JP2016213106A - 電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法 - Google Patents

電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高出力かつ高容量のリチウム電池に適用可能な電極複合体、かかる電極複合体を効率よく製造し得る電極複合体の製造方法、および、高出力かつ高容量のリチウム電池を効率よく製造し得るリチウム電池の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の電極複合体の製造方法は、活物質成形体と、活物質成形体に接する固体電解質層と、を備える電極複合体を製造する方法であって、活物質の形成材料を含む第1粉末2Xをエアロゾルデポジション法により成膜し、活物質成形体を得る第1の工程と、電解質の形成材料を含む第2粉末3Xをエアロゾルデポジション法により成膜し、固体電解質層を得る第2の工程と、を有する。エアロゾルデポジション法による成膜では、マスクを用いることにより、成膜領域の選択が可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法に関するものである。
携帯型情報機器をはじめとする多くの電気機器の電源として、リチウム電池(一次電池および二次電池を含む)が利用されている。リチウム電池は、正極と負極と、これらの層の間に設置され、リチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。
近年、高エネルギー密度と安全性とを両立したリチウム電池として、電解質層の形成材料に、固体電解質を使用する全固体型リチウム電池が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
これらの全固体型リチウム電池については、さらなる高出力化および高容量化が求められている。高出力かつ高容量の全固体型リチウム電池を得るためには、正極または負極の活物質の形状と電解質層の形状とをそれぞれ高度に制御する必要がある。
ところが、このような形状の制御は、難易度が高く、このため、リチウム電池の製造効率が低いという問題があった。
特開2006−277997号公報 特開2004−179158号公報 特許第4615339号公報
本発明の目的の一つは、高出力かつ高容量のリチウム電池に適用可能な電極複合体、かかる電極複合体を効率よく製造し得る電極複合体の製造方法、および、高出力かつ高容量のリチウム電池を効率よく製造し得るリチウム電池の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の電極複合体の製造方法は、活物質成形体と、前記活物質成形体に接する固体電解質層と、を備える電極複合体を製造する方法であって、
活物質の形成材料を含む第1粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記活物質成形体を得る第1の工程と、
電解質の形成材料を含む第2粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記固体電解質層を得る第2の工程と、
を含むことを特徴とする。
これにより、エアロゾルデポジション法において噴射された粒子の運動エネルギーを成膜エネルギーに変えることによって、形成される活物質成形体および固体電解質層のそれぞれの緻密化と両者の密着性の向上とを図ることができるので、高出力かつ高容量のリチウム電池に適用可能な電極複合体を効率よく製造することができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記第1の工程または前記第2の工程は、マスクを用いて成膜する領域を選択して行うことが好ましい。
これにより、マスクの開口の形状に対応した形状を有する活物質成形体または固体電解質層を得ることができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記活物質成形体は、前記エアロゾルデポジション法による成膜方向の長さが、前記成膜方向に直交する長さよりも長い形状の部位を複数含んでいることが好ましい。
これにより、前記部位の表面積が十分に確保されるとともに、前記部位のうち成膜方向に直交する長さを十分に短くすることができるので、成膜方向に直交する方向に前記部位を高密度に並べることが可能になる。その結果、前記部位の成膜方向における高い電荷移動度と、単位体積当たりの活物質の高充填化とを両立させることができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記部位は、前記膜厚方向に軸を有する柱状をなしていることが好ましい。
これにより、膜厚方向における電荷移動をより促進することができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記第1の工程により前記活物質成形体である第1層を形成し、
前記第2の工程により前記固体電解質層である第2層を、前記第1層に重ねて形成し、
前記第1の工程により前記活物質成形体である第3層を、前記第2層に重ねて、かつ、前記第2層の一部を貫通し前記第1層に接するように形成し、
前記第2の工程により前記固体電解質層である第4層を、前記第3層に重ねて、かつ、前記第3層の一部を貫通し前記第2層に接するように形成することが好ましい。
これにより、エアロゾルデポジション法による成膜方向に直交する面を多く含む形状で活物質成形体および固体電解質層を形成することができるので、エアロゾルデポジション法において噴射された粒子の運動エネルギーを効率よく成膜エネルギーに変えることができ、より緻密な活物質成形体および固体電解質層を得ることができ、かつ、両者の密着性の向上を図ることができる。その結果、電極複合体のさらなる高出力化および高容量化を図ることができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記第2の工程において、前記活物質成形体に向けて前記第2粉末を噴射し、前記固体電解質層を得ることが好ましい。
これにより、活物質の形成材料が固体電解質の形成材料よりも一般に硬度が高いことを利用して、活物質成形体に向けて第2粉末を噴射することにより、活物質成形体と固体電解質層との間に良好な接触界面を形成することができる。
本発明の電極複合体の製造方法では、前記活物質の形成材料は、リチウム複酸化物を含むことが好ましい。
これにより、良好な機能を発揮する活物質成形体が得られる。
本発明の電極複合体は、活物質の形成材料を含む第1粉末をエアロゾルデポジション法により成膜して形成された活物質成形体と、
電解質の形成材料を含む第2粉末をエアロゾルデポジション法により成膜して形成され、前記活物質成形体に接する固体電解質層と、
を備えることを特徴とする。
これにより、高出力かつ高容量のリチウム電池に適用可能な電極複合体が得られる。
本発明のリチウム電池の製造方法は、集電体と、集電体に接する活物質成形体と、前記活物質成形体に接する固体電解質層と、前記固体電解質層に接する電極構成物と、を備えるリチウム電池を製造する方法であって、
前記集電体の一方の面に、前記活物質の形成材料を含む第1粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記活物質成形体を得る第1の工程と、
前記活物質成形体に向けて、前記電解質の形成材料を含む第2粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記固体電解質層を得る第2の工程と、
前記電極構成物を設ける第3の工程と、
を含むことを特徴とする。
これにより、エアロゾルデポジション法において噴射された粒子の運動エネルギーを成膜エネルギーに変えることによって、形成される活物質成形体および固体電解質層のそれぞれの緻密化と両者の密着性の向上とを図ることができるので、高出力かつ高容量のリチウム電池を効率よく製造することができる。
図1(a)は、本発明に係る電極複合体の製造方法およびリチウム電池の製造方法を適用して製造されたリチウム二次電池の縦断面図であり、図1(b)は、図1(a)の部分拡大図である。 図1に示すリチウム二次電池の製造に用いられるエアロゾルデポジション装置の構成を示す概略図である。 図1に示す電極複合体の製造方法を説明するための図である。 図1に示す電極複合体の製造方法を説明するための図である。 図1に示す電極複合体の製造方法を説明するための図である。 第2実施形態におけるリチウム二次電池の縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)の部分拡大図である。 第3実施形態におけるリチウム二次電池の縦断面図であり、図7(b)は、図7(a)の部分拡大図である。 第4実施形態におけるリチウム二次電池の縦断面図であり、図8(b)は、図8(a)の部分拡大図である。
以下、本発明に係る電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法を図面を用いて説明する。
なお、説明に用いる図面は、図面を見やすくするため、および説明を分かりやすくするために、各構成要素の寸法や比率等を適宜異ならせて記載しているが、これは便宜上のものである。また、説明の便宜上、記載の上側を「上」、下側「下」と言う。
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明に係る電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法についての説明を行う。また、本発明に係る電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法を適用して製造されたリチウム二次電池についての説明を行う。
