JP2017105433A - 船舶用浮き床パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】防火構造を有し、かつ、規定値以上の防音性能を有する構造の船舶用浮き床パネルを提案する。
【解決手段】船舶用浮き床パネル100は、鋼板13の下部に、互いに密度の異なる無機繊維質成形体11、12により形成される区画を隣接及び/又は交互に配置する。無機繊維質成形体のうち、低密度の前記無機繊維質成形体11はその繊維配向方向を鋼板の上面に対して平行に配置し、高密度の無機繊維質成形体12はその繊維配向方向を前記鋼板の上面に対して水平又は垂直に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶用浮き床パネル、主に船舶の居住区等に使用される浮き床パネルに関し、特に防音構造に特徴を有する浮き床パネルに関する。
国際海事機関(IMO)において、船員の健康の保持及び作業環境の向上を目的として、船内の騒音に対する規制は船内騒音コードに基づき、騒音レベルを基準値以内に抑えることが推奨されてきた。その後、第91回海上安全委員会において、船内騒音コードの改正と当該コードを強制化する改正が採択され、2014年7月1日に発効した。
船舶において、騒音源から発生した騒音は空気中及び固体中の二つの伝播経路を介して船内各部へ到達する。このうち、空気中を伝播するものを空気伝播音、振動として船体構造を伝播して床、壁及び天井のパネルを振動させ、それが空気を振動させて音となるものを固体伝播音という。空気音については、透過損失の大きな材料による遮音と吸音材による吸音、固体音については、防振材による弾性支持や弾性継手ならびに船体の不連続構造部による振動エネルギーの遮断、制振材やブロッキングマスの取付けによる振動エネルギーの減衰、構造の剛性強化による振動振幅の減少等が騒音対策の基本となる。船舶では、固体音の伝播による影響が大きいため、騒音対策は固体音中心となる。
船舶では機関室内にディーゼル主機や発電機関が集中して設置されるため、その直上甲板上に設置される部屋においては、床からの防音対策が特に重要である。遮音性を向上させるため、一般にセメントやデッキコンポジション等が施工される。また、吸音性を向上させるため、ロックウール等を敷設する場合もある。さらに、音源室直上の部屋などで固体音が大きな場所では、床又は床と壁に制振材を施工するか、ロックウール等を用いた浮き床構造が有効であると考えられている。
このような浮き床構造のパネルは、種々提案されている。例えば、特許文献1に係る発明は、下面が開口した平箱状の鋼板の下部に、無機質繊維板を嵌入するとともに接着剤を介して接合した浮床パネルであって、鋼板の開口縁辺の下縁から外側に向かってつめを突設し、このつめを介して隣接した浮床パネルと連結するもので、床パネルを構成する無機質繊維板は、繊維配向性を有するロックウール又はガラス繊維であり、繊維配向方向が鋼板上面に対して垂直にすることにより、施工時に目地段差をなくし、パネルの水平を保つことができ、表面からの圧縮荷重に対して沈み込みを小さくすることができる船舶用の浮床パネルを提案している。また、特許文献2に係る発明は、船室の騒音を低減するため、内装壁・天井の振動を効果的に低減する内装施工法の一形式で、内装壁・天井を箱形に組んで浮床上で一括支持する方式であって、箱体のコーナー部には船体動揺に対する揺れ止め治具を取り付け、さらに船体の鋼板面には断熱効果と放射音の遮音・吸音効果をねらって高密度のロックウールボードを取り付ける船室内装の一括防振工法を提案している。
一方、欧州において、船舶用の浮き床構造の製品が提案され、流通している。図14は、欧州の浮き床製品の構造を示す図である。図14(a)は、デンマークのスキャンヴィブラ社製のDLP浮き床と呼ばれる製品X1の構造を示す図である。非特許文献1によると、製品X1は、五層構造であり、鋼板デッキの上に、50mmのロックウールと、3mmの鉄板と、1mmの粘弾性層と、2mmの鉄板とが順次重畳してなる。図14(b)は、スウェーデンのスウェディッシュ・アコースティック・イノベーション社製の甲板被覆システムSwedac U‐10と呼ばれる製品X2の構造を示す図である。非特許文献2によると、製品X2は、三層構造であり、8mmの鋼板デッキの上に1.5mmの粘弾性層と、20mmのラテックスコンクリートとが順次重畳してなる。図14(c)は、デンマークのウェバー・セイント‐ゴバイン社製の音響減衰システムSwedac Weber A‐60 Combiと呼ばれる製品X3の構造を示す図である。非特許文献3によると、製品X3は、六層構造であり、8mmの鋼板デッキの上に、1〜1.5mmの粘弾性層と、15mmの弾性セメント混合繊維強化合成物と、50mmの耐火材と、粘弾性層と、鉄板とを順次重畳してなる。本発明に係る浮き床パネルと、これら製品X1、X2、X3とを比較検証しており、詳細は後述する。
特開1001−213386号公報 特開平8−207886号公報
TECHNICAL REPORT "Acoustic properties of deck coverings DLP floating floor" Ulrik M. Rasmussen, 2012 "Sound Insulation Properties of Swedac Deck Covering Systems" Swedish Acoustic Products Innovation AB, 1999 Catalog "Sound insulation of Floors" Weber Saint-Gobain
