JP2018035660A - 集合住宅の防音構造及び集合住宅 - Google Patents
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Description
はじめに、本実施例の集合住宅の防音構造Sの全体構成について説明する。集合住宅の防音構造Sは、図1に示すように、第1の構造10と、第1の構造10内に構築される第2の構造20と、によって二重構造とされている。すなわち、本実施例の集合住宅の防音構造Sは、建物のコンクリート躯体に一切接することの無い、躯体と完全に縁を切った「浮フレーム構造体」によって、室内で発生した騒音を1次的に複数枚重ね張りした石膏ボード等によって遮蔽し、躯体と浮フレーム構造体の間に空気層を設け、この空気層とグラスウールの組み合わせによって、2次的に石膏ボード等を透過した主に重低音域の周波数の音エネルギーを減衰させる。そして、本実施例の集合住宅の防音構造Sは、第1の構造10の第1の床11と第1の壁12と第1の天井13の略全面に塗布される真空防音層50をさらに備えている。
次に、フレーム構造体40の構成について説明する。フレーム構造体40は、図3に示すように、主に、角型断面の軽量鉄骨によって形成されて床を構成する床部材41、・・・と、床部材41に立設される柱部材42、・・・と、柱部材42、・・・の上端を結ぶ天井部材43、・・・と、によって構成されている。ドア及びサッシが配置される開口部の箇所には、開口部を囲むように床部材41及び柱部材42が配置されている。さらに、コーナー部分の各部材の接合部には、補強プレート44、・・・が取り付けられており、第1フレーム構造体40A全体の剛性が高められている。各部材41、42、43の断面寸法は、例えば、鋼製の角パイプ50×50×3.2を用いることができるが、スパンが長い場合には、75×75×3.2を用いることが好ましい。補強プレート44は、3.2mmの鋼板を用いることができる。フレーム構造体40は、各部材を所用の寸法に切断した状態で現場に運搬し、現場において溶接又はボルト等によって組立(構築)される。
真空防音層50は、図4の断面図に示すように、基材である第1の床11(第1の壁12、又は第1の天井13)の表面に、真空セラミックス粒子500とバインダー501を含有する混合塗料が塗布されて構成される、第1の層51と、第2の層52と、第3の層53とを備えている。後述するように、塗布方法については特に限定されるものではなく、単一の工程で所定の厚みの層を形成することも可能である。
次に、本実施例の集合住宅の防音構造Sが奏する作用・効果を列挙して説明する。
遮音測定にはサウンドレベルメーターを使用した。試験用のバインダー(分散剤)には水性ウレタン樹脂を使用した。真空セラミックス粒子の混合比は、容積比で塗料容量の4割とした。
バインダーのみ(水性ウレタン樹脂)を2回塗布しても、遮音性能はゼロであった。真空セラミックス粒子とバインダーの混合塗料を「刷毛塗り」とし、1回の塗膜厚は0.12〜0.14mmであった。3回塗りの塗膜で約0.4mmとなった。試験No.1において、無塗装96.5dBが、3回塗布両面で85.8dBへと10.7dB減衰したデータが得られた。試験No.3において、無塗装96.5dBが、3回塗布両面で86.1dBへと10.1dB減衰したデータが得られた。塗膜が完全に硬化乾燥するまでの時間は、遮音性能が充分に発揮されなかった。上記の遮音性能が発揮されるまで72時間以上の硬化乾燥時間を要した。片面8回塗布(塗膜1mm)の場合でも遮音性能は5〜6dB程度であり、塗膜を厚くしても遮音性能はほとんど上昇しなかった。
遮音測定にはサウンドレベルメーターを使用した。試験用のバインダー(分散剤)には水性ウレタン樹脂を使用した。真空セラミックス粒子の混合比は、容積比で塗料容量の4割とした。サウンドレベルメーターのA特性で測定した(空間音圧レベル差)。
刷毛塗りによる塗膜厚は、1回あたり0.1mmから0.13mm程度であった。遮音性能は、2回塗りで5.6dBに達し、3回塗りでも5.7dBであり、8回塗っても6dB(6回塗りでも6dB)であり、真空セラミックス粒子とバインダーの混合塗料による塗膜単体では、1回塗りでは2dBの遮音性能しか発揮できず、2回塗りを行うことで、5.6dBになり、十分な遮音性能が発揮されることが分かった。塗膜の厚みを増しても6dB以上に上昇しなかった。真空防音層による遮音性能は、例えば3回塗布×両面であれば低音域から高音域までの全域において6dB以上の遮音性能を発揮し、1KHz帯前後の中高音域において10dBと、最も高い遮音性能を発揮することが分かった。つまり、真空防音層は、低音域から高音域までの全周波数帯において高い遮音性能があり、さらに中高音域で最もその遮音効果を発揮することが分かった。
タイトル:コンクリート面への塗布試験
測定日時:2017年3月20日