まず、本発明に係る電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法を適用して製造されたリチウム二次電池100について説明する。図1は、リチウム二次電池100の縦断面図である。
リチウム二次電池100は、積層体10と、積層体10上に接合された電極20とを有している。このリチウム二次電池100は、いわゆる全固体型リチウム(イオン)二次電池である。
積層体10は、集電体1と、活物質成形体2と、固体電解質層3と、を備えている。なお、以下では、活物質成形体2と固体電解質層3とを合わせた構成を、電極複合体4と称することとする。この電極複合体4は、集電体1と電極20との間に位置しており、対向する一対の面4a、4bのうち、一面4aが集電体1に接合され、他面4bが電極20に接合されている。したがって、積層体10は、集電体1と電極複合体4とが積層された構成を有する。
集電体1は、電池反応により生成された電流を取り出すための電極であり、電極複合体4の一面4aに露出する活物質成形体2に接して設けられている。
この集電体1は、活物質成形体2が正極活物質で構成される場合、正極として機能し、活物質成形体2が負極活物質で構成される場合、負極として機能する。
また、集電体1の形成材料(構成材料)としては、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、この群から選ばれる2種以上の金属元素を含む合金等が挙げられる。
集電体1の形状は、特に限定されず、例えば、板状、箔状、網状等をなすものが挙げられる。また、集電体1における電極複合体4との接合面は、平滑なものであってもよく、凹凸が形成されていてもよいが、電極複合体4との接触面積が最大となるように形成されるのが好ましい。
活物質成形体2は、形成材料として活物質を含有する粒子状の活物質粒子21を含み、複数の活物質粒子21の各々が3次元的に連結して形成された多孔質の成形体である。
多孔質の成形体である活物質成形体2は複数の細孔を有する。当該複数の細孔における空孔が活物質成形体2の空隙である。活物質成形体2の内部で互いに網目状に連通した部分が連通孔を形成する。この連通孔に固体電解質層3が入り込むことにより、活物質成形体2と固体電解質層3との間で広い接触面積を確保することができる。
また、本実施形態の積層体10(電極複合体4)においては、後に詳述するが、活物質の形成材料および電解質の形成材料がそれぞれエアロゾルデポジション法(以下、省略して「AD法」ともいう。)による成膜に供され、これにより活物質成形体2および固体電解質層3が製造されている。このため、活物質成形体2および固体電解質層3は、それぞれの形状が高精度に制御され易くなり、かつ、緻密化が図られる。このため、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を最大限に確保するとともに、各部の高密度化を図ることができる。これにより、活物質成形体2と固体電解質層3との界面におけるインピーダンスを低減させ、界面における良好な電荷移動が可能になるとともに、各部の材料の充填率を高めることができる。
ここで、本実施形態に係る活物質成形体2は、複数個の活物質粒子21同士が凝集し柱状をなす活物質凝集体25を含んでいる。この活物質凝集体25は、図1に示すように、集電体1と電極20とを結ぶ方向、すなわち、AD法において被膜が成長する成膜方法に軸を有する柱状をなす部位である。また、活物質成形体2には、複数の活物質凝集体25が含まれており、これらが互いに所定の距離を隔てて層状に並んでいる。
このように、集電体1と電極20とを結ぶ方向に長軸を有する活物質凝集体25は、この方向における電荷移動をより促進することができる。これにより、リチウム二次電池100の出力をより高めることができる。
また、活物質成形体2は、複数の活物質凝集体25に接するように設けられた活物質凝集体26をさらに含んでいる。この活物質凝集体26により、集電体1に対する活物質成形体2の接触面積を広く確保することができ、集電体1と活物質成形体2との間の導電性を高めることができる。
活物質粒子21は、活物質形成材料の種類を適宜選択することにより、集電体1は、正極にも負極にもなり得る。
集電体1を正極とする場合、活物質粒子21の形成材料には、例えば、正極活物質として公知のリチウム酸化物を用いることができ、特にリチウム複酸化物を好ましく用いることができる。
なお、本明細書において「リチウム複酸化物」とは、リチウムを必ず含み、かつ全体として2種以上の金属イオンを含む酸化物であって、オキソ酸イオンの存在が認められないものを言う。
このようなリチウム複酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMn、LiFePO、LiFeP、LiMnPO、LiFeBO、Li(PO、LiCuO、LiFeF、LiFeSiO、LiMnSiO等が挙げられる。また、本明細書においては、これらのリチウム複酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体もリチウム複酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質として用いることができる。
さらに、集電体1を負極とする場合、活物質成形体2の形成材料には、例えば、負極活物質として、LiTi12、LiTi等のリチウム複酸化物を用いることができる。
このようなリチウム酸化物を含むことで、活物質粒子21は、複数の活物質粒子21同士で電子の受け渡しを行い、活物質粒子21と固体電解質層3との間でリチウムイオンの受け渡しを行い、活物質成形体2としての機能を良好に発揮する。
活物質粒子21の平均粒径は、300nm以上5μm以下が好ましく、450nm以上3μm以下がより好ましく、500nm以上1μm以下がさらに好ましい。このような平均粒径の活物質を用いると、得られる活物質成形体2の空隙率を、好ましい範囲内に設定することができる。これにより、活物質成形体2の細孔内の表面積を広げ、かつ活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を広げやすくなり、積層体10を用いたリチウム電池を高容量にしやすくなる。
ここで、空隙率は、例えば、(1)活物質成形体2の外形寸法から得られる、細孔を含めた活物質成形体2の体積(見かけ体積)と、(2)活物質成形体2の質量と、(3)活物質成形体2を構成する活物質の密度とから下記の式(I)に基づいて測定することができる。
Figure 2016213106
空隙率が10%以上50%以下であることが好ましく、30%以上50%以下であることがより好ましい。活物質成形体2がこのような空隙率を有することにより、活物質成形体2の細孔内の表面積を広げ、かつ活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積を広げやすくなり、積層体10を用いたリチウム電池を高容量にしやすくなる。
活物質粒子21の平均粒径が上記下限値未満であると、固体電解質層3の形成材料の種類によっては、形成される活物質成形体2の細孔の半径が数十nmの微小なものになり易く、細孔の内部に固体電解質層3の形成材料を侵入させることが困難となり、その結果、細孔の内部の表面に接する固体電解質層3を形成し難くなるおそれがある。
また、活物質粒子21の平均粒径が上記上限値を超えると、形成される活物質成形体2の単位質量当たりの表面積である比表面積が小さくなり、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積が小さくなるおそれがある。そのため、リチウム二次電池100において、充分な出力が得られなくなるおそれがある。また、活物質粒子21の内部から固体電解質層3までのイオン拡散距離が長くなるため、活物質粒子21において中心付近のリチウム酸化物は電池の機能に寄与しにくくなるおそれがある。
なお、活物質粒子21の平均粒径は、例えば、活物質粒子21をn−オクタノールに0.1質量%以上10質量%以下の範囲の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX250)を用いて、メジアン径を求めることにより測定することができる。
また、詳しくは後述するが、活物質成形体2の空隙率は、活物質成形体2を形成する工程において、粒子状の有機物で構成される造孔材を用いることで制御可能である。
一方、本実施形態に係る活物質凝集体25は、前述したように、複数個の活物質粒子21同士が凝集することによって形成されている。
活物質凝集体25の長軸の平均長さは、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上300μm以下がより好ましい。このような長軸長さの活物質凝集体25を用いると、活物質凝集体25のアスペクト比(短軸の長さに対する長軸の長さの比)を大きくし易い。このため、このような活物質凝集体25を用いることにより、長軸方向の電荷移動度を高めつつ、単位体積当たりの活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積をより広げやすくなる。その結果、リチウム二次電池100の高容量化と高出力化とを両立させることができる。
なお、活物質凝集体25の長軸の平均長さは、例えば、活物質凝集体25を電子顕微鏡等で観察し、観察像における最大長さを求めるとともに、10個以上の測定値を平均することによって求められる。
また、活物質凝集体25の平均アスペクト比は、1超であるのが好ましく、1.5以上100以下であるのがより好ましく、5以上50以下であるのがさらに好ましい。このような平均アスペクト比の活物質凝集体25を用いると、活物質凝集体25の表面積を十分に確保しつつ、短軸を十分に短くすることができるので、短軸方向には活物質凝集体25を高密度に並べることが可能になる。このため、表面積の大きい活物質凝集体25を高密度に配置することによって、活物質凝集体25の長軸方向における高い電荷移動度と、単位体積当たりの活物質の高充填化とを両立させ、高出力かつ高容量のリチウム二次電池100を実現可能な電極複合体4を得ることができる。
