JP2004293065A - 低音響放射型内装構造及び内装パネル材 - Google Patents

低音響放射型内装構造及び内装パネル材 Download PDF

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Abstract

【課題】低音域・中音域・高音域の放射音を抑制できる内装構造及び内装パネルを提供する。
【解決手段】構造物の躯体2の内面に、内装壁3を、所定間隔Lで並び且つ当該間隔Lに応じて躯体2のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅とコインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共にを抑える弾性Kが付されたリブ4の列を介して固定する。好ましくは、リブ4の弾性K及び/又は間隔Lを、当該リブ4の弾性K及び間隔Lと内装板3の質量及び剛性とで定まる躯体2・リブ4・内装板3の連結体の共振周波数frが躯体2のコインシデンス周波数fcの近傍となるように定める。更に好ましくは、躯体2の内面と内装板3との間に吸音材5を装入し、リブ4を損失係数の高い材料製とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は低音響放射型内装構造及び内装パネル材に関し、とくに建築音響の分野において構造物の躯体から内部空間への放射音を弾性リブ利用の内装壁により防止して低騒音化を図る内装構造及び内装パネル材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の集合住宅やホテル、オフィスビル、学校、劇場、スタジオ等の構造物では、都市の過密化等による鉄道軌道や道路床版等の振動発生源と構造物との近接、構造物内の振動発生源である設備機器等の増加・大型化等を背景として、いわゆる固体中を伝播する固体音(structure−borne sound)の放射による騒音が大きな問題となっている。固体音とは、構造物の外部騒音(例えば、地下鉄等の鉄道軌道の振動に起因する騒音)又は内部騒音(例えば、階上の足音・トイレの排水音等の重量床衝撃音や設備機器の振動等に起因する騒音)が、地盤や構造物躯体の固体中を伝播して床や壁・天井等の躯体表面から構造物内の居室等の空間に放射される騒音である。また本明細書における固体音には、壁面に入射した音が振動として側壁を伝わり隣室に放射される固体伝搬音等の側路伝搬音(戸境壁・間仕切り壁等を直接透過する音以外の経路を伝搬してくる音)が含まれる。
【0003】
音響的に高度な性能が要求される劇場やスタジオ等の空間は、躯体と内装仕上げ壁(以下、単に内装材ということがある。)とを力学的に絶縁した浮き構造等により固体音を低減する場合がある。これに対し音響的性能が必ずしも優先されない構造物では、施工の容易性・工期の効率・工費の経済性・スペースの有効利用等が優先され、コンクリートや軽量気泡コンクリート(ALC)製の躯体と内装材との間にリブ(例えば、間柱や根太等の下地材・団子状に塗り付けた接着剤等)を配置し、そのリブにより内装材を躯体と構造的に連結する工法が一般的に用いられる。例えば集合住宅やホテル客室等の戸境壁は、コンクリート躯体に直接支持した木レンガ及び木下地を用いて内装材を貼り付けるコンクリート系下地胴縁工法(木軸工法)、木下地に代えて軽量鉄骨下地(Light−gauge stud:LGS)を用いて内装仕上板を施工する工法(LGS工法)、躯体上に点在させて塗り付けた団子状の石膏系接着剤を用いて内装材を躯体と強固に連結する工法(GL工法又は直張り工法)等によって施工される場合が多い。
【0004】
内装材をリブによって躯体と連結する従来の施工方法は、固体音を十分に低減できない問題点がある。例えば木軸工法やLGS工法では、躯体の室内側に設置した内装板が低周波数域(一般には63〜125Hz帯域。以下、低音域ということがある。)の放射音を増幅し、居室内の音響性能を低下させる問題が経験されている。またGL工法では、内装材としての遮音性能を示さないばかりか、250〜500Hz(以下、中音域ということがある。)及び1〜2KHz(以下、高音域ということがある。)において著しい遮音欠損が経験されている。
【0005】
このため、従来のリブを用いた施工の容易性等の利点を活かしつつ遮音性能を改善した内装構造の開発が進められている。例えば特許文献1は、GL工法における固体音の音響対策として、段ボールを介して内装ボードを躯体に貼り付ける方法、及び内装ボードの裏側に段ボールを一体に貼り付けた積層内装ボードを開示している。また特許文献2は、内装ボードの裏側に格子体(例えば、紙・合成樹脂・金属製のハニカム体)を取り付け、格子体を介して内装ボードを躯体に貼り付ける施工法を開示している。これらの工法は、段ボールや格子体を貼り付けることにより内装ボードの曲げ剛性を大きくし、共振及び共鳴の原因となる内装ボードの曲げ振動の低減を図るものである。
【0006】
更に、内装ボードの曲げ剛性ではなくGL工法の接着剤に弾性を付与して中音域及び高音域の遮音性能を改善する方法も提案されている。例えば特許文献3は、躯体と内装下地ボードとの間に多数の弾性シーリング材を点在させて内装下地ボードを躯体に支持する構造を開示する。また特許文献4は、内装ボードの周縁部に沿った長さを有する状態の弾性接着剤とその周縁部の内側に点在する状態の弾性接着剤とにより内装ボードを躯体内面に直張りする構造を開示する。更に特許文献5は、非平行状態に配置した連続線分形状の弾性接着剤により内装ボードを躯体内面に直張りする構造を開示する。この構造は、接着剤の非平行状態の配置により中音域の遮音欠損の改善を図り、接着剤が有する弾性により高音域の遮音欠損の改善を図るものである。
【0007】
【特許文献1】特開2002−194832号公報
【特許文献2】特開2001−295548号公報
【特許文献3】特開2002−339559号公報
【特許文献4】特開2001−027028号公報
【特許文献5】特開2002−121879号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の木軸工法・LGS工法・GL工法で施工した内装が遮音欠損を示す原因の一つは、躯体・内装材間の空気層の弾性と内装材の密度(質量)とで形成される共振、すなわち躯体−空気層−内装材によって構成されるバネ−質量系の共振(mass−air−mass resonance:以下、MA共振という。)により躯体からの放射音が増幅されることにある。躯体からの放射音の卓越周波数は、ひとつには加振源の卓越周波数に依存する。鉄道の軌道であれば一般的に63〜125Hz程度、建築設備機器の振動であれば63〜250Hz程度、受領床衝撃音であれば63〜125Hz程度である。また、躯体の形状や大きさ、周辺の拘束の状況(固定あるいは支持)等によって決定される固有周波数にも依存する。更に、主に躯体厚さに依存するコインシデンス周波数にも依存する。
