JP3236554U - 壁の遮音構造 - Google Patents

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明 福田
雅規 石塚
徹隼 山口
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【課題】遮音性能に優れる壁の遮音構造を提供する。【解決手段】遮音構造1は、柱材として構造躯体2に固定された間柱3を備えており、この間柱3の側面に下張り材である下張り石膏ボード4が取り付けられ、この下張り石膏ボード4に上張り材である上張り石膏ボード5が積層されている。下張り石膏ボード4は、間柱3の第1の空間S1側と第2の空間S2側とに取り付けられ、この第1の空間S1側と第2の空間S2側の下張り石膏ボード4同士の間に、断熱材であるロックウール6が設けられている。そして、上張り石膏ボード5には、遮音部材である遮音パネル7が積層されている。【選択図】図3

Description

本考案は、壁の遮音構造に関するものである。
近年では、建築基準法で定められた所定の遮音性能を有する界壁として、梁等の構造躯体に間柱等の下地材を固定し、この下地材の両側面に石膏ボードを2枚ずつ貼り合わせた構造が広く知られている。
一方で、上記した構造を代替するものとして、波型鋼板を用いた界壁構造が提案されている(特許文献1)。この界壁構造では、下地材の代わりに、石膏ボード1枚分と同様の遮音性能を有する波型鋼板が2枚用いられている。これらの波型鋼板を互いに対向させて構造躯体に固定し、さらに、波型鋼板の両外側において、1枚ずつ石膏ボードを貼り合わせている。そのため、石膏ボードの数を減らしたとしても、石膏ボードを2枚ずつ貼り合わせた構造と同様の遮音性能を維持できると共に、剛性及び強度が高い波型鋼板により、下地材を省くことができる。したがって、壁厚を薄くしつつ、建築基準法で定められた所定の遮音性能を有する界壁として用いることができる。
特開平08-093080号公報
ところで、上記した石膏ボードを2枚ずつ貼り合わせた構造及び波型鋼板を用いた界壁構造は、建築基準法によって求められる最低限の遮音性能は有するものの、より良い遮音環境や住環境が求められる昨今では、優れた遮音性能を有するものとはいえない。特に、ホテル等の宿泊施設又は集合住宅では、騒音が宿泊者からの苦情又は居住者同士のトラブルに発展することがある。そこで、そのような苦情及びトラブルを未然に防ぐため、より高い遮音性能を有する壁が求められている。
そこで、本考案は、遮音性能に優れる壁の遮音構造の提供を目的とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、第1の空間と第2の空間との間に設けられる壁の遮音構造であって、構造躯体に固定された柱材と、柱材の側面に取り付けられた下張り材と、下張り材に積層された上張り材と、を備えている。そして、下張り材は、柱材の第1の空間側に取り付けられた第1下張り材と、柱材の第2の空間側に取り付けられた第2下張り材と、を有しており、これらの第1下張り材と第2下張り材と間に断熱材が設けられている。また、上張り材は、第1下張り材の第1の空間側に積層された第1上張り材と、第2下張り材の第2の空間側に積層された第2上張り材と、を有しており、第1上張り材の第1の空間側又は第2上張り材の第2の空間側の少なくともいずれか一方に、遮音面材と制振面材とが積層された遮音部材が、制振面材側から積層されたことを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、柱材が、第1の空間側に配置された第1柱材と、この第1柱材から第2空間側に間隔を設けて配置された第2柱材と、を有しており、第1柱材に第1下張り材が取り付けられ、第2柱材に第2下張り材が取り付けられたことを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り材と構造躯体との間に形成された空隙である第1空隙、上張り材と構造躯体との間に形成された空隙である第2空隙、及び、遮音部材と構造躯体