JP2839234B2 - 吹込み用無機質繊維断熱吸音材 - Google Patents

吹込み用無機質繊維断熱吸音材

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JP2839234B2 JP7199075A JP19907595A JP2839234B2 JP 2839234 B2 JP2839234 B2 JP 2839234B2 JP 7199075 A JP7199075 A JP 7199075A JP 19907595 A JP19907595 A JP 19907595A JP 2839234 B2 JP2839234 B2 JP 2839234B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用の断熱吸音材、
特に壁用断熱吸音材として好適な吹込み用無機質繊維断
熱吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特に、住宅等の外壁と内壁と
の間、天井裏、更には床下等に断熱吸音材を施工する方
法として、断熱吸音材の塊状体を、空気流によって吹込
んで断熱吸音層を形成する吹込み工法が採用されてい
る。この吹込み工法に用いられる断熱吸音材の塊状体と
しては、平均繊維径が7〜8μmの無機質繊維マット
を、ハンマーミル等を用いて不定形の塊状体に切断した
ものが用いられていた。
【0003】しかしながら、上記断熱吸音材では、個々
の塊状体の形状、大きさが不均一であるため、同じ条件
で吹込みを行っても、例えば、比較的大きな塊状体が集
中して堆積した場所と、比較的小さな塊状体が集中して
堆積した場所とが生じることがある。大きな塊状体が集
中した場所は、塊状体間の空隙が大きくなるため、吹込
み密度は低くなる。一方、小さな塊状体が集中した場所
は、塊状体間の空隙が小さくなるため、吹込み密度は高
くなる。
【0004】すなわち、従来の不定形の塊状体を堆積さ
せて形成した断熱吸音層は、密度が均一になりにくく、
したがって、断熱吸音性能にばらつきが生じ、断熱吸音
層全体としての性能が低下するという問題があった。特
に、天井裏に無機質繊維断熱吸音材を吹込む場合、壁用
とは異なり、塊状体を一定の厚さに堆積させるだけであ
るので、上記断熱吸音性能のばらつきが大きく、特に問
題となっていた。
【0005】また、無機質繊維断熱吸音材の塊状体を住
宅等の外壁と内壁との間に吹込んで壁用断熱吸音材とす
る場合には、次のような問題があった。
【0006】図3、4に示すように、住宅の土台21と
梁22との間には、柱23や、間柱24が縦方向に立設
されており、更に筋交い25が柱23と柱23との間に
斜めに立設されている。住宅の外側には、防風シート等
を介して外壁26が取付けられており、室内側には、空
気流による断熱吸音材の吹込み時に、空気を逃がすと共
に、断熱吸音材を保持させるため、ネット27が取付け
られている。ネット27には、ところどころに十字状に
カットしてなるホース導入口28が形成されている。
【0007】そして、ホース30をネット27のホース
導入口28に挿入して、図4中〜の順序で、下から
上へホースを移動させながら、無機質繊維断熱吸音材の
塊状体を外壁26とネット27との間に吹込む。最上部
の部分については、ホース30を反転させて上から下へ
ホースを移動させながら吹込む。こうして、断熱吸音材
を吹込んだ後、でこぼこしたネット27の表面をならし
板で平らにならし、室内側に内装板を貼って断熱吸音材
の施工を終了する。
【0008】しかしながら、不定形の無機質繊維断熱吸
音材の塊状体を壁に吹込む場合、壁の上部は吹込み作業
がしにくいために、断熱吸音材を吹込む量が少なくなり
やすい。すなわち、吹込み密度が低下しやすい。また、
大きな粒径の断熱吸音材の塊状体と塊状体との隙間に、
小さな粒径の断熱吸音材の塊状体が入りこんで、断熱吸
音材の層が経時的に沈降するため、施工後月日が立つ
と、壁の上部に断熱吸音材がない空隙ができて、断熱性
能が著しく低下するという問題があった。
【0009】この対応策として、無機質繊維断熱吸音材
の塊状体を、水系樹脂バインダーと同時に壁内に吹込ん
で、断熱吸音材どうしを接着して沈降しにくくする工法
もなされているが、バインダーの乾燥に数日を要するた
め内壁を施工するまでの工期が長くなり、未乾燥状態で
内壁を施工すると、カビや臭気が発生するという問題が
あった。また、寒冷地においては、施工後に水系樹脂バ
インダーが凍結して水分が蒸発しないため、冬場には施
工できないという問題もあった。
【0010】一方、特開昭55-23098号公報には、平均繊
維径7μm程度のガラス繊維マットを柱状体に切断し、
この柱状体を更にフレーク状に切断することにより、吹