ところが、特許文献1に係る浮床パネルについて、床パネルを構成する無機質繊維板は、繊維配向性を有するロックウール又はガラス繊維とし、繊維配向方向が鋼板上面に対して垂直にしているため、空気伝播音は繊維配向方向に沿って伝わりやすく、また隣接するパネル同士の位置合わせのためにつめを配置しなければならない。特許文献2に係る浮き床パネルは、上述した船内騒音コードの改正に伴う基準からすると、不十分な可能性が高い。
また、上述した欧州で流通している製品X1、X2、X3は、いずれも減衰層等多層化した構造であり、高コストという問題点を有する。
さらに、現在、船舶に施工されている甲板上の床材は、空気遮断性能の規定がさほど厳しくなかったことから、防火材料ではあるが、防音性能についてはほとんど付加されていない材料が使用されている。しかし、今後は、上述した船内騒音コードの改正とその強制に合わせて、規定値以上の防音性能を有し、防火対策と騒音対策の両方の認定が必要である。以上のような現状に鑑み、防火構造を有し、かつ、規定値以上の防音性能を有する構造の船舶用浮き床パネルを提案する。
本発明に係る船舶用浮き床パネルは、鋼板の下部に、互いに密度の異なる無機繊維質成形体により形成される区画を隣接及び/又は交互に配置したことを特徴とする。なお、無機繊維質成形体のうち、少なくとも低密度の無機繊維質成形体はその繊維配向方向を前記鋼板の上面に対して平行に配置すると空気音遮断性能を増すことができる。なお、高密度の無機繊維質成形体はその繊維配向方向を鋼板の上面に対して水平に又は垂直に配置することができる。
また、低密度の無機繊維質成形体は、密度が80〜100kg/mのロックウールであり、高密度の無機繊維質成形体は、密度が少なくとも100kg/m以上のロックウールである。さらに、高密度の無機繊維質成形体の配設比率は、全体の20〜40%であると、固体音遮断性能と耐荷重性能のバランスが好適となる。なお、低密度の無機繊維質成形体を、密度が80kg/mのロックウールとし、高密度の無機繊維質成形体を、密度が240kg/mのロックウールとして、高密度の無機繊維質成形体の配設比率を全体面積の28.29%になるような浮き床パネルとすれば、良好な遮音性能を有し、鋼板の上面にセメントやデッキコンポジション等を施工する必要がない、この場合、低密度の無機繊維質成形体及び高密度の無機繊維質成形体の繊維配向方向は、上面に対して平行とする。
本発明に係る防音室は、前述した浮き床パネルを床面に用い、吸音材と該吸音材を挟持して貼着した二枚の遮音材とが積層一体化した防音パネルを壁面に用いたものであることを特徴とする。詳細には、壁面が、該防音パネル同士の突き合わせ構造とし、一方の突き合わせ面に凸部が形成され、他方の突き合わせ面に凸部に合致する凹部が形成されており、凸部と凹部が嵌合することにより複数の防音パネル同士が接合された構造を備えたものであることを特徴とする
配設された低密度の無機繊維質成形体によって、固体伝播音の振動を抑制し、さらに少なくとも低密度の無機繊維質成形体の繊維配向方向を鋼板の上面に対して水平にすることにより空気伝播音を抑制することができる。ひいては、船内騒音コードの改正に対応した本発明に係る船舶用浮き床パネルは、長年軽視されてきた騒音に関する船員の健康被害を軽減することができる。
また、パネル表面にかかる圧縮荷重に対して、配設された高密度の無機繊維質成形体によって沈み込みを小さくすることが可能になる。さらに、遮音性を向上させるため、鋼板の上面にセメントやデッキコンポジション等を施工する必要がなく、施工手間やコストを低減することができる。
本発明に係る船舶用浮き床パネル100の概略断面図である。 本発明に係る船舶用浮き床パネル100の概略平面図である。 本発明に係る浮き床パネル100の振動伝達率の性能を測定した測定試験時の状態を簡単に示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。 振動低減性能を低周波数レベルで算出した表1に基づくグラフである。 振動低減性能を高周波数レベルで算出した表2に基づくグラフである。 本発明に係る浮き床パネル100の空気遮音効果を示す表とグラフである。 本発明に係る防音パネル100の挿入損失を測定したときの、10tトラックの荷台に浮き床パネル100を配置した状態を示す図(a)と、(b)は平面図、(c)は正面図である。 10tトラックの荷台に配置された本発明に係る船舶用浮き床パネル100の概略平面図である。 挿入損失を算出した表3及び4に基づくグラフである。 本発明に係る浮き床パネル100と欧州の製品との挿入損失を比較したグラフである。 本発明に係る防音室300の防音効果を測定したときの、10tトラックの荷台に防音室300を配置した状態を示す図(a)と、(b)は正面図、(c)は平面図である。 本発明に係る防音室300の防音パネル210と浮き床パネル100の配置を示す概略断面図である。 本発明に係る防音室300に関する騒音の変化を示すグラフである。 欧州の浮き床製品X1、X2、X3の各構造を示す図である。 本発明に係る浮き床パネル130の空気伝播音に係る性能評価を行った時の浮き床パネル130の配置を示した図で、(a)は地下室に音源室を設けた音響室の正面断面図、(b)は受音側の平面図である。 実施例3に係る浮き床パネル130の概略平面図である。 準音響透過損失を算出した表5に基づくグラフである。
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は、本発明を理解するために誇張して表現している場合もあり、必ずしも縮尺どおり精緻に表したものではないことに留意されたい。なお、本発明は下記に示される実施例に限られるものではない。
