JP2017004783A - 電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池 - Google Patents

電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池 Download PDF

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Abstract

【課題】内部短絡が抑制されたリチウム電池に適用可能な電極複合体、かかる電極複合体を効率よく製造可能な電極複合体の製造方法、および、内部短絡が抑制されたリチウム電池を効率よく製造可能なリチウム電池の製造方法を提供すること。【解決手段】リチウム二次電池に含まれる電極複合体の製造方法は、第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子32と、第2の無機固体電解質の形成材料を含む液状材料342と、を有する液状組成物30Xを準備する準備工程と、正極活物質層14の上面146に液状組成物30Xを塗布した後、加熱して、液状材料342を反応させ、固体電解質粒子32と固体電解質基部とを備える固体電解質複合層を得る加熱工程と、を有する。【選択図】図10

Description

本発明は、電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池に関するものである。
携帯型情報機器をはじめとする多くの電気機器の電源として、リチウム電池(一次電池および二次電池を含む)が利用されている。リチウム電池は、正極と負極と、これらの層の間に設置され、リチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。
近年、高エネルギー密度と安全性とを両立したリチウム電池として、電解質層の形成材料に、固体電解質を使用する全固体型リチウム電池が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
これらの全固体型リチウム電池については、さらなる高出力および高容量が求められているが、従来の全固体型リチウム電池では、これらの特性が不十分である。
特開2006−277997号公報 特開2004−179158号公報 特許第4615339号公報
特に、リチウム二次電池では、充放電の過程でリチウム金属が析出し、それを介して正極と負極とが短絡してしまうことがある(内部短絡)。このような内部短絡が生じると、容量の低下等の不具合を招くこととなる。
本発明の目的の一つは、内部短絡が抑制されたリチウム電池に適用可能な電極複合体、かかる電極複合体を効率よく製造可能な電極複合体の製造方法、および、内部短絡が抑制されたリチウム電池を効率よく製造可能なリチウム電池の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の電極複合体の製造方法は、第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子と、第2の無機固体電解質の形成材料を含む液状材料と、を有する液状組成物を準備する準備工程と、
正極活物質層上に前記液状組成物を塗布した後、加熱して、前記液状材料を反応させて固体電解質基部を形成し、前記固体電解質粒子と前記固体電解質基部とを備える固体電解質複合層を得る加熱工程と、
を有することを特徴とする。
これにより、正極活物質層と負極との間に設けられる固体電解質複合層の厚さが均一になり、電子の伝導パスが生じ難くなるので、内部短絡が抑制されたリチウム電池を実現可能な電極複合体を効率よく製造することができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記加熱工程において、前記第2の無機固体電解質の形成材料を、前記固体電解質粒子の焼結温度よりも低い温度で加熱することにより、前記第2の無機固体電解質を生成させ、前記固体電解質基部を形成することが好ましい。
これにより、固体電解質粒子の熱による変性を抑えつつ、形成材料に対して均一に熱が加わるため、形成材料の反応がムラなく生じ、形成される固体電解質複合層の厚さが均一になり易い。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記加熱工程において、前記正極活物質層上に、前記液状組成物を塗布した後、乾燥させる過程を複数回繰り返した後、前記加熱を行うことが好ましい。
これにより、均一な厚さを維持したまま、所望の厚さの固体電解質複合層を得ることができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記第1の無機固体電解質の組成と、前記第2の無機固体電解質の組成とは、互いに異なっていることが好ましい。
これにより、双方の固体電解質が持つ特性をそれぞれ有する固体電解質複合層が得られる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記第1の無機固体電解質および前記第2の無機固体電解質の少なくとも一方は、Li7-xLa3(Zr2-x,Mx)O12で表される固体電解質を含むことが好ましい。
[式中、Mは、Nb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbのうちの少なくとも1種を表し、Xは0以上2以下の実数を表す。]
これにより、固体電解質複合層のリチウムイオン伝導性をより高めることができ、かつ、固体電解質複合層の機械的強度をより高めることができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記第1の無機固体電解質および前記第2の無機固体電解質の少なくとも一方は、ホウ素を含むリチウム複酸化物を含有することが好ましい。
これにより、リチウムイオン伝導性と耐久性とを高度に両立させた固体電解質複合層を実現することができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記正極活物質層は、リチウム複酸化物を含む粒子状をなす活物質粒子と、前記活物質粒子同士の間に設けられた連通孔と、を備える活物質成形体を有し、
前記加熱工程の前に設けられ、前記連通孔内において前記活物質粒子と接するように無機固体電解質を供給し、固体電解質充填部を得る工程を有することが好ましい。
これにより、活物質粒子と固体電解質充填部とが高い頻度で接触し、正極活物質層と固体電解質充填部との間で十分に広い接触面積を確保することができる。その結果、内部抵抗が小さく、出力特性に優れるリチウム電池が得られる。
本発明の電極複合体は、リチウム複酸化物を含む粒子状をなす活物質粒子と、前記活物質粒子同士の間に設けられた連通孔と、を備える正極活物質層と、
前記活物質粒子と接して前記連通孔内に設けられ、無機固体電解質を含む固体電解質充填部と、
前記正極活物質層上に、前記固体電解質充填部と接して設けられ、第2の無機固体電解質を含む固体電解質基部と、前記固体電解質基部内に分散され第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子と、を備える固体電解質複合層と、
を有することを特徴とする。
これにより、正極活物質層と負極との間に設けられる固体電解質複合層の厚さが均一になり、電子の伝導パスが生じ難くなるので、内部短絡が抑制されたリチウム電池を実現可能な電極複合体が得られる。また、固体電解質複合層が緻密であることにより、電解質の粒界におけるLiのデンドライト成長を抑制することができるため、内部短絡が抑制されたリチウム電池を実現可能な電極複合体が得られる。
本発明のリチウム電池は、本発明の電極複合体と、
前記正極活物質層と接して設けられた正極集電体と、
前記固体電解質複合層と接して設けられた負極と、
を有することを特徴とする。
これにより、内部短絡が抑制された高容量のリチウム電池が得られる。
本発明のリチウム電池の第1実施形態を適用したリチウム二次電池を示す縦断面図である。 本発明のリチウム電池の第2実施形態を適用したリチウム二次電池を示す縦断面図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。 図1に示すリチウム二次電池を製造する方法を説明するための図である。
以下、本発明の電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<リチウム二次電池>
まず、本発明のリチウム電池の各実施形態を適用したリチウム二次電池、および、それに含まれる本発明の電極複合体の各実施形態について説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、本発明のリチウム電池の第1実施形態を適用したリチウム二次電池を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせて記載してある。
リチウム二次電池100は、正極10と、負極20と、正極10と負極20との間に設けられた固体電解質複合層30と、正極10の細孔内に設けられた固体電解質充填部40と、を有している。このリチウム二次電池100は、いわゆる全固体型リチウム(イオン)二次電池である。
(正極)
正極10は、図1に示すように、正極集電体12と、正極活物質層14と、を備えている。なお、以下では、正極活物質層14と固体電解質充填部40と固体電解質複合層30とを合わせた構成を、電極複合体50(本発明の電極複合体の第1実施形態)と称することとなる。
正極集電体12は、電池反応により生成された電流を取り出すための導電体であり、正極活物質層14に接して設けられている。
この正極集電体12の形成材料(構成材料)としては、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、この群から選ばれる2種以上の金属元素を含む合金等が挙げられる。
なお、正極集電体12の形状は、特に限定されず、例えば、板状、箔状、網状等をなすものが挙げられる。また、正極集電体12の表面は、平滑であってもよく、凹凸が形成されていてもよい。
正極活物質層14は、活物質を含有する粒子状をなす活物質粒子142を含み、複数の活物質粒子142同士が3次元的に連結して形成された多孔質の成形体(活物質成形体)である。
この多孔質の成形体で構成される正極活物質層14が有する複数の細孔は、正極活物質層14の内部で互いに網目状に連通した連通孔を形成している。すなわち、正極活物質層14は、連通孔からなる空隙を備える多孔質体で構成される。正極活物質層14の上面近傍において、この多孔質体の空隙に固体電解質複合層30が入り込むことにより、活物質粒子142と固体電解質複合層30とが高い頻度で接触し、正極活物質層14と固体電解質複合層30との間で十分に広い接触面積を確保することができる。
正極活物質層14(活物質粒子142)は、リチウム酸化物を含む無機物の正極活物質を形成材料(構成材料)として含有している。
このような正極活物質としては、例えば、リチウム複酸化物が好ましく用いられる。なお、本明細書において「リチウム複酸化物」とは、リチウムを必ず含み、かつ全体として2種以上の金属イオンを含む酸化物であって、オキソ酸イオンの存在が認められないものをいう。このようなリチウム複酸化物を含むことで、活物質粒子142同士で電子の受け渡しを行い易くなり、また、活物質粒子142と固体電解質複合層30との間でリチウムイオンの受け渡しを行い易くなるため、正極活物質層14としての機能が特に良好に発揮される。
具体的なリチウム複酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMn、LiFePO、LiFeP、LiMnPO、LiFeBO、Li(PO、LiCuO、LiFeF、LiFeSiO、LiMnSiO等が挙げられる。また、本明細書においては、これらのリチウム複酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体もリチウム複酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質として用いることができる。