なお、活物質凝集体25の平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡等による活物質凝集体25の観察像において、AD法による成膜方向の最大長さを長軸とし、長軸に直交する方向の最大長さを短軸としたとき、短軸の長さに対する長軸の長さの比を求め、10個以上の測定値を平均することによって求められる。よって、活物質凝集体25の平均アスペクト比が1超であることは、AD法による成膜方向の軸の長さが、成膜方向に直交する方向の軸の長さよりも長いということを指す。
さらに、電極複合体4における活物質成形体2の質量比率は、特に限定されないが、5%以上70%以下であるのが好ましく、10%以上60%以下であるのがより好ましい。これにより、電極複合体4における活物質成形体2と固体電解質層3との存在比の均衡を図ることができ、出力と容量とを両立させたリチウム二次電池100を実現可能な電極複合体4が得られる。
固体電解質層3は、固体電解質を形成材料(構成材料)とし、活物質成形体2の表面に接して設けられている。
本実施形態に係る固体電解質層3は、複数個の粒状体31同士が凝集し柱状をなす電解質凝集体35を含んでいる。この電解質凝集体35は、図1に示すように、集電体1と電極20とを結ぶ方向、すなわち、AD法において被膜が成長する成膜方法に軸を有する柱状をなす部位である。また、固体電解質層3には、複数の電解質凝集体35が含まれており、これらが互いに所定の距離を隔てて層状に並んでいる。
このように、集電体1と電極20とを結ぶ方向に長軸を有する電解質凝集体35は、この方向におけるイオン伝導(電荷移動)をより促進することができる。これにより、リチウム二次電池100の出力をより高めることができる。
また、電解質凝集体35同士の間には、前述した活物質凝集体25が介挿されている。したがって、本実施形態に係る電極複合体4では、電解質凝集体35と活物質凝集体25との間でより広い接触面積を確保することができ、リチウム二次電池100の高出力化を図ることができる。また、単位体積当たりの活物質および固体電解質の充填率を高めることができ、リチウム二次電池100の高容量化を図ることができる。
また、固体電解質層3は、複数の電解質凝集体35に接するように設けられた電解質凝集体36をさらに含んでいる。この電解質凝集体36により、電極20に対する固体電解質層3の接触面積を広く確保することができ、電極20と固体電解質層3との間のイオン伝導性を高めることができる。
固体電解質としては、SiO−P−LiO、SiO−P−LiCl、LiO−LiCl−B、Li3.40.6Si0.4、Li14ZnGe16、Li3.60.4Ge0.6、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO、Li2.88PO3.730.14、LiNbO、Li0.35La0.55TiO、LiLaZr12、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−P、LiPON、LiN、LiI、LiI−CaI、LiI−CaO、LiAlCl、LiAlF、LiI−Al、LiF−Al、LiBr−Al、LiO−TiO、La−LiO−TiO、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiN−LiCl、LiNBr、LiSO、LiSiO、LiPO−LiSiO、LiGeO−LiVO、LiSiO−LiVO、LiGeO−ZnGeO、LiSiO−LiMoO、LiSiO−LiZrO等の酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物が挙げられる。なお、固体電解質は、結晶質であっても非晶質(アモルファス)であってもよい。また、本明細書においては、これらの組成物の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体も、固体電解質として用いることができる。
また、固体電解質としては、特に、下記式(II)で表されるリチウム複酸化物が好ましく用いられる。
Li7-xLa3(Zr2-x,Mx)O12 ・・・ (II)
[式中、Mは、Nb、Sc、Ti、V、Y、Hf、Ta、Al、Si、Ga、Ge、Sn、およびSbのうちの少なくとも1種を表し、Xは0以上2以下の実数を表す。]
なお、上記式のMは、特に、Nb(ニオブ)およびTa(タンタル)のうちの少なくとも1種であることが好ましい。これにより、得られる固体電解質のリチウムイオン伝導性をより高めることができ、かつ、固体電解質の機械的強度をより高めることができる。
また、上記式のX、すなわち、金属Mの置換率は、1以上2以下であるのが好ましく、1.4以上2以下であるのがより好ましい。前記Xが小さ過ぎると、金属Mの種類等によっては、固体電解質において、前述した機能を十分に発揮させることができないおそれがある。
また、上記式で表されるリチウム複酸化物は、立方晶または正方晶のいずれの結晶構造を有するものであってもよいが、立方晶のガーネット型結晶構造を有することが好ましい。これにより、固体電解質のイオン導電率のさらなる向上が図られる。
また、より具体的には、Li6.8La3Zr1.8Nb0.212が特に好ましく用いられる。
本実施形態に係る固体電解質層3の構成材料である固体電解質は、一次粒子が造粒することで形成された二次粒子からなる粒状体31を構成する。そのため、固体電解質層3は、活物質成形体2の空隙内を含む活物質成形体2の表面に接して設けられるが、かかる粒状体31の集合体で構成されることから、固体電解質層3も、活物質成形体2と同様に、多孔質体で構成される。
なお、固体電解質層3は、必ずしも多孔質体でなくてもよく、緻密体であってもよい。
固体電解質層3のイオン伝導率は、5×10−5S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましい。固体電解質層3がこのようなイオン伝導率を有することにより、活物質成形体2の表面から離れた位置の固体電解質層3に含まれるイオンも、活物質成形体2の表面に達し、活物質成形体2における電池反応に寄与することが可能となる。そのため、活物質成形体2における活物質の利用率が向上し、容量を大きくすることができる。このとき、イオン伝導率が上記下限値未満であると、固体電解質層3の種類によっては、活物質成形体2において対極と相対する面の表層近辺の活物質しか電池反応に寄与せず、容量が低下するおそれがある。
なお、「固体電解質層3のイオン伝導率」とは、固体電解質層3を構成する上述の無機電解質自身の伝導率である「バルク伝導率」と、無機電解質が結晶質である場合における結晶の粒子間の伝導率である「粒界イオン伝導率」と、の総和である「総イオン伝導率」のことを言う。
また、固体電解質層3のイオン伝導率は、例えば、固体電解質粉末を624MPaで錠剤型にプレス成形したものを大気雰囲気下700℃で8時間焼結し、次いで、スパッタリングにより、プレス成形体の両面に、直径0.5cm、厚み100nmのプラチナ電極を形成して被検体とし、その後、交流インピーダンス法によって測定される。測定装置には、例えば、インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製、型番SI1260)を用いる。
一方、本実施形態に係る電解質凝集体35は、前述したように、複数個の粒状体31同士が凝集することによって形成されている。
電解質凝集体35の長軸の平均長さは、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上300μm以下がより好ましい。このような長軸長さの電解質凝集体35を用いると、電解質凝集体35のアスペクト比を大きくし易い。このため、このような電解質凝集体35を用いることにより、長軸方向の電荷移動度を高めつつ、固体電解質層3と活物質成形体2との接触面積をより広げやすくなる。その結果、リチウム二次電池100の高容量化と高出力化とを両立させることができる。
なお、電解質凝集体35の長軸の平均長さは、例えば、電解質凝集体35を電子顕微鏡等で観察し、観察像における最大長さを求めるとともに、10個以上の測定値を平均することによって求められる。
また、電解質凝集体35の平均アスペクト比は、1超であるのが好ましく、1.5以上100以下であるのがより好ましく、5以上50以下であるのがさらに好ましい。このような平均アスペクト比の電解質凝集体35を用いると、電解質凝集体35の表面積を十分に確保しつつ、短軸を十分に短くすることができるので、短軸方向には電解質凝集体35を高密度に並べることが可能になる。このため、表面積の大きい電解質凝集体35を高密度に配置することによって、リチウム二次電池100の高容量化と高出力化とを両立させることができる。
なお、電解質凝集体35の平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡等による電解質凝集体35の観察像において、AD法による成膜方向の最大長さを長軸とし、長軸に直交する方向の最大長さを短軸としたとき、短軸の長さに対する長軸の長さの比を求め、10個以上の測定値を平均することによって求められる。よって、電解質凝集体35の平均アスペクト比が1超であることは、AD法による成膜方向の軸の長さが、成膜方向に直交する方向の軸の長さよりも長いということを指す。
また、積層体10には、活物質同士をつなぎ合わせるバインダーや、活物質成形体2の導電性を担保するための導電助剤などの有機物が含まれていてもよいが、本実施形態では、活物質成形体2を成形する際に、バインダーや導電助剤等を用いることなく成形されており、ほぼ無機物のみで構成されている。具体的には、本実施形態においては、電極複合体4(活物質成形体2および固体電解質層3)を400℃で30分加熱したときの質量減少率が、5質量%以下となっている。また、質量減少率は、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、質量減少が観測されない、または誤差範囲であることが特に好ましい。電極複合体4がこのような質量減少率を有するため、電極複合体4には、所定の加熱条件で蒸発する溶媒や吸着水等の物質や、所定の加熱条件で燃焼または酸化されて気化する有機物が、構成全体に対して5質量%以下しか含まれないこととなる。