実施例1を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る船舶用浮き床パネル100の概略断面図である。図2は、本発明に係る船舶用浮き床パネル100の概略平面図である。なお、図2は、鋼板13を取り外して描いている。
本発明に係る船舶用浮き床パネル100は、鋼板13の下部に、互いに密度の異なる無機繊維質成形体11、12により形成される区画を隣接及び/又は交互に配置したことを特徴とする。より詳細には、鋼板13の下部に、低密度の無機繊維質成形体11により形成される区画と高密度の無機繊維質成形体12により形成される区画とを隣接及び/又は交互に配置したことを特徴とする。なお、船舶用浮き床パネルとして仕様には、無機繊維質成形体は不燃性材料からなることが要求される。図1及び2を参照すると、本発明に係る浮き床パネル100は、低密度のロックウール11と高密度のロックウール12とを適切に組み合わせた緩衝体の上に鋼板13を配置して構成したものである。
なお、少なくとも低密度のロックウール11の繊維配向方向は、鋼板13の上面に対して平行であるようにするとよい。空気音遮断性能を増すことができるからである。なお、低密度のロックウール11は、密度が80〜100kg/mのロックウールであると固体音遮断性能を増すことができるとともに、不燃性材料であるので好適である。
高密度のロックウール12は、密度が少なくとも100kg/m以上のロックウールであると好適である。高密度のロックウール12の繊維配向方向は、鋼板13の上面に対して垂直であるようにするとよい。高密度のロックウール12の繊維配向方向を鋼板13の上面に対して垂直にすることにより、バネ定数が大きくなり、浮き床パネル100の表面全体にかかる圧縮荷重に対する変形を最小にし、浮き床パネル100全面において沈み込みを小さくすることができる。なお、耐荷重試験において、高密度のロックウール12の繊維配向方向を、鋼板13の上面に対して水平にしても有効な数値を得ていることから、高密度のロックウール12の繊維配向方向は水平又は垂直にすることができる。
再度、図2を参照する。図2(a)は、浮き床パネル100の例として、低密度のロックウール11の配置に対して、高密度のロックウール12は飛び石に配置した構造のもの100a(以下、タイプAと呼ぶ)を示している。一方、図2(b)は、浮き床パネル100の例として、低密度のロックウール11の配置に高密度のロックウール12は隣接して二列で連続的に配置した構造のもの100b(以下、タイプBと呼ぶ)を示している。図2に示す、低密度のロックウール11と高密度のロックウール12の配置は一例であり、限定されない。なお、高密度のロックウール12の配設比率は、全体の20〜40%であると、固体音遮断性能と耐荷重性能のバランスが好適となる。
固体伝播音及び空気伝播音について実験を行った。以下、試験の測定結果を説明する。測定は下記条件の下、地方独立行政法人 鳥取県産業技術センター(鳥取市若葉台南7丁目1−1)において実施された。ここで、試験に使用される浮き床パネル100の試験体として、ロックウール(密度100kg/m品)の配置の違いにより二つのタイプ、すなわちタイプAとタイプB、さらに厚みの仕様を44.2mmと69.2mmの二つの厚みで、四種類のものを用意した。なお、当該厚みの仕様については、船体の床を想定した鋼板(6mm)の上に、本発明に係る浮き床パネル100を敷いて、その上にデッキコンポジション(10mm)を塗設して、実際の船舶に使用される構成を模した。より詳細には、試験体1はタイプAの浮き床パネル100を用いてその寸法を1780mmx880mmx44.2mmとした。試験体2はタイプBの浮き床パネル100を用いてその寸法を1780mmx880mmx44.2mmとした。試験体3はタイプAの浮き床パネル100を用いてその寸法を1780mmx880mmx69.2mmとした。試験体4はタイプBの浮き床パネル100を用いてその寸法を1780mmx880mmx69.2mmとした。
まず、固体伝播音に係る試験について説明する。再び、図2を参照する。図2に示すとおり、浮き床パネル100a、100bはタイプAであってもタイプBであっても、いずれも大半をロックウール(密度80kg/m品)、一部にロックウール(密度200kg/m品)とし、これらを組み合わせて配置している。図2(a)に示すタイプAにおいては、図に向かって上下二列にロックウール(密度200kg/m品)片を飛び石のように配置し、図2(b)に示すタイプBにおいては、図に向かって上下二列にロックウール(密度200kg/m品)片を連続して配置している。
図3を参照する。図3は、本発明に係る浮き床パネル100の振動伝達率の性能を測定した測定試験時の状態を簡単に示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。図3を参照すると、本試験においては、同試験室にあるテーブルリフタLの中央に振動体鋼板V(1219mmx2438mmx6mm)を配置し、浮き床パネル100の各試験体1〜4は振動体鋼板Vの中央に、図面に向かって横向きに横臥して配設されているのが理解されるであろう。そして、図面に向かって左手のテーブルリフタL上に軽量床衝撃音発生装置S及び重量床衝撃音発生装置Tが横臥した浮き床パネル100の各試験体1〜4に対向するように配設されている。軽量重量床衝撃音発生装置Sならびに重量床衝撃音発生装置Tが発する振動は、加速度ピックアップを所定の位置数点に設置し計測された。すなわち、テーブルリフタLの上(ch−2)、振動体鋼板Vの上(ch−3)、横臥した浮き床パネル100の各試験体1〜4の上面中央(ch−4)である。本試験においては、船舶の構造体を想定して振動体鋼板Vを用いた。ch−2は船舶の振動と、ch−3は船舶につながる鋼板床の振動と、ch−4は鋼板床につながる浮き床パネル100の各試験体1〜4の振動と仮定する。なお、テーブルリフタから離間した位置(ch−1)においても振動は計測されているが、後述する測定結果での検討からは除外した。
