JP6163774B2 - 複合体の製造方法およびリチウム電池の製造方法 - Google Patents

複合体の製造方法およびリチウム電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合体の製造方法およびリチウム電池の製造方法に関するものである。
携帯型情報機器をはじめとする多くの電子機器の電源として、リチウム電池(一次電池および二次電池を含む)が利用されている。リチウム電池は、正極と負極と、これらの層の間に設置され、リチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。
近年、高エネルギー密度と安全性とを両立したリチウム電池として、電解質層の形成材料に、固体電解質を使用する全固体型リチウム電池が提案されている。例えば、特許文献1,2においては、固体電解質や正極活物質の形成材料が溶解する溶液を用い、溶液を加熱して溶媒を除去することで各形成材料を析出させ、所望の位置に形成材料を配置することで、固体電解質や正極活物質を形成している。
特開2011−238523号公報 特開2010−218686号公報
上記特許文献に記載の方法では、固体電解質や正極活物質を所定の位置に必要量配置させるために、溶液から形成材料を析出させ、固体電解質や正極活物質を形成する操作を繰り返し行う必要がある。このような繰り返し操作は、製造工程においてタクトタイムを長くする要因となるため、なるべく少ない回数の繰り返し操作で、必要量の固体電解質や正極活物質を配置可能とし、工程を短縮可能とする方法が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、工程を短縮可能とする複合体の製造方法を提供することを目的とする。また、このような方法を含み、生産性の高いリチウム電池の製造方法を提供することをあわせて目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を含む前駆体を有する溶液を、多孔質の成形体が有する細孔の内部を含む前記成形体の表面に塗布し、前記表面に前記前駆体を配置する工程と、前記前駆体を熱処理することで、前記第1金属原子と前記第2金属原子とを含有する金属複酸化物を得る工程と、を有し、前記溶液が、予め前記溶液よりも低濃度に調製された低濃度溶液を濃縮して調製される複合体の製造方法を提供する。
本発明の一態様は、第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を含む前駆体を有する溶液を、多孔質の成形体が有する細孔の内部を含む前記成形体の表面に塗布し、前記表面に前記前駆体を配置する工程と、前記前駆体を熱処理することで、前記第1金属原子と前記第2金属原子とを含有する金属複酸化物を得る工程と、を有する複合体の製造方法を提供する。
この方法によれば、金属錯体においては、配位子が小さいと相対的に反応性が高くなるため、2種の金属錯体が混合する溶液においては、沈殿を生じやすくなる。しかし、この方法によれば、溶液には第2配位子よりも分子量が大きい第1配位子を含む第1錯体を含むため、相対的に分子量が大きい第1配位子が溶液の安定性に寄与し、沈殿の発生を抑制することができる。
また、前駆体を溶液として塗布するため、成形体の細孔の内部にも良好に前駆体を配置することができ、細孔内に好適に金属複酸化物が充填された複合体を得ることができる。
さらに、前駆体が、第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子を含むため、前駆体が有する配位子を第1配位子のみとした場合と比べ、前駆体の熱処理前後における体積収縮が小さくなる。そのため、必要量の金属複酸化物を得るために、成形体の表面に前駆体を積層する繰り返し操作を少ない回数とすることができる。
以上のことから、この方法によれば、複合体の製造工程が短縮可能となる。
本発明の一態様においては、前記配置する工程は、前記溶液を加熱しながら前記細孔の内部に前記溶液を充填することを含む製造方法としてもよい。
この方法によれば、加熱により溶液の粘度が低下するため、溶質成分の多い濃縮溶液においても溶液が細孔の内部に浸透しやすくなり、細孔の内部においても好適に金属複酸化物が充填された複合体を少ない繰り返し操作で得ることができる。
本発明の一態様においては、前記配置する工程は、大気圧よりも減圧された第1環境下で、前記溶液を前記成形体の表面に配置することと、前記溶液が配置された前記成形体を、前記第1環境下よりも高圧の第2環境下に配置することで、前記細孔の内部に前記溶液を充填することと、を有する製造方法としてもよい。
この方法によれば、第1環境と第2環境との差圧により、第2環境下に配置した成形体においては、溶液が細孔の内部にまで容易に浸透する。そのため、溶液が細孔の内部に浸透しやすくなり、細孔の内部においても好適に金属複酸化物が充填された複合体を容易に得ることができる。
本発明の一態様においては、前記溶液が、予め前記溶液よりも低濃度に調製された低濃度溶液を濃縮して調製される製造方法としてもよい。
直接高濃度の溶液を調製する場合には沈殿を生じてしまうような場合であっても、一度低濃度の溶液とし、徐々に濃縮することで、沈殿を生じず且つ高濃度な溶液を調製することが可能である。そのため、この方法によれば、高濃度の溶液を用いることで、必要量の前駆体を少ない操作回数で成形体の表面に配置することが可能となる。
また、本発明の一態様は、第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を有する前駆体を含む溶液を、多孔質の活物質成形体が有する細孔の内部を含む前記活物質成形体の表面に配置して熱処理し、前記第1金属原子と前記第2金属原子とを含む金属複酸化物を有する固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層から露出する前記活物質成形体に集電体を接合する工程と、を有し、前記溶液が、予め前記溶液よりも低濃度に調製された低濃度溶液を濃縮して調製されるリチウム電池の製造方法を提供する。
本発明の一態様は、第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を有する前駆体を含む溶液を、多孔質の活物質成形体が有する細孔の内部を含む前記活物質成形体の表面に配置して熱処理し、前記第1金属原子と前記第2金属原子とを含む金属複酸化物を有する固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層から露出する前記活物質成形体に集電体を接合する工程と、を有するリチウム電池の製造方法を提供する。
