JP5613085B2 - 床スラブ上の床下構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート躯体の梁間に打設した床スラブ(コンクリートスラブ)と床板体との間に床下構造体を振動絶縁接合し、しかも床スラブ厚を構造性能上必要とされる最小の厚さに薄くしたままで或いは簡易な補強手段で剛性を高め、且つ床下構造体の高さをコンパクトに低くすることを可能にして、制振性能、遮音性能及び歩行性能を高めた画期的な床スラブ上の床下構造体に関するものである。
従来、床下構造体は、例えば正梁構造のコンクリート躯体を備えた建物では、その床スラブ上に複数の束を立てると共に躯体縁には、大引をアンカー止めし、さらにその大引上に根太をアンカー止めし、根太の上に床板体を敷設するなど一体的に結合した構造となっているため、床板体に加わる振動が、根太と大引と束から床スラブを介して増大し、他の居住空間、特に階下の居住空間に大きな振動・騒音となって伝わる。このため床下構造体には、前記の振動・騒音に対する制振・遮音対策が必要となっている。
このような背景において、床板体から床下構造体を介して他の居住空間に伝わる振動・騒音を低減するため、種々の改良を加えた制振・遮音床下構造の開発が進められてきた。
その開発内容は、以下の特許文献に記載の例のように、床スラブと前記床板体との間において、床下構造体の内部、前記床下構造体と床板体との間等に、適宜に空間部、空気流通隙間、弾性緩衝体(材)等を配置する等多義に亘っているが、これらの単なる採用によって、制振性能、遮音性能及び歩行性能を高めようとすると、床スラブから床板体までの高さが大幅に高くなり重量も増大する結果、床スラブも設計上スケールアップするなどの増強体としなければならない。
又、特許文献8に紹介の「床スラブ自体を水平面と傾斜面及び段差を組合せて床支持スパン方向のスラブ厚さと形状が異なる変断面したもの」や特許文献9に紹介の「スラブ中央部分の上面又は下面若しくは上・下両面に、厚さが異なる金属板を一体的に付設して床剛性を高め且つ構造断面厚さを変化させたもの」等のように、複雑な施工に多くの材料と時間と費用を必要とする採用し難い構造もある。
一方、床上空間はこの床下構造体に左右されずに居住のための必要な所要高さの空間を確保しなければならない制約を伴う。これらのことから床スラブ及び床下構造体コストの低減が極めて困難なものとなっている。更に、建造物の長寿命化推進や環境対策の観点から、建築物の改造規制や建築物における床スラブコンクリートのはつり作業及びはつり屑処分等が厳しく規制されている現状では、前記従来床構造から遮音床構造へのリフォームは、既成の床スラブを活かし且つ必須の床上居住空間を確保することを考慮すると極めて困難なものとなっている。
特許第4219653号公報「束石の上に床材を敷設する建物の床改修工法」概要:床スラブ上に束石−木製の大引材−根太材−捨貼り材−フローリング材を順次敷設した床下構造体の床改修工法で、束石、大引材、根太材を再利用し、束石上に高さ調整具と緩衝材を配置し、根太材の上に捨貼り材、フローリング材を敷設した床改修工法。 特許第2646469号公報「RC構造のマンション等の集合住宅、体育館、事務所ビル、教室等の床構造」概要:コンクリートスラブ等の床基盤と床組材との間に加水分解緩衝材を設け、床組材上に通気手段を備えた捨張材及び仕上材と巾木を設けて床下と室内の空気流通を図った床構造。 第2719550号公報「コンクリート建築物の床構造」概要:コンクリートスラブ上にプラスチックス発泡体を接合し、その上に下面空隙式床下地材と通気性材料と床仕上材を順次張設したコンクリート建築物の床構造。 特開2001−263420号公報「防振脚体および防振ユニット脚体」概要:防振脚体は、弾性台座と、少なくとも上部側に支持体の螺着用ねじ部が形成された金属製の棒状脚体とから構成し、弾性台座に、棒状脚体の下端部を回転可能に上方から嵌入する凹部を形成する一方、棒状脚体に、脚体下端部の嵌入状態で弾性台座の上面に着座するフランジ体を連設し、このフランジ体又はフランジ体上部の棒状脚体部分と棒状脚体の上端とに、棒状脚体を回転操作するための工具の係止部を形成した防振脚体および防振ユニット脚体。 