JP7410731B2 - 建物における遮音構造 - Google Patents

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本発明は、建物における遮音構造に関するものである。
下階部と上階部とを有する多層階建てのユニット式建物では、下階部の天井面材と上階部の床面材との間に階間空間が形成されている。かかる建物では、上階部の床部に物が落下する等して衝撃音(床衝撃音)が発生した場合に、その床衝撃音が階間空間を介して下階部に伝わることが想定される。このため、かかる建物では、上階部の床部に制振ダンパ等を設けることで、上階部の床部で発生した衝撃音を低減する対策がとられていることがある。かかる対策によれば、上階部の床部において床衝撃音の低減を図ることで、床衝撃音が下階部へ伝わるのを抑制することが可能となっている。
ところで、上述の構成において、上階部の床部で発生した床衝撃音が、制振ダンパ等により十分低減できなかった場合、低減しきれなかった音が階間空間を介して下階部へ伝わるおそれがある。そこで、このような点に鑑み、特許文献1には、下階部の天井面材の上面に吸音シートを貼り付けた構成が開示されている。この特許文献1の構成では、吸音シートが天井面材の上面においてその天井面材を上方から支持する各天井小梁の間ごとに配置されている。かかる構成によれば、上階部の床部において低減しきれなかった音が下階部の側に伝播した場合でも、その音を吸音シートにより吸収することができる。そのため、上階部から下階部への音の伝わりを抑制することが可能となっている。
特開2019-123988号公報
ここで、上記特許文献1の構成では、吸音シートが天井面材の上面において天井小梁の間ごとに配置されているため、上階部の床部において低減しきれなかった音が天井小梁を介して天井面材に固体伝播音として伝わるおそれがある。そのため、上記特許文献1の構成は下階部への音の伝わりを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上階部で発生した床衝撃音が下階部に伝わるのをより確実に抑制することができる建物における遮音構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物における遮音構造は、上下に隣接する下階部及び上階部を備える建物に適用され、前記下階部の天井面材と前記上階部の床面材との間には階間空間が形成され、前記階間空間には、前記天井面材を上方から支持する天井支持梁をその上方から覆うように制振材が設けられているとともに、その制振材を上方から覆うように吸音材が設けられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、下階部の天井面材と上階部の床面材との間の階間空間に、下階部の天井面材を上方から支持する天井支持梁をその上方から覆うように制振材が設けられている。この場合、上階部の床部で発生した衝撃音(床衝撃音)が下階部の天井支持梁に伝わったとしても、その音(特に重量床衝撃音)を制振材により低減することができる。このため、天井支持梁から天井面材に音が伝わるのを抑制することができる。
また、階間空間には、さらに制振材を上方から覆うように吸音材が設けられている。この場合、上階部の床部で発生した床衝撃音が階間空間を介して下階部の側に伝わったとしても、その音(特に軽量床衝撃音)を吸音材により吸収することができる。そのため、その音が下階部の天井面材に伝わるのを抑制することができる。これにより、制振材と吸音材との組み合わせにより、上階部の床部で発生する重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の双方について下階部へ伝わるのを抑制することができる。そのため、上階部で発生した床衝撃音が下階部へ伝わるのをより確実に抑制することができる。
第2の発明の建物における遮音構造は、第1の発明において、前記制振材は、前記天井支持梁の上面に載置された梁載置部と、前記天井支持梁を挟んだ両側において前記天井面材の上面に載置された一対の天井載置部とを有していることを特徴とする。
第2の発明によれば、制振材が、天井支持梁の上に載置されているとともに、天井支持梁を挟んだ両側において天井面材の上面に載置されている。この場合、制振材により、天井支持梁に伝わった音(音振動)の低減を図ることができるとともに、天井面材に伝わった音の低減を図ることができる。これにより、上階部で発生した床衝撃音が下階部へ伝わるのをより一層抑制することができる。
第3の発明の建物における遮音構造は、第1又は第2の発明において、前記下階部及び前記上階部がそれぞれ建物ユニットにより構成されているユニット式の建物に適用され、前記下階部の前記建物ユニットは、横並びに設けられた複数の天井小梁を前記天井支持梁として有しているとともに、それら各天井小梁によって支持された前記天井面材を有しており、前記制振材は前記天井小梁を上方から覆うように設けられ、前記吸音材はその制振材を上方から覆うように設けられていることを特徴とする。
