JP2002004554A - 二重床構造および二重床施工方法 - Google Patents

二重床構造および二重床施工方法

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JP2002004554A
JP2002004554A JP2000183425A JP2000183425A JP2002004554A JP 2002004554 A JP2002004554 A JP 2002004554A JP 2000183425 A JP2000183425 A JP 2000183425A JP 2000183425 A JP2000183425 A JP 2000183425A JP 2002004554 A JP2002004554 A JP 2002004554A
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damper
rubber
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double
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Shoji Uwano
庄二 宇和野
Yoshiharu Ito
義治 伊藤
Tsutomu Nagasawa
勤 長沢
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SAITAMA RUBBER KOGYO KK
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SAITAMA RUBBER KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】床面と衝撃源との接触により生じた床面の振動
を制振することにより、床面の振動時間を短縮すること
で床衝撃音レベル、特に従来困難であるとされていた重
量床衝撃音レベルの軽減を図ること。 【解決手段】床スラブ上に配置された緩衝材並びに支持
脚に支持された床面を有する二重床構造であって、前記
床スラブと床面との間を連結するダンパー部材を有する
ことを特徴とする、前記二重床構造を施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二重床構造に関す
るものである。特に、重量床衝撃音を飛躍的に改善させ
た二重床構造、およびかかる二重床構造の施工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、集合住宅等においては、床面
への物の落下音や、人の走り回る足音などによる衝撃音
が、階下の住民が耐えられないほどの騒音をもたらし、
社会生活上の問題を引き起こしている。かかる衝撃音を
吸収し、騒音を引き起こさない床構造が望まれている。
【0003】建築物の床構造を通じて階下にもたらされ
る衝撃音には、例えば、靴底やスリッパ等で床を叩いた
ときに生じるコツコツという音と、例えば、子供が高所
から床に飛び降りたとき等に生じるドシンという衝撃音
とがある。建築物の現場における床衝撃音レベルの測定
法は、JIS A 1418−1995に定められてお
り、前者のような衝撃音は「軽量床衝撃音レベル」、後
者のような衝撃音は「重量床衝撃音レベル」として、そ
れぞれ床衝撃音に対する遮断性能の指標を得ることがで
きる。このうち、軽量床衝撃音は、床構造上にカーペッ
トなどの敷物を敷いたり、床とスラブ間に発泡体等の衝
撃吸収体を施工することにより、相当程度まで軽減する
ことが可能である。しかし、併せて重量床衝撃音を軽減
することは非常に困難であった。
【0004】重量床衝撃音レベルを低減するために、種
々の床構造や、部材の改良が提案されている。
【0005】例えば、特殊な形状をしたエラストマーか
らなる支持脚用台座を緩衝材として用いることが提案さ
れている(特開平9−195484号など)。この支持
脚用台座は、硬質ゴム層と軟質ゴム層とを積層して組み
合わせ、かつ床スラブと接触する面に溝を設けることに
よって床スラブとの接触面積を減じることにより、軽量
床衝撃音レベルおよび重量床衝撃音レベルを同時に緩和
することを目的としている。しかし、かかる支持脚用台
座は、重量衝撃を十分に吸収することができず、床面の
振動を軽減できないという問題がある。
【0006】また、防音床材(例えば発泡体を組み込ん
だ床材、不織布を組み込んだ床材等)を用いて、防音二
重床構造を施工する試みも各種行われている(例えば、
特開平9−248872号、特開2000−54611
号、特開平11−159118号、特開平11−172
907号など)。しかし、かかる防音床材を用いること
で、軽量床衝撃音レベルを低減させることは比較的容易
に行いうるが、重量床衝撃音レベルを同時に十分低減さ
せることは困難である。
【0007】その他、床板と床スラブとの間に吸音材を
設けたり(特開平6−10492号)防音根太材を用い
たり(特開平6−229101号)、床下空気抜きを備