特開2001−81891号公報「床スラブ上の遮音床構造」概要:各階を仕切り逆梁を一体に突設した水平躯体部分と、鉛直躯体部分と、この逆梁上に、大引と根太よりなる床枠を架設し、この床枠上に床板を敷設し、この床板上に床上空間を、又床板下に床下空間をそれぞれ形成してなる建物において、大引を弾性緩衝体を介して嵌着する金物を一対の立設ガイド片で支持し、前記大引の端縁と前記鉛直躯体部分との間に間隙を形成した遮音床構造。 特開2000−110331号公報「床材の施工方法」概要:床下地の上に複数の床材を接着敷設する床材の施工方法において、厚み0.4〜1.0mmの合成樹脂発泡体両面粘着テープを床下地に100〜350mm間隔で貼り、床材と床材の接合部に位置する床下地に接着剤を上記両面粘着テープより厚く塗布し、その上に床材を敷設する床材の施工方法。 特開平8−4185号公報「建築物の床構造」概要:水平躯体上に突設の逆梁間に大引を架設し、大引の上に根太を介して床材を支持する。大引の端部及び床材の端部と逆大梁との間に間隙を形成し、大引は弾性変形可能なΣ形鋼にして遮音性を向上させた建築物の床構造。 特開2006−9249号公報「変断面コンクリート床スラブ構造」概要:梁と繋がるスラブの端部は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、中央部分は前記最小の厚さよりも厚く形成されており、スラブ下端面は住戸の奥行き方向に直線的に下る傾斜面に形成され、スラブを床支持スパンの全体で見ると水平面と傾斜面及び段差の組合せで床支持スパン方向のスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成として遮音性能を向上させた。 特開2007−77570号公報「金属板(主として鋼板)付き変剛性コンクリート床スラブ」概要:コンクリートスラブの構造断面は構造性能上必要とされる最小の厚さを基本寸法として形成され、少なくともスラブ中央部分の上面又は下面若しくは上・下両面に、厚さが異なる金属板が一体的に付設されて床剛性が高められ、且つ構造断面厚さを変化させて遮音性能が向上した。
本発明は、床スラブと床下構造体と床板体とを振動絶縁係合し、しかも高さの低い組み立て簡易な軽量堅牢な床下構造体にすることにより、制振性能、遮音性能及び歩行性能を高くし、しかも新築建造物では、床スラブを複雑な断面変化構造にすることなく床スラブの厚みを構造性能上必要とされる最小の厚さに薄くしてコストを大幅に低減可能にし、リフォーム建造物では、既成の床スラブを活かし且つ必須の床上居住空間を確保できる画期的な床スラブ上の床下構造体を提供するものである。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる床下構造体を提案するものであって、第一発明に係る床下構造体は、床スラブ上に配置された複数本の大引ビームによって床板体を支持させ、前記各大引ビームの長さ方向の両端部が、床スラブとの間に弾性緩衝体を備えた両端制振器によって床スラブ上に支持された床下構造体であって、前記大引ビームの長さ方向の両端部間には中間制振器が配設され、この中間制振器は、前記大引ビームの底面板の下側に取り付けられた脚体と、この脚体を支持する台座と、この台座と床スラブとの間に介装された弾性緩衝体から構成されている床スラブ上の床下構造体において、
前記両端制振器が、大引ビームを支持するビーム載置座と、このビーム載置座を大引ビームの左右両側で支持する左右一対の脚体と、これら脚体を各別に支持する左右一対の台座と、これら両台座と床スラブとの間に介装された弾性緩衝体を備え、この左右一対の台座どうしを前記大引ビームの下側で連結する繋ぎ材を備えた構成になっている
上記本発明の床下構造体は、具体的には次のように実施することができる。即ち、
(1)前記中間制振器の脚体には、当該脚体に高さ調整可能に螺嵌された上下一対のナッ トを設け、この上下一対のナットにより前記大引ビームの底面板を挟むことにより前 記脚体を大引ビームに取り付け、大引ビームの側面には、当該大引ビームの側面視に おいて前記中間制振器の真上位置に空気流通用穴を設けることができる。
(2)前記両端制振器や中間制振器の前記台座は、中央凸部を備えたπ型台座とし、その 中央凸部上に前記脚体を取り付け、この中央凸部両側の翼板部と床スラブとの間に前 記弾性緩衝体を介装することができる。
(3)前記大引ビームの上面と床板体との間には弾性緩衝体を介装することができる。