なお、電極複合体4の質量減少率は、示差熱−熱重量同時測定装置(TG−DTA)を用い、電極複合体4を所定の加熱条件で加熱することで、所定の加熱条件による加熱後の電極複合体4の質量を測定し、加熱前の質量と加熱後の質量との比から算出することができる。
本実施形態の積層体10においては、活物質成形体2において、複数の細孔が内部で網目状に連通する連通孔を構成しており、活物質成形体2の固体部分も網目構造を形成している。例えば、正極活物質であるLiCoOは、結晶の電子伝導性に異方性があることが知られている。そのため、LiCoOを形成材料として活物質成形体を形成しようとすると、細孔を機械加工で形成するような、特定の方向に細孔が延在して設けられているような構成では、結晶の電子伝導性を示す方向によっては、内部で電子伝導しにくいことが考えられる。しかしながら、活物質成形体2のように細孔が網目状に連通し、活物質成形体2の固体部分が網目構造を有していると、結晶の電子伝導性またはイオン伝導性の異方性によらず、電気化学的に滑性な連続表面を形成することができる。そのため、用いる活物質の種類によらず、良好な電子伝導を担保することができる。
また、本実施形態の積層体10においては、電極複合体4が上述のような構成であるため、電極複合体4に含まれるバインダーや導電助剤の添加量を抑制することができ、バインダーや導電助剤を用いる場合と比べて、積層体10の単位体積あたりの容量密度が向上する。
また、本実施形態の積層体10(電極複合体4)においては、前述したように、活物質の形成材料および電解質の形成材料がそれぞれエアロゾルデポジション法により成膜されることによって活物質成形体2および固体電解質層3が製造されている。このため、活物質成形体2および固体電解質層3は、それぞれの形状が、例えばノズルの形状やマスクの形状を適宜設定することによって高精度に制御され易くなり、両者の接触面積を最大限に確保することが可能である。このため、高出力のリチウム二次電池100を実現可能な電極複合体4が得られる。
さらに、エアロゾルデポジション法によれば、活物質の形成材料および電解質の形成材料にそれぞれ運動エネルギーを与え、その運動エネルギーを成膜エネルギーに変えることによって、成膜された被膜の緻密化と、成膜された被膜同士あるいは成膜の対象物と被膜との密着性の向上とを図ることができる。すなわち、高速で噴射された粒子が対象物に衝突することによって短時間にかつ局所的に発熱するため、その粒子のみを固着させつつ、その他の部位の変性を抑えることができる。このため、電極複合体4における活物質成形体2および固体電解質層3のそれぞれの充填率を高め、リチウム二次電池100の高容量化が図られる。また、活物質成形体2と固体電解質層3との界面や活物質成形体2と集電体1との界面におけるインピーダンスを低減させ、界面における良好な電荷移動が可能になるため、リチウム二次電池100の高出力化が図られる。
これらのことから、積層体10を有するリチウム二次電池100は、積層体10を有さない他のリチウム二次電池に比較して、単位体積あたりの容量が向上しており、かつ高出力となっている。
また、リチウム二次電池100では、電極複合体4の他面4bに電極20が接合されている。電極20は、活物質成形体2に接することなく固体電解質層3に接して設けられている。かかる構成とすることで、リチウム二次電池100において、電極20と集電体1とが活物質成形体2を介して接続されるのを防止すること、すなわち短絡を防止することができる。したがって、固体電解質層3は、リチウム二次電池100における短絡の発生を防止する短絡防止層としての機能をも発揮する。
なお、本実施形態に係る粒状体31は、電極複合体4の他面4bを覆うように配置されてなる短絡防止層32を構成している。すなわち、固体電解質層3は、電解質凝集体35と短絡防止層32とを備えている。
なお、この電極20は、活物質成形体2が正極活物質で構成される場合、負極として機能し、活物質成形体2が負極活物質で構成される場合、正極として機能する。
電極20の形成材料(構成材料)としては、電極20が負極の場合、例えば、リチウム(Li)が挙げられ、電極20が正極の場合、例えば、アルミニウム(Al)が挙げられる。
電極20の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
次に、図1に示す、第1実施形態のリチウム二次電池100の製造方法(本発明のリチウム電池の製造方法の実施形態)について説明する。
本実施形態に係るリチウム二次電池100の製造方法は、[1]集電体1の上面に、活物質の形成材料を含む第1粉末2Xをエアロゾルデポジション法により成膜し、活物質成形体2を得る工程と、[2]活物質成形体2に向けて、電解質の形成材料を含む第2粉末3Xをエアロゾルデポジション法により成膜し、固体電解質層3を得る工程と、[3]固体電解質層3に接するように電極20を設ける工程と、を有する。
以下、各工程について順次説明する。
[1]まず、活物質の形成材料を含む第1粉末2Xと、固体電解質の形成材料を含む第2粉末3Xとを用意する。これらの粉末は、エアロゾルデポジション法に供される原材料に相当する。
第1粉末2Xとしては、例えば、活物質粒子21を含む粉末が挙げられる。このような第1粉末2Xでは、最終的に不要部分が除去されることによって活物質粒子21が残存し、目的とする形状の活物質成形体2を容易に製造することができる。
第1粉末2Xにおける活物質粒子21の含有量は、10質量%以上100質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。これにより、好ましい空隙率を有する活物質成形体2を得ることができる。
なお、活物質の形成材料には、活物質成形体2の構成材料の他、その前駆体が含まれていてもよい。この前駆体は、AD法において運動エネルギーが熱に変わる際、反応して活物質成形体2の構成材料を生じさせることができる。
一方、第2粉末3Xとしては、例えば、粒状体31を含む粉末が挙げられる。このような第2粉末3Xでは、最終的に不要部分が除去されることによって粒状体31が残存し、目的とする形状の固体電解質層3を容易に製造することができる。
第2粉末3Xにおける粒状体31の含有量は、10質量%以上100質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。これにより、充填率の高い固体電解質層3を得ることができる。
なお、固体電解質の形成材料には、固体電解質層3の構成材料の他、その前駆体が含まれていてもよい。この前駆体は、AD法において運動エネルギーが熱に変わる際、反応して固体電解質層3の構成材料を生じさせることができる。
また、第1粉末2Xおよび第2粉末3Xには、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリビニルアルコール(PVA)などの有機高分子化合物をバインダーとして添加してもよい。これらのバインダーは、AD法において分解され、減容または除去される。
この他、バインダーとしては、例えば、ポリカーボネート、セルロース系バインダー、アクリル系バインダー、ポリビニルアルコール系バインダー、ポリビニルブチラール系バインダー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1粉末2Xおよび第2粉末3Xには、必要に応じて、高分子や炭素粉末を形成材料とする粒子状の造孔材を添加してもよい。これらの造孔材が混入することにより、活物質成形体2や固体電解質層3の空隙率を制御することが容易となる。このような造孔材は、AD法において分解され、減容または除去される。
造孔材の平均粒径は、好ましくは0.5μm以上10μm以下である。
さらに、造孔材は、潮解性を有する物質を形成材料とする潮解性粒子を含むことが好ましい。潮解性粒子が潮解することにより潮解性粒子の周囲に生じる水が、活物質粒子21同士あるいは粒状体31同士をつなぎ合わせるバインダーとして機能するため、活物質成形体2や固体電解質層3の保形性が向上する。そのため、他のバインダーを添加することなく、またはバインダーの添加量を低減させながら活物質成形体2および固体電解質層3を得ることができ、容易に高容量な電極複合体4とすることができる。
このような潮解性粒子としては、ポリアクリル酸を形成材料とする粒子を挙げることができる。
また、造孔材は、潮解性を有さない物質を形成材料とする非潮解性粒子をさらに含むと好ましい。このような非潮解性粒子を含む造孔材は、取り扱いが容易となる。また、造孔材が潮解性を有すると、造孔材の周囲の水分量に応じて、活物質成形体2や固体電解質層3の空隙率が所望の設定値から乖離することがあるが、造孔材として非潮解性粒子を同時に含むことで、空隙率の乖離を抑制することが可能となる。
なお、第1粉末2Xおよび第2粉末3X、必要に応じて、水の他、ブタノール、エタノール、プロパノール、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン各種有機溶剤のような分散媒(溶媒)、オレイルアミンのような分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、湿潤剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、増感剤、光硬化性樹脂等が添加されていてもよい。