この方法によれば、溶液には第2配位子よりも分子量が大きい第1配位子を含む第1錯体を含むため、相対的に分子量が大きい第1配位子が溶液の安定性に寄与し、沈殿の発生を抑制することができる。また、このような安定な溶液を用いることで、効果的に細孔の内部にまで前駆体を配置し、固体電解質層を形成することができる。さらに、前駆体が分子量が小さい第2配位子を含むため、前駆体が第1配位子のみ有する場合と比べ、必要量の固体電解質層を得るために、活物質成形体の表面に前駆体を積層する繰り返し操作を少ない回数とすることができ、工程を短縮することができる。
本発明の一態様においては、前記固体電解質層を形成する工程では、前記溶液を加熱しながら前記活物質成形体の表面に前記溶液を配置する製造方法としてもよい。
この方法によれば、加熱により溶液の粘度が低下するため、溶液が細孔の内部に浸透しやすくなり、活物質成形体の細孔の内部においても好適に固体電解質層を充填することができる。そのため、高出力のリチウム電池を容易に製造することができる。
本発明の一態様においては、前記固体電解質層を形成する工程は、大気圧よりも減圧された第1環境下で、前記溶液を前記活物質成形体の表面に配置することと、前記溶液が配置された前記活物質成形体を、前記第1環境下よりも高圧の第2環境下に配置することで、前記細孔の内部に前記溶液を充填することと、を有する製造方法としてもよい。
この方法によれば、第1環境と第2環境との差圧により、第2環境下に配置した活物質成形体においては、溶液が細孔の内部にまで容易に浸透する。そのため、溶液が細孔の内部に浸透しやすくなり、細孔の内部においても好適に固体電解質層を充填することができ、高出力のリチウム電池を容易に製造することができる。
本発明の一態様においては、前記溶液が、予め前記溶液よりも低濃度に調製された低濃度溶液を濃縮して調製される製造方法としてもよい。
直接高濃度の溶液を調製する場合には沈殿を生じてしまうような場合であっても、一度低濃度の溶液とし、徐々に濃縮することで、沈殿を生じず且つ高濃度な溶液を調製することが可能である。そのため、この方法によれば、高濃度の溶液を用いることで、必要量の前駆体を少ない操作回数で活物質成形体の表面に配置することが可能となり、容易に高出力のリチウム電池を製造することができる。
本実施形態の製造方法で製造される複合体を示す要部側断面図である。 本実施形態のリチウム電池の製造方法を示す工程図である。 本実施形態のリチウム電池の製造方法を示す工程図である。 本実施形態のリチウム電池の製造方法を示す工程図である。 本実施形態のリチウム電池の製造方法を示す工程図である。 本実施形態の製造方法で製造される電極複合体の変形例を示す側断面図である。 本実施形態の製造方法で製造される電極複合体の変形例を示す側断面図である。 本実施形態の電極複合体の製造方法の変形例を示す工程図である。 本実施形態のリチウム電池を示す要部側断面図である。 実施例の結果を示すTG−DTAチャートである。 実施例の結果を示すTG−DTAチャートである。 実施例の結果を示すTG−DTAチャートである。 実施例の結果を示すTG−DTAチャートである。
[複合体]
図1は、本実施形態の複合体の製造方法で製造される複合体を示す要部側断面図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
本実施形態の複合体4は、活物質成形体2(成形体)と、固体電解質層3とを有している。また、複合体4の一面にさらに集電体1を備えた構成を電極複合体10と称する。電極複合体10は、後述するようにリチウム電池に用いられる。以下、本実施形態の複合体の製造方法によってリチウム電池に用いられる複合体4を製造することとして、電極複合体10の構成を参照しながら説明する。
集電体1は、複合体4の一面4aにおいて固体電解質層3から露出する活物質成形体2に接して設けられている。集電体1の形成材料としては、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、この群から選ばれる2種以上の金属元素を含む合金等が挙げられる。
集電体1の形状は、板状、箔状、網状等を採用することができる。集電体1の表面は、平滑であってもよく、凹凸が形成されていてもよい。
活物質成形体2は、無機物の電極活物質を形成材料とした多孔質の成形体である。活物質成形体2が有する複数の細孔は、活物質成形体2の内部で互いに網目状に連通している。
活物質成形体2は、リチウム電池において集電体1を正極側に使用する場合と、負極側に使用する場合とで、形成材料が異なる。
集電体1を正極側に使用する場合、活物質成形体2の形成材料には、正極活物質として通常知られているリチウム複酸化物を用いることができる。
本明細書において「リチウム複酸化物」とは、リチウムを必ず含み、且つ全体として2種以上の金属イオンを含む酸化物であって、オキソ酸イオンの存在が認められないものを指す。
このようなリチウム複酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMn、LiFePO、LiFeP、LiMnPO、LiFeBO、Li(PO、LiCuO、LiFeF、LiFeSiO、LiMnSiO等が挙げられる。また、本明細書においては、これらのリチウム複酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体もリチウム複酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質として用いることができる。
集電体1を負極側に使用する場合、活物質成形体2の形成材料には、負極活物質として、LiTi12,LiTi等のリチウム複酸化物を用いることができる。
活物質成形体2は、空隙率が10%以上50%以下であることが好ましい。活物質成形体2がこのような空隙率を有することにより、活物質成形体2の細孔内の表面積を広げ、且つ活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を広げやすくなり、電極複合体10を用いたリチウム電池を高容量にしやすくなる。
空隙率は、(1)活物質成形体2の外形寸法から得られる、細孔を含めた活物質成形体2の体積(見かけ体積)と、(2)活物質成形体2の質量と、(3)活物質成形体2を構成する活物質の密度と、から下記の式(I)に基づいて測定することができる。
Figure 0006163774
詳しくは後述するが、活物質成形体2の空隙率は、活物質成形体2を形成する工程において造孔材を用いることで制御可能である。
活物質成形体2の抵抗率は、700Ω/cm以下であることが好ましい。活物質成形体2がこのような抵抗率を有することにより、電極複合体10を用いてリチウム電池を形成した際に、充分な出力が得られる。
抵抗率は、活物質成形体の表面に電極として用いる銅箔を付着し、直流分極測定を行うことにより測定することができる。
固体電解質層3は、固体電解質を形成材料とし、活物質成形体2の細孔内を含む活物質成形体2の表面に接して設けられている。