との間に形成された空隙である第3空隙のうち、少なくとも第2空隙及び第3空隙に充填材が充填されたことを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、隣り合って設けられた複数の下張り材間に形成される目地である下張り目地、及び、隣り合って設けられた複数の上張り材間に形成される目地である上張り目地の少なくともいずれか一方に充填材が充填され、かつ、互いに隣り合って設けられた複数の遮音部材間に形成される目地である表目地に充填材が充填されたことを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り目地に上張り材が重ねて配置され、上張り目地に遮音部材が重ねて配置されたことを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、遮音部材が、制振面材の上張り材に積層される側の表面に、複数の突起部を有することを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、断熱材がロックウールであることを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り材及び上張り材が強化石膏ボードであり、遮音面材が石膏ボードであることを特徴とする。
本考案に係る壁の遮音構造は、遮音面材と制振面材とが積層された遮音部材が、第1上張り材の第1の空間側又は第2上張り材の第2の空間側の少なくともいずれか一方に、制振面材側から積層されている。そのため、壁を介して伝わる騒音のうち、柱材、断熱材、下張り材及び上張り材が振動して伝わる騒音、すなわち固体伝播音を、制振面材によって軽減できる。また、空気を介して伝わる空気伝播音についても、第1下張り材と第2下張り材と間に設けられた断熱材によって軽減できる。したがって、本考案に係る壁の遮音構造を用いることで、遮音性能に優れた壁となる。
本考案に係る壁の遮音構造は、柱材が、互いに間隔を設けて配置された第1柱材と第2柱材とを有しており、第1柱材に第1下張り材が取り付けられ、第2柱材に第2下張り材が取り付けられている。そうすると、互いに間隔を設けて配置された第1柱材と第2柱材とにより、第1下張り材と第2下張り材との間に柱材を介在させた接点がなくなるため、固体伝播音が伝わりにくい。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り材と構造躯体との間に形成された空隙である第1空隙、上張り材と構造躯体との間に形成された空隙である第2空隙、及び、遮音部材と構造躯体との間に形成された空隙である第3空隙のうち、少なくとも第2空隙及び第3空隙に充填材が充填されている。そのため、第2空隙及び第3空隙から伝わる空気伝播音を軽減できる。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り目地及び上張り目地の少なくともいずれか一方に充填材が充填され、かつ、遮音部材間に形成される表目地に充填材が充填されている。そのため、これらの目地から伝わる空気伝播音を軽減できる。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り目地に上張り材が重ねて配置され、上張り目地に遮音部材が重ねて配置されている。そのため、下張り目地及び上張り目地を隠すように互い違いに積層された下張り材、上張り材及び遮音部材により、下張り目地及び上張り目地から伝わる空気伝播音をより一層軽減できる。
本考案に係る壁の遮音構造は、遮音部材において、制振面材の上張り材に積層される側の表面に、複数の突起部を有している。そのため、遮音部材と上張り材とが、突起部のみで接した状態で積層される。そうすると、上張り材から伝わる固体伝播音を、突起部を介して伝わるものだけに限定できるため、固体伝播音を一層軽減できる。
本考案に係る壁の遮音構造は、断熱材がロックウールである。そのため、吸音性能が高く、幅広い音域の空気伝播音及び固体伝播音を軽減できる。