本発明の床スラブ上の床下構造体によれば、実施例に具体的な効果を紹介したように、床板体を支持する床下構造体を振動絶縁接続部を介して床スラブ上に配置し、しかも床下構造体自体を、高さの低い組み立て簡易な軽量堅牢な構造にし、且つ上記のように増厚支持台部により床スラブの剛性と遮音性能を効率よく高めることにより、制振性能、遮音性能及び歩行性能を格段に高くし、更に新築建造物では、床スラブを薄くしてコストを大幅に低減可能にし、リフォーム建造物では、既成の床スラブを活かし且つ必須の床上居住空間を確保できる、というような画期的な効果を得ることができる。
図1は、本発明の一実施例を示す一部切欠き斜視図である。 図2Aは、大引ビームを横側面側から見た縦断側面図であり、図2Bは、図 2AのA部の拡大図である。 図3は、両端制振器を示す、大引ビームを端面側から見た正面図である。 図4は、中間制振器を示す、サブビーム連結位置での大引ビームの縦断正面 図である。 図5A〜図5Eは、大引ビームの各種断面構造を示す縦断正面図である。 図6は、両端制振器の変形例を示す、大引ビームを端面側から見た正面図で ある。 図7は、参考実施例を示す、大引ビームを横側面側から見た縦断側面図であ る。 図8は、図7の要部の拡大縦断正面図である。 図9は、第二参考実施例を示す、大引ビームを横側面側から見た縦断側面図 である。 図10は、図9の要部の拡大縦断正面図である。
第一発明の実施例を、図1〜図6に基づいて詳細に説明すると、この実施例の床スラブ上の床下構造体1は、床スラブ2と床板体3との間に配設されるもので、複数本の大引ビーム4、複数本のサブビーム5、上振動絶縁接続部6、及び下振動絶縁接続部7によって構成されている。大引ビーム4は、床スラブ1上に互いに平行に配置され、サブビーム5は、隣り合う大引ビーム4どうしを連結するもので、大引ビーム4と直交する向きで互いに平行に配置されている。
大引ビーム4は、金属製で断面形状がほぼ矩形の中空建材で構成され、その側面に複数の空気流通用穴8が切欠成形され、又、サブビーム連結箇所には、側面の肩部に、側面から上面にわたって倒立L字状に、サブビーム5との接合用の切欠部9が設けられている。この大引ビーム4は、その両端部が床スラブ1を支持している梁部10の上に位置するように配置されている。尚、大引ビーム4は、中空矩形断面に限られるものではなく、図5Aに示すリップ付き溝形断面の大引ビーム4A、図5Bに示すリップ無し溝形断面の大引ビーム4B、図5Cに示すH形断面の大引ビーム4C、図5Dに示す、両側板の中央部を窪ませた変形中空矩形断面の大引ビーム4D、及び図5Eに示すΣ形断面の大引ビーム4E等、各種断面形状のものが利用できる。
サブビーム5は、大引ビーム4の配置間隔や床板体3の強度或いは床板体3の上面への荷重分布等によっては配置する必要がない場合がある。この実施例で採用したサブビーム5は、大引ビーム4の側面の上部間に互いに平行に配置した、下側開放形の横断面がコ字状の金属製建材であり、その長さ方向の両端には左右一対の下向きのフック11が一体に形成されている。このサブビーム5は、図示の実施例のコ字形断面の他に、大引ビーム4と同様に、リップ付き溝形断面、リップ無し溝形断面、Σ形断面、H形断面、両側板の中央部を窪ませた変形中空矩形断面等、各種断面形状のものが利用できる。
大引ビーム4とサブビーム5とは、大引ビーム4の切欠部9にサブビーム5のフック11を上から挿入して着脱可能に嵌めて接続される。この実施例の床スラブ上の床下構造体1では、大引ビーム4に対してその高さの範囲内にサブビーム5を簡便な施工方法により着脱可能に連結できる構成であるから、床下構造体1の高さは、大引ビーム4の高さの範囲内に抑えることができ、全高の低い軽量堅牢な床下構造体1とすることができる。このため新築建造物では、床スラブ2の軽量化を可能にし、床スラブ2の築造コストを大幅に低減可能にし、リフォーム建造物では、床スラブ2を現状維持可能にして施工できる等の画期的に優れた効果を呈するものである。
大引ビーム4の上面には、上振動絶縁接続部6を構成する弾性緩衝体12を介して床板体3が敷設されている。床板体3は、木製のパーチクルボード(各種ベニヤ合板やチップ圧縮板等の床パネル等)13と、その上に配設した木製の無垢板、化粧合板等のフロ−リング材14とからなる。弾性緩衝体12は、耐圧防振性の板状の合成ゴム樹脂製のもので、そのフラットな上面において前記床板体3と接合させる。この弾性緩衝体12からなる上振動絶縁接続部6の存在により、床板体3の施工性を向上させ且つ大引ビーム4(床下構造体1)上に床板体3を非干渉的に載置支持して制振性と歩行性を向上させることができる。