【0009】
MA共振による放射音の増幅防止対策として、放射音の卓越周波数よりもMA共振周波数(後述するMA共振の一次共振周波数)frを十分低くする方法が採られることがある。しかし、MA共振周波数frを放射音の卓越周波数である63Hz帯より十分に低くするためには,内装材の面密度(通常は厚さで調整)や空気層の幅を非常に大きくする必要があり、内装材が重くなり居室等の構造物内空間の有効スペースが狭くなる等の問題点がある。一般的な集合住宅やホテル客室等の内装仕様では、MA共振周波数frが63Hz帯より低くなるようなスペックを実現することは困難である。
【0010】
特許文献1〜5の構造や工法は、居室等の構造物内空間の有効スペースを狭めずに放射音の低減を目指す提案といえる。しかし特許文献1及び2のように内装ボードの曲げ剛性を増大する方法では、必ずしも遮音欠損の問題が改善せず、中音域の音響性能が従来の内装ボードよりも劣化する場合がある。また、特許文献3〜5のように弾性シーリング材又は弾性接着剤により内装ボードを躯体に支持する構造は、高音域の遮音欠損の改善にはある程度有効であるものの、中音域の放射音の増幅が発生し中音域の音響性能が劣化する場合がある。最近は住宅性能表示制度等により住宅の音環境について客観的な評価が求められており、低音域・中音域・高音域の何れの放射音をも適切に低減できる構造物内装の設計手法の開発が望まれている。
【0011】
そこで本発明の目的は、低音域・中音域・高音域の放射音を抑制できる内装構造及び内装パネル材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は先ず、内装板及び躯体からなる二重弾性板のMA共振による放射音増幅のメカニズムを解析するため、図6に示すように空気層を介して対向する内装板及び躯体(以下,リブ無し二重弾性板ということがある。)としてz=0及びz=zにxy平面と平行な無限大の二重弾性板Plate−1及びPlate−2を想定し、固体音による振動として点(0,0,z)に点加振力を作用させて躯体(Plate−2)を振動させたときの内装板(Plate−1)からの放射音圧レベルを理論的に算出した。同図において、内装板と躯体との間は構造的結合による振動伝達がなく、内装板と躯体との間の幅zの空間II(キャビティ)と内装板内側の空間Iと躯体外側の空間IIIとはそれぞれ空気層とし、空間I及び空間IIの両対向面の音圧差により内装板が振動し、空間II及び空間IIIの両対向面の音圧差と点加振力とにより躯体が振動するものとする。
【0013】
図6において、空間Iにおける遠距離受音点の音圧レベルp(R,θ)は式(1)〜(3)のように算出できる。ここでRは原点(0,0,0)から受音点までの距離、θは加振点と受音点の方向とのなす角度、ρは空気密度、ωは音波周波数、cは音速、kは波数(=ω/c)である。また、D=E (1−η)/12(1−ν )はPlate−jの曲げ剛性、Eはヤング率、hは厚さ、ηは損失係数、νはPoisson比、ρpjは密度である。遠距離受音点の音圧レベルp(R,θ)は半無限空間における放射音圧であり、式(1)〜(3)から分るように角度θにより周波数特性は大きく変化する。
【0014】
但し、実際の構造物における受音室は一般的に閉空間であり、放射面以外の反射面(壁、床、天井等)の影響を受けるので、音響放射面として二重弾性板の音響性能を評価するためには、式(1)〜(3)の音圧レベルp(R,θ)よりも内装板からの音響放射パワーΠが重要である。内装板からの音響放射パワーΠは、遠距離受音点における半径Rの半球面上を通過する放射インテンシティ(=|p(R,θ)|/2ρ)を半径Rの半球面全体で積分することにより式(4)として求まる。実験においては式(7)から音響放射パワーが求められる。システムが線形である場合は、音響放射パワーΠは躯体に加わる加振力の振幅に依存する。
【0015】
【数1】
Figure 2004293065
【0016】
更に本発明者は、実際の構造物において加振力を同定することは一般的に困難であることから、加振力の大きさに依存しない二重弾性板の音響性能の評価量として式(6)に示す内装板の放射低減量(Radiation reduction:以下、RRと表すことがある。)を定義した。RRは、躯体単体の音響放射パワー(Plate−1がない場合のPlate−2の音響放射パワー、式(5)参照)Πsに対する二重弾性板の音響放射パワーΠの相対量である。
【0017】
リブ無し二重弾性板の理論的な音響放射パワーΠ及び放射低減量RRの妥当性を実験的に検討するため、図7に示す実験装置を用い、リブ無し二重弾性板の試験体の音響放射パワーレベルPWL及び放射低減量RRを測定する実験を行った。実験では、表1に示す2種類のリブ無し二重弾性板(各々の表面積=約12m;以下、試験体1又は2という。)を図7に示す2つの残響室の間の開口部に設置した。同装置は、躯体取付け側の残響室と内装板取付け側の残響室(受音室)との間に振動伝達がなく、試験体のみが実質的な音響放射面積とみなせる。電動型加振器の先端に取付けたジグを試験体の躯体(Plate−2)の中央に接合して1/3−octバンドノイズで定常加振し、フォーストランスデューサをジグの間に挿入して入力加振力を測定した。また、受音室内の5点で測定した放射音圧レベルp(R,θ)の平均値Lと受音室の平均吸音力Aとから、式(7)に基づき受音室の音響放射パワーレベルPWLを算出した。試験体の内装板(Plate−1)を取付けるために軽量鉄骨下地を用いたが、躯体と内装板の構造的なカプリングを避けるため、内装板は躯体から支持せずに上下のランナーに固定した。更に、二重弾性板の放射低減量RRを求めるため、開口部に躯体(Plate−2、2種類の試験体に共通)のみを設置して躯体単体の音響放射パワーレベルPWLも併せて求めた。
【0018】
【表1】
Figure 2004293065
【0019】
図7の実験による躯体単体の音響放射パワーレベルPWLの測定値を理論値と比較して図8に示す。同図の測定値(黒丸)及び理論値(実線)は共に、躯体のコインシデンス周波数fc(125Hz付近)で顕著なピークを示している。また、同実験によるリブ無し二重弾性板の試験体1及び2のPWL測定結果を理論値と比較して図9(A)及び(B)に示す。同図のPWLの測定値(黒丸)及び理論値(実線)は共に躯体のコインシデンス周波数fcで顕著なピークを示すと共に、図8との比較から分るように、その周波数fcの低域及び高域の周波数帯において躯体単体の場合よりも高いPWL値を示している(試験体2参照)。この高いPWL値の原因が後述するようにMA共振による増幅である。試験体1では周波数fcより高域でのみ増幅を生じているが、これは内装板が軽いためMA共振周波数(MA共振の一次共振周波数)frが周波数fcより高域に存在するからである。3150Hz付近に存在する顕著なピークは空気層の高次共振の影響と考えられる。
