JP2004299530A - 自動車用吸音断熱材成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維径が1〜3μmのロックウールを50質量%以上の割合で含む無機繊維を、熱硬化性樹脂を含有するバインダーによりマット状に成形してなる成形体を備えることを特徴とする自動車用吸音断熱材成形体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に使用する吸音断熱材成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車には各所にマット状の吸音断熱材成形体が用いられている。例えば、エンジンームの下面にエンジン保護のために設けられているアンダーカバーに、エンジンの騒音や熱を遮断するためのアンダーカバー用マット状吸音断熱材成形体が取り付けられている。また、ボンネットの裏面にも、エンジンの騒音や熱を遮断するためのフードサイレンサーと呼ばれるマット状吸音断熱材成形体が取り付けられている。更にまた、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルにも、エンジンの騒音や熱の車室への侵入を遮断するためのダッシュサイレンサーと呼ばれるマット状吸音断熱材成形体が取り付けられている。
【0003】
これら自動車の各所に用いられるマット状吸音断熱材成形体として、従来、グラスウールをバインダーを用いてマット状に成形したグラスウールウエブを不織布等の表皮材で被覆してなるものが多用されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開昭58−177781号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マット状吸音断熱材成形体は、一般に、グラスウールウエブと表皮材とを手作業で重ね合わせ、その後バインダーを硬化させて所望のマット状に成形して作製されている。従って、このマット状吸音断熱材成形体の作製に従事する作業者はグラスウールと接触することとなり、作業者各個人により個人差はあるが、作業者には、グラスウールとの接触による刺されたような痛み、痒み、更にはかぶれ等のイリテーション問題が発生しており、それにより吸音断熱材成形体の作製時の作業性が悪化している。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑み、従来のグラスウールを用いたマット状自動車用吸音断熱材成形体に比べて、作業者のイリテーション問題が改善され、作業性も良好に改善されるマット状自動車用吸音断熱材成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、従来のグラスウールは、繊維径10μm以上が一般的で、細いものでも7μm程度であり、繊維端面も平面に近いことを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0007】
即ち、本発明は、上記の目的を達成するために、繊維径が1〜3μmのロックウールを50質量%以上の割合で含む無機繊維を、熱硬化性樹脂を含有するバインダーによりマット状に成形してなる成形体を備えることを特徴とする自動車用吸音断熱材成形体を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動車用吸音断熱材成形体に関して詳細に説明する。
【0009】
本発明の自動車用吸音断熱材成形体に用いるロックウールは、繊維径が1〜3μmのもの(以下、「微細ロックウール」という)である。繊維径が3μmを超えるロックウールではイリテーション問題を解消することはできない。また、この微細ロックウールは、他の無機繊維と混合使用できるが、繊維全量の50質量%以上を占めることが好ましい。微細ロックウールが50質量%未満では、同様にイリテーション問題を解消することができない。尚、併用可能な無機繊維としては、アルミナ繊維、ムライト繊維、セラミック繊維等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0010】
尚、ロックウールの種類には制限がなく、例えば高炉スラグ、電気炉スラグ等の各種冶金スラグや、玄武岩、輝緑岩等の天然岩石や、あるいはこれらの混合物を電気炉やキュポラ等で溶融し、これを遠心力や加圧気体で製綿して得られるロックウールを適宜用いることができるが、繊維径が3〜5μmのものを分取する必要がある。
【0011】
上記の微細ロックウール含有無機繊維は、適当なバインダーによりマット状に成形される。バインダーとしては熱硬化性樹脂が好適であり、従来から繊維質吸音断熱材のマット状成形体のバインダーとして用いられているフェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を適宜用いることができ、中でもフェノール樹脂が好ましく用いられる。バインダーの使用量は、成形体全量の5〜20質量%が好ましい。バインダーが20質量%を超える場合は、相対的に微細ロックウールあるいは無機繊維の含有量が少なくなり、実用的な防音効果や断熱効果が得られない。
【0012】
また、バインダーとしてフェノール樹脂等のホルムルデヒドを放散する可能性のある樹脂を用いる場合は、ホルムアルデヒドの放散を抑制するために、エチレン尿素、アジピン散ジヒドラジド、1,3−ジメチル尿素、サクシンイミド、フタルイミド等のホルムアルデヒド捕集剤を併用することが好ましい。ホルムアルデヒド捕集剤の併用量は、必要に応じて適宜設定することができるが、バインダー全量に対して3〜50質量%が好ましい。
【0013】
