JP2018163736A - 複合体の製造方法、電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた電解質の伝導性を有する複合体の製造方法、該複合体を用いた電池の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の複合体の製造方法は、第1電解質の原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調製する溶液調整工程(ステップS1)と、第1溶液を加熱して第1溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程(ステップS2)と、活物質と第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程(ステップS3)と、混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程(ステップS4)と、成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程(ステップS5)と、第1電解質と第2溶媒とを含む第2溶液を焼成体に接触させて含浸させる含浸工程(ステップS6)と、第2溶液を含浸させた焼成体を加熱して第2溶媒を除去し、活物質と第1電解質とを含む複合体を形成する加熱工程(ステップS7)と、を備えた。【選択図】図4
Description
本発明は、複合体の製造方法、該複合体を用いた電池の製造方法に関する。
電池に用いられる複合体の製造方法として、例えば、特許文献1には、粒子状のリチウム複酸化物を含む形成材料を圧縮して成形して、850℃以上であって、該リチウム複酸化物の融点未満の温度条件で熱処理し、多孔質の活物質成形体を得る工程と、活物質成形体の細孔の内部を含む表面に、無機固体電解質の形成材料を含む液状体を塗布し熱処理して、固体電解質層を形成する工程と、固体電解質層から露出する活物質成形体に集電体を接合する工程と、を有する電極複合体の製造方法が開示されている。
上記特許文献1の方法によれば、活物質成形体の細孔内にも固体電解質層が形成されるため、活物質成形体と固体電解質層との接触面積が大きくなり、活物質成形体と固体電解質層との界面インピーダンスが低減される。これにより、活物質成形体と固体電解質層との界面における電荷移動のボトルネックが解消され、良好な電荷移動が可能な電極複合体を提供できるとしている。また、このような電極複合体を用いることにより高出力なリチウム電池を製造できるとしている。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、活物質成形体に無機固体電解質の形成材料を含む液状体を塗布し熱処理する工程を1回実施しただけでは、活物質成形体の細孔内を無機固体電解質で埋めることは難しい。なぜならば、熱処理により液状体(液相)から無機固体電解質(固相)を生成する際に体積が収縮するからである。つまり、多孔質の活物質成形体に対する無機固体電解質の充填率を上げることが難しいという課題があった。
無機固体電解質の充填率は、電極複合体をリチウム電池に用いたときに電解質(上記特許文献1ではリチウム)の伝導性に影響を及ぼすため、電池特性を左右する要因の1つである。一方で、無機固体電解質の充填率を改善しようとして、多孔質の活物質成形体に無機固体電解質の形成材料を含む液状体を塗布し熱処理を行う工程を繰り返すことは、生産性を低下させることになる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る複合体の製造方法は、第1電解質の原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調製する溶液調整工程と、前記第1溶液を加熱して前記第1溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程と、活物質と前記第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程と、前記混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、前記成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、前記第1電解質と第2溶媒とを含む第2溶液を前記焼成体に接触させて含浸させる含浸工程と、前記第2溶液を含浸させた前記焼成体を加熱して前記第2溶媒を除去し、前記活物質と前記第1電解質とを含む複合体を形成する加熱工程と、を備えた。
本適用例によれば、第1溶液(液相)から生成される第1電解質前駆体(固相)を微粉体とすることができる。そして、活物質と微粉体である第1電解質前駆体とを混ぜて混合物を形成し加圧成形すると、活物質と第1電解質前駆体との結着を図る結着剤を用いなくても緻密な成形体が得られる。第1電解質前駆体の焼成による体積変化は、熱処理によって液相から第1電解質を生成する場合に比べて小さいので、成形体を焼成して焼成体とすれば、第1電解質の充填率を高めた焼成体が得られる。さらに、焼成体に第1電解質を含む第2溶液を含浸させて乾燥させることで、従来よりも第1電解質の充填率をさらに高めた複合体が得られる。また、従来のように無機固体電解質の形成材料を含む液状体を活物質成形体に塗布して熱処理する工程を繰り返して、活物質成形体に無機固体電解質を充填する場合に比べて、高い生産性を実現可能である。言い換えれば、優れた電解質の伝導性を有する複合体を効率よく製造することができる。
[適用例]本適用例に係る他の複合体の製造方法は、第1電解質の原材料と溶媒とを含む溶液を調製する溶液調整工程と、前記溶液を加熱して前記溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程と、活物質と前記第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程と、前記混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、前記成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、第2電解質を前記焼成体に接触させた状態で加熱して、前記第2電解質の融液を前記焼成体に含浸させる含浸工程と、前記融液を含浸させた前記焼成体を冷却して、前記活物質と前記第1電解質と前記第2電解質とを含む複合体を形成する冷却工程と、を備えた。
本適用例によれば、溶液(液相)から生成される第1電解質前駆体(固相)を微粉体とすることができる。そして、活物質と微粉体である第1電解質前駆体とを混ぜて混合物を形成し加圧成形すると、活物質と第1電解質前駆体との結着を図る結着剤を用いなくても緻密な成形体が得られる。第1電解質前駆体の焼成による体積変化は、熱処理によって液相から第1電解質を生成する場合に比べて小さいので、成形体を焼成して焼成体とすれば、第1電解質の充填率を高めた焼成体が得られる。さらに、焼成体に第2電解質の融液を含浸させて冷却することで、従来よりも第1電解質及び第2電解質の充填率をさらに高めた複合体が得られる。また、従来のように無機固体電解質の形成材料を含む液状体を活物質成形体に塗布して熱処理する工程を繰り返して、活物質成形体に無機固体電解質を充填する場合に比べて、高い生産性を実現可能である。言い換えれば、優れた電解質の伝導性を有する複合体を効率よく製造することができる。
また、第1電解質と異なる第2電解質を加えることで、第1電解質だけでは得られない電気的な特性の改善を行うことができる。例えば、第1電解質よりも電解質の伝導性が優れた第2電解質を用いれば、複合体における電解質の伝導性をさらに改善できる。
また、第1電解質と異なる第2電解質を加えることで、第1電解質だけでは得られない電気的な特性の改善を行うことができる。例えば、第1電解質よりも電解質の伝導性が優れた第2電解質を用いれば、複合体における電解質の伝導性をさらに改善できる。
[適用例]本適用例に係る他の複合体の製造方法は、第1電解質の原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調製する溶液調整工程と、前記第1溶液を加熱して前記第1溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程と、活物質と前記第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程と、前記混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、前記成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、前記第1電解質と第2溶媒とを含む第2溶液を前記焼成体に接触させて含浸させる第1含浸工程と、前記第2溶液を含浸させた前記焼成体を加熱して前記第2溶媒を除去する加熱工程と、第2電解質を前記焼成体に接触させた状態で加熱して、前記第2電解質の融液を前記焼成体に含浸させる第2含浸工程と、前記融液を含浸させた前記焼成体を冷却して、前記活物質と前記第1電解質と前記第2電解質とを含む複合体を形成する冷却工程と、を備えた。
本適用例によれば、第1溶液(液相)から生成される第1電解質前駆体(固相)を微粉体とすることができる。そして、活物質と微粉体である第1電解質前駆体とを混ぜて混合物を形成し加圧成形すると、活物質と第1電解質前駆体との結着を図る結着剤を用いなくても緻密な成形体が得られる。第1電解質前駆体の焼成による体積変化は、熱処理によって液相から第1電解質を生成する場合に比べて小さいので、成形体を焼成して焼成体とすれば、第1電解質の充填率を高めた焼成体が得られる。また、焼成体に第1電解質を含む第2溶液を含浸させて乾燥させることで、従来よりも第1電解質の充填率をさらに高めた焼結体が得られる。加えて、焼成体に第2電解質の融液を含浸させて冷却することで、従来よりも第1電解質及び第2電解質の充填率をさらに高めた複合体が得られる。また、従来のように無機固体電解質の形成材料を含む液状体を活物質成形体に塗布して熱処理する工程を繰り返して、活物質成形体に無機固体電解質を充填する場合に比べて、高い生産性を実現可能である。言い換えれば、優れた電解質の伝導性を有する複合体を効率よく製造することができる。
