JP2017142885A - 電極複合体の製造方法、リチウムイオン電池の製造方法、電極複合体、リチウムイオン電池 - Google Patents

電極複合体の製造方法、リチウムイオン電池の製造方法、電極複合体、リチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的な製造が可能であって優れたイオン伝導性を有する電極複合体とその製造方法を提供すること。【解決手段】電極複合体の製造方法は、リチウム複合金属化合物と、結着剤とを含む混合物を加圧成形して成形前駆体を形成する第1の工程と、成形前駆体を結着剤が分解・焼失する第1の温度で加熱して多孔質な成形体を形成する第2の工程としてのバインダー除去工程と、成形体と第1固体電解質とを接触させた状態にて、第1固体電解質が溶融する第2の温度で加熱し、溶融した第1固体電解質を成形体の内部の空隙に充填して、成形体と第1固体電解質とを複合化する第3の工程としての第1固体電解質溶融・充填工程と、を備えた。【選択図】図4

Description

本発明は、電極複合体の製造方法、リチウムイオン電池の製造方法、電極複合体、リチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池の電極として用いられる電極複合体の製造方法として、例えば、特許文献1には、リチウム複合酸化物を含む多孔質な活物質成形体の複数の空隙に第1固体電解質を形成する工程と、第1固体電解質が形成された活物質成形体に、リチウムイオンを伝導する非晶質の第2固体電解質の前駆体溶液を含浸させ、熱処理を施すことによって、上記複数の空隙に第2固体電解質を形成する工程と、を含む電極複合体の製造方法が開示されている。
このようにして製造された電極複合体を用いれば、活物質成形体の複数の空隙を第1固体電解質と第2固体電解質とにより充填して、十分な出力が得られ、大容量化が可能なリチウムイオン電池を得ることができるとしている。
特開2015−144061号公報
上記特許文献1の電極複合体の製造方法によれば、多孔質な活物質成形体の複数の空隙に第1固体電解質を形成する工程もまた、第2固体電解質を形成する場合と同様に、第1固体電解質の前駆体溶液を活物質成形体に浸み込ませるとしている。つまり、2種の前駆体溶液を用いて、それぞれ活物質成形体に含浸させてから熱処理を施して、複数の空隙に第1固体電解質と第2固体電解質とを順に形成している。
したがって、前駆体溶液を活物質成形体に含浸させるにあたり、個々の活物質成形体における空隙率を考慮して、それぞれの前駆体溶液の量を調整する必要がある。換言すれば、個々の活物質成形体の空隙率を予め求める手間が掛かるという課題がある。また、個々の活物質成形体の空隙率にばらつきがあると、用意した前駆体溶液が無駄になるおそれがある。
さらに、前駆体溶液を活物質成形体に含浸させた後に熱処理(焼成)するため、熱処理(焼成)を繰り返すと、電極複合体に熱履歴が残る。高温で長時間熱処理を行うと活物質成形体あるいは固体電解質からリチウムが離脱して組成変化が生じ、電極複合体におけるイオン伝導性に影響が出るおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る電極複合体の製造方法は、リチウム複合金属化合物と、結着剤とを含む混合物を加圧成形して成形前駆体を形成する第1の工程と、前記成形前駆体を前記結着剤が分解・焼失する第1の温度で加熱して多孔質な成形体を形成する第2の工程と、前記成形体と第1固体電解質とを接触させた状態にて、前記第1固体電解質が溶融する第2の温度で加熱し、溶融した前記第1固体電解質を前記成形体の内部の空隙に充填して、前記成形体と前記第1固体電解質とを複合化する第3の工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、リチウム複合金属化合物を含む多孔質な成形体の空隙に、溶融させた第1固体電解質を充填するので、予め個々の成形体における空隙率を求めなくてもよい。また、成形体の空隙に第1固体電解質を十分に充填するために、成形体に対して第1固体電解質を含む前駆体溶液の充填、乾燥、焼成を繰り返す場合に比べて、熱処理の回数を低減して成形体の空隙に容易に第1固体電解質を充填することができる。すなわち、従来に比べて高い生産性を実現可能であると共に、熱処理に起因するイオン伝導性の低下が生じ難い電極複合体の製造方法を提供することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記混合物は、前記第1固体電解質よりもイオン伝導性が優れた第2固体電解質をさらに含むことが好ましい。
この方法によれば、イオン伝導性に優れ電池容量を増やすことが可能な電極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記第2の工程では、前記成形前駆体と前記第1固体電解質とを接触させた状態にて、前記第1の温度で加熱することが好ましい。
この方法によれば、多孔質な成形体を形成する第2の工程と、多孔質な成形体の空隙に溶融した第1固体電解質を充填する第3の工程とを連続的に行うことができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記第2の工程では、前記第1固体電解質に前記成形前駆体を載置して、前記第1の温度で加熱することが好ましい。
この方法によれば、第2の工程と第3の工程とを連続して行えば、成形前駆体の下方から溶融した第1固体電解質が成形体の空隙に充填される。したがって、成形前駆体の上方の面に第1固体電解質の融液が溢れることがないので、第3の工程の後に、電極複合体における活物質であるリチウム複合金属化合物に電気的に接する集電体を容易に形成し易い。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記第1の温度が、100℃以上500℃以下であることが好ましい。
この方法によれば、第1の温度による熱処理によって成形前駆体からリチウムが離脱することを防ぐことができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記第2の温度が、650℃以上750℃以下であることが好ましい。
この方法によれば、第2の温度による熱処理によって成形体からリチウムが離脱することを低減することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記リチウム複合金属化合物が、Li、Coを含む酸化物であり、前記第1固体電解質が、Li、C、Bを含む酸化物であることを特徴とする。
この方法によれば、Li、Coを含む酸化物と、Li、C、Bを含む酸化物の融液とが接することに伴うLiの離脱を抑制して、イオン伝導性を確保し電池容量を増やすことが可能な電極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記リチウム複合金属化合物が、Li、Coを含む酸化物であり、前記第1固体電解質が、Li、C、Bを含む酸化物であり、前記第2固体電解質が、Li、La、Zr、Nbを含む酸化物であることが好ましい。
この方法によれば、Li、Coを含む酸化物やLi、La、Zr、Nbを含む酸化物と、Li、C、Bを含む酸化物の融液とが接することに伴うLiの離脱や副生成物の生成を抑制して、優れたイオン伝導性を有し電池容量を増やすことが可能な電極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記混合物は、電子伝導性の導電材をさらに含むとしてもよい。
この方法によれば、電子伝導性が向上し電気抵抗が小さい電極複合体を製造することができる。つまり、電池における充放電において内部抵抗による損失が少ない電極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、前記第3の工程の後に、前記成形体と前記第1固体電解質との複合化物を加圧する第4の工程をさらに備えることが好ましい。
この方法によれば、電極複合体におけるリチウム複合金属化合物同士の接触をより確実なものとして、導電材を含まなくても電子伝導性を確保できる。
[適用例]本適用例に係るリチウムイオン電池の製造方法は、上記適用例に記載の電極複合体の製造方法を用いて形成された前記電極複合体の一方の表面に、耐リチウム還元層を形成する第5の工程と、前記耐リチウム還元層にリチウム金属層を形成する第6の工程と、前記電極複合体と前記リチウム金属層とのうち少なくとも一方に集電体を形成する第7の工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、電極複合体を正極とし、リチウム金属層を負極として、イオン伝導性と電子伝導性とを備え、電池容量が大きいリチウムイオン電池を製造することができる。