第3の発明では、ユニット式建物に上記第1の発明を適用している。ユニット式建物では、建物ユニットが予め製造工場において製造され、その製造された建物ユニットが施工現場に搬送され設置されることで建物が構築される。この場合、下階部の建物ユニットの天井部に制振材と吸音材とを設置する際には、当該建物ユニットに予め組み付けられた天井面材の上方から設置作業を行うことができる。これにより、制振材と吸音材とを設置する作業を容易に行うことが可能となる。
第4の発明の建物における遮音構造は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記制振材は、前記天井支持梁ごとに複数設けられ、前記吸音材は、それら複数の前記制振材をまとめて上方から覆った状態で設けられていることを特徴とする。
第4の発明によれば、制振材が天井支持梁ごとに複数設けられている。この場合、制振材が複数の天井支持梁に跨がって設けられる場合と比べて、制振材の大きさを抑えることができる。そのため、比較的重量の大きい制振材の取り扱いを容易とすることができ、その設置作業を好適に行うことが可能となる。一方、吸音材は複数の制振材をまとめて上方から覆った状態で設けられている。この場合、吸音材は比較的重量が小さいため、その大きさが大きくても取り扱いを容易とすることできる。よって、制振材と吸音材との組み合わせにより下階部への音の伝わりを抑制する上で好適な構成とすることができる。
階間部分の構成を示す縦断面図。 一階部分の天井部に制振材及び吸音材が設けられた状態を示す平面図。 ユニット式建物の概要を示す斜視図。 建物ユニットの構成を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、鉄骨ラーメン構造を有する二階建てのユニット式建物において本発明を具体化している。ユニット式建物は、複数の建物ユニットが互いに組み合わせられることで構築される建物である。図3はユニット式建物の概要を示す斜視図であり、図4は建物ユニットの構成を示す斜視図である。
図3に示すように、住宅等の建物10は、基礎11上に設けられた建物本体12と、その上方に設けられた屋根部13とを備える。建物本体12は、下階部としての一階部分14と、上階部としての二階部分15とを有する二階建てとなっている。一階部分14及び二階部分15はそれぞれ複数の建物ユニット20により構成されている。これら建物ユニット20は製造工場においてあらかじめ製造され、その後施工現場にトラック等により運搬されるものとなっている。なお、一階部分14を構成する建物ユニット20を下階ユニットということもでき、二階部分15を構成する建物ユニット20を上階ユニットということもできる。
図4に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備える。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔(詳しくは等間隔)で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔(詳しくは等間隔)で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。また、天井小梁25によって天井面材27が上方から支持され、床小梁26によって床面材28が下方から支持されている。
次に、一階部分14と二階部分15との境界部である階間部分の構成について説明する。図1は、階間部分の構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、一階部分14には、その天井面材27の下方に一階空間31が形成されている。二階部分15には、その床面材28の上方に二階空間32が形成されている。一階空間31及び二階空間32はいずれもリビングやダイニング、寝室といった居住空間となっている。
一階部分14の天井面材27と二階部分15の床面材28との間には階間空間33が形成されている。階間空間33は、一階部分14の天井面材27により一階空間31と上下に仕切られ、また、二階部分15の床面材28により二階空間32と上下に仕切られている。
二階部分15の床部には、複数の床小梁26が横並びで設けられている。これら床小梁26の上には床面材28が設けられている。床面材28は、上下に積層された複数の面材34~38を含んで構成されている。床面材28は、各床小梁26の上面に跨がる状態で設けられた床下地面材34と、床下地面材34の上に重ねられた別の床下地面材35と、床下地面材35の上に重ねられた制振シート36と、制振シート36の上に重ねられた床下地面材37と、床下地面材37の上に重ねられた床仕上面材38とを有する。
床下地面材34は硬質木片セメント板よりなり、床下地面材35はパーティクルボードよりなる。制振シート36は、アスファルト系の制振シートよりなり、例えばアスファルトに酸化鉄粉を含ませてシート状に形成されている。制振シート36は、遮音性能を有しており、床面材28上に加えられた床衝撃音が一階部分14へ伝わるのを遮るものとなっている。そのため、制振シート36を遮音シート(遮音マット)ということもできる。また、床下地面材37は合板よりなり、床仕上面材38はフローリングからなる。
ちなみに、重量床衝撃音は、子供が二階部分15の床面材28上で飛び跳ねたり走り回ったりした場合などに生じる比較的低い音であり、軽量床衝撃音は、スプーンなどの物品を床面材28上に落とした場合などに生じる比較的高い音である。