また、第1電解質と異なる第2電解質を加えることで、第1電解質だけでは得られない電気的な特性の改善を行うことができる。例えば、第1電解質よりも電解質の伝導性が優れた第2電解質を用いれば、複合体における電解質の伝導性をさらに改善できる。
また、第1電解質と異なる第2電解質を加えることで、第1電解質だけでは得られない電気的な特性の改善を行うことができる。例えば、第1電解質よりも電解質の伝導性が優れた第2電解質を用いれば、複合体における電解質の伝導性をさらに改善できる。
上記適用例に記載の複合体の製造方法において、前記混合物における前記活物質の体積割合は、50%以下であることが好ましい。
この方法によれば、活物質を過剰に用いることなく、活物質同士の結合を図って電子伝導性を確保しつつ、第1電解質の充填率を高めた複合体を製造することができる。
この方法によれば、活物質を過剰に用いることなく、活物質同士の結合を図って電子伝導性を確保しつつ、第1電解質の充填率を高めた複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の複合体の製造方法において、前記成形工程は、前記複合体の嵩密度が60%以上となるように、前記混合物を加圧成形することが好ましい。
この方法によれば、複合体の体積の60%以上が活物質と第1電解質とを含んで構成されるため、より優れた電解質の伝導性を有する複合体を製造することができる。
この方法によれば、複合体の体積の60%以上が活物質と第1電解質とを含んで構成されるため、より優れた電解質の伝導性を有する複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の複合体の製造方法において、前記活物質が、コバルトを含むリチウム複合金属酸化物であり、前記第1電解質が、ジルコニウムとニオブとを含むリチウム複合金属酸化物であることが好ましい。
この方法によれば、優れたリチウムイオンの伝導性を有する複合体を製造することができる。
この方法によれば、優れたリチウムイオンの伝導性を有する複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の複合体の製造方法において、前記活物質が、コバルトを含むリチウム複合金属酸化物であり、前記第1電解質が、ジルコニウムとニオブとを含むリチウム複合金属酸化物であり、前記第2電解質がボロンを含むリチウム複合金属酸化物であることが好ましい。
この方法によれば、ボロンを含むリチウム複合金属酸化物はリチウムイオンの伝導性において異方性を有しない非晶質を選択することが可能であって、複合体に第2電解質としてボロンを含むリチウム複合金属酸化物を含ませて、ジルコニウムとニオブとを含むリチウム複合金属酸化物であり結晶性の第1電解質同士の粒界におけるリチウムイオンの伝導性を改善することができる。
この方法によれば、ボロンを含むリチウム複合金属酸化物はリチウムイオンの伝導性において異方性を有しない非晶質を選択することが可能であって、複合体に第2電解質としてボロンを含むリチウム複合金属酸化物を含ませて、ジルコニウムとニオブとを含むリチウム複合金属酸化物であり結晶性の第1電解質同士の粒界におけるリチウムイオンの伝導性を改善することができる。
[適用例]本適用例に係る電池の製造方法は、上記滴用例に記載の複合体の製造方法を用いて形成された複合体の一方の面に前記活物質を含まない電解質層を形成する工程と、前記電解質層に負極層を積層する工程と、前記複合体の前記一方の面と反対側の他方の面に集電体を形成する工程と、を備えた。
本適用例によれば、優れた電解質の伝導性を有する複合体を用いているので、充放電特性に優れた電池を製造することができる。
本適用例によれば、優れた電解質の伝導性を有する複合体を用いているので、充放電特性に優れた電池を製造することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<電池>
まず、本実施形態の複合体の製造方法により得られた複合体を用いた電池の一例として、リチウム電池を挙げて説明する。図1は第1実施形態のリチウム電池の構成を示す概略斜視図、図2は第1実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図3は第1実施形態の複合体中の活物質と第1電解質とを示す拡大図である。
<電池>
まず、本実施形態の複合体の製造方法により得られた複合体を用いた電池の一例として、リチウム電池を挙げて説明する。図1は第1実施形態のリチウム電池の構成を示す概略斜視図、図2は第1実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図3は第1実施形態の複合体中の活物質と第1電解質とを示す拡大図である。
図1に示すように、本実施形態の電池としてのリチウム電池100は、正極層として機能する複合体10と、複合体10に対して順に積層された電解質層20と、負極層30と、を有している。また、複合体10に接する集電体41と、負極層30に接する集電体42とを有している。複合体10、電解質層20、負極層30は、いずれもリチウムを含む固相で構成されていることから、リチウム電池100は、充放電可能な全固体二次電池である。
本実施形態のリチウム電池100は、例えば円盤状であって、外形の大きさは例えば10mmφ、厚みは例えばおおよそ0.3mmである。小型、薄型であると共に、充放電可能であって全固体であることから、スマートフォンなどの携帯情報端末の電源として好適に用いることができる。リチウム電池100は、成形が可能ならば大きさや厚みはこの値に限定されない。本実施形態のように外形の大きさが10mmφの場合の厚みは、薄い場合は成形性の観点から0.1mm程度、厚い場合は電解質のLi伝導性の観点から見積もられ、1mm程度までで、あまり厚いと活物質の利用効率を下げてしまう。なお、リチウム電池100の形状は円盤状であることに限定されず、多角形の盤状であってもよい。以降、各層について詳しく説明する。
図2に示すように、複合体10は、活物質11及び第1電解質12を含んでいる。活物質11は粒子状であって、複合体10の内部において活物質11同士が接触することで、複合体10に電子伝導性が与えられた状態になっている。また、集電体41は複数の活物質11と接するように設けられている。
複合体10と負極層30との間に設けられた電解質層20は、活物質11を含まずに電解質を含んで構成されている。言い換えれば、電解質層20を挟むことによって電子伝導性が与えられた複合体10と負極層30とが電気的に短絡せずに、複合体10と負極層30との間で電荷(リチウムイオンや電子)の伝導が行われる構成となっている。
図3に示すように、複合体10における活物質11及び第1電解質12は、いずれも粒子状であって、活物質11の粒子径よりも第1電解質12の粒子径のほうが圧倒的に小さい。なお、図3では、活物質11及び第1電解質12の粒子形状を球状としたが、実際の粒子形状は必ずしも球状ではなくそれぞれ不定形である。
活物質11の粒子同士を接触させて電子伝導性を発揮させる観点から、活物質11の粒子径は、例えばメジアン径d50で500nm以上10μm未満とすることが好ましい。これに対して本実施形態の第1電解質12の粒子径は例えばメジアン径d50でサブミクロンレベルである。図3では、第1電解質12の粒子を判別可能な状態で図示したが、実際には、サブミクロンレベルの細かい粒子が互いに接触して第1電解質12を構成している。
複合体10に含まれる活物質11(正極活物質)としては、例えば、Liと、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuからなる群より選択されるいずれか1種以上の元素とを構成元素の一部として含むリチウム複合金属酸化物を用いることが化学的に安定していることから好ましい。このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Li2Mn2O3、Li(NixMnyCo1-x-y)O2[0<x+y<1]、Li(NixCoyAl1-x-y)O2[0<x+y<1]、LiCr0.5Mn0.5O2、LiFePO4、Li2FeP2O7、LiMnPO4、LiFeBO3、Li3V2(PO4)3、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などが挙げられる。また、これらのリチウム複合金属酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体もリチウム複合金属酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質として用いることができる。
上記のような活物質11を用いた複合体10の製造方法については、後述するが、本実施形態では、活物質11と、液相法で形成された第1電解質前駆体とを混合して得られた混合物を用いて成形体を形成し、該成形体を焼成して焼成体を得る。さらに、第1電解質12を含む溶液を焼成体に含浸させ、熱処理を施して溶媒を除去し、活物質11と第1電解質12とを含む複合体10を形成する方法が用いられている。
負極層30に含まれる負極活物質としては、例えば、Nb2O5、V2O5、Ti2O2、In2O5、ZnO、SnO2、NiO、ITO(Snが添加された酸化インジウム)、AZO(アルミニウムが添加された酸化亜鉛)、GZO(ガリウムが添加された酸化亜鉛)、ATO(アンチモンが添加された酸化スズ)、FTO(フッ素が添加された酸化スズ)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti5O12、Li2Ti3O7などのTiを含むリチウム複合金属酸化物、Li、Si、Sn、Si−Mn、Si−Co、Si−Ni、In、Auなどの金属及び合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などを用いることができる。
上記負極活物質を用いた負極層30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体負極活物質のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、真空蒸着法、めっき法、溶射法など、いずれを用いてもよい。