上記適用例に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、前記第7の工程は、前記第3の工程の前に、前記成形体の他方の表面に、前記集電体としての金属箔を貼り付ける貼付工程を含むことが好ましい。
上記適用例に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、前記第7の工程は、前記第3の工程の後に、前記電極複合体の他方の表面に表面処理を施して、前記リチウム複合金属化合物を露出させる表面処理工程を含み、表面処理が施された前記他方の表面に前記集電体を形成するとしてもよい。
これらの方法によれば、成形体における活物質としてのリチウム複合金属化合物と集電体としての金属箔との電気的な接触を確保し、充放電において内部抵抗による損失が抑えられたリチウムイオン電池を製造することができる。
[適用例]本適用例に係る電極複合体は、リチウム複合金属化合物と、第1固体電解質と、前記第1固体電解質よりもイオン伝導性が優れた第2固体電解質と、前記リチウム複合金属化合物と前記第2固体電解質との反応による副生成物と、を含み、前記第2固体電解質の結晶面におけるX線回折のピーク積分強度に対する前記副生成物の結晶面におけるX線回折のピーク積分強度の比が、0.04以下であることを特徴とする。
本適用例によれば、リチウム複合金属化合物と第2固体電解質との反応による副生成物の生成が抑えられ、優れたイオン伝導性を有し電池容量を増やすことが可能な電極複合体を提供することができる。
上記適用例に記載の電極複合体において、前記リチウム複合金属化合物と、前記第2固体電解質とにより多孔質な成形体を成し、前記成形体の空隙に、前記第1固体電解質が充填されていることが好ましい。
この構成によれば、活物質としてのリチウム複合金属化合物と第1固体電解質との接触面積が増え、電池容量を増やすことが可能な電極複合体を提供することができる。
上記適用例に記載の電極複合体において、前記リチウム複合金属化合物が、Li、Coを含む酸化物であり、前記第2固体電解質が、Li、La、Zr、Nbを含む酸化物であり、前記副生成物が、Li、La、Coを含む酸化物であって、前記第2固体電解質の前記結晶面が(211)であり、前記副生成物の前記結晶面が(101)であることが好ましい。
この構成によれば、リチウム複合金属化合物や第1固体電解質に係るX線回折のピークの影響を受け難くして、副生成物の生成状態を特定できる。
[適用例]本適用例に係るリチウムイオン電池は、上記適用例に記載の電極複合体と、前記電極複合体の一方の面に設けられた耐チリウム還元層と、前記耐リチウム還元層に設けられたリチウム金属層と、前記電極複合体と前記リチウム金属層とのうち少なくとも一方に設けられた集電体と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、電極複合体を正極及び固体電解質とし、リチウム金属層を負極として、イオン伝導性と電子伝導性とを備え、電池容量が大きいリチウムイオン電池を提供することができる。
コイン型電池を示す概略斜視図。 コイン型電池の構造を示す概略断面図。 第1実施形態のリチウムイオン電池の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示すフローチャート。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 焼成温度別サンプル用ペレットのX線回折における回折角(2θ)と回折強度との関係を示すグラフ。 図11のグラフのうちLLZrNbOの結晶面(211)における回折角(2θ)とX線回折強度との関係を示すグラフ。 図11のグラフのうちLLCOの結晶面(101)における回折角(2θ)とX線回折強度との関係を示すグラフ。 LLZrNbOに対するLLCOのピーク積分強度比と焼成温度との関係を示すグラフ。 第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャート。 第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す概略断面図。 第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態のリチウムイオン電池の構成を示す概略断面図。 第2実施形態の電極複合体の製造方法を示すフローチャート。 第2実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
まず、本実施形態の電極複合体が適用されたリチウムイオン電池として、コイン型電池を例に挙げ、図1及び図2を参照して説明する。図1はコイン型電池を示す概略斜視図、図2はコイン型電池の構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態のコイン型電池100は、厚みが外径よりも小さい円盤状であって、正極端子(+)として機能するステンレスなどからなるケース101と、絶縁体103を介してケース101に収容され、負極端子(−)として機能する同じくステンレスなどからなる蓋部102とを含んで構成されている。
図2に示すように、コイン型電池100のケース101の内部には、リチウムイオン電池110が8個収納されている。8個のリチウムイオン電池110は、ケース101と蓋部102との間において、電気的に並列に接続されている。
具体的には、円筒状のケース101内に、正極側を下方に向けたリチウムイオン電池110aと、負極側を下方に向けたリチウムイオン電池110bとが交互に合計8個収容されている。リチウムイオン電池110aと、その上方に収容されたリチウムイオン電池110bとの間に負極連結部105が挿入されている。また、リチウムイオン電池110bと、その上方に収容されたリチウムイオン電池110aとの間に正極連結部104が挿入されている。換言すれば、正極連結部104、リチウムイオン電池110a、負極連結部105、リチウムイオン電池110b、正極連結部104の順に積層されて、合計8個のリチウムイオン電池110が電気的に並列に接続されている。
正極連結部104の下方の端部が正極端子(+)として機能するケース101に接続されている。負極連結部105の上方の端部が負極端子(−)として機能する蓋部102に接続されている。蓋部102もまた円筒状であって、8個のリチウムイオン電池110と、正極連結部104と、負極連結部105とを内包して密閉するように絶縁体103を介してケース101に収められている。
リチウムイオン電池110の平面形状は、円形であって、その大きさは、例えばφ3mm〜φ30mmである。リチウムイオン電池110の厚みは、例えば100μm〜150μm(マイクロメートル)である。
コイン型電池100の構成は、これに限定されるものではなく、ケース101に収容されるリチウムイオン電池110の数や、接続の方法は、任意に設定できる。例えば、リチウムイオン電池110の収納方法を変えてケース101を負極端子(−)とし、蓋部102を正極端子(+)として機能するように構成してもよい。
<リチウムイオン電池>
次に、本実施形態におけるリチウムイオン電池110の構造について、図3を参照して説明する。図3は第1実施形態のリチウムイオン電池の構造を示す概略断面図である。
図3に示すように、本実施形態のリチウムイオン電池110は、電極複合体111と、電極複合体111に積層された耐リチウム還元層116及びリチウム金属層117とを有している。また、電極複合体111に接する集電体118と、リチウム金属層117に接する集電体119とを有している。電極複合体111が正極及び電解質として機能し、リチウム金属層117が負極として機能するものである。
電極複合体111は、正極活物質112と、第1固体電解質113と、第2固体電解質114と、導電材115とが複合化されたものである。以降、リチウムイオン電池110の各構成について、具体的に説明する。
電極複合体111における正極活物質112は、リチウムを含む2種以上の金属が含まれるリチウム複合金属化合物であって、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などのリチウム複合酸化物が挙げられる。また、リチウム複合酸化物以外にも、LiFeF3などのリチウム複合フッ化物を用いてもよい。さらに、これらのリチウム複合金属化合物の一部の原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換されたものも含まれる。また、これらのリチウム複合金属化合物の固溶体を正極活物質112として用いてもよい。
