JP6690127B2 - 耐リチウム還元層形成用組成物および耐リチウム還元層の成膜方法 - Google Patents

耐リチウム還元層形成用組成物および耐リチウム還元層の成膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐リチウム還元層形成用組成物および耐リチウム還元層の成膜方法に関するものである。
携帯型情報機器をはじめとする多くの電気機器の電源として、リチウム二次電池が利用されている。このリチウム二次電池は、正極と負極と、これらの層の間に設置され、リチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。
近年、高エネルギー密度と安全性とを両立したリチウム二次電池として、電解質層の構成材料に、固体電解質を使用する全固体型リチウム電池すなわち固体電解質層を備える全固体型リチウム電池が提案されている。
このような全固体型リチウム電池が備える固体電解質層の構成材料として、下記一般式(A)で表される化合物(以下、単に「化合物A」と言う。)を含むものが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
Li7−xLa(Zr2−x,Nb)O12 ・・・ (A)
[式中、Xは、0〜2を表す。]
この固体電解質層を形成する際に、特許文献1、非特許文献1では、化合物Aは、固相反応により生成される。具体的には、化合物Aに対して化学量論組成通りに、化合物Aに対して等量で、Li化合物、La化合物、Zr化合物およびNb化合物をモル比ベースで混合し、得られた混合物を仮焼成する。そして、後工程である本焼結でのLi欠損を補うために、化合物AのLi量に対して、Li換算で4〜20アトミック%のLi化合物を添加した後、例えば、900℃〜1150℃のような高温領域で本焼結を行うことで生成される。
また、前述のようにして得られる化合物Aは、優れたLiイオン伝導性を有し、かつ、優れた耐Li還元性を有する。そのため、例えば、負極がリチウムで構成される場合、全固体型リチウム二次電池を、負極と固体電解質層との間に耐リチウム還元層を備える構成のものとし、この耐リチウム還元層における断裂やデンドライト成長が生じることに起因する短絡の発生を抑制または防止することを目的に、前記耐リチウム還元層を、化合物Aを含有するものとすることが考えられる。
しかしながら、前述した固相反応によりリチウム還元層を形成すると、固体電解質層および耐リチウム還元層を形成する粒子同士がこれらの界面において点接触により接触することとなる。そのため、リチウム還元層自体は優れたLiイオン伝導性を備えるものの、前記界面において、優れたLiイオン伝導性が得られているとは言えなかった。
特許第5083336号公報
S.Ohta,T.Kobayashi,T.Asaoka、J.Power Sources,196,3342(2011)
本発明の目的の一つは、優れたLiイオン伝導性および耐Li還元性を有する耐リチウム還元層を成膜することができる耐リチウム還元層形成用組成物、かかる耐リチウム還元層形成用組成物を用いた耐リチウム還元層の成膜方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の耐リチウム還元層形成用組成物は、溶媒と、
リチウム化合物と、ランタン化合物と、ジルコニウム化合物と、元素Mを備える化合物と、を含み、
前記リチウム化合物、前記ランタン化合物、前記ジルコニウム化合物および前記元素Mを備える化合物は前記溶媒に対して溶解性を示し、
一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記リチウム化合物が1.50倍以上2.50倍以下であり、
前記一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記ランタン化合物が0.70倍以上1.00倍以下であり、
前記一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記ジルコニウム化合物が0.70倍以上1.00倍以下であり、
前記一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記元素Mを備え
る化合物が等倍に含む、ことを特徴とする。
Li7−xLa(Zr2−x,M)O12 ・・・ (I)
[式中、元素MはNbとTaとの双方を表し、Xは0〜2を表す。]
このような組成比の耐リチウム還元層形成用組成物によれば、優れたLiイオン伝導性および耐Li還元性を有する耐リチウム還元層を成膜することができる。
本発明の耐リチウム還元層形成用組成物では、前記リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物およびリチウムアルコキシド化合物のいずれかであり、
前記ランタン化合物は、ランタン金属塩化合物およびランタンアルコキシド化合物のいずれかであり、
前記ジルコニウム化合物は、ジルコニウム金属塩化合物およびジルコニウムアルコキシド化合物のいずれかであり、
前記元素Mを備える化合物は、前記元素Mの金属塩化合物および金属アルコキシド化合物のいずれかであることが好ましい。
これにより、これらの化合物の混合物である耐リチウム還元層形成用組成物から前記一般式(I)で表される化合物を高い生成率で得ることができる。
本発明の耐リチウム還元層形成用組成物では、前記溶媒は、水、単一の有機溶媒、水と有機溶媒を含む混合溶媒、および、少なくとも2種類以上の有機溶媒を含む混合溶媒のいずれかであることが好ましい。
これにより、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物および前記金属Mを備える化合物を、それぞれ、耐リチウム還元層形成用組成物中において、確実に溶解させることができる。
本発明の耐リチウム還元層の成膜方法は、本発明の耐リチウム還元層形成用組成物を用いて液状被膜を形成する第1の工程と、
前記液状被膜を加熱する第2の工程と、を含み、
前記一般式(I)で表される化合物を含む耐リチウム還元層を得ることを特徴する。
このような耐リチウム還元層の成膜方法により、優れたLiイオン伝導性および耐Li還元性を有する耐リチウム還元層を成膜することができる。
本発明の耐リチウム還元層の成膜方法では、前記液状被膜は、塗付法を用いて形成されることが好ましい。
塗布法によれば、均一な膜厚の液状被膜ひいては耐リチウム還元層を容易に形成することができる。
本発明の耐リチウム還元層の成膜方法では、前記第2の工程は、前記液状被膜を乾燥する第1の加熱処理と、リチウム、ランタン、ジルコニウムおよび前記元素Mの金属酸化物を生成する第2の加熱処理と、前記一般式(I)で表される化合物を生成、焼結する第3の加熱処理とを有することが好ましい。
これにより、耐リチウム還元層において、前記一般式(I)で表される化合物の結晶構造を、立方晶のガーネット型結晶構造を有するものとすることができ、さらに隣接する粒状をなす前記一般式(I)で表される化合物の結晶同士を焼結させたものとすることができるため、耐リチウム還元層は、より優れたイオン導電率を発揮するものとなる。
本発明の耐リチウム還元層の成膜方法では、前記第1の加熱処理における加熱温度は、50℃以上250℃以下であることが好ましい。
これにより、立方晶のガーネット型結晶構造を有する前記一般式(I)で表される化合物をより高い生成率で得ることができる。
本発明の耐リチウム還元層の成膜方法では、前記第2の加熱処理における加熱温度は、400℃以上550℃以下であることが好ましい。
これにより、立方晶のガーネット型結晶構造を有する前記一般式(I)で表される化合物をより高い生成率で得ることができる。
本発明の耐リチウム還元層の成膜方法では、前記第3の加熱処理における加熱温度は、600℃以上900℃以下であることが好ましい。
これにより、立方晶のガーネット型結晶構造を有する前記一般式(I)で表される化合物をより高い生成率で得ることができる。
リチウム二次電池の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すリチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。 リチウム二次電池の第2実施形態を示す縦断面図である。 実施例1〜3、比較例1、2で測定されたX線回折スペクトルである。 実施例9、10及び実施例14で測定されたX線回折スペクトルである。 実施例11〜13で測定されたX線回折スペクトルである。
以下、本発明の耐リチウム還元層形成用組成物および耐リチウム還元層の成膜方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の耐リチウム還元層形成用組成物および耐リチウム還元層の成膜方法を説明するのに先立って、まず、リチウム二次電池について説明する。
<リチウム二次電池>
<<第1実施形態>>
図1は、リチウム二次電池の第1実施形態を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせて記載してある。
リチウム二次電池100は、電極複合体10と、電極複合体10上に接合された耐リチウム還元層30と、耐リチウム還元層30上に接合された電極20とを有している。このリチウム二次電池100は、いわゆる全固体リチウムイオン二次電池である。
電極複合体10は、図1に示すように、集電体1と、活物質成形体2と、固体電解質層3と、を備えている。なお、以下では、活物質成形体2と固体電解質層3とを合わせた構成を、複合体4と称することとする。この複合体4は、集電体1と耐リチウム還元層30との間に位置して、対向する一対の面において、これらに対して互いに接合している。
集電体1は、電池反応により生成された電流を取り出すための電極であり、複合体4の一面4aにおいて固体電解質層3から露出する活物質成形体2に接して設けられている。
この集電体1は、後述する活物質成形体2が正極活物質で構成される場合、正極として機能し、活物質成形体2が負極活物質で構成される場合、負極として機能する。
また、集電体1の形成材料(構成材料)としては、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、この群から選ばれる2種以上の金属元素を含む合金等が挙げられる。
集電体1の形状は、特に限定されず、例えば、板状、箔状、網状等をなすものが挙げられる。また、集電体1の表面は、平滑なものであってもよく、凹凸が形成されていてもよい。
活物質成形体2は、無機物の電極活物質を形成材料(構成材料)とした多孔質の成形体である。
この多孔体で構成される活物質成形体2が有する複数の細孔は、活物質成形体2の内部で互いに網目状に連通した連通孔を形成している。
この活物質成形体2に含まれる形成材料の種類を適宜選択することにより、集電体1は、正極にも負極にもなり得る。
