JP2001227097A - 制振天井構造 - Google Patents

制振天井構造

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JP2001227097A
JP2001227097A JP2000278454A JP2000278454A JP2001227097A JP 2001227097 A JP2001227097 A JP 2001227097A JP 2000278454 A JP2000278454 A JP 2000278454A JP 2000278454 A JP2000278454 A JP 2000278454A JP 2001227097 A JP2001227097 A JP 2001227097A
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vibration damping
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平面多角形状の天井において、低次の固有振動
の効率的な制振が可能であり、かつ施工コストを低減で
きる制振天井構造を提供する。 【解決手段】天井10の平面に制振材15を取り付けた
制振天井構造であって、天井10は平面多角形状であ
り、制振材15は天井平面のコーナー部110から所定
間隔離れた位置を中心として、各コーナー部110に対
応して一つずつ、かつ、互いに隙間を開けて取り付けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振天井構造に関
する。
【0002】
【背景技術】近年、住宅等における上階から下階への騒
音伝達を防止する対策として、天井面に制振材が設置さ
れることがある。このような制振材を効果的に敷設する
には、上階に与えられた衝撃に伴い発生する下階居室内
での音圧レベルを把握する必要がある。ところが、以前
から行われている方法は、この点を考慮していないた
め、不必要な部分にも制振材が敷設されている。図8に
は上階床に衝撃を与えた場合における、下階居室内での
音圧レベルの一次固有振動数分布計算値を示している。
この図からわかるように、音圧レベルは天井の中央部に
対応する居室部分では小さく(図中0レベル)、天井の
コーナー部に対応する居室部分では大きくなる(図中
1.0レベル)。この点を考慮した改良法として、通常
の住宅等でよく用いられる吊り天井において、振動の節
となる中央部の制振材を省略し、周囲のみにロ字形状に
制振材を敷設したものが報告されている(特開平7−3
4592号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9は、前記公報記載
の天井制振構造において、上階の床面で重量床衝撃音を
発生させた際の、下階居室内の衝撃音レベル(dB)をオ
クターブバンド中心周波数(Hz)ごとに示したグラフで
ある。図中の●で示した折れ線は、制振材を敷設しない
天井における衝撃音レベルを示している。一方、図中の
△で示した折れ線は、前記改良法の制振天井構造におけ
る衝撃音レベルを示している。この図からわかるよう
に、前記改良法では、125Hz帯域以上の周波数に対し
ては十分な効果が認められるが、63Hz帯域におけるそ
の効果は十分でなく、1(dB)程度の改善しか認められ
ない。なお、使用した居室の寸法は、3560(mm)×3560(m
m)であり、650(mm)幅のブチル系重量ゴムシート(面密
度13Kg/m2)を天井裏(断熱材と天井石膏ボードの間)
周縁に設置して測定を行った。
【0004】ところで、通常の居室の広さ(4.5から
15畳程度)では、上階床を加振した場合、低次の固有
振動が63Hz帯域で生じ、この固有振動領域の音が下階
居室内の共振により増幅される傾向がある。したがっ
て、この帯域の周波数を効果的に抑制することでより高
い制振効果が得られる。図10及び図11には、上階床
面で重量床衝撃音を発生させた場合における、下階居室
内での63Hz帯域周波数における音圧分布の実測値が示
されている。図10は、上階床面中央部(図中S3の位
置)に衝撃を与えた場合の音圧分布を示している。一
方、図11は、上階床面対角線上であって、上階床面中
央とコーナー部のほぼ中間位置(図中S1の位置)に衝
撃を与えた場合の音圧分布を示している。各図からわか
るように、音圧の高い部分は両者とも居室のコーナーの
部分(計算値とほぼ同じ位置)であるが、その強さは、
S1に衝撃を与えた場合の方がはるかに大きい。このた
め、この位置の衝撃に対して効果的な制振が可能な天井
の開発が望まれている。
