JP7223601B2 - 二重床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、床スラブの上面側に距離を隔てて床基材が配置された二重床構造に関するものである。
特許文献1-3には、二重床構造において、床スラブに対して床基材を支持する床束として、防振装置(弾性体)を有する構成が記載されている。これにより、床基材の振動を抑制することができる。そして、防振装置には、液封防振装置が適用されている。また、特許文献4-9には、液封防振装置が記載されている。
特開平11-200600号公報 特開2000-213154号公報 特開2004-211289号公報 特開2006-144398号公報 特開2002-372091号公報 特開平9-72035号公報 実開平6-30546号公報 特開平11-200600号公報 特開2000-213154号公報
二重床構造において、床束が防振装置を有する構成とすることにより、床基材の制振性能を発揮することができるが、より高い防振性能を発揮することが求められている。
本発明は、より高い防振性能を発揮することができる二重床構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、第一弾性体を含み、床スラブの上面に配列され、前記床スラブの上面側に距離を隔てて配置された床基材を弾性支持する複数の床束と、
前記床スラブと前記床基材との間に配置され、前記第一弾性体に並列に配置された複数の第二弾性体と、
を備え、
前記床束は、
木材、金属、樹脂の少なくとも一つにより柱状に形成された束本体と、
前記束本体に直列に配置され、前記束本体の下端と前記床スラブとの間または前記束本体の上端と前記床基材との間に配置された前記第一弾性体と、を備え、
前記第二弾性体は、
前記第一弾性体と比べて、ばね定数が小さく、且つ、減衰係数が同等以上に設定され
前記第一弾性体に並列に接続され、
第一端が前記束本体に連結され、
前記第一弾性体が前記束本体の下端と前記床スラブとの間に配置される場合には、第二端が前記床スラブに連結され、前記第一弾性体が前記束本体の上端と前記床基材との間に配置される場合には、第二端が前記床基材に連結されている、二重床構造にある。
床束は、第一弾性体を備えることにより、第一弾性体による防振性能を発揮することができる。ここで、床束に用いる第一弾性体は、床基材を支持することができるようにするために、ある程度大きなばね定数を有することが求められる。そこで、第一弾性体は、相対的にばね定数が大きく設定されている。従って、第一弾性体は、床束を構成する支持部材としての機能を確実に発揮できる。
ただし、ばね定数が大きな第一弾性体のみでは、防振性能に限界がある。そこで、二重床構造は、床束の第一弾性体に加えて、第一弾性体に並列に配置された第二弾性体を備える。第二弾性体は、第一弾性体と比べて、相対的にばね定数が小さく、且つ、減衰係数が同等以上に設定されている。従って、第二弾性体の減衰機能により、床基材の防振性能が向上する。ここで、第二弾性体は、第一弾性体に並列に配置されており、床束を構成する部材ではない。従って、第二弾性体は、支持力を発揮する必要がないため、ばね定数が小さく設定されたとしても何ら問題ない。つまり、第二弾性体による防振性能をより効果的に発揮させることができる。
二重床構造を示す断面図である。 床束および第二弾性体の配置の第一例を示す平面図である。 床束および第二弾性体の配置の第二例を示す平面図である。 床束および第二弾性体の配置の第三例を示す平面図である。 シミュレーションにおいて基準構成の振動モード特性を取得するための振動打撃点を示す平面図である。 シミュレーションにおいて基準構成の振動モード特性を取得するための測定点(×印)を示す平面図である。 基準構成の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図2に示す第一例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.15の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図2に示す第一例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.38の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図2に示す第一例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.75の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図3に示す第二例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.15の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図3に示す第二例