本実施形態では、正極活物質112は所定の粒径範囲内の粒子状であって、複数の粒子が寄り集まって多孔質な成形体112Pを成しており、成形体112Pの内部に空隙を有している。当該空隙をなす正極活物質112の表面に、同じく粒子状の第2固体電解質114と導電材115とが接した状態となっている。言い換えれば、成形体112Pは、正極活物質112と、第2固体電解質114と、導電材115とを含むものである。なお、図3では、粒子状である、正極活物質112、第2固体電解質114、導電材115の断面形状を円形として表しているが、実際には、それぞれに固有の形状及び大きさを有するものである。
電極複合体111における第1固体電解質113は、リチウムイオンを伝導し、室温で非晶質(ガラス質、アモルファス)である材料が好ましく、例えば、Li3BO3、Li3BO3−Li4SiO4、Li3BO3−Li3PO4、Li3BO3−Li2SO4、Li2CO3−Li3BO3などのLi、Bを含むリチウム複合酸化物が挙げられる。
Li3BO3のイオン伝導率は、およそ6.0×10-8S/cmであり、融点はおよそ800℃である。Li3BO3−Li4SiO4のイオン伝導率は、およそ4.0×10-6S/cmであり、融点はおよそ720℃である。Li3BO3−Li3PO4のイオン伝導率は、およそ1.0×10-7S/cmであり、融点はおよそ850℃である。Li3BO3−Li2SO4のイオン伝導率は、およそ1.0×10-6S/cmであり、融点はおよそ700℃である。Li2CO3−Li3BO3系であるLi2.20.80.23(以降、簡略化してLCBOと称す)のイオン伝導率は、およそ8.0×10-7S/cmであり、融点は685℃である。
電極複合体111における第2固体電解質114は、例えば、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、または窒化物が用いられる。具体的には、第2固体電解質114として、SiO2−P25−Li2O、SiO2−P25−LiCl、Li2O−LiCl−B23、Li3.40.6Si0.44、Li14ZnGe416、Li3.60.4Ge0.64、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li2.88PO3.730.14、LiNbO3、Li0.35La0.55TiO3、Li7La3Zr212、Li6.75La3Zr1.75Nb0.2512、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−P25、LiPON、Li3N、LiI、LiI−CaI2、LiI−CaO、LiAlCl4、LiAlF4、LiI−Al23、LiFAl23、LiBr−Al23、Li2O−TiO2、La23−Li2O−TiO2、Li3N、Li3NI2、Li3N−LiI−LiOH、Li3N−LiCl、Li6NBr3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li3PO4−Li4SiO4、LiSiO4−Li4ZrO4、LiBH4、Li7-xPS6-xClx、Li10GeP212のうち少なくとも1つが用いられる。第2固体電解質114は、結晶質であっても非晶質(アモルファス)であってもよい。また、これらの組成物の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体が、第2固体電解質114として用いられてもよい。
リチウムイオン電池110の容量を大きくする観点から、第2固体電解質114のイオン伝導率は、1.0×10-5S/cm以上であることが好ましい。イオン伝導率が低いとリチウム金属層(負極)117近傍の正極活物質112しか電池反応に寄与せず第2固体電解質114のイオンを有効利用できず、リチウムイオン電池110の容量も大きくならない。イオン伝導率が高くなると、リチウム金属層(負極)117から離れた位置の正極活物質112に含まれるイオンも、第1固体電解質113、第2固体電解質114及び耐リチウム還元層116を通ってリチウム金属層(負極)117に達し、電池反応に寄与することができる。すなわち、イオン伝導率が第1固体電解質113よりも高い第2固体電解質114を含むことによって電極複合体111における正極活物質112の利用率を向上させ、リチウムイオン電池110の容量を大きくすることができる。
ここで、固体電解質のイオン伝導率とは、無機電解質自身の伝導率であるバルク伝導率と、無機電解質が結晶質である場合における結晶の粒子間の伝導率である粒界イオン伝導率との総和である総イオン伝導率のことをいう。
固体電解質のイオン伝導率は、例えば、交流インピーダンス法により測定される。測定は、例えば、所定の形状(例えば錠剤型)に成形した固体電解質の両面に電極を形成した試料を用いて行われる。より具体的には、固体電解質粉末を624MPaで錠剤型にプレス成型する。プレス成形体を大気雰囲気下700℃で8時間焼結する。焼結体に所定の形状(例えば直径0.5cmの円で、厚さ100nm)の金属(例えばプラチナ)をスパッタリングにより形成する。測定は、例えば、インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製SI1260)を用いて行われる。
導電材115は、電極複合体111における電荷の伝導性を向上させる目的で含まれるものであって、例えば、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)などの金属や、酸化亜鉛やインジウムスズ酸化物(ITO)などの金属酸化物を挙げることができる。また、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの炭素系素材や、ポリアクリル酸などの導電性の有機化合物を用いてもよい。
電極複合体111の厚さは、リチウムイオン電池110の容量に応じて設計される。電極複合体111の厚さは、例えば、80μm〜300μmであり、100μm以上であることが好ましい。
電極複合体111とリチウム金属層117との間に、正極活物質112及び第2固体電解質114並びに導電材115を含まない領域が設けられている。当該領域が耐リチウム還元層116である。耐リチウム還元層116は、基本的に第1固体電解質113と同じ材料が用いられる。このように正極活物質112を含まない耐リチウム還元層116を設けることにより、負極として機能するリチウム金属層117と正極活物質112を含む電極複合体111とが短絡することを防ぐことができる。
集電体118,119は、電池反応により生成された電流を取り出すための電極である。集電体118は、電極複合体111のうちとりわけ正極活物質112に接するように配置されている。集電体119は、リチウム金属層117に接するように配置されている。
集電体118,119としては、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の単体金属、またはこの群から選ばれる2種以上の金属を含む合金やITO、ATO、FTOなど導電性金属酸化物、TiN、ZrN、TaNなどの金属窒化物などを用いて形成される。集電体118,119の形状は、例えば、板状、箔状、または網状である。集電体118,119の表面は、平滑であってもよく、凹凸が形成されていてもよい。
上述したように、正極活物質112を含む成形体112Pは、多孔質であり、内部に複数の空隙(細孔)を有する。これらの空隙は、成形体112Pの内部で連通している。
成形体112Pの空隙率は、10%以上70%以下であることが好ましく、30%以上70%以下であることがより好ましい。空隙率を制御して成形体112Pと第1固体電解質113及び第2固体電解質114との接触面積を大きくすることにより、リチウムイオン電池110の容量をより高くすることができる。
空隙率rvは、次式(1)により求めることができる。
Figure 2017142885
ここで、Vgは成形体112Pの見かけ上の体積を示す。見かけ上の体積は成形体112Pの外形寸法から計算されるものであり、空隙を含んでいる。mは成形体112Pの質量を、ρは成形体112Pを構成する正極活物質112の密度を、それぞれ示している。詳しくは後述するが、成形体112Pの空隙率rvは、成形体112Pを形成する工程において制御することができる。
リチウムイオン電池110の出力を大きくする観点から、成形体112Pの抵抗率は、700Ωcm以下であることが好ましい。抵抗率は、例えば、直流分極測定により得られる。直流分極測定においては、例えば、成形体112Pの表面に銅箔を貼り付け、この銅箔を電極として用いる。
成形体112Pの空隙内には、第1固体電解質113が充填されて正極活物質112や第2固体電解質114及び導電材115と接している。成形体112Pの空隙に対する、第1固体電解質113の充填率は高い方が好ましいが、例えば60%以上99.9%以下である。
