JP4122494B2 - 壁パネルの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、室内空間を最大に有効利用することができる壁パネルの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の壁面は、内装用の壁パネルを使用して仕上げることがある。
【0003】
従来の壁パネルは、上向きのフック付きの支柱と組み合わせて固定する。すなわち、建物の壁に沿って支柱を立設し、壁パネルは、左右のフランジを支柱のフックに係合させて固定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、支柱は、壁と壁パネルとの間に無駄な隙間を形成するから、室内空間の利用効率が悪くなり、不都合であるという問題があった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、フック付きの取付板を利用することによって、室内空間を最大に有効利用することができる壁パネルの取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、建物の壁に固定し、上向きのフックを上下多段に形成する帯板状の取付板と、フックに掛けて固定する壁パネルとを備えてなり、取付板は、天井側の目地板、床側の幅木と同一厚さの下地板を介し、目地板、幅木に掛け渡すようにして壁に固定し、壁パネルは、表面材を裏側にまで折り返して左右の両辺に内向きのフランジを形成するとともに、フックに対応する長孔を各フランジに形成し、各フックは、取付板の表面との間に形成する係合部の上側に斜めのガイド部を有し、ガイド部を介してフランジを係合部にガイドすることにより、フランジを壁側に弾性変形させながら長孔に係合することをその要旨とする。
【0007】
なお、フランジは、壁パネルの側端面に対して角度70〜80°に形成することができる。
【0008】
また、各フックは、ガイド部の下側の頂部を介してフランジを弾性変形させてもよい。
【0010】
さらに、取付板は、下地板の目盛に合わせるレベルマークを備えてもよく、壁パネルは、幅木に設けるパネル受により下端を支持してもよい。
【0011】
【作用】
かかる発明の構成によるときは、取付板は、壁に固定し、上向きのフックに壁パネルを掛けることにより、壁パネルを壁に固定することができる。なお、取付板は、たとえば幅約100mm、長さ約2500mm、厚さ1〜2mm程度の帯板状に形成し、上向きのフックを上下多段に形成する。また、壁パネルは、表面材を裏側にまで折り返して左右の両辺に内向きのフランジを形成し、フランジの長孔をフックに係合させて固定することができる。ただし、フランジは、壁パネルの側端面に対して角度約70〜80°に折り曲げることにより、壁パネルの厚さ方向に弾性変形しながらフックに係合し、壁パネルを壁側に引き付けることができる。
【0012】
目地板、幅木に掛け渡す取付板は、目地板、幅木に両端部をねじ止めして固定することができる。なお、このとき、取付板のフックは、少なくとも取付板の上部、中間部、下部に設けるものとする。
【0013】
下地板を介して固定する取付板は、目地板と幅木との各表面の間に掛け渡しても、壁との間に不要な隙間を生じることがなく、壁パネルの安定性を損うおそれがない。なお、下地板は、目地板、幅木と同一厚さの板材を使用するものとする。
【0014】
下地板は、壁に接着して強固に取り付けることができる。なお、下地板は、壁がプラスタボードや合板などの場合、壁にねじ止めし、または接着とねじ止めとを併用して固定することができる。
【0015】
取付板は、レベルマークを備えることにより、壁や下地板のマークにレベルマークを合わせて固定し、壁パネルの取付高さを一定に揃えることができる。なお、レベルマークは、取付板を切り欠いて形成してもよく、印刷やけがき等により取付板に表示してもよい。
【0016】
壁パネルは、パネル受により下端を支持することにより、一層安定に、しかも同一高さに揃えて固定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0018】