【0005】本発明の目的は、平面多角形状の天井にお
いて、低次の固有振動の効率的な制振が可能であり、か
つ施工コストを低減できる制振天井構造を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記図10、
図11の結果をふまえてなされたものであり、前述した
S1の下に位置する天井部分に、制振材を重点的に敷設
し、天井の振動を抑えるとともに固有振動数を変えるこ
とで、前記目的を達成しようとするものである。
【0007】具体的に、請求項1に記載の発明は、添付
した図面を参照して説明すると、天井10の平面に制振
材15を取り付けた制振天井構造であって、前記天井1
0は平面多角形状であり、前記制振材15は前記天井平
面のコーナー部110から所定間隔離れた位置を中心と
して、各コーナー部110に対応して一つずつ、かつ、
互いに隙間を開けて取り付けられていることを特徴とす
る制振天井構造である。
【0008】この発明によれば、衝撃を受けた際に、下
階により大きな重量衝撃音圧を発生させる部分を重点的
に制振しているから、効率のよい制振が可能となる。ま
た、天井の必要な部分のみに制振材を敷設すればよいか
ら、制振材の使用量を削減できる。したがって、施工コ
ストが削減でき、かつ、その施工作業も容易となる。ま
た、天井全体の重量が低減するため、天井支持構造を簡
易にできる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の制振天井構造において、前記天井は突出したコーナー
部を偶数個有する平面多角形状であり、前記制振材の中
心位置は前記天井の対角線上にあることを特徴とする制
振天井構造である。この発明によれば、上階が衝撃を受
けた場合に、最も大きな音圧を下階に発生させる対角線
上に必ず制振材が敷設されることになるから、効果的な
制振が可能になる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の制振天井構造において、前記天井は矩
形状であることを特徴とする制振天井構造である。この
発明によれば、住居等において一般的に用いられる箱形
形状の居室天井に適応することができる。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれかに記載の制振天井構造において、前記
制振材は各コーナー部に接することなく取り付けられて
いることを特徴とする制振天井構造である。この場合、
制振材を設置する位置は、例えば、天井の振動の腹を押
さえるように、その中心がコーナー部110から対角線
19の長さ寸法の4分の1または8分の1の部分であ
り、制振材の縁部がコーナー部110から所定寸法離れ
る。この発明によれば、制振材を天井のコーナー部に接
して敷設しなくてよいから、制振材の施工作業が簡易と
なる。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれかに記載の制振天井構造において、前記
制振材はコーナー部に接して取り付けられていることを
特徴とする制振天井構造である。
【0013】この発明によれば、下階で最も大きな音圧
レベルとなるコーナー部に対応する位置にも制振材が敷
設されているから、より効率的な制振が可能となる。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1から請
求項5のいずれかに記載の制振天井構造において、前記
制振材はシート状に形成されていることを特徴とする制
振天井構造である。この発明によれば、シート状の制振
材を天井上面に敷設するだけでよいから、その敷設作業
が簡易になる。本発明における制振シートは、例えばブ
チル系の重量ゴムシート等がある。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の制振天井構造において、前記シート状に形成された制
振材の面密度が15kg/m2以上60kg/m2以下であるこ
とを特徴とする制振天井構造である。本発明において、
シートの面密度が15kg/m2未満であると十分な制振効
果が得られず、面密度が60kg/m2を越えると、天井に
かかる負荷が大きくなるため、天井支持構造を強化する
必要が生じ、施工コストが高くなる。制振効果および施
工コストを考慮すると、好ましい面密度は30〜50k
g/m2である。ただし、60kg/m2を越える面密度の制振
材でも、施工することは可能である。この発明によれ
ば、シートの面密度が比較的大きいため、少ない敷設面
積で効果的な制振が可能となる。また、制振材が比較的