二階部分15の床部には、二階部分15の床面材28で発生した床衝撃音を低減する複数の制振ダンパ41,46が設けられている。これらの制振ダンパ41,46は、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音のうち、特に重量床衝撃音を低減する効果が高いものとなっている。各制振ダンパ41,46には、床小梁26に取り付けられた小梁ダンパ41と、床面材28に取り付けられた床面ダンパ46とが含まれている。
小梁ダンパ41は、床小梁26に加えられた振動エネルギを吸収するものである。小梁ダンパ41は、各床小梁26にそれぞれ取り付けられ、例えば各床小梁26の長手方向の中央位置に取り付けられている。
小梁ダンパ41は、床小梁26に固定されたブラケット42と、そのブラケット42に固定された弾性部材43と、弾性部材43を介してブラケット42に取り付けられた重り部材44とを有している。ブラケット42は、床小梁26の下面に溶接等により固定された金属製の板材であり、床小梁26の幅方向(短手方向)においてその床小梁26よりも側方に突出している。弾性部材43は、弾性変形可能なゴム材料により形成されており、重り部材44は、金属材料により形成されている。重り部材44は、床小梁26を挟んで両側方に配置されており、各重り部材44は、いずれもブラケット42の上に弾性部材43を介して載せられている。
小梁ダンパ41においては、床小梁26に対する重り部材44の相対的な移動が弾性部材43により可能になっている。このため、二階部分15の床面材28上で生じた音が伝わる等して床小梁26が揺れた場合に、弾性部材43が弾性変形することで重り部材44が床小梁26とは反対向きに移動する。この場合、床小梁26に加えられた振動エネルギが小梁ダンパ41により吸収され、それにより、床面材28で生じた床衝撃音(特に重量床衝撃音)が小梁ダンパ41により低減されるようになっている。
床面ダンパ46は、二階部分15の床面材28に加えられた振動エネルギを吸収するものである。床面ダンパ46は、床面材28の下面に取り付けられ、隣り合う各床小梁26の間ごとに配置されている。床面ダンパ46は、例えば床面材28において隣り合う各床小梁26の中央位置に配置されている。
床面ダンパ46は、床面材28の下面(詳しくは床下地面材34の下面)に固定されたブラケット47と、そのブラケット47に固定された弾性部材48と、弾性部材48を介してブラケット47に取り付けられた重り部材49とを有している。ブラケット47は、板ばねを含んで形成され、床面材28の下面にビス等により固定されている。弾性部材48は、弾性変形可能なゴム材料により形成され、重り部材49は金属材料により形成されている。
床面ダンパ46においては、床面材28に対する重り部材49の相対的な移動が弾性部材48により可能になっている。このため、二階部分15の床面材28が揺れた場合には、弾性部材48が弾性変形することで重り部材49が床面材28とは反対向きに移動する。この場合、床面材28に加えられた振動エネルギが床面ダンパ46により吸収され、それにより、床面材28で生じた床衝撃音(特に重量床衝撃音)が床面ダンパ46により低減されるようになっている。
続いて、一階部分14の天井部の構成について説明する。一階部分14の天井部には、複数の天井小梁25が横並びで設けられている。各天井小梁25の下面にはそれぞれ野縁51が取り付けられている。これら野縁51は木製の長尺材よりなり、天井小梁25の長手方向に沿って延びている。また、各野縁51の下面には天井面材27がビス等で取り付けられている。天井面材27は、2枚重ねの石膏ボードよりなる。
階間空間33には、制振材53と吸音材54とが設けられている。本実施形態では、これら制振材53及び吸音材54により、二階部分15の床部で発生した床衝撃音が階間空間33を介して一階部分14へ伝わるのを抑制するようにしている。本実施形態では、かかる点が特徴となっており、以下においては、その特徴的構成について図1に加え図2を用いながら説明する。なお、図2は、一階部分14の天井部に制振材53及び吸音材54が設けられた状態を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、制振材53は、階間空間33において各天井小梁25ごとに設けられている。制振材53は粒状制振材からなり、樹脂材料からなる多数のチップ(例えばゴムチップ)を袋詰めすることにより形成されている。制振材53は、粒状制振材とされていることで、その形状をある程度変えることが可能となっている。
制振材53は各天井小梁25に複数ずつ設けられ、本実施形態では各天井小梁25に2つずつ設けられている。この場合、各天井小梁25に設けられた各々の制振材53は天井小梁25の長手方向に互いに離間して配置されている。また、隣り合う各天井小梁25に設けられた制振材53は各天井小梁25の並ぶ並び方向に離間して配置されている。