下振動絶縁接続部7は、各大引ビーム2と床スラブ1との間に配設された両端制振器15と中間制振器16とからなる。両端制振器15は、大引ビーム2の長さ方向の両端部に配置されたもので、逆π型のビーム載置座17、左右一対のπ型台座18a,18b、各π型台座18a,18b上に立設されて大引ビーム2の左右両側に位置する左右一対の脚体19a,19b、ビーム載置座17と大引ビーム2の底面との間に介装された合成樹脂ゴム製の弾性緩衝体20、及び各π型台座18a,18bと床スラブ1との間に介装された合成樹脂ゴム製の弾性緩衝体21a,21bから構成されている。この両端制振器15によれば、ビーム載置座17の上側解放の中央凹部内に前記弾性緩衝体20を介して大引ビーム2の端部を嵌合させ、下面に弾性緩衝体21a,21bを接着した左右一対のπ型台座18a,18bを床スラブ1上に設置し、これらπ型台座18a,18bの各脚体19a,19bに螺嵌させた上下一対のナット22a,22b間でビーム載置座17の両翼板部を挟み付けるようにして、ビーム載置座17を支持させるのであるが、前記上下一対のナット22a,22bの高さ調整により、支持するビーム載置座17(大引ビーム2の端部)の床スラブ1上の高さを調整することができる。このようにして両端制振器15による大引ビーム2の両端の支持高さの調整により、全ての大引ビーム2を所定レベルに合わせて水平に支持させることができる。
尚、各脚体19a,19bは、π型台座18a,18bの下側解放の中央凸部に上向きに貫通させたボルトからなり、その中央凸部内に嵌合するボルト頭部23a,23bと当該ボルトに螺嵌させた押えナット24a,24bによりπ型台座18a,18bの中央凸部を挟み付け、当該ボルトをπ型台座18a,18bに固定して脚体19a,19bを構成している。又、図1及び図6に示すように、大引ビーム2の支持高さが低いとき、又は床板体3上に重量物を載置することがない場合は、左右一対のπ型台座18a,18bを独立させて大引ビーム2の左右両側に配置することができるが、図3及び図5の各図に示すように、大引ビーム2の支持高さが高いとき、又は床板体3上に重量物を載置する場合は、左右一対のπ型台座18a,18bを、図示のようにπ型台座18a,18bの中央凸部の上で押えナット24a,24bにより両端を固定した繋ぎ材25により連結一体化し、両端制振器15を、門形構造ではなく矩形枠構造体として座屈強度を増大させることができる。
上記構成の両端制振器15によれば、大引ビーム4からの左右上下等の振動は、弾性緩衝体20、ビーム載置座17、一対の脚体19a,19b、π型台座18a,18b、及び弾性緩衝体21a,21bを順次介して床スラブ2へ伝播される間に吸収緩衝されるのであるが、ビーム載置座17が逆π型金物であって、その両翼板部がそれぞれ脚体19a,19bで支持される構造であり、そして脚体19a,19bを支持する台座がπ型台座18a,18bであって、その中央凸部で脚体19a,19bを支持する構造であるため、両端制振器15全体として、大引ビーム4に対して優れた弾性クッション機能を発揮する。
中間制振器16は、大引ビーム4の長さ方向の両端間に所定間隔で配置されるもので、π型台座26と、このπ型台座26の中央凸部上に垂直に立設された脚体27と、π型台座26の中央凸部両側の翼板部と床スラブ2との間に介装される弾性緩衝体28から構成されている。前記脚体27はボルトからなり、このボルトをπ型台座26の中央凸部に上向きに貫通させて当該中央凸部内に嵌合するボルト頭部29と当該ボルトに螺嵌させた押えナット30との間でπ型台座26の中央凸部を挟み付けて、当該ボルトをπ型台座26に固定することにより脚体27が構成されている。そしてこの脚体27を大引ビーム4の底面板に上向きに貫通させ、当該脚体27に螺嵌させた上下一対のナット31,32間で大引ビーム4の底面板を挟み付けることにより、大引ビーム4の下側に中間制振器16が取り付けられる。このとき、ナット31,32の締結高さを調整することにより、床スラブ2上のπ型台座26の高さを調節できる。前記弾性緩衝体28は、π型台座26の中央凸部両側の翼板部に設けられている貫通孔33から当該π型台座26の両翼板部と床スラブ2との間の空隙内に、弾性樹脂充填器34を利用してシリコン樹脂等を充填することにより、形成することができる。
