JP2021070911A - 鉄骨階段構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄骨階段構造の昇降時に歩行者が知覚する歩行感が振動によって悪化することを抑制するとともに、鉄骨階段構造の隣室で知覚される階段の歩行音の伝搬を抑制することができる鉄骨階段構造を提供する。【解決手段】鉄骨階段構造1は、少なくとも一端が構造躯体3に接続される鉄骨階段本体2と、前記鉄骨階段本体2を前記構造躯体3に第一防振材41を介して接続する接続部4と、前記鉄骨階段本体2に固定される制振装置5と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、鉄骨階段構造に関する。
従来より、鉄骨階段は、強度が強く施工が容易であるが、振動の減衰に劣り、振動が伝搬しやすい。そのため、階段歩行時の振動が、当該鉄骨階段を設けた建物の構造躯体に伝搬されて、階段の隣室や下階などの屋内空間に歩行音として放射する問題がある。
そこで、階段構造を固定する壁面や床面と当該階段構造との間に弾性体からなる防振材を介在させることで、階段構造に発生した振動が壁面や床面に伝搬されることを抑制する発明が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これによると階段構造自体は振動するが、階段構造を固定する壁面や床面には当該振動が伝搬されにくくなるので、階段の隣室や下階などに伝わる歩行音を低減させることができる。
一方、階段構造に制振装置を設けて、階段構造自体の振動を減衰させる発明が提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。これによると、階段構造自体の振動が減衰するので、階段が大きく振動することを抑制でき、鉄骨階段の歩行感を改善できる。
特開2010−71048号公報 特開2007−138426号公報 特開平6−158808号公報 特開2007−303146号公報
しかし、階段構造と階段構造が固定される部材との間に弾性体からなる防振材を介在させる発明は、階段の支持剛性が低下することとなる。したがって、鉄骨階段構造の共振振動数が低域にずれ、共振倍率の増加によって、鉄骨階段が振動しやすく、その振動を感じやすくなるため、鉄骨階段構造の歩行感がより悪化する問題がある。
また、鉄骨階段構造に制振構造を設ける発明は、特定周波数帯域での振動を低減させることとなり、鉄骨階段構造の低い周波数帯域の振動を抑えて歩行者が感じる歩行感を改善させることはできるが、鉄骨階段構造から構造躯体を介して隣室に伝わる歩行音を低減することが困難である。
そこで、本発明は、鉄骨階段構造の昇降時に歩行者が知覚する歩行感が振動によって悪化することを抑制するとともに、鉄骨階段構造の隣室で知覚される階段の歩行音の伝搬を抑制することができる鉄骨階段構造を提供することを目的とする。
本発明の鉄骨階段構造は、少なくとも一端が構造躯体に接続される鉄骨階段本体と、前記鉄骨階段本体を前記構造躯体に第一防振材を介して接続する接続部と、前記鉄骨階段本体に固定される制振装置と、を備えることを特徴としている。
本発明の鉄骨階段構造は、前記鉄骨階段本体は、下階に繋がる下階段と、上階に繋がる上階段と、前記下階段及び前記上階段を接続する踊り場とを有し、当該踊り場で折り返すように形成された折り返し階段であり、前記制振装置は、前記踊り場の内寄りの位置に配置されることを特徴としている。
本発明の鉄骨階段構造は、前記鉄骨階段本体は、前記下階段と、前記下階段の上端に形成された下水平板部とを有する下部ユニットと、前記上階段と、前記上階段の下端に形成された上水平板部とを有する上部ユニットと、前記下水平板部及び前記上水平板部を接合して前記踊り場を形成する接合部と、を有し、前記制振装置は前記接合部に固定されるものであることを特徴としている。
本発明の鉄骨階段構造は、前記接続部は、前記鉄骨階段本体及び前記構造躯体を、前記第一防振材を挟んで貫通するボルト、及び当該ボルトに螺着するナットにより固定するものであり、前記鉄骨階段本体と前記ボルトの頭部又はナットとの間に第二防振材が設けられることを特徴としている。
本発明の鉄骨階段構造は、前記接続部は、前記ナットの回転を抑制する緩み止め手段を更に有することを特徴としている。