複合体10に含まれる第1電解質12及び電解質層20は固体電解質であって、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ化物などからなる結晶質または非晶質を用いることができる。
酸化物結晶質の一例としては、Li0.35La0.55TiO3、Li0.2La0.27NbO3、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト類似結晶、Li7La3Zr2O12、Li5La3Nb2O12、Li5BaLa2TaO12、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO4)3、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO4)3、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO4)3、及びこれら結晶の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe4O16、などのLISICON型結晶、Li3.4V0.6Si0.4O4、Li3.6V0.4Ge0.6O4、Li2+xC1-xBxO3、などのその他の結晶質を挙げることができる。
硫化物結晶質の一例としては、Li10GeP2S12、Li9.6P3S12、Li9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3、Li3PS4などを挙げることができる。
また。その他の非晶質の一例としては、Li3BO3、Li3BO3−Li4SiO4、Li3BO3−Li3PO4、Li3BO3−Li2SO4、Li2CO3−Li3BO3、Li2O−TiO2、La2O3−Li2O−TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4SiO4−Li4ZrO4、SiO2−P2O5−Li2O、SiO2−P2O5−LiCl、Li2O−LiCl−B2O3、LiI、LiI−CaI2、LiI−CaO、LiAlCl4、LiAlF4、LiF−Al2O3、LiBr−Al2O3、LiI−Al2O3、Li2.88PO3.73N0.14、Li3NI2、Li3N−LiI−LiOH、Li3N−LiCl、Li6NBr3、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−P2S5などを挙げることができる。
上記固体電解質を用いた電解質層20の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、融液や溶液を用いたフラックス法など、いずれを用いてもよい。
本実施形態において、複合体10に含まれる第1電解質12と、電解質層20とは同じ固体電解質を用いてもよいし、異なる固体電解質を用いてもよい。
集電体41,42は、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などが用いられている。
本実施形態では、集電体41,42として銅(Cu)を用いている。集電体41,42の厚みは、例えば20μm〜40μmである。なお、リチウム電池100は、必ずしも一対の集電体41,42を備えていなくてもよく、一対の集電体41,42のうち一方の集電体を備えていればよい。例えば、複数のリチウム電池100を電気的に直列に積層して用いる場合、集電体41だけを備える構成としてもよい。
<電池の製造方法(複合体の製造方法)>
本実施形態の複合体の製造方法を含む電池の製造方法としてのリチウム電池100の製造方法について、図4〜図12を参照して説明する。図4は第1実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート、図5〜図12は第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図である。
本実施形態の複合体の製造方法を含む電池の製造方法としてのリチウム電池100の製造方法について、図4〜図12を参照して説明する。図4は第1実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート、図5〜図12は第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図である。
図4に示すように、本実施形態のリチウム電池100の製造方法は、第1電解質12の原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調製する溶液調整工程(ステップS1)と、該第1溶液を加熱して第1溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程(ステップS2)と、活物質11と第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程(ステップS3)と、該混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程(ステップS4)と、該成形体を焼成して焼成体を得る焼成工程(ステップS5)と、第1電解質12と第2溶媒とを含む第2溶液を該焼成体に含浸する含浸工程(ステップS6)と、第2溶液を含浸させた該焼成体を加熱して第2溶媒を除去し、活物質11と第1電解質12とを含む複合体10を形成する加熱工程(ステップS7)と、を備えている。また、複合体10の一方の面に活物質11を含まない電解質層20を形成する工程(ステップS8)と、電解質層20に負極層30を形成する工程(ステップS9)と、複合体10の電解質層20が形成された一方の面と反対側の他方の面に集電体41を形成すると共に、負極層30に集電体42を形成する工程(ステップS10)と、を備えている。なお、上記したステップS1〜ステップS7が本実施形態の複合体10の製造方法に該当するものである。
ステップS1の溶液調整工程では、第1電解質12の構成元素を含む原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調整する。具体的には、図5に示すように、例えばサンプル瓶61に予め秤量した第1電解質12の構成元素を含む原材料12bと第1溶媒51とを入れて混ぜ合わせ、第1溶媒51に原材料12bを溶解させた第1溶液50を得る。第1電解質12は、前述したようにLiを含む複合酸化物であることから、第1電解質12を構成するLiを始めとした金属元素の種類に応じて複数種の第1溶液50が調整される。複数種の第1溶液50のそれぞれにおいて、単位重量当たりの第1溶液50における金属元素の含有量がmol単位となるように、原材料12bの重量と第1溶媒51の重量とを調整する。原材料12bとしては、例えば、金属塩、金属アルコキシドなどが用いられる。これらの原材料12bに対応した第1溶媒51としては、2−ブトキシエタノールを挙げることができる。図5に示すように、原材料12bと第1溶媒51とを投入したサンプル瓶61をホットプレート71上で加熱することにより、第1溶媒51に原材料12bを加熱溶解させることが速やかに溶解させる点で好ましい。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2の第1電解質前駆体形成工程では、複数種の第1溶液50を用いて液相法により第1電解質前駆体を形成する。具体的には、図6に示すように、複数種の第1溶液50のそれぞれを第1電解質12における構成元素の割合に応じて秤量して混ぜ合わせた混合溶液を例えば耐熱性の金属からなるシャーレ81に入れ、ホットプレート71上で加熱することにより、混合溶液から第1溶媒51を蒸発させて除去し、さらに加熱(仮焼成)して酸化を進めることにより第1電解質前駆体12pを形成する。得られた第1電解質前駆体12pは、第1電解質12を構成する金属元素の酸化物を含むものであって、まだ第1電解質12となっていないものである。言い換えれば、第1電解質前駆体12pはこの後に行われる焼成(本焼成)によって第1電解質12となるものである。このような第1電解質前駆体12p(仮焼成体)は、サブミクロンレベルの粒子径の細かな微粉体である。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3の混合工程では、活物質11と、ステップS2で得られた第1電解質前駆体12pとを所定の体積割合で混合して混合物10mを得る。このときの混合物10mにおける活物質11の体積割合は40%以上50%以下である。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4の成形工程では、図7に示すように、リチウム電池100の形状に合わせた金型83と加圧部84とを含む成形装置85を用い、金型83に活物質11と第1電解質前駆体12pとを含む所定量の混合物10mを秤量して充填し、加圧部84によって加圧成形する。活物質11は、メジアン径d50が10μm未満となるように粒子径を調整したリチウム複合金属酸化物を用いる。第1電解質前駆体12pが前述したようにサブミクロンレベルの微粉体であることから、活物質11と第1電解質前駆体12pとを混ぜ合わせて加圧成形すると、結着剤を用いなくても形状が安定した緻密な成形体が得られる。成形工程では、この後の焼成工程で成形体を焼成した後の焼成体における嵩密度が60%以上となるように、加圧条件を設定して加圧成形する。
なお、焼成体における嵩密度とは、焼成体の実際の質量を、焼成体の見かけの体積に焼成体を構成する部材の理論密度を乗じた値で除した値の百分率(%)である。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5の焼成工程は、ステップS4によって得られた成形体を、850℃以上であって活物質11の融点未満の温度で熱処理して焼成する工程である。具体的には、図7に示す金型83は坩堝の役目も担うものであって、成形体が入った金型83を加熱して焼成(本焼成)する。本焼成により第1電解質前駆体12pは第1電解質12となる。焼成を施した後に冷却すれば成形体は若干体積収縮することから、金型83から成形体を焼成して得られる焼成体を容易に取り出すことができる。図8に示すように、焼成体10sの一方の面10bは、加圧部84によって加圧された側の面であり、焼成体10sの他方の面10aは、金型83の底面に触れていた側の面である。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6の含浸工程では、第1電解質12と第2溶媒56とを含む第2溶液55を焼成体10sに含浸させる。具体的には、第2溶液55は、第2溶媒56に第1電解質12を溶解させたもの、あるいは第2溶媒56に第1電解質12を分散させたものを用いることができる。具体的には、例えば図9に示すように所定量の第2溶液55をノズル91から焼成体10sの一方の面10b上に滴下し、浸み込ませる。第2溶液55の含浸方法は、これに限定されず、第2溶液55中に焼成体10sを浸漬してもよい。なお、第2溶液55は、上述した複数種の第1溶液50のそれぞれを第1電解質12における構成元素の割合に応じて秤量して混ぜ合わせた混合溶液であってもよい。そして、ステップS7へ進む。
