JP7089387B2 - 天井構造 - Google Patents

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Description

本発明は、天井構造,特に床衝撃音遮断性能を向上できる天井構造に関する。
一般にマンションなどの共同住宅の天井構造は、スラブ下面と、スラブ下面の下側に配置された天井板とを備えて構成される。
従来、天井板の上に制振体を載置した天井構造が知られている(特許文献1等参照)。当該特許文献1に開示された天井構造では、例えば塩化ビニール樹脂と炭酸カルシウムとを1:3の割合で混成した制振材11を袋体12に収容して構成され、かつ、天井板の重量の80%以上の特殊な制振体を用いている。
特開2017-36549号公報
特許文献1に開示された天井構造では、特殊な制振体を用いているため、コストの面や天井板に加わる重量が過大となる等の問題があり、一般的な天井構造としては採用し難い。
また、スラブ下面と天井板の上面との間の天井裏空間に軽量床衝撃音対策として一般的な不織布やグラスウール等の多孔質繊維吸音材として高密度の吸音材を設けることが知られているが、この場合でも重量床衝撃音遮断性能が低下する。
従って、天井構造においては、建物の上階の床から下階へ伝搬する床衝撃音の遮断性能を向上させることが可能な汎用性の高い天井構造が望まれている。
本発明は、床衝撃音遮断性能を向上できる汎用性の高い天井構造を提供する。
本発明に係る天井構造は、スラブ下面と、スラブ下面の下側に配置された天井板と、スラブ下面と天井板の上面との間の天井裏空間において天井板の上面に設置された密度8kg/m~密度16kg/mの多孔質繊維吸音材と、天井裏空間と床上空間とを流通させる空気流通空間とを備え、空気流通空間は、天井板の端面と付加壁との間に形成された間隔であり、多孔質繊維吸音材は、天井板の上面に設置された当該多孔質繊維吸音材の最上面とスラブ下面との間の空間距離を60mm以上に形成する厚さ寸法の多孔質繊維吸音材であるので、床衝撃音遮断性能を向上できる汎用性の高い天井構造を得ることができ、特に重量床衝撃音遮断性能を向上できる天井構造を得ることができる。
また、多孔質繊維吸音材は、密度8kg/m 、又は、密度16kg/m であることを特徴とする。
また、多孔質繊維吸音材は、不織布、又は、グラスウール、又は、ロックウールであるので、床衝撃音遮断性能を向上できる天井構造を得ることができる。
また、多孔質繊維吸音材の厚さ寸法は、25mmであることを特徴とする。
実施形態1の天井構造を備えた建物を示す縦断面図。 床衝撃音レベルの実験結果を示す数値データ表。 重量床衝撃音レベルの実験結果を示すグラフ。 軽量床衝撃音レベルの実験結果を示すグラフ。
図1に基づいて実施形態の天井構造を備えた建物1について説明する。
建物1は、床構造2と、壁構造3と、天井構造4と、部屋10とを備える。
図1に示すように、床構造2は、床スラブ12と、床スラブ12の上に所定の間隔で配置された複数の支持脚13と、複数の支持脚13の上に形成された床板構成部14と、床スラブ12と床板構成部14との間の空間である床下空間9と床上空間とを流通させる空気流通空間とを備えた、所謂、二重床と呼ばれる構成である。
支持脚13は、床スラブ12上に設置される防振ゴム13aと、下部が防振ゴム13aに取付けられて防振ゴム13aに支持される支柱13bと、支柱13bの上端部に設けられた台座13cとを備えた、防振ゴム13aによる防振機能を有した支持脚である。
支柱13bの上部の外周面は図外の雄ねじ部に形成される。台座13cは、例えば、パーティクルボード、あるいは、構造用合板で形成される。台座13cは、台座13cの上下面に貫通する図外の貫通孔を備え、この貫通孔内には当該貫通孔を上下に貫通する筒体13dが固定され、この筒体13dの内周面は図外の雌ねじ部に形成される。
つまり、支持脚13は、支柱13bの上部の外周面に形成された雄ねじ部の雄ねじと筒体13dの内周面に形成された雌ねじ部の雌ねじとのねじ嵌合により、台座13cが支柱13bに対して上下方向に移動可能に構成され、台座13cのレベル(高さ)を調整して床板構成部14のレベル(高さ)を調整できる構成となっている。
