JPH08232385A - 天井用制振材及び天井制振構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本来と同様の工法で天井が施工でき、この天
井の裏に簡単に取付けるだけで、共鳴による騒音の発生
を抑制することができる天井用制振材及び天井制振構造
を提供する。 【構成】 天井ボードの裏側に設けられる天井用制振材
であって、板状の本体の表面より先端が鋭利な突起が複
数突き出して設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井が共鳴して伝播さ
れてくる騒音を抑制する天井用制振材及び天井制振構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物内部の部屋に設けられる天井
を構成する天井ボードは、野縁を介して床根太に直接固
定されるようになっている。このような構造で天井がで
きている場合には、騒音の発生源の振動が天井ボードに
共鳴して伝播され、階下や隣室に騒音となって伝わって
くる。この天井の共振を防止して、騒音を抑制する方法
として、例えば、特開平６−３４１１９１号公報に記載
されているように、天井を吊り天井構造とし、天井ボー
ドに固定された野縁を床根太より切り離し、野縁と床根
太を吊り金具で連結する方法が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平６−３４１１９１号公報に記載されている工法は、
天井の共振を防止して、騒音を抑制する方法としては優
れているが、コストのかかる吊り金具を用いて固定する
といった工数がかかる施工となるため、建築費用がかな
りの割高となる問題があった。

【０００４】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたものであり、その目的とするところは、こ
れらの問題点を解消し、本来と同様の工法で天井が施工
でき、この天井の裏に簡単に取付けるだけで、共鳴によ
る騒音の発生を抑制することができる天井用制振材及び
天井制振構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明の
天井用制振材においては、天井ボードの裏側に設けられ
る天井用制振材であって、板状の本体の表面より先端が
鋭利な突起が複数突き出して設けられていることを特徴
とする。又、請求項２記載の本発明の天井制振構造にお
いては、請求項１記載の天井用制振材が、天井の裏面に
先端を差し込まれて設けられていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明の天井用制振材及び天井制振構造におい
ては、板状の本体の表面より先端が鋭利な突起が複数突
き出して設けられた天井用制振材が天井の裏面に先端を
差し込まれて設けられていることにより、本来と同様の
工法で天井が施工でき、この天井の裏に簡単に取付ける
だけで、共鳴による騒音の発生を抑制することができ
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は、請求項１記載の本発明の天井用制振材の
一例を示す斜視図であり、図２は、図１の断面図であ
る。天井用制振材１０は、板状の本体１１の表面に、先
端が鋭利な突起１１が複数突き出して設けられた構造と
なっている。

【０００８】この天井用制振材１０は、板状の本体１１
として比較的薄い厚さの亜鉛引や塗装を施した鋼板、更
には重量性があるセラミック板等を用い、図１、或いは
図２に示すような三角錐の形状の突起１２が成形された
ものが好適に用いられるが、この他表面に円錐状、四角
錐状の突起を設けてもよい。

【０００９】板状の本体１１の表面に設けられる複数の
突起１１の間隔、配列は適宜に設定されるものであり、
本実施例においては、ほぼ規則的に縦方向、横方向に配
列されて設けられているが、不規則、或いは千鳥配列で
あってもよく、天井ボードの種類、厚さ、材質等の要因
に基づいて設計されるようになっている。

【００１０】突起１１の本体１０の上面よりの突出し高
さＨは、天井用制振材１０を天井ボードの裏側より天井
ボードに押圧して差し込んだ際、天井ボードの表側に突
き抜けたり、折れや割れを発生させることがないよう
に、天井ボードの厚さより低いことが必要である。従っ
て、特殊仕様の極く薄い天井ボードを除外して、天井ボ
ードの厚さを加味して、通常の場合には、５〜１０ｍｍ
が適した高さＨとなる。

【００１１】この天井用制振材１０の大きさは、効果的
な制振と、取扱いや施工性を配慮して、縦、横寸法が２
０〜３０ｃｍ程度のものが好適に用いられる。

【００１２】図３は、請求項２記載の本発明の天井制振
構造の一例を示す斜視図であり、図４は、図３の断面図
である。図３は、従来の建物の居室等の天井に、上記天
井用制振材１０が設けられた天井制振構造を示すもので
ある。

【００１３】即ち、天井ボード２０の裏側には、天井ボ
ード２０を保持する天井根太３０が天井ボード２０に適
宜間隔で固定されて設けられている。この天井根太３０
の間には、上記の天井用制振材１０が適宜間隔に配列さ
れて取付けられている。

【００１４】この天井用制振材１０は、突起１２を下に
して天井ボード２０の裏側に均等な力がかかるようにし
て押し付けることにより、突起１２が天井ボード２０に
食い込んでゆき固定させることができる。又、天井用制
振材１０の天井ボード２０への施工は、天井ボード２０
を施工しながら、順次に取付けて行けばよく、場合によ
っては、予め天井ボード２０に取付けておいてもよい。

【００１５】従って、本発明の天井制振構造とするため
に、特に天井の施工を変更したり、施工工法を変更した
りする必要がなく、又、特に天井用制振材１０の取付け
と、固定に特殊な施工技術を必要としないので、コスト
メリットが大きい利点をも兼ね備えている。

【００１６】〔実施例〕本発明の天井制振構造の実施例
として、３×８版の標準寸法の石膏製の天井ボードに対
して、２０×３０ｃｍ角の天井用制振材を、４枚配置し
て取付けたところ、天井の共鳴を効果的に抑制でき、騒
音を軽減する効果が確認できた。

【００１７】

【発明の効果】本発明の天井用制振材及び天井制振構造
においては、板状の本体の表面より先端が鋭利な突起が
複数突き出して設けられた天井用制振材が天井の裏面に
先端を差し込まれて設けられていることにより、本来と
同様の工法で天井が施工でき、この天井の裏に簡単に取
付けるだけで、共鳴による騒音の発生を抑制することが
できる。従って、天井用制振材及び天井制振構造として
好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１記載の本発明の天井用制振材の一例を
示す斜視図。

【図２】図１の断面図。

【図３】請求項２記載の本発明の天井制振構造の一例を
示す斜視図。

【図４】図３の断面図。及び天井制振構造面図。

【符号の説明】

１０ 天井用制振材 １１ 本体 １２ 突起 ２０ 天井 ３０ 天井根太

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井ボードの裏側に設けられる天井用制
   振材であって、板状の本体の表面より先端が鋭利な突起
   が複数突き出して設けられていることを特徴とする天井
   用制振材。
2. 【請求項２】 請求項１記載の天井用制振材が、天井の
   裏面に先端を差し込まれて設けられていることを特徴と
   する天井制振構造。