【0020】
図10(A)及び(B)は、図7の実験による試験体1及び2の放射低減量RRの測定値と理論値との比較を示す。RRの測定値(黒丸)及び理論値(実線)は共に、MA共振によるPWLの周波数fcより低域及び高域の周波数帯における増幅を顕著なマイナスディップ(負ディップ)として現している。また、図9ではPWLの理論値と測定値との差異があるが、これは主に躯体の有限性や躯体周辺の支持条件に起因するものであるため、図10のRRでは除去されている。これらの実験の測定値から、躯体の支持条件や大きさに関わらず、実際の構造物におけるリブ無し二重弾性板の音響性能を式(4)及び式(6)の音響放射パワーレベルPWL及び放射低減量RRによって適切に評価できることが確認できた。
【0021】
図11は、図6の解析による受音室の複数の受音点における放射音圧レベルp(R,θ)の理論値SPL(Sound Pressure level)を、角度θ及び周波数fの関数として三次元的に濃淡表示したものである。同図においてSPLは濃淡で表した音圧レベルを示し、色が淡い(薄い)ほど音圧レベルが大きい。同図から躯体のコインシデンス周波数fcのピーク軌跡(左上から右下への対角曲線)、MA共振周波数fr(θ)のピーク軌跡(左下から右上への対角曲線)、内装板のコインシデンス周波数のピーク軌跡(右上)、及び高次共振のピーク軌跡(左上)が観察できる。また、リブ無し二重弾性板の音響放射パワー特性が躯体のコインシデンス周波数fcの特性とMA共振周波数frのピーク等の特性との重なり合いにより形成されること、とくにコインシデンス周波数fcの軌跡とMA共振周波数frの軌跡とが重なり合う点のピーク値が非常に大きいことが分る。
【0022】
図11において、躯体のコインシデンス周波数fcの軌跡とMA共振周波数frの軌跡とが重なり合うピーク、すなわち躯体のコインシデンス周波数fcによって強められたMA共振のピーク(MA共振の一次共振周波数)が、図9の周波数fcより高域の周波数帯における音響放射パワーレベルPWLの増幅(図10の放射低減量RRのディップの発生)の要因である。他方、躯体のコインシデンス周波数fcより低域の周波数帯(63Hz付近からコインシデンス周波数fcまでの帯域)における音響放射パワー特性はMA共振のピークだけで形成されており、最低周波数から周波数fcまでのピーク値はほぼ一定であるが、これが周波数fc以下の周波数帯における音響放射パワーレベルPWLの増幅共振の要因である。なお、内装板のコインシデンス周波数のピークは、躯体に比べて小さくしかも他のピークと強め合うこともないため、音響放射パワーレベルPWL及び放射低減量RRの特性において支配的な要因とはならない。
【0023】
【数2】
Figure 2004293065
【0024】
一般的に共振はシステムのインピーダンスの虚部が0になる周波数で起こり、リブ無し二重弾性板では式(2)の虚部Im[K(ω)]=0がこの条件に相当する。MA共振の起こる低音域では内装板(Plate−1)は質量制御下にあるので曲げ剛性を0(D=0)と仮定でき、空気層の幅は音波の波長に比べて十分小さい(k≪1)と仮定できるので、これらの仮定の下でIm[K(ω)]=0をωについて解くとMA共振周波数fr(θ)は式(11)となる。式(11)において内装板の面密度ρp1より十分重い躯体(Plate−2)の面密度ρp2を無限大(ρp2=∞)として近似すれば、リブ無し二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)は空気層の弾性(=ρ /zcosθ;以下、スチフネス(stiffness)Kairということがある。)と内装板の質量(=ρp1)とにより形成されていることが分る。また、躯体のコインシデンス周波数fc(θ)は式(12)で表すことができる。図12に示す式(11)及び(12)の計算結果と図11との比較から、式(11)及び式(12)によりMA共振周波数fr(θ)のピーク軌跡と躯体のコインシデンス周波数fc(θ)のピーク軌跡とを正確に予測できることが確認できる。また、式(11)及び(12)から躯体のコインシデンスとMA共振とが交差する周波数fpは式(13)となることが分る。この式(13)から常にfp≧fcとなるので、fc以上の周波数帯域ではMA共振による増幅が常に起こる。
【0025】
次に本発明者は、リブにより内装板及び躯体を構造的に連結した二重弾性板(以下、リブ有り二重弾性板ということがある。)のMA共振による放射音増幅のメカニズムを解析するため、図13に示すように、リブで連結された平行な無限大の内装板(Plate−1)及び躯体(Plate−2)を想定し、固体音による振動としてリブに平行な線加振力を作用させて躯体を振動させたときの内装板からの放射音圧レベルを算出した。なお、リブは一方向(y方向)に周期的(周期L)に配置されているものとし、波動性を無視した形で垂直力及びモーメントを伝達するものとし、且つ、音響的に透明として空間II(キャビティ)の音場に影響しないものとした。
【0026】
リブに平行な線加振力のみが作用する場合は、弾性板Plate−1及びPlate−2の振動変位分布がy方向について一様であり、2次元音場として扱うことができる。従って、同図の領域I〜IIIにおける各境界面上の音圧p(x,0)、p(x,0)、p(x,z)、p(x,z)の波数解P(k,0)、P(k,0)、P(k,z)、P(k,z)は、フーリエ変換を用いて式(21)〜式(24)のように表わせる。ただし、W(k)、W(k)はそれぞれ内装板及び躯体の振動変位の波数解、kは波数(=ω/c)、ωは角周波数、cは音速、rは空気の媒質密度である。内装板(Plate−1)及び躯体(Plate−2)の振動方程式は、外力である両面の音圧差、リブの軸方向力Q、モーメントM及び線加振力F(ω)を考慮して式(25)及び式(26)のように表わせる。ただし、D=E (1−η)/12(1−ν )はPlate−jの曲げ剛性、Eはヤング率、hは厚さ、ηは損失係数、νはPoisson比、ρpjは密度である。
【0027】
【数3】
Figure 2004293065
【0028】
またリブを厚さa、幅zの長方形断面とすると、リブからの垂直力Q、QとモーメントMは式(27)〜式(29)となる。ただし、j=1はリブと内装板との接合部、j=2はリブと躯体との接合部を表し、K (=acj(1−iηcj)/L)は各接合部のバネ定数、KMj (=a cj(1−iηcj)/12L)は各接合部の回転弾性、m(=ρ)はリブの質量、Ecjは各接合部のヤング率、ηcjは各接合部の損失係数、ρはリブの密度、Lはリブの間隔である。リブそのものを弾性体として扱う場合は、K =K 、Kj1 =Kj2 とすればよい。
【0029】