このうち、リチウム複酸化物としてはLiCoOが好ましく用いられる。この活物質は、電子伝導性が高いため、正極活物質層14に用いられる形成材料として有用である。なお、LiCoOは、電子伝導性に異方性があることが知られている。このため、LiCoOを形成材料として正極活物質層14を形成しようとすると、形成方法によっては、リチウム二次電池100の充放電の観点から意図する方向(正極10と負極20とを結ぶ方向)の電子伝導性が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態に係る正極活物質層14のように活物質粒子142同士が3次元的に連結していると、電子伝導性の異方性を緩和することができる。そのため、LiCoOのように電子伝導性に異方性がある場合でも、その異方性による悪影響を最小限に抑えることができる。
活物質粒子142の平均粒径は、300nm以上5μm以下が好ましく、450nm以上3μm以下がより好ましく、500nm以上1μm以下がさらに好ましい。このような平均粒径の活物質を用いると、得られる正極活物質層14の空隙率を、後述するような範囲内に設定することができる。これにより、正極活物質層14の細孔内の表面積を広げ、かつ正極活物質層14と固体電解質複合層30との接触面積を広げ易くなり、リチウム二次電池100の高容量化を図ることができる。
なお、活物質粒子142の平均粒径が前記下限値未満であると、固体電解質複合層30の形成材料の種類によっては、形成される正極活物質層14の細孔の半径が数十nmの微小なものになり易く、細孔内に固体電解質複合層30が入り込み難くなる。その結果、正極活物質層14と固体電解質複合層30との接触面積を十分に大きくすることができないおそれがある。
また、活物質粒子142の平均粒径が前記上限値を超えると、形成される正極活物質層14の単位質量当たりの表面積である比表面積が小さくなり、正極活物質層14と固体電解質複合層30との接触面積が小さくなるおそれがある。そのため、リチウム二次電池100において、充分な出力が得られなくなるおそれがある。また、活物質粒子142の内部から固体電解質複合層30までのイオン拡散距離が長くなるため、活物質粒子142において中心付近のリチウム複酸化物は電池の機能に寄与しにくくなるおそれがある。
なお、活物質粒子142の平均粒径は、例えば、活物質粒子142をn−オクタノールに0.1質量%以上10質量%以下の範囲の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX250)を用いて、メジアン径を求めることにより測定することができる。
また、正極活物質層14は、その空隙率が10%以上50%以下であることが好ましく、30%以上50%以下であることがより好ましい。正極活物質層14がこのような空隙率を有することにより、正極活物質層14の細孔内の表面積を広げ、かつ正極活物質層14と固体電解質複合層30との接触面積を広げ易くなり、リチウム二次電池100の高容量化を図ることができる。
なお、空隙率は、例えば、(1)正極活物質層14の外形寸法から得られる、細孔を含めた正極活物質層14の体積(見かけ体積)と、(2)正極活物質層14(活物質成形体)の質量と、(3)正極活物質層14を構成する活物質の密度とから下記の式(I)に基づいて測定することができる。
Figure 2017004783
また、詳しくは後述するが、正極活物質層14の空隙率は、正極活物質層14を形成する工程において、粒子状の有機物で構成される造孔材を用いることで制御可能である。
なお、正極活物質層14には、活物質同士をつなぎ合わせるバインダーや、正極活物質層14の導電性を担保するための導電助剤等の有機物が含まれていてもよいが、本実施形態では、正極活物質層14を成形する際に、バインダーや導電助剤等を用いることなく成形しており、ほぼ無機物のみで構成されている。具体的には、本実施形態に係る正極活物質層14においては、一例として正極活物質層14を400℃で30分加熱したときの質量減少率が、5質量%以下となっている。また、質量減少率は、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、質量減少が観測されない、または誤差範囲であることが特に好ましい。正極活物質層14の質量減少率がこのような範囲内にあるとき、正極活物質層14には、所定の加熱条件で蒸発する溶媒や吸着水等の物質や、所定の加熱条件で燃焼または酸化されて気化する有機物が、構成全体に対して5質量%以下しか含まれないこととなる。したがって、長期信頼性の高いリチウム二次電池100を得ることができる。
また、バインダーや導電助剤の添加量が少ないことにより、正極活物質層14の単位体積当たりの容量を増加させることもできる。
なお、正極活物質層14の質量減少率は、示差熱−熱重量同時測定装置(TG−DTA)を用い、正極活物質層14を所定の加熱条件で加熱することで、所定の加熱条件による加熱後の正極活物質層14の質量を測定し、加熱前の質量と加熱後の質量との比から算出することができる。
正極10の厚さは、特に限定されないが、例えば、5μm以上500μm以下であることが好ましく、30μm以上300μm以下であることがより好ましい。
(固体電解質複合層)
固体電解質複合層30は、第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子32と、固体電解質粒子32が分散される分散相(マトリックス相)であって第2の無機固体電解質を含む固体電解質基部34と、を有している。
このような固体電解質複合層30は、前述したように正極10と負極20との間に設けられ、これらを電気的に絶縁している。すなわち、固体電解質複合層30は、正極10と負極20とがリチウム二次電池100の内部で短絡するのを防止し、内部短絡に伴うリチウム二次電池100の容量低下を防止することができる。
特に、固体電解質複合層30は、固体電解質基部34とそれに分散されている固体電解質粒子32とを有する複合層である。このため、固体電解質複合層30は、形成時に、均一な層を形成し易いものである。したがって、固体電解質複合層30は、その厚さが局所的に薄い箇所を含む確率が低いため、電子伝導の経路となり得る箇所を含む確率が低いものであるといえる。したがって、固体電解質複合層30を含むリチウム二次電池100は、内部短絡を発生させ難く、高容量化が図られ易いという効果を奏する。
また、層構成が緻密で均一であると、電解質の粒界に発生するLiのデンドライトを抑制することができ、短絡の発生を抑えることができる。
一方、固体電解質複合層30には、固体電解質粒子32が分散されている。このように固体電解質粒子32が分散されていることによって、固体電解質複合層30では、固体電解質粒子32の構成材料自体が本来有する特性に近いリチウムイオン伝導性を有するものとなる。したがって、固体電解質複合層30では、例えばリチウムイオン伝導性は高いものの、その他の特性、例えば機械的特性や絶縁性が低い材料を、固体電解質粒子32の構成材料(第1の無機固体電解質)として用いることが可能になる。換言すれば、これらの低い特性を固体電解質基部34によって補うことにより、リチウムイオン伝導性とその他の特性の双方が高い固体電解質複合層30を得ることができる。
加えて、固体電解質粒子32がフィラーとして機能することにより、固体電解質複合層30の機械的特性を高めることができる。これは、固体電解質複合層30に亀裂が発生したとしても、この亀裂の進展が固体電解質粒子32において止められ、それ以上進展し難いことによるものである。
なお、後に詳述するが、固体電解質基部34は、第2の無機固体電解質の形成材料(前駆体)を反応させて形成されている。このため、反応の過程で、固体電解質基部34と固体電解質粒子32との間に結合が生じる。この結合によって、固体電解質複合層30におけるリチウムイオン伝導性がより高くなるとともに、固体電解質複合層30の機械的特性が高くなり、絶縁層としての信頼性をより高めることができる。
さらには、上記の方法で形成されることにより、例えば第1の無機固体電解質と第2の無機固体電解質とが互いに同じ組成である場合でも、一方が他方に溶ける等の問題が生じ難いため、固体電解質粒子32が粒子としての形状を損ない難い。このため、上述した効果を確実に発揮させることができる。
ここで、固体電解質粒子32に含まれる第1の無機固体電解質、および、固体電解質基部34に含まれる第2の無機固体電解質は、それぞれ無機固体電解質であればいかなるものであってもよい。また、互いに同じ組成のものであっても互いに異なる組成のものであってもよい。
以下、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質について詳述する。
具体的には、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質としては、例えば、SiO−P−LiO、SiO−P−LiCl、LiO−LiCl−B、Li3.40.6Si0.4、Li14ZnGe16、Li3.60.4Ge0.6、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO、Li2.88PO3.730.14、LiNbO、Li0.35La0.55TiO、LiLaZr12、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−P、LiPON、LiN、LiI、LiI−CaI、LiI−CaO、LiAlCl、LiAlF、LiI−Al、LiF−Al、LiBr−Al、LiO−TiO、La−LiO−TiO、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiN−LiCl、LiNBr、LiSO、LiSiO、LiPO−LiSiO、LiGeO−LiVO、LiSiO−LiVO、LiGeO−ZnGeO、LiSiO−LiMoO、LiSiO−LiZrO等のリチウムを含む酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物が挙げられる。なお、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質は、それぞれ結晶質であっても非晶質(アモルファス)であってもよい。また、本明細書においては、これらの組成物の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体も、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質として用いることができる。
また、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質としては、例えば、各種のリチウム複酸化物が好ましく用いられ、構成元素としてLaおよびZrを含むリチウム複酸化物がより好ましく用いられる。
より具体的には、下記式(II)で表されるリチウム複酸化物が好ましく用いられる。
Li7-xLa3(Zr2-x,Mx)O12 ・・・ (II)
[式中、Mは、Nb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbのうちの少なくとも1種を表し、Xは0以上2以下の実数を表す。]
また、上記式のMは、特に、Nb(ニオブ)およびTa(タンタル)のうちの少なくとも1種であることが好ましい。これにより、得られる固体電解質複合層30のリチウムイオン伝導性をより高めることができ、かつ、固体電解質複合層30の機械的強度をより高めることができる。