集電体1を正極とする場合、この活物質成形体2の形成材料には、例えば、正極活物質として公知のリチウム複酸化物を用いることができる。
なお、本明細書において「リチウム複酸化物」とは、リチウムを必ず含み、かつ全体として2種以上の金属イオンを含む酸化物であって、オキソ酸イオンの存在が認められないものを言う。
このようなリチウム複酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMn、LiFePO、LiFeP、LiMnPO、LiFeBO、Li(PO、LiCuO、LiFeF、LiFeSiO、LiMnSiO等が挙げられる。また、本明細書においては、これらのリチウム複酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体もリチウム複酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質として用いることができる。
さらに、集電体1を負極とする場合、活物質成形体2の形成材料には、例えば、負極活物質として、LiTi12、LiTi等のリチウム複酸化物を用いることができる。
また、活物質成形体2は、空隙率が10%以上50%以下であることが好ましく、30%以上50%以下であることがより好ましい。活物質成形体2がこのような空隙率を有することにより、活物質成形体2の細孔内の表面積を広げ、かつ活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を広げやすくなり、電極複合体10を用いたリチウム電池を高容量にしやすくなる。
空隙率は、例えば、(1)活物質成形体2の外形寸法から得られる、細孔を含めた活物質成形体2の体積(見かけ体積)と、(2)活物質成形体2の質量と、(3)活物質成形体2を構成する活物質の密度とから下記の式(II)に基づいて測定することができる。
Figure 0006690127
また、詳しくは後述するが、活物質成形体2の空隙率は、活物質成形体2を形成する工程において、粒子状の有機物で構成される造孔材を用いることで制御可能である。
活物質成形体2の抵抗率は、700Ω/cm以下であることが好ましく、100Ω/cm以下であることがより好ましい。活物質成形体2がこのような抵抗率を有することにより、電極複合体10を用いてリチウム電池を形成した際に、充分な出力が得られる。
なお、抵抗率は、活物質成形体2の表面に電極として用いる銅箔を付着し、直流分極測定を行うことにより測定することができる。
固体電解質層3は、固体電解質を形成材料(構成材料)とし、活物質成形体2の細孔内を含む活物質成形体2の表面に接して設けられている。
固体電解質としては、後述する一般式(I)で表わされる化合物の他、例えば、SiO−P−LiO、SiO−P−LiCl、LiO−LiCl−B、Li3.40.6Si0.4、Li14ZnGe16、Li3.60.4Ge0.6、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO、Li2.88PO3.730.14、LiNbO、Li0.35La0.55TiO、LiLaZr12、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−P、LiPON、LiN、LiI、LiI−CaI、LiI−CaO、LiAlCl、LiAlF、LiI−Al、LiF−Al、LiBr−Al、LiO−TiO、La−LiO−TiO、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiN−LiCl、LiNBr、LiSO、LiSiO、LiPO−LiSiO、LiGeO−LiVO、LiSiO−LiVO、LiGeO−ZnGeO、LiSiO−LiMoO、LiSiO−LiZrO等の酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物が挙げられる。これらの固体電解質は、結晶質であってもよく、非晶質であってもよい。また、本明細書においては、これらの組成物の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体も、固体電解質として用いることができる。
なお、固体電解質として下記一般式(I)で表わされる化合物を用いることにより、固体電解質層3と、耐リチウム還元層30との界面がより均一なものとなるため、この界面におけるイオン導電率をより優れたものとすることができる。
固体電解質層3のイオン伝導率は、1×10−5S/cm以上であることが好ましく、5×10−5S/cm以上であることがより好ましい。固体電解質層3がこのようなイオン伝導率を有することにより、活物質成形体2の表面から離れた位置の固体電解質層3に含まれるイオンも、活物質成形体2の表面に達し、活物質成形体2における電池反応に寄与することが可能となる。そのため、活物質成形体2における活物質の利用率が向上し、容量を大きくすることができる。このとき、イオン伝導率が前記下限値未満であると、固体電解質層3の種類によっては、活物質成形体2において対極と相対する面の表層近辺の活物質しか電池反応に寄与せず、容量が低下するおそれがある。
なお、「固体電解質層3のイオン伝導率」とは、固体電解質層3を構成する上述の無機電解質自身の伝導率である「バルク伝導率」と、無機電解質が結晶質である場合における結晶の粒子間の伝導率である「流界イオン伝導率」と、の総和である「総イオン伝導率」のことを言う。
なお、固体電解質層3のイオン伝導率は、例えば、固体電解質粉末を624MPaで錠剤型にプレス成型したものを大気雰囲気下700℃で8時間焼結し、スパッタリングにより直径0.5cm、厚み100nmのプラチナ電極をプレス成型体両面に形成して交流インピーダンス法を実施することにより測定することができる。測定装置には、例えば、インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社製、型番SI1260)を用いる。
また、詳しくは後述するが、複合体4の両面4a、4bは、好ましくは、製造時に研磨加工された研磨面となっており、固体電解質層3から活物質成形体2が露出している。そのため、このような研磨加工を施した場合、両面4a、4bには、研磨加工の痕跡である擦過痕(研磨痕)が残されている。
なお、本実施形態の電極複合体10は、活物質成形体2を成形する際に、活物質同士をつなぎ合わせるバインダーや、活物質成形体2の導電性を担保するための導電助剤などの有機物を用いることなく成形されており、ほぼ無機物のみで構成されている。具体的には、本実施形態の電極複合体10においては、複合体4(活物質成形体2および固体電解質層3)を400℃で30分加熱した時の質量減少率が、5質量%以下となっている。質量減少率は、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、質量減少が観測されない、または誤差範囲であることが特に好ましい。すなわち、複合体4を400℃で30分加熱した時の質量減少率は0質量%以上であるとよい。複合体4がこのような質量減少率を有するため、複合体4には、所定の加熱条件で蒸発する溶媒や吸着水等の物質や、所定の加熱条件で燃焼または酸化されて気化する有機物が、構成全体に対して5質量%以下しか含まれないこととなる。
なお、複合体4の質量減少率は、示差熱−熱重量同時測定装置(TG−DTA)を用い、複合体4を所定の加熱条件で加熱することで、所定の加熱条件による加熱後の複合体4の質量を測定し、加熱前の質量と加熱後の質量との比から算出することができる。
本実施形態の電極複合体10においては、活物質成形体2において、複数の細孔が内部で網目状に連通する連通孔を構成しており、活物質成形体2の固体部分も網目構造を形成している。例えば、正極活物質であるLiCoOは、結晶の電子伝導性に異方性があることが知られている。そのため、LiCoOを形成材料として活物質成形体を形成しようとすると、細孔を機械加工で形成するような、特定の方向に細孔が延在して設けられているような構成では、結晶の電子伝導性を示す方向によっては、内部で電子伝導しにくいことが考えられる。しかしながら、活物質成形体2のように細孔が網目状に連通し、活物質成形体2の固体部分が網目構造を有していると、結晶の電子伝導性またはイオン伝導性の異方性によらず、電気化学的に滑性な連続表面を形成することができる。そのため、用いる活物質の種類によらず、良好な電子伝導を担保することができる。
また、本実施形態の電極複合体10においては、複合体4が上述のような構成であるため、複合体4に含まれるバインダーや導電助剤の添加量が抑制されており、バインダーや導電助剤を用いる場合と比べて、電極複合体10の単位体積あたりの容量密度が向上する。
また、本実施形態の電極複合体10においては、多孔質の活物質成形体2の細孔内の表面にも固体電解質層3が接している。そのため、活物質成形体2が多孔質体ではない場合や、細孔内において固体電解質層3が形成されていない場合と比べ、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積が大きくなり、界面インピーダンスを低減させることができる。したがって、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において良好な電荷移動が可能となる。
さらに、本実施形態の電極複合体10においては、集電体1は、複合体4の一面に露出する活物質成形体2と接触しているのに対し、固体電解質層3は、多孔質の活物質成形体2の細孔内にまで侵入し、細孔内を含み集電体1と接する面以外の活物質成形体2の表面と接している。このような構造の電極複合体10では、集電体1と活物質成形体2との接触面積(第1の接触面積)よりも、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積(第2の接触面積)のほうが大きいことは明らかである。
ここで、仮に、電極複合体が第1の接触面積と第2の接触面積とが同じ構成であると、集電体1と活物質成形体2との界面のほうが、活物質成形体2と固体電解質層3との界面よりも電荷移動が容易であるため、活物質成形体2と固体電解質層3との界面が電荷移動のボトルネックとなる。そのため、電極複合体全体としては良好な電荷移動を阻害してしまう。しかしながら、本実施形態の電極複合体10では、第1の接触面積よりも、第2の接触面積のほうが大きいことにより、上述のボトルネックを解消しやすく、電極複合体全体として良好な電荷移動が可能となる。
これらのことから、以下で説明する本実施形態の製造方法で製造された、上述した構成をなす電極複合体10は、電極複合体10を用いたリチウム電池の容量を向上させ、かつ高出力とすることができる。
電極20は、耐リチウム還元層30の複合体4とは反対側の面に接して設けられている。