床板構成部14は、支持脚13の上に形成された基材(床パネル)18と、基材18の上に形成された下地材19と、下地材19の上に形成された床仕上げ材20とを備えて構成される。
基材18と台座13cとが図外の固定手段により固定され、基材18と下地材19とが図外の固定手段により固定される。尚、当該固定手段としては、例えば、釘、スクリュー釘、タッカー針、ビス等が用いられる。
基材18は、複数の支持脚13,13…の台座13c,13c…上に載置されて水平面を形成するように並べられ固定手段により台座13cに固定された複数の板材により構成される。基材18を構成する板材としては、例えば、パーティクルボード、構造用合板等が用いられる。
下地材19は、基材18の上に載置されて水平面を形成するように並べられ固定手段により基材18に固定された複数の板材により構成される。下地材19を構成する板材としては、例えば、パーティクルボード、強化パーティクルボード(通常のパーティクルボードよりもプレス圧を大きくして硬く形成されたパーティクルボード)、構造用合板、せっこうボード、珪酸カルシウム板、ガラス繊維不織布入りせっこうボード等を用いられる。
下地材19の上面に床仕上げ材20が取付けられる。床仕上げ材20は、フローリング床材、カーペット、タイル、絨毯、石板、畳等により構成される。
また、支持脚13としては、例えば、図1に示すように、部屋10の壁際に配置される支持脚13Aと、部屋10の中央側に配置される支持脚13Bとを用いる。
支持脚13Aの防振ゴム13aのゴムは、支持脚13Bの防振ゴム13aのゴムよりも硬いゴムが用いられている。例えば、支持脚13Aの防振ゴム13aのゴムとして硬度A70のゴムが用いられ、かつ、支持脚13Bの防振ゴム13aのゴムとして硬度A65のゴムが用いられている。
さらに、壁際に配置される基材18の壁面51に近い部分(壁面近傍部分)の下面に補強材13Xを備え、支持脚13Aが補強材13Xの下方に設置されて、補強材13Xの下面が支持脚13Aにより支持された構成となっている。
当該補強材13Xとしては、例えば、パーティクルボード、木材、石膏ボード、金属、中密度繊維板(MDF (medium density fiberboard))、木質系建材、断熱性建材、樹脂、紙などにより形成されたものを用いればよい。
このように、床板構成部14における部屋10の壁際部分を、硬い防振ゴム13aを備えた支持脚13A、及び、補強材13Xで支持された構成とすることで、箪笥等の重量物が設置される部屋10の壁際部分に位置される床板構成部14の沈み込み防止が図られている。
壁構造3は、例えば、戸境壁(界壁)等の壁50と、当該壁50と対向するように壁50の前方に空気層6を介して壁板としてのせっこうボード70を設けて形成された付加壁75とを備えた、所謂、二重壁である。
付加壁75は、床板構成部14に取付けられた床側ランナー31、天井スラブ41に取付けられた天井側ランナー32、床側ランナー31及び天井側ランナー32に取付けられた複数の下地柱(スタッド)33、下地柱33に取付けられた壁板としてのせっこうボード70、せっこうボード70の表面に設けられたクロス,塗装等の壁仕上げ材71により構成された壁である。
せっこうボード70は、床側ランナー31の凹部及び天井側ランナー32の凹部に建て込まれた複数の下地柱33により形成された下地面34に図外のビス等で取付けられる。そして、下地面34に取付けられたせっこうボード70の表面に壁仕上げ材71が設けられて付加壁75が構築される。即ち、壁50の前方に設けられる壁下地材は、床側ランナー31と、天井側ランナー32と、床側ランナー31及び天井側ランナー32に取付けられた複数の下地柱33,33…とで構成される。
尚、下地面34に取付けられたせっこうボード70の下端側の表面には巾木76が取り付けられる。この巾木76の下端面とせっこうボード70の下端面とがほぼ同一面上に位置される。