小さくできるから、施工作業も容易となる。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1から請
求項7のいずれかに記載の制振天井構造において、前記
天井は天井面材と、この天井面材を取り付けるための格
子状の取付材とを備え、この格子状の取付材で囲まれた
部分に前記制振材が取り付けられていることを特徴とす
る制振天井構造である。この発明によれば、制振材が野
縁などの取付材を跨いで天井面材に取り付けられること
がないので、制振材が天井面材に密着できるため、制振
効果を高いものにできる。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項1から請
求項7のいずれかに記載の制振天井構造において、前記
制振材は前記天井の下面に取り付けられていることを特
徴とする制振天井構造である。この発明によれば、制振
材を天井の下面から取り付ける構造としたので、施工さ
れた天井でも、後付で制振材を取り付けることができ
る。
【0018】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の制振天井構造において、前記制振材を下面から覆う
制振材用カバー材が前記天井の下面に取り付けられ、こ
の制振材用カバー材は設備機器(例えば、空調装置)の
前記天井の下面から露出する設備機器用カバー材(例え
ば、吹出部カバー材)と同じ形状を有することを特徴と
する制振天井構造である。この発明によれば、制振材用
カバー材と設備機器用カバー材との形状が同じであるた
め、制振材が取り付けられた状態が目立たないので、制
振材の取り付けによって天井の外観が損なわれることが
ない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ここで、各実施形態中、同一構成
要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にす
る。図1から図3には、本発明の第1実施形態に係る制
振天井構造が示されている。
【0020】図1に示されるように、第1実施形態にお
いては、複数、例えば4本の吊り木12に支持された平
面矩形状の天井10の上面11に、制振材15が互いに
隙間を開けて設置されている。この各制振材15は、そ
の中心位置が各コーナー部110から所定間隔離され
て、各コーナー部110に対応して一つずつ配置されて
いる。
【0021】図2及び図3を参照して天井10の構成を
説明すると、天井10は、平行に複数配置された木製柱
状の野縁13の下部に、石膏ボード製の板状の天井パネ
ル18を貼り付けて形成されている。天井10は、その
周縁部が壁16に突き当てられ、図示しない固定部材を
用いて固定されている。野縁13上部の天井中央部付近
には、木製柱状の野縁受け14が野縁13と直交して天
井10の端から端まで架け渡され、この野縁受け14と
野縁13との交差する部位に、前述の木製柱状の吊り木
12の下端が、野縁13及び野縁受け14に直交するよ
うに取り付けられている。この吊り木12の上端は、図
示しない吊り木受けを介して天井上部構造に固定されて
いる。
【0022】上面11の各コーナー部110を含んだ周
辺には、可撓性を有するブチル系重量ゴム製の制振材1
5が設置されている。ここにおいて、制振材15は、平
面矩形のシート状に形成され、その矩形状の二辺を壁1
6に接するように取り付けられている。シート状に形成
された制振材15の面密度は、40Kg/cm2とされてい
る。なお、シートの面密度の値は、15kg/m2以上60
kg/m2以下が好ましい。これより軽いと制振効果が十分
でなく、一方、これより重いと天井全体が重くなり、天
井支持構造を強化する必要が生じるため、施工コストが
かさむ。制振効果および施工コストを考慮すると、好ま
しい面密度は30〜50kg/m2である。
【0023】また、各制振材15は、上面11の対角線
19上におけるコーナー部110から対角線19の長さ
寸法の8分の1の部分を中心位置とした正方形状に配置
されているため、互いに隙間を開けた状態となってい
る。付言すると、制振材15の一辺の長さは上面11の
一辺の16分の5長さになり、隣り合う制振材15同士
の間隔は上面11の一辺の8分の3長さだけ開くことに
なる。天井10の周縁部が壁16と接する部位の下側に
は、木製柱状の回り縁17がロ字形状に取り付けられて
いる。
【0024】このように構成された天井10では、天井
10の対角線19上に中心点を有する制振材15が、天
井10の四つのコーナー部110を含んだ範囲のみに重
点的に敷設されることとなる。したがって、その上部、
すなわち、衝撃を受けた際に下階に高い重量衝撃音圧を
