JP3209625U - 音響施設の内装建材固定用の下地建材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不燃性で形状も変化せず、従来と同様の固定部品によって内装建材を固定することができるとともに、その固定部品の材質を変化させる虞のない、従来に比して廉価な音響施設の内装建材固定用の下地建材の提供を課題とする。【解決手段】 音響施設の室内空間を形成する吸音天井板50等の内装建材は、下地建材42を介してMバー53等のLGS(軽量鉄骨下地)に固定される。下地建材42は、石膏板60と金属製の薄板61とによって構成されている。金属製の薄板61は石膏板60の片面側の全面に接着されている。吸音天井板50を下地建材42に固定するピンネイル54は、金属製の薄板61を貫通して石膏板60に刺さる。下地建材42は、木ネジ等のネジ部材62によってMバー53に固定される。【選択図】 図3

Description

本考案は、ビルディングなどの建築物の内部に敷設されるスタジオ等の音響施設の室内の壁面や天井面を形成する内装建材を固定するための下地建材に関するものである。
従来から、レコーディングスタジオや放送用スタジオ等の音響施設は、その周囲の音が室内に入ることなく、且つ室内の音がその周囲に漏れることがないように防音構造になっており、通常は図4に示したようにビルディングなどの建築物Bの内部に敷設されている。
この建築物Bの内部に敷設されている音響施設Sの構造の一例を図5を用いて以下に説明する。
図5において、1はビルディングなどの建築物Bの床面であり、2はその壁面、3はその天井面である。
音響施設Sの床は一般に浮床構造になっており、建築物Bの床面1上に複数個の防振ゴム11を配設して、その上に、荷重材兼防音材である浮床材12を載置し、さらにその上に、フローリング材やタイルカーペット等の仕上げ床材10が配設されている。
この荷重材兼防音材である浮床材12は、一般に、合板材上にコンクリート材を積層して構成したり、その上に合板材をさらに積層して構成したりするものであり、この浮床材12と建築物Bの床面1との間の空間には、複数個の防振ゴム11の他、グラスウール13等の吸音材が空いている空間内を埋めるように配設されている。
20は遮音壁板、30は遮音天井板であり、この遮音天井板30と遮音壁板20と浮床材12で構成される床とによって囲まれた空間はその外部の音の影響は受けず、またこの空間の内部の音は外部に漏れないように構成されている。
遮音壁板20は、軽量鉄骨下地(Light Gage Steel:以下「LGS」と呼ぶ)であるスタッド21に固定されており、このスタッド21は、浮床材12からなる床面と、防振ゴム22を介して建築物Bの壁面2とによって支持されている。
以上のような遮音天井板30,遮音壁板20,浮床材12によって囲まれている遮音空間の内部に、この音響施設Sの利用者が実際に使用する室内空間が形成されている。
この室内空間は、透音性のあるクロスパネル等の内装建材によって構成される吸音天井板50および吸音壁板40と仕上げ床材10とによって形成されている。この室内空間を形成する吸音天井板50および吸音壁板40と、遮音天井板30および遮音壁板20との間に形成される空間は、室内音響調整空間として使用されている。
室内音響調整空間とは、この音響施設Sの利用者が室内空間で発生させる肉声や音楽などの「音」が、室内空間にいる人間に対して「自然な音」に聞こえるように室内での残響音等を調整するための空間であり、この室内音響調整空間には、吸音材であるグラスウールや反射材であるレンガや所謂「サウンドトラップ」等の部材が適宜配置されている。
室内空間を形成している内装建材である吸音壁板40は、室内壁面の装飾性を確保するために細い釘やピンネイルのような固定部品によってこの吸音壁板40を固定することができる内装建材固定用の下地建材42を介して、この室内空間の周囲に配設されているLGSであるスタッド41に固定されている。
また、吸音天井板50は、同様に、下地建材42を介してLGSであるMバー53に固定されている。このMバー53は、LGSであるCチャンネル52に固定されており、このCチャンネル52は防振ハンガー51を介して遮音天井板30や建築物Bの天井面3などの上部の構造物に吊り下げられた状態で支持されている。すなわち、室内空間を形成する天井は、所謂「吊り天井」となるように構成されている。なお、吸音天井板50の上部に位置する遮音天井板30も、その上部に位置する建築物Bの天井面3に吊り下げられた状態で支持されている。
以上のように構成された音響施設Sにおいて、従来は、内装建材である吸音天井板50や吸音壁板40を固定する下地建材42としては、図6に示すように、薬剤処理をした不燃性の木材を板状に加工した木板が使用されていた。
このような木板が下地建材42として使用されている理由は、先に説明したようにピンネイル54のような固定部品によって吸音天井板50などの内装建材を固定することが出来るという理由の他、防火対策上から不燃性建材を用いなければならないという法的規制にも適合するからである。さらに、金属ではない木材を下地建材42とすることにより、音響施設Sの室内空間で音を発生させた場合、その音の空気振動に起因する、スタッド41やMバー53などのLGSと下地建材42との接触面での所謂「ビビリ音」の発生を防ぐことができるという理由もある。
