JP5505199B2 - 建物の床・天井構造 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば住宅やマンション等の建物の床・天井構造に関する。
従来より、住宅の上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を低減するにあたって、例えば上層階の床パネルの厚みを増大させたり、床パネルの比重を上げることによって、床パネルの重量を重くするといった方法が採られている。しかしながら、重量床衝撃音の遮断性能について例えば10dBの大幅な向上を図るためには、床パネルの重量を4倍程度にする必要があり、構造躯体への負荷が大きくなるといった不具合があった。しかも、床パネルの厚みを増大させて、床パネルの重量を重くする場合、特に軽量鉄骨系プレハブ住宅では、プレハブシステム全体の収まりを変更する必要があることから、容易に採用することができなかった。
一方、本発明者らは、上層階の床梁材に吊り下げ支持した下層階の天井下地材に、重量床衝撃音低減用の複数のダイナミックダンパーを分散配置させるといった対策を提案している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この場合、構造躯体に大きな負荷をかけることなく、重量床衝撃音を低減することができるが、重量床衝撃音の遮断性能について例えば10dBの大幅な向上を図るためには、高価なダイナミックダンパーの個数を対数的に増やす必要があり、材料費や施工費の高騰を招くといった不具合があった。また、ダンパー単体の付加質量を増して制振効果を上げることは、天井下地材の強度からは困難である。
特開2006−342580号公報 特開2010−159553号公報
上記のように、床パネルの重量を重くしたり、天井下地材にダイナミックダンパーを設けるといった単一的な対策だけでは、重量床衝撃音の遮断性能について例えば10dBの大幅な向上を図ることは、特に軽量鉄骨系プレハブ住宅において構造的、コスト的に限界があり、これらを効果的に組み合わせた複合的な対策が望まれていた。
この発明は、上記に鑑み、床パネルの重量付加による遮音対策、及び、天井下地材におけるダイナミックダンパーの分散配置による遮音対策を好適に組みわせた複合的な遮音対策を講じることで、構造躯体の負担を極力抑え、コスト低減を図りながらも、床衝撃音遮断性能を大幅に向上することができる床・天井構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の建物の床・天井構造は、軽量鉄骨造の建物の床・天井構造であって、建物上層階の床梁材1・・上に上層階の床パネル2・・を敷設するとともに、前記床梁材1・・に下層階の天井下地材3を吊り下げ支持したものであって、前記天井下地材3に、重量床衝撃音低減用の複数のダイナミックダンパー40・・を分散配置して、前記床パネル2・・の面密度を100〜120kg/m2とし、前記天井下地材3の1m2当たりにおける前記ダイナミックダンパー40・・の重量を2〜4kgとしたことを特徴とする。
具体的に、前記床パネル2・・の面密度を120kg/m2とし、前記天井下地材3の1m2当たりにおける前記ダイナミックダンパー40・・の重量を3kgとしている。
また、前記床パネル2・・は、押出成形セメント板4の中空部4a・・に砂状無機材5・・を微動可能に充填してなり、その厚みを100mmとしている。
さらに、前記天井下地材3は、前記床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具9・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け10・・と、前記床梁材1・・に吊り下げ支持することなく、前記第1野縁受け10・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け11・・と、前記第1及び第2野縁受け10、11・・に対して略直交するように、前記第1及び第2野縁受け10、11・・の下側に取り付けた複数の野縁12・・とからなり、前記ダイナミックダンパー40・・を前記第2野縁受け11・・のみに装着している。
さらにまた、前記第2野縁受け11・・に装着した前記ダイナミックダンパー40・・を、前記第2野縁受け11・・と前記野縁12・・との交差部付近に配置している。
また、前記第2野縁受け11・・の本数を調整して、前記ダイナミックダンパー40・・の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮断性能を調整可能としている。
さらに、前記ダイナミックダンパー40・・は、質量体41と弾性体42とを組み合わせてなり、その弾性体42によって質量体41を弾性支持するようにして、前記第2野縁受け11・・にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着している。