本考案に係る壁の遮音構造は、下張り材及び上張り材が強化石膏ボードである。そのため、遮音性能に優れた壁になるだけでなく、耐火性能にも優れた壁となる。また、遮音面材が石膏ボードであるため、固有振動数が異なる強化石膏ボードとの組み合わせにより、コインシデンス効果の発生を防ぐことができる。
本考案に係る壁の遮音構造を、水平方向に切断した断面図である。 本考案に係る壁の遮音構造を、図1におけるA-A線で鉛直方向に切断した断面図である。 図1におけるB―B線で本考案に係る壁の遮音構造を鉛直方向に切断すると共に、内部を説明するために一部を切り欠いた斜視図である。 本考案に係る壁の遮音構造における断熱材の充填方法を説明するための説明図である。 本考案に係る壁の遮音構造における遮音部材を示す斜視図であって、(a)は、遮音部材を遮音面材側から見た斜視図であり、(b)は、遮音部材の制振面材の表面を説明するための斜視図である。
以下、本考案に係る実施形態を、図1から図5を参照して説明する。
なお、本実施形態の説明では、図1から図4に示す壁の遮音構造(以下、単に「遮音構造」とする)1において、遮音構造1を用いて形成される壁の壁面に直交する方向を左右方向Xとし、左右方向Xに水平に直交する方向を前後方向Yとし、左右方向X及び前後方向Yに直交する鉛直方向を上下方向Zとする。
遮音構造1は、図1から図4に示すように、左右方向Xにおいて、建築物内の空間を第1の空間S1と第2の空間S2とに仕切る壁、特に、界壁として用いられる。建築物には、例えば、木造又は軽量鉄骨造等の建築物が含まれる。
遮音構造1は、柱材として構造躯体2に固定された間柱3を備えている。構造躯体2には、例えば、軽量気泡コンクリートで形成された天井又は床の他、鋼材又は木材で形成された梁等の構造部材が含まれる。間柱3の側面には、下張り材である下張り石膏ボード4が取り付けられ、この下張り石膏ボード4に上張り材である上張り石膏ボード5が積層される。下張り石膏ボード4は、間柱3の第1の空間S1側と第2の空間S2側とに取り付けられ、この第1の空間S1側と第2の空間S2側の下張り石膏ボード4同士の間に、断熱材であるロックウール6が設けられている。そして、上張り石膏ボード5には、遮音部材である遮音パネル7が積層されている。
間柱3は、遮音構造1を用いて形成される壁を支えるための鋼製の柱部材であり、断面が略矩形状に形成されている(図1)。間柱3は、左右方向Xにおいて、第1の空間S1側と第2の空間S2側とに並列に配置される。具体的には、間柱3は、第1の空間S1側に配置された第1柱材としての左間柱3aと、この左間柱3aから間隔を設けて第2の空間S2側に配置された第2柱材としての右間柱3bとから構成される。左間柱3aと右間柱3bとの間隔は、80mmに調整される。なお、間柱3には、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板又は溶融亜鉛アルミニウム合金めっき鋼板等の鋼板が用いられる。
左間柱3a及び右間柱3bは、それぞれ遮音構造1を用いて形成される壁の壁面方向に沿って、すなわち、前後方向Yに沿って、等間隔に複数本が建て込まれている(図1)。等間隔の長さは、606mm以下であることが好ましく、遮音構造1では455mmに調整されている。そうすると、間柱3の前後方向Yにおける幅が45mmに形成されているので、左間柱3a同士及び右間柱3b同士の間隔は、410mmとなる。なお、間柱3の左右方向Xにおける厚みは、40mmである。
左間柱3a及び右間柱3bは、図3に示すように、上端及び下端のそれぞれが、断面が略C型形状に形成されたレール状の部材である上部ランナー8a及び下部ランナー8bのそれぞれに嵌め込まれて、固定される。この上部ランナー8a及び下部ランナー8bは構造躯体2に固定されており、左間柱3a及び右間柱3bは、上部ランナー8a及び下部ランナー8bを介して構造躯体2に固定される。なお、左間柱3a及び右間柱3bと上部ランナー8a及び下部ランナー8bとの固定方法、並びに、上部ランナー8a及び下部ランナー8bと構造躯体2との固定方法は、既知のため省略する。また、前後方向Yに沿って配置された左間柱3a間及び右間柱3b間には、必要に応じて揺れ止め(図示省略)が取り付けられる。