固体電解質としては、例えば、SiO−P−LiO、SiO−P−LiCl、LiO−LiCl−B、Li3.40.6Si0.4、Li14ZnGe16、Li3.60.4Ge0.6、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO、Li2.88PO3.730.14、LiNbO、Li0.35La0.55TiO、LiLaZr12、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−P、LiPON、LiN、LiI、LiI−CaI、LiI−CaO、LiAlCl、LiAlF、LiI−Al、LiF−Al、LiBr−Al、LiO−TiO、La−LiO−TiO、LiN、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiN−LiCl、LiNBr、LiSO、LiSiO、LiPO−LiSiO、LiGeO−LiVO、LiSiO−LiVO、LiGeO−ZnGeO、LiSiO−LiMoO、LiPO−LiSiO、LiSiO−LiZrO等の酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物が挙げられる。これらの固体電解質は、結晶質であってもよく、非晶質であってもよい。また、本明細書においては、これらの組成物の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体も、固体電解質として用いることができる。
固体電解質層3のイオン伝導率は、1×10−5S/cm以上であることが好ましい。固体電解質層3がこのようなイオン伝導率を有することにより、活物質成形体2の表面から離れた位置の固体電解質層3に含まれるイオンも、活物質成形体2の表面に達し、活物質成形体2における電池反応に寄与することが可能となる。そのため、活物質成形体2における活物質の利用率を向上し、容量を大きくすることができる。このとき、イオン伝導率が1×10−5S/cm未満であると、電極複合体をリチウム電池に用いたとき、活物質成形体2において対極と相対する面の表層近辺の活物質しか電池反応に寄与せず、容量が低下するおそれがある。
なお、「固体電解質層3のイオン伝導率」とは、固体電解質層3を構成する上述の無機電解質自身の伝導率である「バルク伝導率」と、無機電解質が結晶質である場合における結晶の粒子間の伝導率である「粒界イオン伝導率」と、の総和である「総イオン伝導率」のことを指す。
固体電解質層3のイオン伝導率は、固体電解質の粉末を624MPaで錠剤型にプレス成型したものを大気雰囲気下700℃で8時間焼結し、スパッタリングによりプラチナ電極を形成して、交流インピーダンス法を実施することにより測定することができる。
複合体4においては、集電体1の表面から法線方向に遠ざかる方向を上方向としたとき、固体電解質層3の上側の表面3aが、活物質成形体2の上端位置2aよりも上に位置している。すなわち、固体電解質層3は、活物質成形体2の上端位置2aよりも上方まで形成されている。これにより、表面3aに電極を設け電極複合体10を有するリチウム電池を作製した際に、表面3aに設けた電極と集電体1とが、活物質成形体2で接続されることがなく、短絡を防ぐことができる。
詳しくは後述するが、複合体4の一面4aは、製造時に研磨加工された研磨面となっており、固体電解質層3から活物質成形体2が露出している。
本実施形態の電極複合体10は、活物質成形体2を成形する際に、活物質同士をつなぎ合わせるバインダーや、活物質成形体2の導電性を担保するための導電助剤などの有機物を用いることなく成形されており、ほぼ無機物のみで構成されている。具体的には、本実施形態の電極複合体10においては、複合体4(活物質成形体2および固体電解質層3)を400℃で30分加熱した時の質量減少率が、5質量%以下となっている。質量減少率は、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、質量減少が観測されない、または誤差範囲であることが特に好ましい。
複合体4がこのような質量減少率を有するため、複合体4には、所定の加熱条件で蒸発する溶媒や吸着水等の物質や、所定の加熱条件で燃焼または酸化されて気化する有機物が、構成全体に対して5質量%以下しか含まれないこととなる。
複合体4の質量減少率は、示差熱−熱重量同時測定装置(TG−DTA)を用い、複合体4を所定の加熱条件で加熱することで、所定の加熱条件による加熱後の複合体4の質量を測定し、加熱前の質量と加熱後の質量との比から算出することができる。
本実施形態の電極複合体10においては、活物質成形体2において、複数の細孔が内部で網目状に連通しており、活物質成形体2の固体部分も網目構造を形成している。例えば、正極活物質であるLiCoOは、結晶の電子伝導性に異方性があることが知られているが、LiCoOを形成材料として活物質成形体を形成しようとすると、細孔を機械加工で形成するような、特定の方向に細孔が延在して設けられているような構成では、結晶の電子伝導性を示す方向によっては、内部で電子伝導しにくいことが考えられる。しかし、活物質成形体2のように細孔が網目状に連通し、活物質成形体2の固体部分が網目構造を有していると、結晶の電子伝導性またはイオン伝導性の異方性によらず、電気化学的に滑性な連続表面を形成することができる。そのため、用いる活物質の種類によらず、良好な電子伝導を担保することができる。
また、本実施形態の電極複合体10においては、複合体4が上述のような構成であるため、複合体4に含まれるバインダーや導電助剤の添加量が抑制されており、バインダーや導電助剤を用いる場合と比べて、電極複合体10の単位体積あたりの容量密度が向上する。
また、本実施形態の電極複合体10においては、多孔質の活物質成形体2の細孔内の表面にも固体電解質層3が接している。そのため、活物質成形体2が多孔質体ではない場合や、細孔内において固体電解質層3が形成されていない場合と比べ、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積が大きくなり、界面インピーダンスを低減させることができる。したがって、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において良好な電荷移動が可能となる。
また、本実施形態の電極複合体10においては、集電体1は、複合体4の一面に露出する活物質成形体2と接触しているのに対し、固体電解質層3は、多孔質の活物質成形体2の細孔内にまで侵入し、細孔内を含み集電体1と接する面以外の活物質成形体2の表面と接している。このような構造の電極複合体10では、集電体1と活物質成形体2との接触面積(第1の接触面積)よりも、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積(第2の接触面積)のほうが大きいことは明らかである。
仮に、電極複合体が第1の接触面積と第2の接触面積とが同じ構成であると、集電体1と活物質成形体2との界面のほうが、活物質成形体2と固体電解質層3との界面よりも電荷移動が容易であるため、活物質成形体2と固体電解質層3との界面が電荷移動のボトルネックとなる。そのため、電極複合体全体としては良好な電荷移動を阻害してしまう。