発生させる対角線19の上部、が加振された場合に下階
への重量衝撃音の伝達を減少させる。図4は、本実施形
態に係る天井制振構造において、上階の床面で重量床衝
撃音を発生させた際の、下階居室内の衝撃音レベル(d
B)をオクターブバンド中心周波数(Hz)ごとに示したグ
ラフである。図中の●で示した折れ線は制振材15を敷
設しない天井における衝撃音レベルを示している。一
方、図中の△で示した折れ線は、本発明の制振天井構造
における衝撃音レベルを示している。この図からわかる
ように、本発明の制振天井構造では、室内の共振により
増幅される傾向がある63Hz帯域において、5(dB)程
度の衝撃音レベルの低下が認められる。なお、測定に用
いた居室の広さは図8の測定と同一である。
【0025】上述のような第1実施形態によれば、以下
のような効果がある。 (1)衝撃を受けた際に、下階により大きな重量衝撃音
圧を発生させる部分を重点的に制振しているから、効率
のよい制振が可能となる。 (2)上階が衝撃を受けた場合に、最も大きな音圧を下
階居室内で発生させる下部、すなわち、上面11の対角
線19上を中心に制振材15が敷設されているから、効
果的な制振が可能になる (3)上面11においてコーナー部110付近に制振材
15を敷設すればよいから、制振材15の使用量を少な
くできる。したがって、材料コスト及び施工コストが削
減でき、かつ、施工作業も容易となる。また、天井10
全体に制振材15を敷設した場合と比べ、天井10の重
量が低減するため、天井支持構造を簡易にできる。 (4)特に、制振材15はコーナー部110に接して取
り付けられたから、下階で最も大きな音圧レベルとなる
コーナー部110に対応する位置にも制振材15が敷設
されているから、より効率的な制振が可能となる。
【0026】(5)天井10が矩形状であるから、住居
等で広く用いられる箱形形状の天井に適用できる。 (6)下階居室内において最も大きな音圧レベルとなる
コーナー部110にも制振材15を敷設しているから、
より効率的な制振が可能となる。
【0027】(7)制振材15をシート状としたこと
で、天井10上部の空間が広くなるため、居住設備の配
管、配線等の収納スペースが確保できる。また、シート
状の制振材を上面11に敷設するだけでよいから、その
敷設作業が簡易になる。 (8)制振材15が矩形状であるから、上面11のコー
ナー部110に隙間無く取り付け可能である。
【0028】(9)シートの面密度が比較的大きいた
め、少ない敷設面積で十分な制振効果が得られる。ま
た、制振材15が比較的小さくできるから、施工作業も
容易となる。 (10)シートが可撓性を有するブチル系重量ゴム製で
あるから、野縁13の上から制振材15を設置する場合
でも、容易に変形するため、上面11へ密着させること
ができ、取り付けが容易であるとともに、効果的な制振
が可能になる。
【0029】次に、本発明の第2実施形態を図5および
図6に基づいて説明する。第2実施形態は制振材15の
取付構造が第1実施形態と異なるもので、他の構成は第
1実施形態と同じである。天井の平面を示す図5におい
て、野縁13と野縁受け14とは、天井面材である天井
パネル18を取り付ける取付材を構成するものであっ
て、格子状に形成されている。第1実施形態では、制振
材15は、コーナー部110に接するように取り付けら
れているが、第2実施形態では、コーナー部110から
所定間隔、例えば、野縁13と野縁受け14とから構成
される1個の格子(四角形)の対角線の長さ分だけ離れ
た位置に取り付けられている。
【0030】さらに、第1実施形態では、制振材15
は、野縁13を跨いで配置されたが、第2実施形態で
は、制振材15は、格子状の野縁13と野縁受け14で
囲まれた正方形部分に取り付けられている。この制振材
15は、天井10の対角線19上におけるコーナー部1
10から対角線19の長さ寸法の4分の1の部分を中心
に4枚放射状に配置されている。この制振材15の取付
構造が図6に示されている。図6において、互いに対向
する野縁13には、それぞれ断面L形の取付金具31の
一片がビス32で固定され、この取付金具31の他片に
は合板33がビス33で固定されている。この合板33
と天井パネル18の上面との間に所定のスペースが形成
され、このスペースに制振材15が配置されている。こ
の制振材15は、ビス34で合板33に固定されてお
り、その下面が天井パネル18の上面と接し、その側面
が取付金具31、野縁13および野縁受け14に接する
ようにされている。
【0031】この構成の制振材15を取り付けるには、
まず、野縁13および野縁受け14を取り付けておき、
その後、野縁13に取付金具31を取り付け、この取り