また、巾木76の下端面及びせっこうボード70の下端面と床板構成部14の上面とが間隔S1を隔てて離間するように構成される。
壁50の前方に設けられた壁下地材の一部を構成する床側ランナー31、及び、天井側ランナー32は、例えば、長尺な方向と直交する方向に切断された断面が凹形状の長尺材により形成される。即ち、床側ランナー31、及び、天井側ランナー32は、長尺な帯板状の基板(底板)35と、基板35の両方の長辺縁より同じ方向に延長して当該基板に対して垂直又は略垂直に設けられた側板36,37とを有し、当該基板35と両方の側板36,37とで囲まれた凹部を備えた構成である。
天井側ランナー32は、凹部の開口を下に向けて天井スラブ41のスラブ下面41aにおける複数の下地柱33の上端の設置予定位置に配置されて基板35がアンカーボルト等の固定手段39により天井スラブ41に固定される。
図1に示す床構造2は、床施工を先行する床先行工法により構築された床構造であり、当該床構造2の場合、床側ランナー31は、凹部の開口を上に向けて下地材19における壁50に近い端面側の下地材19上における複数の下地柱33の下端の設置予定位置に配置されて基板35がスクリュー釘等の固定手段38により当該下地材19に固定される。そして、床仕上げ材20における壁50に近い端面と床側ランナー31の部屋10側の側板36とが間隔S2を隔てて離間するように構成される。また、基材18及び下地材19における壁50に近い端面と壁50の壁面51とが間隔S3を隔てて離間するように構成される。この場合、当該間隔S3が、床下空間9と床上空間である壁構造3の空気層6とを流通させる空気流通空間として機能する。
上述した間隔S1乃至間隔S3は、例えば、数mm程度に形成される。
尚、床構造2は、壁施工を先行する壁先行工法により構築された床構造であっても良い。壁先行施工により構築された床構造2の場合、床側ランナー31は、凹部の開口を上に向けて床スラブ12上における複数の下地柱33の下端の設置予定位置に配置されて基板35が図外のアンカーボルト等の固定手段により床スラブ12に固定される。そして、床板構成部14における壁50に近い端面と下地柱33の前面(部屋10側の表面)とが間隔を隔てて離間するように構成される。
また、壁構造3は、間仕切り壁であってもよい。
また、壁構造3が二重壁や間仕切り壁ではなく、戸境壁(界壁)等の壁50に対して構築された床構造2であってもよい。
この場合、床板構成部14の床仕上げ材20における壁50に近い端面と壁50の壁面51とが間隔を隔てて離間するように構成される。また、壁面51に取付けられた巾木76の下端面と床板構成部14の上面とが間隔を隔てて離間するように構成される。
天井構造4は、天井スラブ41のスラブ下面41aと、スラブ下面41aの下側に配置された天井板47と、スラブ下面41aと天井板47の上面47aとの間の天井裏空間8に設置された密度8kg/m~密度16kg/mの多孔質繊維吸音材としての不織布15と、天井裏空間8と床上空間とを流通させる空気流通空間とを備えた構成とした。
天井裏空間8と床上空間とを流通させる空気流通空間は、天井裏側において互いに隣り合うように設置された下地柱33,33の間隔により形成された天井裏空間8と床上空間としての壁構造3の空気層6とを流通させる空気流通空間により形成される。
尚、天井裏空間8と床上空間とを流通させる空気流通空間は、天井板47の端面と付加壁75との間に形成されて天井裏空間8と床上空間としての部屋10内と流通させる図外の間隔、又は、天井板47に形成されて天井裏空間8と床上空間としての部屋10内と流通させる図外の貫通孔等により形成してもよい。
天井構造4は、天井スラブ41に設けられた吊ボルト42と、吊ボルト42に取付けられた野縁受保持具としてのハンガー43と、野縁受44と、野縁取付具45と、野縁46とで構成された天井下地構造を備え、この天井下地構造の野縁46に天井ボード、化粧板等の天井板47が取付けられた構造であり、天井スラブ41と天井板47との間の空間である天井裏空間8に多孔質繊維吸音材としての不織布15が設けられている。