成形体112Pにおいて、複数の空隙が内部で網目状に連通している。例えば、正極活物質112の一例であるLiCoO2は、結晶の電子伝導性に異方性があることが知られている。そのため、空隙が特定方向に延びている場合には、空隙が延びている方向と結晶方位との関係によっては、電子伝導し難い状態になってしまうことがある。本実施形態では、成形体112Pの空隙が網目状に連通しており、正極活物質112も等方的につながっている。したがって、電気化学的に滑らかな正極活物質112の連続表面を形成することができ、空隙が異方的に形成されている場合と比較して良好な電子伝導を得ることができる。
また、成形体112Pは内部に多数の空隙を有していることから、表面積が大きくなっている。そのため、成形体112Pと第1固体電解質113との接触面積が大きくなり、界面インピーダンスを低減させることができる。なお、電極複合体111においては、集電体118と成形体112Pとの接触面積よりも、成形体112Pと第1固体電解質113との接触面積の方が大きい。集電体118と成形体112Pとの界面のほうが、成形体112Pと第1固体電解質113との界面よりも電荷移動が容易であるため、これらの接触面積が同程度であると、成形体112Pと第1固体電解質113との界面が電荷移動のボトルネックとなってしまう。本実施形態では、成形体112Pと第1固体電解質113との接触面積の方が大きいので、このボトルネックを解消し易い。
<電極複合体の製造方法>
次に、本実施形態の電極複合体の製造方法について、図4〜図10を参照して説明する。図4は第1実施形態の電極複合体の製造方法を示すフローチャート、図5〜図10は第1実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図である。
図4に示すように、本実施形態の電極複合体の製造方法は、成形前駆体形成工程(ステップS1)と、集電体貼付工程(ステップS2)と、外形加工工程(ステップS3)と、第1固体電解質の混合物塗布工程(ステップS4)と、バインダー除去工程(ステップS5)と、第1固体電解質溶融・充填工程(ステップS6)と、冷却工程(ステップS7)とを備えている。
ステップS1の成形前駆体形成工程では、正極活物質112と、第2固体電解質114と、導電材115と、バインダー(結着剤)120とを含む成形前駆体121を形成する。具体的には、まず、粒子状(粉体)の正極活物質112を準備する。本実施形態では、正極活物質112として粒子状のLiCoO2(以降、簡略化してLCOと称す)を用いた。正極活物質112の平均粒径(D50)は、例えば、300nm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。平均粒径は、例えば、正極活物質112の粒子をn−オクタノールに0.1質量%〜10質量%の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX250)を用いて測定する。平均粒径が小さすぎると空隙が小さくなり、この後の工程において、第1固体電解質113を充填し難くなる。一方で平均粒径が大きすぎると成形体112Pの比表面積が小さくなり、リチウムイオン電池110の出力が低くなってしまう。なお、LCOの融点は1000℃以上である。
次に、粒子状(粉体)の第2固体電解質114を準備する。本実施形態では、第2固体電解質114としてLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512(以降、簡略化してLLZrNbOと称す)を用いた。LLZrNbOの平均粒径(D50)は、例えば300nm〜20μmである。なお、LLZrNbOの融点はおよそ1000℃〜1100℃である。
次に、粒子状(粉体)の導電材115を準備する。本実施形態では、導電材115としてパラジウム(Pd)を用いた。パラジウム(Pd)の平均粒径(D50)は、例えば0.5μm〜1.0μmである。なお、Pdの融点はおよそ1555℃である。
次に、バインダー120を準備する。本実施形態では、バインダー120として、ポリプロピレンカーボネート(PPC)を用いた。PPCの軟化開始点はおよそ10℃、分解開始温度はおよそ200℃である。
そして、これらの構成物と溶媒とを混ぜ合わせてペースト状とし、基材10に塗布して乾燥することにより、図5に示すように基材10上に成形前駆体121を形成した。成形前駆体121における正極活物質112、第2固体電解質114、導電材115、バインダー120の混合割合(体積比)は、例えば、LCO:LLZrNb:Pd:PPC=1:0.5:0.05:0.5である。なお、本実施形態では、溶媒として炭酸ジエチルを用い、ペーストが塗布された基材10を140℃で2時間加熱することによりペーストを乾燥させた。また、乾燥後の厚みが0.1mm〜0.15mmとなるように基材10に上記ペーストを塗布した。基材10は例えばガラス基板やステンレスなどの鋼板を用いることができる。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2の集電体貼付工程では、図5に示した成形前駆体121に厚みが例えば1μm〜20μmのAu箔を加圧しながら貼り合わせた。Au箔のラミネート条件は、圧力が例えば0.1MPa〜1.0MPa(メガパスカル)、加熱温度が60℃〜110℃、加熱時間が0.5分〜5分である。なお、加熱しながらラミネートしてもよいし、ラミネートしてから加熱してもよい。ラミネート後に基材10を剥離して、図6に示すように、Au箔の集電体118と成形前駆体121とが積層されたシートを得た。そして、ステップS3へ進む。なお、本実施形態では、ステップS1とステップS2とを含む工程が、本発明の第1の工程の一例である。
ステップS3の外形加工工程では、図6に示したシートを例えばピナクルダイなどの抜型を用いて抜き加工して、図7に示すように例えば直径がφ3mm〜30mmの円盤状の加工体を得た。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4の第1固体電解質の混合物塗布工程では、まず、粒子状(粉体)の第1固体電解質113を準備する。本実施形態では、第1固体電解質113として平均粒径が例えば500nm〜1.0μmのLCBOを用いた。そして、粒子状(粉体)のLCBOと、バインダーとしてのPPCと、溶媒としての炭酸ジエチルとを混ぜ合わせて混合物113Mとし、図8に示すように、ステップS3で得られた加工体の成形前駆体121上に塗布した。混合物113Mにおける第1固体電解質113、PPC、溶媒の混合割合(体積比)は、例えば、LCBO:PPC;炭酸ジエチル=1:1:2〜5である。混合物113Mは、溶媒の割合が多いことから粘度が低く、必要量の混合物113Mを例えばディスペンサー(定量吐出器)を用いて成形前駆体121上に吐出した。この場合の必要量とは、後述する成形体112Pの空隙を第1固体電解質113で満たすことが可能な程度の量である。なお、炭酸ジエチルの沸点はおよそ127℃である。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5のバインダー除去工程では、まず、開放系の雰囲気下において、図8に示した混合物113Mが塗布された上記加工体を140℃で2時間加熱することにより、混合物113Mから溶媒(炭酸ジエチル)を除去した。続いて、300℃で8時間加熱する焼成を行うことにより、混合物113M及び成形前駆体121に含まれるバインダー(PPC)を分解・焼失させて除去した。これにより、図9に示すように、成形前駆体121からバインダー(PPC)を除くことで空隙が生じ、正極活物質112に、第2固体電解質114及び導電材115が接した状態の成形体112Pが得られる。また、混合物113Mからバインダー(PPC)が除かれて、成形体112P上に第1固体電解質113からなる固形物が得られた。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6の第1固体電解質溶融・充填工程では、図9に示された第1固体電解質113からなる固形物が形成された成形体112Pを、閉鎖系の雰囲気下において700℃で1時間加熱する。本実施形態では、第1固体電解質113として融点が685℃のLCBOを用いていることから、700℃の加熱により固形物が溶融して成形体112Pに毛細管現象により浸み込んで行く。これにより、成形体112Pの空隙は溶融したLCBOで満たされる。本実施形態において、ステップS5とステップS6とは連続して行われる。