本発明の鉄骨階段構造によると、鉄骨階段本体が第一防振材を介して構造躯体に接続されており、鉄骨階段本体の振動が構造躯体に伝搬されることを抑制することができるので、歩行に伴う振動が構造躯体を伝わって、階段の隣室や下階などで歩行音として知覚されることを低減させることができる。そして、鉄骨階段本体と構造躯体との間に第一防振材を介在させることによって、より振動しやすくなる鉄骨階段本体には、制振装置を固定することで、鉄骨階段本体の振動を低減し、鉄骨階段構造の歩行感の悪化を抑制することができる。
本発明の鉄骨階段構造によると、鉄骨階段本体が、下階段と、上階段と、を踊り場で折り返すように形成された折り返し階段であり、制振装置が、踊り場の内寄りの位置に配置されるものであり、より効果的に振動を抑制することができる。すなわち、鉄骨階段本体は下階段と上階段との間に重心が配置されることとなり、踊り場の内寄りの位置が最も鉄骨階段本体の重心に近い位置となる。重心は、振動モードでよく動く位置であり、このような重心に近い位置に制振装置を配置することで、制振装置がより効果的に働き振動を抑制することができる。
本発明の鉄骨階段構造によると、下部ユニットの下水平板部と上部ユニットの上水平板部を接合して踊り場を形成する接合部に、制振装置が固定されるので、制振装置が下部ユニット及び上部ユニットの両方のいずれの振動に対しても振動を低減する効果を発揮しやすい。また、このように下部ユニット及び上部ユニットに分けることで施工性を向上させた鉄骨階段構造において、制振装置を固定する部材が接合部を兼ねることとなるので、部品点数を削減することができ、コストを低減させることができる。そして、下部ユニット及び上部ユニットの接合部に制動装置を設けることで、1つの制動装置で下部ユニット及び上部ユニットの振動を低減させることができ、制動装置の個数を削減してコストを低減させることができる。
本発明の鉄骨階段構造によると、接続部は、鉄骨階段本体及び構造躯体を、第一防振材を挟んで貫通するボルト、及び当該ボルトに螺着するナットにより固定するものであり、鉄骨階段本体とボルトの頭部又はナットとの間に第二防振材が設けられることで、鉄骨階段本体からボルトに振動が伝わることを抑制し、鉄骨階段本体からボルトを通って構造躯体に振動が伝搬されることを防止することができる。
本発明の鉄骨階段構造は、接続部が、ナットの回転を抑制する緩み止め手段を更に有するので、ナットを構造躯体又は第二防振材に強固に圧接するように締め付けなくてもナットが緩むことを抑制できる。したがって、第一防振材がボルトとナットとの締め付けによって圧縮されることを抑制でき、第一防振材が十分に振動伝搬を抑制する性能を発揮することができる。
鉄骨階段構造の全体構成を示す側面図。 鉄骨階段構造の全体構成を示す平面図。 鉄骨階段構造の全体構成を示す分解斜視図。 鉄骨階段構造の上接続部を示す一部拡大側面図。 鉄骨階段構造の中間接続部を示す一部拡大側面図。 鉄骨階段構造の接合部及び制振装置を示す正面図。 供試体階段構造の20Hz帯域の一次振動モードにおける振動分布を示す図。
以下、本発明の鉄骨階段構造1の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本実施形態の鉄骨階段構造1は、例えば共同住宅に設置される屋内階段である。鉄骨階段構造1を設置する建物は、共同住宅に限られるものではなく、例えば、戸建住宅、宿泊施設、商業施設などの様々な建物に設置することができる。本実施形態の鉄骨階段構造1は、1階と2階とを接続する階段である。鉄骨階段構造1を設置する位置は2階以上の上階同士を接続するものであっても良い。
鉄骨階段構造1は、図1に示すように、鉄骨階段本体2と、鉄骨階段本体2を第一防振材を介して構造躯体3に接続する接続部4と、鉄骨階段本体2に固定される制振装置5と、を備えている。なお、図示しないが、鉄骨階段構造1には、手摺、階段幅木、階段化粧材などの一般的な屋内階段に備わる種々の構成も取り付けられている。
鉄骨階段本体2は、下階に繋がる下階段2aと、上階に繋がる上階段2bと、下階段2a及び上階段2bを接続する踊り場2cとを有する。図2及び図3に示すように、下階段2aはその下端がコンクリート基礎33に固定されており、上端が踊り場2cの概ね半分を構成する下水平板部24に接続されている。また、上階段2bはその上端が一階の天井懐に形成された構造躯体3としての床梁31に接続されるとともに下端が踊り場2cの残りの半分を構成する上水平板部25に接続されている。下階段2a及び下水平板部24は、溶接されて一体となっており下部ユニット26を形成している。また、上階段2b及び上水平板部25は、溶接されて一体となっており上部ユニット27を形成している。下階段2a及び上階段2bは、それぞれ一対の側板20の間に複数の段板21及び蹴込板22が溶接されて形成されている。下水平板部24と上水平板部25とは互いの突合端部同士を接合する接合部6によって接合されて踊り場2cを形成している。上水平板部25及び下水平板部24は、一階の中間高さに水平方向に延びて設けられる中間梁32に接続されている。