また、上記式のX、すなわち、金属Mの置換率は、1以上2以下であるのが好ましく、1.4以上2以下であるのがより好ましい。前記Xが小さ過ぎると、金属Mの種類等によっては、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質において、前述した機能を十分に発揮させることができないおそれがある。
また、上記式で表されるリチウム複酸化物は、立方晶または正方晶のいずれの結晶構造を有するものであってもよいが、立方晶のガーネット型結晶構造を有することが好ましい。これにより、固体電解質複合層30のリチウムイオン伝導性のさらなる向上が図られる。
また、より具体的には、Li6.8La3Zr1.8Nb0.212が特に好ましく用いられる。
なお、上述したLaおよびZrを含むリチウム複酸化物は、上述した結晶質のものに限定されず、非晶質のものであってもよい。
また、上述したLaおよびZrを含むリチウム複酸化物のイオン伝導率は、5×10−5S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましい。かかるリチウム複酸化物がこのようなイオン伝導率を有することにより、正極活物質層14の表面から離れた位置の固体電解質複合層30に含まれるイオンも、正極活物質層14の表面に達し、正極活物質層14における電池反応に寄与することが可能となる。そのため、正極活物質層14における活物質の利用率が向上し、容量をより大きくすることができる。
一方、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質としては、例えば、構成元素としてホウ素、炭素、窒素、ケイ素、硫黄およびリンのうちの少なくとも1種を含むリチウム複酸化物(以下、省略して「ホウ素等を含むリチウム複酸化物」ともいう。)が好ましく用いられ、構成元素としてホウ素を含有するリチウム複酸化物がより好ましく用いられる。これらは、リチウムイオン伝導性に優れるとともに、機械的強度に係る長期安定性にも優れている。このため、長期にわたって内部短絡を防止し得る固体電解質複合層30を実現することができる。
ホウ素を含有するリチウム複酸化物としては、具体的には、Li2+XX1-X3(Xは、0超1以下の実数を表す。)、Li(LiBO)、Li、LiB、Li等の、構成元素としてホウ素を含むリチウム複酸化物が好ましく用いられる。このようなリチウム複酸化物は、高いリチウムイオン伝導性を有するため、固体電解質複合層30のリチウムイオン伝導性をより高めることができる。
また、上記のリチウム複酸化物は、非晶質であっても、結晶質であってもよい。非晶質である場合、結晶粒界に伴うリチウムイオンの伝導抵抗が少なくなるとともに、亀裂等の発生が抑えられ易い。一方、結晶質である場合、その構成材料が持つリチウムイオン伝導性が最大限に反映されるため、特にリチウムイオン伝導性に優れた固体電解質複合層30が得られる。
なお、本明細書における結晶質とは、単結晶および多結晶の双方を含む。
また、上記のリチウム複酸化物が結晶質であるか否かは、例えばX線回折(XRD)を利用した結晶構造解析において、結晶に由来するピークが認められるか否かによって特定することが可能である。
なお、上述した無機固体電解質は、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質として、いかなる組み合わせで用いられてもよいが、好ましくは、一方に、上述した構成元素としてLaおよびZrを含むリチウム複酸化物を用い、他方に、上述した構成元素としてホウ素、炭素、ケイ素、硫黄およびリンのうちの少なくとも1種を含むリチウム複酸化物を用いる組み合わせとされる。
このような互いに組成が異なる組み合わせによれば、双方のリチウム複酸化物が持つ特性をそれぞれ有する固体電解質複合層30を得ることができる。すなわち、上述したLaおよびZrを含むリチウム複酸化物は、結晶質になり易いため、比較的リチウムイオン伝導性が高い一方、その組成によっては、空気等に触れて変性し易い。これに対し、上述したホウ素等を含むリチウム複酸化物は、空気等に触れても変性し難く、かつ、非晶質になり易いため、機械的特性に優れている。したがって、前者を第1の無機固体電解質として用い、後者を第2の無機固体電解質として用いることにより、リチウムイオン伝導性と耐久性とを高度に両立させた固体電解質複合層30を実現することができる。
また、これとは反対の組み合わせ、すなわち、上述したLaおよびZrを含むリチウム複酸化物を第2の無機固体電解質として用い、上述したホウ素等を含むリチウム複酸化物を第1の無機固体電解質として用いた場合にも、双方のリチウム複酸化物が持つ特性をそれぞれ有する固体電解質複合層30を得ることができる。
一方、ある一種のリチウム複酸化物、例えば、上述したLaおよびZrを含むリチウム複酸化物を、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質のそれぞれに用いるようにしてもよく、同様に、上述したホウ素等を含むリチウム複酸化物を、第1の無機固体電解質および第2の無機固体電解質のそれぞれに用いるようにしてもよい。このような場合でも、厚さが均一な固体電解質複合層30を得ることができる。
固体電解質複合層30の平均厚さは、特に限定されないが、100nm以上20μm以下であることが好ましく、200nm以上10μm以下であることがより好ましい。かかる厚さに設定することで、固体電解質複合層30は、電子の伝導パスが生じ難い十分な厚さを有するとともに、リチウムイオン伝導性の低下を抑制し得る厚さとなる。これにより、内部短絡を防止しつつ、十分なリチウムイオン伝導性を有する固体電解質複合層30が得られる。その結果、高容量でかつ高出力のリチウム二次電池100が得られる。
また、固体電解質複合層30における固体電解質粒子32と固体電解質基部34の存在比は、固体電解質粒子32の粒径や固体電解質複合層30の目的とする厚さ等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、一例として、固体電解質複合層30における固体電解質粒子32の体積比率は、10体積%以上90体積%以下であるのが好ましく、20体積%以上80体積%以下であるのがより好ましい。固体電解質粒子32の体積比率を前記範囲内に設定することにより、固体電解質複合層30は、成膜条件が異なる場合でも、比較的均一な厚さに成膜される。このため、電子の伝導パスが少なく、内部短絡が特に生じ難い固体電解質複合層30が得られる。
また、固体電解質粒子32の平均粒径は、1nm以上200nm以下であるのが好ましく、3nm以上100nm以下であるのがより好ましく、5nm以上50nm以下であるのがさらに好ましい。固体電解質粒子32の平均粒径を前記範囲内に設定することにより、固体電解質複合層30の厚さをより均一にし易くなり、電子の伝導パスが特に少ない固体電解質複合層30が得られる。すなわち、固体電解質粒子32の平均粒径が前記下限値を下回ると、成膜方法によっては、固体電解質粒子32のスペーサーとしての機能が低下するため、固体電解質基部34の形成材料を十分に貯留することができず、その分、厚さの均一化が困難になるおそれがある。一方、固体電解質粒子32の平均粒径が前記上限値を上回ると、固体電解質粒子32の粒径が大きくなり過ぎて、成膜時の均一な分散が困難になり、それに伴って厚さの均一化が困難になるおそれがある。
なお、固体電解質粒子32の平均粒径は、例えば、固体電解質粒子32をn−オクタノールに0.1質量%以上10質量%以下の範囲の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX250)を用いて、メジアン径を求めることにより測定することができる。
また、固体電解質複合層30の断面を電子顕微鏡等で観察し、その観察像から固体電解質粒子32の円相当径(固体電解質粒子32の断面積と同じ面積を持つ円の直径)を求めるとともに、100個以上の円相当径を平均することによって、固体電解質粒子32の平均粒径を求めることもできる。
(固体電解質充填部)
図1に示す正極活物質層14は、活物質粒子142を含み、内部に複数の空隙(連通孔)を有している。この空隙に粒状体61を含む第3の固体電解質層60が入り込むことにより、活物質粒子142と第3の固体電解質層60の粒状体61とが高い頻度で接触し、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との間で十分に広い接触面積を確保することができる。
また、本実施形態では、さらに、第4の固体電解質層70が、第3の固体電解質層60によって埋め切れなかった空隙を埋めるように設けられている。すなわち、本実施形態に係る電極複合体50は、正極10と、その空隙内に設けられた第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含む固体電解質充填部40と、を備えている。これにより、活物質粒子142同士の隙間を粒状体61(第3の固体電解質層60)で埋め、さらに、活物質粒子142と粒状体61との隙間を第4の固体電解質層70で埋めることができるので、相互間のリチウムイオン伝導性がより高められる。その結果、内部抵抗が小さく、出力特性に優れるリチウム二次電池100が得られる。また、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70によって正極活物質層14の隙間の少なくとも一部が埋められることにより、リチウム二次電池100のさらなる高容量化を図ることができる。
第3の固体電解質層60は、第3の無機固体電解質を形成材料(構成材料)とし、正極活物質層14に含まれる細孔(空隙)内において活物質粒子142の表面に接して設けられている。
第3の無機固体電解質は、リチウムイオンを伝導し得る固体電解質であれば、特に限定されないが、結晶質であり、構成元素としてLaおよびZrを含むリチウム複酸化物が好ましく用いられる。
第3の無機固体電解質としては、具体的には、下記式(II)で表されるリチウム複酸化物が好ましく用いられる。
Li7-xLa3(Zr2-x,Mx)O12 ・・・ (II)
[式中、Mは、Nb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbのうちの少なくとも1種を表し、Xは0以上2以下の実数を表す。]
また、上記式のMは、特に、Nb(ニオブ)およびTa(タンタル)のうちの少なくとも1種であることが好ましい。これにより、得られる第3の無機固体電解質のリチウムイオン伝導性をより高めることができ、かつ、第3の無機固体電解質の機械的強度をより高めることができる。
また、上記式のX、すなわち、金属Mの置換率は、1以上2以下であるのが好ましく、1.4以上2以下であるのがより好ましい。前記Xが小さ過ぎると、金属Mの種類等によっては、第3の無機固体電解質において、前述した機能を十分に発揮させることができないおそれがある。
また、上記式で表されるリチウム複酸化物は、立方晶または正方晶のいずれの結晶構造を有するものであってもよいが、立方晶のガーネット型結晶構造を有することが好ましい。これにより、第3の無機固体電解質のリチウムイオン伝導性のさらなる向上が図られる。
また、より具体的には、Li6.8La3Zr1.8Nb0.212が特に好ましく用いられる。
このような第3の無機固体電解質は、後述する構成元素としてホウ素を含む第4の無機固体電解質と併存するときに、第4の無機固体電解質と意図しない反応を生じるおそれが少ないものでもある。このため、上記のような第3の無機固体電解質を用いることにより、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との間や第4の固体電解質層70と第3の固体電解質層60との間のリチウムイオン伝導性をより高めることができる。
この第3の固体電解質層60の構成材料である第3の無機固体電解質は、後述するリチウム二次電池の製造方法で説明するように、第3の無機固体電解質の前駆体を焼成(加熱)することにより生成される。この焼成の際に、生成された第3の無機固体電解質は、その一次粒子が造粒されることで形成された二次粒子からなる粒状体61を含む。そのため、第3の固体電解質層60は、正極活物質層14の空隙内を含む活物質粒子142の表面に接して設けられるが、かかる粒状体61の集合体で構成されることから、第3の固体電解質層60も、活物質粒子142と同様に、多孔質体となる。