しかし、本実施形態の電極複合体10では、第1の接触面積よりも、第2の接触面積のほうが大きいことにより、上述のボトルネックを解消しやすく、電極複合体全体として良好な電荷移動が可能となる。
これらのことから、本実施形態の製造方法で製造された電極複合体10は、電極複合体10を用いたリチウム電池の容量を向上させ、且つ高出力とすることができる。
[複合体の製造方法、リチウム電池の製造方法]
次に、図2〜5を用い、本実施形態の複合体の製造方法、およびリチウム電池の製造方法について説明する。図2〜5は、本実施形態のリチウム電池の製造方法を示す工程図である。また、図3は、本実施形態の複合体の製造方法を示す工程図である。
まず、図2に示すように、成形型Fを用いて粒子状のリチウム複酸化物(以下、活物質粒子2Xと称する)を含む形成材料を圧縮して成形し(図2(a))、熱処理することで活物質成形体2を得る(図2(b))。
熱処理することで、活物質粒子2X内の粒界の成長や、活物質粒子2X間の焼結が進行するため、得られる活物質成形体2が形状を保持しやすくなり、活物質成形体2のバインダーの添加量を低減することができる。また、焼結により活物質粒子2X間に結合が形成され、活物質粒子2X間の電子の移動経路が形成されるため、導電助剤の添加量も抑制できる。活物質粒子2Xの形成材料としては、LiCoOを好適に用いることができる。
また、得られる活物質成形体2は、活物質成形体2が有する複数の細孔が、活物質成形体2の内部で互いに網目状に連通したものとなる。
活物質粒子2Xの平均粒径は、300nm以上5μm以下が好ましい。このような平均粒径の活物質を用いると、得られる活物質成形体2の空隙率が10%〜40%となる。これにより、活物質成形体2の細孔内の表面積を広げ、且つ活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を広げやすくなり、電極複合体10を用いたリチウム電池を高容量にしやすくなる。
活物質粒子2Xの平均粒径は、活物質粒子2Xをn−オクタノールに0.1質量%〜10質量%の範囲の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX250)を用いて、メジアン径を求めることにより測定することができる。
活物質粒子2Xの平均粒径が300nm未満であると、形成される活物質成形体の細孔の半径が数十nmの微小なものになり易く、後述する工程において細孔の内部に無機固体電解質の前駆体を含む液状体を浸入させることが困難となる。その結果、細孔の内部の表面に接する固体電解質層3を形成しにくくなる。
活物質粒子2Xの平均粒径が5μmを超えると、形成される活物質成形体の単位質量当たりの表面積である比表面積が小さくなり、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積が小さくなる。そのため、得られる電極複合体10を用いてリチウム電池を形成した際に、充分な出力が得られない。また、活物質粒子2Xの内部から固体電解質層3までのイオン拡散距離が長くなるため、活物質粒子2Xにおいて中心付近のリチウム複酸化物は電池の機能に寄与しにくくなる。
活物質粒子2Xの平均粒径は、450nm以上3μm以下がより好ましく、500nm以上1μm以下がさらに好ましい。
用いる形成材料には、活物質粒子2Xにポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリビニルアルコール(PVA)などの有機高分子化合物をバインダーとして添加してもよい。これらのバインダーは、本工程の熱処理において、燃焼または酸化され、量が低減するか消失する。
また、用いる形成材料には、圧粉成形時に細孔の鋳型として高分子や炭素粉末を形成材料とする粒子状の造孔材を添加してもよい。これらの造孔材が混入することにより、活物質成形体の空隙率を制御することができる。このような造孔材は、熱処理時に燃焼や酸化により分解除去され、得られる活物質成形体では量が低減する。
造孔材の平均粒径は、好ましくは0.5μm〜10μmである。
造孔材は、潮解性を有する物質を形成材料とする粒子(第1粒子)を含むと好ましい。第1粒子が潮解することにより第1粒子の周囲に生じる水が、粒子状のリチウム複酸化物をつなぎ合わせるバインダーとして機能するため、粒子状のリチウム複酸化物を圧縮成形して熱処理するまでの間、形状を維持することが可能となる。そのため、他のバインダーを添加することなく、またはバインダーの添加量を低減させながら活物質成形体を得ることができ、容易に高容量な電極複合体とすることができる。
このような第1粒子としては、ポリアクリル酸を形成材料とする粒子を挙げることができる。
また、造孔材は、潮解性を有さない物質を形成材料とする粒子(第2粒子)をさらに含むと好ましい。このような第2粒子を含む造孔材は、取り扱いが容易となる。また、造孔材が潮解性を有すると、造孔材の周囲の水分量に応じて、活物質成形体の空隙率が所望の設定値から乖離することがあるが、造孔材として潮解しない第2粒子を同時に含むことで、空隙率の乖離を抑制することが可能となる。
本工程の熱処理は、800℃以上であって、用いるリチウム複酸化物の融点未満の処理温度で行う。これにより、活物質粒子2X同士を焼結させて一体化された成形体とする。このような温度範囲で熱処理を行うことにより、導電助剤を添加しなくても、得られる活物質成形体2の抵抗率を700Ω/cm以下とすることができる。これにより、電極複合体10を用いてリチウム電池を形成した際に、充分な出力が得られる。
処理温度が800℃未満であると、充分に焼結が進行せず、活物質粒子2X同士の接触が不十分であるので、得られる電極複合体10を用いてリチウム電池を形成した際に、所望の出力が得られなくなる。
処理温度がリチウム複酸化物の融点を超えると、リチウム複酸化物が溶融するため、所望の形状および物性を有した活物質成形体が得られない。また、このような高温処理を行うと、リチウム複酸化物の結晶内からリチウムイオンが過剰に揮発するため、リチウム複酸化物の電子伝導性が低下し、得られる電極複合体10の容量も低下してしまう。
本工程の熱処理は、処理温度が875℃以上1000℃以下であることがより好ましく、900℃以上950℃以下であることがさらに好ましい。
次いで、図3に示すように、活物質成形体の細孔の内部を含む活物質成形体2の表面に、無機固体電解質の前駆体を含む液状体3X(溶液)を塗布し(図3(a))、焼成することで前駆体を無機固体電解質として、固体電解質層3を形成する(図3(b))。
液状体3Xは、無機固体電解質の前駆体として、無機固体電解質が有する金属原子を無機固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により無機固体電解質となる金属錯体を有する組成物を用いる。このような金属錯体は、第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を含んでいる。