込み密度を低くした場合にも、断熱吸音性能が低下しに
くい吹込み用ガラス繊維断熱吸音材が得られることが開
示されている。
【0011】しかしながら、上記特開昭55-23098号公報
に開示された吹込み用ガラス繊維断熱吸音材において
も、塊状体の大きさを均一にするという着眼がなされて
いないため、吹込み密度のばらつきや、施工後の経時的
な沈降を少なくすることができず、また、塊状体を構成
するガラス繊維の平均繊維径が大きいため、ガラス繊維
断熱吸音材自体の断熱吸音効果が十分でなく、したがっ
て、形成された断熱吸音層全体としての断熱吸音性能が
十分でないという問題があった。
【0012】また、従来の吹込み用無機質繊維断熱吸音
材では、前述したように平均繊維径が大きいため、吹込
み作業時に無機質繊維の粉塵が飛散した場合に、作業者
がチクチク感による不快感を感じやすいという問題もあ
った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、その目的は、吹込み密度のば
らつき、すなわち断熱吸音性能のばらつきが少なく、壁
用断熱吸音材として施工したときに経時的な沈降が無
く、無機質繊維塊状体自体の断熱吸音性能が高く、した
がって、断熱吸音層を形成した場合の性能に優れ、か
つ、吹込み作業時に無機質繊維の粉塵が飛散した場合
に、作業者がチクチク感による不快感を感じにくい吹込
み用無機質繊維断熱吸音材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸音材は、無機質
繊維の塊状体からなる吹込み用無機質繊維断熱吸音材に
おいて、前記無機質繊維の平均繊維径が6μm以下であ
り、前記無機質繊維の塊状体の形状が立方体又は直方体
で、前記無機質繊維の塊状体の大きさが実質的に均一で
あることを特徴とする。
【0015】以下、本発明を好ましい態様を挙げて詳細
に説明する。本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸音材を
構成する無機質繊維としては、グラスウール、ロックウ
ール等を用いることができる。無機質繊維の平均繊維径
は、6μm以下のものを用いる必要がある。平均繊維径
が6μmを超える場合、無機質繊維塊状体自体の断熱吸
音性能が十分でなく、また、吹込み作業時にガラス繊維
の粉塵が飛散した場合に、作業者がチクチク感による不
快感を感じやすい。なお、無機質繊維の生産性と断熱吸
音性能とのバランスから、平均繊維径は4〜6μmであ
ることが好ましい。
【0016】本発明において無機質繊維の塊状体は、無
機質繊維マットを切断して形成するのが好ましい。無機
質繊維の塊状体の形状は、立方体又は直方体とする。立
方体又は直方体以外の三角柱状や球状等の形状の場合、
無機質繊維マットを切断する工程が複雑になって経済的
ではなく、塊状体の大きさを均一にすることが困難にな
るので好ましくない。
【0017】本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸音材
を、天井用に用いる場合には、立方体又はそれに近い形
状とすることが好ましい。天井の場合は、水平面への吹
込みで塊状体を一定の厚さに堆積させるだけなので、立
方体の方が吹込み密度のばらつきが小さくなるからであ
る。
【0018】また、本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸
音材を壁用又は床用に用いる場合には、直方体とするこ
とが好ましい。壁用又は床用の場合は、直方体の断熱吸
音材の方が、断熱吸音材の外壁等と空気抜き用ネットと
の間への所定密度の吹込み後に、柱等の室内側に取付け
た空気抜き用のネットの表面が平滑になりやすく、次工
程の壁材等の取付け作業等に悪影響を及ぼさないからで
ある。なお、直方体とする場合の短辺と長辺の比は、
1:2〜6程度にすることが好ましい。
【0019】本発明においては、無機質繊維の塊状体の
大きさが実質的に均一であることが必要である。ここで
実質的に均一とは、切断時の無機質繊維マットの圧縮及
び復元量のばらつきによる寸法誤差、すなわち無機質繊
維マットの性質上避けられないばらつきは許容されると
いう意味である。具体的には、立方体又は直方体の対応
する一辺の長さの最大値と最小値との比が3:2以内と
なるようにするのが好ましい。ここで対応するとは、特
に直方体の場合に、それらの長辺どうし又は短辺どうし
を比較することを意味している。塊状体の大きさのばら
つきがこの範囲内であれば、吹込み密度のばらつき及び
施工後の経時的な沈降を十分に低減させることができ
る。
【0020】また、無機質繊維の塊状体の大きさは、立
方体又は直方体の一辺の長さが0.3〜3cmとなるように
するのが好ましい。一辺の長さが3cmを超える場合に