フーリエ変換を用いて(21)〜(29)式を解けば内装板(Plate−1)の振動変位の波数解W(k)が得られ、それを遠距離受音点における放射音圧の漸近解である式(31)に代入することにより、リブ有り二重弾性板の空間Iにおける遠距離受音点の放射音圧レベルp(R,θ)が得られる。また、2次元音場の音響放射パワーΠ及び躯体単体の音響放射パワーΠsは式(32)及び式(33)で与えられるので、リブ有り二重弾性板の放射低減量RRは式(6)に式(32)及び式(33)を代入することで得られる。
【0030】
【数4】
Figure 2004293065
【0031】
リブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの理論値を、躯体単体及びリブ無し二重弾性板(図6参照)の音響放射パワーレベルPWLの理論値と比較して図14に示す。同図において、実線はリブ有り二重弾性板の理論値、破線は躯体単体の理論値、一点鎖線はリブ無し二重弾性板の理論値である。リブ有り二重弾性板のリブの材質(剛性、密度等)は、一般的な木軸材料相当の物性値(Ec1=Ec2=10N/m、m=600kg/m、ηc1=ηc2=0.01)とした。同図から分るように、リブ有り二重弾性板の中・高音域における音響放射パワーレベルPWLの特性は、激しいピーク・ディップを繰り返し、全体的な振る舞いはリブ無し二重弾性板よりも躯体単体の特性に近い。この理由は、中・高音域では空気層を介しての音響的伝達よりもリブによる力学的な振動伝達の方が支配的であり、リブで連結されることにより中・高音域において放射低減効果が高いというリブ無し二重弾性板の特徴が失われるからと考えられる。他方、低音域における特性はリブ無し二重弾性板と大きく異なり、躯体のコインシデンス周波数fc(125Hz付近)より低域ではリブ無し二重弾性板の場合にみられるMA共振による増幅が起こらず、躯体のコインシデンス周波数fc以上の帯域での増幅(図中の矢印参照)はリブ無し二重弾性板の場合と同様に起こる。
【0032】
図15は、リブ有り二重弾性板の音響放射パワー特性の形成メカニズムを検討するため、図11と同様に受音室の等距離にある複数の受音点における放射音圧レベルp(R,θ)の理論値SPLを角度θ及び周波数fの関数として三次元的に濃淡表示したものである。リブ以外のパラメタは図11のリブ無し二重弾性板の場合と同一とした。同図は、図11と同様に、躯体のコインシデンス周波数fcのピーク軌跡(左上から右下への対角曲線)、及びMA共振周波数fr(θ)のピーク軌跡(左下から右上への対角曲線)を示す。しかし、リブ有り二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)は躯体のコインシデンス周波数fcより高域にあるため、コインシデンス周波数fcより低域における増幅が起こっていない。他方、MA共振周波数fr(θ)は角度θの増加に伴い高域に移動し、躯体のコインシデンス周波数fc以上の帯域でコインシデンスピークと重なり強め合うため、リブ無し二重弾性板とほぼ同じ周波数fp付近の帯域で増幅が起こっている。すなわち図15から、低音域におけるリブ有り二重弾性板とリブ無し二重弾性板との特性の相違は、各二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)の相違に基づくものであることが分る。
【0033】
なお、図14の中・高音域における音響放射パワーレベルPWLのピークは、図15の放射音圧レベルSPLの角度特性における中・高音域の多数のピークと対応している。これらのピークは角度θの増加に伴い周波数が低下していることから、内装板において生じる高次の曲げ振動モードに起因すると考えられる。この振る舞いはMA共振や空気層の高次共振のそれとは明らかに異なっており、内装板とリブの結合の度合いを小さくする以外に中・高音域のピークをなくすことはできないと推測される。
【0034】
【数5】
Figure 2004293065
【0035】
リブ無し二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)は空気層のスチフネスKairと内装板の質量とにより形成されているが(式(11)参照)、リブ有り二重弾性板のMA共振を形成するスチフネスは、空気層のスチフネスKairに加えて、リブ自身又はリブ接合部が有するスチフネスKrib(以下、特に断りのない限りこれらを総称してリブのスチフネスという。)及び内装板の曲げ剛性によって生じるスチフネスKPLを合わせた合成スチフネスであると考えられる。この合成スチフネスによる共振系を電気的等価回路で表すと図17のように表わせる。この等価回路からリブ有り二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)ribは式(41)となる。リブのスチフネスKrib及び内装板のスチフネスKPLは式(42)及び式(43)となり、二重弾性板の間の空気層のスチフネスKairは式(44)となる。その空気層に多孔質吸音材を装入した場合のスチフネスKairは式(45)となる。但し、内装板の面密度ρp1より十分重い躯体の面密度ρp2を無限大(ρp2=∞)として近似し、リブの質量mは内装板の質量に比べて十分小さいと考えて無視した。図16は、式(41)の計算結果を式(11)及び式(12)の計算結果と併せて示したものである。図16と図15との比較から、式(41)によりリブ有り二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)ribのピーク軌跡を正確に予測できることが確認できる。
【0036】
式(41)は、リブ有り二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)ribがリブのスチフネスKrib及び間隔Lによって調整可能であることを示す。そこで本発明者は、リブのスチフネスKribを変えながらリブ有り二重弾性板の理論的な音響放射パワーレベルPWL及び放射低減量RRを算出し、リブの防振による放射音の低減、すなわちリブの力学的振動伝達率の減少による音響放射パワー低減の可能性について検討した。理論式(31)におけるリブの防振のパラメタは、式(27)〜(29)に示すバネ定数K 及び回転弾性KMj により与えることができ、これらの値は同式中のEcj、ηcjを防振のヤング率、損失係数にそれぞれ読み替えることで決定できる。
【0037】
図18は、リブの躯体側支持部(リブと躯体との接合部)に防振材を挿入した場合を想定し、リブをヤング率Ec2=10N/m(二点鎖線)、Ec2=10N/m(点線)、及びEc2=10N/m(実線)とした場合のリブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLを、躯体単体(破線)及びリブ無し二重弾性板(一点鎖線)の音響放射パワーレベルPWLと比較して表したものである。同図から、躯体のコインシデンス周波数fc以上の中・高音域において、ヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板のPWLは躯体単体とリブ無し二重弾性板の中間的特性を示し、ヤング率Ec2が小さくなるに従いリブ無し二重弾性板の特性に近づき、ヤング率Ec2=10N/mになるとリブ無し二重弾性板の特性とほぼ等しくなることが分る。すなわち、リブ有り二重弾性板ではリブのヤング率Ec2(スチフネスKrib)を小さくすることで中・高音域のPWLを低減できるが、空気層のバネ定数より小さくしても中・高音域のPWLがリブ無し二重弾性板より低減することはなく、必要以上の防振は無意味であるとの知見が得られた。