例えば、無機固体電解質としてLi0.35La0.55TiOを採用する場合、前駆体には、Li原子を含む金属錯体、La原子を含む金属錯体、Ti原子を含む金属錯体が、(Li原子):(La原子):(Ti原子)=0.35:0.55:1(モル比)となるように含まれる。
また、前駆体の金属錯体が有する配位子は、前駆体を含む溶液が室温(25℃)において沈殿を生じず安定なものとなるならば、通常知られた種々のものを採用することができる。前駆体に含まれる複数の金属錯体のうち、どの金属に配位する配位子が他の金属原子に配位する配位子よりも分子量が小さいものであるか(上述した第2配位子となるか)については、前駆体を含む溶液を調製する際の液状体の安定性により適宜設定することができる。
配位子としては、具体的には、クエン酸(分子量:192)、L−リンゴ酸(分子量:134)、グリコール酸(分子量:76)を用いることができる。この3種を例にすると、前駆体の金属錯体としてクエン酸を配位子とするものを含む場合、その金属錯体が第1錯体であり、クエン酸が上述の第1配位子であり、クエン酸が配位する金属原子が上述の第1金属原子である。また、前駆体に含まれる他の金属錯体である第2錯体は、第2配位子としてL−リンゴ酸またはグリコール酸を採用することができる。L−リンゴ酸またはグリコール酸が配位する金属原子が、上述の第2金属原子である。
液状体3Xは、前駆体が有する各金属錯体を溶解した溶液を混合して調製することができる。金属錯体においては、配位子が小さいと相対的に反応性が高くなるため、金属錯体を溶解した溶液同士を混合すると、沈殿を生じやすくなる。しかし、本実施形態の方法においては、溶液には第2配位子よりも分子量が大きい第1配位子を含む第1錯体を含むため、相対的に分子量が大きい第1配位子が溶液の安定性に寄与し、沈殿の発生を抑制する。
また、本実施形態の方法においては、液状体3Xを塗布した後焼成の前に、液状体3Xに含まれる溶媒を除去する。溶媒の除去は、加熱、減圧、送風など通常知られた方法の1種、または2種以上を組み合わせた方法を採用することができる。これにより、前駆体が活物質成形体2の表面に付着する。
ただし、活物質成形体2の表面に所望量の前駆体を付着させるためには、液状体3Xの塗布および溶媒の除去の操作を繰り返し行う必要がある。しかし、活物質成形体2を構成する活物質は、水分や酸により劣化するものが多く、液状体3Xの塗布および溶媒の除去の繰り返し操作は、できるだけ少ない回数とすることが望ましい。
そこで、本実施形態の方法においては、液状体3Xとして高濃度のものを用い、一度の液状体3Xの塗布で多くの前駆体を配置可能としている。所望の液状体3Xが高濃度となる場合には、調製の過程で沈殿を生じてしまい、安定な液状体3Xとすることが困難であることがある。このような場合、液状体3Xの濃度として所望の濃度よりも低濃度の溶液(低濃度溶液)を調製した後に、低濃度溶液を徐々に濃縮することで、沈殿を生じず且つ高濃度な溶液を調製することが可能である。
液状体3Xの塗布は、活物質成形体2の細孔の内部にまで液状体3Xが浸透する方法であれば、種々の方法により行うことができる。例えば、活物質成形体2を載置しておいたところに液状体3Xを滴下することで行ってもよく、液状体3Xを貯留しているところに活物質成形体2を浸漬させることで行ってもよく、液状体3Xを貯留しているところに活物質成形体2の端部を接触させ、毛管現象を利用して細孔内に含浸させることで行ってもよい。図3(a)では、ディスペンサーDを用いて液状体3Xを滴下する方法を示している。
また、液状体3Xが高濃度となると粘度が増加しやすく、液状体3Xが活物質成形体2の細孔内部に浸透しにくくなることがある。そのような場合には、液状体3Xを室温よりも高い温度に加熱することで、液状体3Xの粘度を下げ、液状体3Xを細孔内部に浸透しやすくすることができる。
また、液状体3Xを活物質成形体2の細孔内部に浸透させるため、図3(a)に示す液状体3Xを活物質成形体2の表面に配置する操作を、大気圧(101.325kPa)よりも減圧された第1環境下で行い、その後、液状体3Xが配置された活物質成形体2を、第1環境下よりも高圧の第2環境下に配置することとしてもよい。例えば、真空チャンバーを用いて、大気圧よりも減圧された減圧環境(第1環境)を形成し、真空チャンバー内にて減圧下で液状体3Xを塗布した後、真空チャンバー内を大気圧(第2環境)に戻す操作を行うとよい。第1環境の圧力は、あまりに低い圧力であると液状体3Xに含まれる溶媒が急激に蒸発し、液状体3Xの塗布が困難となるため、液状体3Xの塗布の操作を損なわない範囲において設定する。
このような方法を採用すると、第1環境と第2環境との差圧により、第2環境下に配置した成形体においては、液状体3Xが活物質成形体2の細孔の内部にまで容易に浸透させることができる。
前駆体の焼成は、大気雰囲気下、上述した活物質成形体2を得るための熱処理よりも低い温度で行う。焼成温度は、300℃以上700℃以下の温度範囲で行うとよい。焼成により前駆体から無機固体電解質が生成され、固体電解質層3が形成される。固体電解質層の形成材料としては、Li0.35La0.55TiOを好適に用いることができる。
このような温度範囲で焼成することにより、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において、それぞれを構成する元素の相互拡散による固相反応が生じ、電気化学的に不活性な副生物が生成することを抑制することができる。また、無機固体電解質の結晶性が向上し、固体電解質層3のイオン電導性を向上させることができる。加えて、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において、焼結する部分が生じ、界面における電荷移動が容易となる。
これにより、電極複合体10を用いたリチウム電池の容量や出力が向上する。
焼成は、1度の熱処理で行うこととしてもよく、前駆体を活物質成形体2の表面に被着させる第1の熱処理と、第1の熱処理の処理温度以上700℃以下の温度条件で加熱する第2の熱処理と、に分けて行うこととしてもよい。このような段階的な熱処理で焼成を行うことにより、固体電解質層3を所望の位置に容易に形成することができる。
前駆体を焼成すると、前駆体に含まれる配位子は焼失し、二酸化炭素や水となり除去されるため、活物質成形体2の表面に付着した前駆体は体積が収縮する。体積の収縮は、質量減少としても確認することができる。これにより、活物質成形体2の細孔内では空隙が出現し、充填率が低下してしまう。充填率を高めるためには、前駆体の配置と焼成とを繰り返し行う必要がある。
これに対し、本実施形態の方法においては、上述のように前駆体に第1配位子を有する第1錯体と、第2配位子を有する第2錯体と、を含む。第2配位子は、第1配位子よりも分子量が小さいことから、第2配位子が焼失した場合のほうが、第1配位子が焼失した場合よりも体積収縮が小さい。そのため、前駆体が有する配位子に第2配位子が含まれる場合、前駆体が有する配位子を第1配位子のみとした場合と比べ、前駆体の熱処理前後における体積収縮が小さくなる。したがって、必要量の金属複酸化物を得るために、成形体の表面に前駆体を積層する繰り返し操作を少ない回数とすることができ、工程を短縮することができる。