また、第1粉末2Xおよび第2粉末3Xのそれぞれの平均粒径は、特に限定されないものの、0.05μm以上10μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上5μm以下であるのがより好ましい。平均粒径を上記範囲内に設定することにより、第1粉末2Xおよび第2粉末3Xに含まれる各粒子に十分な運動エネルギーが付与されるとともに、AD法におけるノズルの形状やマスクの形状を微細にしたときでも目的とする形状に忠実な形状の被膜を成膜することが可能になる。このため、粒子同士の衝突によって、活物質成形体2および固体電解質層3のそれぞれをより緻密化することができ、かつ、活物質成形体2および固体電解質層3の形状をそれぞれ高精度に制御して両者の界面の接触面積をより広げることができる。
なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折法により得られた質量基準での累積粒度分布において、累積量が小径側から50%になるときの粒径として求められる。
[2]次に、エアロゾルデポジション装置を用い、AD法によって成膜を行う。
図2は、図1に示すリチウム二次電池100の製造に用いられるエアロゾルデポジション装置6(以下、省略して「AD装置6」ともいう。)の構成を示す概略図である。
図2に示すAD装置6は、キャリアーガスを貯留するガス貯留部61と、第1粉末2Xを貯留する第1粉末容器62と、第2粉末3Xを貯留する第2粉末容器63と、を備えている。
また、ガス貯留部61と第1粉末容器62との間、および、ガス貯留部61と第2粉末容器63との間は、それぞれガス配管641を介して接続されている。これにより、ガス配管641を介して第1粉末容器62および第2粉末容器63に、それぞれキャリアーガスを供給することができる。なお、キャリアーガスには、例えばヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス等が用いられる。
また、ガス配管641のうち、ガス貯留部61と第1粉末容器62との間には、流れるキャリアーガスの流量を調節するマスフロー制御部651が取り付けられており、ガス貯留部61と第2粉末容器63との間には、マスフロー制御部652が取り付けられている。
一方、AD装置6は、成膜チャンバー66と、成膜チャンバー66内に設けられたステージ67と、成膜チャンバー66内を減圧するための真空ポンプ68と、を備えている。真空ポンプにより、成膜チャンバー66内の排気を行うことができる。
成膜チャンバー66内の圧力は、例えば大気圧より低い圧力とされるが、好ましくは1Pa以上3kPa以下程度に設定される。
また、第1粉末容器62と成膜チャンバー66との間は、粉末配管642を介して接続されており、粉末配管642のうち、成膜チャンバー66内に位置する端部には、噴射ノズル644が取り付けられている。同様に、第2粉末容器63と成膜チャンバー66との間は、粉末配管643を介して接続されており、粉末配管643のうち、成膜チャンバー66内に位置する端部には、噴射ノズル645が取り付けられている。これらの噴射ノズル644、645の噴射口の形状を適宜設定することにより、その形状に応じた形状の被膜を高精度に成膜することができる。
このようなAD装置6において、例えば、第1粉末容器62内にキャリアーガスを供給すると、キャリアーガスに第1粉末2Xが搬送され、噴射ノズル644からステージ67に向けて第1粉末2Xが噴射される。このとき、第1粉末2Xが持つ運動エネルギーは、ステージ67に設けられた被処理物に衝突した際に成膜エネルギーに変えられるため、第1粉末2Xに含まれる粒子は、被処理物と結合し、さらに、粒子同士の間にも結合が生じる。その結果、被処理物に対して第1粉末2Xによる緻密な被膜を成膜することができる。同様に、第2粉末容器63内にキャリアーガスを供給すると、被処理物に対して第2粉末3Xによる緻密な被膜を成膜することができる。
なお、上述したAD装置6の構成は、一例であり、本発明に用いられるAD装置は、これに限定されない。
図3〜5は、それぞれ、図1に示すリチウム二次電池100の製造方法を説明するための図である。なお、図3〜5では、説明の便宜上、図2とは上下を逆にして図示し、ステージ67の図示は省略している。
[2−1]まず、ステージ67に集電体1を固定する。
続いて、集電体1に向けて噴射ノズル644から第1粉末2Xを噴射する。噴射された第1粉末2Xは、図3(a)に示すように、集電体1の上面に被膜として成膜され、活物質凝集体26が形成される。
このとき、第1粉末2Xに含まれる粒子と集電体1の上面とが衝突し、成膜エネルギーが生じるため、粒子と集電体1との間が結合する。その結果、活物質凝集体26(活物質成形体2)と集電体1との間の導電性を高めることができる。
また、粒子同士の間にも結合が生じる。これにより、活物質凝集体26内の電荷移動性を高めることができる。
次いで、図3(b)に示すように、マスク7を介して、活物質凝集体26に向けて第1粉末2Xを噴射する。
図3(b)に示すマスク7は、形成すべき活物質凝集体25の平面視形状に対応する領域に開口72を有し、それ以外の領域に遮蔽部71を有している。
このようなマスク7を介して第1粉末2Xを噴射すると、活物質凝集体26の上面には、図3(b)に示すように、第1粉末2Xが堆積し、開口72の形状に対応した平面視形状を有する活物質凝集体25が成膜される。すなわち、第1粉末2Xの成膜領域を自在に選択することができる。そして、成膜時間を適宜調整することにより、図3(c)に示すように、アスペクト比の大きい活物質凝集体25を形成することができる。
この活物質凝集体25においても、第1粉末2Xに含まれる粒子と活物質凝集体26とが衝突し、成膜エネルギーが生じるため、活物質凝集体25と活物質凝集体26との間が結合する。また、熱が発生するため、不要成分が熱分解し、除去される。また、焼結が生じて活物質粒子21同士が互いに連結され、多孔質状かつ柱状に凝集して活物質凝集体25が生成される。
また、粒子同士の間にも結合が生じる。これにより、活物質凝集体25内の導電性を高めることができる。
以上のようにして活物質成形体2が得られる(第1の工程)。
なお、AD法では、粒子に与えられた運動エネルギーが成膜エネルギーに変わることを利用して成膜しているため、成膜と同時に熱処理に相当する熱が付与される。このため、別途行う熱処理を省略することもできるが、必要に応じて、活物質凝集体25の形成後および活物質凝集体26の形成後のいずれか一方または双方のタイミングにおいて、活物質凝集体25または活物質凝集体26に対する熱処理を施すようにしてもよい。これにより、成膜時に除去し切れなかった不要成分がさらに分解、除去される。また、活物質粒子21同士の焼結がさらに進行し、活物質凝集体25や活物質凝集体26の導電性をさらに高めることができる。
このような熱処理は、850℃以上であって、用いるリチウム酸化物の融点未満の処理温度で行うことが好ましい。これにより、活物質粒子21同士を焼結させて一体化された成形体を確実に得ることができる。このような温度範囲で熱処理を行うことにより、導電助剤を添加しなくても、得られる活物質成形体2の抵抗率を好ましくは700Ω/cm以下とすることができる。これにより、得られるリチウム二次電池100は、充分な出力を備えるものとなる。
このとき、処理温度が850℃未満であると、用いるリチウム酸化物の種類によっては、充分に焼結が進行しないばかりか、活物質の結晶内の電子伝導性自体が低下するため、得られるリチウム二次電池100に、所望の出力が得られなくなるおそれがある。
また、処理温度がリチウム酸化物の融点を上回ると、リチウム酸化物の結晶内からリチウムイオンが過剰に揮発し、リチウム酸化物の電子伝導性が低下することに起因して、得られる積層体10の容量が低下するおそれがある。
したがって、適切な出力と容量を得るためには上記処理温度が850℃以上リチウム酸化物の融点未満であることが好ましく、875℃以上1000℃以下であることがより好ましく、900℃以上920℃以下であることがさらに好ましい。
また、第1の工程における熱処理は、5分以上36時間以下行うことが好ましく、4時間以上14時間以下行うことがより好ましい。
上記のような熱処理を施すことで、活物質粒子21内の粒界の成長や、活物質粒子21間の焼結が進行するため、得られる活物質成形体2が形状を保持しやすくなり、アスペクト比の大きい活物質凝集体25が含まれていてもその形状が壊れにくくなる。また、焼結により活物質粒子21間に結合が形成され、活物質粒子21間の電子の移動経路が形成されるため、導電助剤の添加量も抑制できる。
さらに、熱処理は、段階的に温度条件が上昇する多段階で行うようにしてもよい。具体的には、室温で乾燥させた後、室温から300℃まで2時間、350℃まで0.5時間、1000℃まで2時間をかけて昇温させ、その後、さらに8時間で加熱する熱処理が一例として挙げられる。このような条件で昇温することで、例えば第1粉末2X中に形成材料の前駆体が含まれている場合には、まず前駆体の反応を促進させ、次いで、不要成分の除去を、順次行うことができる。
また、熱処理は、一回で行うようにしてもよく、複数回に分けて行うようにしてもよい。このように複数回に分けて熱処理を行うことにより、例えば前駆体の反応と、活物質粒子21同士の焼結とを、それぞれ確実に行うことができる。
[2−2]次いで、図4(a)に示すように、マスク7を介して、活物質成形体2に向けて噴射ノズル645から第2粉末3Xを噴射する。
図4(a)に示すマスク7は、形成すべき電解質凝集体35の平面視形状に対応する領域に開口72を有し、それ以外の領域に遮蔽部71を有している。本実施形態では、活物質凝集体25同士の間隙に開口72を対応させている。
このようなマスク7を介して第2粉末3Xを噴射すると、活物質凝集体25同士の間隙には、図4(a)に示すように、第2粉末3Xが堆積し、電解質凝集体35が成膜される。すなわち、第2粉末3Xの成膜領域を自在に選択することができる。そして、成膜時間を適宜調整することにより、図4(b)に示すように、アスペクト比の大きい電解質凝集体35を形成することができる。