【0038】
また、図18のコインシデンス周波数fcより低域において、ヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLのピークはリブ無し二重弾性板のピークより小さいが,ヤング率Ec2=10N/mになるとリブ無し二重弾性板の場合と同様にピークが大きくなることが分る。この理由は、図15を参照して上述したように、ヤング率Ec2=10N/mのときはMA共振周波数fr(θ)ribがコインシデンス周波数fcより高域にあるが、ヤング率Ec2=Ec2=10N/mになるとMA共振周波数fr(θ)ribがコインシデンス周波数fcより低域になるためと考えられる。すなわち、リブ有り二重弾性板では、コインシデンス周波数fcより高域の中・高音域のPWL低減にはリブのヤング率Ec2(スチフネスKrib)を小さくすることが有効であるが、コインシデンス周波数fcより低域では必ずしも有効ではなく逆に増幅量が大きくなる場合があるとの知見が得られた。
【0039】
ところで式(41)によれば、リブ有り二重弾性板のMA共振周波数fr(θ)ribが等しくなるような様々なリブのヤング率Ec2と間隔Lとの組み合わせが存在する。図14を参照して説明したように、リブ有り二重弾性板の中・高音域の特性はリブによる力学的振動伝達が支配的であるため、MA共振周波数fr(θ)ribが等しいからといって音響放射パワーレベルPWLの特性も等しくなるわけではない。MA共振周波数fr(θ)ribが等しく、且つ、リブのヤング率Ec2及び間隔Lの組み合わせが異なる場合の計算結果を図19に示す。同図の実線はリブをヤング率Ec2=10N/m、間隔L=0.5mとした場合、破線はヤング率Ec2=5×10N/m、間隔L=0.45mとした場合である。同図から、躯体のコインシデンスとMA共振とが交差する周波数fp以下の特性は両者でほぼ同じであるが、中・高温域ではヤング率Ec2が大きく間隔Lが広いよりもヤング率Ec2が小さく間隔Lが狭い方が音響放射パワーレベルPWLを低減できるとの知見が得られた。すなわち、リブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの特性をリブ無し二重弾性板の中・高音域の特性に近付けることができる。
【0040】
図20は、リブの間隔L=0.3mとした場合に、リブ有り二重弾性板の放射低減量RRの理論値をリブのスチフネスKribと周波数との関数として三次元的に濃淡表示したものである。図20では色が淡いほどRRが小さく、図中の白色部分が図14のピークと対応する。図20は上述した知見、すなわち躯体のコインシデンス周波数fc以上の中・高音域ではリブのスチフネスKribを小さくすることが放射音の低減に有効であり、コインシデンス周波数fc以下の低音域ではリブのスチフネスKribを小さくし過ぎると放射音が増大することを示している。また図20は、中・高音域の放射音を低減でき且つ低音域の放射音の増大が避けられるリブのスチフネスKrib(≒2×10N/m)の存在を示唆している。
【0041】
図21は、式(41)から求めたリブ有り二重弾性板のMA共振周波数fr(0)ribをリブのスチフネスKribの関数としてプロットしたものである。本発明者は図20及び図21から、MA共振周波数fr(0)ribが躯体のコインシデンス周波数fcの近傍となる(fr(0)rib≒fc)ようにリブのスチフネスKribを調整すれば、コインシデンス周波数fより低域の増幅が少なく、且つ、コインシデンス周波数f以上の中・高音域においても比較的高い放射低減量RRを示すリブ有り二重弾性板が得られるとの知見を得た。図21において、そのようなスチフネスKribの最適値は約2×10N/mであり、一般的な防振材料を用いて十分実現可能な範囲内である。また、fr(0)rib=fcを満たすリブのスチフネスKribと間隔Lとの間には、式(46)で示す関係がある。例えば、所定間隔Lで配置されたリブ有り二重弾性板では、式(46)を満たすようにリブのスチフネスKribを選択することにより、低音域・中音域・高音域の何れにおいても放射音の抑制が期待できる。本発明は、この知見に基づく更なる研究開発により完成に至ったものである。
【0042】
図1の実施例を参照するに、本発明の低音響放射型内装構造は、構造物の躯体2の内面に内装壁3を、所定間隔Lで並び且つ当該間隔Lに応じて躯体2のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅とコインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共に抑える弾性Kが付されたリブ4の列を介して固定してなるものである。
【0043】
好ましくは、リブ4の弾性K及び/又は間隔Lを、当該リブ4の弾性K及び間隔Lと内装板3の質量及び剛性とで定まる躯体2・リブ4・内装板3の連結体の共振周波数frが躯体2のコインシデンス周波数fcの近傍となるように定める。更に好ましくは、躯体2の内面と内装板3との間に吸音材5を装入する。
【0044】
また図2の実施例を参照するに、本発明の低音響放射型内装パネル材は、躯体2の内面を覆う内装板3、内装板3の躯体対向面に所定間隔Lの列状に固定され且つ当該間隔Lに応じて躯体2のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅と当該コインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共に抑える弾性Kが付されたリブ4の列を備えてなるものである。
【0045】
好ましくは、リブ4の弾性K及び間隔Lを、当該リブ4の弾性K及び間隔Lと内装板3の質量及び剛性とで定まる躯体2・リブ4・内装板3の連結体の共振周波数frが躯体2のコインシデンス周波数fcの近傍となるように定める。更に好ましくは、内装板3の躯体対向面のリブ4の列間にリブ4と実質上同じ厚さで装着した吸音材5を装着する。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、この場合コンクリート製である躯体2に本発明の内装パネル材1を貼り付けた実施例を示す。但し、本発明は内装パネル材1に実装する場合だけでなく、現場で内装構造を構築する場合にも広く適用可能である。内装パネル材1の実施例を図2に示す。図示例の内装パネル材1は、躯体2の内面を覆う内装板3と、内装板3の躯体対向面に所定間隔Lの列状に固定された弾性リブ4の列とを有する。内装板3の材質にとくに制限はなく、例えばプラスターボード製、プラスチック製、木材製、金属製、ガラス製等とすることができる。弾性リブ4は全体が防振材製のものとすることができるが、リブ4の躯体側端又は内装側端に防振材が結合されたものとしてもよい。防振材の一例は発泡プラスチックである。発泡プラスチックは発泡倍率を変化させることで材料のヤング率を微調整することができるので、本発明のリブ4の材質に特に適している。例えば、適当な発泡倍率の発泡プラスチック製弾性リブ4を適当な接着方法で内装板3の躯体対向面に所定間隔Lで列状に固定することにより、内装パネル1を形成する。なお、弾性リブ4の幅w及び厚さaは適当に選択することができる。