本発明の吸音断熱材成形体の作製は、繊維質吸音断熱材として微細ロックウールを用いること以外は従来の方法に従うことができ、一般に次のようにして好適に作製することができる。即ち、微細ロックウールをバインダーを吹き付けながら所定の厚さに積層してフリース状のウエブとし、その表面に手作業で表皮材を重ね合わせ、圧縮、加熱してバインダーを硬化させればよい。表皮材との接合に際し、本発明では微細ロックウールを用いることにより、作業者の不快感を緩和して作業性を向上させることができる。
【0014】
上記において、フリース状のウエブは、その面密度が500〜2000g/m2であることが好ましい。また、圧縮後の成形体の密度は50〜500kg/m3であることが好ましい。
【0015】
尚、表皮材は従来と同様で構わず、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維のニードルマットタイプの不織布が好ましく用いられる。表皮材として用いる不織布の目付けや厚さといった特性は、特に制限されるものではないが、目付けは100〜180g/m2、厚さは1.0〜2.50mmが適当である。また、表皮材は、必要に応じて、吸音断熱材成形体の両面の被覆に用いても、あるいは片面のみの被覆に用いても良い。
【0016】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。尚、下記において、「%」は特記しない限り「質量%」を、「部」は特記しない限り「質量部」をそれぞれ意味する。
【0017】
〔マット状吸音断熱材成形体の作製〕
繊維径が1〜3μmの微細ロックウールを60%含有する綿状繊維に、バインダーとホルムアルデヒド捕集剤とを吹き付け、それを積層して厚さ3mmのフリース状ウエブAを得た。得られたウエブAの面密度は1300g/m2であった。用いた熱硬化性樹脂は、熱硬化性フェノール樹脂(大日本インキ社製「FQ−6388」)100部に硬化促進剤として硫化アンモニウム(30%水溶液)2部、及び中和剤としてアンモニア水(25%水溶液)10部を添加したものであり、フェノール樹脂分が微細ロックウールに対して7%となる量用いた。また、ホルムアルデヒド捕集剤は、大日本インキ社製「ファインテックスFC」(エチレン尿素38〜42%、エチレングリコール6〜8%、残部水)であり、エチレン尿素とエチレングリコールの合計量がフェノール樹脂分に対して10%となる量用いた。
【0018】
〔イリテーション評価試験〕
上記のウエブAから70mm×70mmのサンプルAを切り出し、イリテーション評価試験を行った。この評価試験では、10名の被験者によって、サンプルAを手の甲に押し当てて5〜6秒間こすり、そのときに被験者が感じた感触の程度により評価を行った。感触の程度の評価は、感触の程度を(a)感じない、(b)何となく痒い、(c)少し痒い、(d)かなり痒い、(e)何となく痛い、(f)少し痛い、(g)かなり痛いの7段階とし、評価結果を図1にヒストグラムとして示した。
【0019】
また、比較のために、微細ロックウールに代えて、従来から自動車用吸音断熱材成形体に使用されている繊維径7〜12μmのグラスウールを用いてフリース状のウエブBを作製し、70mm×70mmのサンプルBを切り出して同様のイリテーション評価試験を行った。評価結果を図1に示す。
【0020】
図1に示すように、(f)少し痛い、(g)かなり痛いと感じた被験者数が、微細ロックウールを用いたサンプルAでは1名であったのに対し、グラスウールを用いたサンプルBでは6名と被験者の半数以上が(f)少し痛い、(g)かなり痛いと感じている。一方、(a)感じない、(b)何となく痒いと感じた被験者数が、微細ロックウールを用いたサンプルAでは4名であったのに対し、グラスウールを用いたサンプルBでは1名と少数である。このように、本発明によれば、従来多用されているグラスウールを用いた吸音断熱材成形体の作製時のイリテーション問題が顕著に改善される。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来のグラスウールを用いたマット状自動車用吸音断熱材成形体に比べて、作製者のイリテーション問題が解消され、作業性が大幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるイリテーション評価試験の結果を示すヒストグラムである。
Claims (4)
- 繊維径が1〜3μmのロックウールを50質量%以上の割合で含む無機繊維を、熱硬化性樹脂を含有するバインダーによりマット状に成形してなる成形体を備えることを特徴とする自動車用吸音断熱材成形体。
- バインダーがフェノール樹脂であり、成形体全量の5〜20質量%含有することを特徴とする請求項1記載の自動車用吸音断熱材成形体。
- ホルムアルデヒド捕集剤を含有することを特徴とする請求項2記載の自動車用吸音断熱材成形体。
- 成形体の密度が50〜500kg/m3であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車用吸音断熱材成形体。
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JP2003094787A JP2004299530A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 自動車用吸音断熱材成形体 |
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Cited By (2)
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003094787A patent/JP2004299530A/ja active Pending
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