鉄骨階段本体2は、下階段2aと上階段2bとが踊り場2cで折り返すように配置されており折り返し階段を形成している。なお、本発明の鉄骨階段構造1は、折り返し階段に限定されるものではなく、建物の構造躯体3と第一防振材を介して接続する接続部4及び制振装置5を備える構成であれば、例えば直階段、かね折れ階段、回り階段、螺旋階段などの他の構造の鉄骨階段構造1であっても良い。
接続部4は、上階段2bの上端と構造躯体3としての床梁31とを接続する上接続部4aと、踊り場2cと構造躯体3としての中間梁32とを接続する中間接続部4bとを有する。なお、下階段2aの下端はコンクリート基礎33に接続されているので、振動を減衰する必要性が乏しく、本実施形態においては、制振材を介在させずに接続されているが、本発明における鉄骨階段構造1は、下階段2aの下端も制振材を介在させて、鉄骨階段本体2の振動が構造躯体3に伝搬されることを抑制してもよい。
床梁31及び中間梁32はそれぞれH形鋼であり、それぞれ図示しない構造躯体3としての柱や他の梁の間に架設されている。中間梁32よりも床梁31は、断面積が大きく形成されており、二階の床面を支持している。上接続部4aは、図4に示すように、上階段2bの側板20の上端に形成され、床梁31の上側のフランジ34に固定されるブラケット28と、床梁31とブラケット28との間に介在される第一防振材41と、ブラケット28の上に配置される第二防振材42と、第二防振材42の上からブラケット28、第一防振材41、及び床梁31の上側のフランジ34にそれぞれ形成されたボルト孔に挿入されるボルト43と、フランジ34の下方からボルト43に螺着されるナット44とを備える。上接続部4aは、左右2箇所形成されており、この2箇所の上接続部4aによって、床梁31と上階段2bの上端とが接続されている。
第一防振材41は、粘弾性を有するポリウレタンからなり、鉄骨階段本体2の振動を減衰させるものである。第一防振材41は振動を減衰させることができるとともに、鉄骨階段本体2の荷重に耐えうる耐荷重を有する素材であればどのような材料のものであってもよい。第一防振材41は必要な耐荷重や減衰させる振動に応じて適切な大きさ及び厚さに形成されている。第二防振材42は、例えば天然ゴムなどの弾性材料製であり、鉄骨階段本体2が振動した際にブラケット28とボルト43のボルト頭とが衝突して異音が発生することを抑制するものである。
ナット44は2重ナットであり、下方に向けて突出しているボルト43に第一のナット45を螺着させて、当該ナット44を床梁31の上側のフランジ34の下面に当接する位置まで締める。このとき、第一のナット45は作業者が手締めすることで、例えばインパクトレンチを用いた場合のように大きなトルクを掛けることなく、締め付けてボルト頭と第一のナット45とが必要以上に接近することがないようにする。そして、第二のナット46をボルト43に螺着させて例えばインパクトレンチなどの工具で第一のナット45よりも高いトルクで締め付け、第一のナット45に圧着させて、第一のナット45と第二のナット46との摩擦力で第一のナット45及び第二のナット46をボルト43の所望の位置に保持する。このように第一のナット45が必要以上にボルト頭に接近しないことで、第一防振材41がボルト頭と第一のナット45の間で圧縮されることを抑制することができ、第一防振材41が鉄骨階段本体2の振動を効果的に減衰させることができる。
本発明における「ナット」は、本実施形態においては、第一のナット45がこれに相当し、本発明における「緩み止め手段」は、本実施形態においては、第二のナット46がこれに相当する。なお、緩み止め手段は、これに限定されるものではなく、例えば、ネジ止め剤やロックナットなどの種々の緩み止め手段を用いることができる。