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.38の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図3に示す第二例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.75の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図4に示す第三例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.15の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図4に示す第三例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.38の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。 図4に示す第三例の二重床構造において、第二弾性体の損失係数tanδ=0.75の場合の加速度レベルのスペクトル特性を示すグラフである。
(1.二重床構造10の構成)
二重床構造10の構成について、図1を参照して説明する。本例において、二重床構造10は、特に下階への遮音性能を向上することを目的とするため、上階の床に適用される。
図1に示すように、二重床構造10は、床スラブ11、床基材12、および、複数の床束13を備える。床スラブ11は、床の構造部材を構成する。床スラブ11は、例えば、コンクリートスラブ、構造用合板、これらの複合スラブなどである。
床基材12は、床スラブ11の上面側に距離を隔てて配置されている。つまり、床スラブ11と床基材12との間には、領域が形成されている。当該領域には、例えば、配管、配線や断熱材などを配置することができる。もちろん、当該領域に、何も配置せずに、空間を形成した状態とすることもできる。床基材12には、例えば、パーティクルボード、合板などが適用される。床基材12の上面には、フローリング材などの床仕上材14が配置されている。
複数の床束13は、床スラブ11の上面に配列され、床基材12を支持する。つまり、床束13は、床基材12の支持脚を構成する。床束13は、図1に示すように、例えば、直交する2方向(縦横)のそれぞれの方向に複数個配列されている。1個の床束13の支持力に基づいて、床基材12の単位面積当たりの床束13の数が決定される。
床束13は、少なくとも第一弾性体13bを備える。従って、床束13は、床基材12を弾性支持する。ここで、本例においては、床束13は、束本体13aと、第一弾性体13bとを備える。ただし、床束13は、束本体13aを備えずに、第一弾性体13bのみにより構成されるようにしてもよい。
床束13を構成する束本体13aは、木材、金属、樹脂の少なくとも一つにより、主として柱状に形成されている。本例においては、束本体13aは、上端に、床基材12の下面に取り付けるための取付フランジを備える。束本体13aは、例えば、締結部材(図示せず)により締結される。なお、束本体13aは、フランジを備えない構成とすることもできる。そして、束本体13aは、床スラブ11に対して床基材12を支持するための支持力を発揮できるように構成されている。束本体13aの長さは、床スラブ11と床基材12との間の領域の高さに応じて適宜設定される。
第一弾性体13bは、束本体13aに直列に配置されている。ここでいう直列とは、床スラブ11と床基材12とを接続する経路において、束本体13aに直列に配置されていることを意味する。従って、第一弾性体13bは、束本体13aと共に、床スラブ11に対して床基材12を支持するための支持力を発揮できるように構成されている。
第一弾性体13bは、少なくとも弾性を有するように構成されている。例えば、第一弾性体13bは、ゴム弾性体またはゴム状弾性を有するエラストマーにより形成されるようにしてもよいし、公知の液封防振装置を適用するようにしてもよいし、スプリングを適用するようにしてもよい。また、第一弾性体13bは、ゴム弾性体またはゴム状弾性を有するエラストマーと、液封防振装置と、スプリングの中から選択された2種以上を併用することもできる。なお、第一弾性体13bは、ゴム弾性体、エラストマー、液封防振装置の場合には、粘弾性を有する。
図1においては、束本体13aの上端は、床基材12の下面に直接的に連結されている場合を例示する。そして、第一弾性体13bが、束本体13aの下端と床スラブ11の上面との間に挟まれて配置されている。この他に、束本体13aの下端が、床スラブ11の上面に直接的に連結されるようにし、第一弾性体13bが、束本体13aの上端と床基材12の下面との間に挟まれて配置されるようにしてもよい。さらには、第一弾性体13bが、束本体13aの上端および下端のそれぞれに配置されるようにしてもよい。また、第一弾性体13bが、床束13の中央に配置されるようにしてもよい。