この電極20は、活物質成形体2が正極活物質で構成される場合、負極として機能し、活物質成形体2が負極活物質で構成される場合、正極として機能する。
この電極20の形成材料(構成材料)としては、電極20が負極の場合、例えば、リチウム(Li)が挙げられ、電極20が正極の場合、例えば、アルミニウム(Al)が挙げられる。
電極20の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
耐リチウム還元層30は、他面4bにおいて複合体4に接し、一面30aにおいて電極20に接して設けられている。この耐リチウム還元層30は、複合体4と電極20との間に位置して、対向する一対の面30a、4bにおいて、これらに対して互いに接合している。
このような耐リチウム還元層30を、複合体4と電極20との間に備えることで、リチウム二次電池100において、電極20と集電体1とが活物質成形体2を介して接続されるのを防止すること、すなわち短絡を防止することができる。すなわち、耐リチウム還元層30は、リチウム二次電池100における短絡を防止する短絡防止層としての機能を発揮する。
本発明では、この耐リチウム還元層30が、下記一般式(I)で表わされる化合物(以下、単に「化合物I」と言うこともある。)を含有する。この化合物Iは、常温においても優れたリチウムイオン伝導性および耐リチウム還元性を有するセラミックス材料である。また、かかる化合物Iを含む薄膜は、薄膜としても十分な強度を有している。そのため、この化合物Iを含む薄膜を耐リチウム還元層30にすることで、薄膜の断裂やリチウムイオンが還元することにより生じるデンドライト成長に起因する短絡の発生を抑制または防止することができる。したがって、この耐リチウム還元層30は、優れたリチウムイオン伝導性および耐リチウム還元性を発揮する。
Li7−xLa(Zr2−x,M)O12 ・・・ (I)
[式中、MはNb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbのうちの少なくとも1種を表し、Xは0〜2を表す。]
化合物Iにおいて、金属Mとしては、Nb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、Nb(ニオブ)およびTa(タンタル)のうちの少なくとも1種であることが好ましい。これにより、得られる耐リチウム還元層30をより優れたリチウムイオン伝導性および耐リチウム還元性を発揮するものとすることができるとともに、耐リチウム還元層30を薄膜としても優れた強度を備えるものとすることができる。
また、化合物I中のX、すなわち、金属Mの置換率は、できるだけ大きい方が好ましく、特に限定されるものではないが、1以上2以下であるのが好ましく、1.4以上2以下であるのがより好ましい。前記Xが小さ過ぎると、金属Mの種類等によっては、耐リチウム還元層30に、前述した機能を十分に発揮させることができないおそれがある。
また、化合物Iは、耐リチウム還元層30において、立方晶または正方晶のいずれの結晶構造を有するものであってもよいが、立方晶のガーネット型結晶構造を有することが好ましい。これにより、耐リチウム還元層30のイオン導電率のさらなる向上が図られる。
この耐リチウム還元層30のイオン伝導率は、1×10−5S/cm以上であることが好ましく、5×10−5S/cm以上であることがより好ましい。耐リチウム還元層30がこのようなイオン伝導率を有することにより、耐リチウム還元層30に含まれるイオンを、活物質成形体2の表面に到達させることができ、活物質成形体2における電池反応に寄与することが可能となる。そのため、活物質成形体2における活物質の利用率が向上し、容量を大きくすることができる。このとき、イオン伝導率が前記下限値未満であると、耐リチウム還元層30の種類によっては、活物質成形体2において対極と相対する面の表層近辺の活物質しか電池反応に寄与せず、容量が低下するおそれがある。
なお、「耐リチウム還元層30のイオン伝導率」とは、耐リチウム還元層30を構成する上述の化合物I自身の伝導率である「バルク伝導率」と、化合物Iからなる結晶の粒子間の伝導率である「流界イオン伝導率」と、の総和である「総イオン伝導率」のことを言う。
また、耐リチウム還元層30のイオン伝導率は、例えば、化合物Iの粉末を624MPaで錠剤型にプレス成型したものを大気雰囲気下700℃で8時間焼結し、スパッタリングにより直径0.5cm、厚み100nmのプラチナ電極をプレス成型体両面に形成して交流インピーダンス法を実施することにより測定することができる。測定装置には、例えば、インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社製、型番SI1260)を用いる。
さらに、耐リチウム還元層30の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上5μm以下であることがより好ましい。かかる厚さに設定することで、リチウムイオン伝導性と耐リチウム還元性との双方の機能を確実に発揮させることができる。
上記のような構成の耐リチウム還元層30は、本実施形態では、図1に示すように、複合体4の他面4bに接して設けられている。また、複合体4は、他面4bにおいて、活物質成形体2と固体電解質層3との双方が露出している。そのため、耐リチウム還元層30は、他面4bにおいて、活物質成形体2と固体電解質層3との双方に接している。
このような耐リチウム還元層30と複合体4との界面、すなわち、耐リチウム還元層30と活物質成形体2との界面、および、耐リチウム還元層30と固体電解質層3との界面では、それぞれ、耐リチウム還元層30と活物質成形体2とが固溶した連続層(固溶体)、および、耐リチウム還元層30と固体電解質層3とが固溶した連続層(固溶体)が形成されている。これにより、耐リチウム還元層30と複合体4(固体電解質層3および活物質成形体2)との界面における抵抗値が低くなり、その結果、前記界面でのリチウムイオンの受け渡しがより円滑に行われるようになる。換言すれば、耐リチウム還元層30と複合体4との層間における、リチウムイオン伝導性のさらなる向上が図られる。なお、上記のような連続層は、本発明の耐リチウム還元層形成用組成物を用いて、複合体4の他面4b上に耐リチウム還元層30を形成することにより得ることができるが、その方法(本発明の耐リチウム還元層の成膜方法)については、後述するリチウム二次電池の製造方法において詳述する。
なお、化合物Iを含む薄膜で構成される耐リチウム還元層30は、化合物Iの結晶(一次粒子)が造粒することで形成された粒体(二次粒子)同士が焼結した多孔体で構成されている。そのため、耐リチウム還元層30は、網目状に連通した連通孔(細孔)を備える構成をなしているが、この連通孔には、室温で非晶質(ガラス質、アモルファス)である充填材料が充填された充填部が形成されていることが好ましい。このような充填部を設けることにより、多孔体を補強することができるため、化合物Iで構成される多孔体においてリチウムイオンの受け渡しが行われたとしても、耐リチウム還元層30における形状の安定化を図ることができる。
この充填部の構成材料としては、例えば、SiまたはBを含むリチウム複酸化物が挙げられ、具体的には、LiSiO、LiSiO、LiBO、HBOおよびLi2+X1−X等が挙げられ、これらのうちの1種または2種を組み合わせて用いることができる。
[リチウム二次電池の製造方法]
次に、図1に示す、第1実施形態のリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
図2〜4は、図1に示すリチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2〜4の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図2〜4においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせて記載してある。
[1]まず、図2に示すように、成形型Fを用いて粒子状のリチウム複酸化物(以下、「活物質粒子2X」と言う。)を含む形成材料を圧縮して成形し(図2(a)参照)、その後、得られた圧縮成形物を熱処理することにより活物質成形体2を得る(図2(b)参照)。
この熱処理は、850℃以上であって、用いるリチウム複酸化物の融点未満の処理温度で行うことが好ましい。これにより、活物質粒子2X同士を焼結させて一体化された成形体を確実に得ることができる。このような温度範囲で熱処理を行うことにより、導電助剤を添加しなくても、得られる活物質成形体2の抵抗率を好ましくは700Ω/cm以下とすることができる。これにより、得られるリチウム二次電池100は、充分な出力を備えるものとなる。
このとき、処理温度が850℃未満であると、用いるリチウム複酸化物の種類によっては、充分に焼結が進行しないばかりか、活物質の結晶内の電子伝導性自体が低下するため、得られるリチウム二次電池100に、所望の出力が得られなくなるおそれがある。
また、処理温度がリチウム複酸化物の融点を上回ると、リチウム複酸化物の結晶内からリチウムイオンが過剰に揮発し、リチウム複酸化物の電子伝導性が低下することに起因して、得られる電極複合体10の容量が低下するおそれがある。
したがって、適切な出力と容量を得るためには上記処理温度が850℃以上、リチウム複酸化物の融点未満であることが好ましく、875℃以上1000℃以下であることがより好ましく、900℃以上920℃以下であることがさらに好ましい。
また本工程の熱処理は、5分以上36時間以下で行うことが好ましく、4時間以上14時間以下で行うことがより好ましい。
上記のような熱処理を施すことで、活物質粒子2X内の粒界の成長や、活物質粒子2X間の焼結が進行するため、得られる活物質成形体2が形状を保持しやすくなり、活物質成形体2のバインダーの添加量を低減することができる。また、焼結により活物質粒子2X間に結合が形成され、活物質粒子2X間の電子の移動経路が形成されるため、導電助剤の添加量も抑制できる。なお、活物質粒子2Xの形成材料としては、LiCoOを好適に用いることができる。
また、得られる活物質成形体2は、活物質成形体2が有する複数の細孔が、活物質成形体2の内部で互いに網目状に連通した連通孔で構成されたものとなる。
活物質粒子2Xの平均粒径は、300nm以上5μm以下が好ましく、450nm以上3μm以下がより好ましく、500nm以上1μm以下がさらに好ましい。このような平均粒径の活物質を用いると、得られる活物質成形体2の空隙率を、好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは15%以上35%以下に設定することができる。これにより、活物質成形体2の細孔内の表面積を広げ、かつ活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を広げやすくなり、電極複合体10を用いたリチウム電池を高容量にしやすくなる。
