JP4624266B2 - 動吸振器 - Google Patents

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Description

本発明は、制振対象物に取り付けられて制振対象物の振動数に等しい固有振動数若しくは同調する固有振動数で振動することにより制振対象物を制振する動吸振器に関し、より詳しくは、設置あるいは取り付けが容易であって制振効果に優れながらも、構造が簡単で低コストに製造できるように改良された動吸振器に関する。
従来、制振対象物の振動を制振するために(1)制振対象物の振動の大きいところに質量体を配置し、その質量効果により振動を減少させる、(2)制振対象物の構造剛性をリブ、スティフナ等の補強材によって高めて振幅を小さくする、あるいは常用周波数帯域から共振点をずらす、(3)質量とばねからなる振動体と減衰要素で構成される動吸振器を制振対象物に取り付け、その振動体の振動によって制振する等の技術が用いられている。
ここで、上記(3)の制振技術の一例として、下記特許文献1に記載されている動吸振器の構造につき図11を参照して概説すると、この動吸振器1は、半導体製造装置を収容するクリーンルームの床面に設置された定盤2の上下方向および前後方向(図示する紙面に対して垂直な方向)の振動を制振するものである。
そして、定盤2から垂下された前後一対の板ばね3a,3b、第1の粘弾性体4および第1の質量体5を有した第1の動吸振器によって定盤2の前後方向の振動を制振するとともに、第1の質量体5に支持された上下一対の板ばね6,7、第2の粘弾性体8および第2の質量体9を有した第2の動吸振器によって定盤2の上下方向の振動を制振するようになっている。
また、下記特許文献2に記載されている動吸振器の構造について図12を参照して概説すると、この動吸振器10は、平面視矩形状で互いに平行に延びる上下一対の鋼板11,12によって粘弾性樹脂13を挟装して振動板14を構成するとともに、この振動板14の上面に前後一対の錘15,15および左右一対の錘16,16を図示のごとく配設し、かつ支持部材17を介して制振対象物18の表面に取り付けた構造となっている。
これにより、制振対象物18に上下方向の振動が生じると、振動板14は前後方向および左右方向の2つの面外曲げモードで振動し、制振対象物18の振動を制振する。
このとき、前後方向の面外曲げモードの固有振動数は前後一対の錘15,15の質量によって定まり、左右方向の面外曲げモードの固有振動数は左右一対の錘16,16の質量によって定まるから、制振対象物18に生じる1次および2次の振動を効率的に制振することができる。
特開2000−314441号公報 特開平5−52237号公報
ところで、図11に示した動吸振器1は、半導体製造装置を載置する定盤2に取り付けられてその振動を吸収するものであって、極めて精密なものであるから、構造が複雑で製造コストもかかるものとなっている。
また、定盤2の下面、あるいはクリーンルームの床を構成している根太に取り付けられるものであるから、クリーンルームが完成して定盤2が固定された後から追加的に設置することは困難である。
また、図12に示した動吸振器10は、上下一対の鋼板11,12によって粘弾性樹脂13を挟装して振動板14を形成するとともに、質量が異なる二組の錘15,16を用いるものであるから、やはり構造が複雑で製造コストもかかるものとなっている。
しかしながら、例えば既存の建物の設備改修に伴って振動源が追加されたことにより建物に振動が発生している場合等においては、建物を改築することなく設置あるいは取り付けができるとともに制振効果に優れ、かつ低コストな動吸振器が求められることがある。
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、設置あるいは取り付けが容易であって制振効果に優れながらも、構造が簡単で低コストに製造できる動吸振器を提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、
振動する制振対象物に取り付けられ、その振動体が振動することにより前記制振対象物の振動エネルギーを吸収する動吸振器であって、
前記振動体が三角形状の振動板に形成され、
かつ前記振動板の3つの隅角部にそれぞれ係合して前記振動板がその面外方向に振動できるように前記制振対象物に支持する支持手段を備え、
前記制振対象物の振動数と同一の固有振動数を有し、若しくは前記制振対象物の振動に同調して振動するように、その面外振動の固有振動数が設定されていることを特徴としている。
すなわち、請求項1に記載した動吸振器は、三角形状の振動板それ自体が、制御対象物を制振するための質量体およびばねを構成するため、その構造が極めて簡単であり、かつ部品点数が少ないから低コストに製造することができる。