ステップS7の加熱工程では、第2溶液55を含浸させた焼成体10sを加熱して、第2溶媒56を除去し、活物質11と第1電解質12とを含む複合体10を形成する。
以上のステップS1からステップS7が本実施形態の複合体10の製造方法に相当するものである。そして、ステップS8へ進む。
ステップS8の電解質層20を形成する工程では、図10に示すように、複合体10の一方の面10bに電解質層20を形成する。電解質層20の形成方法は、前述したように、溶液プロセスなど種々の方法を用いることができるが、本実施形態では、スパッタリング法により非晶質(アモルファス)であって、厚みがおよそ3μm程度の電解質層20を形成した。なお、本実施形態では電解質層20を構成する固体電解質としてボロン(B)を含むリチウム複合金属酸化物を用いた。そして、ステップS9へ進む。
ステップS9の負極層30の形成工程では、図11に示すように、電解質層20に積層して負極層30を形成する。負極層30の形成方法は、前述したように、溶液プロセスなど種々の方法を用いることができるが、本実施形態では、スパッタリング法により、負極層30として厚みがおよそ3μm程度の金属Li層を形成した。そして、ステップS10へ進む。
ステップS10の集電体の形成工程では、図12に示すように、複合体10の他方の面10aに露出した複数の活物質11に接するように集電体41を形成する。また、負極層30に接するように集電体42を形成する。本実施形態では、例えば厚みが20μm程度の銅箔を用い、形成面に銅箔を圧接させて配置することにより集電体41,42とした。これにより、一対の集電体41,42の間に、複合体10、電解質層20、負極層30が順に積層された積層体が挟持されたリチウム電池100が得られる。
上記第1実施形態の複合体10の製造方法を含むリチウム電池100の製造方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)ミクロンレベルの粒子状の活物質11と、サブミクロンレベルの微粉体である第1電解質前駆体12pとを混合した混合物10mを加圧成形して成形体を形成するので、結着剤を用いなくても形状が安定した緻密な成形体が得られる。第1電解質前駆体12pの本焼成による体積変化は、熱処理によって液相から第1電解質12を生成する場合に比べて小さいので、第1電解質12の充填率を高めた焼成体10sが得られる。加えて、焼成体10sに第1電解質12を含む第2溶液55を含浸させてから熱処理して第2溶媒56を除去するので、第1電解質12の充填率をさらに高めることができる。また、従来のように無機固体電解質の形成材料を含む液状体を活物質成形体に塗布して熱処理する工程を繰り返して、活物質成形体に無機固体電解質を充填する場合に比べて、高い生産性を実現可能である。すなわち、優れた電解質(リチウムイオン)の伝導性を有する複合体10を効率よく製造することができる。このような複合体10を用いてリチウム電池100を製造すれば、優れた充放電特性を有するリチウム電池100を製造することができる。
(1)ミクロンレベルの粒子状の活物質11と、サブミクロンレベルの微粉体である第1電解質前駆体12pとを混合した混合物10mを加圧成形して成形体を形成するので、結着剤を用いなくても形状が安定した緻密な成形体が得られる。第1電解質前駆体12pの本焼成による体積変化は、熱処理によって液相から第1電解質12を生成する場合に比べて小さいので、第1電解質12の充填率を高めた焼成体10sが得られる。加えて、焼成体10sに第1電解質12を含む第2溶液55を含浸させてから熱処理して第2溶媒56を除去するので、第1電解質12の充填率をさらに高めることができる。また、従来のように無機固体電解質の形成材料を含む液状体を活物質成形体に塗布して熱処理する工程を繰り返して、活物質成形体に無機固体電解質を充填する場合に比べて、高い生産性を実現可能である。すなわち、優れた電解質(リチウムイオン)の伝導性を有する複合体10を効率よく製造することができる。このような複合体10を用いてリチウム電池100を製造すれば、優れた充放電特性を有するリチウム電池100を製造することができる。
(2)活物質11と第1電解質前駆体12pとを混合して混合物10mを形成する混合工程(ステップS3)では、活物質11の体積割合を40%以上50%以下として混合物10mを形成する。焼成工程(ステップS5)では、該混合物10mを加圧成形した成形体を本焼成して焼成体10sを形成する。すなわち、活物質11を過剰に用いることなく、活物質11同士の結合を図って電子伝導性を確保しつつ、第1電解質12の充填率を高めた複合体10を製造することができる。
(3)該混合物10mを加圧成形する成形工程(ステップS4)では、本焼成後の焼成体10sの嵩密度が60%以上となるように加圧成形する。複合体10の体積の60%以上が活物質11と第1電解質12とによって構成されるため、より優れた電解質(リチウムイオン)の伝導性を有する複合体10を製造することができる。
(第2実施形態)
<電池>
まず、第2実施形態の複合体の製造方法により得られた複合体を用いた電池の一例としてのリチウム電池について、図13及び図14を参照して説明する。図13は第2実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図14は第2実施形態の複合体中の活物質と第1電解質とを示す拡大図である。第2実施形態のリチウム電池は、上記第1実施形態のリチウム電池100に対して、複合体10の構成を異ならせたものである。したがって、リチウム電池100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
<電池>
まず、第2実施形態の複合体の製造方法により得られた複合体を用いた電池の一例としてのリチウム電池について、図13及び図14を参照して説明する。図13は第2実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図14は第2実施形態の複合体中の活物質と第1電解質とを示す拡大図である。第2実施形態のリチウム電池は、上記第1実施形態のリチウム電池100に対して、複合体10の構成を異ならせたものである。したがって、リチウム電池100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示すように、本実施形態の電池としてのリチウム電池200は、正極層として機能する複合体210と、複合体210に対して順に積層された電解質層20と、負極層30と、を有している。また、複合体210に接する集電体41と、負極層30に接する集電体42とを有している。複合体210、電解質層20、負極層30は、いずれもリチウムを含む固相で構成されていることから、リチウム電池200もまた、上記第1実施形態のリチウム電池100と同様に、充放電可能な円盤状の全固体二次電池である。
本実施形態の複合体210は、活物質11と、第1電解質12と、第2電解質13とを含んで構成されている。複合体210の内部において粒子状の活物質11同士が接触することで、複合体210に電子伝導性が与えられた状態になっている。また、複合体210に対して集電体41は複数の活物質11と接するように設けられている。
図14に示すように、複合体210における活物質11及び第1電解質12は、いずれも粒子状であって、活物質11の粒子径よりも第1電解質12の粒子径の方が小さい。活物質11は例えばメジアン径d50で10μm未満となるように揃えられている。これに対して第1電解質12の粒子径は例えばメジアン径d50でサブミクロンレベルである。本実施形態において、活物質11及び第1電解質12は結晶質であるが、第2電解質13は非晶質であり、活物質11と第1電解質12とからなる焼成体の隙間を埋めるように充填されている。また、図13に示した、電解質層20を構成する固体電解質と第2電解質13を構成する固体電解質とは同じであって、ボロン(B)を含むリチウム複合金属酸化物が用いられている。なお、図13では、活物質11、第1電解質12の粒子形状を球状としたが、実際の粒子形状は必ずしも球状ではなくそれぞれ不定形である。
<電池の製造方法(複合体の製造方法)>
次に、本実施形態の複合体210の製造方法を含む電池の製造方法としてのリチウム電池200の製造方法について、図15及び図16を参照して説明する。図15は第2実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート、図16は第2実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図である。詳しくは、図16は含浸工程を示すものである。
次に、本実施形態の複合体210の製造方法を含む電池の製造方法としてのリチウム電池200の製造方法について、図15及び図16を参照して説明する。図15は第2実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート、図16は第2実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図である。詳しくは、図16は含浸工程を示すものである。