【0047】
リブ4の弾性K(例えば、発泡プラスチックの発泡倍率)は、リブ4の所定間隔Lに応じて、躯体2のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅とそのコインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共に抑えるように選択する。上述したように、リブ4により内装板3及び躯体2を構造的に連結したリブ有り二重弾性板では、リブ4の弾性Kが大きい(例えば木軸リブである)場合は、躯体2のコインシデンス周波数fc以上の中・高音域に放射音のピーク・ディップ(放射音の増幅)が発生する(図14参照)。リブのヤング率を小さくして弾性Kを小さくすれば中・高音域のピーク・ディップを抑えることが可能であるが(図18の点線グラフ参照)、リブの弾性Kを小さくし過ぎると躯体2のコインシデンス周波数fcより低域において放射音のピーク(放射音の増幅)が発生する(図18の二点鎖線グラフ参照)。本発明はリブ4の弾性Kを、躯体2のコインシデンス周波数fcより低域において放射音のピークが発生しない範囲内において、中・高音域の放射音のピーク・ディップをできるだけ低く抑えるように選択する。
【0048】
リブ4の弾性Kは、例えば図21に示したように、リブ4の弾性K及び間隔Lと内装板3の質量及び剛性とで定まるリブ有り二重弾性板の共振周波数frが躯体2のコインシデンス周波数fcの近傍となるように定めることができる。リブ有り二重弾性板の共振周波数frは弾性リブ4及び内装板3の属性等から式(41)で定まり、躯体2のコインシデンス周波数fcは躯体2の属性等から式(12)により求まるので、例えばfr(0)rib≒fcに躯体2の属性と内装板3の属性と弾性リブ4の間隔Lとを代入することによりリブ4の弾性Kを算出できる。簡易的には、式(46)の関係式を用いて間隔Lから弾性Kを算出してもよい。また、弾性リブ4の間隔Lが未定である場合は、fr(0)rib≒fcとなるようなリブ4の弾性K及び間隔Lの組み合わせを算出することも可能である。
【0049】
但し、リブ4の弾性K及び間隔Lは、上述したfr(0)ribをfcの近傍とするように選択したものに限定されない。例えば、fr(0)ribが放射低減対象の周波数と一致しないようにリブ4の弾性K及び間隔Lを選択することにより、任意周波数の放射音を低減できる内装構造とすることが可能である。また、検討対象のリブ有り二重弾性の放射低減量RRを表す図20のような図面を作成し、どのような音響放射特性の内装壁を作りたいかに応じて、適切なリブ4の間隔L及び弾性Kの値を設計することも可能である。
【0050】
リブ4の弾性K及び間隔Lの適切な選択により、躯体2のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅と共にfcより高域の中・高音域の放射音の増幅とが共に抑制できる。しかし、場合によっては放射音のピーク値の低減が不十分であり、更なるピーク値の低減が求められる場合もあり得る。そのような場合は、図示例の内装パネル材1のように、内装板3の躯体対向面の弾性リブ4の列間に吸音材5を装着し、弾性リブ4によりコインシデンス周波数fcより高域の放射音をある程度抑えた上で、吸音材5により更に放射音を低減する構造とすることができる。吸音材5の一例は、流れ抵抗率を適当に調整したグラスウール・ロックウール・ウレタンフォーム等の多孔質吸音材であるが、他の適当な多孔質板材料、膜材料、孔あき材料等を用いてもよい。例えば、適当な流れ抵抗の吸音材5を、内装板3の躯体対向面に固定した弾性リブ4の列の間に充填して接着剤で固定する。
【0051】
吸音材5の内装パネル1への装着が放射音に与える影響を図22に示す。同図(A)は、リブをヤング率Ec2=10N/mとした二重弾性板の空気層(キャビティ)に流れ抵抗率=10kPa・s/mの多孔質吸音材を装入する前(実線)と装入した後(破線)の音響放射パワーレベルPWLの理論値を示す。また、同図(B)はヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板に同様の多孔質吸音材を装入する前後、同図(C)はヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板に同様の多孔質吸音材を装入する前後の音響放射パワーレベルPWLの理論値を示す。同図から、リブのヤング率Ec2に関わらず、多孔質吸音材5の装入によりリブ有り二重弾性板の放射音(音響放射パワーレベルPWL)のピーク値が装入前に比し小さくなり、ピークの周波数が僅かに低域へ移動することが確認できる。また、リブのヤング率Ec2が小さいほど音響放射パワーレベルPWLのピーク値に対する低減効果は大きく、低減する帯域が高域まで広がっていることが確認できる。このことから、リブの力学的な振動伝達に対する空気層による音響的振動伝達の割合が大きいほど、吸音材5の装着の効果は高いといえる。
【0052】
図示例の内装パネル材1は、内装板3と弾性リブ4及び吸音材5とを予め一体形成できるので、図1に示すように適当な接着剤6を用いて躯体2の表面に貼り付けることにより、従来のGL工法とほぼ同様の工程で施工することが可能である。ただし、本発明の内装パネル材1の施工方法はGL工法に限定されない。有効スペースを広くする観点から接着剤6の厚さは薄いほうが望ましいが、内装パネル材1自体が放射音低減能を有しているので、接着剤6が多少厚くなっても又は空気層が発生しても音響性能上の問題は発生しない。内装パネル1の設計性能を十分に引き出すためには、可能な限り躯体2に密着させて吸音材5の厚さ以上に余分な空気層幅が形成されないようにすることが有効であるが、15mm程度は誤差範囲内である。好ましくは図1及び2に示すように、内装板3の躯体対向面に固定する吸音材5の厚さbを弾性リブ4の厚さaよりも若干大きくし、(b−a)の厚さの接着剤で弾性リブ4を躯体2へ貼り付けたときに吸音材5が躯体2の表面に密着するようにする。
【0053】
[実験例1]