この発明の床・天井構造においては、床パネルの重量付加による遮音対策、及び、天井下地材におけるダイナミックダンパーの分散配置による遮音対策を好適に組みわせた複合的な遮音対策を講じている。すなわち、一般的なALCからなる床パネルの重量の2倍以下とした面密度100〜120kg/m2(好ましくは、120kg/m2)の床パネルを使用するとともに、天井下地材において複数のダイナミックダンパーを1m2当たり2〜4kg(好ましくは、3kg)で分散配置している。これにより、床パネルの重量付加を軽減して構造躯体の負担を極力抑え、高価なダイナミックダンパーの個数増大を軽減してコスト低減を図りながら、重量床衝撃音の遮断性能を大幅に向上することができる。
また、押出成形セメント板の中空部に砂状無機材を微動可能に充填してなる高遮音床パネルを使用することで、その厚みを一般的なALCからなる床パネルと略同等の100mm程度に抑えながら、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能を向上させることができ、特に軽量鉄骨系プレハブ住宅に採用した場合であっても、プレハブシステム全体の収まりを変更しないで済むことができる。
さらに、天井下地材の第1野縁受けを、床梁材に軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具を介して吊り下げ支持することで、重量床衝撃音だけでなく、軽量床衝撃音の遮断性能も大幅に向上することができる。しかも、天井下地材において、床梁材に吊り下げ支持することのない第2野縁受けを別途設けることで、天井下地材の剛性を高めることができる。これにより、天井板の撓みを抑えることができ、防振吊り具を使用して軽量床衝撃音対策を講じているにもかかわらず、これら防振吊り具における防振ゴムのクリープ変形に起因する天井板の部分的な垂れ下がりを防止して、良好な施工状態を長期に亘って維持することができる。加えて、現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受けや強度的に弱い野縁に対しては、ダイナミックダンパーを組み込まないようにして、現場での加工(カット調整)を極力なくすようにした施工が可能であって強度的にも強い第2野縁受けのみに、ダイナミックダンパーを装着することで、高価で再生困難なダイナミックダンパーを廃棄せずに済み、またダイナミックダンパーを安定した状態で配置することができる。
また、第2野縁受けと野縁との交差部付近にダイナミックダンパーを配置することで、天井下地材における剛性の高い箇所にダイナミックダンパーを配置した状態となり、ダイナミックダンパーによる重量床衝撃音の低減効果を効果的に発揮させることができる。
さらに、床梁材に吊り下げ支持した第1野縁受けをそのままにして、吊り下げ支持していない施工自由度の高い第2野縁受けの本数を調整することで、ダイナミックダンパーの設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮断性能を調整可能としているので、大幅な設計変更等を伴うことなく、遮音性能を簡単に調節することができる。
さらにまた、ダイナミックダンパーを、第2野縁受けにその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着することで、床下空間における配管や断熱材、吸音材等の施工に際して、ダイナミックダンパーが邪魔にならないようにすることができる。
この発明の一実施形態に係る建物の床・天井構造の一部破断斜視図である。 同じくその要部縦断面図である。 床パネルの斜視図である。 天井下地材の要部斜視図である。 天井下地材の概略平面図である。 防振吊り具の側面図である。 防振吊り具の防振ゴム付近の正面図である。 第2野縁受けのダンパー装着部分の分解斜視図である。 第2野縁受けと野縁の交差部付近の分解斜視図である。 第1野縁受けの端部付近の縦断面図である。 第2野縁受けの端部付近の斜視図である。 野縁及び壁際野縁の端部付近の縦断面図である。 重量床衝撃音の遮断性能試験の結果を示す図である。 軽量床衝撃音の遮断性能試験の結果を示す図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る床・天井構造は、例えば軽量鉄骨系のプレハブ住宅に適用されている。この床・天井構造は、図1及び図2に示すように、建物上層階の例えばH形鋼からなる床梁材1・・上に上層階の床パネル2・・が敷設され、床梁材1・・に下層階の天井下地材3が吊り下げ支持されている。
床パネル2は、図3に示すように、押出成形セメント板4の互いに略平行な複数の中空部4a・・の要所要所に、袋詰めした砂状無機材5・・を微動可能に充填してなり、その面密度が100〜120kg/m2(好ましくは、120kg/m2)であって、その厚みが100mm程度とされている。