図15に示すように、本実施形態の複合体210を用いたリチウム電池200の製造方法は、第1電解質12の原材料と溶媒とを含む溶液を調製する溶液調整工程(ステップS11)と、該溶液を加熱して溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程(ステップS12)と、活物質11と第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程(ステップS13)と、該混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程(ステップS14)と、該成形体を焼成して焼成体を得る焼成工程(ステップS15)と、第2電解質13と該焼成体とを接触させた状態で加熱して、第2電解質13の融液を該焼成体に含浸させる含浸工程(ステップS16)と、該融液を含浸させた該焼成体を冷却して、活物質11と第1電解質12と第2電解質13とを含む複合体210を形成する冷却工程(ステップS17)と、を備えている。また、複合体210の一方の面に活物質11を含まない電解質層20を形成する工程(ステップS18)と、電解質層20に負極層30を形成する工程(ステップS19)と、複合体210の電解質層20が形成された一方の面と反対側の他方の面に集電体41を形成すると共に、負極層30に集電体42を形成する工程(ステップS20)と、を備えている。なお、上記したステップS11〜ステップS17が本実施形態の複合体210の製造方法に該当するものである。
上記したリチウム電池200の製造方法において、ステップS11〜ステップS15、及びステップS18〜ステップS20は、上記第1実施形態のリチウム電池100の製造方法におけるステップS1〜ステップS5及びステップS8〜ステップS10と同じである。したがって、以降、第1実施形態と異なるステップS16及びステップS17について説明する。なお、ステップS11の溶液が上記第1実施形態の第1溶液50と同じであって、同じく、ステップS11の溶媒が上記第1実施形態の第1溶媒51と同じである。
ステップS16の含浸工程では、図16に示すように、坩堝として機能する金型83に、ステップS15で得られた活物質11と第1電解質12とを含む焼成体210sを載置する。そして、焼成体210sの嵩密度から得られる空隙率に基づいて、予め秤量した第2電解質13を焼成体210sの一方の面210bに載置する。この場合の第2電解質13は粉体でもよいし、粉体を用いて成形された成形体でもよい。そして、第2電解質13の融点以上、活物質11の融点未満の温度で加熱して、第2電解質13を溶融させる。第2電解質13の融液13mは、焼成体210sに浸み込んでゆく。ステップS17の冷却工程では、加熱を止めて冷却(放冷)することにより、焼成体210sに浸み込んだ融液13mを固化させる。これにより、焼成体210sの一方の面210bが第2電解質13で覆われると共に、焼成体210sの内部の空隙に第2電解質13が充填された複合体210が得られる。そして、ステップS18〜ステップS20へ進む。
ステップS18の電解質層20を形成する工程では、複合体210の一方の面210bに、例えばスパッタ法で電解質層20を形成する。なお、本実施形態では、第2電解質13と電解質層20を構成する固体電解質は同じであって、ボロン(B)を含むリチウム複合金属酸化物が用いられている。したがって、ステップS16において、電解質層20を構成する分を含めて第2電解質13を秤量して焼成体210sに載置し、溶融させた後に冷却すれば、電解質層20も同時に形成することが可能である。
上記第2実施形態の複合体210の製造方法を含むリチウム電池200の製造方法によれば、上記第1実施形態の効果(2)、(3)に加えて、以下の効果が得られる。
(4)焼成体210sは、上記第1実施形態の焼成体10sと同様に、活物質11と液相法で形成された微粉体の第1電解質前駆体12pとを混合して成形した緻密な成形体を焼成したものである。含浸工程(ステップS16)は、第2電解質13を焼成体210sに接触させた状態で溶融させ、融液13mを焼成体210sに浸み込ませる。そして、冷却工程(ステップS17)で焼成体210sに浸み込ませた融液13mを固化すれば、焼成体210sの内部の空隙に第2電解質13が充填され、上記第1実施形態の複合体10に比べて高い嵩密度の複合体210が得られる。非晶質の第2電解質13は、結晶質である第1電解質12に比べてリチウムイオンの伝導性において異方性を生じないため、より優れたリチウムイオンの伝導性を有する複合体210を製造することができる。このような複合体210を用いてリチウム電池200を製造すれば、より優れた充放電特性を有するリチウム電池200を製造することができる。
(4)焼成体210sは、上記第1実施形態の焼成体10sと同様に、活物質11と液相法で形成された微粉体の第1電解質前駆体12pとを混合して成形した緻密な成形体を焼成したものである。含浸工程(ステップS16)は、第2電解質13を焼成体210sに接触させた状態で溶融させ、融液13mを焼成体210sに浸み込ませる。そして、冷却工程(ステップS17)で焼成体210sに浸み込ませた融液13mを固化すれば、焼成体210sの内部の空隙に第2電解質13が充填され、上記第1実施形態の複合体10に比べて高い嵩密度の複合体210が得られる。非晶質の第2電解質13は、結晶質である第1電解質12に比べてリチウムイオンの伝導性において異方性を生じないため、より優れたリチウムイオンの伝導性を有する複合体210を製造することができる。このような複合体210を用いてリチウム電池200を製造すれば、より優れた充放電特性を有するリチウム電池200を製造することができる。
次に、上記実施形態の複合体の製造方法を含むリチウム電池の製造方法を用いて製造されたリチウム電池の実施例と比較例とを挙げて、実施例及び比較例におけるリチウム電池の充放電特性について具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1はリチウム電池100の一例であって、上記第1実施形態の製造方法を用いて製造されたものである。実施例1のリチウム電池100は、いずれも膜厚がおよそ20μmの銅箔である一対の集電体41,42と、一対の集電体41,42の間に順に積層された、複合体10と、電解質層20と、負極層30と、を有している。複合体10は、活物質11としての粒子状のLiCoO2(以降、簡略化してLCOと呼ぶ)と、第1電解質12としてのLi6.8La3Zr1.8Nb0.2O12(以降、簡略化してLLZNbOと呼ぶ)とを含むものである。電解質層20は膜厚がおよそ3μmのLi2CO3−Li3BO3系であるLi2.2C0.8B0.2O3(以降、簡略化してLCBOと呼ぶ)からなる。負極層30は膜厚がおよそ3μmの金属Liからなる。以下、実施例1の複合体10の製造工程について具体的に説明する。
実施例1はリチウム電池100の一例であって、上記第1実施形態の製造方法を用いて製造されたものである。実施例1のリチウム電池100は、いずれも膜厚がおよそ20μmの銅箔である一対の集電体41,42と、一対の集電体41,42の間に順に積層された、複合体10と、電解質層20と、負極層30と、を有している。複合体10は、活物質11としての粒子状のLiCoO2(以降、簡略化してLCOと呼ぶ)と、第1電解質12としてのLi6.8La3Zr1.8Nb0.2O12(以降、簡略化してLLZNbOと呼ぶ)とを含むものである。電解質層20は膜厚がおよそ3μmのLi2CO3−Li3BO3系であるLi2.2C0.8B0.2O3(以降、簡略化してLCBOと呼ぶ)からなる。負極層30は膜厚がおよそ3μmの金属Liからなる。以下、実施例1の複合体10の製造工程について具体的に説明する。
1.溶液調整工程
実施例1における第1電解質12の構成元素を含む原材料12bは、金属塩である硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸ランタン(La(NO3)3)、金属アルコキシドであるテトラ−n−ブトキシジルコニウム(Zr(OBu)4)及びペンタエトキシニオブ(Nb(OEt)5)を用いる。第1溶媒51(図5参照)は、2−ブトキシエタノール(2−BuOEtOH)を用いる。
実施例1における第1電解質12の構成元素を含む原材料12bは、金属塩である硝酸リチウム(LiNO3)及び硝酸ランタン(La(NO3)3)、金属アルコキシドであるテトラ−n−ブトキシジルコニウム(Zr(OBu)4)及びペンタエトキシニオブ(Nb(OEt)5)を用いる。第1溶媒51(図5参照)は、2−ブトキシエタノール(2−BuOEtOH)を用いる。
[硝酸リチウムを含む溶液の調製]
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、1.379gのLiNO3、及び8.621gの2−BuOEtOHを秤量する。140℃に設定したホットプレート71上にサンプル瓶61を載置して加熱溶解を行う(図5参照)。2−BuOEtOHにLiNO3が完全に溶解したら、室温冷却する。これにより、2mol/kgのLiNO3/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してリチウム溶液と呼ぶ)が得られる。
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、1.379gのLiNO3、及び8.621gの2−BuOEtOHを秤量する。140℃に設定したホットプレート71上にサンプル瓶61を載置して加熱溶解を行う(図5参照)。2−BuOEtOHにLiNO3が完全に溶解したら、室温冷却する。これにより、2mol/kgのLiNO3/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してリチウム溶液と呼ぶ)が得られる。
[硝酸ランタンを含む溶液の調製]
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、4.330gの硝酸ランタン・6水和物(La(NO3)3・6H2O)、及び5.670gの2−BuOEtOHを秤量する。120℃に設定したホットプレート71上にサンプル瓶61を載置して加熱溶解を行う(図5参照)。2−BuOEtOHにLa(NO3)3・6H2Oが完全に溶解したら、室温冷却する。これにより、1mol/kgのLa(NO3)3・6H2O/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してランタン溶液と呼ぶ)が得られる。