各制振材53は、天井小梁25を上方から覆うように設けられ、天井小梁25を挟んだ両側においてそれぞれ天井面材27の上面に載置されている。各制振材53は、天井小梁25の上面に載置された梁載置部53aと、天井小梁25の幅方向における梁載置部53aの両端部から下方に延びる一対の垂下部53bと、それら各垂下部53bの下端部からそれぞれ側方(詳しくは当該天井小梁25から離間する側)に延び天井面材27の上面に載置された天井載置部53cとを有する。梁載置部53aにより天井小梁25が上方から覆われており、各垂下部53bにより天井小梁25が側方から覆われている。二階部分15の床部で発生した床衝撃音が天井小梁25に伝わった場合には、その音が制振材53により低減されるようになっている。また、制振材53は、特に重量床衝撃音を低減する効果が高いものとなっている。
吸音材54は、階間空間33において各制振材53の上方に跨がる状態で設けられている。吸音材54は、繊維系材料により形成された繊維系吸音材であり、例えばグラスウールからなる。また、吸音材54は、所定の厚みを有する板状に形成され、平面視において階間空間33の全域に亘るよう敷き詰められている。吸音材54は、各制振材53を上方からまとめて覆った状態で配設されている。吸音材54は、吸音性能を有しており、二階部分15の床部で発生した床衝撃音を階間空間33にて吸収するものとなっている。また、吸音材54は、特に軽量床衝撃音に対する吸音効果が高いものとなっている。
次に、上述した建物10を構築する際の作業の流れについて説明する。
まず製造工場において、建物10を構成する各建物ユニット20を製造する。建物ユニット20の製造に際しては、建物ユニット20の天井部に天井面材27を取り付け、床部に床面材28を取り付ける。
その後、一階部分14の建物ユニット20については、天井面材27の上に各制振材53を配設する。この場合、各制振材53を天井小梁25を上方から覆うようにして配設する(図2参照)。また、制振材53を配設後、それら各制振材53を上方から覆うように吸音材54を天井面材27上に敷き詰める。また、二階部分15の建物ユニット20については、各床小梁26に小梁ダンパ41を取り付け、床面材28に床面ダンパ46を取り付ける。
各建物ユニット20の製造後、それら建物ユニット20をトラックにより施工現場へ搬送する。施工現場では、各建物ユニット20を所定位置に設置するとともに互いに連結する。これにより、建物10が構築され、一階部分14と二階部分15との間の階間空間33に制振材53と吸音材54とがそれぞれ配設された状態となる。
このように、本ユニット式建物10では、一階部分14と二階部分15との間の階間部分における遮音構造(各制振ダンパ41,46、制振材53及び吸音材54)がいずれも製造工場において建物ユニット20に構築されるようになっている。このため、施工現場での作業負荷が増大するのを抑制しながら、階間部分における遮音構造を構築することが可能となっている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
一階部分14の天井面材27と二階部分15の床面材28との間の階間空間33に、一階部分14の天井面材27を上方から支持する天井小梁25をその上方から覆うように制振材53を設けた。この場合、二階部分15の床部で発生した衝撃音(床衝撃音)が一階部分14の天井小梁25に伝わったとしても、その音(特に重量床衝撃音)を制振材53により低減することができる。このため、天井小梁25から天井面材27に音が伝わるのを抑制することができる。
また、階間空間33には、さらに制振材53を上方から覆うように吸音材54を設けた。この場合、二階部分15の床部で発生した床衝撃音が階間空間33を介して一階部分14の側に伝わったとしても、その音(特に軽量床衝撃音)を吸音材54により吸収することができる。そのため、その音が一階部分14の天井面材27に伝わるのを抑制することができる。これにより、制振材53と吸音材54との組み合わせにより、二階部分15の床部で発生する重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の双方について一階部分14へ伝わるのを抑制することができる。そのため、二階部分15で発生した床衝撃音が一階部分14へ伝わるのをより確実に抑制することができる。
制振材53を、天井小梁25の上面に載置するとともに、天井小梁25を挟んだ両側において天井面材27の上面に載置した。この場合、制振材53により、天井小梁25に伝わった音(音振動)の低減を図ることができるとともに、天井面材27に伝わった音の低減を図ることができる。これにより、二階部分15で発生した床衝撃音が一階部分14へ伝わるのをより一層抑制することができる。
また、制振材53として粒状制振材を用いたため、その形状を変え易く、そのため制振材53を高さ位置が相違する天井小梁25上及び天井面材27上に好適に載置することが可能となる。
制振材53と吸音材54とを有してなる遮音構造をユニット式建物に適用した。この場合、一階部分14の建物ユニット20の天井部に制振材53と吸音材54とを設置する際には、当該建物ユニット20に予め組み付けられた天井面材27の上方から設置作業を行うことができる。これにより、制振材53と吸音材54とを設置する作業を容易に行うことが可能となる。