この床パネル2においては、高い剛性を有するとともに、床衝撃音の伝搬に伴う振動時に砂状無機材5・・が微動して振動を打ち消す効果を有していて、一般的なALCからなる床パネル(面密度が65kg/m2、厚みが100mm)と比べて、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能を5dB程度向上することができ、しかも重量については2倍以下、厚みについては略同等に抑えられている。なお、この床パネル2は、床梁材1の上フランジ1a上に止め付け金具6によって止め付けられている。また、床パネル2・・上には、防湿シート80、パーティクルボード81、フローリング等の床仕上げ材82が順次敷設されている。
天井下地材3は、図1、図4及び図5に示すように、上層階の床梁材1・・に軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具9・・を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の第1野縁受け10・・と、床梁材1・・に吊り下げ支持されることなく、第1野縁受け10・・に対して略平行に配設された複数の第2野縁受け11・・と、これら第1及び第2野縁受け10、11・・に対して略直交するように、第1及び第2野縁受け10、11・・の下側に取り付けられた複数の野縁12・・とを備え、これら野縁受け10、11・・及び野縁12・・が全体的に平面視格子状に組み付けられている。
また、建物内壁13には、第1及び第2野縁受け10、11・・に対して略直交するように、複数の壁際野縁14・・が固定されている。そして、野縁12・・及び壁際野縁14・・の下側に、2枚の石膏ボード等を重ね張りしてなる天井板15が取り付けられている。なお、天井下地材3の上側には、図1に示すように、吸音材83が適宜設けられている。
防振吊り具9は、図4、図6及び図7に示すように、床梁材1に装着される梁装着部材20と、この梁装着部材20に取り付けられた圧縮型の防振ゴム21と、この防振ゴム21に貫通支持されて、第1野縁受け10に連結される吊りボルト22とを備えている。
梁装着部材20は、鋼板を折曲形成してなり、開放部分が上向きとなった略溝形状に形成されている。そして、その底面部25が防振ゴム21を装着する装着部とされ、底面部25の両側端から立ち上がった一対の側面部26、26が床梁材1に係合する係合部とされている。
側面部26、26には、嵌合溝26a、26aが横向きに夫々形成されており、これら嵌合溝26a、26aに床梁材1の下フランジ1bを嵌め込むようにして、側面部26、26が床梁材1に係合される。そして、この係合状態において、底面部25にねじ込んだ固定ボルト27の先端を下フランジ1bの下面に押し付けることで、梁装着部材20が床梁材1に装着されるようになっている。
防振ゴム21は、略中央部を括れさせた略円筒状のゴム体を上下の鋼製プレートによって挟み込んだ構造となっていて、梁装着部材20の側面部26、26間において底面部25上から立ち上がるようにして装着されている。
吊りボルト22は、その上端部にカシメナット28が螺合された状態で、防振ゴム21及び梁装着部材20の底面部25を上下方向に貫通している。なお、カシメナット28は、防振ゴム21の上側プレートに回転可能に係合されるようになっている。
そして、吊りボルト22の下端部は、後述する第1野縁受け10の上側フランジ30を上下方向に貫通している。この吊りボルト22の下端部には、上下一対のナット29、29が螺合され、これらナット29、29を締め付けて第1野縁受け10の上側フランジ30を挟み込むことで、吊りボルト22の下端部に第1野縁受け10が取り付けられている。このように、軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具9・・を使用して天井下地材3(第1野縁受け10・・)を吊り下げ支持することで、単なる吊り具を使用して吊り下げ支持するときと比べて、軽量床衝撃音の遮断性能を5dB程度向上することができるようになっている。
第1野縁受け10は、図4及び図6に示すように、開放部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、上下一対のフランジ30、30と、それらフランジ30、30の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ31とを備えている。
第2野縁受け11は、図4及び図8に示すように、開放部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、第1野縁受け10と同様の構造となっている。すなわち、この第2野縁受け11は、上下一対のフランジ30、30と、それらフランジ30、30の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ31とを備え、ウエブ31には複数のボルト挿通用孔31a・・が長手方向に適宜間隔をあけて形成されている。そして、第2野縁受け11には、重量床衝撃音低減用の複数のダイナミックダンパー40・・が予め組み込まれている。
ダイナミックダンパー40は、図8及び図9に示すように、略直方体状に形成された例えば金属製の質量体41と、この質量体41よりも一回り小さな略直方体状に形成された例えば合成ゴム製の弾性体42とを接着一体化してなり、弾性体42における質量体41側とは反対側の側面には、一対のボルト挿通用孔43a、43aを有する装着板43が取り付けられている。