二重床構造10は、さらに、複数の第二弾性体15を備える。第二弾性体15は、床スラブ11と床基材12との間に直接的または間接的に連結されている。特に、第二弾性体15は、第一弾性体13bに並列に配置されている。すなわち、床スラブ11と床基材12とを接続する経路において、第二弾性体15と第一弾性体13bとが並列に配置されていることを意味する。
より詳細には、第二弾性体15は、対応する床束13の近傍に配置されている。つまり、第二弾性体15は、対応する床束13の周囲に配置された他の複数の床束13よりも、対応する床束13に近接する位置に配置されている。図1においては、左端に図示する第二弾性体15は、左右方向の中央に位置する床束13(他の床束13)よりも、左端に位置する床束13(対応する床束13)に近接する位置に配置されている。
第二弾性体15は、複数の床束13の全てに対応する位置に配置されるようにしてもよいし、複数の床束13の一部のみに対応する位置に配置されるようにしてもよい。図1においては、第二弾性体15は、複数の床束13の一部のみに対応する位置に配置されている場合を例示する。
また、図1においては、第二弾性体15の第一端が、対応する床束13の束本体13aの側面に連結され、第二端が、対応する床束13の近傍における床スラブ11の上面に連結されている。つまり、第二弾性体15は、床スラブ11と床基材12との間に、束本体13aを介して間接的に連結されている。この他に、第二弾性体15の第一端は、束本体13aに連結される場合に代えて、対応する床束13の近傍における床基材12の下面に連結されるようにしてもよい。つまり、第二弾性体15は、床スラブ11と床基材12との間に直接的に連結されている。
また、第一弾性体13bが束本体13aの上端に配置される場合においては、例えば、第二弾性体15の第一端が束本体13aに連結され、第二端が床基材12の下面に連結される。この場合、第二弾性体15の第一端は、束本体13aに連結される場合に代えて、対応する床束13の近傍における床スラブ11の上面に連結されるようにしてもよい。
ここで、第二弾性体15は、第一弾性体13bとは異なり、床束13を構成していない。従って、第二弾性体15は、第一弾性体13bのように支持力を発揮する必要はない。特に、第二弾性体15は、主として、減衰機能を有するように構成されている。第二弾性体15は、例えば、公知の液封防振装置を適用することもできるし、高減衰ゴム、高減衰エラストマーを適用することもできる。すなわち、第二弾性体15は、粘弾性を有する。ここで、高減衰とは、静的な弾性ではなく、主として減衰機能を有することを意味する。また、第二弾性体15は、液封防振装置と、高減衰ゴムまたは高減衰エラストマーとを併用することもできる。
つまり、第二弾性体15は、第一弾性体13bと比べて、ばね定数が小さく、且つ、減衰係数が同等以上に設定されている。特に、第二弾性体15は、第一弾性体13bと比べて、減衰係数が大きく設定されるとよい。ここでいう第二弾性体15のばね定数とは、第二弾性体15の動的な複素弾性率G(=G’+iG”)に相当する。G’は、貯蔵弾性率を表し、G”は、損失弾性率を表す。第一弾性体13bのばね定数とは、第一弾性体13bが粘弾性体である場合には、第一弾性体13bの動的な複素弾性率Gに相当する。
床束13は、第一弾性体13bを備えることにより、第一弾性体13bによる防振性能を発揮することができる。ここで、床束13に用いる第一弾性体13bは、床基材12を支持することができるようにするために、ある程度大きなばね定数を有することが求められる。そこで、第一弾性体13bは、第二弾性体15に比べて、ばね定数が大きく設定されている。従って、第一弾性体13bは、床束13を構成する支持部材としての機能を確実に発揮できる。
ただし、ばね定数が大きな第一弾性体13bのみでは、防振性能に限界がある。そこで、二重床構造10は、床束13の第一弾性体13bに加えて、第一弾性体13bに並列に配置された第二弾性体15を備える。第二弾性体15は、第一弾性体13bと比べて、相対的にばね定数が小さく、且つ、減衰係数が同等以上に設定されている。従って、第二弾性体15の減衰機能により、床基材12の防振性能が向上する。ここで、第二弾性体15は、第一弾性体13bに並列に配置されており、床束13を構成する部材ではない。従って、第二弾性体15は、支持力を発揮する必要がないため、ばね定数が小さく設定されたとしても何ら問題ない。つまり、第二弾性体15による防振性能をより効果的に発揮させることができる。
(2.床束13と第二弾性体15との配置)
床束13と第二弾性体15の配置について、図2-図4を参照して説明する。図2の例、図3の例、図4の例において、白丸が床束13の位置を示し、黒丸が第二弾性体15の位置を示す。
例えば、6畳間(例えば、縦2730mm×横3630mm、9.9m)の場合を例にあげる。床束13は、図2-図4の白丸にて示すように、例えば、縦方向に4列、横方向に7列、配列されている。つまり、床束13は、合計28個配列されている。ただし、床束13の縦ピッチおよび横ピッチは、任意に設定できる。第二弾性体15は、図2の例、図3の例、図4の例に示す配置とすることができる。もちろん、第二弾性体15は、図2-図4の他の配置とすることもできる。