上記中間制振器16は、大引ビーム4を支持する脚体27がπ型台座26の中央凸部に支持されていることと、当該π型台座26の両翼板部と床スラブ2との間に充填形成された弾性緩衝体28とにより、大引ビーム4に対して優れた弾性クッション性を有する。この中間制振器16が大引ビーム4の両端間に所定間隔で配置されていることにより、大引ビーム4の中間部における左右上下振動を吸収緩衝して、床スラブ2への騒音と振動の伝播を防止すると共に、大引ビーム4の撓みを防止する。
以上のように大引ビーム4は、その両端を支持する両端制振器15と、両端間の所定間隔おきの各位置を支持する中間制振器16によって構成される下振動絶縁接続部7を介して床スラブ2上に支持されるのであるから、係る構成によれば、床下構造体1が支持する床板体3の荷重と振動を両端制振器15と中間制振器16とで分散負担して、床板体3の振動を吸収緩衝し、床板体3上の歩行性能を向上させると共に床スラブ2への騒音と振動の伝播を効果的に防止し、梁部10への荷重負荷も大幅に軽減することができる。即ち、床スラブ2上に床下構造体1と床板体3を振動に関して互いに非干渉状態に配置したため、床下構造体1自体の高さを低くしながら、全体的に制振性能、遮音性能及び歩行性能を著しく向上させることができる。
尚、大引ビーム4の側面に設けられた空気流通用穴8は、床下構造体1における大引ビーム4を横断する方向の空気流通路を形成すると同時に、設備配管、空調用の空気口等として活用することができるのであるが、上記のような構造の中間制振器16を矩形中空断面の大引ビーム4に取り付ける場合、図2に示すように大引ビーム4の側面視において、各中間制振器16の真上位置に空気流通用穴8が位置するように構成することができる。
図7及び図8は参考実施例を示している。この参考実施例では、大引ビームとして、図5Aに示したリップ付き溝形断面の大引ビーム4Aを利用している。この実施例の大引ビーム4Aの長さ方向の両端は、上記本発明の実施例で示した両端制振器15と同一構造の両端制振器15によって支持されている。そして大引ビーム4Aの長さ方向の中央部には、上記第一発明の実施例で示した中間制振器16と同一構造の中間制振器16が、床スラブ2上に形成した増厚支持台部35Aの上に配置されている。図示の増厚支持台部35Aは、各大引ビーム4Aの中央部直下に島状に配置されたもので、耐圧性や耐振性のある硬質ゴムマット等の遮音マット36によって形成されている。
図9及び図10は第二参考実施例を示している。この第二参考実施例でも、大引ビームとして、図5Aに示したリップ付き溝形断面の大引ビーム4Aを利用している。この第二参考実施例では、大引ビーム4Aの長さ方向の両端と中央部が全て、上記本発明の実施例で示した両端制振器15と同一構造の両端制振器15及び中間制振器16Aによって支持されているが、大引ビーム4Aの長さ方向の中央部を支持する中間制振器(両端制振器15と同一構造)16Aは、床スラブ2上に形成した増厚支持台部35Bの上に配置されている。図示の増厚支持台部35Bは、各大引ビーム4Aの中央部直下で当該大引ビーム4Aに対し直交する方向に連続した帯状のもので、床スラブ2の打設の際に当該床スラブ2と一体的に増打するか又は別途適宜なタイミングで増打する増打コンクリート37によって形成されている。
尚、上記各参考実施例に示した大引ビーム4Aにも、矩形中空断面の大引ビーム4と同様に空気流通用穴が設けられるが、図では省略している。又、これら各参考実施例における上振動絶縁接続部6は、本発明の実施例と同様に、各大引ビーム4Aの上面と床板体3との間に介装された弾性緩衝体12によって構成されている。
上記各参考実施例に示した増厚支持台部35A,35Bは、制振性能、遮音性能及び歩行性能を更に高めるのに役立っているばかりでなく、特に増打コンクリート37で形成される増厚支持台部35Bによれば、床スラブ2の厚みを構造性能上必要とされる最小の厚さに薄くしても、この増強段設部35Bにより床スラブ全体の剛性をバランス良く高めることができる。
以上のように、上記各実施例の床下構造体は、床スラブ2上で床板体3を、振動の非干渉型に支持するものであり、制振性能、遮音性能及び歩行性能を著しく向上させることができるが、その派生効果を列記すると次のようになる。