また、振動板の形状が三角形であるため、その3つの隅角部を支持手段によって拘束しても、振動板が四角形である場合に比較して、その面外曲げ振動を抑制する度合いが小さく、振動体としての有効質量比を大きく取ることができる。
さらに、制振対象物が建物の床面である場合に、生じている振動の振幅や加速度および振動板の重量によっては、この動吸振器を床面上に載置するだけで良く、従来の動吸振器に比較して設置に要する手間や時間を極端に低減することができる。
加えて、本発明の動吸振器を互いに接近させて並設することにより、制振エネルギー量の総量を高めることができるから、制振対象物に生じている振動を確実に制振することができる。
なお、振動板の形状は、正三角形あるいは二等辺三角形とすることができる。
そして、三角形状の振動板の各辺の長さや厚み、その材質を適宜設定することにより、制振対象物の形状や振動状態に合わせて最適な動吸振器を得ることができる。
また、本請求項1中に記載されている「同調」という用語が意味するものは、例えば「特許第3246373号」、「特許第2552432号」等の明細書に用いられているものと同一であり、その詳細は、例えば「山口宏樹著:構造振動・制御:共立出版:1996年5月20日発行」の「6.6 TMD」の部分に記載されている。
また、請求項2に記載した手段は、請求項1に記載した動吸振器において、前記支持手段が、前記振動板の3つの隅角部に貫設された挿通孔にそれぞれ挿通されるボルトと、これらのボルトにそれぞれ螺合して前記振動板を挟持する一対のナットの組とを有していることを特徴とする。
すなわち、請求項2に記載した動吸振器においては、その支持手段がボルトおよびナットから構成されており、かつボルトを挿通するための挿通孔を振動板に貫設するだけで良いから、その全体を極めて低コストに製造することができる。
また、振動板の表面からボルトの先端が突出する寸法を自在に調整することができるから、制振対象物と振動板との間の距離を容易に変更することができる。
これにより、例えば制振対象物の表面に凸部が存在している場合には、この凸部に振動板が接触しないように、振動板を制振対象物から離間させて配置することができる。
これとは反対に、制振対象物の表面に対向するように別の構造物が存在する場合には、この構造物に振動板が接触しないように、振動板を制振対象物に接近させて配置することができる。
さらに、制振対象物と振動板との間の距離が異なる複数の動吸振器を準備するとともに、これらの動吸振器の振動板と各ボルトとが互いに干渉しないように三角形状の振動板の各隅角部をずらして配置することにより、複数の振動板を多層構造に配置して制振対象物に設置することができるから、単位面積あたりの制振エネルギー量を大幅に高めることができる。
なお、各ナットと振動板との間にワッシャあるいは類似の拘束板を介装することができることは言うまでもない。この場合、ワッシャあるいは拘束板の外径や板厚等の寸法を変更することにより、振動板の隅角部における面外曲げ剛性を変更し、振動板に生じる面外曲げ振動の固有振動数を変更することもできる。
また、請求項3に記載した手段は、請求項1または2に記載した動吸振器において、前記挿通孔が、前記振動板の3つの隅角部のそれぞれにおいて、その隅角部からの距離が異なる複数の位置にそれぞれ貫設されていることを特徴とする。
すなわち、請求項3に記載した動吸振器においては、振動板の各隅角部に貫設されている複数の挿通孔のうちのいずれにボルトを挿通するかを選択することにより、振動板に生じる面外曲げ振動の固有振動数を変化させることができる。
これにより、制振対象物の振動と振動板の振動とを確実に共振させて振動エネルギーを吸収し、制振対象物を制振することが可能となる。
また、請求項4に記載した手段は、請求項2または3に記載した動吸振器において、前記ボルトの基端が制振対象物に固定されていることを特徴とする。
すなわち、請求項4に記載した動吸振器においては、制振対象物に対して振動板を堅固に支持することができるから、制振対象物に生じている振動を振動板に確実に伝達して振動板を振動させることができる。
また、制振対象物のうち振動板を取り付ける表面が水平面に対して傾斜している場合、鉛直方向に延びている場合、さらには建物の天井面のように鉛直方向下側に向いている場合にも振動板を確実に取り付けることができる。
また、請求項5に記載した手段は、請求項1に記載した動吸振器において、
前記支持手段が、前記振動板の隅角部に固設されて前記振動板の表面に対して垂直に延びる棒状部材であることを特徴とする。
すなわち、請求項5に記載した動吸振器は、三角形状の振動板と3本の棒状部材とから構成されるものであるから、その構造がさらに簡単であり、より一層低コストに製造することができる。