図2および図3の例においては、第二弾性体15は、複数の床束13の一部のみに対応する位置に配置されている。図2の例においては、第二弾性体15は、中央付近に1箇所、当該中央付近と各角部とを繋ぐ中間付近のそれぞれの位置に1箇所ずつ配置される。すなわち、図2の例においては、5個の第二弾性体15が配置される。
ここで、図2の例においては、床束13の単位面積(1m)当たりの数は、約2.8となる。一方、第二弾性体15の単位面積当たりの数は、約0.5となる。従って、床束13の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、第二弾性体15の単位面積当たりの数は、約17.9となる。
図3の例においては、第二弾性体15は、床束13に対して、千鳥配置されている。すなわち、第二弾性体15は、縦方向に配列された複数の床束13の1個置きに配列され、且つ、横方向に配列された複数の床束13の1個置きに配列されている。つまり、第二弾性体15は、床束13の半数、すなわち14個配列されている。
ここで、図3の例においては、床束13の単位面積(1m)当たりの数は、約2.8となる。一方、第二弾性体15の単位面積当たりの数は、約1.4となる。従って、床束13の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、第二弾性体15の単位面積当たりの数は、50となる。
図4の例においては、第二弾性体15は、複数の床束13の全てに対応する位置に配置されている。すなわち、第二弾性体15は、床束13と同数、すなわち28個配列されている。ここで、図4の例においては、床束13の単位面積(1m)当たりの数は、約2.8となる。同様に、第二弾性体15の単位面積当たりの数は、約2.8となる。従って、床束13の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、第二弾性体15の単位面積当たりの数は、100となる。
(3.第一弾性体13bおよび第二弾性体15の例)
第一弾性体13bと第二弾性体15とは、上述したように異なる特性を有するように設定されている。第一弾性体13bおよび第二弾性体15は、液封防振装置を適用することができる。例えば、第一弾性体13bおよび第二弾性体15が液封防振装置を適用する場合には、特開2006-144398号公報、特開2002-372091号公報、特開平9-72035号公報、実開平6-30546号公報、特開平11-200600号公報、特開2000-213154号公報などに記載の装置を適用できる。
また、第一弾性体13bは、液封防振装置の他に、ゴムまたはエラストマーを適用することもできる。この場合、第一弾性体13bは、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適用できる。また、第一弾性体13bは、スプリングを適用することもできる。
また、第二弾性体15は、液封防振装置の他に、高減衰ゴムまたは高減衰エラストマーを適用することもできる。この場合、第二弾性体15は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適用できる。
(4.第一弾性体13bおよび第二弾性体15の特性)
第一弾性体13bおよび第二弾性体15の特性は、以下のようにするとよい。ここで、特性として、ばね定数および損失係数tanδを用いる。
ばね定数は、荷重をたわみ量で除した値である。ただし、第一弾性体13bおよび第二弾性体15のばね定数は、線形ではない。そこで、1個の第一弾性体13bが支持する対象物の標準質量を荷重とし、第一弾性体13bが当該荷重を受けた際のたわみ量により当該荷重を除した値を、第一弾性体13bのばね定数とする。支持する対象物の標準質量とは、床基材12、床仕上材14、および、床仕上材14の上面における標準質量の載置物の合計値である標準対象質量を総荷重とし、総荷重を第一弾性体13bの数で除した値である。また、第二弾性体15についても同様である。
また、損失係数tanδは、損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である。また、損失係数tanδは、ηと表されることもあり、減衰比ζの2倍の値である。減衰比ζは、減衰係数cを臨界粘性減衰係数c(=2√(m・k))で除した値である。
第一弾性体13bのばね定数は、180N/mm以上、好ましくは200N/mm以上、より好ましくは230N/mm以上に設定するとよい。また、第一弾性体13bのばね定数は、300N/mm以下、好ましくは280N/mm以下、より好ましくは250N/mm以下に設定するとよい。また、第一弾性体13bの損失係数tanδは、0.35以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下に設定するとよい。また、第一弾性体13bの損失係数tanδの下限値は、特に制限されるものではない。すなわち、第一弾性体の損失係数tanδは、0でもよく、0より大きな値でもよい。