は、吹込み場所によって塊状体の積層状態に差ができや
すく、塊状体間の空隙の大きさのばらつきが大きくな
り、吹込み密度が均一になりにくくなる。一方、一辺の
長さが0.3 cm未満の場合には、吹込み密度が高くなり、
所定の厚さの断熱吸音層にするために必要な無機繊維の
塊状体の量が多くなって、経済的に不利となる。
【0021】本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸音材の
製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法に
より製造することができる。
【0022】まず、遠心法又は火炎法によって得られ
た、平均繊維径6μm以下の無機質短繊維に、バインダ
ーを付与し、コンベア上に堆積させ、熱風炉内で加熱、
圧縮して、バインダーを硬化させて無機質繊維マットを
得る。バインダーとしては、フェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂を主成分とするものを使用するのが好ましい。ま
た、バインダーの付与量は、無機質繊維に対して、固形
分として1〜10重量%とするのが好ましい。なお、無機
質繊維マットの密度は、グラスウールの場合は、10〜20
kg/m3 、ロックウールの場合は、40〜60kg/m3 であるこ
とが好ましい。無機質繊維マットの密度が、これらの範
囲を外れた場合、断熱吸音性能が不十分となる。
【0023】次に得られた無機質繊維マットを、実質的
に均一な大きさの立方体又は直方体に切断する。切断す
る方法は特に限定されないが、例えば、無機質繊維マッ
トを搬送ローラ等により搬送しながら、その上部に設け
られたスリッター等によって長さ方向に切断して、柱状
体とした後、搬送経路の終端部に配置された回転刃等に
より切断して立方体又は直方体の塊状体にする。その
後、得られた塊状体を、振動篩上に載せて、粉塵を除去
し、続いて、包装装置等により包装する。なお、このよ
うにして製造する場合、塊状体の大きさは、スリッター
の間隔、搬送ローラの送り速度、及び回転刃の回転数に
よって、適宜変更することができる。また、無機質繊維
マットの製造時に、予め無機質繊維マットの厚さを、製
造しようとする塊状体の一辺の長さにしておくことによ
り、厚さ方向の切断を省略することができるようにして
おくのが好ましい。
【0024】無機質繊維マットの製造工程と、無機質繊
維マットの切断工程とは、連続してして行うこともで
き、別工程として単独で行うこともできる。
【0025】
【作用】本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸音材は、塊
状体の形状が立方体又は直方体であり、かつ、塊状体の
大きさが実質的に均一であるので、吹込みを行って断熱
吸音層を形成した際に、堆積した塊状体間の空隙の大き
さがほぼ均一になって、吹込み密度が均一になり、した
がって、断熱吸音性能が均一となり、断熱吸音層全体と
しての性能が高くなる。また、塊状体の形状が立方体又
は直方体であるので、吹込み作業時に、粉塵の飛散が少
ない。
【0026】また、本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸
音材は、塊状体の形状が立方体又は直方体であり、大き
さも実質的に均一であるため、塊状体間の隙間に上方の
塊状体が落ち込んで沈降することが起こりにくく、特に
壁用の断熱吸音材とした場合に、断熱吸音材が経時的に
沈降して上部に隙間ができるという問題を防止すること
ができる。しかも、施工時にバインダーを必要としない
ので、工期が長くなったり、カビや臭気が発生したりす
ることもなく、寒冷地において冬場でも施工可能であ
る。
【0027】更に、本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸
音材を構成する無機質繊維の平均繊維径は6μm以下で
あって、従来品の平均繊維径より小さいので、同じ密度
の従来品より塊状体内の気孔(繊維間の間隙)が小さ
く、塊状体自体の断熱吸音性能が高く、断熱吸音層全体
としての性能が高くなる。また、平均繊維径が小さいの
で、吹込み作業時にガラス繊維の粉塵が飛散した場合
に、作業者がチクチク感による不快感を感じにくい。
【0028】
【実施例】図1、2には、本発明の吹込み用無機質繊維
断熱吸音材を製造するために、無機質繊維マットを切断
する装置の一例が示されている。
【0029】図1、2において、12は、所定間隔で配
列された搬送ローラであり、矢印イの方向に回転して、
無機質繊維マット11を矢印ロの方向に搬送する。13
は、多数の円形の刃が軸方向に所定間隔で配列された回
転刃であり、矢印ハの方向に回転して、無機質繊維マッ
ト11を所定間隔で縦方向(搬送方向)に切断し、複数