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、4.330gの硝酸ランタン・6水和物(La(NO3)3・6H2O)、及び5.670gの2−BuOEtOHを秤量する。120℃に設定したホットプレート71上にサンプル瓶61を載置して加熱溶解を行う(図5参照)。2−BuOEtOHにLa(NO3)3・6H2Oが完全に溶解したら、室温冷却する。これにより、1mol/kgのLa(NO3)3・6H2O/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してランタン溶液と呼ぶ)が得られる。
[テトラ−n−ブトキシジルコニウムを含む溶液の調製]
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、3.837gのZr(OBu)4、及び6.163gの2−BuOEtOHを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。これにより、1mol/kgのZr(OBu)4/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してジルコニウム溶液と呼ぶ)が得られる。
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、3.837gのZr(OBu)4、及び6.163gの2−BuOEtOHを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。これにより、1mol/kgのZr(OBu)4/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してジルコニウム溶液と呼ぶ)が得られる。
[ペンタエトキシニオブを含む溶液の調製]
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、3.182gのNb(OEt)5、及び6.318gの2−BuOEtOHを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。これにより、1mol/kgのNb(OEt)5/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してニオブ溶液と呼ぶ)が得られる。
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、3.182gのNb(OEt)5、及び6.318gの2−BuOEtOHを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。これにより、1mol/kgのNb(OEt)5/2−BuOEtOH溶液(以降、簡略化してニオブ溶液と呼ぶ)が得られる。
この後に、リチウム溶液、ランタン溶液、ジルコニウム溶液、ニオブ溶液を所定量秤量するが、金属アルコキシドであるZr(OBu)4及びNb(OEt)5は、水の存在下でゲル化が進行するため、LiNO3を含むリチウム溶液と、La(NO3)3・6H2Oを含むランタン溶液について脱水処理を行う。リチウム溶液の調製において無水物のLiNO3を用いているが、LiNO3は大気中で吸湿し易く水和物となっているからである。
[脱水処理]
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、2mol/kgのリチウム溶液4.219g(Liの含有量は、LLZNbOの理論組成量に対して1.25mol倍)と、1mol/kgのランタン溶液2.400gとを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。混合後、溶液の上面の位置をサンプル瓶61にマーキングする(図5では黒塗り三角で示す)。さらに、1.5ml(ミリリットル)程度の2−BuOEtOHを加える。160℃に設定したホットプレート71上にて、例えば0.04Pa程度の圧空を溶液中に送ってバブリングしながら、2−BuOEtOHを蒸発させる。溶液の上面が先にマーキングした位置に達したら、再び1.5ml(ミリリットル)程度の2−BuOEtOHを加え、ホットプレート71上でバブリングしながら2−BuOEtOHを蒸発させる。溶液の上面がマーキングした位置に達したら、また1.5ml(ミリリットル)程度の2−BuOEtOHを加え、ホットプレート71上でバブリングしながら、2−BuOEtOHを蒸発させる。溶液の上面がマーキングした位置から数mm下となるまで2−BuOEtOHを蒸発させたところで、サンプル瓶61に蓋をして、室温に戻す。溶液中の水は2−BuOEtOHと共沸してサンプル瓶61の外に追い出される。リチウムとランタンとが含まれた脱水処理後の溶液を脱水溶液と呼ぶ。
20gのホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶61に、2mol/kgのリチウム溶液4.219g(Liの含有量は、LLZNbOの理論組成量に対して1.25mol倍)と、1mol/kgのランタン溶液2.400gとを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。混合後、溶液の上面の位置をサンプル瓶61にマーキングする(図5では黒塗り三角で示す)。さらに、1.5ml(ミリリットル)程度の2−BuOEtOHを加える。160℃に設定したホットプレート71上にて、例えば0.04Pa程度の圧空を溶液中に送ってバブリングしながら、2−BuOEtOHを蒸発させる。溶液の上面が先にマーキングした位置に達したら、再び1.5ml(ミリリットル)程度の2−BuOEtOHを加え、ホットプレート71上でバブリングしながら2−BuOEtOHを蒸発させる。溶液の上面がマーキングした位置に達したら、また1.5ml(ミリリットル)程度の2−BuOEtOHを加え、ホットプレート71上でバブリングしながら、2−BuOEtOHを蒸発させる。溶液の上面がマーキングした位置から数mm下となるまで2−BuOEtOHを蒸発させたところで、サンプル瓶61に蓋をして、室温に戻す。溶液中の水は2−BuOEtOHと共沸してサンプル瓶61の外に追い出される。リチウムとランタンとが含まれた脱水処理後の溶液を脱水溶液と呼ぶ。
2.第1電解質前駆体形成工程
上記脱水溶液が入ったサンプル瓶61に、1mol/kgのジルコニウム溶液1.280gと、1mol/kgのニオブ溶液0.25gとを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。これにより、1mol/kgの第1電解質前駆体溶液が得られる。第1電解質前駆体溶液を例えばチタン製のシャーレ81に入れ、180℃に設定したホットプレート71上でおおよそ30分間加熱して溶媒である2−BuOEtOHを蒸発させる。続いて、温度設定を360℃として、おおよそ30分間加熱することにより、配位子である硝酸基やブトキシ基、エトキシ基を分解させる。さらに、温度設定を540℃に上げて、おおよそ60分間加熱して、炭化水素分を燃焼させて酸化する(仮焼成)。これにより、第1電解質前駆体12p(仮焼成体)が得られる(図6参照)。実施例1における第1電解質前駆体12pは、Li2CO3(炭酸リチウム)、La2O3(酸化ランタン)、ZrO2(酸化ジルコニウム)、NbOx(酸化ニオブ)を含むものである。
上記脱水溶液が入ったサンプル瓶61に、1mol/kgのジルコニウム溶液1.280gと、1mol/kgのニオブ溶液0.25gとを秤量する。室温で例えばサンプル瓶61に超音波処理を施してよく混合する。これにより、1mol/kgの第1電解質前駆体溶液が得られる。第1電解質前駆体溶液を例えばチタン製のシャーレ81に入れ、180℃に設定したホットプレート71上でおおよそ30分間加熱して溶媒である2−BuOEtOHを蒸発させる。続いて、温度設定を360℃として、おおよそ30分間加熱することにより、配位子である硝酸基やブトキシ基、エトキシ基を分解させる。さらに、温度設定を540℃に上げて、おおよそ60分間加熱して、炭化水素分を燃焼させて酸化する(仮焼成)。これにより、第1電解質前駆体12p(仮焼成体)が得られる(図6参照)。実施例1における第1電解質前駆体12pは、Li2CO3(炭酸リチウム)、La2O3(酸化ランタン)、ZrO2(酸化ジルコニウム)、NbOx(酸化ニオブ)を含むものである。
3.混合工程と成形工程
活物質11としてメジアン径d50がおよそ7μmのLCOを準備し、LCOと上記第1電解質前駆体12pとを体積比率で4:6として混合して混合物10mを得た。所定量の混合物10mを秤量して成形装置85の金型83に充填し加圧部84によりおおよそ50MPaの圧力で加圧成形して、成形体を得た(図7参照)。
活物質11としてメジアン径d50がおよそ7μmのLCOを準備し、LCOと上記第1電解質前駆体12pとを体積比率で4:6として混合して混合物10mを得た。所定量の混合物10mを秤量して成形装置85の金型83に充填し加圧部84によりおおよそ50MPaの圧力で加圧成形して、成形体を得た(図7参照)。
4.焼成工程
得られた成形体を電気マッフル炉に入れ、温度設定をLCOの融点(おおよそ1000℃)よりも低く、上記仮焼成時の540℃よりも高い900℃としておおよそ6時間加熱して本焼成を行った。これにより、外径が10mmφ、厚さがおよそ200μm、嵩密度がおよそ60%の焼成体10sが得られた。
得られた成形体を電気マッフル炉に入れ、温度設定をLCOの融点(おおよそ1000℃)よりも低く、上記仮焼成時の540℃よりも高い900℃としておおよそ6時間加熱して本焼成を行った。これにより、外径が10mmφ、厚さがおよそ200μm、嵩密度がおよそ60%の焼成体10sが得られた。
5.含浸工程と加熱工程
上記した第1電解質前駆体形成工程における1mol/kgの第1電解質前駆体溶液(すなわち、脱水溶液にジルコニウム溶液とニオブ溶液とを混ぜ合わせた溶液)を、ノズル91から焼成体10sに所定量滴下して含浸させる。その後、第1電解質前駆体溶液が含浸された焼成体10sを、360℃で30分、540℃で60分、700℃で8時間、段階的に加熱して、溶媒成分を除去すると共に配位子を分解して酸化することにより、第1電解質12としてのLLZNbOを生成する。このような含浸工程と加熱工程とを4回繰り返した。焼成体10sの空隙にLLZNbOがさらに形成されることから、嵩密度が72%の複合体10が得られた。なお、焼成体10sに含浸させる溶液は、メジアン径d50がサブミクロンレベルである第1電解質12(LLZNbO)を分散媒に分散させた溶液であってもよい。