横臥した浮き床パネル100の各試験体1〜4の測定結果を説明する。

測定年月日:平成27年9月1日
試験装置:重量床衝撃音発生装置(バングマシン リオン社FI02)
軽量床衝撃音発生装置(タッピングマシン リオン社FI01)
測定装置:音響環境測定装置
加速度ピックアップ(ブリュエル・ケアー社4383)
チャージコンディショニングアンプ(ブリュエル・ケアー社NEXUS)
計測フロントエンド(ブリュエル・ケアー社3050-A-060)

Figure 2017105433
Figure 2017105433
本試験の測定結果は、試験体別振動低減性能で検討する。
図4は、浮き床パネル100の各試験体1〜4に、重量床衝撃音発生装置Tを用いて低周波の振動を発生させた場合のch−3(鋼板床振動)とch−4(浮き床パネル振動)の振動加速度の差を算出し、当該差を振動低減性能としてdBで示した図である。図5は、浮き床パネル100の各試験体1〜4に、軽量床衝撃音発生装置Sを用いて高周波の振動を発生させた場合のch−3(鋼板床振動)とch−4(浮き床パネル振動)の振動加速度の差を算出し、当該差を振動低減性能としてdBで示した図である。図4は表1に基づく折れ線グラフであり、図5は表2に基づく折れ線グラフである。なお、ch−2(船舶振動)よりch−3(鋼板床振動)が大きくなっており、船舶相当と鋼板床相当が固定されていないため増幅されていると考える。
図4と図5を検討すると、図5に係る低周波部分、すなわち20Hz〜125Hzについては、図4に係る低周波部分とが略一致するため、当該試験は略有効なものと考えられる。
より詳細には、試験体1は、図4を参照すると、40Hzでは7.2dbで他の試験体より振動低減効果が認められるが、それ以外の周波数では他の試験体と変わらない。試験体2は、100Hzで他の試験体に比較して振動低減効果に欠ける。試験体3は、32Hz〜100Hzまでは、他の試験体に比較して振動低減効果はやや良好で、125Hzでは他の試験体よりもかなり良好であるものの、10000Hzでは他の試験体に比較すると劣る。試験体4は、試験体3と略同じか、いくつかの周波数によってはやや劣っていることがわかる。試験結果として、船舶の騒音対策として最も対応すべき125Hz〜800Hzにおいて、ch−3(鋼板床振動)とch−4(防音パネル振動)との差はいずれの試験体101〜104においても、9.0〜25.6dBあり、防振効果が認められる。なお、試験体の中では試験体3に係る浮き床パネル103が比較的良好な防振効果があったといえる。
次に、空気伝播音に係る試験について説明する。
以下、詳細に試験の測定結果を説明する。測定は下記条件の下、地方独立行政法人 鳥取県産業技術センター(鳥取市若葉台南7丁目1−1)において音響透過損失測定(中心周波数63Hzから10KHz、1/3オクターブ)が実施された。ここで、当該試験は、上記固体伝播音に係る試験で用いた試験体と同じ試験体1〜4を用いて測定を行った。
浮き床パネル100の空気伝播音に係る試験の測定結果を説明する。
測定年月日:平成27年9月1日
受音室:残響室
音源室:音源室
温度:27℃
湿度:72.0%
気圧:1006.0hPa
試料面積:1.56m
試料面密度:105.10kg/m

なお、試験装置及び試験方法はJISA1416に準拠している。遮音性能は、JIS A 1416「 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」を用い、重みつき音響透過損失Rwは、測定によって得られた結果を、基準曲線を用いて評価する。また、Rw(重み付き評価)、Rr(等級曲線による評価)、Rm(平均値による評価)及び便宜的にRr数(Rrを 1dB間隔で評価した値)で評価した。図6の図中の表は浮き床パネル100の試験体1〜4の遮音性能の測定結果を表しており、図中のグラフは、本発明に係る浮き床パネル100の試験体1〜4の遮音性能を音響透過損失により表したグラフである。図6を参照すると、各周波数における測定値をプロットして結んだ曲線に対して、Rw調整値の基準曲線を 1dBステップで上下させ、基準曲線を下回る値の総和が規定の値32dBを上回らない範囲で、できるだけ大きくなるところまで移動させ、そのときの 500Hz における値で表現する。結果として、本発明に係る床パネル100の試験体1、3、4の重みつき音響透過損失Rwは47dBで、床パネル100の試験体2については46dBであり、四種の試験体1〜4の遮音性能は略同等といえる。
すなわち、試験体1については、Rr−40、Rm(1/3)=43として計算し、Rw47を得た。試験体2については、Rr−35、Rm(1/3)=42として計算し、Rw46を得た。試験体3については、Rr−40、Rm(1/3)=43として計算し、Rw47を得た。試験体4については、Rr−35、Rm(1/3)=42として計算し、Rw47を得た。
以上の結果から、船舶の騒音対策として最も対応すべき125Hz〜800Hzに注目すれば、試験体の中では試験体3に係る浮き床パネル100の試験体3が比較的良好な遮音効果が見られるといえる。