また、請求項6に記載した手段は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載した動吸振器において、前記振動板が、その隅角部の近傍であって、前記支持手段よりもその中央部分寄りの部分に減肉部を有していることを特徴とする。
支持手段によって振動板の隅角部を支持すると隅角部における振動板の面外曲げ変位を拘束することになるから、振動板の自由な面外曲げ振動を妨げてしまう場合が考えられる。
このとき、請求項6に記載した動吸振器においては、振動板の隅角部の近傍であって、支持手段よりも振動板の中央部分寄りの部分に減肉部を設けて、その部分の曲げ剛性を低下させている。
これにより、振動板の隅角部を支持手段によって拘束しても、振動板の自由な面外曲げ振動を妨げることがないから、制振対象物の振動と振動板の振動とを確実に共振若しくは同調させて振動エネルギーを吸収し、制振対象物を確実に制振することが可能となる。
また、請求項7に記載した手段は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載した動吸振器において、前記支持手段が、前記ボルトに外嵌されて前記振動板の両表面にそれぞれ線接触する一対のくさび状部材をさらに有するとともに、前記一対のナットが、これらのくさび状部材を介して前記振動板を挟持することを特徴とする。
すなわち、請求項7に記載した動吸振器は、三角形状の振動板の各隅角部を一対のくさび状部材によって挟持し固定する構造である。
これにより、その底面が平坦な一対のナットによって振動板の隅角部を直接的に挟持する場合に比較し、振動板の自由な面外曲げ振動を妨げる度合いが小さいから、制振対象物の振動と振動板の振動とを確実に共振若しくは同調させて振動エネルギーを吸収し、制振対象物を確実に制振することが可能となる。
また、請求項8に記載した手段は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載した動吸振器が、前記振動板の固有振動数を調整するためにその中央部分に取り付けられる調整錘をさらに備えることを特徴とする。
すなわち、請求項8に記載した動吸振器においては、振動板の中央に調整錘を取り付けることにより、あるいは取り付ける調整錘の重量を変更することにより、振動板に生じる面外曲げ振動の固有振動数を変化させることができる。
これにより、制振対象物の振動と振動板の振動とを確実に共振若しくは同調させて振動エネルギーを吸収し、制振対象物の振動を確実に制振することが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、設置あるいは取り付けが容易であって制振効果に優れながらも、構造が簡単で低コストに製造できる動吸振器を提供することができる。
以下、図1〜図10を参照し、本発明に係る動吸振器の各実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
第1実施形態
まず最初に図1〜図4を参照し、第1実施形態の動吸振器について説明する。
図1および図2に示した本第1実施形態の動吸振器20は、制振対象物に取り付けられてこの制振対象物の振動数に等しい固有振動数で振動若しくは最適同調振動数で固有振動することにより制振対象物を制振する動吸振器であって、制振対象物の振動数と共振若しくは同調するようにその固有振動数が設定された正三角形状の振動板21と、この振動板21が制振対象物の振動方向に対して面外に振動するように振動板を制振対象物に支持する、振動板の3つの隅角部にそれぞれ係合する支持手段とを備えている。
そして、支持手段は、振動板21の3つの隅角部に貫設された挿通孔(図示せず)にそれぞれ挿通されるボルト22と、これらのボルト22にそれぞれ螺合して振動板21を挟持する一対のナット23,24とから構成されている。
振動板21は、最も一般的には厚い鋼板から製造することができるが、制振対象物の特性に合わせてアルミ、銅、真鍮等の他の金属材料、またはポリカーボネート、ポリエチレン等の高分子材料から製造された薄板とすることもできる。
また、その固有振動数は、図2に示したように、厚み寸法T、辺の長さL、ボルト22を挿通する孔と隅角部との距離Sの値を変更することにより制振対象物との共振振動数に合わせることができる。
そして、振動板21は原材料の板材から切り出すことにより容易に製造することができるから、その製造コストを低減することができる。
また、支持手段は、ボルト22およびナット23,24から構成されており、かつボルト22を挿通するための挿通孔(図示せず)を振動板21に貫設するだけで良いから、極めて低コストに製造することができる。
すなわち、本第1実施形態の動吸振器20は、正三角形状の振動板21それ自体が、制御対象物を制振するための付加質量およびばねを構成するため、その構造が極めて簡単であり、かつ部品点数が少ないから低コストに製造することができる。