下張り石膏ボード4は、石膏を主原料として、芯にガラス繊維などの無機質繊維が加えられた強化石膏ボードであり、厚みが12.5mmの平板状に形成されている。この下張り石膏ボード4は、間柱3の第1の空間S1側及び第2の空間S2側に取り付けられる。
具体的には、下張り石膏ボード4は、第1下張り材としての左側下張り石膏ボード4aと、第2下張り材としての右側下張り石膏ボード4bとを有しており、左側下張り石膏ボード4aが、左間柱3aの第1の空間S1側の側面、すなわち、左間柱3aの左側面に取り付けられ、また、右側下張り石膏ボード4bが、右間柱3bの第2の空間S2側の側面、すなわち、右間柱3bの右側面に取り付けられる。下張り石膏ボード4と間柱3とは、タッピンねじ等の固着具(図示省略)を用いて留め付けられる。なお、固着具は、直径が3.5mm以上で長さが22mm以上のものが好ましく、また、下張り石膏ボード4は、200mm以下の間隔で留め付けられることが好ましい。
また、下張り石膏ボード4は、所定の大きさに予め形成された複数の下張り石膏ボード4が用いられる場合が想定される。このとき、左側下張り石膏ボード4aとして隣り合って配置される複数の下張り石膏ボード4同士の間、及び、右側下張り石膏ボード4bとして隣り合って配置される複数の下張り石膏ボード4同士の間には、下張り石膏ボード4同士の目地である下張り目地9が形成される(図3)。この下張り目地9には、後述する充填材12が充填される。
上張り石膏ボード5は、平板状に形成された強化石膏ボードであり、下張り石膏ボード4と同様の強化石膏ボードが用いられる。上張り石膏ボード5は、第1上張り材としての左側上張り石膏ボード5aと、第2上張り材としての右側上張り石膏ボード5bとを有している。左側上張り石膏ボード5aは、左側下張り石膏ボード4aの第1の空間S1側、すなわち、左側下張り石膏ボード4aの左側に積層され、また、右側上張り石膏ボード5bは、右側下張り石膏ボード4bの第2の空間S2側、すなわち、右側下張り石膏ボード4bの右側に積層される。
上張り石膏ボード5は、タッピンねじ又はステープル等の固着具(図示省略)に、必要に応じて接着剤(図示省略)を用いて、下張り石膏ボード4に留め付けられる。タッピンねじは、直径が3.5mm以上で長さが41mm以上のものが好ましく、留め付けの間隔は、200mm以下であることが好ましい。さらに、接着剤は、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリアミド系、ポリサルファイド系、シリコーン系、合成ゴム系、石膏系又は炭酸カルシウム系の接着剤が用いられ、150グラム毎立方メートル以上の量で塗布されることが好ましい。また、必要に応じて、幅が4mm以上で長さが22mm以上のステープルを併用して、間柱3に留め付けられる。

また、上張り石膏ボード5は、所定の大きさに予め形成された複数の上張り石膏ボード5が用いられる場合が想定される。このとき、左側上張り石膏ボード5aとして隣り合って配置された複数の上張り石膏ボード5同士の間、及び、右側上張り石膏ボード5bとして隣り合って配置された複数の上張り石膏ボード5同士の間には、上張り石膏ボード5同士の目地である上張り目地10が形成される(図3)。この上張り目地10には、後述する充填材12が充填される。
さらに、上記したように複数の上張り石膏ボード5が用いられる場合、上張り石膏ボード5は、下張り目地9と上張り目地10とが重なり合わないようにして配置される。具体的には、左側下張り石膏ボード4aにおける下張り目地9には、左側上張り石膏ボード5aが重ねて配置され、また、右側下張り石膏ボード4bにおける下張り目地9には、右側上張り石膏ボード5bが重ねて配置される(図3)。
ロックウール6は、高炉スラグ又は天然岩石を原料とする人造鉱物繊維からなる断熱材であり、シート状に形成されている。ロックウール6は、左側下張り石膏ボード4aと右側下張り石膏ボード4bとの間、具体的には、左間柱3aと右間柱3bとの間に敷き詰められている。ロックウール6は、少なくとも厚さが25mm以上で、かつ、密度が10キログラム毎立方メートル以上のものが好ましく、遮音構造1では、厚さが55mmで、かつ、密度が30キログラム毎立方メートルのものが用いられる。なお、ロックウール6は、養生テープ等の粘着テープ(図示省略)により、間柱3に固定される。