なお、700℃でLCBOを溶融させたときに、LCBOと水分とが反応してリチウム水酸化物(LiOH)が生成されてLCBOからリチウム(Li)が離脱したり、あるいは加熱によりLCBOから炭素(C)が離脱したりして、第1固体電解質113におけるイオン伝導率が低下するおそれがある。そこで、上述した閉鎖系の雰囲気を、炭酸(CO2)ガスを含む乾燥した気体とすることで、リチウム(Li)や炭素(C)の離脱を抑制することができる。
また、詳しくは後述するが、成形体112Pの空隙に第1固体電解質113を溶融・充填させるために加熱したときに、成形体112Pに含まれる正極活物質112としてのLCOと第2固体電解質114としてのLLZrNbOとが反応して副生成物が生じ、電極複合体111におけるイオン伝導率を低下させるおそれがある。したがって、加熱温度はできるだけ低いことが好ましい。言い換えれば、第1固体電解質113として融点が低い材料を選択することが好ましい。そして、ステップS7へ進む。
ステップS7の冷却工程では、溶融した第1固体電解質113が空隙に充填された成形体112Pを冷却する。これにより、図10に示すように、集電体118に接した多孔質な正極活物質112と、正極活物質112に接した第2固体電解質114及び導電材115と、第1固体電解質113とが複合化された電極複合体111が得られる。冷却は例えば炭酸ガスを含む気体を流すことで速やかに実施することが好ましい。これにより、成形体112Pの空隙で固化した第1固体電解質113が結晶化することを抑制して非晶質な状態とする。すなわち、成形体112Pの空隙で固化した第1固体電解質113におけるイオン伝導に異方性が生ずることを抑制して、所望のイオン伝導率を確保することができる。
本実施形態の電極複合体111の製造方法において、上述したバインダー除去工程(ステップS5)が本発明における第2の工程の一例であって、加熱温度の300℃は第1の温度の一例である。第1の温度はバインダー(結着剤)120を分解・焼失させて除去する温度であることから、バインダー120の種類によって異なる。バインダー120としては、ポリプロピレンカーボネート(PPC)の他に、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)(融点は134℃〜169℃)やポリビニルアルコール(PVA)(融点は150℃〜230℃)を挙げることができる。バインダー120を除去するために第1の温度で加熱することで生ずる副生成物やリチウム(Li)の離脱を抑制する観点から、第1の温度は100℃以上500℃以下とすることが好ましい。
また、上述した第1固体電解質溶融・充填工程(ステップS6)及び冷却工程(ステップS7)が本発明における第3の工程の一例であって、加熱温度の700℃は第2の温度の一例である。第1固体電解質113を溶融させる第2の温度もまた第1固体電解質113の種類によって異なる。第2の温度で加熱することで生ずる副生成物やリチウム(Li)の離脱を抑制する観点から、第2の温度を適正に設定することが必要である。
次に、本実施形態における第2固体電解質114としてのLLZrNbOと正極活物質112としてのLCOとの反応における副生成物について説明する。
LLZrNbOとLCOとが接した状態で熱せられると下記の化学反応式(1)に示す反応が進んで副生成物が生ずるおそれがある。
Figure 2017142885
副生成物であるLa2Li0.5Co0.54(以降、簡略化してLLCOと呼ぶ)が生ずることで第2固体電解質114の組成比が変化してイオン伝導率が低下する。加えて、正極活物質112からリチウム(Li)が酸化物として離脱して電気容量の低下を招くことになる。したがって、発明者らは、上記ステップS6においてLLCOの発生を抑制可能な熱処理の温度について検討した。以降、LLZrNbOとLCOとの混合物に熱処理を施したときのLLCOの発生を検証した実験とその評価結果について説明する。
<実験用のサンプル作製>
まず、実験に用いたサンプルの作製方法について説明する。LLZrNbOの粉末と、LCOの粉末とを用意し、混合割合を体積比で50%:50%として、これらをメノウ乳鉢で混ぜ合わせた。そして、LLZrNbOとLCOの混合粉末に対して、重量比で100%の溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)と、同じく重量比で3%のバインダーとしてのPPCとを秤量し、60℃に加温しながら撹拌してPPCをMEKに溶解させた溶液を作製する。メノウ乳鉢中の上記混合粉末に該溶液を全量滴下して湿式混合する。混合によってMEKが揮発したらMEKのみを滴下して混合する工程を3回繰り返して、LLZrNbO、LCO、PPCを含む混合物を得た。
上記混合物を150mg秤量して、φ10mmのダイスに充填し、50kgNの圧力で1軸プレスを2分間行ってペレットを作製した。ペレットを酸化マグネシウム(MgO)板上に載せて電気マッフル炉を用いて300℃で8時間焼成した。室温から300℃への昇温はおよそ1℃/分の速度で行った。これによりペレットからPPCを除去した。このようにしてサンプル用のペレットを複数作製した。
<熱処理実験と評価方法>
LLZrNbOとLCOとを含む上記サンプル用のペレットをMgO板上に載置した状態で同じくMgO部材で蓋をして、所定の温度で8時間焼成して焼成ペレットを得た。室温から所定の温度までの昇温は1℃/分の速度で行った。上記所定の温度を、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃に設定した5種の焼成ペレットを得た。5種の焼成ペレットと未焼成(non−sintered)のペレットをそれぞれX線回折装置(CuKα管球)にかけてX線回折強度を測定し、バックグラウンドの影響を除去すると共に、Kα2線の影響を除去して、それぞれ回折角(2θ)とX線回折強度との関係を示すグラフを作成した。
図11は焼成温度別サンプル用ペレットのX線回折における回折角(2θ)と回折強度との関係を示すグラフ。図12は図11のグラフのうちLLZrNbOの結晶面(211)における回折角(2θ)とX線回折強度との関係を示すグラフ、図13は図11のグラフのうちLLCOの結晶面(101)における回折角(2θ)とX線回折強度との関係を示すグラフ。図14はLLZrNbOに対するLLCOのピーク積分強度比と焼成温度との関係を示すグラフである。なお、図11は、X線回折強度を2θが15度〜60度の範囲で示しているが、実際には2θが10度〜90度の範囲で測定を行っている。
図11に示すように、5種の焼成ペレット及び未焼成のペレットでは、含有するLLZrNbOやLCOの結晶面に対応した回折角(2θ)でX線の回折強度がピークとなる。LLZrNbOは、例えば、結晶面(211)に対応する2θが16.7度付近、結晶面(321)に対応する2θが25.7度付近、結晶面(400)に対応する2θが27.5度付近でそれぞれX線の回折強度がピークとなっているのが分かる。LCOは、例えば、結晶面(003)に対応する2θが18.9度付近でX線の回折強度がピークとなっているのが分かる。
前述した化学反応式(1)によって示された副生成物としてのLLCOは、900℃で焼成した焼成ペレットの場合、例えば、結晶面(101)に対応する2θが24.7度付近、結晶面(004)に対応する2θが28.4度付近、結晶面(103)に対応する2θが31.9度付近、結晶面(114)に対応する2θが44.4度付近、結晶面(200)に対応する2θが48.2度付近、結晶面(213)に対応する2θが58.9度付近で、それぞれ他の焼成温度の焼成ペレットと比べて顕著なX線の回折強度がピークを示している。800℃で焼成した焼成ペレットの場合においても、例えば、LLCOの結晶面(101)や結晶面(103)において、900℃と比べて回折強度が低下しているもののX線の回折強度がピークを示している。焼成温度が700℃以下の焼成ペレットでは、このようなLLCOに起因するX線の回折強度のピークが見られない。この結果は、焼成温度が800℃を超えると副生成物としてのLLCOが明らかに生成されることを示している。
これに対して、700℃よりも低い焼成温度である500℃や600℃の焼成ペレットでは、他の焼成温度の焼成ペレットに比べて、2θが、28.3度付近、33.2度付近、47.2度付近に特有な回折強度のピークが見られる。これらのピークは、La2Zr27の結晶面(222)(400)(440)に起因するものと考えられる。また、2θが、28.3度付近、30.2度付近、46.3度付近の回折強度のピークは、La23の結晶面(100)(101)(110)に起因するものと考えられる。さらに、2θが32.6度付近の回折強度のピークは、LiOHの結晶面(101)に起因するものと考えられる。つまり、500℃や600℃の焼成ペレットでは、副生成物としてLLCOは生成されないものの、他の副生成物として、La2Zr27、La23、LiOHが生成されていることを示すものである。