えた防音床(特開平6−10494号)等、様々な床構
造が提案されているが、軽量床衝撃音レベルおよび重量
床衝撃音レベルを同時に十分に軽減させる有効な床構造
は提案されていない。
【0008】衝撃源が床に衝突すると、まず、かかる衝
突による衝撃音が発生するとともに、床面が撓み、床面
全体が振動して、床面からの音響放射が発生し、スラブ
を透過する透過音と、支持脚、根太等からの振動伝播が
行われた(固体伝播した)結果スラブ面より2次的に発
生する音響放射音を合成した騒音が階下に発生する。従
来、この衝突により発生する衝撃音そのものを低下させ
るか、あるいは、発生した音を吸音材などに吸音させる
ことにより、床衝撃音レベルを軽減させることを試みて
いた。しかし、本発明者らは、衝撃源が床面に衝突した
ときに床面が撓み、このために床面が振動するという現
象に着目した。そして、衝撃源の床面への衝突により生
じた床面の振動を制振し、振動時間を短縮すると、衝撃
音レベルが飛躍的に軽減することを見出し、本発明を完
成するにいたったものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、床面と衝撃
源との衝突により生じた床面の振動を制振することによ
り、床面の振動時間を短縮することで床衝撃音レベル、
特に従来困難であるとされていた重量床衝撃音レベルの
軽減を図ることを目的とする。
【0010】
【発明を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、床スラブ上に配置された緩衝材並びに支
持脚に支持された床面を有する二重床構造であって、前
記床スラブと床面との間を連結するダンパーを有するこ
とを特徴とする、前記二重床構造を提供する。
【0011】床スラブとは、例えばマンション構造にお
ける、上下階の仕切り構造面を指し、普通コンクリー
ト、軽量コンクリート、軽量骨材コンクリートなどによ
り造られたものである。
【0012】床スラブ上に配置される緩衝材は、支持脚
用の台座として二重床構造を施工する際には通常使用さ
れているものであり、衝撃音を吸収する目的で通常用い
られるエラストマー支持脚用台座を使用することができ
る。支持脚用台座として用いられる代表的なエラストマ
ーとしては、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然トラン
ス−ポリイソプレン、環化天然ゴム、塩化天然ゴム;ス
チレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ト
ランスポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル
ゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジ
エンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、高シスブタジエンゴム、低シスブ
タジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ア
クリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーン
ゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロ
ロヒドリンゴム、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリ
ルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、スチレンブタジエンブロックコポリマ
ー、エチレンプロピレンターポリマー等の熱可塑性エラ
ストマー;または熱硬化性エラストマー;グラスウー
ル、ロックウールなどの無機繊維類などが挙げられる。
これらのエラストマーを単独、または混合して用いても
よく、場合により加硫剤(架橋剤)、加硫助剤(架橋助
剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、充填剤、充填材改質
剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤、加工助剤、補強
剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を
混合することができる。
【0013】緩衝材のかたさが大きすぎると、衝撃音を
吸収する効果が少ないため、好ましくない。一方、緩衝
材のかたさが小さぎると、歩行の際に船酔い感があるな
ど、住民の居住に耐えないものとなる。従ってかかる観
点から、用いる緩衝材のかたさはJIS K6253タ
イプAデュロメーターかたさ約40〜80程度であるこ
とが好ましい。
【0014】支持脚とは、二重床の床面を床スラブ上に
支持する脚を指し、1枚の床材につき1以上の支持脚が
必要である。支持脚の形状は円柱、角材など、いかなる
形状のものでもよい。支持脚として用いる材料として