本発明の内装構造及び内装パネル材による放射音の低減効果を検討するため、図7に示す実験装置を用い、3種類のリブ有り二重弾性板の試験体を用いて実験を行った。各試験体は、表3に示す属性のコンクリート躯体(Structural wall)及び石膏ボード内装板(Interior panel)と、表2に示すヤング率及び間隔のリブとを用いて作成した。表2の試験体1ではバネ定数が小さくリブ間隔が広い発泡プラスチック製リブを用いて躯体と内装板とを連結し、試験体2ではバネ定数が十分に剛とみなせる木軸製リブを用いて躯体と内装板とを連結し、試験体3では上述したfr(0)rib≒fcを満たすバネ定数及び間隔の発泡プラスチック製リブを用いて躯体と内装板とを連結した。各試験体の0.05m幅のキャビティ(=リブの厚さ)には、密度32kg/mのグラスウールを充填した。各試験体を残響室の開口部に設置し、1/3−octバンドノイズで躯体を定常加振し、内装板側の受音室内で音響放射パワーレベルPWLを測定した。
【0054】
【表2】
Figure 2004293065
【0055】
【表3】
Figure 2004293065
【0056】
図23(A)〜(C)は、各試験体1〜3の放射低減量RRの測定結果(黒丸)を理論値(白丸)を比較して示したものである。同図(A)の試験体1では、MA共振により躯体のコインシデンスfcより低域の音響放射パワーが躯体単体の場合よりも増幅し、理論値・実験値共に63Hz付近に顕著なディップが形成されている。また、同図(B)の試験体2では、試験体1において63Hz付近に生じていたMA共振によるディップが理論値・実験値共に200Hz付近へ移動しているため、それ以下の帯域では増幅は起こらないが、中音域及び高音域において顕著なディップが形成されている。他方、同図(C)の試験体3では、中・高音域における性能は試験体1と大差はないが、試験体1において見られた63Hz帯域の顕著なディップが低減している。この実験結果から、本発明による適切な弾性K及び間隔Lのリブを有する二重弾性板は、高音域において低減効果が高い二重弾性板本来の特性を維持しつつ、低域における極端な増幅をある程度軽減できることが確認できた。
【0057】
[実験例2]
図3に示すように、内装板3として12.5mmの石膏ボードを用い、発泡プラスチック製の弾性リブ4を用いて本発明の内装パネル材1を試作した。試作した内装パネル1では、間隔=45mm、ヤング率=1.2×10kg/m、厚さa=25mm、幅w=50mmの3列の弾性リブ4を内装板3の躯体対向面に固定し、弾性リブ4の間に吸音材5として厚さb=25mmのグラスウールを貼り付け、内装板3と弾性リブ4と多孔室吸音材5との3者を一体化した。本実験で用いた躯体2はコインシデンス周波数fcが約125Hzであったため、リブ4のパラメタはMA共振周波数が100〜125Hz程度となるように設計したものである。
【0058】
図3の内装パネル材1の放射音低減効果を、図7の実験装置を用いて検討した。図7の残響室の開口部に躯体2を設置し、図4に示すように十分な接着力を持った接着剤(GLボンド等)を用いて図3の内装パネル材1を躯体2に接着し、内装パネル1側の受音室内で音響放射パワーレベルPWLを測定した。また比較検討のため、残響室の開口部の躯体2に従来のGL工法及びLGS工法によって石膏ボードを内装施工し、内装側の受音室内で音響放射パワーレベルPWLを測定した。本実験結果を図5のグラフに示す。同図から分るように、本発明の内装パネル材1は、中・高音域においてGL施工に比し放射音低減効果が高く、低音域においてもLGS工法に比し放射音低減効果が高く、低音域・中音域・高音域の何れにおいても適切な放射音低減効果が得られることが確認できた。
【0059】
こうして本発明の目的である「低音域・中音域・高音域の放射音を抑制できる内装構造及び内装パネル材」の提供が達成できる。
【0060】
【実施例】
以上、リブ有り二重弾性板からの放射音を主にリブ4の弾性K及び間隔Lにより低減する手法について説明したが、式(27)〜(29)に示すバネ定数K 及び回転弾性KMj はリブの損失係数ηcjの影響も受けるので、リブ有り二重弾性板からの放射音を低減するためにはリブ4の損失係数ηcjを適切に選択することが望ましい。本発明者は、リブ有り二重弾性板からの放射音を低減するためには、遮音材5を併用すると共に、リブ4の損失係数ηcjを可能な限り高くすることが有効であることを解析的に見出した。
【0061】
図24は、リブ4の損失係数ηcjがリブ有り二重弾性板の放射音に与える影響を示す。同図(A)は、損失係数ηcjを0.03(実線)及び0.3(破線)としたヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの理論値を示す。また同図(B)は、損失係数ηcjを0.03(実線)及び0.3(破線)としたヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板、同図(C)は損失係数ηcjを0.03(実線)及び0.3(破線)としたヤング率Ec2=10N/mのリブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの理論値をそれぞれ示す。リブが十分剛とみなせるEc2=10N/mの場合(同図(C)参照)は,全ての帯域においてηc2の影響は認められない。しかし、ある程度の弾性(Ec2=10N/m以下。同図(B)及び(A)参照)を有するようになると、損失係数ηcjはMA共振によって形成されるピークにおいてのみ、そのピーク値を小さくする効果があることが分る。すなわち、損失係数ηcjを可能な限り高いリブを用いることにより、MA共振によってコインシデンス周波数fcより高域に形成される放射音のピーク低減が期待できる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の低音響放射型内装構造及び内装パネル材は、構造物の躯体内面に所定間隔のリブの列を介して内装板を固定し、リブの弾性を所定間隔に応じて躯体のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅と当該コインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共に抑えるように選択するので、次の顕著な効果を奏する。
【0063】
(イ)リブによる施工の容易性を活かしつつ、低音域・中音域・高音域の何れにおいても適切な放射音低減効果が得られる内装が実現できる。
(ロ)リブを構造躯体側に比較的密着させて設置できるので、従来の木軸工法やLGS工法に比し少ない仕上げ幅を実現できる。
(ハ)従来の木軸工法やLGS工法に比し施工工程が少ないので、工期及び工費の低減を図ることができる。
(ニ)構造物と内装板との間に吸音材を装入することにより、中・高音域の放射音を更に低減することが可能である。
(ホ)リブと必要に応じた吸音材とが内装板に一体形成された内装パネル材とすることができるので、従来のGL工法とほぼ同様の工程で施工することができ、GL工法と同程度の優れた作業効率を有する。