また、振動板21の形状が正三角形であるため、その3つの隅角部をボルト22およびナット23,24によって拘束しても、四角形である場合に比較してその面外曲げ振動を抑制する度合いが小さい。
また、振動板21の下面からボルト22が下方に突出する寸法Cの値を自在に調整することができるから、制振対象物の表面と振動板21との間の距離を容易に変更することができる。
これにより、図2(A)に示したように、例えば制振対象物の表面に凸部B1が存在している場合には、この凸部B1に振動板21が接触しないように、振動板21を制振対象物から上方に離間させて配置することができる。
これとは反対に、制振対象物の上方に別の構造物B2が存在する場合には、この構造物B2に振動板21が接触しないように、振動板21を制振対象物に接近させて配置することができる。
また、制振対象物が建物の床面である場合には、この動吸振器20を床面上に載置するだけで良く、従来の動吸振器に比較して設置に要する手間や時間を極端に低減することができる。
加えて、図3に示したように、本第1実施形態の動吸振器20を互いに接近させて並設することにより、単位床面積あたりの制振エネルギー量を高めることができるから、建物の床面に生じている振動を確実に制振することができる。
さらに、図4に示したように、振動板21の下面からボルト22が下方に突出する寸法Cの値が異なる3種類の動吸振器20A,20B,20Cを準備するとともに、これらの動吸振器20の各振動板21と各ボルト22a,22b,22cとが互いに干渉しないように各振動板21の隅角部をずらして配置することができる。
これにより、複数の振動板21を多層構造に配置して建物の床面上に設置することができるから、単位床面積あたりの制振エネルギー量を大幅に高めて床面に生じている振動を確実に制振することができる。
第2実施形態
次に図5を参照し、第2実施形態の動吸振器について説明する。
図5に示した第2実施形態の動吸振器30は、上述した第1実施形態の動吸振器20に対し、ボルト22を挿通するための挿通孔が多数貫設されている点、および振動板31の固有振動数を調整するための調整錘32が設けられている点で異なっている。
振動板31には、ボルト22が実際に挿通されている挿通孔の他に、隅角部からの寸法Sの値(図2(B)参照)が異なる2つの挿通孔31a,31bが、各隅角部にそれぞれ貫設されている。
これにより、各隅角部に貫設されている3つの挿通孔のいずれにボルト22を挿通するかを選択することによって、振動板31に生じる面外曲げ振動の固有振動数を変化させることができる。
また、振動板31の中央部に配設されている調整錘32は、ボルト33により振動板31に対して着脱自在となっている。
これにより、重量の異なる調整錘32を振動板31の中央に容易に取り付けることができるから、振動板31に生じる面外曲げ振動の固有振動数を制振対象物に合わせて最適に調整することができる。
すなわち、本第2実施形態の動吸振器30においては、ボルト22を挿通する挿通孔を変更し、あるいは調整錘32の重量を変更することにより、振動板31を製造した後においてその面外曲げ振動の固有振動数を変化させることができるから、制振対象物の振動と振動板31の振動とを確実に共振若しくは同調させて振動エネルギーを吸収し、制振対象物を確実に制振することが可能となる。
第3実施形態
次に図6(A)および図7を参照し、第3実施形態の動吸振器について説明する。
上述した第1および第2実施形態における振動板21,31の形状は、いずれも完全な正三角形であった。
これに対して、本第3実施形態の動吸振器40における振動板41は、図6(A)に示したように正三角形である原材料の板材からその隅角部の一部41a,41b,41cを切り取った形状となっている。
そして図7に示したように、振動板41の隅角部には3本の棒状部材42a,42b,42cがそれぞれ溶接によって固定されて、振動板41を支持するための支持手段を構成している。
すなわち、本第3実施形態の動吸振器40は、略三角形状の振動板41と3本の棒状部材42a,42b,42cとから構成したものであるから、その構造がさらに簡単であってより一層低コストに製造することができる。
第4実施形態
次に図6(B)および図8を参照し、第4実施形態の動吸振器について説明する。
上述した第1および第2実施形態における振動板21,31の形状は、いずれも完全な正三角形であった。
これに対して、本第4実施形態の動吸振器50における振動板51は、図6(B)に示したように正三角形の隅角部に矩形状の延設部分52a,52b,52cを付加したものである。
そして、これらの延設部分52a,52b,52cには、ボルト挿通孔53a,53b,53cがそれぞれ貫設されている。