の柱状体14にする。17は、搬送ローラ12による搬
送手段の終端部に配置されたクラッシャーであり、無機
質繊維マット11の終端部下面に配置された固定刃15
と、この固定刃15に摺接するように、矢印ニの方向に
回転する回転刃16とで構成されている。19は、クラ
ッシャー17の下方に配置された振動篩であり、切断形
成された無機質繊維の塊状体18を受けて、粉塵を除去
させながら搬送するものである。
【0030】この切断装置によれば、無機質繊維マット
11を搬送ローラ12によって搬送させると、まず、回
転刃13によって所定間隔で縦方向に切断され、複数の
柱状体14が形成される。そして、搬送ローラ12によ
る搬送経路の終端部で、クラッシャー17の回転刃16
と固定刃15とによって、今度は所定の長さに切断さ
れ、立方体又は直方体状の多数の塊状体18が形成され
る。この塊状体18は、振動篩19に載って振動されな
がら移動し、その間に無機質繊維くずなどの粉塵を除去
される。こうして集められた塊状体18は、図示しない
包装機によって所定重量ずつ包装される。
【0031】また、この切断装置の回転刃13の間隔、
無機質繊維マット11の搬送速度、及びクラッシャーの
回転刃16の回転数を適宜設定することで、塊状体18
を所望とする大きさにすることができる。更に、回転刃
13の上流側又は下流側に水平方向の切断刃を設置し
て、無機質繊維マット11又は柱状体14を厚さ方向に
切断するようにしてもよい。
【0032】実施例1 遠心法により得た平均繊維径5μmのガラスウールから
製造した密度16kg/m3、厚さ2cmのガラス繊維マット
を、図1、2に示した切断装置によって一辺の長さが2
cmの立方体となるように切断して、吹込み用ガラス繊維
断熱吸音材の塊状体を得た。これを実施例品1とする。
【0033】比較例1 遠心法により得た平均繊維径8μmのガラスウールから
製造した密度16kg/m3のガラス繊維マットを、ハンマー
ミルを用いて不定形の塊状体に切断し、吹込み用無機質
繊維断熱吸音材を得た。これを比較例品1とする。
【0034】試験例1 実施例品1と、比較例品1とを、それぞれ、1m四方の
枠内に、空気流によって吹込んで、厚さが20cmになるよ
うに堆積させ、吹込み密度及び熱抵抗を測定した。吹込
みは、実施例品1と比較例品1についてそれぞれ8回行
い、それらの吹込み密度及び熱抵抗の測定値の最大値、
最小値、最大値と最小値との差(R)、平均値を求め
た。それらの結果を表1に示す。
【0035】なお、吹込み密度は、枠内に吹込んだ塊状
体の重量を5倍して、1m3 当たりの密度に換算した。
また、熱抵抗は、JIS A 1412(25 ℃) に準じた方法によ
って測定した。
【0036】
【表1】 (表中、Rは最大値と最小値との差を表す。)
【0037】表1の結果から、実施例品1は、比較例品
1と比較して、吹込み密度及び熱抵抗のR(最大値と最
小値との差)が極めて小さいことから、吹込み密度及び
断熱性能のばらつきが小さいことがわかる。
【0038】また、実施例品1は、比較例品1より、吹
込み密度が小さく、熱抵抗が大きいことから、断熱性に
優れていることがわかる。
【0039】なお、吹込み作業の際、実施例品1は、比
較例品1より、不快感(チクチク感)が少なかった。
【0040】実施例2 遠心法により得た平均繊維径5μmのガラスウールから
製造した密度16kg/m3、厚さ2cmのガラス繊維マット
を、図1、2に示した切断装置によって3辺の長さがそ
れぞれ2cm、1cm、1cmの直方体となるように切断し
て、吹込み用ガラス繊維断熱吸音材の塊状体を得た。こ
れを実施例品2とする。
【0041】実施例3 遠心法により得た平均繊維径5μmのガラスウールから
製造した密度16kg/m3、厚さ2cmのガラス繊維マット
を、図1、2に示した切断装置によって3辺の長さがそ
れぞれ2cm、0.5 cm、0.5 cmの直方体となるように切断
して、吹込み用ガラス繊維断熱吸音材の塊状体を得た。
これを実施例品3とする。
【0042】比較例2 遠心法により得た平均繊維径5μmのガラスウールから
製造した密度16kg/m3のガラス繊維マットを、ハンマー
ミルを用いて不定形の塊状体に切断し、吹込み用無機質
繊維断熱吸音材を得た。これを比較例品2とする。
【0043】試験例2 前記実施例品2、3及び比較例品1、2を用いて、図5
に示す方法で、壁用断熱材としたときの性能を評価し
た。
【0044】すなわち、図5(a)に示すように、420m
m ×2640mm×100mm の大きさの木製の容器41内に、ホ
ース42からそれぞれの断熱吸音材の塊状体を所定密度
となるように空気流によっていっぱいに吹込んだ後、同
図(b)に示すように、容器41の開口部に空気抜きネ
ット43を被せて断熱吸音材を封入する。そして、この