壁パネルの取付構造は、建物の壁Wに固定するフック11a、11a…付きの取付板11と、壁パネル21とを備えてなる(図1、図2)。ただし、取付板11は、左右に隣接する2枚の壁パネル21、21に共用され、壁パネル21は、左右の取付板11、11を介して固定するものとする。なお、図1には、各1枚の壁パネル21、取付板11のみが図示されている。
【0019】
建物の壁Wは、たとえばコンクリートやプラスタボード、合板などにより形成されている。また、壁Wの天井側、床側には、それぞれ目地板Wa 、幅木Wb が付設されており、目地板Wa 、幅木Wb は、それぞれ止めねじN、N…を介して壁Wに固定されている。ただし、目地板Wa 、幅木Wb は、両面テープ、接着剤などを併用して壁Wに固定してもよい。
【0020】
取付板11は、下地板12を介して壁Wに縦に固定されている。下地板12は、目地板Wa 、幅木Wb と同一の厚さ約1mm程度の鋼板であり、取付板11より幅広に形成され、所定高さに目盛12bが表示されている。下地板12は、図示しない接着剤と、仮止め用の止めねじ12a、12a…とを介し、目地板Wa 、幅木Wb の間において、壁Wに強固に固定されている。
【0021】
取付板11は、厚さ1〜2mm程度の帯板状の鋼板から形成され、切り起しにより左右2列の上向きのフック11a、11a…が上部、中間部、下部に形成されている(図1、図3)。各フック11aは、取付板11の表面との間に係合部11a1 を形成し、係合部11a1 の上側に斜めのガイド部11a2 が形成されている。また、取付板11の一方の長辺には、下地板12の目盛12bに対応するようにして、小さな三角形の切欠きによるレベルマーク11bが形成されている。
【0022】
取付板11は、レベルマーク11bを下地板12の目盛12bに合わせ、止めねじ11c、11c…と図示しない接着剤とを介し、目地板Wa 、幅木Wb に掛け渡すようにして下地板12上に固定されている。なお、取付板11は、止めねじ11c、11cを介して目地板Wa 、幅木Wb にも固定されている。一方、幅木Wb 上には、止めねじ13aを介してパネル受13、13…が同一高さにねじ止めされている。ただし、パネル受13は、1枚の壁パネル21ごとに左右の2個を設けるものとする。
【0023】
各壁パネル21は、プラスタボード21bに表面材21aを組み合わせて形成されている(図1、図2)。壁パネル21の左右の両辺には、それぞれ表面材21aを裏側にまで折り返してフランジ21cが形成されており、各フランジ21cには、取付板11の各列のフック11a、11a…に対応して長孔21c1 、21c1 …が上下に形成されている。また、フランジ21cは、壁パネル21の側端面に対して角度θ≒70〜80°に形成されている。
【0024】
壁パネル21は、左右のフランジ21c、21cの長孔21c1 、21c1 …に対し、左右の取付板11、11のフック11a、11a…を差し込み(図2、図4の各矢印K1 方向)、壁Wに沿って下方に移動させることにより(図4の矢印K2 方向、二点鎖線)、フック11a、11a…に掛けて壁Wに固定することができる。このとき、各フック11aは、ガイド部11a2 を介してフランジ21cを係合部11a1 にガイドし(図3)、フランジ21cを壁W側に僅かに弾性変形させながら長孔21c1 に係合することにより、壁パネル21を壁W側に引き付けることができる。また、パネル受13、13は、壁パネル21の下端を下側から支持し(図1、図4)、目地板Wa 、幅木Wb は、それぞれ壁パネル21の上端と天井Cとの間、壁パネル21の下端と床Fの仕上面Fa との間を体裁よくカバーする。
【0025】
壁パネル21は、壁Wの内向きまたは外向きのコーナ部分に対し、取付板11、11を介して固定することができる(図5)。すなわち、壁Wのコーナ部分に近い取付板11、11は、それぞれフック11a、11a…を上下に1列に形成し、内向きのコーナ部分の両側に設置することにより(同図(A))、壁パネル21、21を直角に配置して固定することができる。また、外向きのコーナ部分の両側に設置する取付板11、11は、それぞれのフック11a、11a…を介し、コーナ部分を外側からカバーするようにして、直角に屈曲する壁パネル21を固定することができる(同図(B))。ただし、壁Wの内向きのコーナ部分に対し、直角に屈曲する壁パネル21を適用してもよい(図6)。
【0026】
【他の実施の形態】