天井構造4は、天井スラブ41のスラブ下面41a側に埋設されたインサートナット48に吊ボルト42を締結して吊ボルト42を天井スラブ41のスラブ下面41aより下方に突出するように設け、吊ボルト42にハンガー43を取付け、ハンガー43に野縁受44を取付け、野縁取付具45により野縁46を野縁受44に取付け、そして、野縁46の下に天井板47がビス等で取付けられて構成される。不織布15は、天井板47の上、及び、野縁46の上に載るように敷設される。
また、天井板47の上に設けられた不織布15の最上面15tとスラブ下面41aとの間の空間距離Hが60mm以上になるように構成した。
実施形態の天井構造による床衝撃音遮断性能を確認するための実験を行った。尚、天井構造の床スラブと天井板の構成は、床構造の床スラブと床板構成部との位置関係を上下逆にした構成とほぼ同じであるので、実験用の床構造を作成し、当該床構造の床衝撃音遮断性能を天井構造による床衝撃音遮断性能と見做して評価した。
実験では、床スラブ上に多孔質繊維吸音材として異なる不織布を設けた各床構造、及び、床スラブ上に不織布を設けない床構造を設定し、床板構成部の端面と壁面との間に隙間(床下空間と床上空間とを流通させる空気流通空間)を設けた場合(以下、「隙間あり」という)と、床板構成部の端面と壁面との間の隙間を養生テープで塞いだ場合(以下、「隙間なし」という)とで、これら床構造の重量床衝撃音レベルと軽量床衝撃音レベルとを測定した。
異なる不織布を設けた各床構造は、
・床スラブ上に密度8kg/m、厚さ25mmの不織布を設けた床構造
・床スラブ上に密度8kg/m、厚さ50mmの不織布を設けた床構造
・床スラブ上に密度16kg/m、厚さ25mmの不織布を設けた床構造
・床スラブ上に密度32kg/m、厚さ25mmの不織布を設けた床構造
である。
尚、床衝撃音レベルの測定は、JIS A 1418「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」に示されている衝撃源を用いて行った。測定は固定マイクロホン法を用いて行い、測定対象周波数範囲は1/3オクターブバンド中心周波数50Hz~2500Hzとした。
具体的には、床構造における床板構成部において最も剛性の小さい位置である支持脚間上に位置する床仕上げ材の上面を打撃して、床スラブ階下での衝撃音レベルを測定した。即ち、タイヤ(tire)で床仕上げ材の上面を打撃して重量床衝撃音レベルを測定し、タッピング(tapping)マシンで床仕上げ材の上面を打撃して軽量床衝撃音レベルを測定した。尚、実験用の床構造では、床仕上げ材として合板を用いた。
測定結果を図2,図3,図4に示す。図2(a)は重量床衝撃音の測定結果を示す数値データ表、図2(b)は軽量床衝撃音の測定結果を示す数値データ表、図3(a)は「隙間あり」床構造での重量床衝撃音の測定結果を示すグラフ、図3(b)は「隙間なし」床構造での重量床衝撃音の測定結果を示すグラフ、図4(a)は「隙間あり」床構造での軽量床衝撃音の測定結果を示すグラフ、図4(b)は「隙間なし」床構造での軽量床衝撃音の測定結果を示すグラフである。
測定結果によれば、重量床衝撃音の場合、対象周波数63Hzにおいて、
・吸音材なし(隙間あり)では76.0dB
・不織布8kg/m、厚さ25mm(隙間あり)では73.7dB
・不織布8kg/m、厚さ50mm(隙間あり)では77.3dB
・不織布16kg/m、厚さ25mm(隙間あり)では75.6dB
・不織布32kg/m、厚さ25mm(隙間あり)では77.9dB
であり、吸音材なし(隙間あり)の床構造の場合と比べて、不織布8kg/m、厚さ25mm(隙間あり)、不織布16kg/m、厚さ25mm(隙間あり)の床構造の場合、重量床衝撃音遮断性能が向上することが実証された。
また、測定結果によれば、軽量床衝撃音の場合、対象周波数125Hz~500Hzにおいて、
吸音材なし(隙間あり)(隙間なし)の床構造の場合と比べて、不織布8kg/m、厚さ25mm(隙間あり)、不織布8kg/m、厚さ50mm(隙間あり)、不織布16kg/m、厚さ25mm(隙間あり)の床構造の場合、軽量床衝撃音遮断性能が向上することが実証された。