このようにして、流動性を有する液状体3Xを塗布して固体電解質層3を形成することから、微細な活物質成形体2の細孔の内部表面にも良好に固体電解質を形成することが可能となる。そのため、複合体4においては、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を拡大しやすく、活物質成形体2と固体電解質層3との界面の電流密度が低減され、複合体4をリチウム電池に用いた場合、大きな出力を得易くなる。
以上のようにして、複合体4を製造することができる。
次いで、図4に示すように、活物質成形体2と固体電解質層3とを有する複合体4の一面において露出する活物質成形体2に集電体1を接合することにより、電極複合体10を製造する。本実施形態では、複合体4の一面を研磨した後に(図4(a))、複合体4の一面4a(研磨面)に集電体1を形成する(図4(b))。
集電体1の接合に先立って、複合体4の一面4aを研磨することにより、複合体4の一面4aにおいて活物質成形体2を確実に露出させ、集電体1と活物質成形体2とを確実に接合させることができる。
なお、複合体4を形成した際に複合体4の載置面と接する面に活物質成形体2が露出することがある。この場合は、複合体4の研磨を行わなくても、集電体1と活物質成形体2とを接合することが可能である。
集電体1の接合は、別体として形成した集電体を複合体4の一面4aに接合することによって行ってもよく、複合体4の一面4aに上述した集電体1の形成材料を成膜し、複合体4の一面4aにおいて集電体1を形成することとしてもよい。成膜方法は、通常知られた物理気相成長法(PVD)や化学気相成長法(CVD)を採用することができる。
本実施形態の製造方法においては、このようにして目的の電極複合体10を製造する。
以上のような構成の電極複合体の製造方法によれば、高出力で高容量のリチウム電池とすることが可能な電極複合体を、容易に製造することができる。
次いで、図5に示すように、得られた電極複合体10の表面3aに負極20を接合し、リチウム電池100を形成する。すなわち、リチウム電池100においては、活物質成形体2は、正極の電極活物質として用いられる。
負極20の材料としては、例えば金属リチウムや金属インジウムを用いることができる。負極20は、別体として成形したものを電極複合体10に圧着することとしてもよく、金属リチウムや金属インジウムを例えばスパッタや蒸着などの通常知られた物理気相成長法を用いて電極複合体10の表面3aに直接形成することとしてもよい。
以上のようにして、リチウム電池100を製造することができる。
以上のような複合体4の製造方法によれば、活物質成形体2の表面に前駆体を積層する繰り返し操作を少ない回数とすることができ、工程を短縮することができる。
また、以上のようなリチウム電池100の製造方法によれば、上述の複合体の製造方法を一部に含み、生産性の高いリチウム電池の製造方法とすることができる。
(変形例1)
また、本実施形態においては、固体電解質層3を単一の層により形成することとしたが、複数の層により固体電解質層を形成することとしても構わない。
図6,7は、電極複合体の変形例を示す要部側断面図であり、図1に対応する図である。
図6に示す電極複合体11は、集電体1と、活物質成形体2と、固体電解質を形成材料とし、活物質成形体2の細孔内を含む活物質成形体2の表面に接して設けられた第1電解質層51と、第1電解質層51の表面に接して薄く設けられた第2電解質層52とを有している。第1電解質層51と第2電解質層52とは、全体として固体電解質層5を形成している。固体電解質層5では、第2電解質層52の体積よりも第1電解質層51の体積を大きくした構成となっている。
複数層が積層した固体電解質層5は、上述の固体電解質層3の形成方法を各層ごとに実施することにより製造可能である。または、第1電解質層51を形成するための液状体を塗布した後、第1の熱処理を行って前駆体を被着させ、次いで、第2電解質層52を形成するための液状体を塗布した後、第1の熱処理を行って前駆体を被着させ、次いで、被着させた複数層の前駆体に対して、第2の熱処理を行うこととしてもよい。
第1電解質層51および第2電解質層52の形成材料は、上述の固体電解質層3の形成材料と同じものを採用することができる。第1電解質層51と第2電解質層52との形成材料は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。第2電解質層52を設けることで、固体電解質層5の表面5aに電極を設け電極複合体11を有するリチウム電池を作製した際に、表面3aに設けた電極と集電体1とが、活物質成形体2で接続される短絡を防ぐことができる。
また、電極複合体11を有するリチウム電池を作製する際、形成する電極の材料としてアルカリ金属を選択すると、固体電解質層を構成する無機固体電解質によっては、アルカリ金属の還元作用により、固体電解質層を構成する無機固体電解質が還元され、固体電解質層の機能を失うおそれがある。このような場合に、アルカリ金属に対して安定な無機固体電解質を第2電解質層52の形成材料として選択すると、第2電解質層52が第1電解質層51の保護層として機能し、第1電解質層51についての材料選択の自由度が大きくなる。
なお、電極複合体11のように、第2電解質層を第1電解質層の保護層として用いる場合、第1電解質層と固体電解質層の表面に設けられる電極との間に第2電解質層が介在する構成であれば、第1電解質層と第2電解質層との体積比は適宜変更することができる。
例えば、図7に示す電極複合体12のように、活物質成形体2の細孔内を含む活物質成形体2の表面に接して第1電解質層61が薄く形成され、第1電解質層61の表面に接して設けられた第2電解質層62が厚く形成されている固体電解質層6とし、第1電解質層61の体積よりも第2電解質層62の体積を大きくした構成としてもよい。
(変形例2)
また、本実施形態においては、活物質成形体2と固体電解質層3とを合わせた複合体4を形成した後に、形成した複合体4に集電体1を形成することとしたが、これに限らない。
図8は、電極複合体の製造方法の変形例の一部を示す工程図である。
図8に示す電極複合体の製造方法においては、まず、図8(a)に示すように、活物質成形体2と固体電解質層3とを合わせた構造体のバルク体4Xを形成し、バルク体4Xを目的とする電極複合体の大きさに合わせて複数に分割する。図8(a)では、分割位置を破線で示し、複数の分割面が互いに対向するように、バルク体4Xの長手方向の複数の位置において、バルク体4Xの長手方向に交差する方向に切断して分割することとして示している。