また、ロックウール6は、図1から図3に示す遮音構造1では、左間柱3aと右間柱3bとの間で、面状に敷き詰められたものを図示しているが、遮音構造1を用いて形成される壁の寸法によっては、面状での敷き詰めが困難な場合が想定される。この場合には、例えば、予め所定の幅に形成されたロックウール6を、左間柱3a同士の間、又は、右間柱3b同士の間に敷き詰めて配置する。図4は、右間柱3b同士の間にロックウール6を敷き詰めて配置した状態の遮音構造1を示している。
遮音パネル7は、図5(a)に示すように、遮音面材である石膏ボード7aと、制振面材である制振マット7bとから構成される。石膏ボード7aは、石膏を主原料として、厚さが9.5mmの平板状に形成された石膏ボードであり、また、制振マット7bは、塩化ビニル等の合成樹脂を主原料として、厚さが3mmに形成された弾性を有するシート部材である。これらの石膏ボード7aと制振マット7bとが積層されて、遮音パネル7は形成される。また、遮音パネル7では、図5(b)に示すように、制振マット7bの右側表面、すなわち、制振マット7bの石膏ボード7aに積層される側とは反対側の表面に、複数の凸状の突起部7cが形成されている。突起部7cは、制振マット7bと一体として形成されている。
遮音パネル7は、左側上張り石膏ボード5aの第1の空間S1側、すなわち、左側上張り石膏ボード5aの左側に、制振マット7b側から重ねて留め付けられる。したがって、遮音パネル7は、左側上張り石膏ボード5aに対して、突起部7cのみが接触した状態で、留め付けられる。
また、遮音構造1では、遮音部材として、所定の大きさに予め形成された複数の遮音パネル7が用いられる場合が想定される。このとき、遮音部材として隣り合って配置された複数の遮音パネル7同士の間には、遮音パネル7同士の目地である表目地11が形成される(図3)。この表目地11には、後述する充填材12が充填される。
さらに、上記したように複数の遮音パネル7が用いられる場合、遮音パネル7は、上張り目地10に重ねられて、表目地11と上張り目地10とが重なり合わないようにして、配置される(図3)。そして、遮音パネル7は、ビス、釘又はタッピンねじ等の固着具(図示省略)を用いて、左側上張り石膏ボード5aに留め付けられる。なお、固着具は、遮音パネル7の厚みに上張り石膏ボード5の厚みを加えた長さよりも20mm以上長いものが使用されることが好ましく、タッピンねじを用いる場合は、直径が3.5mmで長さが50mmのものが好ましい。
充填材12は、不定形の充填材である第1不定形充填材13及び第2不定形充填材14と、定形の充填材である定形充填材15(図示省略)とから構成されている。第1不定形充填材13は、下張り石膏ボード4、上張り石膏ボード5及び遮音パネル7の四周処理に用いられ、さらに、下張り目地9及び上張り目地10への充填に用いられる。第2不定形充填材14は、表目地11への充填に用いられる。第1不定形充填材13は、乾燥により硬化するポリウレタン系、シリコーン系又は無機質系のペースト状の充填材であり、好ましくは無機質系のものが用いられる。第2不定形充填材14は、乾燥により硬化する水性アクリル系のペースト状の充填材である。定形充填材15は、棒状又は紐状に形成されたロックフェルト等の充填材であり、必要に応じて、第1不定形充填材13と組み合わせて使用される。