付け金具31に合板33を取り付ける。その後、合板3
3の下面に制振材15を取り付け、最後に、天井パネル
18を野縁13に取り付ける。
【0032】上述のような第2実施形態によれば、第1
実施形態の(1)から(3)(5)から(10)と同様
の作用効果を奏することができる他に、以下のような効
果がある。 (11)コーナー部110から制振材15が所定間隔離
れた位置に取り付けられているので、天井10の縁に制
振材15の縁が一致するように位置決めする必要がない
から、敷設作業が容易になる。
【0033】(12)天井10は天井パネル18と、こ
の天井パネル18を取り付けるための格子状に配置され
た野縁13および野縁受け14を備え、この格子状の野
縁13および野縁受け14で囲まれた正方形部分に制振
材15が取り付けられているので、制振材15が野縁1
3や野縁受け14を跨いで天井パネル18に取り付けら
れることがない。そのため、制振材15の大きな面で天
井パネル18に密着できるため、制振効果を高いものに
できる。 (13)制振材15を合板13で支持固定した構成とし
たので、制振材15の荷重が天井パネル18にかかるこ
とが少なくなり、制振材15が取り付けられた部分の天
井パネル18がその重さで凹むことがない。そのため、
外観を損なうことがない。
【0034】次に、本発明の第3実施形態を図7に基づ
いて説明する。第3実施形態は制振材15が天井面材の
下面に取り付けられている点並びに設備機器が天井に取
り付けられている点が第1実施形態と異なるもので、他
の構成は第1実施形態と同じである。図7において、天
井面材である天井パネル18の下面には平面正方形の制
振材15が配置され、この制振材15の下面並びに側面
を覆う制振材用カバー材41がビス42で天井10に取
り付けられている。ビス42は、制振材用カバー材41
および制振材15を貫通し、その先端が野縁13に係止
されている。この制振材用カバー材41は、幅寸法がh
の平面正方形であり、高さ寸法dである板厚平板状の形
状を有する。
【0035】制振材用カバー材41に隣接して設備機器
である空調装置43が天井10に設けられている。この
空調装置43は、隣り合う野縁13の間に形成された天
井開口部10Aに配置された吹出部44と、この吹出部
44の下面に設けられ天井10の下面から露出する設備
機器用カバー材45とを備えて構成されている。吹出部
44は、取付金具46を介して隣り合う野縁13に固定
されている。設備機器用カバー材45は、制振材用カバ
ー材41と同様に、幅寸法がhの平面正方形であり、高
さ寸法dである板厚平板状の形状を有する。
【0036】制振材用カバー材41と設備機器用カバー
材45とは、木材、プラスチック、金属、その他の材質
を用いることができ、室内に合わせて色彩も適宜採用す
ることができる。また、制振材用カバー材41と設備機
器用カバー材45との表面に、それぞれ吸音効果を有す
るグラスウールなどを必要に応じて設けてもよい。ただ
し、外観を考慮して、制振材用カバー材41と設備機器
用カバー材45とが同じ材質、同じ色であることが好ま
しい。
【0037】上述のような第3実施形態によれば、第1
実施形態の(1)から(10)と同様の作用効果を奏す
ることができる他に、以下のような効果がある。 (14)制振材15が天井10の下面に取り付けられて
いるので、建物を施工した後であっても、後付で制振材
15を天井10に取り付けることができる。 (15)制振材15を下面から覆う制振材用カバー材4
1が天井10の下面に取り付けられ、この制振材用カバ
ー材41は空調装置43の設備機器用カバー材45と同
じ形状を有するから、制振材15が取り付けられた状態
が目立たなくなり、制振材15の取り付けによって天井
10の外観が損なわれることがない。
【0038】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態における、天井10は矩形状であるが、こ
の形状に限る必要はなく、例えば、矩形状の四隅をカッ
トした八角形、矩形状の一つのコーナー部110に凹凸
のある六角形、出隅、入隅形状、その他の形状でもよ
く、すなわち、多角形状であればよい。また、天井10
には、木製軸組工法の天井が示されているが、これに限
ることなく、鉄骨構造等における天井でもよい。前記実
施形態には示されていないが、上面11の上には、ロッ
クウール等の断熱、吸音材が敷設されていてもよい。
【0039】前記各実施形態における、制振材15は、
矩形状とされているが、この形状に限る必要はなく、例
えば多角形、円形等でもよい。しかし、他の形状を採用
する場合でも、制振材15を天井10のコーナー部11