活物質粒子2Xの平均粒径が前記下限値未満であると、下記液状体の種類によっては、形成される活物質成形体の細孔の半径が数十nmの微小なものになり易く、後述する工程において細孔の内部に無機固体電解質の前駆体を含む液状体を浸入させることが困難となり、その結果、細孔の内部の表面に接する固体電解質層3を形成しにくくなるおそれがある。
また、活物質粒子2Xの平均粒径が前記上限値を超えると、形成される活物質成形体の単位質量当たりの表面積である比表面積が小さくなり、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積が小さくなる。そのため、得られる電極複合体10を用いてリチウム電池を形成した際に、充分な出力が得られなくなるおそれがある。また、活物質粒子2Xの内部から固体電解質層3までのイオン拡散距離が長くなるため、活物質粒子2Xにおいて中心付近のリチウム複酸化物は電池の機能に寄与しにくくなるおそれがある。
なお、活物質粒子2Xの平均粒径は、例えば、活物質粒子2Xをn−オクタノールに0.1質量%〜10質量%の範囲の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX250)を用いて、メジアン径を求めることにより測定することができる。
また、活物質粒子2Xの形成に用いる形成材料には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリビニルアルコール(PVA)などの有機高分子化合物をバインダーとして添加してもよい。これらのバインダーは、本工程の熱処理において、燃焼または酸化され、量が低減する。
また、用いる形成材料には、圧粉成形時に細孔の鋳型として高分子や炭素粉末を形成材料とする粒子状の造孔材を添加することが好ましい。これらの造孔材が混入することにより、活物質成形体の空隙率を制御することが容易となる。このような造孔材は、熱処理時に燃焼や酸化により分解除去され、得られる活物質成形体では量が低減する。
造孔材の平均粒径は、好ましくは0.5μm〜10μmである。
さらに、造孔材は、潮解性を有する物質を形成材料とする粒子(第1粒子)を含むと好ましい。第1粒子が潮解することにより第1粒子の周囲に生じる水が、粒子状のリチウム複酸化物をつなぎ合わせるバインダーとして機能するため、粒子状のリチウム複酸化物を圧縮成形して熱処理するまでの間、形状を維持することが可能となる。そのため、他のバインダーを添加することなく、またはバインダーの添加量を低減させながら活物質成形体を得ることができ、容易に高容量な電極複合体とすることができる。
このような第1粒子としては、ポリアクリル酸を形成材料とする粒子を挙げることができる。
また、造孔材は、潮解性を有さない物質を形成材料とする粒子(第2粒子)をさらに含むと好ましい。このような第2粒子を含む造孔材は、取り扱いが容易となる。また、造孔材が潮解性を有すると、造孔材の周囲の水分量に応じて、活物質成形体の空隙率が所望の設定値から乖離することがあるが、造孔材として潮解しない第2粒子を同時に含むことで、空隙率の乖離を抑制することが可能となる。
[2]次いで、図3に示すように、活物質成形体2の細孔の内部を含む活物質成形体2の表面に、固体電解質層3の前駆体を含む液状体3Xを塗布し(図3(a))、その後、焼成することで前駆体を無機固体電解質として、固体電解質層3を形成する(図3(b))。
これにより、活物質成形体2と固体電解質層3とを備える複合体4が形成される。
液状体3Xは、前駆体の他に前駆体を可溶な溶媒を含んでもよい。液状体3Xが溶媒を含む場合には、液状体3Xの塗布後、焼成の前に、適宜溶媒を除去するとよい。溶媒の除去は、加熱、減圧、送風など通常知られた方法の1種、または2種以上を組み合わせた方法を採用することができる。
ここで、流動性を有する液状体3Xを塗布して固体電解質層3を形成することから、微細な活物質成形体2の細孔の内部表面にも良好に固体電解質を形成することが可能となる。そのため、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を拡大しやすく、活物質成形体2と固体電解質層3との界面の電流密度が低減され、その結果、大きな出力を容易に得ることができる。
液状体3Xの塗布は、活物質成形体2の細孔の内部にまで液状体3Xが浸透する方法であれば、種々の方法により行うことができる。例えば、活物質成形体2を載置しておいたところに液状体3Xを滴下することで行ってもよく、液状体3Xを貯留しているところに活物質成形体2を浸漬させることで行ってもよく、液状体3Xを貯留しているところに活物質成形体2の端部を接触させ、毛管現象を利用して細孔内に含浸させることで行ってもよい。図3(a)では、上記のうち、ディスペンサーDを用いて液状体3Xを滴下する方法を示している。
また、固体電解質層3の前駆体としては、例えば、以下の(A)(B)(C)が挙げられる。
(A)無機固体電解質が有する金属原子を無機固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により無機固体電解質となる塩を有する組成物
(B)無機固体電解質が有する金属原子を無機固体電解質の組成式に従った割合で含む金属アルコキシドを有する組成物
(C)無機固体電解質微粒子、または無機固体電解質が有する金属原子を無機固体電解質の組成式に従った割合で含む微粒子ゾルを溶媒、または(A)もしくは(B)に分散させた分散液
なお、(A)に含まれる塩には、金属錯体を含む。また、(B)は、いわゆるゾルゲル法を用いて無機固体電解質を形成する場合の前駆体である。
前駆体の焼成は、大気雰囲気下、上述した活物質成形体2を得るための熱処理よりも低い温度で行う。具体的には、焼成温度は、300℃以上700℃以下の温度範囲で行うとよい。焼成により前駆体から無機固体電解質が生成され、固体電解質層3が形成される。なお、固体電解質層の形成材料としては、Li0.35La0.55TiOを好適に用いることができる。
このような温度範囲で焼成することにより、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において、それぞれを構成する元素の相互拡散による固相反応が生じ、電気化学的に不活性な副生物が生成することを抑制することができる。また、無機固体電解質の結晶性が向上し、固体電解質層3のイオン電導性を向上させることができる。加えて、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において、焼結する部分が生じ、界面における電荷移動が容易となる。これにより、電極複合体10を用いたリチウム電池の容量や出力が向上する。
焼成は、1度の熱処理で行うこととしてもよく、前駆体を前記多孔体の表面に被着させる第1の熱処理と、第1の熱処理の処理温度以上700℃以下の温度条件で加熱する第2の熱処理と、に分けて行うこととしてもよい。このような段階的な熱処理で焼成を行うことにより、固体電解質層3を所望の位置に容易に形成することができる。
[3]次いで、複合体4の両面4a、4bを研削・研磨することで、これら両面4a、4bから、活物質成形体2と固体電解質層3との双方を露出させる(図4(a)参照)。
なお、この場合、一面4aおよび他面4bには、それぞれ、研削・研磨加工の痕跡である擦過痕(研削・研磨痕)が残される。
なお、前記工程[2]において、複合体4を形成した際に、両面4a、4bから活物質成形体2と固体電解質層3との双方が露出することがある。この場合は、複合体4の両面4a、4bにおける研削・研磨を省略することもできる。
[4]次いで、複合体4の他面4b上に、前記化合物Iを含有する耐リチウム還元層30を形成するために用いられる耐リチウム還元層形成用組成物(本発明の耐リチウム還元層形成用組成物)を供給して液状被膜を形成し、その後、この液状被膜を加熱することにより、前記一般式(I)で表される化合物を含む耐リチウム還元層30を得る(図4(b)参照)。
以下、この工程[4]について詳述する。
[4−1]まず、耐リチウム還元層形成用組成物(前駆体組成物)を調製し、その後、この耐リチウム還元層形成用組成物を用いて他面4b上に液状被膜を形成する(第1の工程)。
耐リチウム還元層形成用組成物(本発明の耐リチウム還元層形成用組成物)は、前記化合物Iを含有する耐リチウム還元層30を形成するために用いられ、溶媒と、この溶媒に対して、それぞれ溶解性を示すリチウム化合物と、ランタン化合物と、ジルコニウム化合物と、前記金属Mを備える化合物とを含有する液状反応物であり、前記化合物Iにおける化学量論組成に対して、前記リチウム化合物が1.05倍以上2.50倍以下、前記ランタン化合物と前記ジルコニウム化合物とが0.70倍以上1.00倍以下、および前記金属Mを備える化合物が等倍に含まれるものである。
リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物および前記金属Mを備える化合物は、特に限定されないが、例えば、それぞれ、リチウム、ランタン、ジルコニウムおよび前記金属Mの金属塩および金属アルコキシドのうちの少なくとも1種であることが好ましい。これにより、これらの化合物の混合物である耐リチウム還元層形成用組成物から前記化合物Iを高い生成率で得ることができる。
このようなリチウム化合物(リチウム源)としては、例えば、塩化リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムのようなリチウム金属塩、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムブトキシド、リチウムイソブトキシド、リチウムセカンダリーブトキシド、リチウムターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトリチウムのようなリチウムアルコキシド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ランタン化合物(ランタン源)としては、例えば、塩化ランタン、硝酸ランタン、酢酸ランタンのようなランタン金属塩、ランタンメトキシド、ランタンエトキシド、ランタンプロポキシド、ランタンイソプロポキシド、ランタンブトキシド、ランタンイソブトキシド、ランタンセカンダリーブトキシド、ランタンターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトランタンのようなランタンアルコキシド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、ジルコニウム化合物(ジルコニウム源)としては、例えば、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウムのようなジルコニウム金属塩、ジルコニウムメトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムイソブトキシド、ジルコニウムセカンダリーブトキシド、ジルコニウムターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトジルコニウムのようなジルコニウムアルコキシド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記金属Mを備える化合物としては、金属Mがニオブである場合、例えば、塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、蓚酸ニオブのようなニオブ金属塩、ニオブエトキシド、ニオブプロポキシド、ニオブイソプロポキシド、ニオブセカンダリーブトキシドのようなニオブアルコキシドや、ニオブアセチルアセトン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、溶媒としては、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物および前記金属Mを備える化合物を、それぞれ、溶解し得るものが用いられ、水および有機溶媒の単溶媒または混合溶媒が用いられる。これにより、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物および前記金属Mを備える化合物を、それぞれ、耐リチウム還元層形成用組成物中において、確実に溶解させることができる。