第1不定形充填材13は、図3に示すように、下張り石膏ボード4と構造躯体2との間に形成された空隙である第1空隙G1、上張り石膏ボード5と構造躯体2との間に形成された空隙である第2空隙G2、及び、遮音パネル7と構造躯体2との間に形成された空隙である第3空隙G3のそれぞれに充填されている。また、第1空隙G1では、第1不定形充填材13に加えて、定形充填材15が充填されている。このとき、左右方向Xにおいて、第1空隙G1のうち、遮音構造1の内側寄りに定形充填材15が敷き詰められ、また、第1空隙G1のうち、遮音構造1の外側寄りに第1不定形充填材13が充填される。換言すれば、第1空隙G1のうち、間柱3側に定形充填材15が敷き詰められ、第1空隙G1のうち、上張り石膏ボード5側に第1不定形充填材13が充填される。このようにして、下張り石膏ボード4の四周において、第1不定形充填材13と定形充填材15とが充填される。なお、第1空隙G1、第2空隙G2及び第3空隙G3のすべてに第1不定形充填材13を充填しない場合には、一定の遮音性能を維持するため、少なくとも第2空隙G2及び第3空隙G3において第1不定形充填材13が充填されることが好ましい。
また、下張り目地9及び上張り目地10には第1不定形充填材13が充填され、表目地11には第2不定形充填材14が充填される。このとき、下張り目地9及び上張り目地10では、少なくとも上張り目地10に第1不定形充填材13が充填されていればよいが、遮音構造1の遮音性能をより高めるためには、下張り目地9及び上張り目地10のいずれにも充填されることが好ましい。
次に、本実施形態に係る遮音構造1の効果について説明する。
遮音構造1は、石膏ボード7aと制振マット7bとが積層された遮音パネル7が、左側上張り石膏ボード5aの第1の空間S1側、すなわち、左側上張り石膏ボード5aの左側において、制振マット7b側から積層されている。そのため、遮音構造1を用いて形成される壁において、各部材を介して伝わる騒音のうち、間柱3、ロックウール6、下張り石膏ボード4及び上張り石膏ボード5が振動して伝わる固体伝播音を、制振マット7bで軽減できる。また、空気を介して伝わる空気伝播音についても、左側下張り石膏ボード4aと右側下張り石膏ボード4bとの間に設けられたロックウール6により軽減できる。したがって、遮音構造1を用いることで遮音性能に優れた壁となる。
また、遮音構造1では、遮音パネル7の石膏ボード7aに石膏ボードが用いられ、下張り石膏ボード4及び上張り石膏ボード5に強化石膏ボードが用いられている。この石膏ボードと強化石膏ボードとの組み合わせは、互いに材質が異なるため、共鳴しにくく、さらに、固有振動数が異なる石膏ボード7aと上張り石膏ボード5とは制振マット7bを介して積層されているので、コインシデンス効果の発生も防ぐことができる。したがって、より遮音性能に優れた壁となる。
遮音構造1は、第1の空間S1側に配置された左間柱3aと、この左間柱3aから第2の空間S2側に間隔を設けて配置された右間柱3bと、を有している。そして、左間柱3aに左側下張り石膏ボード4aが取り付けられ、また、右間柱3bに右側下張り石膏ボード4bが取り付けられている。そうすると、互いに間隔を設けて配置された左間柱3aと右間柱3bとにより、左側下張り石膏ボード4aと右側下張り石膏ボード4bとの間に間柱3を介在させた接点がなくなるため、固体伝播音が伝わりにくい。
遮音構造1は、少なくとも第2空隙G2及び第3空隙G3に充填材12が充填されている。具体的には、第2空隙G2には第1不定形充填材13と定形充填材15が充填され、第3空隙G3には第1不定形充填材13が充填されている。そのため、第2空隙G2及び第3空隙G3から伝わる空気伝播音を軽減できる。
遮音構造1は、下張り目地9、上張り目地10及び表目地11に、充填材12が充填されている。具体的には、下張り目地9及び上張り目地10には第1不定形充填材13が充填され、表目地11には第2不定形充填材14が充填されている。そのため、下張り目地9、上張り目地10及び表目地11から伝わる空気伝播音を軽減することができる。
遮音構造1は、下張り目地9に上張り石膏ボード5が重ねて配置され、上張り目地10に遮音パネル7が重ねて配置されている。そのため、下張り目地9及び上張り目地10を隠すように互い違いに積層された下張り石膏ボード4、上張り石膏ボード5及び遮音パネル7により、下張り目地9及び上張り目地10から伝わる空気伝播音をより一層軽減することができる。