第3の固体電解質層60のイオン伝導率は、5×10−5S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましい。第3の固体電解質層60がこのようなイオン伝導率を有することにより、正極活物質層14の表面から離れた位置の第3の固体電解質層60に含まれるイオンも、正極活物質層14の表面に達し、正極活物質層14における電池反応に寄与することが可能となる。そのため、正極活物質層14における活物質の利用率が向上し、容量を大きくすることができる。このとき、イオン伝導率が前記下限値未満であると、第3の固体電解質層60の種類によっては、正極活物質層14において対極と相対する面の表層近辺の活物質しか電池反応に寄与せず、容量が低下するおそれがある。
なお、「第3の固体電解質層60のイオン伝導率」とは、第3の固体電解質層60を構成する上述の無機固体電解質自身の伝導率である「バルク伝導率」と、無機固体電解質が結晶質である場合における結晶の粒子間の伝導率である「粒界イオン伝導率」と、の総和である「総イオン伝導率」のことをいう。
また、第3の固体電解質層60のイオン伝導率は、例えば、固体電解質粉末を624MPaで錠剤型にプレス成形したものを大気雰囲気下700℃で8時間焼結し、次いで、スパッタリングにより、プレス成形体の両面に、直径0.5cm、厚み100nmのプラチナ電極を形成して被検体とし、その後、交流インピーダンス法によって測定される。測定装置には、例えば、インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製、型番SI1260)を用いる。
なお、第3の無機固体電解質は、結晶質に限定されず、非晶質であってもよい。
第4の固体電解質層70は、第4の無機固体電解質を形成材料(構成材料)とし、第3の固体電解質層60と同様、正極活物質層14に含まれる細孔(空隙)内において活物質粒子142の表面に接して設けられている。
第4の無機固体電解質は、リチウムイオンを伝導し得る固体電解質であれば、特に限定されないが、構成元素としてホウ素、炭素、窒素、ケイ素、硫黄およびリンのうちの少なくとも1種を含むリチウム複酸化物が好ましく用いられ、構成元素としてホウ素を含有するリチウム複酸化物がより好ましく用いられる。
第4の無機固体電解質としては、具体的には、Li2+XX1-X3(Xは、0超1以下の実数を表す。)、Li(LiBO)、Li、LiB、Li等の、構成元素としてホウ素を含むリチウム複酸化物が好ましく用いられる。このようなリチウム複酸化物は、高いリチウムイオン伝導性を有するため、固体電解質充填部40のリチウムイオン伝導性をより高めることができる。
また、上記のリチウム複酸化物は、非晶質であっても、結晶質であってもよい。非晶質である場合、結晶粒界に伴うリチウムイオンの伝導抵抗が少なくなるとともに、亀裂等の発生が抑えられ易い。一方、結晶質である場合、その構成材料が持つリチウムイオン伝導性が最大限に反映されるため、特にリチウムイオン伝導性に優れた固体電解質充填部40が得られる。
なお、第4の無機固体電解質が結晶質であるか否かは、例えばX線回折(XRD)を利用した結晶構造解析において、結晶に由来するピークが認められるか否かによって特定することが可能である。
このような固体電解質充填部40の存在量は、正極活物質層14の細孔の容積等に応じて決まる。例えば、固体電解質充填部40の存在量は、正極活物質層14の細孔の容積の50体積%以上であるのが好ましく、70体積%以上であるのがより好ましい。これにより、上述した効果がより確実に発揮される。
また、固体電解質充填部40における第4の固体電解質層70の存在量は、特に限定されないものの、第3の固体電解質層60の20体積%以上500体積%以下であるのが好ましく、30体積%以上300体積%以下であるのがより好ましい。第3の固体電解質層60の体積と第4の固体電解質層70の体積との比が前記範囲内であることにより、第3の固体電解質層60がもたらす作用と、第4の固体電解質層70がもたらす効果とのバランスが最適化される。その結果、充放電サイクルのさらなる安定化を図りつつ、リチウム二次電池100のさらなる高容量化および高出力化を図ることができる。
なお、第4の無機固体電解質は、上記のものに限定されず、例えば2種以上の無機固体電解質の混合物であってもよい。
また、固体電解質充填部40においては、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70は、いずれか一方が省略されていてもよい。
また、固体電解質充填部40は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
(負極)
負極20は、図1に示すように、負極集電体22と、負極活物質層24と、を備えている。
負極集電体22は、電池反応により生成された電子を取り出すための導電体であり、負極活物質層24に接して設けられている。
この負極集電体22の形成材料(構成材料)としては、前述した正極集電体12の形成材料として挙げられた金属と同様のものが挙げられる。
また、負極集電体22の形状も、正極集電体12の形状として挙げた形状から適宜選択される。
負極活物質層24は、リチウムを含む負極活物質を形成材料(構成材料)として含有している。
このような負極活物質としては、例えば、リチウム金属、リチウムと合金を形成し得る金属(例えば、アルミニウム等)、このような金属とリチウムとの合金等、公知の負極活物質が挙げられる。
負極活物質層24の形状は、特に限定されず、緻密層であっても、多孔質層であってもよい。
負極20の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
<<第2実施形態>>
次に、本発明のリチウム電池の第2実施形態を適用したリチウム二次電池、および、それに含まれる本発明の電極複合体の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明のリチウム電池の第2実施形態を適用したリチウム二次電池を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図2においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせて記載してある。
以下、第2実施形態に係るリチウム二次電池100について説明するが、以下の説明では、第1実施形態に係るリチウム二次電池100との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図2に示すリチウム二次電池100は、さらに、正極活物質層14の空隙内に分散する貴金属粒子80を備えている以外、図1に示すリチウム二次電池100と同様である。すなわち、本実施形態に係る電極複合体50は、正極活物質層14と固体電解質複合層30と固体電解質充填部40と貴金属粒子80とを備えている。
この貴金属粒子80は、粒子状をなしており、活物質粒子142の表面に付着したり、活物質粒子142同士の間に介在したりしている。
また、この貴金属粒子80は、後述する貴金属を含んでいればよいが、好ましくは1000℃以上の融点を有する貴金属を形成材料(構成材料)として含有している。これにより、活物質粒子142同士における電子の受け渡し、および、活物質粒子142と固体電解質充填部40との間におけるリチウムイオンの受け渡しに、貴金属粒子80が介在し、これらをより円滑に行うことができるようになる。さらに、活物質粒子142同士における電子の受け渡し、および、活物質粒子142と固体電解質充填部40との間におけるリチウムイオンの受け渡しが、長期にわたって安定的に維持されることとなる。そのため、かかる構成の電極複合体50をリチウム二次電池100に適用することで、リチウム二次電池100は、長期にわたって安定的に、高出力かつ高容量を維持するものとなる。
1000℃以上の融点を有する貴金属としては、特に限定されないが、金(Au;融点1061℃)、白金(Pt;融点1768℃)、パラジウム(Pd;融点1554℃)、ロジウム(Rh;融点1964℃)、イリジウム(Ir;融点2466℃)、ルテニウム(Ru;融点2334℃)、オスミウム(Os;融点3033℃)等が挙げられ、これらの金属を単独で用いることもできるし、これら金属の合金を用いるようにしてもよい。これらの中でも、白金およびパラジウムのうちの少なくとも1種であることが好ましい。これらの貴金属は、貴金属の中では比較的安価で取り扱いが容易であるとともに、リチウムイオンおよび電子の伝導性に優れるものである。そのため、貴金属粒子80の構成材料として用いることで、活物質粒子142同士における電子の受け渡し、および、活物質粒子142と固体電解質充填部40との間におけるリチウムイオンの受け渡しを、より円滑に行うことができるようにするとともに、長期にわたってより安定的に維持することが可能なものとする。
また、貴金属粒子80は、その平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、貴金属粒子80の平均粒径は、活物質粒子142の平均粒径を測定したのと同様の方法を用いて測定することができる。
さらに、正極活物質層14に対する貴金属粒子80の含有率は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
貴金属粒子80の平均粒径および含有率を、それぞれ、前記範囲内に設定することにより、貴金属粒子80を、より確実に活物質粒子142の表面に付着させたり、活物質粒子142同士の間に介在させたりすることができるようになる。その結果、活物質粒子142同士における電子の受け渡し、および、活物質粒子142と固体電解質充填部40との間におけるリチウムイオンの受け渡しを、より円滑に行うことができるとともに、長期にわたってより安定的に維持することが可能となる。
このような正極活物質層14は、例えば、後述するリチウム二次電池の製造方法において、活物質粒子142とともに貴金属粒子80を添加することにより製造することができる。
このような第2実施形態に係るリチウム二次電池100によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
<リチウム二次電池の製造方法>
次に、前述した第1実施形態に係るリチウム二次電池100を製造する方法(本発明のリチウム電池の製造方法の実施形態)について説明する。
図3〜11は、それぞれ図1に示すリチウム二次電池100を製造する方法を説明するための図である。なお、以下では、説明の便宜上、図3〜11の上側を「上」、下側を「下」という。また、各図においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせて記載してある。
[1] まず、正極活物質層14を製造する2つの方法について説明する。
[1−1] 図3は、正極活物質層14を製造する第1の方法を説明するための図である。
第1の方法では、まず、複数の粒子状をなす活物質粒子142を加熱することで、これらを3次元的に連結させて、多孔質体からなる正極活物質層14を得る。
この正極活物質層14は、例えば、図3に示すように、形成すべき正極活物質層14の外形に対応した空間を備える成形型Fを用いて複数の活物質粒子142を圧縮して成形し(図3(a)参照)、その後、得られた圧縮成形物を熱処理することにより得ることができる(図3(b)参照)。
この熱処理は、850℃以上であって、用いるリチウム複酸化物(活物質粒子142の形成材料)の融点未満の処理温度で行うことが好ましい。これにより、活物質粒子142同士を焼結させて一体化された成形体を確実に得ることができる。このような温度範囲で熱処理を行うことにより、導電助剤を添加しなくても、得られる正極活物質層14の抵抗率を好ましくは700Ω/m以下とすることができる。これにより、得られるリチウム二次電池100は、十分な出力を備えるものとなる。