そして、ダイナミックダンパー40は、その装着板43を第2野縁受け11のウエブ31に当接させて、互いに一致するボルト挿通用孔31a、43a・・に挿通したボルト44、44にナット45、45を螺合して締め付けることにより、弾性体42によって質量体41を弾性支持するようにして、剛性の高い第2野縁受け11のウエブ31に、その高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着されている。これにより、床下空間における配管や断熱材、吸音材83等の施工に際して、ダイナミックダンパー40が邪魔になり難くなっている。なお、ダイナミックダンパー40は、重量床衝撃音遮断性能を向上させるために例えば63Hz帯域の振動に同調して振動するようにチューニングされている。
第2野縁受け11・・は、床梁材1・・に吊り下げ支持されておらず、構造上支障をきたすことなく、比較的容易に増設したり、取り除いたりすることができることから、このような施工自由度の高い第2野縁受け11・・の本数を適宜調整することで、ダイナミックダンパー40・・の設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮断性能を簡単に調整可能としている。
ここで、第1及び第2野縁受け10、11・・のうち第2野縁受け11・・のみに、ダイナミックダンパー40・・が予め組み込んであって、第1野縁受け10・・には組み込まないようにしたのは、以下の理由による。すなわち、床梁材1・・に吊り下げ支持されて、天井荷重を支える第1野縁受け10・・は、天井面の端から端まで1本で連続していることが良好な剛性を確保する上で好ましい。このため、第1野縁受け10・・の施工に際しては、比較的長尺なものを用意して、天井面の形状や大きさに応じて現場で加工(カット調整)することが一般的になされている。従って、このような現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受け10・・に対しては、ダイナミックダンパー40・・をあえて組み込まないようにして、加工(カット調整)に伴ってダイナミックダンパー40・・が端材として廃棄されないようにしている。一方、床梁材1・・に吊り下げ支持されない第2野縁受け11・・については、天井面の端から端まで1本で連続していなくても、良好な剛性を確保する上でさほど問題はない。このため、長さの異なる数種類のものを予め用意して、これらを天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置することで、現場での加工(カット調整)を極力なくすようにした施工が可能であり、第2野縁受け11・・に予めダイナミックダンパー40・・を組み込んでおいても、ダイナミックダンパー40・・を廃棄せずに済むからである。なお、第1野縁受け10・・に対してダイナミックダンパー40・・を組み込まなくても、第1野縁受け10・・は第2野縁受け11・・に比べて本数が極端に少ないことから、重量床衝撃音の遮断性能に支障をきたすことはない。
そして、第1及び第2野縁受け10、11・・は、図5に示すように、約333mmの間隔L1をあけて同一平面上に配置されており、ダイナミックダンパー40・・は、それぞれの第2野縁受け11・・に対して長手方向に約333mmの間隔L2をあけて装着されている。従って、天井下地材3において、複数のダイナミックダンパー40・・が縦方向及び横方向に等間隔(約333mm)をあけて同一平面上に分散配置された状態となっている。そして、天井下地材3においては、その1m2当たり(平面から見て1m四方の範囲内)にダイナミックダンパー40・・が例えば9〜16個設けられていて、その1m2当たりのダイナミックダンパー40・・の総重量が2〜4kg(好ましくは、3kg)に設定されている。これにより、ダイナミックダンパーを設けていない天井下地材を採用するときと比べて、重量床衝撃音の遮断性能を5dB程度向上することができるようになっている。
野縁12は、図6及び図9に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、その側面片50、50にはその長手方向に沿って係止溝51、51が夫々形成されている。この野縁12は、複数の野縁支持具60・・を介して第1及び第2野縁受け10、11・・の下側に跨って取り付けられている。
野縁支持具60は、図6及び図9に示すように、上面部61と、この上面部61の両側端から延出した一対の側面部62、62とによって下向きの略コ字状に形成され、その上面部61には、一対の係合片63、63が形成されており、側面部62、62には、係止爪64、64が夫々形成されている。
この野縁支持具60は、係合片63、63を第1野縁受け10や第2野縁受け11の下側フランジ30に係合させることで、第1野縁受け10や第2野縁受け11に取り付けられている。また、野縁支持具60の側面部62、62間に野縁12の上部を差し入れて、係止爪64、64を野縁12の係止溝51、51に係合させることで、野縁12が支持されている。