遮音構造1は、遮音パネル7において、制振マット7bの左側上張り石膏ボード5aに積層される側の表面に、複数の突起部7cを有している。そのため、遮音パネル7は、左側上張り石膏ボード5aに突起部7cのみで接した状態で積層される。そうすると、単に左側上張り石膏ボード5aの左側表面に制振マット7bが積層される場合と比較して、左側上張り石膏ボード5aから伝わる固体伝播音が、突起部7cを介して伝わるものだけに限定されるため、固体伝播音を一層軽減することができる。さらに、突起部7cから伝わる固体伝播音は、制振マット7bによって吸音されるため、より遮音性能に優れた壁となる。
遮音構造1は、断熱材がロックウール6である。そのため、吸音性能が高く、幅広い音域の空気伝播音及び固体伝播音を軽減できる。
遮音構造1は、下張り石膏ボード4及び上張り石膏ボード5が、強化石膏ボードである。そのため、遮音性能に優れた壁になるだけでなく、耐火性能にも優れた壁となる。また、この強化石膏ボードは、石膏ボード7aに用いられる石膏ボードと固有振動数が異なるため、コインシデンス効果の発生を防ぐことができる。
以上、本考案の実施形態を詳述したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではない。そして、本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本実施形態に係る遮音構造1では、間柱3が、左間柱3a及び右間柱3bとして左右方向Xに沿って並列に配置された例を示したが、間柱3は、前後方向Yに沿って一列で構成されたものでもよい。その際には、ロックウール6は、間柱3同士の間隔に合わせて予め形成されたものが用いられ、間柱3同士の間に敷き詰められる。
また、遮音構造1では、左間柱3a及び右間柱3bが左右対称に設けられた例を示したが、左間柱3a及び右間柱3bを前後方向Yに向けて互い違いに位置をずらした千鳥間柱として構成してもよい。さらに、間柱3には、断面が矩形状のみならず、断面が略C型形状に形成された柱部材を用いることもできる。
さらに、本実施形態に係る遮音構造1では、左側上張り石膏ボード5aに遮音パネル7が積層された例を示したが、遮音パネル7は、右側上張り石膏ボード5bに積層されてもよく、また、左側上張り石膏ボード5a及び右側上張り石膏ボード5bの両方に積層されてもよい。さらに、下張り石膏ボード4及び上張り石膏ボード5が強化石膏ボードである例を示したが、下張り石膏ボード4及び上張り石膏ボード5は、12.5mm、15mm、18mm、21mm又は25mm等の任意の厚さの石膏ボード又は強化石膏ボードを用いることができる。ただし、遮音パネル7の石膏ボード7aとの共鳴を防ぐためには、強化石膏ボードを用いることが好ましい。また、遮音パネル7の石膏ボード7a及び制振マット7bの厚みも任意である。
また、本実施形態に係る遮音構造1では、断熱材にロックウール6を用いた例を示したが、断熱材はグラスウールでもよい。ただし、グラスウールには、厚さ12mm以上で、密度10キログラム毎立方メートル以上のものを使用する。また、優れた遮音性能を発揮させるためには、グラスウールよりも密度が大きく、かつ、比重が重いロックウールを用いることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る遮音構造1では、第1不定形充填材13が、第1空隙G1、第2空隙G2及び第3空隙G3のすべてと、下張り目地9及び上張り目地10とに充填され、さらには第2不定形充填材14が表目地11に充填された例を示したが、第1不定形充填材13又は第2不定形充填材14が充填される空隙及び目地の組み合わせは任意である。
また、下張り目地9に上張り石膏ボード5が重ねて配置され、上張り目地10に遮音パネル7が重ねて配置された例を示したが、下張り石膏ボード4、上張り石膏ボード5及び遮音パネル7は、下張り目地9、上張り目地10及び表目地11のそれぞれが重なり合うようにして構成されていてもよい。また、1枚の板材として形成された下張り石膏ボード4、上張り石膏ボード5及び遮音パネル7のみを用いて、下張り目地9、上張り目地10及び表目地11が形成されていないものでもよい。
1 遮音構造
2 構造躯体
3 間柱(柱材)
3a 左間柱(第1柱材)
3b 右間柱(第2柱材)