(ヘ)弾性リブとして発泡プラスチック等を用い、多孔質吸音材としてグラスウールを用いた場合は、その発泡プラスチック層及びグラスクール層による断熱効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の説明図である。
【図2】は、本発明のパネル材の一実施例の説明図である。
【図3】は、本発明のパネル材の他の実施例の説明図である。
【図4】は、図3に示すパネル材の施工方法の説明図である。
【図5】は、本発明のパネル材と従来のLGS工法及びGL工法との放射音低減効果の比較結果を示すグラフである。
【図6】は、躯体及び内装板からなる(リブ無し)二重弾性板の音響性能の評価手法の説明図である。
【図7】は、二重弾性板の音響性能を測定する実験装置の説明図である。
【図8】は、躯体単体の音響放射パワーレベルPWLの測定値及び理論値を示すグラフである。
【図9】は、(リブ無し)二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの測定値及び理論値を示すグラフである。
【図10】は、(リブ無し)二重弾性板の放射低減量RRの測定値及び理論値を示すグラフである。
【図11】は、図7の実験装置の複数の受音点における放射音圧レベルpの理論値を角度θ及び周波数fの関数として三次元表示したものである。
【図12】は、(リブ無し)二重弾性板のMA共振周波数frのピーク理論値の軌跡と躯体コインシデンス周波数fcのピーク理論値の軌跡を表した図11に対応するグラフである。
【図13】は、内装板及び躯体をリブで構造的に連結したリブ有り二重弾性板の音響性能の評価手法の説明図である。
【図14】は、リブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの理論値を示すグラフである。
【図15】は、リブ有り二重弾性板による放射音圧レベルpの理論値を角度θ及び周波数fの関数として三次元表示したものである。
【図16】は、リブ有り二重弾性板のMA共振周波数frのピーク理論値の軌跡と躯体コインシデンス周波数fcのピーク理論値の軌跡を表した図15に対応するグラフである。
【図17】は、リブ有り二重弾性板のMA共振系の電気的等価回路を示す説明図である。
【図18】は、ヤング率Ec2=10N/m(二点鎖線)、Ec2=10N/m(破線)、Ec2=10N/m(実線)のリブを用いたリブ有り二重弾性板の音響放射パワーレベルPWLの理論値を示すグラフである。
【図19】は、リブ有り二重弾性板のリブのヤング率Ec2と間隔Lとの関係を示すグラフである。
【図20】は、リブ有り二重弾性板の放射低減量RRの理論値をリブのヤング率Ec2及び周波数の関数として三次元表示したものである。
【図21】は、リブ有り二重弾性板のリブのヤング率Ec2に応じたMA共振周波数frのピーク理論値の軌跡を表した図20に対応するグラフである。
【図22】は、(A)ヤング率Ec2=10N/m、(B)ヤング率Ec2=10N/m、及び(C)ヤング率Ec2=10N/mの各リブ有り二重弾性板のキャビティに吸音材(流れ抵抗率=10kPa・s/m)を装着したときの音響放射パワーレベルPWLの理論値を示すグラフである。
【図23】は、(A)リブのヤング率が小さく間隔が広いリブ有り二重弾性板、(B)剛性リブを用いたリブ有り二重弾性板、及び(C)リブのヤング率及び間隔を最適に調整したリブ有り二重弾性板の放射低減量RRの理論値及び測定値を示すグラフである。
【図24】は、(A)ヤング率Ec2=10N/m、(B)ヤング率Ec2=10N/m、及び(C)ヤング率Ec2=10N/mの各リブ有り二重弾性板において、それぞれリブを損失係数ηc2=0.03(実線)及び損失係数ηc2=0.3(破線)としたときの音響放射パワーレベルPWLの理論値を示すグラフである。
【符号の説明】
1…内装パネル材 2…躯体
3…内装板 4…弾性リブ
5…多孔質吸音材 6…接着剤

Claims (14)

  1. 構造物の躯体内面に内装板を、所定間隔で並び且つ当該間隔に応じて躯体のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅と当該コインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共に抑える弾性が付されたリブの列を介して固定してなる低音響放射型内装構造。
  2. 請求項1の構造において、前記リブの弾性及び/又は間隔を、当該リブの弾性及び間隔と前記内装板の質量及び剛性とで定まる躯体・リブ・内装板の連結体の共振周波数frが前記躯体のコインシデンス周波数fcの近傍となるように定めてなる低音響放射型内装構造。
  3. 請求項1又は2の構造において、前記リブの少なくとも一部を発泡プラスチック製としてなる低音響放射型内装構造。
  4. 請求項1又は2の構造において、前記リブを躯体側端又は内装板側端に防振材が結合されたものとしてなる低音響放射型内装構造。
  5. 請求項1から4の何れかの構造において、前記リブを損失係数の高い材料製としてなる低音響放射型内装構造。
  6. 請求項1から5の何れかの構造において、躯体内面と内装板との間に吸音材を装入してなる低音響放射型内装構造。
  7. 請求項6の構造において、前記吸音材を多孔質吸音材としてなる低音響放射型内装構造。
  8. 躯体内面を覆う内装板、及び前記内装板の躯体対向面に所定間隔の列状に固定され且つ当該間隔に応じて躯体のコインシデンス周波数fcより低域の放射音の増幅と当該コインシデンス周波数fc以上の中・高音域の放射音の増幅とを共に抑える弾性が付されたリブの列を備えてなる低音響放射型内装パネル材。
  9. 請求項8のパネル材において、前記リブの弾性及び間隔を、当該リブの弾性及び間隔と前記内装板の質量及び剛性とで定まる躯体・リブ・内装板の連結体の共振周波数frが前記躯体のコインシデンス周波数fcの近傍となるように定めてなる低音響放射型内装パネル材。
  10. 請求項8又は9のパネル材において、前記リブの少なくとも一部を発泡プラスチック製としてなる低音響放射型内装パネル材。
  11. 請求項8又は9のパネル材において、前記リブを躯体側端又は内装板側端に防振材が結合されたものとしてなる低音響放射型内装パネル材。
  12. 請求項8から11の何れかのパネル材において、前記リブを損失係数の高い材料製としてなる低音響放射型内装パネル材。
  13. 請求項8から12の何れかのパネル材において、前記内装板の躯体対向面のリブ列間に当該リブと実質上同じ厚さの吸音材を装着してなる低音響放射型内装パネル材。
  14. 請求項13のパネル材において、前記内装板を石膏ボード製とし、前記吸音材を多孔質吸音材としてなる低音響放射型内装パネル材。
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