第二弾性体15のばね定数は、180N/mm以下、好ましくは100N/mm以下、より好ましくは70N/mm以下に設定するとよい。また、第二弾性体15のばね定数の下限値は、特に制限されるものではない。すなわち、第二弾性体15のばね定数は、0でもよく、0より大きな値でもよい。また、第二弾性体15の損失係数tanδは、0.3以上に設定するとよい。第二弾性体15の損失係数tanδについては、床束13に対する第二弾性体15の割合に応じて最適値が異なる。なお、ばね定数は、形状設定などにより調整することができる。
床束13の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、第二弾性体15の単位面積当たりの数が30以上100未満に設定されている場合には、第二弾性体15の損失係数tanδは、0.3以上、好ましくは0.7以上に設定するとよい。特に、第二弾性体15の単位面積当たりの数が30以上70以下に設定されている場合に、第二弾性体15の損失係数tanδを上記範囲とすることがより好適である。この場合、第二弾性体15の損失係数tanδの上限値は、特に制限されるものではない。ただし、実用的な範囲として、第二弾性体15の損失係数tanδは、例えば、2.0以下、好ましくは1.0以下に設定するとよい。
また、床束13の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、第二弾性体15の単位面積当たりの数が50以上100以下に設定されている場合には、第二弾性体15の損失係数tanδは、0.3以上0.7以下、好ましくは0.3以上0.5以下に設定するとよい。特に、第二弾性体15の単位面積当たりの数が70以上100以下に設定されている場合に、第二弾性体15の損失係数tanδを上記範囲とすることがより好適である。より好適には、第二弾性体15の単位面積当たりの数が100に設定されている場合、すなわち、第二弾性体15が床束13と同数の場合には、第二弾性体15の損失係数tanδを上記範囲とするとよい。
(5.シミュレーション)
(5-1.シミュレーション方法)
図5に示すように、上述した二重床構造10において第二弾性体15を備えない構成を基準構成100とする。すなわち、基準構成100においては、床束13のみにより、床基材12および床仕上材14が支持されている。ここで、基準構成100における床束13の第一弾性体13bは、ばね定数235N/mm、損失係数0.3のものを使用する。
そして、基準構成100に対して、JIS A 1418-1:2000、JIS A 1418-2:2000に規定されている床衝撃音の性能の測定方法と類似する方法を適用し、基準構成100の振動モード特性を取得する。すなわち、図5に示す5箇所の打撃点101のそれぞれに実荷重を付与する。5箇所の打撃点101は、床スラブ11の中央付近に1箇所、当該中央付近と各角部とを繋ぐ中間付近のそれぞれの位置に1箇所ずつ配置される。
それぞれの実荷重を付与した場合に、図6の×印にて示す第一位置111および第二位置112における面外振動の実加速度を計測する。第一位置111は、床束13が配置される位置に対応する。従って、第一位置111は、28箇所存在する。第二位置112は、近接する4個の床束13で囲まれる矩形の中央位置に対応する。ただし、図6において最下列に位置する第一位置111よりも図中の下方にも、第二位置112が配置される。従って、第二位置112は、24個存在する。
続いて、それぞれの実荷重を付与した場合における52個の実加速度に基づいてモーダル解析を行うことにより、基準構成100における床基材12の振動特性を生成する。そして、基準構成100における床基材12の振動特性に基づいて、シミュレーションモデルが生成される。
さらに、それぞれの実荷重を付与した場合における52個の実加速度に基づいて、図7に示すように、加速度レベルのスペクトル特性を算出する。つまり、上記JIS規格の衝撃音レベルを加速度レベルに置換した算出方法を適用して、加速度レベルのスペクトル特性を算出する。なお、図7において、nは、第二弾性体15の数を表している。従って、基準構成100は、n=0となる。
続いて、シミュレーションモデルにおいて、図2-図4の例のそれぞれに対応する第二弾性体15の位置に、減衰力を付加して、床基材12の振動特性についてシミュレーションを行う。つまり、第二弾性体15の位置に損失係数tanδの成分を付加し、さらに5箇所の打撃点101(図5に示す)のそれぞれに仮想荷重を付与することにより、床基材12の振動状態をシミュレーションにより生成する。ここで、損失係数tanδは、0.15、0.38、0.75の3種類とした。
続いて、シミュレーションの結果により、仮想加速度を取得し、仮想加速度に基づいて加速度レベルのスペクトル特性を算出する。そして、基準構成100と二重床構造10のそれぞれにおける加速度レベルのスペクトル特性を比較する。