そして、野縁12・・は、約330mmの間隔をあけて同一平面上に配置されており、これら野縁12・・と第2野縁受け11・・との交差部(連結部)付近にダイナミックダンパー40・・が配置された状態となっている。各交差部付近は、剛性が高いことから、このような各交差部付近にダイナミックダンパー40・・を配置することで、ダイナミックダンパー40・・による重量床衝撃音の低減効果を効果的に発揮させることができる。なお、野縁12・・にダイナミックダンパー40・・を組み込まないようにしたのは、野縁12・・は、野縁受け10、11・・に比べて強度的に弱く、ダイナミックダンパー40・・の取付強度を十分に確保することができないからである。
壁際野縁14は、図10及び図11に示すように、例えば断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、野縁12と同様の構造となっている。この壁際野縁14は、側面片50、50を横方向に貫通する複数のビス65、65によって建物内壁13に固定されて、野縁12・・に対して略平行に配されている。
そして、建物内壁13に固定された壁際野縁14上には、建物内壁13に対向する第1野縁受け10・・の端部が設置されている。具体的には、第1野縁受け10・・の端部の下側フランジ30・・に、例えば発泡樹脂製又はゴム製の平板状の緩衝材32が接着剤等によって予め貼り付けられていて、第1野縁受け10・・の端部は、建物内壁13に対して縁切りされた状態で、壁際野縁14の上面に緩衝材32を介在させながら載置されている。これにより、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第1野縁受け10・・が建物内壁13に干渉することによって生じる衝突音、振動する第1野縁受け10・・が建物内壁13に固定した壁際野縁14と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。なお、第1野縁受け10・・の端部は、このように緩衝材32を介して壁際野縁14上に設置するだけでなく、上記の野縁支持具60を使用して壁際野縁14上に設置しても良い。
一方、建物内壁13に対向する第2野縁受け11・・の端部は、図5及び図11に示すように、壁際野縁14に対して離間した状態で配置されて、第2野縁受け11・・の端部と壁際野縁14との間には隙間が確保されている。これにより、第2野縁受け11・・の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け11・・を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け11・・が建物内壁13に干渉することによって生じる衝突音、さらには振動する第2野縁受け11・・が建物内壁13に固定した壁際野縁14と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
なお、野縁12・・及び壁際野縁14・・の端部は、図11及び図12に示すように、野縁12・・及び壁際野縁14・・に対して略直交するように、建物内壁13にビス70・・止めされた断面コ字状の溝形鋼からなるランナー71に固定されている。具体的には、ランナー71の室内側に開放する溝部に、野縁12・・及び壁際野縁14・・の端部が差し込まれた状態で、ランナー71に野縁12・・及び壁際野縁14・・の端部がビス72・・止めされている。
上述のように、この床・天井構造においては、面密度120kg/m2(一般的なALCからなる床パネルの2倍以下)、厚さ100mm(一般的なALCからなる床パネルと略同等)の床パネル2・・を使用するとともに、防振吊り具9・・によって吊り下げ支持した天井下地材3において複数のダイナミックダンパー40・・を1m2当たり3kgで分散配置するといった複合的な遮音対策を講じている。これにより、床パネル2・・の重量付加を軽減して構造躯体の負担を極力抑え、高価なダイナミックダンパー40・・の個数増大を軽減してコスト低減を図りながらも、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能をそれぞれ10dB向上して、床衝撃音の遮音等級L−55(重量床衝撃音の遮音等級LH−55、軽量床衝撃音の遮音等級LL−55)を実現している。
図13は、以下に示す実施例及び比較例1〜3の床・天井構造に対して、重量床衝撃音の遮断性能試験(子供の飛び跳ね等による重量音を想定したバングマシン等を使用した試験)を実施したときの試験結果を示し、図14は、実施例及び比較例1〜3の床・天井構造に対して、軽量床衝撃音の遮断性能試験(スリッパのパタパタ音や軽量物を落とした音を想定したタッピングマシン等を使用した試験)を実施したときの試験結果を示している。