は、鉄、ナイロン等の建築物の構造材として用いるもの
が挙げられる。支持脚は、例えば根太などを介して床材
に接続することができる。
【0015】床面は、主に床材と床表面材とを含む。床
材は、1層の木製、プラスチック製などの床板パネル、
合板、防音材や強化材シートを積層した床パネル材であ
ってもよい。かかる床材を1枚またはそれ以上用いて隙
間なくあるいは間隔をおいて並べたり、あるいは床材同
士を連結することにより、一部屋分の床面を形成するこ
とができる。床材と床材との間に支持脚を配置して、か
かる支持脚により床材同士を連結することもできる。ま
た、床表面材は、床材の上部を被覆するものであり、床
下張りとなる部分をいう。
【0016】上記のような部材を用いて作製する二重床
構造とは、いわゆる浮床構造になったもの全般を指し、
スラブと床面との間に配管、配線などが可能になったタ
イプのものである。特に、集合住宅やマンション、集合
ビルなどの床構造を施工する際によく用いられる床構造
である。
【0017】本発明の二重床構造は、床スラブと床面と
を連結するダンパーを有することを特徴とする。このダ
ンパーは、衝撃源が床に衝突した際に床全体が撓み、こ
のために生じた床全体の振動を制振する効果を有するよ
うに、弾性を有するものが好ましい。ダンパーの弾性に
よって床全体に生じた振動を制振し、振動時間を短縮す
ることにより、衝撃音レベル、特に重量床衝撃音レベル
を軽減することができると考えられる。すなわち、効果
的に床面の振動を制振するためには、ダンパーは弾性を
有するものであることが好ましいが、これは、床面が撓
んだ方向と逆の方向に振動する際に、かかるダンパーの
存在のために振幅が抑制され、この結果、制振されるか
らである。
【0018】かかる効果を発揮するダンパー部材として
は、紐、ロープ、ばね、ワイヤー、油圧ダンパー、エア
ーダンパーおよび粘弾性ダンパー等が挙げられる。この
うち、施工の便やコストの観点から、紐を用いることが
特に好ましい。
【0019】ダンパー部材として紐を用いる場合、好適
な材料としては、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然ト
ランス−ポリイソプレン、環化天然ゴム、塩化天然ゴ
ム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴ
ム、トランスポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化
ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピ
レンジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、高シスブタジエンゴム、低シ
スブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリ
コーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、エ
ピクロロヒドリンゴム、ニトリルゴム、カルボキシル化
ニトリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、スチレンブタジエンブロックコポ
リマー、エチレンプロピレンターポリマー等の熱可塑性
エラストマー;または熱硬化性エラストマーなどが挙げ
られる。これらのエラストマーを単独、または混合して
用いてもよく、場合により加硫剤(架橋剤)、加硫助剤
(架橋助剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、充填剤、充
填材改質剤、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤、加工助
剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤等の
添加剤を混合することができる。
【0020】ダンパーとしてゴムまたはエラストマーの
紐を用いる場合は、かたさ(JISK6253タイプA
デュロメーター)約30〜80程度のものを用いること
ができる。
【0021】また、ダンパー部材として好適な紐は、上
記の理由により、弾性を有するものであればいかなるも
のでも好ましく、例えば、天然繊維、合成繊維、熱可塑
性プラスチックなどが挙げられる。
【0022】使用する紐の形状は、円柱状、細長い棒の
形状、平たい形状などいずれのものであってもよい。円
柱状の紐を用いる場合、直径約3〜20mm程度のもの
を用いると、施工が容易になる。
【0023】ばねは、加えられた力により伸縮する弾性
ばねであればいかなる形状、いかなる材料により作られ
たものであってもよい。例えば、一般的に用いられる金
属ばね、プラスチックばね、空気バネ等が挙げられる。
本発明において、床面の振動を制振する目的のために
は、好ましくは、ばね定数約0.1〜50程度のばねを
用いることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、図面を用いて本発明をさら
に詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の二重床構造の一態様を表
した断面図である。床スラブ1の上に、支持脚用台座2
として緩衝材を置き、その上に支持脚3を設置する。支
持脚3は、通常の二重床を施工する際に行われる方法
で、支持脚用台座2の上に設置する。例えば、支持脚用
台座2の上面に窪みを形成し、この窪みの中に支持脚3
を差し込む方法により、支持脚3を支持脚用台座2に固
定することができる。床材4を支持脚3の上に設置す
る。床材支持脚3は、通常の二重床を施工する際に行わ
れる方法で固定することができる。例えば、床材4の裏
面に係止部となる窪みを形成しておき、この窪みに支持
脚3を差し込むほか、根太等の部材を間に挟んで固定し
てもよい。また、床材4裏面にねじを切り、支持脚3を
ねじ式に固定することもできる。
【0026】支持脚3の高さは、通常約50〜200m
mであるが、施工する床面の高さに応じて変えることが
できる。例えば、床下に多数の配線、配管などを行う場
合に、かかる配線、配管の自由度を増すために床を高く
する必要がある場合には、支持脚3の高さを約500m
m程度までにすることもまた可能である。支持脚3の太
さは、使用する支持脚の材料に依存するが、通常、直径
約5〜30mm程度のものを使用することができる。
【0027】床材4の一枚当たりの大きさは、通常縦約
900〜1800mm×横約600〜900mm×厚さ
約10〜40mmのものを好ましく用いるが、施工面
積、床構造体の材質、床構造体に必要とされる強度等に
応じて大きさおよび厚さを変更できる。
【0028】ダンパー部材5は、床スラブ1と床材4と
を連結するように配置する。本発明の意図する効果を充
分に得るためには、床スラブ1とダンパー部材5、及び
床材4とダンパー部材とを、固定することが必要であ
る。床スラブ1とダンパー部材5は、例えば、図7等の
方法により固定することができる。すなわち、床スラブ
1上にダンパー部材5の係止部を有する固定金具7を、
固定ボルト8を用いて固着し、該床スラブ1上に固着し
た固定金具8にダンパー部材5を係止することができ
る。この際、床スラブ1と固定金具8との間には、接着
層9を設けてもよい。
【0029】固定金具7は、ダンパー部材5を支持する
ことができるものであればいかなる大きさ、形状、材質
のものでもよく、また、床スラブ1とダンパー部材5と
の固定方法は、図7に記載する態様に限定されるもので
はない。
【0030】一方、床材4とダンパー部材5とは、例え
ば、図8等の方法により、固定することができる。ま
ず、床材4の一部に孔をあける。該孔は、その下部が、
ダンパー部材5が通ることができる程度の大きさであ
り、その上部は、止め金具10を設置することができる
程度の大きさになっている。該孔の下部から、ダンパー
部材5を床材4に通し、孔の上部から止め金具10を用
いてダンパー部材5を床材4に固定する。
【0031】かかる床材4は、例えば床表面材6でその
表面を被覆してもよい。床表面材6は、例えば厚さ約5
〜30mm、好ましくは10〜20mm程度の合板、ベ
ニヤ板、木質パネルなどを用いて施工することが好まし
い。
【0032】止め金具10は、ダンパー部材5と床材4
とを固定することができるものであればいかなる材料、
大きさ、形状のものを用いることもでき、床材4とダン
パー部材5との固定方法は、図8に示す態様に限定され
るものではない。
【0033】床材4に衝撃源が接触した時に床面が撓
み、これにより生じた床面の上下振動を、ダンパー部材
5が抑制し、振動時間を短縮する。これにより、床衝撃
音レベル、特に重量床衝撃音レベルを著しく軽減するこ
とができる。従って、ダンパー部材5は、弾性を有する
ものが好ましい。例えば、木柱のように、剛性のものを
用いることも可能であるが、衝撃音レベルの効果的な軽
減という観点からは、弾性を有するものを用いることが
望ましい。
【0034】図2は、本発明の二重床構造を施工した場
合の床面を上面から見たときの透視図である。図2は、
本発明の二重床構造を用いて、6畳間を施工した場合の
図である。床材を6枚用い、床全面で20本の支持脚を
使用している。図中、3(図中白四角)は支持脚を設置
する位置を、そして5(図中黒丸)は、ダンパー部材を
設置する位置を表しており、図2ではダンパー部材を6
畳間あたり6本施工している。ダンパー部材は、6畳間
に最低2本設置することが好ましいが、使用する床スラ
ブ、支持脚用台座、支持脚、床パネル材の材質や数量に
応じて、増加、減少させることもできる。尚、図2で
は、床表面材は省略して描いている。
【0035】尚、本発明に用いるダンパー部材は、いわ
ゆる浮床構造になっているものに用いることができる。
従って、床スラブ上に配置された緩衝材並びに支持脚に
支持された床面を有する標準的な二重床構造の他、床パ
ネル材間を連結部材により連結したタイプのものや、他
の部材を用いたタイプのもの、および緩衝材を用いない
タイプのものなど、あらゆるタイプの浮床構造に適用す
ることができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施の効果を、比較実施例
および実施例に基づいて説明するが、本実施例は、本発
明の範囲をかかる態様に限定することを意図するもので
はない。 (比較実施例1)重量床衝撃音レベルは、各々JIS
A 1418−1995に示される方法により測定し
た。標準スラブ素面の上に、床設置面積50mm2、高
さ35mm、かたさ(JIS K6253タイプAデュ
ロメーター)50の防振ゴム製支持脚用台座を緩衝材と
して設置し、高さ100mmの支持脚を上記支持脚用台
座に差し込んだ。支持脚の位置は、3(図中白四角)で
示す。この支持脚用台座上に、床パネル材を設置し、測
定用二重床構造を作製した。床パネル材は、縦900m
m×横1820mm×厚さ20mmのものを6枚連結
し、縦2.74m×横3.65mの測定用床面とした。床
パネル材上には、幅300mm×長さ1800mm×厚
さ12mmの合板を適当な大きさに切った床表面材を並
べ、この上から目釘を打ち付けた(図中、床表面材及び
目釘は省略)。図3に示す〜の打撃点に、それぞ
れ、重量衝撃源(重量7.3kg、空気圧1.5×10
5Pa、寸法5.20-10-4PRの自動車タイヤ)を床面上方高
さ90cmの点から自由落下させた。ここで、各打撃点
の位置は、打撃点:測定用二重床の対角線の交点、
:から1/2L(L=対角線の長さ×1/2)の位
置、:から1/3Lの位置、:から1/5Lの
位置とした。スラブ素面の下に受音室を設け、そこに設
置したマイクロフォンを介して重量床衝撃音を測定し
た。JIS A1418−1995に記載される計算式
により重量床衝撃音レベルを算出した。打撃点〜に
各々重量衝撃源を落下させた時の各重量床衝撃音レベル
と、およびこれらの平均値を以下の表1に示す。さらに
この表の数値をグラフにしたものが、図4である。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例1)図3に示す(1)〜(6)
(図中黒丸)で示す部分に、長さ25cm、直径8mm
のかたさ(JIS K6253タイプAデュロメータ
ー)60のNBR系ゴム製ダンパー(商品名:SRC−D
P60、埼玉ゴム工業株式会社製造)を配置した以外は
比較実施例1と同様の二重床構造を作製した。このNB
R系ゴム製ダンパーと床スラブ面とは図7の方法で、ま
た床面とは図8の方法でそれぞれ連結した。比較実施例
1と同様に、図3の〜の打撃点にそれぞれ重量衝撃
源を落下させ、受音室に設置したマイクロフォンを介し
て衝撃音を測定し、重量床衝撃音レベルを算出した。比
較実施例1に示した各打撃点〜に重量衝撃源を落下
させたときの重量床衝撃音レベル及び各打撃点のレベル
の平均値を表2に示す。さらに表1の値をグラフにした
ものが図5である。
【0039】
【表2】
【0040】表1及び表2、または図4及び図5とをそ
れぞれ比較すると、従来、特に軽減が困難であるとされ
ている周波数63Hzの音レベルが、平均5dB低下し
ていることがわかる。従来の二重床に本発明のダンパー
を施工することにより、JIS A1419−1992
に定められる建築物の遮音等級を、少なくとも1等級改
善することが可能であることが判明した。
【0041】さらに、各打撃点における衝撃音レベルの
低下の度合いを比較すると、打撃点または打撃点に
重量衝撃源を落下させたときに、特に63Hzの衝撃音
レベルが著しく低下していることがわかった。打撃点
及び打撃点は、共に、2本のNBR系ゴム製ダンパー
のほぼ中間に位置している。この事実より、ダンパー
は、二重床面全体にほぼ等間隔に平均的に配置させて設
置することが、重量床衝撃音レベル軽減には効果的であ
ることが予想される。 (実施例2)図3(図中黒丸)で示す部分に、かたさ
(JIS K6253タイプAデュロメーター)60の
NBR系ゴム製ダンパー(長さ250mm、直径8m
m)、かたさ(JIS K6253タイプAデュロメー
ター)60の低反発性ゴム製ダンパー(長さ250m
m、直径6mm/8mm/10mm、埼玉ゴム工業株式
会社製)またはナイロン製紐(長さ250mm、直径5
mm)を配置したこと以外は、比較実施例1と同様の二
重床構造を作製した。比較実施例1と同様に、図3中の
〜の各打撃点に各々重量衝撃源を落下させ、受音室
に設置したマイクロフォンを介して衝撃音を測定し、重
量床衝撃音レベルを算出した。各打撃点〜に各々重
量衝撃源を落下させたときの重量床衝撃音レベルの平均
値を表3に示す。さらに表3の値をグラフにしたものが
図6である。
【0042】
【表3】
【0043】直径10mmの低反発性ゴム製ダンパーを
用いた場合、ダンパーを使用しない場合と比較して、特
に63Hzの床衝撃音レベルが5dB軽減されたことが
判明した。また低反発性ゴム製ダンパーの直径が大きい
方が、重量床衝撃音レベルの低下には効果的であった。
【0044】
【発明の効果】二重床構造に本発明のダンパー部材を使
用することにより、床衝撃音レベル、特に重量床衝撃音
レベルを著しく軽減することができる。特に従来困難と