取付板11は、フック11a、11a…を左右両側に突出させて形成してもよい(図7、図8)。各フック11aは、ガイド部11a2 の下側の頂部Pにおいて係合部11a1 の有効幅が最小となるように形成されている。取付板11は、下地板12上に接着し、下地板12を介して壁Wに固定することができ、各フック11aは、フランジ21cの長孔21c1 を係合部11a1 に係合させることにより、頂部Pを介してフランジ21cを弾性変形させ、壁パネル21を壁W側に引き付けて固定することができる。
【0027】
以上の説明において、図7、図8に示す各フック11aは、切り起しにより図1〜図6の取付板11に形成してもよく、図1〜図6に示す各フック11aは、図7、図8の取付板11に形成してもよい。また、各パネル受13は、幅木Wb に一体に形成してもよい(図9)。すなわち、幅木Wb は、表面側に上向きルーバ状に膨出させてパネル受13を形成することができ(同図(A)、(B))、パネル受13は、壁パネル21の幅方向に1個を長く形成してもよく、壁パネル21の幅内に左右の2個を短く形成してもよい。また、幅木Wb は、切り起しにより前方に突出する舌片状のパネル受13、13を形成してもよい(同図(C)、(D))。ただし、図9(B)、(D)は、それぞれ同図(A)、(C)のA−A線、C−C線矢視相当拡大断面説明図である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、上向きのフック付きの取付板を壁に固定することによって、取付板は、フックに壁パネルを掛けて固定することができるから、壁と壁パネルとの間に生じる隙間を最小に抑え、室内空間を最大に有効利用することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成分解斜視説明図
【図2】 図1のX−X線矢視相当拡大断面図
【図3】 図2のY−Y線矢視相当拡大断面図
【図4】 使用状態説明図(1)
【図5】 使用状態説明図(2)
【図6】 使用状態説明図(3)
【図7】 他の実施の形態を示す分解斜視説明図
【図8】 他の実施の形態を示す図3相当図
【図9】 他の実施の形態を示す要部構成説明図
【符号の説明】
W…壁
Wa …目地板
Wb …幅木
11…取付板
11a…フック
11b…レベルマーク
12…下地板
13…パネル受
21…壁パネル
Claims (5)
- 建物の壁に固定し、上向きのフックを上下多段に形成する帯板状の取付板と、前記フックに掛けて固定する壁パネルとを備えてなり、前記取付板は、天井側の目地板、床側の幅木と同一厚さの下地板を介し、前記目地板、幅木に掛け渡すようにして壁に固定し、前記壁パネルは、表面材を裏側にまで折り返して左右の両辺に内向きのフランジを形成するとともに、前記フックに対応する長孔を前記各フランジに形成し、前記各フックは、前記取付板の表面との間に形成する係合部の上側に斜めのガイド部を有し、該ガイド部を介して前記フランジを前記係合部にガイドすることにより、前記フランジを壁側に弾性変形させながら前記長孔に係合することを特徴とする壁パネルの取付構造。
- 前記フランジは、前記壁パネルの側端面に対して角度70〜80°に形成することを特徴とする請求項1記載の壁パネルの取付構造。
- 前記各フックは、前記ガイド部の下側の頂部を介して前記フランジを弾性変形させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の壁パネルの取付構造。
- 前記取付板は、前記下地板の目盛に合わせるレベルマークを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の壁パネルの取付構造。
- 前記壁パネルは、前記幅木に設けるパネル受により下端を支持することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の壁パネルの取付構造。
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- 2001-08-20 JP JP2001249675A patent/JP4122494B2/ja not_active Expired - Lifetime
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