この電解質凝集体35においては、第2粉末3Xに含まれる粒子と活物質凝集体25、26とが衝突し、電解質凝集体35と活物質凝集体25、26との間が結合する。これにより、電解質凝集体35と活物質凝集体25、26との間の電荷移動性を高めることができる。
また、粒子同士の間にも結合が生じる。これにより、電解質凝集体35内の電荷移動性を高めることができる。
次いで、図5(a)に示すように、活物質凝集体25および電解質凝集体35に向けて第2粉末3Xを噴射する。噴射された第2粉末3Xは、図5(b)に示すように、活物質凝集体25および電解質凝集体35の上面に被膜として成膜され、電解質凝集体36が形成される。
このとき、第2粉末3Xに含まれる粒子と、活物質凝集体25および電解質凝集体35とが衝突し、成膜エネルギーが生じるため、電解質凝集体36と活物質凝集体25および電解質凝集体35との間が結合する。これにより、これらの間の電荷移動性を高めることができる。また、熱が発生するため、不要成分が熱分解し、除去される。
また、粒子同士の間にも結合が生じる。これにより、電解質凝集体36の緻密化が図られ、絶縁性の向上が図られる。その結果、集電体1と電極20とが活物質成形体2を介して短絡するのを、より確実に防止することができる。
以上のようにして、固体電解質層3が形成され、活物質成形体2と固体電解質層3とを備える電極複合体4が得られる(第2の工程)。
このような電極複合体4では、形状が高精度に制御された活物質凝集体25および電解質凝集体35を含むことにより、各凝集体の長軸方向の電荷移動度を高めつつ、活物質成形体2と固体電解質層3との接触面積をより広げやすくなる。したがって、AD法によれば、高出力かつ高容量のリチウム二次電池100を実現可能な電極複合体4を形成することができる。
なお、電解質凝集体35の形成後および電解質凝集体36の形成後のいずれか一方または双方のタイミングにおいて、必要に応じて、電解質凝集体35または電解質凝集体36を加熱する処理を施すようにしてもよい。これにより、成膜時に除去し切れなかった不要成分がさらに分解、除去される。また、粒状体31同士の焼結がさらに進行し、電解質凝集体35や電解質凝集体36の電荷移動性をさらに高めることができる。加えて、活物質成形体2と固体電解質層3との接触界面における電荷移動性もさらに高めることができる。
なお、第2の工程後に熱処理を施すようにすれば、活物質成形体2と固体電解質層3とに対して同時に熱処理を施すことができるので、個別に施す場合に比べて作業効率を高めることができる。
固体電解質層3に対する熱処理は、活物質成形体2に対する熱処理よりも低い温度で行う。具体的には、熱処理は、300℃以上800℃以下の温度範囲で行うとよい。この熱処理により、粒状体31同士をより確実に焼結させることができる。
また、このような温度範囲であれば、電気化学的に不活性な副生成物が生じることを抑制することができる。また、無機固体電解質の結晶性が向上し、固体電解質層3のイオン伝導性を向上させることができる。すなわち、AD法における衝撃によって、固体電解質の結晶性が低下した場合でも、熱処理によって結晶性を必要かつ十分に回復させることができる。
加えて、活物質成形体2と固体電解質層3との界面において、焼結する部分が生じ、界面における電荷移動が容易となる。これにより、電極複合体4を用いたリチウム電池の容量や出力が向上する。
また、本実施形態では、AD法により活物質成形体2を得た後、AD法により固体電解質層3を得ているが、この順序は逆であってもよい。すなわち、電極20に向けて第2粉末3Xを噴射し、固体電解質層3を得る第2の工程を行った後、固体電解質層3に向けて第1粉末2Xを噴射し、活物質成形体2を得る第1の工程を行うようにしてもよい。
ただし、一般に、活物質の形成材料は固体電解質の形成材料よりも硬度が高い場合が多い。このため、上記において説明したように、先に活物質成形体2を形成した後、それに向けて第2粉末3Xを噴射して固体電解質層3を形成するという形成順序を採用すれば、活物質成形体2と固体電解質層3との間に良好な接触界面を形成することができ、接触界面における高い電荷移動性を確保することができる。すなわち、相対的に硬度が高い活物質成形体2に向けて相対的に硬度が低い第2粉末3Xが噴射されたとき、第2粉末3Xに含まれる粒子は、一部溶融したり解砕されたりして活物質成形体2の表面に固着し易くなる。さらに、活物質成形体2の細孔内にも固体電解質層3が入り込み易くなる。その結果、活物質成形体2と固体電解質層3との接触界面において、イオンが移動し易くなる。
以上のようにして電極複合体4および積層体10が得られる。なお、任意の部材上に電極複合体4を形成した後、これを剥離し、集電体1に接合して積層体10を製造するようにしてもよい。
続いて、電極複合体4を含む積層体10を用いたリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
[3]次に、積層体10を用いてリチウム二次電池100を形成する。
上述したように積層体10は電池の一方の電極として使用することができる構成物であり、積層体10に含まれる電極複合体4の他面4bに他方の電極構成物を接合することで電池を形成することが可能となる。本実施形態における電池はリチウム二次電池である。上述した工程の後に下記の工程を経ることで、リチウム二次電池100が形成される。
電極複合体4の他面4bを研削・研磨することで、この他面4bを平坦化することができ、他面4bと電極20との密着性を高めることができる。
次いで、電極複合体4の他面4bに、他方の電極構成物である電極20を接合する。
なお、電極20の接合は、別体として形成した電極を電極複合体4の他面4bに接合することによって行ってもよく、電極複合体4の他面4bに上述した電極20の形成材料を成膜し、電極複合体4の他面4bにおいて電極20を形成することとしてもよい。
また、電極20の成膜方法としては、例えば、各種の物理気相成長法(PVD)および化学気相成長法(CVD)が挙げられる。
以上のような工程を経ることで、リチウム二次電池100が製造される。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態とは異なる構造のリチウム二次電池およびその製造方法について説明する。なお、本実施形態を含め以降の実施形態において、第1実施形態における構成要素と同様の構成要素について同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
図6(a)は、第2実施形態におけるリチウム二次電池の縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)の部分拡大図である。
リチウム二次電池100では、活物質成形体2および固体電解質層3の形状が異なる。
すなわち、図6に示す活物質成形体2は、活物質凝集体251と、活物質凝集体253と、活物質凝集体255と、活物質凝集体257と、を含んでいる。
一方、図6に示す固体電解質層3は、電解質凝集体352と、電解質凝集体354と、電解質凝集体356と、電解質凝集体358と、を含んでいる。
このうち、活物質凝集体251(第1層)は、集電体1の上面に設けられている。このような活物質凝集体251は、例えばマスクを用いることなく、前述した第1の工程と同様、第1粉末2Xを用いてAD法によって成膜される。
電解質凝集体352(第2層)は、活物質凝集体251上に重ねて設けられている。また、電解質凝集体352は、その一部が厚さ方向に貫通している欠損部を含んでいる。このような電解質凝集体352は、例えば欠損部に対応する形状の遮蔽部を備えるマスクを用いて、前述した第2の工程と同様、第2粉末3Xを用いてAD法により成膜される。
活物質凝集体253(第3層)は、電解質凝集体352上に重ねて設けられている。また、活物質凝集体253は、その一部が、電解質凝集体352に含まれた欠損部に挿入されている挿入部を含んでいる。これにより、この挿入部は、電解質凝集体352を貫通して活物質凝集体251に接している。さらに、活物質凝集体253は、その一部が厚さ方向に貫通している欠損部を含んでいる。このような活物質凝集体253も、例えば欠損部に対応する形状の遮蔽部を備えるマスクを用いて、前述した第1の工程と同様、第1粉末2Xを用いてAD法により成膜される。なお、活物質凝集体253のうち、挿入部とそれ以外の部位とは、使用するマスクが変えながら複数回に分けて成膜するようにしてもよい。
電解質凝集体356(第2層)は、活物質凝集体253上に重ねて設けられている。このような電解質凝集体356は、電解質凝集体352と同様に構成される。
活物質凝集体255(第3層)は、電解質凝集体356上に重ねて設けられている。このような活物質凝集体255は、活物質凝集体253と同様に構成される。
電解質凝集体358(第2層)は、活物質凝集体255上に重ねて設けられている。このような電解質凝集体358も、電解質凝集体352と同様に構成される。
活物質凝集体257(第3層)は、電解質凝集体358上に重ねて設けられている。このような活物質凝集体257も、活物質凝集体253と同様に構成される。
電解質凝集体354(第4層)は、活物質凝集体257上に重ねて設けられている。また、電解質凝集体354は、その一部が、活物質凝集体257に含まれた欠損部に挿入されている挿入部を含んでいる。これにより、この挿入部は、活物質凝集体257を貫通して電解質凝集体358に接している。このような電解質凝集体354も、前述した第2の工程と同様、第2粉末3Xを用いてAD法により成膜される。
以上のようにして活物質成形体2および固体電解質層3を備える電極複合体4が得られる。
このような電極複合体4では、上述した挿入部以外の部位は、AD法による成膜方向に直交する面と平行に広がる部位である。したがって、本実施形態に係る電極複合体4では、活物質成形体2と固体電解質層3との接触界面の多くが、成膜方向に直交する面と平行になっている。