されていた、63Hzの床衝撃音レベルを5dB程度軽
減することができる。すなわち、本発明のダンパー部材
を用いることによって、建築物の遮音等級を1ランク改
善することが可能である。本発明のダンパー部材は、特
殊な吸音材を使用する必要がなく、また施工が容易であ
るので、低コストで効果的に床衝撃音レベルを改善する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダンパー部材を施工した二重床構造の
一態様を表した断面図である。
【図2】本発明の二重床構造を用いて6畳間を施工した
場合の床面を上面から見たときの透視図である。
【図3】床構造の重量衝撃音レベルの測定に用いた二重
床構造を上面から見たときの透視図である。
【図4】ダンパー部材を用いない二重床構造において、
各打撃音に重量衝撃源を落下させたときの重量床衝撃音
レベルを表したグラフである。
【図5】直径8mmのNBR製ゴムダンパー部材を用い
た二重床構造において、各打撃音に重量衝撃源を落下さ
せたときの重量床衝撃音レベルを表したグラフである。
【図6】種々のダンパー部材を用いた二重床構造におい
て、各打撃音に重量衝撃源を落下させたときの重量床衝
撃音レベルを表したグラフである。
【図7】ダンパー部材を床スラブに固定する方法の一例
を示した断面図である。
【図8】ダンパー部材を床材に固定する方法の一例を示
した断面図である。
【符号の説明】
1:床スラブ 2:緩衝材 3:支持脚用台座 4:床材 5:ダンパー部材 6:床表面材 7:固定金具 8:固定ボルト 9:接着層 10:止め金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 5/43 E04B 5/43 H (72)発明者 長沢 勤 埼玉県加須市愛宕2丁目5番24号 埼玉ゴ ム工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DF06 DG01 DH37 EA01 FA11 GA01 GA02 GA07 GA08 GA09 GA10 GA62 GA63 GA76 GA77 HD11 HE01 HF16 JA21 JC08 JD04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床スラブ上に配置された緩衝材並びに支
    持脚に支持された床面を有する二重床構造であって、前
    記床スラブと床面との間を連結するダンパー部材を有す
    ることを特徴とする、前記二重床構造。
  2. 【請求項2】 床スラブ上に配置された支持脚に支持さ
    れた床面を有する二重床構造であって、前記床スラブと
    床面との間を連結するダンパー部材を有することを特徴
    とする、前記二重床構造。
  3. 【請求項3】 前記ダンパー部材が、紐、ロープ、ば
    ね、ワイヤー、油圧ダンパー、エアーダンパーまたは粘
    弾性ダンパーから選択される、請求項1または2に記載
    の二重床構造。
  4. 【請求項4】 前記ダンパー部材が、紐状であって、天
    然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、または熱硬
    化性エラストマーから選択されるエラストマーを含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重床構造。
  5. 【請求項5】 紐、ロープ、ばね、ワイヤー、油圧ダン
    パー、またはエアーダンパーから選択される、二重床構
    造用ダンパー部材。
  6. 【請求項6】 紐状であって、天然ゴム、合成ゴム、熱
    可塑性エラストマー、または熱硬化性エラストマーから
    選択されるエラストマーを含む、二重床構造用ダンパー
    部材。
  7. 【請求項7】 二重床構造施工方法において、床スラブ
    と床面との間をダンパー部材により接続する工程を含む
    ことを特徴とする、前記方法。
  8. 【請求項8】 床スラブ上に配置された緩衝材並びに支
    持脚に支持された床面を有する二重床構造施工方法にお
    いて、前記床スラブと床面との間をダンパー部材により
    接続する工程を含むことを特徴とする、前記方法。
  9. 【請求項9】 前記ダンパー部材が、紐、ロープ、ば
    ね、ワイヤー、油圧ダンパー、またはエアーダンパーか
    ら選択される、請求項7または8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ダンパー部材が、紐状であって、
    天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、または熱
    硬化性エラストマーから選択されるエラストマーを含
    む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
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