測定機関:ユーロフィン日本環境株式会社
測定箇所:洋室と階段ホールの空間音圧レベル差
測定条件:無塗装箇所と真空セラミックス粒子塗布箇所の比較
塗布方法:エアレスガンによる吹付塗装
バインダー:ウレタン樹脂
塗装下地:コンクリート下地 シーラー塗布
吹付箇所:洋室側躯体のみ塗布(階段ホール側は未塗装)
吹付回数:2回
塗膜総厚:0.4mm以上0.6mm以下
実証試験の結果を以下の表1〜表3に示す。
図10、図11に示すように、塗布面には乳白色の凹凸を確認することができる。図11に示す球形状の凹凸は、それぞれが真空セラミックス粒子であり、その粒径は100μm以下となっている。
(1)本発明の真空防音層の実証試験によって、63Hz〜250Hz帯において1.3dB〜5.5dB遮音性能が向上した。
(2)真空防音層によって、最も性能が向上したのは低音域である125Hz帯で、5.5dB遮音性能が向上した。
(3)真空防音層1層の塗膜厚0.4mmで、日本建築学会が定める遮音性能等級D値において、D−60相当からD−65相当へ上昇した。すなわち遮音性能が約5dB上昇したと言える。
(4)過去の発明による二重防音構造などでは、500Hz以上の周波数帯である中高音域の遮音性能は、重量のあるボードを張り増しするなどの施策によって容易に上昇させることが可能だったが、63Hz〜250Hz帯の低音域の遮音性能を向上させることが極めて困難であった。具体的には、低音域の遮音性能を上昇させるには、二重構造などを採用し、さらに背面空気層を100mmから300mm程度設ける方法しかないと考えられてきた。
(5)これに対して、本発明では、厚さわずか0.4mmの真空防音層によって、二重防音構造の背面空気層を大きくする(室内有効面積を減らす)ことなく、既存の防音構造の弱点である低音域の遮音性能を補完し、周波数帯の全域において効率的に遮音性能を向上させることが出来ることが分かった。
10 第1の構造
11 第1の床
12 第1の壁
13 第1の天井
20 第2の構造
21 第2の床
22 第2の壁
23 第2の天井
31 第1のボード
32 第2のボード
35 真空防音層
40 フレーム構造体
50 真空防音層
51 第1の層
52 第2の層
53 第3の層
500 真空セラミックス粒子
501 バインダー
Claims (8)
- 集合住宅の防音構造であって;
第1の床と、第1の壁と、第1の天井と、から構成される第1の構造と;
前記第1の構造の前記第1の床と前記第1の壁と前記第1の天井の略全面に塗布される真空防音層であって、真空セラミックス粒子を含有する真空防音層と;を備える、集合住宅の防音構造。 - 前記真空セラミックス粒子は、メカノフュージョン法によって製造されることを特徴とする、請求項1に記載された集合住宅の防音構造。
- 前記真空防音層の厚みが、前記真空セラミックス粒子の最大粒子径以上とされていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載された集合住宅の防音構造。
- 前記真空防音層の厚みが、前記真空セラミックス粒子の最大粒子径未満とされている場合に、前記真空防音層の上にさらに塗膜保護塗料が塗布されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載された集合住宅の防音構造。
- 前記真空防音層の厚みは、前記真空セラミックス粒子とバインダーの混合塗料において真空セラミックス粒子の含有率を容積百分率で40パーセントとした場合に、0.20mm以上0.39mm以下となるようにされている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された集合住宅の防音構造。
- 前記第1の構造及び前記真空防音層の内側に構築される第2の構造であって、前記第1の床上に吸音部材を介して打設される浮床コンクリートを有する第2の床と、前記浮床コンクリート上に設置されるフレーム構造体に取り付けられる第2の壁及び第2の天井と、から構成される第2の構造、をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された集合住宅の防音構造。
- 前記フレーム構造体には、前記第2の壁及び/又は前記第2の天井として複数のボードが取り付けられるとともに、前記複数のボード間の隙間に、さらに前記真空セラミックス粒子とバインダーの混合塗料が塗布されることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された集合住宅の防音構造。
- すべての住戸が、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載された集合住宅の防音構造を備える、集合住宅。
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