実施例2は、実施例1に示した本発明の浮き床パネルを床材に適用した防音室に関する実施例である。なお、下記の実施例は、船舶内に設営する防音仕様の船室を例に説明するが、船室に限定される必要はなく、汎用的な防音室として適用できることは言うまでもない。
実施例2を図面を参照して詳細に説明する。本発明の防音室は、実施例1に示した本発明の浮き床パネルを床材に適用し、船室の壁面にも防音材を適用した壁材を採用して形成したものである。
以下、防音室の防音性能を評価する実験に関して述べる。防音性能の実験としては、船舶内に設営した防音室を一例に行った。なお、防音仕様の船室の防音性能の評価実験は、実際の船舶を用いた実験に代えて、トラックの荷台を船体と見立てて船舶環境を疑似的に再現したもので実験を行った。実施例1と同様、防音性能の評価は、固体伝播音の実験と空気伝播音の実験を通じて行う。 ここで、固体伝播音の実験は、床面からの伝播音を評価すれば良いので、トラック荷台の床面付近を改造するのみで実験を行った。空気伝播音の実験は、防音仕様船室の空間への伝播音を評価するので、トラック荷台の上に防音仕様の船室を設営して実験を行った。
まず、固体伝播音の実験について述べる。
固体伝播音の実験では、10tウィングトラックの荷台を船体と見立て、その荷台床面に実施例1で述べた試験体3にかかる浮き床パネル100(試験体タイプA、厚さ69.2mm)を並べて敷設し、固体伝播音について実験を行った。
以下、試験の測定結果を説明する。測定は下記条件の下、谷水加工板工業株式会社本社工場(兵庫県丹波市氷上町賀茂1457番地1)において実施された。
まず、トラックエンジンを用いて船舶の振動と騒音を疑似するためのエンジンの回転数を変化させて発生する振動数および騒音を計測して船室に近い振動及び騒音となるエンジンの回転数を決定した。計測の結果、当該トラックに搭載された原動機のエンジン回転数において、500回転ないし1000回転が船舶の振動と騒音に近いことがわかった。この条件でトラックエンジンを稼働させて船舶の振動と騒音の疑似発生源とし、荷台の上に構築した防音仕様の船室300の室内に到達する振動ならびに騒音を測定した。

(使用機器及び部材)
使用したトラック:10tウィングトラック 型式KL/FU54JUZ
原動機の型式:6M70
床パネル:厚さ 53.2mm 重量 32.2kg/m
壁材:厚さ 38.0mm 重量 40.0kg/枚
天井材(スタッコ社製):厚さ 25.0mm 重量 7.9kg/m
測定装置:リオン社製記録計 DA−40
まず、固体伝播音に係る試験について説明する。図7を参照する。図7は、本発明に係る浮き床パネル100の挿入による固体伝播音損失を測定したときの、10tトラックの荷台に浮き床パネル100を配置した状態を示す図(a)と、(b)は平面図、(c)は正面図である。
図8を参照する。図8は、10tトラックの荷台に配置された本発明に係る船舶用浮き床パネル100の概略平面図である。図8に示すとおり、浮き床パネル100は、ロックウール11(嵩密度80kg/m品)とロックウール12(嵩密度200kg/m品)とを組み合わせて配置している。図8においては、図に向かって上下二列にロックウール12(嵩密度200kg/m品)片を飛び石のように配置(Aタイプ)している。なお、表面材13は鋼板(t=3.2)を使用しているが、図においては表面材13を除いて示している。
10tトラックに設営された防音仕様の船室300の室内の測定結果を説明する。比較のため、荷台上に船舶鋼板床を疑似した鉄板のみを設営した場合と、さらにその上に防音仕様の船室300を設営した場合の両方の測定を行った。
まず、荷台の上に鉄板Vを敷設し、鉄板Vの上に加速度ピックアップ(マイクロフォン)を所定の位置(ch−5)に設置して振動を計測した。すなわち、鉄板Vの上に設けたch−5は船舶の鋼板床の振動と仮定する。
次に、鉄板Vの上に横臥した浮き床パネル100の上面中央(ch−6)に設置して振動を計測した。すなわち、浮き床パネル100の上面中央に設けたch−6は鋼板床上の浮き床パネル100の振動と仮定する。
下記表3は、トラックエンジンの回転数が500回転の測定結果で、表4はトラックエンジンの回転数が1000回転の測定結果である。なお、振動の測定には、リオン社製記録計DA−40を使用した。

測定年月日:平成27年10月8日
Figure 2017105433
Figure 2017105433
上記測定結果に基づき、本発明に係る浮き床パネル100による固体伝播音の挿入損失を検討する。挿入損失は一般に空気音関係で用いられる用語であるが、振動についても空気音で用いられる定義を援用し、荷台鉄板上の振動レベルに対する浮き床パネル上の振動レベル差を浮き床パネル100の挿入損失と定義する。また、本発明に係る浮き床パネル100の防振効果は、欧州の他社の床材の挿入損失と比較することにより検討する。
図9を参照する。図9は、挿入損失を算出した表3及び4に基づくグラフである。前述したとおり、トラックに搭載された原動機のエンジン回転数において、500回転ないし1000回転が船舶の振動と騒音に近いところ、図9(a)は500回転のときの挿入損失、(b)は1000回転のときの挿入損失を示している。図9によると、本発明に係る浮き床パネル100の挿入損失は、船舶の騒音対策として最も対応すべき125Hz〜800Hzにおいて大きい。