また、本第4実施形態の動吸振器50においては、図8に示したように、その基端が制振対象物Bの表面に螺合しあるいは植設されて直立しているボルト54によって、2枚の振動板51A,51Bを一体に支持する構造となっている。
具体的に説明すると、ボルト54に下側ナット55を螺合させた後、一方の振動板51Aの挿通孔53aとボルト54を芯合わせしてその延設部分52aを下側ナット55の上に載せ、次いで円環状のスペーサ56をボルト54に外嵌させて振動板51Aに積み重ね、さらに他方の振動板51Bの挿通孔53bとボルト54を芯合わせしてその延設部分52bをスペーサ56の上に載せ、最後に上側ナット57をボルト54に螺合させて一体に締め付けた構造となっている。
なお、2枚の振動板51A,51Bの他の隅角部を支持する構造も全く同一である。
すなわち、本第4実施形態の動吸振器50は、一対の振動板51A,51Bの各隅角部を制振対象物に支持するための各ボルト54の基端が、制振対象物Bの表面に螺合しあるいは植設されて固定されている。
これにより、制振対象物に対して一対の振動板51A,51Bを堅固に支持することができるから、制振対象物に生じている振動を各振動板に確実に伝達して振動板を共振若しくは同調させることができる。
また、制振対象物のうち一対の振動板51A,51Bを取り付ける表面が、水平面に対して傾斜している場合や、鉛直方向に延びている場合、さらには建物の天井面のように鉛直方向下側に向いている場合にも、これらの振動板を51A,51Bに確実に取り付けることができる。
さらに、本第4実施形態の動吸振器50は、一対の振動板51A,51Bの各隅角部にそれぞれ延設されている部分52a,52b,52cをボルト54,ナット55、57、およびスペーサ56によって支持する構造である。
これにより、各振動板51A,51Bのうち三角形状をなす本体部分の面外曲げ変位は拘束されないから、これらの本体部分に生じる面外曲げ振動を妨げる度合いを低くして、制振対象物と各振動板51A,51Bを確実に共振若しくは同調させることができる。
第5実施形態
次に図9を参照し、第5実施形態の動吸振器について説明する。
本第5実施形態の動吸振器60は、上述した第4実施形態の動吸振器50に対し、一対の振動板51A,51Bが、その隅角部の近傍に減肉部61,61をそれぞれ有している点において異なっている。
具体的に説明すると、各減肉部61,61は、図9に示したように各振動板51A,51Bの上面および下面にそれぞれ凹設されて互いに平行に延びる凹溝61a,61bによって形成され、この部分の曲げ剛性を低下させている。
なお、これらの凹溝61a,61bは、略三角形状の各振動板51A,51Bの隅角部を構成する2辺がなす角度を2等分する直線Dに対して垂直な方向に延びている。
すなわち、本第5実施形態の動吸振器60においては、各振動板51A,51Bが、その隅角部の近傍であって、ボルト54,ナット55,57,スペーサ56によって支持されている部分よりもその中央部分寄りの位置に減肉部61A,61Bを有している。
これにより、各振動板51A,51Bの三角形状をなす本体部分の自由な面外曲げ振動を妨げることがないから、制振対象物の振動と各振動板51A,51Bとを確実に共振若しくは同調させて振動エネルギーを吸収し制振対象物を確実に制振することが可能となる。
第6実施形態
次に図10を参照し、第6実施形態の動吸振器について説明する。
本第6実施形態の動吸振器70は、上述した第5実施形態の動吸振器60に対し、振動板71の隅角部を支持する構造が異なっている。
具体的に説明すると、図10に示した振動板71は、図6(B)に示した振動板51と全く同様に、その隅角部に矩形状の延設部分72が付加されているとともに、この延設部分72にはボルト54を挿通する挿通孔73aが貫設されている。
さらに、延設部分72の上面および下面には、略三角形状の振動板71の隅角部を構成する2辺がなす角度を2等分する直線Dに対して垂直に延びる凹溝73b,73cがそれぞれ凹設されている。
なお、これらの凹溝73b,73cの断面形状は開き角度が大きいV字形状となっている。
さらに、振動板71を支持するボルト54には、凹溝73b,73c内の凹角部とそれぞれ線接触する凸角部を有した上下一対のくさび状部材74,75が外嵌されている。
そして、ボルト54に螺合している上下のナット55,57は、これらのくさび状部材74,75を介して振動板71の延設部分72を挟持している。
すなわち、本第6実施形態の動吸振器70は、略三角形状の振動板71の各隅角部を一対のくさび状部材74,75によってそれぞれ挟持し固定する構造である。
これにより、その底面が平坦な一対のナット55,57によって振動板71の隅角部を直接的に挟持する場合に比較し、振動板71の自由な面外曲げ振動を妨げる度合いが小さいから、制振対象物Bの振動と振動板71の振動とを確実に共振させ若しくは同調させて振動エネルギーを吸収し制振対象物Bを確実に制振することが可能となる。