上記した第1電解質前駆体形成工程における1mol/kgの第1電解質前駆体溶液(すなわち、脱水溶液にジルコニウム溶液とニオブ溶液とを混ぜ合わせた溶液)を、ノズル91から焼成体10sに所定量滴下して含浸させる。その後、第1電解質前駆体溶液が含浸された焼成体10sを、360℃で30分、540℃で60分、700℃で8時間、段階的に加熱して、溶媒成分を除去すると共に配位子を分解して酸化することにより、第1電解質12としてのLLZNbOを生成する。このような含浸工程と加熱工程とを4回繰り返した。焼成体10sの空隙にLLZNbOがさらに形成されることから、嵩密度が72%の複合体10が得られた。なお、焼成体10sに含浸させる溶液は、メジアン径d50がサブミクロンレベルである第1電解質12(LLZNbO)を分散媒に分散させた溶液であってもよい。
6.リチウム電池の製造
上記複合体10にLCBOをスパッタリングして電解質層20を形成し、電解質層20に金属Liをスパッタリングして負極層30を積層形成した。得られた積層体を一対の集電体41,42で挟持して実施例1のリチウム電池100とした。
上記複合体10にLCBOをスパッタリングして電解質層20を形成し、電解質層20に金属Liをスパッタリングして負極層30を積層形成した。得られた積層体を一対の集電体41,42で挟持して実施例1のリチウム電池100とした。
(実施例2)
実施例2はリチウム電池100の一例であって、実施例1に対して、混合物10mにおける活物質11としてのLCOと、第1電解質前駆体12pとの体積比率を5:5としたものである。複合体10及びリチウム電池100の製造方法は、実施例1と同じである。
実施例2はリチウム電池100の一例であって、実施例1に対して、混合物10mにおける活物質11としてのLCOと、第1電解質前駆体12pとの体積比率を5:5としたものである。複合体10及びリチウム電池100の製造方法は、実施例1と同じである。
(実施例3)
実施例3はリチウム電池200の一例であって、上記第2実施形態の製造方法を用いて製造されたものである。実施例3のリチウム電池200は、実施例1のリチウム電池100に対して複合体の構成を異ならせたものであって、実施例2のリチウム電池200における複合体210は、活物質11としての粒子状のLCOと、第1電解質12としてのLLZNbOと、第2電解質13としてのLCBOとを含むものである。電解質層20は膜厚がおよそ3μmのLCBOからなり、負極層30は膜厚がおよそ3μmの金属Liからなる。以下、複合体210の製造工程は、実施例1の複合体10の製造工程に対して、含浸工程を異ならせたものであって、他の工程は基本的に同じである。したがって、含浸工程〜冷却工程について簡潔に説明する。
実施例3はリチウム電池200の一例であって、上記第2実施形態の製造方法を用いて製造されたものである。実施例3のリチウム電池200は、実施例1のリチウム電池100に対して複合体の構成を異ならせたものであって、実施例2のリチウム電池200における複合体210は、活物質11としての粒子状のLCOと、第1電解質12としてのLLZNbOと、第2電解質13としてのLCBOとを含むものである。電解質層20は膜厚がおよそ3μmのLCBOからなり、負極層30は膜厚がおよそ3μmの金属Liからなる。以下、複合体210の製造工程は、実施例1の複合体10の製造工程に対して、含浸工程を異ならせたものであって、他の工程は基本的に同じである。したがって、含浸工程〜冷却工程について簡潔に説明する。
[含浸工程〜冷却工程]
実施例3の含浸工程では、活物質11と第1電解質12とを含む焼成体210sに、焼成体210sの嵩密度から得られる空隙率に基づいて、予め秤量した第2電解質13を接触させた状態で加熱する。第2電解質13の融点以上、活物質11の融点未満の温度(900℃)で加熱して、第2電解質13を溶融させる。第2電解質13の融液13mは、焼成体210sに浸み込んでゆく(図16参照)。冷却工程で融液13mが浸み込んだ焼成体210sを冷却(放冷)することにより、活物質11(LCO)と第1電解質12(LLZNbO)とを含む焼成体210sに第2電解質13(LCBO)が充填された複合体210が得られた。実施例3の複合体210は、外径が10mmφ、厚さがおよそ200μm、嵩密度が95%であった。
実施例3の含浸工程では、活物質11と第1電解質12とを含む焼成体210sに、焼成体210sの嵩密度から得られる空隙率に基づいて、予め秤量した第2電解質13を接触させた状態で加熱する。第2電解質13の融点以上、活物質11の融点未満の温度(900℃)で加熱して、第2電解質13を溶融させる。第2電解質13の融液13mは、焼成体210sに浸み込んでゆく(図16参照)。冷却工程で融液13mが浸み込んだ焼成体210sを冷却(放冷)することにより、活物質11(LCO)と第1電解質12(LLZNbO)とを含む焼成体210sに第2電解質13(LCBO)が充填された複合体210が得られた。実施例3の複合体210は、外径が10mmφ、厚さがおよそ200μm、嵩密度が95%であった。
上記複合体210を用い、実施例1のリチウム電池100と同様に、電解質層20、負極層30、一対の集電体41,42を形成して実施例3のリチウム電池200を製造した。
(実施例4)
実施例4のリチウム電池は、上記第1実施形態の複合体10の製造方法と、上記第2実施形態の複合体210の製造方法とを組み合わせて製造した複合体に、電解質層20、負極層30、集電体41,42を形成したものである。具体的には、実施例4の複合体の製造方法は、第1電解質12の原材料12bと第1溶媒51とを含む第1溶液50を調製する溶液調整工程と、第1溶液50を加熱して第1溶媒51を除去し、第1電解質前駆体12pを形成する第1電解質前駆体形成工程と、活物質11と第1電解質前駆体12pとを混合して混合物10mを形成する混合工程と、混合物10mを加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、成形体を焼成して焼成体10sを形成する焼成工程と、実施例1に示した第1電解質前駆体溶液を焼成体10sに含浸させる第1含浸工程と、第1電解質前駆体溶液を含浸させた焼成体10sを加熱して溶媒を除去する加熱工程と、第2電解質13を焼成体10sに接触させた状態で加熱して、第2電解質13の融液13mを焼成体10sに含浸させる第2含浸工程と、融液13mを含浸させた焼成体10sを冷却して、活物質11と第1電解質12と第2電解質13とを含む複合体を形成する冷却工程と、を実施した。溶液調整工程から加熱工程までは、実施例1と同じである。第2含浸工程から冷却工程は、実施例3と同じである。これにより、活物質11(LCO)と第1電解質12(LLZNbO)とを含む焼成体10sに、さらに、第1電解質12(LLZNbO)と第2電解質13(LCBO)とが充填された複合体が得られた。実施例4の複合体は、外径が10mmφ、厚さがおよそ200μm、嵩密度が95%であった。
実施例4のリチウム電池は、上記第1実施形態の複合体10の製造方法と、上記第2実施形態の複合体210の製造方法とを組み合わせて製造した複合体に、電解質層20、負極層30、集電体41,42を形成したものである。具体的には、実施例4の複合体の製造方法は、第1電解質12の原材料12bと第1溶媒51とを含む第1溶液50を調製する溶液調整工程と、第1溶液50を加熱して第1溶媒51を除去し、第1電解質前駆体12pを形成する第1電解質前駆体形成工程と、活物質11と第1電解質前駆体12pとを混合して混合物10mを形成する混合工程と、混合物10mを加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、成形体を焼成して焼成体10sを形成する焼成工程と、実施例1に示した第1電解質前駆体溶液を焼成体10sに含浸させる第1含浸工程と、第1電解質前駆体溶液を含浸させた焼成体10sを加熱して溶媒を除去する加熱工程と、第2電解質13を焼成体10sに接触させた状態で加熱して、第2電解質13の融液13mを焼成体10sに含浸させる第2含浸工程と、融液13mを含浸させた焼成体10sを冷却して、活物質11と第1電解質12と第2電解質13とを含む複合体を形成する冷却工程と、を実施した。溶液調整工程から加熱工程までは、実施例1と同じである。第2含浸工程から冷却工程は、実施例3と同じである。これにより、活物質11(LCO)と第1電解質12(LLZNbO)とを含む焼成体10sに、さらに、第1電解質12(LLZNbO)と第2電解質13(LCBO)とが充填された複合体が得られた。実施例4の複合体は、外径が10mmφ、厚さがおよそ200μm、嵩密度が95%であった。
(比較例1)
比較例1のリチウム電池における複合体は、活物質11としてメジアン径d50がおよそ7μmのLCOの粉体と結着剤としてのPPC(ポリプロピレンカーボネート)とを体積比で5:1の割合で混ぜて加圧成形した成形体を得る。成形体における活物質11の体積割合は60%である。当該成形体を結着剤が焼失される温度以上であって活物質11の融点未満の温度である900℃で8時間焼成して焼成体を得る。焼成体の外形はφ10mm、厚みが200μmである。この焼成体に上述した実施例1において調整した第1電解質前駆体溶液を含浸させる含浸工程と、当該第1電解質前駆体溶液が含浸した焼成体を360℃で30分、540℃で60分、段階的に焼成する焼成工程とを4回繰り返した。このようにして得られた複合体に、実施例1と同様にして、電解質層20、負極層30、集電体41,42を形成して、比較例1のリチウム電池とした。
比較例1のリチウム電池における複合体は、活物質11としてメジアン径d50がおよそ7μmのLCOの粉体と結着剤としてのPPC(ポリプロピレンカーボネート)とを体積比で5:1の割合で混ぜて加圧成形した成形体を得る。成形体における活物質11の体積割合は60%である。当該成形体を結着剤が焼失される温度以上であって活物質11の融点未満の温度である900℃で8時間焼成して焼成体を得る。焼成体の外形はφ10mm、厚みが200μmである。この焼成体に上述した実施例1において調整した第1電解質前駆体溶液を含浸させる含浸工程と、当該第1電解質前駆体溶液が含浸した焼成体を360℃で30分、540℃で60分、段階的に焼成する焼成工程とを4回繰り返した。このようにして得られた複合体に、実施例1と同様にして、電解質層20、負極層30、集電体41,42を形成して、比較例1のリチウム電池とした。