図14を参照する。図14は、欧州の浮き床製品X1、X2、X3の各構造を示す図である。図14(a)は、デンマークのスキャンヴィブラ社製のDLP浮き床と呼ばれる製品X1の構造を示す図である。製品X1は、四層構造であり、鋼板デッキの上に、50mmのロックウール(Rockwool Marine Slab 140)と、3mmの鉄板と、1mmの粘弾性層(PU-D20 Viscoelastic Layer)と、2mmの鉄板とが順次重畳してなる。図14(b)は、スウェーデンのスウェディッシュ・アコースティック・イノベーション社製の甲板被覆システムSwedac U‐10と呼ばれる製品X2の構造を示す図である。製品X2は、二層構造であり、8mmの鋼板デッキの上に1.5mmの粘弾性層(Viscoelastic Layer DG-11)と、20mmのラテックスコンクリート(SWEDAC SBR-Laex Concrete)とが順次重畳してなる。図14(c)は、デンマークのウェバー・セイント‐ゴバイン社製の音響減衰システムSwedac Weber A‐60 Combiと呼ばれる製品X3の構造を示す図である。製品X3は、五層構造であり、8mmの鋼板デッキの上に、1〜1.5mmの粘弾性層(SWEDAC ACM or DG U-1 Green Viscoelastic layer)と、15mmの弾性セメント混合繊維強化合成物(Weber floor 4660 Marine Elastic Cementitious fibre-reinforced leveling compound)と、50mmの耐火材(ISOVER ULTIMATE U MFN 90)と、粘弾性層(SWEDAC Viscoelastic DG U-1 or DG U-1 Green layer)と、鉄板とを順次重畳してなる。
図10を参照する。図10は、本発明に係る浮き床パネル100と欧州の製品X1、X2、X3との挿入損失を比較したグラフである。図10によれば、浮き床パネル100の挿入損失は、特に船舶の騒音対策として最も対応すべき125Hz〜800Hzにおいて、欧州浮き床X3と同等であり、欧州浮き床X1、X2よりも優れた結果になっている。なお、欧州と日本ではデシベル基準速度が異なり、同じデシベルでも実値は変わるため、欧州製品の公開された挿入損失を日本のデシベル基準速度に修正してグラフ化している。
下記に、欧州デジベルを日本基準に変換する数式を記載する。すなわち、下記数式イに、Lou:欧州デシベルを代入すると、Lj:日本基準のデシベルが算出できる。

Lou:欧州デシベル
Lj:日本基準のデシベル
a:実効値
ao:欧州基準
aj:日本基準

Figure 2017105433
次に、空気伝播音に係る試験について説明する。図11を参照する。図11は、本発明に係る防音仕様の船室300の防音効果を測定したときの、10tトラックの荷台に防音仕様の船室300を配置した状態を示す図(a)と、(b)は正面図、(c)は平面図である。
以下、空気伝播音に係る試験の測定は、下記条件の下、谷水加工板工業株式会社本社工場(兵庫県丹波市氷上町賀茂1457番地1)において実施された。
固体伝播音の試験と同様、10tウィングトラックの荷台を船体と見立て、その荷台の上に防音仕様の船室300を設営した。荷台床面に実施例1で述べた試験体3にかかる浮き床パネル100(試験体タイプA、厚さ69.2mm)を並べて敷設するともに、壁には本出願人が別途開発した防音壁材210を立設し、床面積10mの防音仕様の船室300を組み上げた。
防音室300に敷設した浮き床パネル100は、図8に示しており、前述したので、ここでは説明を省略する。
防音パネル210は、薄板状の吸音材と薄板状の遮音材を複合したもので、吸音材を二枚の遮音材で挟持している構造となっている。防音パネル210は、一端に凸部に、他端に凹部を備える。凸部および凹部においてもその凸形状および凹形状に沿わせて表面材を被覆すると、薄い表面材は凹部及び凸部まで巻き込んだ状態になるので、このような防音パネル210を一面の壁に施工したとき、隙間からの音漏れを解消することができ、防音性能を高める。さらに、吸音材は柔らかい素材であり、凸部と凹部とを接合した場合、強度が問題となるが、表面材を凸部や凹部を巻き込むように被覆すれば、隣接する防音パネル210同士を突き合わせた接合構造の強度を増すことができ、特に船舶用に使用した隔壁を施工する場合、好適である。凸部は吸音材を凹部の隙間より若干厚くして、差し込んだとき吸音材の凸部が圧迫されることにより、差し込んだ後は押し戻そうとする力によって、防音パネルのジョイント部分がより強固となる、振動や傾きにも強い壁体を建造することができる。なお、防音パネル210は、防音性能を高めるために吸音材と遮音材のそれぞれの厚さと密度の組み合わせの試作・実験・検証を繰り返し完成させたものであり、吸音材と遮音材のそれぞれの特性を生かし、一体にしたとき可能な限り薄い仕上がりになるように工夫した。ここで、吸音材は音を反射させない材料をさし、遮音材は空気の振動が伝わらないようにする材料をいう。構成する吸音材、遮音材はともに不燃性材料である。船舶用に防音パネル210を使用する場合、構成材を国際海事機関(IMO)の規則に合格した不燃材料を用いなければならないが、本願出願人がすでに製造販売している、不燃系防音室の構成材から発展して、国際海事機関(IMO)の規則に合格した不燃材料に置き換えて試作実験した結果、得られた構成である。遮音材は繊維混入石膏ボード系の不燃性材料とすると好適である。繊維混入石膏ボード系の不燃性材料は、石膏ボードのなかでも1600kg/mと密度が高く、薄くても重いために優れた遮音性能を発揮する。なお、遮音性能は一般に重量に比例して向上する。
天井板は、造船業界で一般的に使用される材料を使用した。