以上、本発明に係る動吸振器の各実施形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した各実施形態における振動板は、いずれも厚い鋼板のような一枚物の原材料から製造したものとなっている。
これに対し、図12を用いて説明した先行従来技術のように、粘弾性樹脂をその間に挟み込んだ制振鋼板のような材料からも振動板を製造できることは言うまでもない。この場合には振動板は適度な減衰を伴って振動するから、最適同調理論による動吸振効果を得ることもできる。
第1実施形態の動吸振器を示す全体斜視図。 図1に示した動吸振器を示す全体側面図(A)および全体平面図(B)。 第1実施形態の動吸振器を建物の床面上に並設した状態を示す斜視図。 第1実施形態の動吸振器を積層して建物の床面上に設置した状態を示す斜視図。 第2実施形態の動吸振器を示す全体斜視図。 振動板の変形例を示す平面図(A)および振動板の他の変形例を示す平面図(B)。 第3実施形態の動吸振器を示す全体斜視図。 第4実施形態の動吸振器を示す要部拡大平面図(A)および要部拡大側面図(B)。 第5実施形態の動吸振器を示す要部拡大平面図(A)および要部拡大側面図(B)。 第6実施形態の動吸振器を示す要部拡大平面図(A)および要部拡大側面図(B)。 特開2000−314441号公報に記載されている動吸振器を示す図。 特開平5−52237号公報に記載されている動吸振器を示す図。
符号の説明
1 特開2000−314441号公報に記載されている動吸振器
10 特開平5−52237号公報に記載されている動吸振器
20 第1実施形態の動吸振器
21 振動板
22 ボルト
23,24 ナット
30 第2実施形態の動吸振器
31 振動板
32 調整錘
33 ボルト
40 第3実施形態の動吸振器
41 振動板
42 棒状部材
50 第4実施形態の動吸振器
51 振動板
52a,52b,52c 延設部
53a,53b,53c ボルト挿通孔
54 ボルト
55,57 ナット
56 スペーサ
60 第5実施形態の動吸振器
61 減肉部
61a,61b 凹溝
70 第6実施形態の動吸振器
71 振動板
72 延設部分
73a 挿通孔
73b,73c V溝
74,75 くさび状部材

Claims (8)

  1. 振動する制振対象物に取り付けられ、その振動体が振動することにより前記制振対象物の振動エネルギーを吸収する動吸振器であって、
    前記振動体が三角形状の振動板に形成され、
    かつ前記振動板の3つの隅角部にそれぞれ係合して前記振動板がその面外方向に振動できるように前記制振対象物に支持する支持手段を備え、
    前記制振対象物の振動数と同一の固有振動数を有し、若しくは前記制振対象物の振動に同調して振動するように、その面外振動の固有振動数が設定されていることを特徴とする動吸振器。
  2. 前記支持手段は、
    前記振動板の3つの隅角部に貫設された挿通孔にそれぞれ挿通されるボルトと、
    これらのボルトにそれぞれ螺合して前記振動板を挟持する一対のナットの組と、
    を有していることを特徴とする請求項1に記載した動吸振器。
  3. 前記挿通孔は、前記振動板の3つの隅角部それぞれにおいて、その隅角部からの距離が異なる複数の位置にそれぞれ貫設されていることを特徴とする請求項2に記載した動吸振器。
  4. 前記ボルトの基端が制振対象物に固定されていることを特徴とする請求項2または3に記載した動吸振器。
  5. 前記支持手段が、前記振動板の隅角部に固設されて前記振動板の表面に対して垂直に延びる棒状部材であることを特徴とする請求項1に記載した動吸振器。
  6. 前記振動板が、その隅角部の近傍であって、前記支持手段よりもその中央部分寄りの部分に減肉部を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載した動吸振器。
  7. 前記支持手段が、前記ボルトに外嵌されて前記振動板の両表面にそれぞれ線接触する一対のくさび状部材をさらに有するとともに、
    前記一対のナットが、これらのくさび状部材を介して前記振動板を挟持していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載した動吸振器。
  8. 前記振動板の固有振動数を調整するためにその中央部分に取り付けられた調整錘をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載した動吸振器。
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