次に、実施例1〜4及び比較例1のリチウム電池における特性の評価結果について、図17及び図18を参照して説明する。図17は実施例1〜4及び比較例1のリチウム電池における複合体の構成と充放電特性とを示す表、図18は実施例1のリチウム電池の充放電特性を示すグラフである。
図17に示すように、実施例1及び実施例3並びに実施例4のリチウム電池の製造における活物質11と第1電解質前駆体12pとを含む混合物10mにおける活物質11の体積割合は40%である。これに対して、実施例2は50%である。比較例1は、上述した成形体における活物質11の体積割合(75%)を示した。
複合体のサイズは、実施例1〜実施例4、比較例1のいずれも、外径10mmφ、厚み200μmである。
複合体の嵩密度は、実施例1が72%、実施例2が76%、実施例3が95%、実施例4が95%、比較例1が65%である。
実施例1〜実施例4及び比較例1のリチウム電池の充放電特性は、充電容量と放電容量とによって示す。具体的には、実施例1〜実施例4及び比較例1の各リチウム電池を、一定の充電電流(μA;マイクロアンペア)で上限電位が4.2V(4200mV)となるまで所定の時間充電したときの充電容量を800μAh(マイクロアンペア時間)として一定とする。これに対して、実施例1〜実施例4及び比較例1の各リチウム電池を、一定の放電電流(μA;マイクロアンペア)で下限電位が2.8V(2800mV)となるまで所定の時間放電したときの放電容量を示す。
図17に示すように、実施例1のリチウム電池の充放電容量は、充電時と放電時の電流値を5.0μAとしたものであって、図17及び図18に示すように、充電容量が800μAhであるのに対して、放電容量は520μAhであった。
実施例2のリチウム電池の充放電容量は、充電時と放電時の電流値を5.0μAとしたものであって、図17に示すように、充電容量が800μAhであるのに対して、放電容量は471μAhであった。
実施例3のリチウム電池の充放電容量は、充電時と放電時の電流値を5.0μAとしたものであって、図17に示すように、充電容量が800μAhであるのに対して、放電容量は560μAhであった。
実施例4のリチウム電池の充放電容量は、充電時と放電時の電流値を10.0μAとしたものであって、図17に示すように、充電容量が800μAhであるのに対して、放電容量は550μAhであった。
比較例1のリチウム電池の充放電容量は、充電時と放電時の電流値を1.0μAとしたものであって、図17に示すように、充電容量が612μAhであるのに対して、放電容量は321μAhであった。なお、比較例1は、一定電流で充電して上限電位が4.2Vに達したときに充電容量が800μAhとならずに612μAhであった。
実施例1〜実施例4の本発明の複合体の製造方法を適用して得られた複合体の嵩密度は、比較例1の複合体の嵩密度よりも大きい。また、実施例1〜実施例4の複合体を用いたリチウム電池は、比較例1のリチウム電池に対して体積当たりで高い放電容量が得られた。また、実施例3及び実施例4のように第2電解質13の融液を焼成体に含浸して得られた複合体を用いたリチウム電池では、実施例1、実施例2に比べて、高い放電容量が実現されている。特に、充放電における電流値を2倍の10.0μAとした実施例4では、実施例3と比較してもほぼ同等な放電容量が実現されている。すなわち、実施例4のリチウム電池の製造方法は、焼成体に第1電解質前駆体溶液を含浸させる含浸工程と加熱工程とを実施する回数を減らしても複合体における高い嵩密度を実現している。実施例4のリチウム電池は、複合体に第2電解質13(LCBO)を含むことによって、複合体におけるリチウムイオンの伝導性が向上し、他の実施例に対して短時間で充電しても長時間の放電が可能な優れた充放電特性を有する。
このようにして得られた実施例1〜実施例4のリチウム電池は、小型で薄型であることから、例えば各種のセンサーを内蔵したウェアラブル情報機器などの電源として好適に用いることができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う複合体の製造方法及び電池の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記第2実施形態では、第2電解質13と電解質層20とを同じ固体電解質(例えば、実施例3ではLCBO)を用いて形成したが、異なる固体電解質を用いてもよい。例えば、第2電解質13としてLi3BO3を用い、電解質層20としてLCBOを用いる例が挙げられる。
10,210…複合体、10m…混合物、10s…焼成体、11…活物質、12…第1電解質、12p…第1電解質前駆体、13…第2電解質、13m…第2電解質の融液、20…電解質層、30…負極層、41,42…集電体、50…第1溶液、51…第1溶媒、55…第2溶液、56…第2溶媒、100,200…電池としてのリチウム電池。
Claims (8)
- 第1電解質の原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調製する溶液調整工程と、
前記第1溶液を加熱して前記第1溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程と、
活物質と前記第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程と、
前記混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、
前記成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、
前記第1電解質と第2溶媒とを含む第2溶液を前記焼成体に接触させて含浸させる含浸工程と、
前記第2溶液を含浸させた前記焼成体を加熱して前記第2溶媒を除去し、前記活物質と前記第1電解質とを含む複合体を形成する加熱工程と、を備えた複合体の製造方法。 - 第1電解質の原材料と溶媒とを含む溶液を調製する溶液調整工程と、
前記溶液を加熱して前記溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程と、
活物質と前記第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程と、
前記混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、
前記成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、
第2電解質を前記焼成体に接触させた状態で加熱して、前記第2電解質の融液を前記焼成体に含浸させる含浸工程と、
前記融液を含浸させた前記焼成体を冷却して、前記活物質と前記第1電解質と前記第2電解質とを含む複合体を形成する冷却工程と、を備えた複合体の製造方法。 - 第1電解質の原材料と第1溶媒とを含む第1溶液を調製する溶液調整工程と、
前記第1溶液を加熱して前記第1溶媒を除去し、第1電解質前駆体を形成する第1電解質前駆体形成工程と、
活物質と前記第1電解質前駆体とを混合して混合物を形成する混合工程と、
前記混合物を加圧成形して、成形体を形成する成形工程と、
前記成形体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、
前記第1電解質と第2溶媒とを含む第2溶液を前記焼成体に接触させて含浸させる第1含浸工程と、
前記第2溶液を含浸させた前記焼成体を加熱して前記第2溶媒を除去する加熱工程と、
第2電解質を前記焼成体に接触させた状態で加熱して、前記第2電解質の融液を前記焼成体に含浸させる第2含浸工程と、
前記融液を含浸させた前記焼成体を冷却して、前記活物質と前記第1電解質と前記第2電解質とを含む複合体を形成する冷却工程と、を備えた複合体の製造方法。 - 前記混合物における前記活物質の体積割合は、50%以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合体の製造方法。
- 前記成形工程は、前記複合体の嵩密度が60%以上となるように、前記混合物を加圧成形する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の複合体の製造方法。
- 前記活物質が、コバルトを含むリチウム複合金属酸化物であり、
前記第1電解質が、ジルコニウムとニオブとを含むリチウム複合金属酸化物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の複合体の製造方法。 - 前記活物質が、コバルトを含むリチウム複合金属酸化物であり、
前記第1電解質が、ジルコニウムとニオブとを含むリチウム複合金属酸化物であり、
前記第2電解質がボロンを含むリチウム複合金属酸化物である、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の複合体の製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の複合体の製造方法を用いて形成された複合体の一方の面に前記活物質を含まない電解質層を形成する工程と、
前記電解質層に負極層を積層する工程と、
前記複合体の前記一方の面と反対側の他方の面に集電体を形成する工程と、
を備えた電池の製造方法。
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CN113906591A (zh) * | 2019-05-31 | 2022-01-07 | 佳能株式会社 | 活性材料、活性材料的制造方法、电极和电池 |
CN114975905A (zh) * | 2021-02-22 | 2022-08-30 | 精工爱普生株式会社 | 前驱体溶液、前驱体粉末、电极的制造方法以及电极 |
WO2024010079A1 (ja) * | 2022-07-07 | 2024-01-11 | 出光興産株式会社 | 硫化物固体電解質の製造方法 |
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2017
- 2017-03-24 JP JP2017058704A patent/JP2018163736A/ja active Pending
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