状態での熱伝導率をJIS A 1412(25 ℃) に準じた方法で
それぞれ測定した。
【0045】次に、同図(c)に示すように、この容器
41を立てて、容器41を上下に振幅2mm、振動回数13
50回/分で振動させ、5分、30分、1時間、24時
間、48時間経過後の同図(d)におけるAの距離、す
なわち容器の最上部から吹込んだ塊状体の上面の距離を
測定して、沈降性の大小を評価した。
【0046】この結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】上表の結果から、比較例品1、2は、沈降
度が極めて大きいが、実施例品2、3は、全く沈降しな
いことがわかる。したがって、本発明の吹込み用無機質
繊維断熱吸音材は、施工後に経時的に沈降することがな
く、それによる断熱吸音性能の低下が起こらないと言え
る。また、実施例品2、3は、比較例品1、2と比較し
て、熱伝導率が小さく、断熱性能が優れていることがわ
かる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吹込み用
無機質繊維断熱吸音材によれば、無機質繊維の塊状体の
形状を立方体又は直方体とし、かつ、大きさを実質的に
均一にしたので、吹込み密度のばらつきが小さく、した
がって、断熱吸音性能のばらつきが小さく、断熱吸音層
としての性能が優れている。また、塊状体の形状が立方
体又は直方体であるので、吹込み作業時の粉塵の飛散が
少ない。
【0050】また、特に壁用の断熱吸音材として吹込み
施工した場合、無機質繊維の塊状体が経時的に沈降する
ことがなく、したがって壁の上部に隙間が生じることが
ないので、断熱性能を長期に亙って維持することができ
る。更に、施工時にバインダーが不要のため、工期が短
縮でき、カビや臭気の発生もなく、寒冷地において冬場
でも施工可能となる。
【0051】更に、本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸
音材は、塊状体を構成する無機質繊維の平均繊維径を6
μm以下にしたので、高い断熱吸音性能を得ることがで
きるとともに、吹込み作業時に粉塵が飛散した際の、作
業者の不快感(チクチク感)も少なくなる。
【0052】そして、本発明の吹込み用無機質繊維断熱
吸音材は、従来品と比べて、低い吹込み密度で、高い断
熱吸音性能を得ることができるので、所定の断熱吸音性
を得るために使用する断熱吸音材の塊状体の量を少なく
することができ、経済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吹込み用無機質繊維断熱吸音材を製造
する際の切断装置の一例を示す概略斜視図である。
【図2】同切断装置を示す概略側面図である。
【図3】吹込み用無機質繊維断熱吸音材を住宅の壁に施
工する際の施工状態を示す正面図である。
【図4】図3におけるIV-IV 線に沿った断面図である。
【図5】壁用断熱材としたときの性能を評価するために
行った試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
11 無機質繊維マット 12 搬送ローラ 13 回転刃 14 柱状体 15 固定刃 16 回転刃 17 クラッシャー 18 塊状体 19 振動篩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/76 E04B 1/78 E04B 1/88

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維の塊状体からなる吹込み用無
    機質繊維断熱吸音材において、前記無機質繊維の平均繊
    維径が6μm以下であり、前記無機質繊維の塊状体の形
    状が立方体又は直方体で、前記無機質繊維の塊状体の大
    きさが実質的に均一であることを特徴とする吹込み用無
    機質繊維断熱吸音材。
  2. 【請求項2】 前記立方体又は直方体の対応する一辺の
    長さの最大値と最小値との比が3:2以内とされている
    請求項1記載の吹込み用無機質繊維断熱吸音材。
  3. 【請求項3】 前記立方体又は直方体の一辺の長さが0.
    3 〜3cmである請求項1又は2記載の吹込み用無機質繊
    維断熱吸音材。
  4. 【請求項4】 前記無機質繊維の平均繊維径が4〜6μ
    mである請求項1〜3のいずれか1つに記載の吹込み用
    無機質繊維断熱吸音材。
JP7199075A 1994-11-15 1995-07-12 吹込み用無機質繊維断熱吸音材 Expired - Lifetime JP2839234B2 (ja)

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