次いで、図8(b)に示すように、バルク体4Xを切断して得られる複合体4Yにおいて、一方の分割面4αには集電体1を形成する。また、他方の分割面4βには、分割面4βに露出する活物質成形体2を覆う無機固体電解質の層(固体電解質層7)を形成する。集電体1および固体電解質層7は、上述した方法により形成することができる。
以上のような構成の電極複合体の製造方法によれば、予めバルク体4Xを形成することで、高い出力のリチウム電池とすることが可能な電極複合体の大量生産が容易となる。
(変形例3)
図9に示すリチウム電池200は、上述の電極複合体10を正極側と負極側とに有している。すなわち、リチウム電池200は、正極側として電極複合体10A、負極側として電極複合体10Bをそれぞれ用意し、電極複合体10Aと電極複合体10Bとの固体電解質層同士を当接させ一体化することにより形成されている。
電極複合体10Aは、活物質成形体2Aの形成材料として正極活物質が用いられ、電極複合体10Bは、活物質成形体2Bの形成材料として負極活物質が用いられている。
電極複合体10Aの固体電解質層3Aと、電極複合体10Bの固体電解質層3Bとは、同じ形成材料であってもよく、異なる形成材料であってもよい。
本実施形態のリチウム電池の製造方法によれば、以上のようなリチウム電池200も生産性高く製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本明細書においては、複合体をリチウム電池の電極材料として用いることとして説明したが、これに限らず、2種以上の複酸化物材料を、多数の細孔や溝を有する多孔体や構造体の表面に付着させる必要があるデバイスの製造に適用することができる。例えば、フォトニック結晶のような複雑な構造を有する光学部材の製造工程において、工程数を少なくすることができる。また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)分野において、複雑な形状を有する構造体に複酸化物を充填する場合に本発明の複合体の製造方法を好適に適用することができ、工程数を削減することができる。
[実施例]
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(J0172824JP01の実施例と同じ記載としている)
[1.錯体溶液の調製]
アモルファスTiO(シグマアルドリッチ社製)0.799gを30%H水溶液35mlに溶解させた。得られた水溶液に、35%NH水溶液9mlを加えた後、1時間水冷しながら静置した。
得られた水溶液に、クエン酸一水和物(関東化学社製)2.10gを添加し、60℃で30分間加熱しながら撹拌した。
得られた水溶液を蒸発乾固させ、さらに析出した固体に純水を加えて、溶液濃度0.5mol/kgとなるように溶解することにより、淡黄色の溶液であるペルオキソクエン酸チタンアンモニウム塩(以下、Ti−CAと称する)の水溶液(以下、Ti−CA水溶液と称する)を得た。
クエン酸一水和物の代わりに、L−リンゴ酸(関東化学社製)1.54gを添加すること以外は、上記操作と同様にして、ペルオキソL−リンゴ酸チタンアンモニウム塩(以下、Ti−MAと称する)の水溶液(以下、Ti−MA水溶液と称する)を得た。
クエン酸一水和物の代わりに、グリコール酸(関東化学社製)0.94gを添加すること以外は、上記操作と同様にして、ペルオキソグリコール酸チタンアンモニウム塩(以下、Ti−GAと称する)の水溶液(以下、Ti−GA水溶液と称する)を得た。
また、La(NO・6HO(関東化学社製)を水に0.5mol/kg濃度で溶解させた水溶液に、クエン酸一水和物(関東化学社製)0.5mol/kg濃度の水溶液を添加し撹拌することで、クエン酸ランタン錯体の水溶液(以下、La−CA水溶液と称する)を得た。
クエン酸一水和物の代わりに、L−リンゴ酸0.5mol/kg水溶液を添加すること以外は、上記操作と同様にして、L−リンゴ酸ランタン錯体の水溶液(以下、La−MA水溶液と称する)を得た。
クエン酸一水和物の代わりに、グリコール酸0.5mol/kg水溶液を添加すること以外は、上記操作と同様にして、グリコール酸ランタン錯体の水溶液(以下、La−GA水溶液と称する)を得た。
また、LiNO(高純度化学社製)を水に0.5mol/kg濃度で溶解させた水溶液に、クエン酸一水和物0.5mol/kg水溶液を添加し撹拌することで、クエン酸リチウム錯体の水溶液(以下、Li−CA水溶液と称する)を得た。
クエン酸一水和物の代わりに、L−リンゴ酸0.5mol/kg水溶液を添加すること以外は、上記操作と同様にして、L−リンゴ酸リチウム錯体の水溶液(以下、Li−MA水溶液と称する)を得た。
クエン酸一水和物の代わりに、グリコール酸0.5mol/kg水溶液を添加すること以外は、上記操作と同様にして、グリコール酸リチウム錯体の水溶液(以下、Li−GA水溶液と称する)を得た。
[2.錯体溶液の混合実験]
上述の3種のチタン錯体水溶液に対し、上述の3種のランタン錯体水溶液を室温にてそれぞれ加え、沈殿の生成の有無を確認した。評価結果を下記表1に示す。表1においては、沈殿が生じた組み合わせを「×」、沈殿が生じなかった組み合わせを「○」として示している。
Figure 0006163774
評価の結果、第1錯体としてTi−CAを用いる場合、第2錯体としてLa−MA,La−GAを採用することができることが分かった。同様に、第1錯体としてTi−MAを用いる場合、第2錯体としてLa−GAを採用することができ、第1錯体としてLa−CAを用いる場合、第2錯体としてTi−Aを採用することができることが分かった。
[3.配位子の違いによる体積収縮の違いの確認1]
本実施例においては、上述の手法で調製した金属錯体を焼成することによる体積収縮を、質量減少により確認した。金属錯体が有する配位子が焼失することによる体積収縮と、配位子が焼失することによる質量減少とは比例関係があるため、体積収縮よりも簡便に確認が可能な質量減少を測定することにより確認可能である。
質量減少は、示差熱・熱重量分析(TG−DTA)により、測定対象となる金属錯体または、金属錯体の水溶液を加熱することで確認した。加熱条件は、温度範囲が室温から600℃まで、昇温速度が5℃/分であり、大気雰囲気下にて行った。
図10は、[1.錯体溶液の調製]で調製したチタン錯体についてTG−DTA測定を行った結果を示すチャートであり、横軸は加熱温度(℃)、縦軸は測定開始時の質量を100%としたときの質量比(%)を示している。
評価の結果、相対的に分子量が小さい配位子を有する金属錯体の方が、加熱処理後に残存する質量が大きいことが確かめられた。すなわち、相対的に分子量が小さい配位子を有する金属錯体の方が、加熱処理後の体積収縮が少ないことが確かめられた。
[4.配位子の違いによる体積収縮の違いの確認2]
[1.錯体溶液の調製]で調製した各金属錯体水溶液を、Li0.35La0.55TiOの組成式に従った組成比で金属原子が含まれるように混合し、混合溶液を調製した。
調製した混合溶液は、以下の3種である。混合溶液1〜3は、いずれも室温において沈殿を生じることがなく、安定な溶液であった。
混合溶液1:Ti−CA水溶液、Li−CA水溶液、La−CA水溶液の混合溶液