有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等のエステル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
また、他面4b上への液状被膜の形成は、耐リチウム還元層形成用組成物を他面4b上に供給することにより行われるが、この耐リチウム還元層形成用組成物の供給は、塗布法を用いるのが好ましい。塗布法によれば、均一な膜厚の液状被膜ひいては耐リチウム還元層30を他面4b上に容易に形成することができる。
塗布法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法および液滴吐出法等が挙げられる。
また、耐リチウム還元層形成用組成物には、リチウム化合物と、ランタン化合物と、ジルコニウム化合物と、前記金属Mを備える化合物とが上述したような組成比で含まれており、これにより、耐リチウム還元層形成用組成物のゲル化が長期に亘って抑制または防止され、耐リチウム還元層形成用組成物は、ゾルの状態を、長期間、安定的に維持し得るものとなる。そのため、他面4b上に耐リチウム還元層形成用組成物を供給することにより形成される液状被膜を、より均一な厚さを備えるものとして得ることができる。したがって、次工程[4−2]で得られる耐リチウム還元層を、より均一な厚さを備えるものとすることができる。
[4−2]次に、液状被膜を加熱することにより、他面4b上に、化合物Iを含む耐リチウム還元層30を形成する(第2の工程)。
ここで、本発明では、液状被膜を構成する耐リチウム還元層形成用組成物に含まれるリチウム化合物と、ランタン化合物と、ジルコニウム化合物と、前記金属Mを備える化合物とが特定の範囲内の組成比となっている。すなわち、化合物Iにおける化学量論組成に対して、リチウム化合物が1.05倍以上2.50倍以下、ランタン化合物とジルコニウム化合物とが0.70倍以上1.00倍以下、および前記金属Mを備える化合物が等倍の組成比となっている。このような組成比とすることで、液状被膜(耐リチウム還元層形成用組成物)を加熱することで生じる液相反応により生成されるセラミックス材料を、化合物Iのものとして高い生成率で得ることができる。そのため、この化合物Iを含む耐リチウム還元層30は、優れたLiイオン伝導性および耐Li還元性を発揮するものとなる。
このように、本発明の耐リチウム還元層形成用組成物を用いることで、液状被膜(耐リチウム還元層形成用組成物)を加熱するという1工程で、化合物Iを生成して、この化合物Iを含む耐リチウム還元層30を成膜することができる。
なお、液状被膜(液状材料)である耐リチウム還元層形成用組成物を、加熱(熱処理)することで、化合物Iが得られるのは、前述したリチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物および前記金属Mを備える化合物の種類に関係せず、これらの化合物の組成比に依存することが、本発明者の検討により明らかとなっている。
例えば、リチウム化合物として炭酸リチウムを用いた場合、炭酸リチウムは焼結助剤としても機能し、化合物Iの結晶化(粒成長)が促進される焼結効果が得られるが、リチウム化合物が2.50倍超(例えば3.0倍)となると、化合物Iの分解が生じ、夾雑物であるLaZrおよびLaが生成される。また、リチウム化合物が1.05倍量未満では、夾雑物であるLaZrが生成されるとともに、炭酸リチウムによる焼結効果が十分に得られない。
さらに、リチウム化合物は、1.05倍以上2.50倍以下であれば良いが、1.25倍以上2.50倍以下であることが好ましい。これにより、より微細な粒径を有する化合物Iの結晶(一次粒子)が生成されるため、この一次粒子が造粒することで形成された粒体(二次粒子)同士が焼結した多孔体の空隙率を低く設定することが可能となるため、耐リチウム還元層30のイオン伝導率の向上を図ることができる。
また、ランタン化合物およびジルコニウム化合物が、それぞれ0.70倍量未満の場合には、夾雑物であるLaZrが生成するとともに、化合物Iの生成率が極端に低下する傾向を示す。また、ランタン化合物およびジルコニウム化合物が、それぞれ1.00倍超の場合には、夾雑物であるLaZrが生成する傾向を示す。
この液状被膜(液状材料)の加熱は、その最高温度を900℃以下とする温度条件で行うことが好ましく、800℃以下とする温度条件で行うことがより好ましい。これにより、加熱により生成される化合物Iの結晶構造を、立方晶のガーネット型結晶構造を有するものとすることができる。その結果、得られる耐リチウム還元層30は、より優れたイオン導電率を発揮するものとなる。また、最高温度を800℃以下とする低温領域で加熱することにより、複合体4が備える活物質成形体2および固体電解質層3の構成材料の変質・劣化を的確に抑制または防止することができる。
また、液状被膜(液状材料)の加熱は、第1の加熱処理と、第2の加熱処理と、化合物Iを焼結する第3の加熱処理とを有する多段階とすることが好ましい。このような多段階の加熱処理では、第1の加熱処理において、液状被膜を乾燥させ、第2の加熱処理において、リチウム、ランタン、ジルコニウムおよび前記金属Mの金属酸化物を生成する。例えば、Liについては、LiO経由で、空気中のCOと反応させることで、LiCOが生成する。そして、第3の加熱処理において、化合物Iを生成させるとともに、生成した化合物Iの結晶を粒成長させた後、粒状となった化合物Iの結晶を焼結する。すなわち、第1の加熱処理において、液状被膜を乾燥させ、第2の加熱処理において、化合物Iを構成する各金属成分の酸化物生成させる。そして、第3の加熱処理において、化合物Iを生成すると共に、結晶を留成長させ、粒状となった化合物Iの結晶を焼結する。
このような段階を経て、化合物Iを含む耐リチウム還元層30を成膜することで、耐リチウム還元層30において、化合物Iの結晶構造を、立方晶のガーネット型結晶構造を有するものとすることができ、さらに隣接する粒状をなす化合物Iの結晶同士を焼結されたものとすることができるため、耐リチウム還元層30は、より優れたイオン導電率を発揮するものとなる。
この場合、第1の加熱処理における加熱温度は、50℃以上250℃以下であることが好ましく、150℃以上200℃以下であることがより好ましい。
また、第2の加熱処理における加熱温度は、400℃以上550℃以下であることが好ましく、500℃以上550℃以下であることがより好ましい。
さらに、第3の加熱処理における加熱温度は、600℃以上900℃以下であることが好ましく、650℃以上800℃以下であることがより好ましい。
第1〜第3の加熱処理おける加熱温度を前記範囲内に設定することにより、立方晶のガーネット型結晶構造を有する化合物Iをより高い生成率で得ることができる。
また、液状被膜の加熱時間は、全工程で、10分以上2時間以下であることが好ましく、10分以上1.5時間以下であることがより好ましい。
さらに、本工程[4]では、上述のとおり、耐リチウム還元層30は、固相をなす複合体4の他面4bに、液相をなす耐リチウム還元層形成用組成物を供給することにより形成される。そのため、他面4bにおいて、他面4bから露出する活物質成形体2および固体電解質層3に耐リチウム還元層形成用組成物が濡れ広がることで液状被膜が形成され、この液状被膜が加熱されることにより、耐リチウム還元層30が成膜される。したがって、他面4bにおいて形成される、耐リチウム還元層30と活物質成形体2との界面、および、耐リチウム還元層30と固体電解質層3との界面は、それぞれ、耐リチウム還元層30と活物質成形体2とが固溶した連続層(固溶体)、および、耐リチウム還元層30と固体電解質層3とが固溶した連続層(固溶体)となっている。これにより、耐リチウム還元層30と複合体4との界面における抵抗値が低くなり、その結果、前記界面でのリチウムイオンの受け渡しがより円滑に行われるようになる。
また、前述の通り、本工程[4]で得られる耐リチウム還元層30は、連通孔(細孔)を備える多孔体で構成されるが、この連通孔に、室温で非晶質である充填材料が充填された充填部を形成する場合には、本工程[4]の後に、室温で非晶質である充填材料を耐リチウム還元層30上に供給した後、前記充填材料を加熱するようにすればよい。これにより、前記充填部を確実に形成することができる。また、前記充填材料を加熱する温度は、本工程[4]における加熱条件と同様にすることができる。
[5]次いで、図4(c)に示すように、複合体4の一面4aにおいて集電体1を接合するとともに、耐リチウム還元層30の一面30aにおいて電極20を接合する。
集電体1の接合は、別体として形成した集電体を複合体4の一面4aに接合することによって行ってもよく、複合体4の一面4aに上述した集電体1の形成材料を成膜し、複合体4の一面4aにおいて集電体1を形成することとしてもよい。
また、電極20の接合は、別体として形成した電極を耐リチウム還元層30の一面30aに接合することによって行ってもよく、耐リチウム還元層30の一面30aに上述した電極20の形成材料を成膜し、耐リチウム還元層30の一面30aにおいて電極20を形成することとしてもよい。
なお、集電体1および電極20の成膜方法は、それぞれ、各種の物理気相成長法(PVD)および化学気相成長法(CVD)を用いることができる。
以上のような工程を経ることで、リチウム二次電池100が製造される。
<<第2実施形態>>