また、未焼成のペレットにおけるX線の回折強度のグラフでは、副生成物としてのLLCO、La2Zr27、La23、LiOHの存在を裏付ける回折強度のピークが見られない。
したがって、上述した電極複合体111の製造方法におけるステップS6の第1固体電解質113を溶融させる第2の温度は、第1固体電解質113の融点以上の温度であって、650℃以上750℃以下であることが好ましい。
一方で、第2の温度で熱処理を行うことによるLLZrNbOとLCOとの化学反応でLLCOが生成されることを完全になくすことは難しいと考えられる。そこで、第2の温度と、化学反応によるLLCOの生成の程度あるいはLLZrNbOの変質の程度との関係を精度よく見極める必要がある。
図12に示すように、第2固体電解質114としてのLLZrNbOに係るX線の回折強度は、2θが16.7度から16.8度付近の結晶面(211)におけるX線の回折強度が、他の構成物に係るX線回折の影響を受け難い状態にある。同じく、図13に示すように、副生成物としてのLLCOに係るX線の回折強度は、2θが24.6度から24.7度付近の結晶面(101)におけるX線の回折強度が、他の構成物に係るX線回折の影響を受け難い状態にある。そこで、LLZrNbOの結晶面(211)におけるX線の回折強度のピーク積分強度と、LLCOの結晶面(101)におけるX線の回折強度のピーク積分強度とを熱処理の温度別に求めたグラフ(図14)を作成した。
図14に示すように、LLZrNbOの結晶面(211)におけるX線の回折強度は、700℃を下回って600℃以下になるとピーク積分強度が大幅に低下する。また、副生成物であるLLCOの結晶面(101)におけるX線の回折強度は、800℃を超えるとピーク積分強度が増加する傾向にある。したがって、LLCOの生成によってLLZrNbOが変質することを抑制する観点から、第2の温度は、600℃を超え、800℃を下回る温度であることが好ましく、650℃以上750℃以下であることがより好ましい。
また、図14に示すように、第2の温度が650℃以上750℃以下の範囲では、LLZrNbOの結晶面(211)におけるX線の回折強度のピーク積分強度に対するLLCOの結晶面(101)におけるX線の回折強度のピーク積分強度の比が、0.04以下となる。
つまり、本実施形態の電極複合体111の製造方法を用いて製造された電極複合体111は、リチウム複合金属化合物としてのLCOと、第1固体電解質113としてのLCBOと、第2固体電解質114としてのLLZrNbOと、LCOとLLZrNbOとの反応による副生成物としてのLLCOと、を含み、LLZrNbOの結晶面(211)におけるX線回折のピーク積分強度に対するLLCOの結晶面(101)におけるX線回折のピーク積分強度の比が、0.04以下である。
<リチウムイオン電池の製造方法>
次に、本実施形態の電極複合体111を適用したリチウムイオン電池110の製造方法について、図15〜図17を参照して説明する。図15は第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャート、図16及び図17は第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す概略断面図である。
本実施形態のリチウムイオン電池110の製造方法は、上述した電極複合体111の製造工程に加えて、図15に示すように、耐リチウム還元層形成工程(ステップS11)と、リチウム金属層形成工程(ステップS12)と、集電体形成工程(ステップS13)とを備えている。
ステップS11の耐リチウム還元層形成工程では、図16に示すように、電極複合体111に対して集電体118が設けられた表面と反対側の表面に耐リチウム還元層116を形成する。耐リチウム還元層116は、基本的に電極複合体111に含まれる第1固体電解質113と同じ材料を用いて形成される。本実施形態では、第1固体電解質113と同じ材料であるLCBOをスパッター法により膜厚がおよそ1μm〜10μmとなるように成膜して耐リチウム還元層116を形成した。そして、ステップS12へ進む。なお、ステップS11が本発明のリチウムイオン電池の製造方法における第5の工程の一例である。
ステップS12のリチウム金属層形成工程では、図17に示すように、耐リチウム還元層116に接するようにリチウム金属層117を形成する。本実施形態では、Liを蒸着法により膜厚がおよそ1μm〜5μmとなるように成膜してリチウム金属層117を形成した。そして、ステップS13へ進む。なお、ステップS12が本発明のリチウムイオン電池の製造方法における第6の工程の一例である。
ステップS13の集電体形成工程では、図3に示すようにリチウム金属層117に接するように集電体119を形成する。本実施形態では、リチウム金属層117に厚みがおよそ1μm〜20μmのCu箔を貼り付けて押圧することにより集電体119とした。なお、ステップS13が本発明のリチウムイオン電池の製造方法における第7の工程の一例である。
上記第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)電極複合体111は、正極活物質112を主体とし第2固体電解質114と導電材115と含む多孔質な成形体112Pの空隙に溶融した第1固体電解質113を浸み込ませて充填することにより複合化させたものである。したがって、多孔質な正極活物質112に、第1固体電解質113を含む前駆体溶液や第2固体電解質114を含む前駆体溶液をそれぞれ浸み込ませて空隙に充填してから焼成する工程を繰り返す従来の製造方法に比べて、高温で熱処理する回数や時間を削減することができる。つまり、効率的に電極複合体111を製造できる。
(2)溶融した第1固体電解質113は、多孔質な成形体112Pに毛細管現象で浸み込んで空隙を満たすので、第1固体電解質113を含む前駆体溶液を用いる場合に比べて、第1固体電解質113の無駄を省くことができる。言い換えれば、個々の成形体112Pにおける空隙率のばらつきを考慮しなくても、成形体112Pの空隙に確実に第1固体電解質113を充填できる。
(3)第1固体電解質113を溶融させる第2の温度を650℃以上750℃以下としていることから、熱処理によって成形体112Pに含まれる正極活物質112と第2固体電解質114との化学反応で副生成物の発生やリチウム(Li)の離脱が抑制され、優れたイオン伝導率を有すると共により大きな電気容量を有する電極複合体111を提供あるいは製造することができる。
(4)それぞれにバインダー(PPC)を含む成形前駆体121と第1固体電解質113を含む混合物と接触させた状態で、第1の温度で熱処理することにより、バインダー(PPC)を分解・焼失させて除去して、成形前駆体121を多孔質な成形体112Pとする。つまり、バインダー(PPC)を除去する工程を一括して行い効率的である。加えて、第1の温度から第2の温度に上昇させて第1固体電解質113を溶融させて、成形体112Pと第1固体電解質113とを複合化させるので、熱処理の工程を連続して行うことができ効率的である。
(5)電極複合体111が適用されたリチウムイオン電池110とその製造方法によれば、優れたイオン伝導率と電気容量とが実現された電極複合体111が用いられるので、大容量で優れた充放電特性を有するリチウムイオン電池110を提供あるいは製造することができる。また、複数のリチウムイオン電池110を収納することにより、大容量で優れた充放電特性を有すると共に、薄型(小型)なコイン型電池100を提供することができる。
(6)電極複合体111の製造方法によれば、成形体112Pに第1固体電解質113の融液を含浸させる工程(ステップS6)よりも前に、成形体112Pに集電体118がラミネートされているので、集電体118としてのAu箔と正極活物質112とを確実に接触させ、集電体118と電極複合体111との界面インピーダンスを低下させることができる。つまり、リチウムイオン電池110の内部抵抗による損失を低減できる。
(第2実施形態)
<他のリチウムイオン電池>
次に、第2実施形態の電極複合体とその製造方法を適用した他のリチウムイオン電池について、図18を参照して説明する。図18は、第2実施形態のリチウムイオン電池の構成を示す概略断面図である。第2実施形態のリチウムイオン電池は、上記第1実施形態のリチウムイオン電池110に対して電極複合体111の構成を異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図18に示すように、本実施形態のリチウムイオン電池210は、電極複合体211と、電極複合体211に積層された耐リチウム還元層116及びリチウム金属層117とを有している。また、電極複合体211に接する集電体118と、リチウム金属層117に接する集電体119とを有している。電極複合体211が正極及び電解質として機能し、リチウム金属層117が負極として機能するものである。