図12を参照する。図12は、本発明に係る防音室300の防音パネル210と浮き床パネル100の配置を示す概略断面図である。浮き床パネル100を敷設した後、防音パネル210の床ライナー211を並べて、床ライナー211の底の孔と浮き床パネル100との入り隅に点溶接するとよい。なお、床ライナー211の取り付け位置は、浮き床パネル100の端から100mm以内が好ましい。そして、床ライナー211において室内側にメタルラスを敷設し、点溶接するとよい。その後、防音パネル210を順に嵌め合わせて立てて壁部を設営し、最後に天井板を設営することにより、防音室300が構築される。
まず、トラックエンジンを用いて船舶の振動と騒音を疑似するためのエンジンの回転数を変化させて発生する振動数および騒音を計測して船室に近い振動及び騒音となるエンジンの回転数を決定した。計測の結果、当該トラックTRに搭載された原動機のエンジン回転数において、500回転ないし1000回転が船舶の振動と騒音に近いことがわかった。この条件でトラックエンジンを稼働させて船舶の振動と騒音の疑似発生源とし、荷台の上に構築した防音仕様の船室300の室内に到達する振動ならびに騒音を測定した。
防音室300の騒音の測定結果を説明する。
騒音の測定場所は、防音室300外でトラック荷台前部、すなわち原動機エンジンに近い位置(ch−7)を船室内部を想定した位置とし、防音室300の中央位置(ch−8)を防音室300を船内に設置したものと想定して、それぞれの位置に騒音計を保持し床面から1mの位置で計測された。

測定年月日:平成27年10月8日
使用したトラック:10tウィングトラック 型式KL/FU54JUZ
原動機の型式:6M70
床パネル:厚さ 53.2mm
重量 32.2kg/m
壁材:厚さ 38.0mm
重量 40.0kg/枚
天井材(スタッコ社製):厚さ 25.0mm 重量 7.9kg/m
測定装置:リオン社製騒音計 NA−28
受音:設営防音室内
音源:10tトラック 原動機エンジン
試料面積:10m
本発明に係る防音室300の防音効果は、防音室300の内と外の騒音の変化を比較することにより検討する。
図13を参照する。図13は、本発明に係る防音室300に関する騒音の変化を示すグラフである。前述したとおり、トラックに搭載された原動機のエンジン回転数において、500回転ないし1000回転が船舶の振動と騒音に近いところ、図13(a)は防音室300外でトラック荷台前部、すなわち原動機エンジンに近い位置(ch−7)における500回転、1000回転、1500回転のときの騒音(dB)を、(b)は防音室300の中央位置(ch−8)における500回転、1000回転、1500回転のときの騒音(dB)を示している。図13によると、トラック荷台前部における騒音と防音室300の中央位置の騒音との差は、概ね14〜15dBあり、防音室300に防音効果があることが理解できるであろう。
実施例3は、実施例1に示した本発明の浮き床パネルの空気伝播音に係る性能評価に関するものである。図15は、本発明に係る浮き床パネル130の空気伝播音に係る性能評価を行った時の浮き床パネル130の配置を示した図で、(a)は地下室に音源室を設けた音響室の正面断面図、(b)は受音側の平面図である。図16は、実施例3に係る浮き床パネル130の概略平面図である。図17は、準音響透過損失を算出した表5に基づくグラフである。
実施例3を図面を参照して詳細に説明する。以下、試験の測定結果を説明する。測定は下記条件の下、一般財団法人日本建築総合研究所(大阪府吹田市藤白台5−8−1)において、国土交通省海事局検査測度課の職員の立ち会いのもと、空気音遮断性能試験が実施された。なお、一般財団法人日本建築総合研究所は、ISO10410−2:2010に準拠した試験所である。
浮き床パネル130の空気音遮断性能に係る試験の測定結果を説明する。
測定年月日:平成28年9月2日
温度:27℃
湿度:55.0%
気圧:1002hPa
試料面積:9.970m
音源装置:
多チャンネル信号分析器(小野測器 DS−2100)
イコライザ(ヤマハ Q2031B)
アンプ(ヤマハ HC2700)
スピーカ(エレクトロ・ボイス T251+)
受音装置:
マイクロホン(小野測器 MI−1233)
プリアンプ:(小野測器 MI−3110)
多チャンネル信号分析器(小野測器 DS−2100)

図15は、本発明に係る浮き床パネル130の空気伝播音に係る性能評価を行った時の浮き床パネル130の配置を示した図で、(a)は地下室に音源室を設けた音響室の正面断面図、(b)は受音側の平面図である。図15(a)を参照すると、試験室は地下室に音源室を設けた施設で、地下音源部の天井かつ1階受音部の床は、普通コンクリート床であるが中央部分は矩形に切り取られ、2室は開放されている。図15(b)は、この開放された矩形の領域の寸法と略同じ寸法で製作した浮き床パネル130を、当該スペースに嵌め込み、油粘土Nでパネル周囲を閉塞した状態を示している。
図16は、実施例3に係る浮き床パネル130の概略平面図である。ここで、試験に使用される浮き床パネル130の試験体として、ロックウール片31(密度80kg/m品)とロックウール片32(密度240kg/m品)とを組み合わせて配置している。図16に示すとおり、ロックウール(密度240kg/m品)片32は、全体面積の28.29%を占め、ロックウール片31(密度80kg/m品)に隣接し、かつ、上下二列に飛び石のように配置した。なお、当該試験に係る試験体は、6tの鋼板上に2.5m×4mの試験枠を配置し、該試験枠内に上記面積比のロックウール片31(密度80kg/m品)とロックウール片32(密度240kg/m品)とを組み合わせた浮き床パネル130を戴置し、さらにその上に3.2mmの鋼板を取付けたもので、寸法を425mm×1829mm、厚さ54mmとした。なお、配置されたロックウール片31、32と鋼板の間には、少量の接着剤を用いており、持ち運びの際にも剥がれ落ちないようにしている。また、ロックウール片31及びロックウール片32の繊維配向方向は、上面に対して平行としている。