このとき、処理温度が850℃未満であると、用いるリチウム複酸化物の種類によっては、充分に焼結が進行しないばかりか、活物質の結晶内の電子伝導性自体が低下するため、得られるリチウム二次電池100に、所望の出力が得られなくなるおそれがある。
また、処理温度がリチウム複酸化物の融点を上回ると、リチウム複酸化物の結晶内からリチウムイオンが過剰に揮発し、リチウム複酸化物の電子伝導性が低下することに起因して、得られる電極複合体50の容量が低下するおそれがある。
したがって、適切な出力と容量を得るためには上記処理温度が850℃以上リチウム複酸化物の融点未満であることが好ましく、875℃以上1000℃以下であることがより好ましく、900℃以上920℃以下であることがさらに好ましい。
また、本工程の熱処理は、5分以上36時間以下で行うことが好ましく、4時間以上14時間以下で行うことがより好ましい。
上記のような熱処理を施すことで、活物質粒子142内の粒界の成長や、活物質粒子142間の焼結が進行するため、得られる正極活物質層14が形状を保持し易くなり、正極活物質層14のバインダーの添加量を低減することができる。また、焼結により活物質粒子142間に結合が形成され、活物質粒子142間の電子の移動経路が形成されるため、導電助剤の添加量も抑制できる。
なお、活物質粒子142の形成材料としては、LiCoOを好適に用いることができる。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。すなわち、活物質粒子142同士を焼結させて一体化された正極活物質層14をより確実に得ることができる。
また、得られる正極活物質層14は、正極活物質層14が有する複数の細孔が、正極活物質層14の内部で互いに網目状に連通した連通孔で構成されたものとなる。
また、活物質粒子142の形成に用いる形成材料には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリビニルアルコール(PVA)等の有機高分子化合物をバインダーとして添加してもよい。これらのバインダーは、本工程の熱処理において、燃焼または酸化され、量が減少する。
また、用いる形成材料には、圧粉成形時に細孔の鋳型として高分子や炭素粉末を形成材料とする粒子状の造孔材を添加することが好ましい。これらの造孔材が混入することにより、正極活物質層14の空隙率を制御することが容易となる。このような造孔材は、熱処理時に燃焼や酸化により分解除去され、得られる正極活物質層14では量が低減する。
造孔材の平均粒径は、好ましくは0.5μm以上10μm以下である。
さらに、造孔材は、潮解性を有する物質を形成材料とする粒子(第1粒子)を含むことが好ましい。第1粒子が潮解することにより第1粒子の周囲に生じる水が、粒子状のリチウム複酸化物をつなぎ合わせるバインダーとして機能するため、粒子状のリチウム複酸化物を圧縮成形して熱処理するまでの間、形状を維持することが可能となる。そのため、他のバインダーを添加することなく、またはバインダーの添加量を低減させながら活物質成形体を得ることができ、容易に高容量な電極複合体50とすることができる。
このような第1粒子としては、ポリアクリル酸を形成材料とする粒子を挙げることができる。
また、造孔材は、潮解性を有さない物質を形成材料とする粒子(第2粒子)をさらに含むと好ましい。このような第2粒子を含む造孔材は、取り扱いが容易となる。また、造孔材が潮解性を有すると、造孔材の周囲の水分量に応じて、電極複合体50の空隙率が所望の設定値から乖離することがあるが、造孔材として潮解しない第2粒子を同時に含むことで、空隙率の乖離を抑制することが可能となる。
以上のような第1の方法により、正極活物質層14を得ることができる。
[1−2] 次に、正極活物質層14を製造する第2の方法について説明する。正極活物質層14は、上述したように、活物質粒子142を圧縮して成形した後、加熱することで得る方法の他、活物質粒子142を含有するスラリーを加熱する方法を用いて得るようにしてもよい。
図4は、正極活物質層14を製造する第2の方法を説明するための図である。
第2の方法は、活物質粒子142を含有するスラリーを調製する調製工程と、スラリーを加熱して正極活物質層14を得る乾燥工程と、を有する。以下、これらの工程について説明する。
まず、溶媒中にバインダーを溶解させ、そこに活物質粒子142を分散させスラリー144を調製する。なお、スラリー144中には、オレイルアミンのような分散剤が含まれていてもよい。
その後、凹部F25を備える底部F21と蓋部F22とを有する成形型F2を用意し、底部F21の凹部F25に、スラリー144を滴下した後、底部F21を蓋部F22で蓋をする(図4(a)参照。)。
スラリー144中における活物質粒子142の合計の含有量は、10質量%以上60質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上50質量%以下であるのがより好ましい。これにより、後述するように、充填率の高い正極活物質層14が得られることとなる。
さらに、バインダーとしては、特に限定されないが、ポリカーボネートの他、セルロース系バインダー、アクリル系バインダー、ポリビニルアルコール系バインダー、ポリビニルブチラール系バインダー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、溶媒としては、特に限定されないが、例えば、非プロトン性の溶媒であることが好ましい、これにより、溶媒との接触による活物質粒子142の劣化を低減することができる。
このような非プロトン性溶媒としては、具体的には、例えば、ブタノール、エタノール、プロパノール、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等が挙げられ、この単溶媒または混合溶媒を溶媒として使用することができる。
次に、活物質粒子142を含有するスラリー144を加熱することにより、スラリー144を乾燥させるとともに、スラリー144中に含まれる活物質粒子142同士を焼結させることで、正極活物質層14を得る。
また、スラリー144を加熱する際の加熱温度は、前述した圧縮成形物を熱処理する際の条件と同様に設定される。
さらに、このスラリー144の加熱は、段階的に温度条件が上昇する多段階で行うことが好ましく、一例として、室温で乾燥させた後、室温から300℃まで2時間、350℃まで0.5時間、1000℃まで2時間を掛けて昇温させ、その後、凹部F25を蓋部F22で蓋をし、1000℃、8時間で焼成することが好ましい。このような条件で昇温することで、溶媒中に含まれるバインダーを確実に焼き飛ばすことができる。
以上のような第2の方法によっても、正極活物質層14を得ることができる(図4(b)参照)。
[2] 次に、正極活物質層14に対して、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得る4つの方法について説明する。
[2−1] 図5、6は、それぞれ正極活物質層14に対して第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させる第1の方法を説明するための図である。
第1の方法では、まず、図5に示すように、正極活物質層14の細孔の内部を含む正極活物質層14の表面に、第3の無機固体電解質の前駆体を含む液状体60Xを、例えばディスペンサーD等により塗布して含浸させ(図5(a)参照)、その後、焼成することで前駆体を第3の無機固体電解質に転化させて、第3の固体電解質層60を形成する(図5(b)参照)。
液状体60Xは、前駆体の他に、前駆体を可溶な溶媒を含んでもよい。液状体60Xが溶媒を含む場合には、液状体60Xの塗布後、焼成の前に適宜溶媒を除去するとよい。溶媒の除去には、加熱、減圧、送風など通常知られた方法の1種、または2種以上を組み合わせた方法を採用することができる。
このように、流動性を有する液状体60Xを塗布して第3の固体電解質層60を形成することから、微細な正極活物質層14の細孔の内部表面にも第3の固体電解質層60が形成される。そのため、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との接触面積を拡大させ易く、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との界面の電流密度が低減される。その結果、リチウム二次電池100の高出力化が図られる。
また、第3の無機固体電解質は、後述するように第3の無機固体電解質の前駆体を焼成(加熱)することにより生成され、この焼成の際に、生成された第3の無機固体電解質の少なくとも一部は、その一次粒子が造粒することで形成された二次粒子からなる粒状体61を形成する。したがって、第3の固体電解質層60の少なくとも一部は、微細な正極活物質層14の細孔(空隙)の内部に、粒状体61の集合体として形成される。そのため、第3の固体電解質層60の少なくとも一部も、正極活物質層14と同様に、多孔質体として形成される。よって、正極活物質層14の空隙内を充填するように第3の固体電解質層60が形成されるが、この充填によっても、前記空隙の一部が残存することがある。
第3の無機固体電解質の前駆体としては、例えば、以下の(A)、(B)および(C)が挙げられる。
(A)第3の無機固体電解質が有する金属原子を第3の無機固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により第3の無機固体電解質となる塩を有する組成物
(B)第3の無機固体電解質が有する金属原子を第3の無機固体電解質の組成式に従った割合で含む金属アルコキシドを有する組成物
(C)第3の無機固体電解質の微粒子、または第1の無機固体電解質が有する金属原子を第3の無機固体電解質の組成式に従った割合で含む微粒子ゾルを溶媒、または(A)もしくは(B)に分散させた分散液
なお、(A)に含まれる塩には、金属錯体を含む。また、(B)は、いわゆるゾルゲル法を用いて第3の無機固体電解質を形成する場合の前駆体である。(A)および(B)では、前駆体の反応によって粒状体61が生成され、また、(C)では、分散媒が除去されることによって粒状体61が生成される。
第3の無機固体電解質の前駆体の焼成は、大気雰囲気下、上述した正極活物質層14を得るための熱処理よりも低い温度で行う。具体的には、焼成温度は、300℃以上800℃以下の温度範囲で行うとよい。焼成により前駆体から第3の無機固体電解質が生成され、第3の固体電解質層60が形成される。
このような温度範囲で焼成することにより、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との界面において、それぞれを構成する元素の相互拡散による固相反応が生じるのを抑制して、電気化学的に不活性な副生物が生成することを抑制することができる。また、第3の無機固体電解質の結晶性が向上し、第3の固体電解質層60のイオン伝導性を向上させることができる。加えて、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との界面において、焼結する部分が生じ、界面における電荷移動が容易となる。これにより、電極複合体50を用いたリチウム電池の容量や出力が向上する。
なお、焼成は、1度の熱処理で行うこととしてもよく、前駆体を前記多孔質体の表面に被着させる第1の熱処理と、第1の熱処理の処理温度以上800℃以下の温度条件で加熱する第2の熱処理と、に分けて行うこととしてもよい。このような段階的な熱処理で焼成を行うことにより、第3の固体電解質層60を所望の位置に容易に形成することができる。
次に、図6(a)に示すように、正極活物質層14および第3の固体電解質層60の表面に、第4の無機固体電解質の粉体70X(固形物)を供給する。