電極複合体211は、正極活物質112と、第1固体電解質113と、導電材115とが複合化されたものである。多数の粒子状の正極活物質112と導電材115とが寄り集まって多孔質な成形体212Pを成し、成形体212Pの空隙に第1固体電解質113が充填されている。つまり、電極複合体211は、上記第1実施形態の電極複合体111から第2固体電解質114が除かれたものである。言い換えれば、電極複合体211は、成形体212Pに第1固体電解質113よりも大きなイオン伝導率を有する第2固体電解質114を含まなくてもよい。
<電極複合体の製造方法>
次に、本実施形態の電極複合体211の製造方法について、図19〜図22を参照して説明する。図19は第2実施形態の電極複合体の製造方法を示すフローチャート、図20〜図22は第2実施形態の電極複合体の製造方法を示す概略断面図である。
図19に示すように、本実施形態の電極複合体211の製造方法は、成形前駆体形成工程(ステップS21)と、バインダー除去工程(ステップS22)と、第1固体電解質溶融・充填工程(ステップS23)と、冷却工程(ステップS24)とを備えている。なお、冷却工程(ステップS24)は、上記第1実施形態の電極複合体111の製造方法における冷却工程(ステップS7)と基本的に同じである。以降、上記第1実施形態と異なる工程について図20〜図22を参照して説明する。
ステップS21の成形前駆体形成工程では、正極活物質112と、導電材115と、バインダー(結着剤)120とを含む成形前駆体221を形成する。正極活物質112は、上記第1実施形態で述べたリチウム複合金属化合物を用いることができ、本実施形態においても平均粒径(D50)が例えば300nm以上20μm以下のLCOを用いた。導電材115もまた、上記第1実施形態で述べた導電材料を用いることができ、本実施形態においても平均粒径(D50)が例えば0.5μm〜1.0μmのパラジウム(Pd)を用いた。バインダー120もまた、上記第1実施形態での出た有機化合物を用いることができ、本実施形態でもポリプロピレンカーボネート(PPC)を用いた。
これらの構成物と溶媒とを混ぜ合わせてペースト状とし、大きさが例えばφ3mm〜φ30mmのダイスに充填して厚み方向に1軸加圧して成形し乾燥することにより、図20に示すように、ペレット状の成形前駆体221を形成した。加圧成形時の圧力は例えば100MPa〜800MPaであり、加圧時間は2分である。成形前駆体221における正極活物質112、導電材115、バインダー120の混合割合(体積比)は、LCO:Pd:PPC=1:0.05:1である。なお、本実施形態もまた、溶媒として炭酸ジエチルを用い、加圧成形されたペーストを140℃で2時間加熱することにより乾燥させた。また、乾燥後の厚みが0.1mm〜0.15mmとなるようにダイスにペーストを充填した。そして、ステップS22へ進む。なお、ステップS21は本発明の第1の工程の一例である。
ステップS22のバインダー除去工程では、まず、粒子状(粉体)の第1固体電解質113を準備する。本実施形態でもまた、第1固体電解質113として平均粒径が例えば500nm〜1.0μmのLCBOを用いた。そして、粒子状(粉体)のLCBOと、バインダーとしてのPPCと、溶媒としての炭酸ジエチルにバインダーとしてのPPCを溶解させた溶液に、粒子状(粉体)のLCBOを混ぜ合わせ、メノウ乳鉢にいれてすり合わせて湿式混合して混合物をえる。湿式混合中に溶媒である炭酸ジエチルは蒸発して除去される。混合物における第1固体電解質113とバインダー(PPC)との混合割合(体積比)は、例えばLCBO:PPC=1:0.1である。
混合物を同じく大きさが例えばφ3mm〜φ30mmのダイスに加圧充填してペレットとする。ペレットにステップS22で得た成形前駆体221の加工体を載置する。そして、これを300℃で8時間加熱する焼成を行うことにより、ペレット及び成形前駆体221に含まれるバインダー(PPC)を分解・焼失させて除去した。これにより、図21に示すように、成形前駆体221からバインダー(PPC)を除くことで空隙が生じ、正極活物質112に導電材115が接した状態の成形体212Pが得られる。また、ペレットからバインダー(PPC)が除かれて、成形体212Pの下方に第1固体電解質113からなる固形物が得られた。そして、ステップS23へ進む。なお、ステップS22は本発明の第2の工程の一例である。
ステップS23の第1固体電解質溶融・充填工程では、図21に示された第1固体電解質113からなる固形物上に形成された成形体212Pを、閉鎖系の雰囲気下において700℃で1時間加熱する。本実施形態でもまた、第1固体電解質113として融点が685℃のLCBOを用いていることから、700℃の加熱により固形物が溶融して成形体212Pに対して下方から毛細管現象により浸み込んで行く。これにより、成形体212Pの空隙は溶融したLCBOで満たされる。本実施形態でもまた、ステップS23とステップS24とは連続して行われる。なお、閉鎖系の雰囲気は、炭酸(CO2)ガスを含む乾燥した気体で満たされていることが好ましい。そして、ステップS24へ進む。なお、ステップS23は本発明の第3の工程の一例である。
ステップS25の冷却工程では、溶融した第1固体電解質113が空隙に充填された成形体212Pを冷却する。これにより、図22に示すように、多孔質な正極活物質112と、正極活物質112に接した導電材115と、第1固体電解質113とが複合化された電極複合体211が得られる。冷却は例えば炭酸ガスを含む気体を流すことで速やかに実施することが好ましい。なお、図22において、電極複合体211の一方の表面(上面)211aが、ステップS23において第1固体電解質113からなる固形物と接していなかった面であり、電極複合体211の他方の表面(下面)211bが、ステップS23において第1固体電解質113からなる固形物と接していた面である。
<リチウムイオン電池の製造方法>
図23は第2実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図23は耐リチウム還元層の形成状態を示すものである。
このような電極複合体211を用いてリチウムイオン電池210を製造する場合、耐リチウム還元層形成工程では、図23に示すように、電極複合体211の他方の表面211bに、第1固体電解質113と同じ材料を用いてスパッター法により膜厚がおよそ100nmとなるように耐リチウム還元層116を形成する。
そして、リチウム金属層形成工程では、耐リチウム還元層116に接するように蒸着法により膜厚がおよそ1μm〜3μmとなるようにリチウム金属層117を形成する。
さらに、集電体形成工程では、電極複合体211の一方の表面211aに集電体118として厚みが1μm〜20μmのAu箔をラミネートして貼り合わせる。また、リチウム金属層117に集電体119として厚みが1μm〜20μmのCu箔をラミネートして貼り合わせる。これにより、図18に示すリチウムイオン電池210が得られる。
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(2)、(4)と同様な効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7)電極複合体211は、第1固体電解質113よりも優れたイオン伝導率を示す第2固体電解質114を含んではいないものの、多孔質な成形体212Pの空隙に溶融させた第1固体電解質113を充填するので、電極複合体211を効率的に製造することができる。また、成形体212Pの空隙率によらず第1固体電解質113の無駄を省くことができる。
(8)成形体212Pは、第2固体電解質114としてのLLZrNbOを含んでいない。また、第2の温度が、650℃以上750℃以下の範囲である700℃で第1固体電解質113としてのLCBOを溶融させ、多孔質な成形体212Pに毛細管現象で浸み込ませて空隙を満たす。したがって、第2の温度の熱処理でLLZrNbOとLCOとが化学反応して副生成物としてのLLCOやLa23が発生しない。また、他の副生成物としてのLiOHも発生しないので、イオン伝導率と電気容量とが確保された電極複合体211を提供あるいは製造することができる。
(9)耐リチウム還元層形成工程では、電極複合体211の他方の表面211bに耐リチウム還元層116を形成する。電極複合体211の他方の表面211bは耐リチウム還元層116と同じ材料である第1固体電解質113の融液に接していた側であることから、他方の表面211bにおいて同質の連続した層を形成できる。また、溶融した第1固体電解質113は成形体212Pに対して下方から毛細管現象により浸み込むことから、電極複合体211の一方の表面211aには、第1固体電解質113の融液が溢れることがなく、正極活物質112が確実に露出した状態となる。したがって、集電体形成工程において、電極複合体211の一方の表面211aに集電体118としてのAu箔をラミネートして貼り付けることにより、正極活物質112と集電体118としてのAu箔との確実な接触を図ることができる。すなわち、リチウムイオン電池210における内部抵抗を低減できる。