次に、リチウム二次電池の第2実施形態について説明する。
図5は、リチウム二次電池の第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態のリチウム二次電池100Aについて、前記第1実施形態のリチウム二次電池100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5に示すリチウム二次電池100Aは、集電体1と耐リチウム還元層30との間に、複合体4と構成が異なる複合体4Aが集電体1と耐リチウム還元層30とに接合して設けられていること以外は、図1に示すリチウム二次電池100と同様である。
すなわち、第2実施形態のリチウム二次電池100Aにおいて、複合体4Aは、ともに層状をなす活物質成形体2Aと固体電解質層3Aとが、集電体1側から電極20側にこの順で積層された構成をなしており、複合体4の一面4aは、活物質成形体2A単独で構成され、複合体4の他面4bは、固体電解質層3A単独で構成されている。
このようなリチウム二次電池100Aでは、固体電解質層3Aと耐リチウム還元層30とは、互いに積層された構成をなし、耐リチウム還元層30と固体電解質層3Aとの界面は、前記第1実施形態と同様に、耐リチウム還元層30と固体電解質層3Aとが固溶した連続層(固溶体)が形成されている。これにより、耐リチウム還元層30と複合体4A(固体電解質層3A)との界面における抵抗値が低くなり、その結果、前記界面でのリチウムイオンの受け渡しがより円滑に行われるようになる。
このような第2実施形態のリチウム二次電池100Aによっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の耐リチウム還元層形成用組成物および耐リチウム還元層の成膜方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、リチウム二次電池における各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
さらに、本発明の耐リチウム還元層の成膜方法には、1または2以上の任意の工程が追加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.各金属化合物溶液の調製
<1.0mol/kg 硝酸リチウムのブタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、硝酸リチウム1.3789g、及びブタノール18.6211gを秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温にて30分間撹拌し、硝酸リチウムを完全に溶解し、1.0mol/kg濃度の硝酸リチウムのブタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg 酢酸リチウムのトルエン/プロピオン酸溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、酢酸リチウム1.3198g、トルエン13.0761g、及びプロピオン酸5.6041gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、酢酸リチウムを完全に溶解させ、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのトルエン/プロピオン酸溶液を得た。
<1.0mol/kg 酢酸リチウムのプロピオン酸溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、酢酸リチウム1.3198g、及びプロピオン酸18.6802gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、酢酸リチウムを完全に溶解させ、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液を得た。
<2.0mol/kg 硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、硝酸リチウム2.758g、及び2−ブトキシエタノール17.242gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、160℃にて30分間撹拌し、硝酸リチウムを完全に溶解し、2.0mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg 硝酸リチウムのエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、硝酸リチウム0.690g、及びエタノール9.310gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、160℃にて30分間撹拌し、硝酸リチウムを完全に溶解し、1.0mol/kg濃度の硝酸リチウムのエタノール溶液を得た。
<0.4mol/kg 2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液の調製>
20gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、2−エチルヘキサン酸ランタン2.2741g、トルエン5.4081g、及び2−ブトキシエタノール2.3178gを秤量し、室温にて超音波洗浄器にて超音波を掛け、完全に溶解させ、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液を得た。
<0.4mol/kg 酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、酢酸ランタン1.5水和物2.7445g、及びプロピオン酸17.2555gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、酢酸ランタン1.5水和物を完全に溶解させ、室温迄徐冷し、0.4mol/kg濃度の酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液を得た。
<1.0mol/kg 硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、硝酸ランタン6水和物4.330g、及び2−ブトキシエタノール5.670gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、硝酸ランタン6水和物を完全に溶解させ、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg 硝酸ランタン6水和物のエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、硝酸ランタン6水和物4.330g、及びエタノール5.670gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、硝酸ランタン6水和物を完全に溶解させ、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物のエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg ジルコニウムブトキシドのブタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、ジルコニウムブトキシド3.8368g、及びブタノール6.1632gを秤量し、80℃にて30分間撹拌し、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドのブタノール溶液を得た。
<0.4mol/kg ジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、ジルコニウムアクリレート3.0020g、及びプロピオン酸16.9980gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、ジルコニウムアクリレートを完全に溶解させ、室温迄徐冷し、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液を得た。
<1.0mol/kg ジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、ジルコニウムブトキシド7.674g、及び2−ブトキシエタノール12.326gを秤量し、80℃にて30分間撹拌し、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg ジルコニウムブトキシドのエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、ジルコニウムブトキシド7.674g、及びエタノール12.326gを秤量し、80℃にて30分間撹拌し、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドのエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg ニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた10gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、ニオブペンタエトキシド3.1821g、及び2−ブトキシエタノール6.8179gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg ニオブペンタブトキシドのエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた10gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、ニオブペンタブトキシド3.182g、及びエタノール6.818gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度のニオブペンタブトキシドのエタノール溶液を得た。
<1.0mol/kg タンタルペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液の調製>
マグネチックスターラーバーを入れた10gのパイレックス(登録商標)製試薬ビンに、タンタルペンタエトキシド3.182g、及び2−ブトキシエタノール6.818gを秤量し、温調付のマグネチックスターラーを用いて、80℃にて30分間撹拌し、室温迄徐冷し、1.0mol/kg濃度のタンタルペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
2.耐リチウム還元層形成用組成物の調製