しかしながら、以上説明した音響施設Sの内装建材を固定する下地建材42として、従来のような不燃性の木板を使用した場合には、以下のような問題があった。
先ず木板の素材は天然木であるので、「伸び」「縮み」「反り」等による形状の変化を防ぐことができず、その使用時において不都合が生じる場合がある。
また、この木板は、不燃性にするための薬剤処理が施されているために、その使用している薬剤によっては、ピンネイル54などの固定部品の材質が変化して、その強度等も変化してしまう虞がある。さらに、不燃性にするための処理が必要なので、下地建材42の価格がその分だけ高価になってしまうという問題もあった。
以上の問題を解消するために本考案は、ビルディングなどの建築物の内部に敷設されるスタジオ等の音響施設の室内の壁面や天井面を形成する内装建材を固定するための音響施設の内装建材固定用の下地建材であって、直方体の石膏板の前記内装建材に対向する片面側の全面に、金属製の薄板が接着されていることを特徴とするものである。
本考案によれば、不燃性で形状も変化せず、従来と同様の固定部品によって内装建材を固定することができるとともに、その固定部品の材質を変化させる虞のない、従来に比して廉価な音響施設の内装建材固定用の下地建材を提供することができる。
本考案の実施例1の構成を示す斜視図である。 本考案の実施例1の使用方法の説明図である。 本考案の実施例1の使用方法の説明図である。 従来の音響施設Sの説明図である。 従来の音響施設Sの構成図である。 従来の内装建材固定用の下地建材の構成の説明図である。
以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。
図1は、本考案の実施例1の構成を示した斜視図である。
図1に示したように、本実施例1に係る下地建材42は、板状すなわち直方体の石膏板60と金属製の薄板61によって構成されている。
この石膏板60は、一般に市販されている厚さ9.5mm〜21mm程度の石膏ボードを切断して作成したものである。また、金属製の薄板61は、一般に市販されている厚さ0.27mm〜2.0mm程度の亜鉛鋼板等の金属製の薄板を切断して作成したものである。この金属製の薄板61は石膏板60の片面側の全面に接着剤を用いて固定されている。
本実施例1を実際に作成する場合には、材料となる一般に市販されている石膏ボードの片面側の全面に金属製の薄板61を接着剤を用いて予め固定しておき、その金属製の薄板61が固定されている石膏ボードを、下地建材42として使用する長さや幅に切断して作成すればよい。
以上のように構成された本実施例1は、石膏板60と金属製の薄板61という不燃性の材料のみによって構成されており、また、天然の木材とは異なりその形状が変化するようなこともない。
ここで、本実施例1を使用する場合には、図2に示したように、金属製の薄板61が固定されている面が、吸音天井板50などの内装建材に対向するようにして使用する。このように使用すれば、Mバー53などのLGSと接触するのは本実施例1の石膏板60であるので、この接触部分での所謂「ビビリ音」の発生を防ぐことができる。
図3に示すように、本実施例1に係る下地建材42をMバー53などのLGSに固定する場合には、従来と同様に木ネジやタッピングネジなどのネジ部材62によって固定することができる。また、吸音天井板50などの内装建材を本実施例1に固定する場合も、従来と同じようにピンネイル54のような固定部品によって内装建材を固定することができる。
図3に示したような状態で本実施例1を使用すれば、ピンネイル54は、吸音天井板50などの内装建材および金属製の薄板61を貫通した状態で石膏板60に刺さる。石膏板60のみにピンネイル54を刺した場合には、ピンネイル54は容易に抜けてしまうが、このように金属製の薄板61が固定されている石膏板60にピンネイル54を刺した場合には、ピンネイル54は容易には抜けない。さらに、本実施例は、石膏板60と金属製の薄板61とによって構成されているので、ピンネイル54などの固定部品の材質を変化させることもない。
以上説明した本実施例1は、一般に市販されている石膏ボードと金属製の薄板とによって容易に作成することができるので、従来の手間と時間がかかる不燃処理を施した木材を材料とした下地建材に比して廉価に作成することができる。
本考案に係る下地建材は、音響施設の内装建材固定用の下地建材として好適であるが、一般住宅の内装建材固定用の不燃性の下地建材としても使用することができる。
1 床面
2 壁面
3 天井面
10 仕上げ床材
11,22 防振ゴム
12 浮床材
13 グラスウール
20 遮音壁板
21,41 スタッド
30 遮音天井板
40 吸音壁板
42 下地建材
50 吸音天井板
51 防振ハンガー
52 Cチャンネル
53 Mバー
54 ピンネイル
60 石膏板
61 金属製の薄板
62 ネジ部材
B 建築物
S 音響施設

Claims (1)

  1. ビルディングなどの建築物の内部に敷設されるスタジオ等の音響施設の室内の壁面や天井面を形成する内装建材を固定するための音響施設の内装建材固定用の下地建材であって、直方体の石膏板の前記内装建材に対向する片面側の全面に、金属製の薄板が接着されていることを特徴とする音響施設の内装建材固定用の下地建材。
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