混合溶液2:Ti−CA水溶液、Li−GA水溶液、La−GA水溶液の混合溶液
混合溶液3:Ti−MA水溶液、Li−GA水溶液、La−GA水溶液の混合溶液
図11は、混合溶液1〜3についてTG−DTA測定を行った結果を示すチャートであり、横軸は加熱温度(℃)、縦軸は測定開始時の溶液の質量を100%としたときの質量(%)を示している。TG−DTA測定の条件は、上記図10を測定した条件と同じであった。
図11の測定結果において、溶媒が除去された点(図中、三角印を付す点)の質量を100%とした測定後の残存質量比について再計算結果を下記表2に示す。
Figure 0006163774
評価の結果、相対的に分子量が小さい配位子を有する金属錯体の方が、加熱処理後の体積収縮が少ないことが確かめられた。
[5.混合溶液の濃縮による体積収縮の違い]
0.25mol/kgの混合溶液3を調製した後、この混合溶液3を基準濃度の溶液(1倍液と称する)として、90℃のホットプレートで加熱しながら溶媒である水を除去し、体積比で2倍、4倍、8倍、16倍に濃縮した溶液をそれぞれ作成した。それぞれ、2倍液、4倍液、8倍液、16倍液と称する。
8倍液(2mol/kg)や16倍液(4mol/kg)の混合溶液であっても安定に調製することが可能であった。なお、これらの濃度の混合溶液は、対応する水量に塩を溶解させて直接調製しようとすると、塩が溶解せずに残存し調製不可能であった。
得られた1倍液〜16倍液について、TG−DTA測定により質量減少を確認した。加熱条件は、温度範囲が室温から570℃まで、昇温速度が20℃/分であり、大気雰囲気下にて行った。
図12は、1倍液〜16倍液についてTG−DTA測定を行った結果を示すチャートであり、横軸は測定時間(分)、縦軸は測定開始時の溶液の質量を100%としたときの質量比(%)を示している。
評価の結果、濃縮が進むに従い、加熱処理後の体積収縮が少ないことが確かめられた。
[6.活物質成形体への充填]
0.25mol/kgの混合溶液1を調製した後、この混合溶液1を基準濃度の溶液(1倍液と称する)として、上記方法にて体積比で2倍、4倍に濃縮した溶液をそれぞれ作成した。それぞれ、混合溶液1の2倍液、4倍液と称する。
混合溶液1の1倍液、2倍液、4倍液、および混合溶液3の1倍液、2倍液、4倍液について、以下の方法にて多孔質の活物質成形体に含浸させ、焼成して固体電解質層を形成した。
まず、粉末状のLiCoO(シグマアルドリッチ社製、以下、LCOと称する)100質量部と、粉末状のポリアクリル酸(関東化学社製)3質量部とを混合し、LCOとポリアクリル酸との混合粉末を得た。
得られた混合粉末を80mg秤量し、ペレットダイスに充填した後に、624MPaの圧力を加えて、直径10mm、厚み0.3mmの円盤状のペレットに成型した。
得られたペレットを、マッフル炉にて大気雰囲気下1000℃で8時間焼成することにより、活物質成形体を得た。
サンプル瓶に混合溶液1および混合溶液3の各濃度の溶液を入れ、その中に活物質成形体のペレット(以下、単にペレットと称する)を入れた。真空チャンバー内にて全体を減圧にした後、大気解放することで、活物質成形体の内部に各濃度の混合溶液を含浸させた。
混合溶液を含浸させたペレットをサンプル瓶から取り出し、シリコンウエハ上に載置した後、シリコンウエハごとホットプレート上にて70℃で3分加熱して溶媒を除去した。その後、ペレットを200℃で3分加熱し、さらに540℃で15分焼成した。焼成後は、大気放置して降温させた後、質量を測定した。
以下、サンプル瓶内における混合溶液の含浸から、540℃で15分焼成までを充填操作と称する。ペレットに対して充填操作を繰り返し行い、ペレットの細孔内に充填する固体電解質の量を増量させた。
図13は、上記充填操作の繰り返し回数に対する固体電解質層の充填量の関係を示すグラフであり、横軸は充填操作の繰り返し回数(回)、縦軸は充填された固体電解質の量(g)を示している。
評価の結果、前駆体に相対的に分子量が小さい配位子が用いられているほど、また、混合溶液の濃度が高いほど、少ない充填操作にて多くの固体電解質を充填可能であることが分かった。
これらの結果から、本発明の有用性が確かめられた。
1…集電体、2,2A,2B…活物質成形体、3…固体電解質、3,3A,3B,5,6,7…固体電解質層、3a,5a…表面、3X…液状体、4,4Y…複合体、4X…バルク体、4a…一面(研磨面)、4α、4β…分割面、10,10A,10B,11,12…電極複合体、20…電極、51,61…第1電解質層、52,62…第2電解質層、100,200…リチウム電池

Claims (6)

  1. 第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を含む前駆体を有する溶液を、多孔質の成形体が有する細孔の内部を含む前記成形体の表面に塗布し、前記表面に前記前駆体を配置する工程と、
    前記前駆体を熱処理することで、前記第1金属原子と前記第2金属原子とを含有する金属複酸化物を得る工程と、を有し、
    前記溶液が、予め前記溶液よりも低濃度に調製された低濃度溶液を濃縮して調製される複合体の製造方法。
  2. 前記配置する工程は、前記溶液を加熱しながら前記細孔の内部に前記溶液を充填することを含む請求項1に記載の複合体の製造方法。
  3. 前記配置する工程は、大気圧よりも減圧された第1環境下で、前記溶液を前記成形体の表面に配置することと、
    前記溶液が配置された前記成形体を、前記第1環境下よりも高圧の第2環境下に配置することで、前記細孔の内部に前記溶液を充填することと、を有する請求項1または2に記載の複合体の製造方法。
  4. 第1金属原子に第1配位子が配位した第1錯体と、前記第1配位子よりも分子量が小さい第2配位子が第2金属原子に配位した第2錯体と、を有する前駆体を含む溶液を、多孔質の活物質成形体が有する細孔の内部を含む前記活物質成形体の表面に配置して熱処理し、前記第1金属原子と前記第2金属原子とを含む金属複酸化物を有する固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層から露出する前記活物質成形体に集電体を接合する工程と、を有し、
    前記溶液が、予め前記溶液よりも低濃度に調製された低濃度溶液を濃縮して調製されるリチウム電池の製造方法。
  5. 前記固体電解質層を形成する工程では、前記溶液を加熱しながら前記活物質成形体の表面に前記溶液を配置する請求項に記載のリチウム電池の製造方法。
  6. 前記固体電解質層を形成する工程は、大気圧よりも減圧された第1環境下で、前記溶液を前記活物質成形体の表面に配置することと、
    前記溶液が配置された前記活物質成形体を、前記第1環境下よりも高圧の第2環境下に配置することで、前記細孔の内部に前記溶液を充填することと、を有する請求項またはに記載のリチウム電池の製造方法。
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