<実施例1>(Li6.9La(Zr1.9,Nb0.1)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液10.350g、0.4mol/kg濃度の酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液6.375g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシド1.615g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.100gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.9La(Zr1.9,Nb0.1)O12前駆体溶液を得た。
<実施例2>(Li5.1La(Zr0.1,Nb1.9)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の硝酸リチウムのブタノール溶液12.750g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液5.250g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドのブタノール溶液0.070g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.900gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li5.1La(Zr0.1,Nb1.9)O12前駆体溶液を得た。
<実施例3>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのトルエン/プロピオン酸溶液10.125g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液5.250g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液3.719g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<実施例4>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液10.125g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液6.375g、1mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドのブタノール溶液1.313g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<実施例5>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液13.500g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液6.000g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液3.500g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<実施例6>(Li6.6La(Zr1.6,Nb0.4)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の硝酸リチウムのブタノール溶液11.813g、0.4mol/kg濃度の酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液5.625g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドのブタノール溶液1.280g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.400gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.6La(Zr1.6,Nb0.4)O12前駆体溶液を得た。
<実施例7>(Li6.0La(Zr1.0,Nb1.0)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液13.500g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液5.250g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液1.875g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.000gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.0La(Zr1.0,Nb1.0)O12前駆体溶液を得た。
<実施例8>(Li5.5La(Zr0.5,Nb1.5)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液11.000g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液6.000g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液0.938g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.500gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li5.5La(Zr0.5,Nb1.5)O12前駆体溶液を得た。
<実施例9>(Li6.6La(Zr1.6,Nb0.2,Ta0.2)O12前駆体溶液の調製)
2.0mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液6.600g、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液2.400g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.20g、1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.200g及び1.0mol/kg濃度のタンタルペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.200gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.6La(Zr1.6,Nb0.2,Ta0.2)O12前駆体溶液を得た。
<実施例10>(Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液の調製)
2.0mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液6.800g、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液2.400g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.35g及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.200gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液を得た。
<実施例11>(Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液の調製)
2.0mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液6.800g、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液2.400g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.80g及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.200gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液を得た。
<実施例12>(Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液の調製)
2.0mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液5.100g、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液2.400g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.80g及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.200gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液を得た。
<実施例13>(Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液の調製)
2.0mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液4.250g、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物の2−ブトキシエタノール溶液2.400g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液1.80g及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.200gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.8La(Zr1.8,Nb0.2)O12前駆体溶液を得た。