0に設置する際には、壁16に接することができる形状
であることが望ましい。また、第1実施形態では、制振
材15の中心は、コーナー部110から対角線19の長
さ寸法の8分の1離れた部分にあるが、この位置に限ら
ず、面密度等で決定される制振材15の大きさを考慮し
て適宜に設定してよい。ただし、この場合でも各制振材
15間に隙間が開くようにしなければならない。
【0040】制振材15は、ブチル系重量ゴムが使用さ
れているが、この材質に限ることはなく、制振効果を奏
すれば、他の材質、例えば、合成樹脂あるいは金属等で
もよく、その形状もシート状に限らず、例えば四角柱状
等でもよい。ただし、可撓性を有するシート状である方
が、第1実施形態のように野縁13の上から敷設する際
に、上面11に容易に密着させることができ望ましい。
また、シート状であることにより、ロール状に巻いて保
管、運搬できる等、施工作業の上で有利である。
【0041】前記各実施形態において、吊り木12、野
縁13、野縁受け14は、木製柱状のものを用いていた
が、これに限らず、例えば、鉄等の金属製棒状のものを
用いる等でもよい。また、回り縁17についても、木製
のものを用いていたが、これに限らず、例えば、アルミ
製のものでもよい。
【0042】前記各実施形態において、天井パネル18
は、石膏ボードを用いていたが、これに限ることなく、
例えば、木製天井パネル、合成樹脂製天井パネル等でも
よく、天井パネル18の居室側表面に化粧シート等を貼
ってもよい。
【0043】前記各実施形態において、天井10は天井
中央部の四本の吊り木12で支持されているが、この数
に限ることなく、例えば一本の吊り木に支持されていて
もよい。さらに、第3実施形態において、設備機器を空
調装置43としたが、本発明では、天井下面から露出し
た部分がある構成であれば、他の装置、例えば、照明装
置についても適用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果があ
る。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、衝撃を
受けた際に、下階により大きな重量衝撃音圧を発生させ
る部分を重点的に制振しているから、効率のよい制振が
可能となる。また、天井の必要な部分のみに制振材を敷
設すればよいから、制振材の使用量を削減できる。した
がって、施工コストが削減でき、かつ、その施工作業も
容易となる。また、天井全体の重量が低減するため、天
井支持構造を簡易にできる。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、上階が衝
撃を受けた場合に、最も大きな音圧を下階発生させる対
角線上に必ず制振材が敷設されることになるから、効果
的な制振が可能になる。
【0046】請求項3に記載の発明によれば、住居等に
おいて一般的に用いられる箱形形状の居室天井に適応す
ることができる。
【0047】請求項4に記載の発明によれば、制振材を
天井のコーナー部に接して敷設しなくてよいから、制振
材の施工作業が簡易となる。
【0048】請求項5に記載の発明によれば、下階で最
も大きな音圧レベルとなるコーナー部に対応する位置に
も制振材が敷設されているから、より効率的な制振が可
能となる。
【0049】請求項6に記載の発明によれば、シート状
の制振材を天井上面に敷設するだけでよいから、その敷
設作業が簡易になる。
【0050】請求項7に記載の発明によれば、シートの
面密度が比較的大きいため、少ない敷設面積で効果的な
制振が可能となる。また、制振材が比較的小さくできる
から、施工作業も容易となる。
【0051】請求項8に記載の発明によれば、制振材が
野縁などの取付材を跨いで天井面材に取り付けられるこ
とがないので、制振材が天井面材に密着できるため、制
振効果を高いものにできる。
【0052】請求項9に記載の発明によれば、制振材を
天井の下面から取り付ける構造としたので、施工された
天井でも、後付で制振材を取り付けることができる。
【0053】請求項10に記載の発明によれば、制振材
用カバー材と設備機器用カバー材との形状が同じである
ため、制振材が取り付けられた状態が目立たないので、
制振材の取り付けによって天井の外観が損なわれること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す上面模式図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態を示す部分上面図であ
る。
【図3】図2の実施形態におけるIII-III線に沿う断面
図である。
【図4】第1実施形態において上階床面で重量衝撃音を