このようなAD法による成膜方法に直交する面は、AD法における運動エネルギーを効率よく成膜エネルギーに変え得る面である。換言すれば、成膜方向に平行な面では、ノズルから噴射された粉末がその面に衝突しても、粉末が反射され、運動エネルギーが成膜エネルギーに変わり難いのに対し、成膜方向に直交する面では、その面に衝突した粉末の運動が止まり易いため、運動エネルギーを効率よく成膜エネルギーに変えることができる。
したがって、本実施形態のように、活物質成形体2と固体電解質層3との接触界面の多くが、AD法による成膜方向に直交する面と平行になっていることにより、活物質成形体2および固体電解質層3のそれぞれをさらに緻密化することができる。また、高い成膜エネルギーにより、活物質成形体2と固体電解質層3との接触界面において界面インピーダンスをさらに低下させることができる。その結果、電極複合体4のさらなる高出力化および高容量化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る電極複合体4の平面視において、挿入部の面積は、層間の電荷移動性を考慮して適宜設定されるものの、一例として、全面積の0.5%以上40%以下であるのが好ましく、1%以上30%以下であるのがより好ましい。挿入部の面積が上記範囲内であれば、挿入部を介して離れた位置にある活物質凝集体同士の電荷移動性を十分に維持しつつ、前述した接触界面のうち成膜方向に直交する面と平行な領域を十分に確保して、この領域に成膜される活物質や電解質の緻密化を十分に図ることができる。
また、本実施形態に係る活物質成形体2は、第3層に対応する活物質凝集体を複数層(活物質凝集体253、255、257)含んでいるが、少なくとも1層含んでいればよく、層数は限定されないが、一例としては、1層以上10000層以下とされる。
同様に、本実施形態に係る固体電解質層3は、第2層に対応する電解質凝集体を複数層(電解質凝集体352、356、358)含んでいるが、少なくとも1層含んでいればよく、層数は限定されないが、一例としては、1層以上10000層以下とされる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態および第2実施形態とは異なる構造のリチウム二次電池およびその製造方法について説明する。
図7(a)は、第3実施形態におけるリチウム二次電池の縦断面図であり、図7(b)は、図7(a)の部分拡大図である。
図7に示すリチウム二次電池100では、電極複合体4の構成が異なる。
電極複合体4は、活物質成形体2と、固体電解質層3と、固体電解質層3内に残存する空隙に充填された充填層30と、を有している。
この充填層30は、リチウムイオンを伝導し、室温で非晶質(ガラス質、アモルファス)である固体電解質で形成されている。充填層30は、例えばリチウムイオン伝導性を備える、SiまたはBを含むリチウム複酸化物により形成される。具体的には、充填層30は、例えば、Li(LiBO)、Li、LiB、Li、Li2+XX1-X3(Xは、0超1以下の実数を表す。)、Li3BO3、Li2SiO3およびLi6SiO5のうちの少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。これらは、前述した粒状体31の形成材料よりも低融点であるため、粒状体31を維持したまま溶融させることができ、充填層30の形成材料として有用である。
そして、このような充填層30を設けることにより、電極複合体4の機械的強度を高め、長期信頼性を高めるとともに、固体電解質層3の電荷移動を補強することによって電極複合体4全体の電荷移動度を高めることができる。
活物質成形体2における充填層30の含有率は、固体電解質層3内に残存する空隙の量に依存するため、特に限定されないが、1質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、5質量%以上40質量%以下であるのがより好ましい。充填層30の含有率を上記範囲内に設定することにより、リチウム二次電池100の長期信頼性をより高めることができる。
なお、充填層30は、必ずしも空隙の全てを充填している必要はない。
このような充填層30は、例えば、充填層30の流動性を備える前駆体溶液、すなわち、室温で非晶質である固体電解質の前駆体溶液を、残存する空隙に含浸させた後、加熱する方法を用いて形成することもできるが、前述したリチウム二次電池100の製造方法において、第2粉末3Xに、充填層30の形成材料の粉末を混ぜるようにしてもよい。これにより、簡単に充填層30を形成することができる。
すなわち、充填層30の形成材料の粉末を含む第2粉末3Xは、AD法において発生した熱により溶融する。そして、その溶融物は、前述した粒状体31同士の間に残存する空隙に浸透する。その結果、粒状体31同士が3次元的に連結して形成された多孔質内に残存する空隙を、充填層30によって効率よく充填することができる。
なお、充填層30の形成材料の溶融を補うため、AD法に供される集電体1を加熱するようにしてもよい。これにより、第2粉末3Xの運動エネルギーに基づく熱のみでなく、加熱による熱も加わるため、充填層30の形成材料をより溶融させ易くなる。その結果、噴射された第2粉末3Xに含まれる充填層30の形成材料を、溶融させ、粒状体31同士の間に残存する空隙に対して速やかに浸透させることができる。
このときの加熱温度は、特に限定されないが、例えば200℃以上450℃以下に設定される。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜3実施形態とは異なる構造のリチウム二次電池およびその製造方法について説明する。
図8(a)は、第4実施形態におけるリチウム二次電池の縦断面図であり、図8(b)は、図8(a)の部分拡大図である。
図8に示すリチウム二次電池100では、電極複合体4の構成が異なる。
電極複合体4は、活物質粒子21と貴金属粒子22とを含む活物質成形体2と、固体電解質層3とを有している。
貴金属粒子22は粒子状であり、互いに連結する複数の活物質粒子21の表面に付着したり、活物質粒子21同士の間に介在したりする。
これにより、複数の活物質粒子21同士の間における電子の受け渡し、および、活物質粒子21と固体電解質層3との間におけるリチウムイオンの受け渡しに、貴金属粒子22が介在し、これらをより円滑に行うことができるようになる。さらに、複数の活物質粒子21同士の間における電子の受け渡し、および、活物質粒子21と固体電解質層3との間におけるリチウムイオンの受け渡しが、長期に亘って安定的に維持されることとなる。そのため、かかる構成の電極複合体4をリチウム二次電池100に適用することで、リチウム二次電池100は、長期に亘って安定的に、高出力かつ高容量を維持するものとなる。貴金属粒子22は、1000℃以上の融点を有する貴金属を形成材料(構成材料)として含有していることが好ましい。
1000℃以上の融点を有する貴金属としては、特に限定されないが、金(Au;融点1061℃)、白金(Pt;融点1768℃)、パラジウム(Pd;融点1554℃)、ロジウム(Rh;融点1964℃)、イリジウム(Ir;融点2466℃)、ルテニウム(Ru;融点2334℃)、オスミウム(Os;融点3033℃)が挙げられ、これらの金属を単独で用いることもできるし、これら金属の合金を用いるようにしてもよい。これらの中でも、白金およびパラジウムのうちの少なくとも1種であることが好ましい。これらの貴金属は、貴金属の中では比較的安価で取り扱いが容易であるとともに、リチウムイオンおよび電子の伝導性に優れるものである。そのため、貴金属粒子22の構成材料として用いることで、複数の活物質粒子21同士の間における電子の受け渡し、および、活物質粒子21と固体電解質層3との間におけるリチウムイオンの受け渡しを、より円滑に行うことができるようにするとともに、長期に亘ってより安定的に維持することが可能なものとする。
また、貴金属粒子22は、その平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、貴金属粒子22の平均粒径は、活物質粒子21の平均粒径を測定したのと同様の方法を用いて測定することができる。
さらに、活物質成形体2における貴金属粒子22の含有率は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
貴金属粒子22の平均粒径および含有率を、それぞれ、上記範囲内に設定することにより、貴金属粒子22を、より確実に活物質粒子21の表面に付着させたり、活物質粒子21同士の間に介在させたりすることができるようになる。その結果、複数の活物質粒子21同士の間における電子の受け渡し、および、活物質粒子21と固体電解質層3との間におけるリチウムイオンの受け渡しを、より円滑に行うことができるとともに、長期に亘ってより安定的に維持することが可能となる。
このような活物質成形体2は、例えば、前述したリチウム二次電池の製造方法において、第1粉末2Xに、貴金属粒子22を混ぜるようにして製造することができる。
すなわち、第1粉末2Xとして、活物質粒子21と貴金属粒子22とを含む粉末を用いる。そして、かかる第1粉末2Xを用いてAD法を行うことにより、貴金属粒子22を含む活物質成形体2を形成することができる。
以上、本発明の電極複合体の製造方法、電極複合体およびリチウム電池の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の電極複合体の製造方法およびリチウム電池の製造方法には、1または2以上の任意の工程が追加されていてもよい。
また、本発明のリチウム電池の製造方法は、前記各実施形態で説明したリチウム二次電池の製造の他、一次電池の製造にも適用できる。
また、本発明の電極複合体の製造方法で製造される電極複合体は、前述した各実施形態に係る電極複合体の2つ以上の構成を任意に組み合わせた構成を有するものであってもよい。
なお、本発明は、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、広く適用が可能である。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.リチウム二次電池の製造