実施例の床・天井構造は、この発明の床・天井構造に相当するものであって、面密度120kg/m2の床パネル2・・(以下、「高遮音床パネル」と称する。)を使用するとともに、防振吊り具9・・によって吊り下げ支持した天井下地材3において複数のダイナミックダンパー40・・を1m2当たり3kgで分散配置した構造(以下、「高遮音天井下地」と称する。)となっている。比較例1の床・天井構造は、面密度65kg/m2のALCからなる床パネル(以下、「ALC床パネル」と称する。)を使用するとともに、ダイナミックダンパーを設けていない天井下地材を単なる吊り具によって吊り下げ支持した構造(以下、「一般天井下地」と称する。)となっている。比較例2の床・天井構造は、「ALC床パネル」及び「高遮音天井下地」を採用した構造となっている。比較例3の床・天井構造は、「高遮音床パネル」及び「一般天井下地」を採用した構造となっている。
重量床衝撃音の遮断性能試験において、図13に示すように、比較例1ではLH−65、比較例2ではLH−60、比較例3ではLH−60、実施例ではLH−55であった。また、軽量床衝撃音の遮断性能試験においては、図14に示すように、比較例1ではLL−65、比較例2ではLL−60、比較例3ではLL−60、実施例ではLL−55であった。これにより、実施例においては、比較例2及び3と比べると、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能がそれぞれ5dB程度向上し、比較例1と比べると、重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮断性能がそれぞれ10dB程度向上しており、高い遮音性能を有することが判った。
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、この発明の床・天井構造は、新築の戸建て住宅に適用するだけでなく、リフォーム時における床衝撃音対策として既設の戸建て住宅に適用しても良い。また、軽量鉄骨系の戸建て住宅だけでなく、木造住宅やRC造の建物に適用しても良い。
1・・床梁材、2・・床パネル、3・・天井下地材、4・・押出成形セメント板、4a・・中空部、5・・砂状無機材、9・・防振吊り具、10・・第1野縁受け、11・・第2野縁受け、12・・野縁、40・・ダイナミックダンパー、41・・質量体、42・・弾性体

Claims (7)

  1. 軽量鉄骨造の建物の床・天井構造であって、建物上層階の床梁材(1)・・上に上層階の床パネル(2)・・を敷設するとともに、前記床梁材(1)・・に下層階の天井下地材(3)を吊り下げ支持した床・天井構造において、前記天井下地材(3)に、重量床衝撃音低減用の複数のダイナミックダンパー(40)・・を分散配置して、前記床パネル(2)・・の面密度を100〜120kg/m2とし、前記天井下地材(3)の1m2当たりにおける前記ダイナミックダンパー(40)・・の重量を2〜4kgとしたことを特徴とする建物の床・天井構造。
  2. 前記床パネル(2)・・の面密度を120kg/m2とし、前記天井下地材(3)の1m2当たりにおける前記ダイナミックダンパー(40)・・の重量を3kgとした請求項1記載の建物の床・天井構造。
  3. 前記床パネル(2)・・は、押出成形セメント板(4)の中空部(4a)・・に砂状無機材(5)・・を微動可能に充填してなり、その厚みを100mmとした請求項1又は2記載の建物の床・天井構造。
  4. 前記天井下地材(3)は、前記床梁材(1)・・に軽量床衝撃音低減用の複数の防振吊り具(9)・・を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け(10)・・と、前記床梁材(1)・・に吊り下げ支持することなく、前記第1野縁受け(10)・・に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け(11)・・と、前記第1及び第2野縁受け(10)(11)・・に対して略直交するように、前記第1及び第2野縁受け(10)(11)・・の下側に取り付けた複数の野縁(12)・・とからなり、前記ダイナミックダンパー(40)・・を前記第2野縁受け(11)・・のみに装着した請求項1乃至3のいずれかに記載の建物の床・天井構造。
  5. 前記第2野縁受け(11)・・に装着した前記ダイナミックダンパー(40)・・を、前記第2野縁受け(11)・・と前記野縁(12)・・との交差部付近に配置した請求項4記載の建物の床・天井構造。
  6. 前記第2野縁受け(11)・・の本数を調整して、前記ダイナミックダンパー(40)・・の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮断性能を調整可能とした請求項4又は5記載の建物の床・天井構造。
  7. 前記ダイナミックダンパー(40)・・は、質量体(41)と弾性体(42)とを組み合わせてなり、その弾性体(42)によって質量体(41)を弾性支持するようにして、前記第2野縁受け(11)・・にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着した請求項4乃至6のいずれかに記載の建物の床・天井構造。
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