発生させた際の下階での衝撃音レベル(dB)オクターブ
バンドの中心周波数(Hz)ごとに示したグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態を示す部分上面図であ
る。
【図6】第2実施形態の断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図8】上階を加振した際の下階における音圧レベル分
布の理論値を示す図である。
【図9】従来例における図4に相当するグラフである。
【図10】上階S3位置を加振した際の下階の音圧レベ
ル分布の実測値を示す図である。
【図11】上階S1位置を加振した際の下階の音圧レベ
ル分布の実測値を示す図である。
【符号の説明】
10 天井 110 コーナー部 11 上面 13 野縁(取付材) 14 野縁受け(取付材) 15 制振材 19 対角線 18 天井パネル(天井面材) 41 制振材用カバー材 43 空調装置(空調装置) 45 設備機器用カバー材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天井の平面に制振材を取り付けた制振天井
    構造であって、前記天井は平面多角形状であり、前記制
    振材は前記平面のコーナー部から所定間隔離れた位置を
    中心として、各コーナー部に対応して一つずつ、かつ、
    互いに隙間を開けて取り付けられていることを特徴とす
    る制振天井構造。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の制振天井構造において、
    前記天井は突出したコーナー部を偶数個有する平面多角
    形状であり、前記制振材の中心位置は前記天井の対角線
    上にあることを特徴とする制振天井構造。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の制振天井
    構造において、前記天井は矩形状であることを特徴とす
    る制振天井構造。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    制振天井構造において、前記制振材は各コーナー部に接
    することなく取り付けられていることを特徴とする制振
    天井構造。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    制振天井構造において、前記制振材はコーナー部に接し
    て取り付けられていることを特徴とする制振天井構造。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    制振天井構造において、前記制振材はシート状に形成さ
    れていることを特徴とする制振天井構造。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の制振天井構造において、
    前記シート状に形成された制振材の面密度が15kg/m2
    以上60kg/m2以下であることを特徴とする制振天井構
    造。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    制振天井構造において、前記天井は天井面材と、この天
    井面材を取り付けるための格子状の取付材とを備え、こ
    の格子状の取付材で囲まれた部分に前記制振材が取り付
    けられていることを特徴とする制振天井構造。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    制振天井構造において、前記制振材は前記天井の下面に
    取り付けられていることを特徴とする制振天井構造。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の制振天井構造におい
    て、前記制振材を下面から覆う制振材用カバー材が前記
    天井の下面に取り付けられ、この制振材用カバー材は設
    備機器の前記天井の下面から露出する設備機器用カバー
    材と同じ形状を有することを特徴とする制振天井構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08232385A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Sekisui Chem Co Ltd 天井用制振材及び天井制振構造

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