粉体70Xは、粉体としての流動性のある状態で供給されてもよく、シート状やブロック状等の形状に固められた状態(例えば、角砂糖様の状態)で供給されてもよい。
また、粉体70Xが供給されるのは、正極活物質層14および第3の固体電解質層60に接触する位置であれば特に限定されず、上面であっても、側面であっても、表面全体であってもよい。
また、粉体70Xの平均粒径は、特に限定されないが、0.5μm以上500μm以下であるのが好ましく、1μm以上100μm以下であるのがより好ましい。粉体70Xの平均粒径を前記範囲内に設定することにより、粉体70Xを加熱したときに、粉体70X全体を短時間で均一に溶融することができる。このため、溶融物を正極活物質層14の細孔内のより隅々にまで含浸させることができる。
なお、粉体70Xの平均粒径は、例えば、レーザー回折法により求めた粒度分布において、質量基準で小径側から50%における粒径として求められる。
次に、粉体70Xを加熱する。これにより、粉体70Xが溶融し、第4の無機固体電解質の溶融物が生成される。この第4の無機固体電解質の溶融物は、正極活物質層14の細孔内であって、第3の固体電解質層60によって埋められていない空隙内に含浸させる。すなわち、第4の無機固体電解質の溶融物は、液状を呈しているので、液体特有の優れた流動性を有する。このため、狭い空隙内にも効率よく溶融物を含浸させることができる。そして、後述するようにして、空隙内に含浸させた溶融物を固化させることにより、正極活物質層14の細孔内に対してより高い充填率で充填された第4の固体電解質層70が得られる。
また、この方法では、粉体70Xの溶融物を含浸させるため、例えば粉体70Xを分散媒等に分散してなる分散液を含浸させる方法に比べて、固化させる際の体積減少を最小限に抑えることができる。換言すれば、分散媒のような除去すべきものを含まないため、その分、固化の際の体積減少が抑えられる。これにより、第4の固体電解質層70は、正極活物質層14の細孔内をより隙間なく埋めることができ、より安定した充放電サイクルの実現に寄与することができる。
粉体70Xの加熱温度は、第4の無機固体電解質の融点以上であればよいが、好ましくは800℃未満とされる。これにより、第3の固体電解質層60と第4の固体電解質層70との間で相互拡散が発生してしまうのを抑制することができる。その結果、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70の特性が劣化するのを抑制することができる。なお、粉体70Xの加熱温度の一例としては、650℃以上750℃以下が挙げられる。
また、粉体70Xの加熱時間は、粉体70Xが全て溶融し得る時間であれば特に限定されないものの、一例として、好ましくは1分以上2時間以下程度とされ、より好ましくは3分以上1時間以下程度とされる。
次に、粉体70Xの溶融物を固化させる。これにより、溶融物は、正極活物質層14の細孔内で固体になる。その結果、第4の固体電解質層70が形成される(図6(b)参照)。
溶融物の固化は、溶融物を放置する方法(自然放熱)で行ってもよく、溶融物について強制的に放熱させる方法で行ってもよい。
以上のようにして、正極活物質層14に対して、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得ることができる。
[2−2] 図7は、正極活物質層14に対して、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得る第2の方法を説明するための図である。なお、以下の説明では、第1の方法との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第2の方法では、まず、図7(a)に示すように、正極活物質層14の表面に、第3の無機固体電解質の粉体60Y(固形物)および第4の無機固体電解質の粉体70X(固形物)を供給する。
粉体60Yおよび粉体70Xは、それぞれ、粉体としての流動性のある状態で供給されてもよく、シート状やブロック状等の形状に固められた状態で供給されてもよい。
また、粉体60Yおよび粉体70Xが供給されるのは、正極活物質層14に接触する位置であれば特に限定されず、上面であっても、側面であっても、表面全体であってもよい。
次に、粉体70Xを加熱する。これにより、粉体70Xが溶融し、第4の無機固体電解質の溶融物が生成される。この第4の無機固体電解質の溶融物は、正極活物質層14の細孔内に含浸される。すなわち、第4の無機固体電解質の溶融物は、液状を呈しているので、液体特有の優れた流動性を有する。このため、狭い細孔内にも効率よく溶融物を含浸させることができる。そして、後述するようにして、細孔内に含浸させた溶融物を固化させることにより、正極活物質層14の細孔内に対してより高い充填率で充填された第4の固体電解質層70が得られる。
また、第2の方法では、第4の無機固体電解質として、第3の無機固体電解質よりも融点が低いものを選択する。このような第4の無機固体電解質を選択することにより、粉体70Xを加熱して溶融させるとき、その加熱温度を適宜設定することによって、粉体60Yが溶融してしまうのを防止することができる。
したがって、粉体70Xの加熱温度は、第4の無機固体電解質の融点以上であり、かつ、第3の無機固体電解質の融点未満とされる。
なお、第4の無機固体電解質として、ホウ素を含有する無機の固体電解質を用いることにより、全体の組成によっても若干異なるものの、固体電解質の融点を下げることができる。したがって、本実施形態では、第4の無機固体電解質としてホウ素含有電解質を用いることにより、第4の無機固体電解質の融点を、第3の無機固体電解質の融点よりも低くすることが容易になる。換言すれば、ホウ素含有電解質を用いることにより、リチウムイオン伝導性や絶縁性といった固体電解質としての特性を犠牲にすることなく、第3の無機固体電解質よりも融点の低い第4の無機固体電解質を実現することができるので、電極複合体50におけるリチウムイオン伝導性を維持しつつ、電解質の充填率を高めることができる。
また、この方法では、粉体70Xの溶融物を含浸させる方法を採用しているため、例えば粉体70Xを分散媒等に分散してなる分散液を含浸させる方法に比べて、固化させる際の体積減少を最小限に抑えることができる。換言すれば、分散媒のような除去すべきものを含まないため、その分、固化の際の体積減少が抑えられる。これにより、第4の固体電解質層70は、正極活物質層14の細孔内をより隙間なく埋めることができ、より安定した充放電サイクルの実現に寄与することができる。
また、粉体60Yと粉体70Xとを同じ位置に供給することにより、粉体60Yは、溶融した粉体70Xに取り込まれる。これにより、粉体60Yが分散した液状の溶融物が生じることとなる。このように粉体60Yを含む溶融物では、粉体60Yが粉体としての性状を維持しつつも、全体としては液状を呈することとなる。
したがって、粉体70Xを溶融することにより、粉体60Yを伴ったまま、粉体70Xの溶融物を正極活物質層14の細孔内に入り込ませることができる。これにより、粉体70Xの溶融物の流動性を駆動力として、粉体60Yを正極活物質層14の細孔内に送り込むことができる。
よって、最終的には、正極活物質層14の細孔内において、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70をそれぞれ高い充填率で充填することができる。
また、粉体60Yの平均粒径は、特に限定されないが、0.5μm以上500μm以下であるのが好ましく、1μm以上100μm以下であるのがより好ましい。粉体60Yの平均粒径を前記範囲内に設定することにより、正極活物質層14の細孔内に粉体60Yを効率よく侵入させることができる。これにより、粉体60Yを正極活物質層14の細孔内のより隅々にまで含浸させることができる。
なお、粉体60Yの平均粒径は、例えば、レーザー回折法により求めた粒度分布において、質量基準で小径側から50%における粒径として求められる。
次に、粉体70Xの溶融物を固化させる。これにより、溶融物は固化し、第4の固体電解質層70が形成される(図7(b)参照)。
溶融物の固化は、溶融物を放置する方法(自然放熱)で行ってもよく、溶融物について強制的に放熱させる方法で行ってもよい。ただし、急速に冷却すると、冷却速度によっては大きな熱衝撃が加わるおそれがあるため、徐冷によって固化させるのが好ましい。
なお、放熱速度を大きくすることにより、形成される第4の固体電解質層70が結晶を含む場合、その粒径を相対的に小さくすることができ、一方、放熱速度を小さくすることにより、形成される結晶の粒径を相対的に大きくすることができる。したがって、放熱速度を適宜変更することにより、第4の固体電解質層70に含まれる結晶の粒径を調整することができる。
また、粉体60Yの少なくとも一部が凝集して粒状体61を生成する。これにより、第3の固体電解質層60が形成される。
以上のようにして、正極活物質層14に対して、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得ることができる。
[2−3] 図8は、正極活物質層14に対して第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得る第3の方法を説明するための図である。なお、以下の説明では、第1の方法または第2の方法との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第3の方法では、まず、図8(a)に示すように、活物質粒子142と、第3の無機固体電解質の粉体60Yと、第4の無機固体電解質の粉体70Xと、を混合し、この混合粉体40Xを任意の形状に成形した後、加熱することにより、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させる。
成形には、任意の成形型が用いられる。そして、混合粉体40Xを加熱しつつ加圧することにより、粉体70Xを溶融させ、その後固化させることにより、活物質粒子142および粉体60Yと粉体70Xの溶融物とが含まれた成形体が得られる(図8(b)参照)。
次に、前述した[1−1]において圧縮成形物に熱処理を施す際の処理温度で成形体を加熱する。これにより、活物質粒子142同士を焼結させることができる。
以上のようにして、正極活物質層14に対して、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得ることができる。
[2−4] なお、図示しないものの、正極活物質層14に対して第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得る第4の方法について説明する。
第4の方法では、例えば第4の無機固体電解質のフラックス中で第3の無機固体電解質を生成させる。そして、得られた溶液を正極活物質層14に含浸させる。
その後、溶液を乾燥させることにより、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70が形成される。
以上のようにして、正極活物質層14に対して、第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させ、固体電解質充填部40を得ることができる。
[3] その後、必要に応じて、固体電解質充填部40を含浸させた正極活物質層14を圧縮することで再成形するようにしてもよい。
この正極活物質層14の圧縮は、例えば、成形型が備える空間内に正極活物質層14を収納した状態で、この空間の体積を収縮させる方法が挙げられる。
なお、正極活物質層14は前述したように空隙を備えており、この空隙は固体電解質充填部40によって充填される。ところが、一部、充填し切れない空隙も残存する可能性がある。このような空隙では、例えば粒状体61同士が点接触で接触しており、活物質粒子142と粒状体61との間も点接触になっている。このような点接触は、この部位におけるリチウムイオン伝導性の低下を招き、リチウム二次電池100の高出力化を阻害するおそれがある。