中間接続部4bは、図2及び図5に示すように、踊り場2cを形成する上水平板部25及び下水平板部24の下面にそれぞれ2箇所ずつ形成されている。中間接続部4bは、踊り場2cの側面に溶接され、下面に水平に形成されている取り付け板29と、取り付け板29と中間梁32の上側のフランジ35との間に介在される第一防振材41と、取り付け板29の上に配置される第二防振材42と、中間梁32の上側のフランジ35の下から第一防振材41、取り付け板29、及び第二防振材42に設けられたボルト孔に挿入されて上方に突出するボルト43と、第二防振材42の上方からボルト43に螺着されるナット44とを備える。
中間接続部4bにおける第一防振材41、第二防振材42、ボルト43、ナット44は上接続部4aのものと、同様の役割を果たすものであるので、同一の符号を付して説明を省略する。ナット44は上接続部4aと同様に、2重ナットであり、上方に向けて突出しているボルト43に第一のナット45を螺着させて、当該ナットを第二防振材42の上面に当接する位置まで締める。このとき、第一のナット45は工具を用いることなく作業者が手締めすることで、大きなトルクを掛けることなく締め付けて、ボルト頭と第一のナット45とが必要以上に接近することがないようにする。そして、第二のナット46を工具を用いて第一のナット45よりも高いトルクでボルト43に螺着させて締め付け、第一のナット45に圧着させて、第一のナット45と第二のナット46との摩擦力で第一のナット45及び第二のナット46をボルト43の所望の位置に保持する。このように第一のナット45が必要以上にボルト頭に接近しないことで、第一防振材41及び第二防振材42がボルト頭と第一のナット45の間で圧縮されることを抑制することができ、第一防振材41圧縮されすぎて鉄骨階段本体2の振動減衰効果が低下することを抑制できる。
制振装置5は、図1、図2、及び図6に示すように、鉄骨階段本体2に固定されて、鉄骨階段本体2の所定周波数帯域の振動を減衰することができるものであり、本実施形態においては、主として鉄骨階段の1次の固有周波数である20帯域付近の振動を効果的に減衰させることができるマスダンパが好ましい。なお制振装置5は、マスダンパに限定されるものではなく、鉄骨階段本体2に固定されて振動を減衰させることができる様々な制振装置5を適用することができる。
制振装置5は、上水平板部25と下水平板部24との接合部6であり、且つ、踊り場2cの内寄りの位置に配置される。なお、ここで「踊り場の内寄りの位置」とは、鉄骨階段構造1を通過して一階から二階又は二階から一階に行く場合に、動線が短くなる位置、即ち踊り場2cのインコーナーとなる位置をいい、踊り場2cで折り返す折り返し階段において、鉄骨階段本体2の制振装置5を現実的に設置可能な位置の中で最も重心に近い位置をいう。なお、内寄りとは、踊り場2cの奥行き方向の長さの中央よりも上階段2b及び下階段2aに近い位置で、且つ、踊り場2cの幅方向の略中央をいう。
接合部6は、上水平板部25の下水平板部24との突合端縁から垂れ下がる第一垂壁部61と、下水平板部24の上水平板部25との突合端縁から距離を開けて垂れ下がる第二垂壁部62と、両端にフランジ64が形成されて第一垂壁部61と第二垂壁部62との間に架設される架設体63と、架設体63の一端のフランジ64を第一垂壁部61に固定する第一接合ボルト66及び第一接合ナット67と、架設体63の他端のフランジ64を第二垂壁部62に固定する第二接合ボルト68及び第二接合ナット69と、を備えている。これにより上水平板部25の第一垂壁部61と下水平板部24の第二垂壁部62とが、架設体63を介して接合されている。
制振装置5は、架設体63の両端のフランジ64の間に設けられる水平部の上に接着固定される弾性部51と、弾性部51の上に固定される質量部52とにより形成されており、鉄骨階段本体2に歩行などによって振動が発生したときに、当該鉄骨階段本体2の振動の一部を質量部52が肩代わりすることによって、鉄骨階段本体2の振動を低減させる装置である。弾性部51は、ゴム又は樹脂などの弾性を有する材料で形成されており、質量部52は例えば金属ブロックである。なお、弾性部51及び質量部52の材料はこれに限定されるものではなく、弾性部51は必要なバネ定数を確保できる金属バネでもよく、また、質量部52は防振対象物の5%から10%の質量があれば金属以外の材料であってもよい。また、制振部は本実施形態においては水平部の上に固定されているが、質量部52の大きさなどの必要があれば、水平部から下方に垂れ下がるものであっても良い。制振装置5の弾性部51のバネ定数や質量部52の重量は鉄骨階段本体2の重量や低減させる振動の周波数による。本実施形態では、概ね20Hzの振動を抑制するように計算された制振装置5が用いられる。