床パネル130の重みつき音響透過損失Rwは、ISO10410−2:2010に準拠した手続で試験を行って得た実測値を、該ISO規格717−1に従った手順で性能評価した値を用いる。
当該試験所における音源室と受音室の2室間の遮音性能評価には,両室間の音圧のレベル差を測定し、透過損失については、単一数値評価量とし、透過損失Rについて両室の音圧レベルを測定して求める。なお、2室が拡散音場でないため,準音響透過損失、すなわち、「みかけの透過損失R’」を得た。
下記表5は、音源側、受音側、暗騒音の平均音圧レベル、準音響透過損失R’の1/3オクターブと1/1オクターブの測定結果である。なお、騒音の測定には、リオン社製記録計NA−29Eを使用した。
Figure 2017105433
図17は、表5に基づく、本発明に係る浮き床パネル130の試験体の遮音性能を準音響透過損失により表したグラフである。結果として、本発明に係る浮き床パネル130の試験体の重みつき音響透過損失Rwは52dBを得た。
以上の結果から、船舶の騒音対策として最も対応すべき125Hz〜800Hzに注目すれば、浮き床パネル130の試験体は非常に良好な遮音効果を奏するといえる。また、デッキコンポジションを敷設することなく、浮き床パネル130の試験体が重みつき音響透過損失Rw52dBを得たことは、浮き床パネルを利用する造船所にとって、表面仕上材の採用自由度が高まるとともに、施工手間やコストを低減することができる。
以上より、実施例3における浮き床パネル130を採用した場合、遮音性能を上げるために、デッキコンポジションを塗布する必要がなくなる。そのため、施工手間やコストを低減することができる。なお、使用者において、床パネル130の表面にペンキやモルタルを塗布してもよい。
以上、本発明に係る浮き床パネル及び防音室における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明に係る浮き床パネルは、主に船舶用に開発した浮き床パネルであるが、一般建築にも広く利用することができる。
100 130 浮き床パネル
11 21 31 低密度ロックウール
12 22 32 高密度ロックウール
13 23 鋼板
210 防音パネル(壁材)
300 防音室
X1 DLP浮き床
X2 甲板被覆システムSwedac U‐10
X3 音響減衰システム
Swedac Weber A‐60 Combi
L テーブルリフタ
V 振動体
S 軽量床衝撃音発生装置
T 重量床衝撃音発生装置

Claims (8)

  1. 鋼板の下部に、互いに密度の異なる無機繊維質成形体により形成される区画を隣接及び/又は交互に配置したことを特徴とする船舶用浮き床パネル。
  2. 少なくとも低密度の無機繊維質成形体の繊維配向方向が、前記鋼板の上面に対して平行であることを特徴とする請求項1に記載の船舶用浮き床パネル。
  3. 前記無機繊維質成形体のうち、低密度の前記無機繊維質成形体はその繊維配向方向を前記鋼板の上面に対して平行に配置し、高密度の無機繊維質成形体はその繊維配向方向を前記鋼板の上面に対して垂直に配置したものであることを特徴とする請求項1に記載の船舶用浮き床パネル。
  4. 前記低密度の無機繊維質成形体は、密度が80〜100kg/mのロックウールであり、前記高密度の無機繊維質成形体は、密度が少なくとも100kg/m以上のロックウールであることを特徴とする請求項2又は3に記載の船舶用浮き床パネル。
  5. 前記高密度の無機繊維質成形体の配設比率は、全体の20〜40%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の船舶用浮き床パネル。
  6. 低密度の無機繊維質成形体と高密度の無機繊維質成形体との組み合わせからなり、該低密度の無機繊維質成形体は、密度が80kg/mのロックウールであり、該高密度の無機繊維質成形体は、密度が240kg/mのロックウールであって、該高密度の無機繊維質成形体の配設比率は、全体面積の28.29%であり、かつ、該低密度の無機繊維質成形体及び該高密度の無機繊維質成形体の繊維配向方向は、いずれも上面に対して平行であることを特徴とする請求項1に記載の船舶用浮き床パネル。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の浮き床パネルを床面に用い、
    吸音材と該吸音材を挟持して貼着した二枚の遮音材とが積層一体化した防音パネルを壁面に用いた防音室。
  8. 前記壁面が、前記防音パネル同士の突き合わせ構造とし、一方の突き合わせ面に凸部が形成され、他方の突き合わせ面に凸部に合致する凹部が形成されており、前記凸部と前記凹部が嵌合することにより複数の防音パネル同士が接合された構造を備えたものであることを特徴とする請求項7に記載の防音室。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110667773A (zh) * 2019-09-25 2020-01-10 靖江市金舟船舶器材有限公司 一种便于组合连接的模块化甲板敷料

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CN110667773A (zh) * 2019-09-25 2020-01-10 靖江市金舟船舶器材有限公司 一种便于组合连接的模块化甲板敷料

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