[実施例1]
<1>まず、第1粉末として、平均粒径1μmのLiCoO(シグマアルドリッチ社製、以下、「LCO」と言うこともある。)粉末を用意するとともに、第2粉末として、平均粒径0.5μmのLi6.8La3Zr1.8Nb0.212(以下、「LLZNb」と言う。)粉末を用意した。そして、これらを図2に示すAD装置にセットした。
<2>次に、集電体としてアルミニウム板を用意し、図2に示すAD装置のステージに固定した。
<3>次に、キャリアーガスとしてヘリウムガスを供給しつつ、AD法により、集電体に向けて第1粉末を噴射し、成膜した。なお、このときの第1粉末の成膜パターンは、図1に示すパターンとした。これにより、活物質成形体を得た。
<4>次に、AD法により、活物質成形体に向けて第2粉末を噴射し、成膜した。なお、このときの第2粉末の成膜パターンも、図1に示すパターンとした。これにより、固体電解質層を得るとともに、電極複合体を得た。得られた電極複合体の厚さは300μmであった。
<5>次に、電極複合体の表面に機械的な研磨を施した。
<6>次に、研磨面に、耐リチウム層、リチウム金属箔および銅箔をこの順で積層してなる電極を圧着した。これにより、リチウム二次電池を得た。なお、耐リチウム層は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)(綜研化学社製)、LiCoO2、エチレンカーボネート(シグマアルドリッチ社製)、および、ジメチルカーボネート(シグマアルドリッチ社製)からなる液状組成物を塗布し、乾固させることによって形成した。
[実施例2]
実施例1において、<3>の工程後、1000℃で8時間加熱する熱処理を追加した。
また、実施例1において、<4>の工程後、700℃で30分間加熱する熱処理を追加した。
以上の変更を行う以外、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例3]
第2粉末として、LLZNb粉末と、平均粒径0.5μmのLiBO粉末と、の混合粉末を用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例4]
第1粉末の成膜パターンおよび第2粉末の成膜パターンを、それぞれ図6に示すパターンに変更した以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例5]
LLZNb粉末に代えて、Li0.35La0.55TiO3粉末を用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[実施例6]
LiBO粉末に代えて、平均粒径0.4μmのLi2.20.80.23粉末を用いるようにした以外は、実施例3と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[比較例1]
<1>まず、粉末状のLiCoO(シグマアルドリッチ社製、以下、「LCO」と言うこともある。)100質量部と、粉末状の造孔材(第1粒子)としてのポリアクリル酸(PAA)(シグマアルドリッチ社製)3質量部とを、乳鉢で擦り潰しながら混合した。
<2>次に、混ぜあわせた粉体80mgを10mmφのダイスに入れ加圧し、円盤状のペレットに成形した。成形したペレットは、LCOの粉体を下に敷いたアルミナるつぼにて、1000℃で8時間熱処理し焼結した。
<3>次に、平均粒径0.5μmのLLZNb粉末を水に分散させ、分散液を調製した。そして、得られた分散液中にペレットを浸漬し、1時間放置した。このとき、ペレットの一方の面は、分散液で覆われるようにした。
<4>次に、分散液からペレットを取り出し、700℃で30分間加熱する熱処理を施した。これにより電極複合体を得た。
<5>次に、電極複合体の両面を機械的に研磨し、一方の面には電極を、他方の面には集電体を貼り付けた。以上のようにしてリチウム二次電池を得た。
[比較例2]
<1>まず、実施例1と同様にしてAD法により活物質成形体を得た。
<2>次に、酢酸リチウムのプロピオン酸溶液と、酢酸ランタン1.5水和物のプロピオン酸溶液と、ジルコニウムブトキシドと、ニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液とを、90℃で30分間加熱しながら撹拌した。その後、室温まで徐冷し、LLZNbの前駆体溶液を得た。なお、前駆体溶液の調製にあたっては、LLZNbの組成式にしたがって組成比で各元素の原子が含まれるように、原料を秤量した。
<3>次に、この前駆体溶液を活物質成形体に含浸させ、60℃で乾燥後、さらに200℃に加熱して、活物質成形体にLLZNbの前駆体を被着させた。その後、全体を700℃で加熱し焼成して固体電解質層を形成するとともに、電極複合体を得た。
<4>次に、電極複合体の両面を機械的に研磨し、一方の面には電極を、他方の面には集電体を貼り付けた。以上のようにしてリチウム二次電池を得た。
2.リチウム二次電池の評価
各実施例および各比較例のリチウム二次電池について、それぞれ、以下に示すような充放電特性の評価を行った。
充放電特性は、マルチチャネル充放電評価装置(北斗電工社製、HJ1001SD8)を使用して測定した。測定は、電流密度0.1mA/cm、充電上限電圧4.2Vの定電流−定電圧、放電下限電圧3.0Vの定電流駆動の条件で行った。
その結果、各実施例のリチウム二次電池は、各比較例のリチウム二次電池と比較して、良好な充放電特性を示した。
また、各実施例では、容量および出力が大きいことが認められた。
特に、実施例1〜4、6で得られたリチウム二次電池は、上記の特性が良好であり、とりわけ、実施例3、4、6で得られたリチウム二次電池は、その傾向が顕著であった。
1 集電体
2 活物質成形体
2X 第1粉末
3 固体電解質層
3X 第2粉末
4 電極複合体
4a 一面
4b 他面
6 エアロゾルデポジション装置(AD装置)
7 マスク
10 積層体
20 電極
21 活物質粒子
22 貴金属粒子
25 活物質凝集体
26 活物質凝集体
30 充填層
31 粒状体
32 短絡防止層
35 電解質凝集体
36 電解質凝集体
61 ガス貯留部
62 第1粉末容器
63 第2粉末容器
66 成膜チャンバー
67 ステージ
68 真空ポンプ
71 遮蔽部
72 開口
100 リチウム二次電池
251 活物質凝集体
253 活物質凝集体
255 活物質凝集体
257 活物質凝集体
352 電解質凝集体
354 電解質凝集体
356 電解質凝集体
358 電解質凝集体
641 ガス配管
642 粉末配管
643 粉末配管
644 噴射ノズル
645 噴射ノズル
651 マスフロー制御部
652 マスフロー制御部

Claims (9)

  1. 活物質成形体と、前記活物質成形体に接する固体電解質層と、を備える電極複合体を製造する方法であって、
    活物質の形成材料を含む第1粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記活物質成形体を得る第1の工程と、
    電解質の形成材料を含む第2粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記固体電解質層を得る第2の工程と、
    を含むことを特徴とする電極複合体の製造方法。
  2. 前記第1の工程または前記第2の工程は、マスクを用いて成膜する領域を選択して行う請求項1に記載の電極複合体の製造方法。
  3. 前記活物質成形体は、前記エアロゾルデポジション法による成膜方向の長さが、前記成膜方向に直交する長さよりも長い形状の部位を複数含んでいる請求項1または2に記載の電極複合体の製造方法。
  4. 前記部位は、前記膜厚方向に軸を有する柱状をなしている請求項3に記載の電極複合体の製造方法。
  5. 前記第1の工程により前記活物質成形体である第1層を形成し、
    前記第2の工程により前記固体電解質層である第2層を、前記第1層に重ねて形成し、
    前記第1の工程により前記活物質成形体である第3層を、前記第2層に重ねて、かつ、前記第2層の一部を貫通し前記第1層に接するように形成し、
    前記第2の工程により前記固体電解質層である第4層を、前記第3層に重ねて、かつ、前記第3層の一部を貫通し前記第2層に接するように形成する請求項1または2に記載の電極複合体の製造方法。
  6. 前記第2の工程において、前記活物質成形体に向けて前記第2粉末を噴射し、前記固体電解質層を得る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電極複合体の製造方法。
  7. 前記活物質の形成材料は、リチウム複酸化物を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電極複合体の製造方法。
  8. 活物質の形成材料を含む第1粉末をエアロゾルデポジション法により成膜して形成された活物質成形体と、
    電解質の形成材料を含む第2粉末をエアロゾルデポジション法により成膜して形成され、前記活物質成形体に接する固体電解質層と、
    を備えることを特徴とする電極複合体。
  9. 集電体と、集電体に接する活物質成形体と、前記活物質成形体に接する固体電解質層と、前記固体電解質層に接する電極構成物と、を備えるリチウム電池を製造する方法であって、
    前記集電体の一方の面に、前記活物質の形成材料を含む第1粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記活物質成形体を得る第1の工程と、
    前記活物質成形体に向けて、前記電解質の形成材料を含む第2粉末をエアロゾルデポジション法により成膜し、前記固体電解質層を得る第2の工程と、
    前記電極構成物を設ける第3の工程と、
    を含むことを特徴とするリチウム電池の製造方法。
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