即ち、実験により、不織布8kg/m、厚さ25mm(隙間あり)、不織布16kg/m、厚さ25mm(隙間あり)の床構造の場合、重量床衝撃音遮断性能、及び、軽量床衝撃音遮断性能が向上することが実証された。
尚、不織布8kg/m、厚さ50mm(隙間あり)の床構造の場合、吸音材なしの場合と比べて、重量床衝撃音遮断性能が悪く、不織布8kg/m、厚さ25mm(隙間あり)の場合、吸音材なしの場合と比べて、重量床衝撃音遮断性能が良い。
これは、実験用の床構造において、床板構成部の下面から床スラブまでの距離が86mmであり、床スラブ上に厚さ25mmの不織布を設けた場合、当該不織布の上面と床板構成部の下面との間の空間距離Hが61mmとなるのに対して、床スラブ上に厚さ50mmの不織布を設けた場合、当該不織布の上面と床板構成部の下面との間の空間距離Hが36mmとなることに起因していると考えられる。
即ち、床スラブ上に設けられた不織布の上面と床板構成部の下面との間の空間距離Hが短い場合、即ち、不織布の上面と床板構成部の下面との間の空間容積が小さい場合には、重量床衝撃音遮断性能は向上せず、床スラブ上に設けられた不織布の上面と床板構成部の下面との間の空間距離Hが60mm以上に形成されて、不織布の上面と床板構成部の下面との間の空間容積が大きい場合に、重量床衝撃音遮断性能が向上すると考えられる。
以上から、次のことがわかる。
天井裏空間8において、天井板47の上、及び、野縁46の上に載るように、密度8kg/m3~密度16kg/m3の不織布15を設け、かつ、不織布15の最上面15tとスラブ下面41aとの間の空間距離が60mm以上130mm以下になるように形成された本発明の天井構造4の場合、建物の上階の床から下階へ伝搬する床衝撃音を低減できるようになる。すなわち、重量床衝撃音遮断性能、軽量床衝撃音遮断性能が共に向上する汎用性の高い天井構造4を実現できる。
即ち、従来、天井裏空間8に設置する多孔質繊維吸音材として、密度の大きいものを用いた方が、遮断性能が良いと考えられていたが、密度の小さいものを用いても良好な床衝撃音遮断性能が得られることが、実験により明らかになった。
尚、上記では、天井裏空間8に、密度8kg/m~密度16kg/mの不織布15を備えた構成の天井構造を例示したが、天井裏空間8に、密度8kg/m~密度16kg/mのグラスウール、又は、ロックウール等のその他の多孔質繊維吸音材を備えた構成の天井構造としてもよい。
4 床構造、8 天井裏空間、15 不織布(多孔質繊維吸音材)、
41a スラブ下面、47 天井板、47a 天井板の上面、
H 不織布の最上面とスラブ下面との間の空間距離。

Claims (4)

  1. スラブ下面と、スラブ下面の下側に配置された天井板と、スラブ下面と天井板の上面との間の天井裏空間において天井板の上面に設置された密度8kg/m~密度16kg/mの多孔質繊維吸音材と、天井裏空間と床上空間とを流通させる空気流通空間とを備え、
    空気流通空間は、天井板の端面と付加壁との間に形成された間隔であり、
    多孔質繊維吸音材は、天井板の上面に設置された当該多孔質繊維吸音材の最上面とスラブ下面との間の空間距離を60mm以上に形成する厚さ寸法の多孔質繊維吸音材であることを特徴とする天井構造。
  2. 多孔質繊維吸音材は、密度8kg/m、又は、密度16kg/mであることを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
  3. 多孔質繊維吸音材は、不織布、又は、グラスウール、又は、ロックウールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の天井構造。
  4. 多孔質繊維吸音材の厚さ寸法は、25mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の天井構造。
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