<実施例14>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の硝酸リチウムのエタノール溶液7.090g、1.0mol/kg濃度の硝酸ランタン6水和物のエタノール溶液2.400g、1.0mol/kg濃度のジルコニウムブトキシドのエタノール溶液1.75g及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドのエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<比較例1>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液6.750g、0.4mol/kg濃度の酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液5.250g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液3.063g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<比較例2>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の硝酸リチウムのブタノール溶液6.750g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液7.875g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液4.594g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<比較例3>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液17.213g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液5.250g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液3.062g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
<比較例4>(Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液の調製)
1.0mol/kg濃度の酢酸リチウムのプロピオン酸溶液18.563g、0.4mol/kg濃度の2−エチルヘキサン酸ランタンのトルエン/2−ブトキシエタノール溶液7.875g、0.4mol/kg濃度のジルコニウムアクリレートのプロピオン酸溶液4.594g、及び1.0mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを秤量し、90℃のホットプレートにて30分間加熱混合を行い、室温迄徐冷し、Li6.75La(Zr1.75,Nb0.25)O12前駆体溶液を得た。
なお、各実施例および各比較例の耐リチウム還元層形成用組成物での、前記化合物Iにおける化学量論組成に対する、各金属化合物の倍率を表1に示す。
Figure 0006690127
3.耐リチウム還元層の成膜
まず、基材として、縦20mm×横20mmの単結晶シリコン基板を用意し、この基材上に、実施例6を除く実施例1〜8および各比較例の耐リチウム還元層形成用組成物を、それぞれ、供給することにより液状被膜を形成した。
次に、液状被膜を、700℃で、0.5時間加熱することにより、基材上に耐リチウム還元層を成膜した。
なお、実施例6の耐リチウム還元層形成用組成物については、以下のようにして、基材上に耐リチウム還元層を成膜した。
すなわち、縦20mm×横20mmの単結晶シリコン基板上に、実施例6の耐リチウム還元層形成用組成物(前駆体溶液)をスプレー法にて塗布し、室温より10℃/分にて昇温し、180℃にて5分間溶媒乾燥を行った。さらに10℃/分にて昇温し、500℃にて10分間加熱することにより、前駆膜を得た。なお、この実施例6では、500℃にて10分間加熱した際に、硝酸リチウムのフラックス中で、単結晶シリコン基板上に、リチウム、ランタン、ジルコニウム、およびニオブの各酸化物ができ、室温への冷却過程で、酸化リチウムが空気中のCOと反応し、炭酸リチウムを生成した。
4.耐リチウム還元層の評価
4.1 I−V特性
実施例1〜8および各比較例の耐リチウム還元層形成用組成物を用いて基材上に成膜された耐リチウム還元層について、それぞれ、I−V特性を測定した。
なお、I−V特性は、ポテンシオスタット・ガルバノスタットメータ(インターケミ社製、「μAUTOLABII」)を用いてサイクリックボルタメトリー測定にて電位窓を評価した。評価セルは、各実施例の多結晶体ペレットの片面に作動極としてAu電極を形成し、もう片面に対極としてリチウムメタルを押し付ける事で作製した。作動極の電位を−0.5Vから9V(vs.Li/Li)の範囲で操作した。実施例1〜8において、0V(vs.Li/Li)近傍でリチウムの溶解・析出による電流以外観察されなかった。このことから、実施例1〜8の化合物は非常に広い電位窓を持っていると言える。即ち、耐Li還元性が高いと云える。
4.2 X線回折による分析
実施例1〜8および各比較例の耐リチウム還元層形成用組成物を用いて基材上に成膜された耐リチウム還元層について、それぞれ、X線回折スペクトルを取得し、得られたX線回折スペクトルについて、下記の定義に基づいて評価した。
すなわち、2θ≒30.7°(Li7−xLa(Zr2−x,Nb)O12,0<X<2)と2θ≒27.3°(LaZr)との強度比で比較して、0〜2/100であれば、夾雑物が無い(Li7−xLa(Zr2−x,Nb)O12,0<X<2)と云えると定義した。
なお、参考までに、実施例1〜3、比較例1、2で測定されたX線回折スペクトルを図6に示す。
その結果、実施例1〜実施例8では、いずれも上記の強度比が0(LaZrが存在しない)であり、比較例1〜4では、いずれも上記の強度比が100/100を超えており、主相がLaZrであった。
5.耐リチウム還元層形成用組成物を用いた本焼成品の成形
実施例9、10、14の耐リチウム還元層形成用組成物を、それぞれ、180℃で、0.5時間加熱することにより溶媒を乾燥させ、その後、360℃で、0.5時間加熱することにより配位子を分解させた後、540℃で、1.0時間加熱することにより仮焼成を行うことで仮焼成品を得た。次いで、仮焼成品をアルミナ製ルツボに入れ、蓋をした後に、電気マッフル炉中において、700℃で、8.0時間加熱することにより本焼成を行うことで本焼成品を得た。
また、10mφ高嵩密度のLCO(LiCoO)ペレット(豊島社製)上に、実施例11〜13の耐リチウム還元層形成用組成物を、それぞれ、スプレー法にて塗布し、室温より10℃/分にて昇温し、180℃にて5分間溶媒乾燥を行った。さらに10℃/分にて昇温し、360℃にて5分間配位子分解を行った後に、10℃/分にて昇温し、540℃にて30分間仮焼成を行うことで、仮焼成品を得た。次いで、仮焼成品をアルミナ製ルツボに入れ、蓋をした後に、電気マッフル炉中において、700℃で、8.0時間加熱することにより本焼成を行うことでLCOペレット上に成形された本焼成品を得た。
6.本焼成品のX線回折による分析
実施例9〜14の耐リチウム還元層形成用組成物を用いて得られた本焼成品について、それぞれ、X線回折スペクトルを取得した、その結果を図7、8に示す。
その結果、実施例9〜14では、いずれも目的とする化合物で構成される本焼成品が得られる結果となった。
1……集電体
2、2A……活物質成形体
2X……活物質粒子
3、3A……固体電解質層
3X……液状体
4、4A……複合体
4a、30a……一面
4b……他面
10……電極複合体
20……電極
30……耐リチウム還元層
100、100A……リチウム二次電池
D……ディスペンサー
F……成形型

Claims (9)

  1. 溶媒と、
    リチウム化合物と、ランタン化合物と、ジルコニウム化合物と、元素Mを備える化合物と、を含み、
    前記リチウム化合物、前記ランタン化合物、前記ジルコニウム化合物および前記元素Mを備える化合物は前記溶媒に対して溶解性を示し、
    一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記リチウム化合物が1.50倍以上2.50倍以下であり、
    前記一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記ランタン化合物が0.70倍以上1.00倍以下であり、
    前記一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記ジルコニウム化合物が0.70倍以上1.00倍以下であり、
    前記一般式(I)で表される化合物における化学量論組成に対して、前記元素Mを備え
    る化合物が等倍に含む、ことを特徴とする耐リチウム還元層形成用組成物。
    Li7−xLa(Zr2−x,M)O12 ・・・ (I)
    [式中、元素MはNbとTaとの双方を表し、Xは0〜2を表す。]
  2. 前記リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物およびリチウムアルコキシド化合物のいずれかであり、
    前記ランタン化合物は、ランタン金属塩化合物およびランタンアルコキシド化合物のいずれかであり、
    前記ジルコニウム化合物は、ジルコニウム金属塩化合物およびジルコニウムアルコキシド化合物のいずれかであり、
    前記元素Mを備える化合物は、前記元素Mの金属塩化合物および金属アルコキシド化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の耐リチウム還元層形成用組成物。
  3. 前記溶媒は、水、単一の有機溶媒、水と有機溶媒を含む混合溶媒、および、少なくとも2種類以上の有機溶媒を含む混合溶媒のいずれかである請求項1または2に記載の耐リチウム還元層形成用組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐リチウム還元層形成用組成物を用いて液状被膜を形成する第1の工程と、
    前記液状被膜を加熱する第2の工程と、を含み、
    前記一般式(I)で表される化合物を含む耐リチウム還元層を得ることを特徴する耐リチウム還元層の成膜方法。
  5. 前記液状被膜は、塗付法を用いて形成される請求項4に記載の耐リチウム還元層の成膜方法。
  6. 前記第2の工程は、前記液状被膜を乾燥する第1の加熱処理と、リチウム、ランタン、ジルコニウムおよび前記元素Mの金属酸化物を生成する第2の加熱処理と、前記一般式(I)で表される化合物を生成、焼結する第3の加熱処理とを有する請求項4または5に記載の耐リチウム還元層の成膜方法。
  7. 前記第1の加熱処理における加熱温度は、50℃以上250℃以下である請求項6に記載の耐リチウム還元層の成膜方法。
  8. 前記第2の加熱処理における加熱温度は、400℃以上550℃以下である請求項6または7に記載の耐リチウム還元層の成膜方法。
  9. 前記第3の加熱処理における加熱温度は、600℃以上900℃以下である請求項6ないし8のいずれか1項に記載の耐リチウム還元層の成膜方法。
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