制振材53を天井小梁25ごとに複数設けた。この場合、制振材53が複数の天井小梁25に跨がって設けられる場合と比べて、制振材53の大きさを抑えることができる。そのため、比較的重量の大きい制振材53の取り扱いを容易とすることができ、その設置作業を好適に行うことが可能となる。一方、吸音材54については複数の制振材53をまとめて上方から覆うようにして設けた。この場合、吸音材54は比較的重量が小さいため、その大きさが大きくても取り扱いを容易とすることできる。よって、制振材53と吸音材54との組み合わせにより一階部分14への音の伝わりを抑制する上で好適な構成とすることができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、各天井小梁25に制振材53を2つずつ設けたが、各天井小梁25に制振材53を3つ以上ずつ設けてもよい。また、各天井小梁25に制振材53を1つずつ設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、制振材53を各天井小梁25ごとに設けたが、例えば制振材53を隣り合う2つの天井小梁25上に跨がるように設けてもよい。
なお、所望の遮音性能を得ることができるのであれば、制振材53は各天井小梁25にそれぞれ(換言すると各天井小梁25のすべてに)設ける必要はなく、各天井小梁25のうち一部にのみ設けるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、制振材53として粒状制振材を用いたが、制振材53としてシート状の制振シートを用いてもよい。この場合にも、制振材53を天井小梁25を上方から覆うように設けることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、吸音材54としてグラスウールを用いたが、吸音材54としてロックウール等、グラスウール以外の繊維系吸音材を用いてもよい。また、吸音材54として、繊維系吸音材以外のものを用いてもよい。
(3)上記実施形態では、制振材53の一部を天井面材27の上面に載置して天井載置部53cとしたが、制振材53を天井面材27の上面に載置しない状態で配置してもよい。例えば、制振材53を天井小梁25の幅と同程度の小幅で形成し、天井小梁25の上面にのみ載置した状態で配置することが考えられる。
(4)上記実施形態では、制振材53及び吸音材54を製造工場にて建物ユニット20の天井面材27上に配設するようにしたが、制振材53及び吸音材54のうち吸音材54については施工現場において建物ユニット20の天井面材27上に配設するようにしてもよい。この場合、施工現場において一階部分14の建物ユニット20を設置した後、その建物ユニット20の天井面材27上に吸音材54を配設する。なお、この場合、吸音材54の配設後、二階部分15の建物ユニット20を設置する。
また、制振材53及び吸音材54の両方を施工現場において建物ユニット20の天井面材27に配設するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、ユニット式建物に本発明を適用したが、鉄骨軸組工法により構築される建物等、他の構造の建物にも本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、二階建ての建物に本発明を適用したが、例えば三階建て以上の建物に本発明を適用してもよい。例えば三階建ての建物において、二階部分と三階部分との階間部分に本発明を適用してもよい。
10…建物、14…下階部としての一階部分、15…上階部としての二階部分、20…建物ユニット、25…天井支持梁としての天井小梁、27…天井面材、28…床面材、33…階間空間、53…制振材、53a…梁載置部、53c…天井載置部、54…吸音材。

Claims (3)

  1. 上下に隣接する下階部及び上階部を備える建物に適用され、
    前記下階部の天井面材と前記上階部の床面材との間には階間空間が形成され、
    前記階間空間には、前記天井面材を上方から支持する天井支持梁をその上方から覆うように制振材が設けられているとともに、その制振材を上方から覆うように吸音材が設けられており、
    前記天井支持梁は、複数設けられており、
    前記制振材は、前記天井支持梁ごとに複数設けられており、
    前記吸音材は、前記天井支持梁ごとに複数設けられた各前記制振材をまとめて上方から覆った状態で設けられていることを特徴とする建物における遮音構造。
  2. 前記制振材は、前記天井支持梁の上面に載置された梁載置部と、前記天井支持梁を挟んだ両側において前記天井面材の上面に載置された一対の天井載置部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の建物における遮音構造。
  3. 前記下階部及び前記上階部がそれぞれ建物ユニットにより構成されているユニット式の建物に適用され、
    前記下階部の前記建物ユニットは、横並びに設けられた複数の天井小梁を前記天井支持梁として有しているとともに、それら各天井小梁によって支持された前記天井面材を有しており、
    前記制振材は前記天井小梁ごとに複数設けられており
    前記吸音材は、前記天井小梁ごとに複数設けられた各前記制振材をまとめて上方から覆った状態で設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物における遮音構造。
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