(5-2.シミュレーション結果)
図2の第一例に示すように、5箇所の第二弾性体15を配置した場合には、加速度レベルのスペクトル特性は、図8A、図8Bおよび図8Cに示すようになる。図8Aは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.15とし、図8Bは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.38とし、図8Cは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.75とする。
図2の第一例について、周波数帯域を63Hz帯域、125Hz帯域、250Hz帯域について、1/3オクターブバンドおよび1/1オクターブバンドのそれぞれの結果を表1に示す。表1には、基準構成100についての加速度レベルを合わせて示すと共に、二重床構造10における基準構成100に対する防振効果を合わせて示す。
Figure 0007223601000001
図8A-図8Cおよび表1によれば、5個の第二弾性体15を配置することで、全ての周波数帯域において防振効果を発揮することが分かる。特に、損失係数tanδが、0.15よりも0.38の方が防振効果が高く、0.38よりも0.75の方が防振効果が高い。ただし、10dB前後の防振効果を発揮する周波数帯域は、損失係数tanδが0.75の場合の1/3オクターブバンドの315Hz帯域のみであった。また、1/3オクターブバンドの100Hz帯域および160Hz帯域については、防振効果を発揮するものの非常に僅かであった。
図3の第二例に示すように、14箇所の第二弾性体15を千鳥配置した場合には、加速度レベルのスペクトル特性は、図9A、図9Bおよび図9Cに示すようになる。図9Aは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.15とし、図9Bは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.38とし、図9Cは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.75とする。
図3の第二例について、周波数帯域を63Hz帯域、125Hz帯域、250Hz帯域について、1/3オクターブバンドおよび1/1オクターブバンドのそれぞれの結果を表2に示す。表2には、基準構成100についての加速度レベルを合わせて示すと共に、二重床構造10における基準構成100に対する防振効果を合わせて示す。
Figure 0007223601000002
図9A-図9Cおよび表2によれば、14個の第二弾性体15を千鳥配置することで、全ての周波数帯域において防振効果を発揮することが分かる。損失係数tanδが0.15の場合には、全ての周波数帯域において、8dB前後の防振効果を発揮した。損失係数tanδが0.38の場合には、全ての周波数帯域において、10dB前後の防振効果を発揮した。損失係数tanδが0.75の場合には、250Hz帯域においては10dB前後の防振効果を発揮した。ただし、低周波帯域(200Hz帯域以下)においては5dB前後の防振効果であった。つまり、損失係数tanδを0.38よりも0.75に大きくすると、防振効果が却って低下することが分かる。つまり、損失係数tanδは、0.15よりも0.38の方が防振効果が高く、0.75よりも0.38の方が防振効果が高い。また、図2の第一例と比較した場合には、14個の第二弾性体15を千鳥配置した場合の方が、全ての周波数帯域および全ての損失係数tanδの場合について、防振効果が高い。
図4の第三例に示すように、28箇所の第二弾性体15を配置した場合には、加速度レベルのスペクトル特性は、図10A、図10Bおよび図19Cに示すようになる。図10Aは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.15とし、図10Bは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.38とし、図10Cは、第二弾性体15の損失係数tanδが0.75とする。
図4の第三例について、周波数帯域を63Hz帯域、125Hz帯域、250Hz帯域について、1/3オクターブバンドおよび1/1オクターブバンドのそれぞれの結果を表3に示す。表3には、基準構成100についての加速度レベルを合わせて示すと共に、二重床構造10における基準構成100に対する防振効果を合わせて示す。
Figure 0007223601000003
図10A-図10Cおよび表3によれば、28個の第二弾性体15を配置することで、全ての周波数帯域において防振効果を発揮することが分かる。損失係数tanδが0.15の場合には、全ての周波数帯域において、7dB前後の防振効果を発揮した。損失係数tanδが0.38の場合には、全ての周波数帯域において、10dB前後の防振効果を発揮した。損失係数tanδが0.75の場合には、全ての周波数帯域において、12dB前後の防振効果を発揮した。