そこで、正極活物質層14を圧縮して再成形することにより、正極活物質層14に残存する空隙を収縮させる。なお、一般的には粒状体61の方が活物質粒子142よりも硬いため、正極活物質層14を圧縮したときには、活物質粒子142同士が滑ることによって正極活物質層14が再成形される。これにより、空隙が収縮し、また、空隙を挟んで位置している粒状体61同士あるいは活物質粒子142と粒状体61とが、それぞれ接触する。また、すでに接触していたものは、接触面積の増大が図られる。その結果、活物質粒子142と粒状体61との間、および、粒状体61同士の間のリチウムイオン伝導性がより優れたものとなるため、リチウム二次電池100のさらなる高出力化が図られる。
正極活物質層14を圧縮する圧力は、10N/mm以上1000N/mm以下であることが好ましく、50N/mm以上500N/mm以下であることがより好ましく、100N/mm以上400N/mm以下であることがさらに好ましい。前記下限値未満であると、上記空隙を収縮させることが困難となるおそれがある。また、前記上限値を超えると、正極活物質層14が破損するおそれがある。
また、正極活物質層14を圧縮する時間は、1秒以上600秒以下であることが好ましく、30秒以上600秒以下であることがより好ましく、30秒以上180秒以下であることがさらに好ましい。正極活物質層14を圧縮する時間が前記下限値未満である場合、正極活物質層14を均一に加圧することが困難となり、正極活物質層14の全体にわたって、粒状体61同士の接触面積を拡大することができないおそれがある。また、前記上限値を超える場合、本工程に要する時間が不必要に長くなり、製造効率の低下を招くおそれがある。
さらに、正極活物質層14を圧縮する際には、正極活物質層14を加熱することが好ましい。これにより、正極活物質層14を形成する活物質粒子142同士を連結する連結力を低減させて、活物質粒子142同士を確実に滑らせ、正極活物質層14に残存する空隙を確実に収縮させることができる。
この正極活物質層14を加熱する温度は、大気雰囲気下、正極活物質層14自体を得るための熱処理よりも低い温度であるのが好ましく、具体的には、300℃以上700℃以下の範囲であるのがより好ましい。これにより、正極活物質層14と第3の固体電解質層60との界面、第3の固体電解質層60と第4の固体電解質層70との界面、および正極活物質層14と第4の固体電解質層70との界面において、それぞれを構成する元素の相互拡散による固相反応が生じ、電気化学的に不活性な副生物が生成されることを抑制することができる。
なお、前述した(B)、(C)の熱処理を施す場合、その熱処理の時間は、それぞれ、5分以上36時間以下で行うことが好ましく、4時間以上14時間以下で行うことがより好ましい。
また、この正極活物質層14の加熱は、I)正極活物質層14の圧縮と同時であってもよいし、II)正極活物質層14の圧縮に先立って行うようにしてもよいし、III)正極活物質層14の圧縮の後に行うようにしてもよい。さらには、これらを組み合わせて行うようにしてもよいが、I)とII)との組み合わせであることが好ましい。これにより、活物質粒子142同士が連結する連結部位にクラック等を生じさせることなく、活物質粒子142同士を確実に滑らせて、正極活物質層14に残存する空隙を収縮させることができる。
さらに、I)〜III)の組み合わせとする場合、I)、II)、III)における加熱温度を、それぞれ、I、II、III[℃]としたとき、I≧II>IIIなる関係を満足することが好ましい。これにより、活物質粒子142同士が連結する連結部位にクラック等を生じさせることなく、活物質粒子142同士を確実に滑らせて、正極活物質層14に残存する空隙を収縮させることができる。また、滑らせた活物質粒子142同士を確実に連結させることができる。すなわち、再成形された正極活物質層14の強度の向上が図られる。
[4] 次いで、正極活物質層14の上面146および下面148を研削・研磨することで、各面にそれぞれ正極活物質層14を露出させる(図9参照)。
なお、この研削・研磨は必要に応じて行えばよく、例えば、正極活物質層14を作製した際に、すでに活物質粒子142が上面146および下面148にそれぞれ露出している場合には、研削・研磨を省略するようにしてもよい。
また、本工程は、正極活物質層14の圧縮に先立って行うようにしてもよいし、正極活物質層14を製造する過程の途中、あるいは、正極活物質層14に第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させる過程の途中で行うようにしてもよい。例えば、前述した正極活物質層14に対して第3の固体電解質層60および第4の固体電解質層70を含浸させる第1の方法では、第3の固体電解質層60の前駆体を含浸させた後、熱処理を施す前に研削・研磨を施すようにしてもよい。これにより、研削・研磨によって非晶質化した正極活物質を、その後の熱処理によって再結晶化させることができる。その結果、正極活物質における電荷伝導性をより高めることができる。
[5] 次いで、正極活物質層14の上面146に対して固体電解質複合層30を形成する。
固体電解質複合層30の形成方法は、第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子32と、第2の無機固体電解質の形成材料を含む液状材料342と、を有する液状組成物30X(スラリー)を準備する準備工程と、正極活物質層14の上面146に液状組成物30Xを塗布した後、加熱して、固体電解質基部34を形成し、固体電解質複合層30を得る加熱工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[5−1] まず、固体電解質粒子32と液状材料342とを有する液状組成物30Xを調製する(準備工程)。
液状材料342は、第2の無機固体電解質の前駆体を含んでおり、加熱されることによって反応が生じ、第2の無機固体電解質が生成される。
第2の無機固体電解質の前駆体としては、例えば、前述した第3の無機固体電解質の前駆体と同様のものが挙げられる。
なお、液状材料342には、この他に、前駆体を可溶な溶媒や各種添加物等が含まれていてもよい。
このうち、溶媒としては、例えば、水、硝酸、酢酸等を含むものが挙げられる。
一方、添加物としては、例えば、分散剤、酸化防止剤、増粘剤等が挙げられる。
液状組成物30Xの室温(20℃)での粘度は、300mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上100mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、液状組成物30Xの塗布性が良好になり、均一な厚さの液状被膜を形成することができる。その結果、均一な厚さの固体電解質複合層30が得られる。また、液状組成物30Xの流動性が良好になるため、固体電解質複合層30と正極活物質層14との接触面積を十分に確保することができる。
なお、この粘度は、例えば、E型(コーンプレート型)粘度計を用い、試料の温度を20℃とし、コーンスピンドルの回転数を50rpmとして測定された値である。
[5−2] 次に、図10(a)に示すように、正極活物質層14の上面146に液状組成物30Xを塗布する。
この塗布方法としては、特に限定されないが、スピンコート法、スプレー法、インクジェット法、浸漬法、ディスペンサーを利用した方法等が挙げられる。このうち、スピンコート法が好ましく用いられる。スピンコート法によれば、均一な厚さの液状被膜を形成することができるので、液状組成物30Xの塗布方法として有用である。
例えば、スピンコート法では、遠心力によって上面146に液状組成物30Xが流れ広がるが、液状組成物30X中に固体電解質粒子32が含まれていることにより、液状組成物30Xが一定の厚さを保ち易くなる。これにより、液状被膜が途切れ難くなり、最終的に厚さが一定の固体電解質複合層30を容易に成膜することができる。
次いで、必要に応じて、得られた液状被膜を乾燥させる。
乾燥処理は、自然乾燥であってもよく、加熱、減圧等を伴う強制乾燥であってもよい。
加熱する場合の加熱温度は、一例として温度が100℃以上300℃未満、時間が1分以上1時間以下とされる。乾燥処理では、液状組成物30X中の揮発成分を除去し、後述する加熱処理において第2の無機固体電解質の前駆体に対してムラなく熱を加えることを可能にする。
このような乾燥処理を施すことにより、液状被膜を乾燥させてなる被膜が得られる。
なお、最終的に得られる固体電解質複合層30の厚さを調整する場合には、液状組成物30Xの塗布から乾燥までの作業を繰り返し行うようにするのが好ましい。これにより、均一な厚さを維持したまま、被膜の厚さを厚くすることができる。その結果、所望の厚さの固体電解質複合層30を得ることができる。
次に、図10(b)に示すように、塗布した液状組成物30Xによる液状被膜またはそれを乾燥させた被膜を加熱(焼成)する(加熱工程)。これにより、液状材料342から第2の無機固体電解質が生成され、固体電解質基部34が形成される。その結果、固体電解質粒子32と固体電解質基部34とを有する固体電解質複合層30が得られる(図11(a)参照)。
この加熱は、大気雰囲気下、正極活物質層14を得るための熱処理よりも低い温度で行う。具体的には、加熱温度は、一例として300℃以上800℃以下とされる。このような温度範囲で加熱することにより、固体電解質粒子32の熱による変性を抑えつつ、液状材料342に対して均一に熱が加わるため、前駆体の反応がムラなく生じ、形成される固体電解質複合層30の厚さが均一になり易い。
また、正極活物質層14と固体電解質複合層30との界面において、それぞれを構成する元素の相互拡散による固相反応が生じるのを抑制することができる。これにより、かかる界面に電気化学的に不活性な副生物が生じるのを抑制することができる。
加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定されるが、5分以上4時間以下であるのが好ましく、10分以上2時間以下であるのがより好ましい。
以上のようにして均一な厚さの固体電解質複合層30を得ることができる。
また、このような方法によれば、均一な厚さを維持しながら、より薄い固体電解質複合層30を形成することが可能になる。このため、内部短絡の防止とリチウムイオン伝導性の向上とを両立させた固体電解質複合層30を、液相成膜法によって容易かつ低コストで形成することができる。
[6] 次いで、図11(b)に示すように、正極活物質層14の下面148に対して正極集電体12を接合する。
正極集電体12の接合は、別体として形成した正極集電体12を正極活物質層14の下面148に接合することによって行ってもよく、正極活物質層14の下面148に上述した正極集電体12の形成材料を成膜することによって行ってもよい。
正極集電体12の成膜方法としては、各種の物理気相成長法(PVD)および化学気相成長法(CVD)を用いることができる。
[7] 次いで、図11(b)に示すように、固体電解質複合層30の上面に対して負極活物質層24を接合する。
負極活物質層24の接合は、別体として形成した負極活物質層24を固体電解質複合層30の上面に接合することによって行ってもよく、固体電解質複合層30の上面に上述した負極活物質層24の形成材料を成膜することによって行ってもよい。
負極活物質層24の成膜方法としては、各種の物理気相成長法(PVD)および化学気相成長法(CVD)を用いることができる。
[8] 次いで、図11(b)に示すように、負極活物質層24の上面に対して負極集電体22を接合する。
負極集電体22の接合は、別体として形成した負極集電体22を負極活物質層24の上面に接合することによって行ってもよく、負極活物質層24の上面に上述した負極集電体22の形成材料を成膜することによって行ってもよい。
負極集電体22の成膜方法としては、各種の物理気相成長法(PVD)および化学気相成長法(CVD)を用いることができる。
