との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となる低摩擦部材51をさらに備えている。その他の構成は、上記の図1〜6に示される動吸振装置10の構成と同じであるので、説明を省略する。
低摩擦部材51は、フッ素樹脂(テフロン(登録商標))シートなどからなり、弾性部25の下端に接着などの方法によって固定されている。
この図13〜14に示される動吸振装置10は、弾性部25と天井ボード5との間に介在する低摩擦部材51を備えている。これにより、動吸振装置10を野縁2に仮保持した後に天井ボード5を下方から取り付ける際に、天井ボード5を水平方向(例えば、野縁2の延びる方向D1または当該方向D1に直交する方向D2)にずらして微修正しても、弾性部25と天井ボード5との間に介在する低摩擦部材51が弾性部25と天井ボード5との間の摩擦抵抗を低減しているので、弾性部25が滑って天井ボード5に追随しにくくなる。それによって、弾性部25がその周囲にある延伸部36(とくに開口37の縁)に当たって変形することを防止することが可能である。これにより、弾性部25の性能低下(弾性や減衰性能の低下等)を抑制することが可能である。
なお、低摩擦部材51は、弾性部25と天井ボード5との間に介在し、天井ボード5と弾性部25との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となるように天井ボード5または弾性部25のいずれか一方に設けるものであればよいので、図13に示されるように弾性部25の下端に設けられる形態だけでなく、天井ボード5の上面に設けられていてもよい。また、低摩擦部材51は、弾性体25及び天井ボード5に固定されることなく、弾性体25と天井ボード5との間に設けられていてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 天井
2 野縁
2B 溝(被係合部)
5 天井ボード
10 動吸振装置
21 動吸振部材
22 動吸振部材
23 動吸振部材
24 質量部
25 弾性部
25A 載置面(弾性部の下端)
26 突起(規制部)
30 支持部材
31 取付部
35 係合機構
36 延伸部
36A 支持面
36B 載置面
37 開口(規制部)
38 側壁(規制部)
38A 立ち上がり部(規制部)
39,39B 対向部
39A,39C 被載置面
51 低摩擦部材

Claims (9)

  1. 互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、
    質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、
    前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記延伸部は、前記弾性部が前記延伸部から離間しながら前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有する、動吸振装置。
  2. 互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、
    質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、
    前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、
    前記支持部材は、前記弾性部が前記支持部材に接触するのを妨げるように前記質量部の水平方向への移動を規制する規制部を有する、動吸振装置。
  3. 前記規制部は、前記延伸部の延びる方向に直交する方向における前記延伸部の両端から上向きに立ち上がり、前記延伸部の延びる方向に延びる一対の側壁により構成されている、請求項2に記載の動吸振装置。
  4. 前記延伸部は、前記弾性部を挿入可能な開口が設けられ、
    前記開口から前記側壁までの長さは、前記開口に挿入された状態の前記弾性部の側端面から前記質量部の側端面までの長さ未満である、請求項3に記載の動吸振装置。
  5. 前記支持部材は、前記各側壁の上端から互いに近づく方向に延び、前記延伸部に対向する対向部を有し、
    前記延伸部の上面から前記対向部の下面までの高さは、前記支持面に支持された状態の前記質量部の高さよりも大きく、
    前記支持部材を上方から見て、前記各対向部は、前記開口よりも前記各側壁側で終端する、請求項4に記載の動吸振装置。
  6. 互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、
    質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、
    前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、
    前記支持部材は、前記質量部の上面よりも上方に設けられ、他の前記動吸振装置の前記延伸部を載置するための被載置面を有し、
    前記延伸部の下面は、他の前記動吸振装置の前記被載置面上に載置するための載置面を有し、
    前記支持面に前記質量部が支持された状態において、前記質量部の上面から前記被載置面までの高さは、前記弾性部の下端から前記載置面までの高さよりも大きい、動吸振装置。
  7. 互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、
    質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、
    前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、
    前記取付部は、前記野縁の延びる方向に沿った所定の範囲にわたり前記野縁に設けられた被係合部に係合し、前記野縁の長手方向に直交する方向への前記野縁に対する前記支持部材の移動を規制する係合機構を有する、動吸振装置。
  8. 互いに間隔を空けて配列された2本の野縁と前記2本の野縁の下面に固定された天井ボードとを備えた天井に設置される動吸振装置であって、
    質量部と、前記質量部の下面の一部の領域から下方に延びる弾性部と、を有する動吸振部材と、
    前記2本の野縁のそれぞれに取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部の間で延びる延伸部と、を有し、前記動吸振部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記延伸部は、前記弾性部の下端が前記延伸部の下面よりも下方に突出した状態で前記質量部の下面を受ける支持面を有し、
    前記弾性部と前記天井ボードとの間に介在し、前記天井ボードと前記弾性部との間の摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗となる低摩擦部材をさらに備える、動吸振装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の動吸振装置は、複数の前記動吸振部材を有し、
    前記支持部材は、前記複数の動吸振部材を支持する、動吸振装置。
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