4 下張り石膏ボード(下張り材)
4a 左側下張り石膏ボード(第1下張り材)
4b 右側下張り石膏ボード(第2下張り材)
5 上張り石膏ボード(上張り材)
5a 左側上張り石膏ボード(第1上張り材)
5b 右側上張り石膏ボード(第2上張り材)
6 ロックウール(断熱材)
7 遮音パネル(遮音部材)
7a 石膏ボード(遮音面材)
7b 制振マット(制振面材)
7c 突起部
8a 上部ランナー
8b 下部ランナー
9 下張り目地
10 上張り目地
11 表目地
12 充填材
13 第1不定形充填材
14 第2不定形充填材
15 定形充填材
G1 第1空隙
G2 第2空隙
G3 第3空隙
S1 第1の空間
S2 第2の空間
X 左右方向
Y 前後方向
Z 上下方向

Claims (8)

  1. 第1の空間と第2の空間との間に設けられる壁の遮音構造であって、
    構造躯体に固定された柱材と、前記柱材の側面に取り付けられた下張り材と、前記下張り材に積層された上張り材と、を備え、
    前記下張り材は、前記柱材の前記第1の空間側に取り付けられた第1下張り材と、前記柱材の前記第2の空間側に取り付けられた第2下張り材と、を有し、
    前記第1下張り材と前記第2下張り材と間には断熱材が設けられ、
    前記上張り材は、前記第1下張り材の前記第1の空間側に積層された第1上張り材と、
    前記第2下張り材の前記第2の空間側に積層された第2上張り材と、を有し、
    前記第1上張り材の前記第1の空間側又は前記第2上張り材の前記第2の空間側の少なくともいずれか一方に、遮音面材と制振面材とが積層された遮音部材が、前記制振面材側から積層された、
    ことを特徴とする壁の遮音構造。
  2. 前記柱材は、前記第1の空間側に配置された第1柱材と、この第1柱材から前記第2空間側に間隔を設けて配置された第2柱材と、を有し、
    前記第1柱材に前記第1下張り材が取り付けられ、前記第2柱材に前記第2下張り材が取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項1に記載された壁の遮音構造。
  3. 前記下張り材と前記構造躯体との間に形成された空隙である第1空隙、前記上張り材と前記構造躯体との間に形成された空隙である第2空隙、及び、前記遮音部材と前記構造躯体との間に形成された空隙である第3空隙のうち、少なくとも前記第2空隙及び前記第3空隙に充填材が充填された、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された壁の遮音構造。
  4. 隣り合って設けられた複数の前記下張り材間に形成される目地である下張り目地、及び、隣り合って設けられた複数の前記上張り材間に形成される目地である上張り目地の少なくともいずれか一方に充填材が充填され、かつ、互いに隣り合って設けられた複数の前記遮音部材間に形成される目地である表目地に充填材が充填された、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された壁の遮音構造。
  5. 前記下張り目地に、前記上張り材が重ねて配置され、
    前記上張り目地に、前記遮音部材が重ねて配置された、
    ことを特徴とする請求項4に記載された壁の遮音構造。
  6. 前記遮音部材は、前記制振面材の前記上張り材に積層される側の表面に、複数の突起部を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された壁の遮音構造。
  7. 前記断熱材が、ロックウールである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された壁の遮音構造。
  8. 前記下張り材及び前記上張り材が、強化石膏ボードであり、
    前記遮音面材が、石膏ボードである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載された壁の遮音構造。
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