以上のような工程を経ることで、リチウム二次電池100が製造される。
以上、本発明の電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のリチウム電池および本発明の電極複合体には、それぞれ任意の構成が追加されていてもよい。
また、本発明の電極複合体の製造方法では、前記実施形態に対して1または2以上の任意の工程が追加されていてもよいし、前記実施形態の工程の順序が入れ替わっていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.リチウム二次電池の製造
[実施例1]
<1>まず、粉末状のLiCoO(シグマアルドリッチ社製、以下、「LCO」と言うこともある。)100質量部と、粉末状の造孔材としてのポリアクリル酸(PAA)(シグマアルドリッチ社製)3質量部とを、乳鉢で擦り潰しながら混合した。
<2>次に、混ぜあわせた粉体80mgを11mmφのダイスに入れ加圧し、円盤状のペレットに成形した。成形したペレットは、LCOの粉体を下に敷いたアルミナるつぼにて、1000℃で8時間熱処理し焼結した。熱処理においては、昇温レートを3℃/分とし、降温レートを、500℃まで3℃/分として多孔質の正極活物質層を作製した。得られた正極活物質層の厚みは、およそ300μmであった。
<3>次に、酢酸リチウムのプロピオン酸溶液と、酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液と、ジルコニウムブトキシドと、ニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液とを、90℃で30分間加熱しながら撹拌した。その後、室温まで徐冷し、Li6.8La3Zr1.8Nb0.212(以下、LLZNbと称する)の前駆体溶液を得た。なお、前駆体溶液の調製にあたっては、LLZNbの組成式の組成比で各元素の原子が含まれるように、原料を秤量した。
<4>次に、この前駆体溶液を前記工程<2>で得られた正極活物質層に含浸させ、60℃で乾燥後、さらに200℃に加熱して、正極活物質層にLLZNbの前駆体を被着させた。正極活物質層に対する前駆体溶液の含浸から200℃に加熱するまでの操作を、正極活物質層に被着した前駆体の質量が設定量である15mgに達するまで繰り返した。
<5>次に、前駆体溶液を付着させた正極活物質層の互いに対向する両面について、機械的な研磨を施し、研磨面に正極活物質を露出させた。
<6>次に、正極活物質層の全体を700℃で加熱し焼成して、円盤状の正極活物質層の表面に第3の固体電解質層を形成した複合体を得た。
<7>次に、得られた複合体の表面に、第4の無機固体電解質であるLi2.20.80.23(以下、LCBOと称する)の粉体を20mg載せた。
<8>次に、粉体を載せた複合体を700℃で10分間加熱した。これにより、粉体を溶融させ、溶融物を複合体中に含浸させた。
<9>次に、自然放熱により溶融物を固化させた。これにより、溶融物を固化させ、第4の固体電解質層を形成し、固体電解質充填部を得た。
<10>次に、正極活物質層の一方の面に対し、スピンコート法により液状組成物を塗布し、液状被膜を得た。これを200℃で乾燥させ、被膜を得た。その後、液状被膜の形成と乾燥とを複数回繰り返すことにより、被膜を厚膜化した。
次に、被膜を700℃で加熱し焼成して、平均厚さ1μmの固体電解質複合層を得た。
なお、用いた液状組成物は、平均粒径10nmのLLZNb粒子を、LCBOの前駆体を含む液状材料に分散させて調製されたものである。
また、固体電解質複合層における固体電解質粒子の存在量は、50体積%であった。
<11>次に、正極活物質層の他方の面に対し、正極集電体としてアルミニウム板を貼り付け、正極とした。一方、固体電解質複合層には、リチウム金属箔および銅箔をこの順で積層し、これらを圧着して負極とした。
以上により、リチウム二次電池を得た。
[実施例2]
固体電解質複合層の平均厚さを3μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例3]
固体電解質複合層の平均厚さを10μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例4]
固体電解質複合層の平均厚さを20μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例5]
固体電解質複合層における固体電解質粒子の存在量を20体積%に変更した以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例6]
固体電解質複合層における固体電解質粒子の存在量を80体積%に変更した以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例7]
実施例2の工程<10>において用いた液状組成物に代えて、平均粒径10nmのLCBO粒子を、LLZNbの前駆体を含む液状材料に分散させて調製された液状組成物を用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
なお、固体電解質複合層における固体電解質粒子の存在量は、50体積%であった。
[実施例8]
実施例2の工程<10>において用いた液状組成物に代えて、平均粒径10nmのLLZNb粒子を、LLZNbの前駆体を含む液状材料に分散させて調製された液状組成物を用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
なお、固体電解質複合層における固体電解質粒子の存在量は、50体積%であった。
[実施例9]
実施例2の工程<10>において用いた液状組成物に代えて、平均粒径10nmのLCBO粒子を、LCBOの前駆体を含む液状材料に分散させて調製された液状組成物を用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
なお、固体電解質複合層における固体電解質粒子の存在量は、50体積%であった。
[比較例1]
固体電解質複合層の形成を省略し、代わりに、固体電解質充填部を正極活物質層の一方の面側にも拡張させるように形成した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[比較例2]
実施例2の工程<10>において用いた液状組成物に代えて、かかる液状組成物からLLZNb粒子を除いたもの、すなわち、LCBOの前駆体を含む液状材料のみで構成された液状組成物を用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[比較例3]
実施例7の工程<10>において用いた液状組成物に代えて、かかる液状組成物からLCBO粒子を除いたもの、すなわち、LLZNbの前駆体を含む液状材料のみで構成された液状組成物を用いるようにした以外は、実施例7と同様にしてリチウム二次電池を得た。
2.リチウム二次電池の評価
各実施例および各比較例のリチウム二次電池について、それぞれ、以下に示すような内部短絡の評価を行った。
まず、各リチウム二次電池に対し、マルチチャネル充放電評価装置(北斗電工社製、HJ1001SD8)を使用し、電流密度0.1mA/cm、充電上限電圧4.2Vの定電流−定電圧、放電下限電圧3.0Vの定電流駆動を、500サイクル行った。
次いで、充放電試験後のリチウム二次電池について、内部短絡不良率を算出した。
その結果、各実施例のリチウム二次電池は、いずれも、各比較例のリチウム二次電池に比べて内部短絡不良率が低いことが認められた。特に、実施例1〜7のリチウム二次電池では内部短絡不良率が特に低く、実施例2、3のリチウム二次電池ではさらにその傾向が顕著であった。
したがって、各実施例のリチウム二次電池は、内部短絡が生じ難く、これにより高容量を有すると認められる。
10 正極
12 正極集電体
14 正極活物質層
20 負極
22 負極集電体
24 負極活物質層
30 固体電解質複合層
30X 液状組成物
32 固体電解質粒子
34 固体電解質基部
40 固体電解質充填部
40X 混合粉体
50 電極複合体
60 第3の固体電解質層
60X 液状体
60Y 粉体
61 粒状体
70 第4の固体電解質層
70X 粉体
80 貴金属粒子
100 リチウム二次電池
142 活物質粒子
144 スラリー
146 上面
148 下面
342 液状材料
F 成形型
F2 成形型
F21 底部
F22 蓋部
F25 凹部

Claims (9)

  1. 第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子と、第2の無機固体電解質の形成材料を含む液状材料と、を有する液状組成物を準備する準備工程と、
    正極活物質層上に前記液状組成物を塗布した後、加熱して、前記液状材料を反応させて固体電解質基部を形成し、前記固体電解質粒子と前記固体電解質基部とを備える固体電解質複合層を得る加熱工程と、
    を有することを特徴とする電極複合体の製造方法。
  2. 前記加熱工程において、前記第2の無機固体電解質の形成材料を、前記固体電解質粒子の焼結温度よりも低い温度で加熱することにより、前記第2の無機固体電解質を生成させ、前記固体電解質基部を形成する請求項1に記載の電極複合体の製造方法。
  3. 前記加熱工程において、前記正極活物質層上に、前記液状組成物を塗布した後、乾燥させる過程を複数回繰り返した後、前記加熱を行う請求項1または2に記載の電極複合体の製造方法。
  4. 前記第1の無機固体電解質の組成と、前記第2の無機固体電解質の組成とは、互いに異なっている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電極複合体の製造方法。
  5. 前記第1の無機固体電解質および前記第2の無機固体電解質の少なくとも一方は、Li7-xLa3(Zr2-x,Mx)O12で表される固体電解質を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電極複合体の製造方法。
    [式中、Mは、Nb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbのうちの少なくとも1種を表し、Xは0以上2以下の実数を表す。]
  6. 前記第1の無機固体電解質および前記第2の無機固体電解質の少なくとも一方は、ホウ素を含むリチウム複酸化物を含有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電極複合体の製造方法。
  7. 前記正極活物質層は、リチウム複酸化物を含む粒子状をなす活物質粒子と、前記活物質粒子同士の間に設けられた連通孔と、を備える活物質成形体を有し、
    前記加熱工程の前に設けられ、前記連通孔内において前記活物質粒子と接するように無機固体電解質を供給し、固体電解質充填部を得る工程を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電極複合体の製造方法。
  8. リチウム複酸化物を含む粒子状をなす活物質粒子と、前記活物質粒子同士の間に設けられた連通孔と、を備える正極活物質層と、
    前記活物質粒子と接して前記連通孔内に設けられ、無機固体電解質を含む固体電解質充填部と、
    前記正極活物質層上に、前記固体電解質充填部と接して設けられ、第2の無機固体電解質を含む固体電解質基部と、前記固体電解質基部内に分散され第1の無機固体電解質を含む固体電解質粒子と、を備える固体電解質複合層と、
    を有することを特徴とする電極複合体。
  9. 請求項8に記載の電極複合体と、
    前記正極活物質層と接して設けられた正極集電体と、
    前記固体電解質複合層と接して設けられた負極と、
    を有することを特徴とするリチウム電池。
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