図7に示すように、本実施形態の鉄骨階段構造1から制振装置5を取り除いた供試体階段構造を用いて、図上「×」で示した地点に衝撃を与え、供試体階段構造の各部の20Hz帯域の振動を計測した。図7では、2点鎖線及び実線で階段段板の一部を示しており、2点鎖線のものが衝撃を与える前の段板の位置であり、実線が衝撃により生じた段板の一次振動モードにおける振動分布を2点鎖線からの変位により示したものである。このように、供試体階段構造は、周波数20Hz帯域の振動が重心に近い位置に集中していることがわかる。すなわち、折り返し階段においては、一次振動モードは、供試体階段構造の中央に近い位置、即ち重心に近い位置で大きく変位する。従って、本実施形態の鉄骨階段本体2は、折り返し階段であり、制振装置5が、踊り場2cの内寄りの位置に配置されることで、大きく変位する位置での振動を抑制することができ、制振装置5がより効果的に働き振動を抑制することができる。
また、制振装置5が固定されるのは、下部ユニット26の下水平板部24と上部ユニット27の上水平板部25を接合して踊り場2cを形成する接合部6であるので、制振装置5が下部ユニット26及び上部ユニット27の両方のいずれの振動に対しても振動を低減する効果を発揮しやすく、このように下部ユニット26及び上部ユニット27に分けることで施工性を向上させた鉄骨階段構造1において、制振構造を固定する部材が接合部6を兼ねることとなるので、部品点数を削減することができ、コストを低減させることができる。
以上のように、本実施形態の鉄骨階段構造1によると、鉄骨階段本体2が第一防振材41を介して構造躯体3に接続されることで、鉄骨階段本体2の振動が構造躯体3に伝搬されることを抑制し、構造躯体3を伝わって、階段の隣室や下階などに歩行音が伝搬することを低減させることができる。そして、鉄骨階段本体2と構造躯体3との間に第一防振材41を介在させることによって、より振動しやすくなる鉄骨階段本体2には、制振装置5を固定することで、鉄骨階段本体2の振動を減衰させて、鉄骨階段構造1の歩行感の悪化を抑制することができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る鉄骨階段構造1は、階段に隣接して形成される屋内空間に歩行音を響かせることが無く、また、鉄骨階段構造1の歩行感を下げることがない鉄骨階段構造1として、好適に用いることができる。
1 鉄骨階段構造
2 鉄骨階段本体
2a 下階段
2b 上階段
2c 踊り場
3 構造躯体
4 接続部
5 制振装置
6 接合部
41 第一防振材
42 第二防振材
43 ボルト
44 ナット

Claims (5)

  1. 少なくとも一端が構造躯体に接続される鉄骨階段本体と、
    前記鉄骨階段本体を前記構造躯体に第一防振材を介して接続する接続部と、
    前記鉄骨階段本体に固定される制振装置と、
    を備えることを特徴とする鉄骨階段構造。
  2. 前記鉄骨階段本体は、下階に繋がる下階段と、上階に繋がる上階段と、前記下階段及び前記上階段を接続する踊り場とを有し、当該踊り場で折り返すように形成された折り返し階段であり、
    前記制振装置は、前記踊り場の内寄りの位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨階段構造。
  3. 前記鉄骨階段本体は、
    前記下階段と、前記下階段の上端に形成された下水平板部とを有する下部ユニットと、
    前記上階段と、前記上階段の下端に形成された上水平板部とを有する上部ユニットと、
    前記下水平板部及び前記上水平板部を接合して前記踊り場を形成する接合部と、
    を有し、
    前記制振装置は前記接合部に固定されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄骨階段構造。
  4. 前記接続部は、前記鉄骨階段本体及び前記構造躯体を、前記第一防振材を挟んで貫通するボルト、及び当該ボルトに螺着するナットにより固定するものであり、
    前記鉄骨階段本体と前記ボルトの頭部又はナットとの間に第二防振材が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の鉄骨階段構造。
  5. 前記接続部は、前記ナットの回転を抑制する緩み止め手段を更に有することを特徴とする請求項4に記載の鉄骨階段構造。
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