○二重床でありながら床スラブ厚は、従来200mm以上に設計施工していたものを約138mmの低厚化を実現し、更に増強段設部35Bを併設するときは、薄厚の床スラブ全体の剛性をバランス良く高めることができる。
○振動を伝える媒体となる束を皆無にして音の伝播を低減できる。
○遮音性能を床スラブ厚に頼ることなく、構造的には必要のないスラブ厚の増加を防ぎ、建物全体の軽量化が図れる。
○躯体工事費は、床スラブを135mmと軽量化にした場合、建造物の柱、梁、基礎等も削減でき、躯体コストは均質単板スラブ(厚み150mm、180mm、200mm)やポイドスラブ、アンポイドPCスラブとの比較で8〜30%の低減が図れる。
○設備工事費は、設備配線、配管の躯体内への打ち込みを無くして異業種の共同作業を削減できる。
○設備配線、配管の露出配置が可能で、メンテナンスが容易に行え、その労力、時間、費用を軽減し、コスト面の負担を大きく軽減できる。
○躯体と居住床を分離する発想は、メンテナンスや生活環境の変化にも容易に対応することができるため、国土交通省が進めるSI住宅そのものの発想と共通し、長期優良住宅(建設寿命=躯体寿命)の発想に繋がる。
○以上のことから高耐久性住宅化の実現が可能になり、建物を長く安全に活用でき、ライフサイクルコストの削減に大きく貢献する。
本発明の床下構造体は、正梁構造の床スラブを有する建物の床を二重構造とする場合に、その床の制振性能、遮音性能、歩行性能を高めることができる、施工の簡便な床下構造体として活用できる。
1 床下構造体
2 床スラブ
3 床板体
4,4A〜4E 大引ビーム
5 サブビーム
6 上振動絶縁接続部
7 下振動絶縁接続部
8 空気流通用穴
9 サブビーム接続用の切欠部
10 梁部
11 フック
12,20,21a,21b,28 弾性緩衝体
13 パーチクルボード
14 フロ−リング材
15 両端制振器
16 中間制振器
16A 両端制振器15と同一構造の中間制振器
17 逆π型のビーム載置座
18a,18b,26 π型台座
19a,19b,27 脚体
22a,22b,31,32 ナット
23a,23b,29 ボルト頭部
24a,24b,30 押えナット
25 繋ぎ材
33 貫通孔
34 弾性樹脂充填器
35A,35B 増厚支持台部
36 遮音マット
37 増打コンクリート

Claims (4)

  1. 床スラブ上に配置された複数本の大引ビームによって床板体を支持させ、前記各大引ビームの長さ方向の両端部が、床スラブとの間に弾性緩衝体を備えた両端制振器によって床スラブ上に支持された床下構造体であって、前記大引ビームの長さ方向の両端部間には中間制振器が配設され、この中間制振器は、前記大引ビームの底面板の下側に取り付けられた脚体と、この脚体を支持する台座と、この台座と床スラブとの間に介装された弾性緩衝体から構成されている床スラブ上の床下構造体において、
    前記両端制振器は、大引ビームを支持するビーム載置座と、このビーム載置座を大引ビームの左右両側で支持する左右一対の脚体と、これら脚体を各別に支持する左右一対の台座と、これら両台座と床スラブとの間に介装された弾性緩衝体を備え、この左右一対の台座どうしを前記大引ビームの下側で連結する繋ぎ材を備えている、床スラブ上の床下構造体。
  2. 前記中間制振器の脚体は、当該脚体に高さ調整可能に螺嵌された上下一対のナットを備え、この上下一対のナットにより前記大引ビームの底面板を挟むことにより前記脚体が大引ビームに取り付けられ、大引ビームの側面には、当該大引ビームの側面視において前記中間制振器の真上位置に空気流通用穴が設けられている、請求項1に記載の床スラブ上の床下構造体。
  3. 前記台座は、中央凸部を備えたπ型台座であって、その中央凸部上に前記脚体が取り付けられ、この中央凸部両側の翼板部と床スラブとの間に前記弾性緩衝体が介装されている、請求項1又は2に記載の床スラブ上の床下構造体。
  4. 前記大引ビームの上面と床板体との間には弾性緩衝体が介装されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の床スラブ上の床下構造体。
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