(10)電極複合体211が適用されたリチウムイオン電池210とその製造方法によれば、イオン伝導率と電気容量とが確保された電極複合体211が用いられるので、大容量で優れた充放電特性を有するリチウムイオン電池210を提供あるいは製造することができる。また、複数のリチウムイオン電池210を収納することにより、大容量で優れた充放電特性を有すると共に、薄型(小型)なコイン型電池100を提供することができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電極複合体とその製造方法、該電極複合体を適用するリチウムイオン電池とその製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態において、電極複合体111(あるいは電極複合体211)は、必ずしも導電材115を含んでいなくてもよい。例えば、閉鎖系の雰囲気下において、電極複合体111を再び加熱しながら厚み方向に1軸加圧するホットプレスを行う。これによって、電極複合体111に含まれる正極活物質112同士の接触がより密接となるため、導電材115を除いても電荷の伝導性を確保することができる。ホットプレスの条件としては、加熱温度は、第2の温度よりも低く例えば650℃、圧力は10MPa〜100MPa、加圧時間は10分である。閉鎖系の雰囲気は、上記第1実施形態で説明したように炭酸(CO2)ガスを含む乾燥した気体であることが好ましい。このようなホットプレスの工程は、本発明における第4の工程の一例である。
(変形例2)上記実施形態において、リチウムイオン電池110(あるいはリチウムイオン電池210)は、必ずしも一対の集電体118,119を有していなくてもよい。例えば、複数のリチウムイオン電池を電気的にスタックする場合、一方の集電体を共用する構造としてもよい。
(変形例3)上記第2実施形態において、電極複合体211に集電体118を形成する工程は、正極活物質112を含む多孔質な成形体212Pと第1固体電解質113とを複合化した後に、電極複合体211の一方の表面211aに、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)などの表面処理を施して、正極活物質112を露出させる表面処置工程を含んでいてもよい。これによれば、正極活物質112と集電体118とをより確実に接触させることができる。
100…コイン型電池、110…リチウムイオン電池、111…電極複合体、112…リチウム複合金属化合物としての正極活物質、112P…成形体、113…第1固体電解質、114…第2固体電解質、115…導電材、116…耐リチウム還元層、117…リチウム金属層、118,119…集電体、120…バインダー(結着剤)、121…成形前駆体、210…リチウムイオン電池、211…電極複合体、212P…成形体、221…成形前駆体。

Claims (17)

  1. リチウム複合金属化合物と、結着剤とを含む混合物を加圧成形して成形前駆体を形成する第1の工程と、
    前記成形前駆体を前記結着剤が分解・焼失する第1の温度で加熱して多孔質な成形体を形成する第2の工程と、
    前記成形体と第1固体電解質とを接触させた状態にて、前記第1固体電解質が溶融する第2の温度で加熱し、溶融した前記第1固体電解質を前記成形体の内部の空隙に充填して、前記成形体と前記第1固体電解質とを複合化する第3の工程と、を備えたことを特徴とする電極複合体の製造方法。
  2. 前記混合物は、前記第1固体電解質よりもイオン伝導性が優れた第2固体電解質をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電極複合体の製造方法。
  3. 前記第2の工程では、前記成形前駆体と前記第1固体電解質とを接触させた状態にて、前記第1の温度で加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の電極複合体の製造方法。
  4. 前記第2の工程では、前記第1固体電解質に前記成形前駆体を載置して、前記第1の温度で加熱することを特徴とする請求項3に記載の電極複合体の製造方法。
  5. 前記第1の温度が、100℃以上500℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極複合体の製造方法。
  6. 前記第2の温度が、650℃以上750℃以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電極複合体の製造方法。
  7. 前記リチウム複合金属化合物が、Li、Coを含む酸化物であり、
    前記第1固体電解質が、Li、C、Bを含む酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の電極複合体の製造方法。
  8. 前記リチウム複合金属化合物が、Li、Coを含む酸化物であり、
    前記第1固体電解質が、Li、C、Bを含む酸化物であり、
    前記第2固体電解質が、Li、La、Zr、Nbを含む酸化物であることを特徴とする請求項2に記載の電極複合体の製造方法。
  9. 前記混合物は、電子伝導性の導電材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電極複合体の製造方法。
  10. 前記第3の工程の後に、前記成形体と前記第1固体電解質との複合化物を加圧する第4の工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電極複合体の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電極複合体の製造方法を用いて形成された前記電極複合体の一方の表面に、耐リチウム還元層を形成する第5の工程と、
    前記耐リチウム還元層にリチウム金属層を形成する第6の工程と、
    前記電極複合体と前記リチウム金属層とのうち少なくとも一方に集電体を形成する第7の工程と、を備えたことを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
  12. 前記第7の工程は、前記第3の工程の前に、前記成形体の他方の表面に、前記集電体としての金属箔を貼り付ける貼付工程を含むことを特徴とする請求項11に記載のリチウムイオン電池の製造方法。
  13. 前記第7の工程は、前記第3の工程の後に、前記電極複合体の他方の表面に表面処理を施して、前記リチウム複合金属化合物を露出させる表面処理工程を含み、表面処理が施された前記他方の表面に前記集電体を形成することを特徴とする請求項11に記載のリチウムイオン電池の製造方法。
  14. リチウム複合金属化合物と、
    第1固体電解質と、
    前記第1固体電解質よりもイオン伝導性が優れた第2固体電解質と、
    前記リチウム複合金属化合物と前記第2固体電解質との反応による副生成物と、を含み、
    前記第2固体電解質の結晶面におけるX線回折のピーク積分強度に対する前記副生成物の結晶面におけるX線回折のピーク積分強度の比が、0.04以下であることを特徴とする電極複合体。
  15. 前記リチウム複合金属化合物と、前記第2固体電解質とにより多孔質な成形体を成し、
    前記成形体の空隙に、前記第1固体電解質が充填されていることを特徴とする請求項14に記載の電極複合体。
  16. 前記リチウム複合金属化合物が、Li、Coを含む酸化物であり、
    前記第2固体電解質が、Li、La、Zr、Nbを含む酸化物であり、
    前記副生成物が、Li、La、Coを含む酸化物であって、
    前記第2固体電解質の前記結晶面が(211)であり、前記副生成物の前記結晶面が(101)であることを特徴とする請求項14または15に記載の電極複合体。
  17. 請求項14乃至16のいずれか一項に記載の電極複合体と、
    前記電極複合体の一方の面に設けられた耐チリウム還元層と、
    前記耐リチウム還元層に設けられたリチウム金属層と、
    前記電極複合体と前記リチウム金属層とのうち少なくとも一方に設けられた集電体と、を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
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