つまり、損失係数tanδが、0.15よりも0.38の方が防振効果が高く、0.38よりも0.75の方が防振効果が高い。このように、28個の第二弾性体15を配置した場合には、損失係数tanδを大きくするほど、防振効果が高くなる。
ここで、図3の第二例と図4の第三例とを比較する。上述したように、図4の第三例における損失係数tanδが0.75とする場合が、最も防振効果が高い。ただし、第二弾性体15を全ての床束13に対応する数だけ配置することが必要となる。従って、コスト高となる。そこで、高い防振効果を発揮することが要求される場合には、第二弾性体15を全ての床束13に対応する数だけ配置するとよい。
一方、図3の第二例では、損失係数tanδが0.38とすることで、高い防振効果を発揮する。この場合、図4の第三例における損失係数tanδが0.75の場合に比べると、防振効果は僅かに劣る。しかし、図3の第二例において損失係数tanδが0.38の場合には、全ての周波数帯域において10dB前後の防振効果を発揮する。従って、十分に高い防振効果を発揮できる。そして、第二弾性体15は、床束13の数の半数であるため、低コスト化を図ることができる。そこで、10dB前後の防振効果を発揮することで十分な場合には、第二弾性体15を千鳥配置するとよい。
(6.第二弾性体15の例)
上述したように、シミュレーションにおいて、第二弾性体15の損失係数tanδを、0.15、0.38、0.75の3種とした。第二弾性体15の実成分を適宜調整した結果、損失係数tanδを0.3、0.7、1.0のそれぞれとなる場合の第二弾性体15の実成分を、表4に示す。表4において、各成分の数値は、質量%である。これらを適用することにより、上記シミュレーションにより得られた防振効果を実際に発揮することができる。
Figure 0007223601000004
10:二重床構造、11:床スラブ、12:床基材、13:床束、13a:束本体、13b:第一弾性体、14:床仕上材、15:第二弾性体、100:基準構成、tanδ:損失係数

Claims (10)

  1. 第一弾性体を含み、床スラブの上面に配列され、前記床スラブの上面側に距離を隔てて配置された床基材を弾性支持する複数の床束と、
    前記床スラブと前記床基材との間に配置され、前記第一弾性体に並列に配置された複数の第二弾性体と、
    を備え、
    前記床束は、
    木材、金属、樹脂の少なくとも一つにより柱状に形成された束本体と、
    前記束本体に直列に配置され、前記束本体の下端と前記床スラブとの間または前記束本体の上端と前記床基材との間に配置された前記第一弾性体と、を備え、
    前記第二弾性体は、
    前記第一弾性体と比べて、ばね定数が小さく、且つ、減衰係数が同等以上に設定され
    前記第一弾性体に並列に接続され、
    第一端が前記束本体に連結され、
    前記第一弾性体が前記束本体の下端と前記床スラブとの間に配置される場合には、第二端が前記床スラブに連結され、前記第一弾性体が前記束本体の上端と前記床基材との間に配置される場合には、第二端が前記床基材に連結されている、二重床構造。
  2. 前記第二弾性体の損失係数は、0.3以上に設定されている、請求項1に記載の二重床構造。
  3. 前記第二弾性体の損失係数は、0.3以上に設定され、
    前記床束の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、前記第二弾性体の前記単位面積当たりの数は、30以上100未満に設定されている、請求項2に記載の二重床構造。
  4. 前記第二弾性体の損失係数は、0.7以上に設定されている、請求項3に記載の二重床構造。
  5. 前記第二弾性体は、縦方向の前記床束の配置に対して1個置きに配列され、且つ、横方向の前記床束に対して1個置きに配列されることにより、前記床束の配置に対して千鳥配置されている、請求項4に記載の二重床構造。
  6. 前記第二弾性体の損失係数は、0.3以上0.7以下に設定され、
    前記床束の単位面積当たりの数を100と定義した場合に、前記第二弾性体の前記単位面積当たりの数は、50以上100以下に設定されている、請求項2に記載の二重床構造。
  7. 前記第一弾性体の損失係数は、0.35以下に設定されている、請求項1-6の何れか1項に記載の二重床構造。
  8. 前記第二弾性体は、液封防振装置である、請求項1-7の何れか1項に記載の二重床構造。
  9. 前記第二弾性体は、減衰機能を有するゴムまたは減衰機能を有するエラストマーである、請求項1-7の何れか1項に記載の二重床構造。
  10. 前記第二弾性体は、液封防振装置と、減衰機能を有するゴムまたは減衰機能を有するエラストマーとを含む、請求項1-7の何れか1項に記載の二重床構造。
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