JP2018055865A - イオン伝導体、イオン伝導体の製造方法、電池及び電子機器 - Google Patents

イオン伝導体、イオン伝導体の製造方法、電池及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたイオン伝導性を有するイオン伝導体、イオン伝導体の製造方法、イオン伝導体を用いた電池を提供すること。【解決手段】イオン伝導体としての固体電解質34は、第1の電解質31と、第2の電解質32と、第1の電解質31と第2の電解質32との間に誘電体質33と、を備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、イオン伝導体、イオン伝導体の製造方法、電池及び電子機器に関する。
電池に用いられるイオン伝導体として、例えば、特許文献1には、チタン酸リチウムランタン(Li3xLa2/3-xTiO3(0<x<0.16);以降、略してLLTOと呼ぶ)の結晶粒子間の粒界にアモルファスのSiまたはSi化合物が存在しているケイ素含有チタン酸リチウムランタン複合固体電解質材料(以降、略してLLTO複合固体電解質材料と呼ぶ)が開示されている。
また、上記特許文献1には、LLTOの原料粉をエタノールに分散させた懸濁液aと、水、エタノール、アンモニアを一定の体積比に基づいて配合させた混合溶液bとを混合した後に、有機ケイ素化合物をエタノール中に分散させた溶液cを添加して均一に撹拌した混合液を乾燥して複合粉体を得る。得られた複合粉体をシート状にプレスした後に、1100℃〜1400℃の高温で1時間〜10時間焼結して、LLTO複合固体電解質材料を得る製造方法が開示されている。
上記特許文献1によれば、粒界導電率を向上させたLLTO複合固体電解質材料を提供できるとしている。
また、例えば、特許文献2には、硫化物系固体電解質粉末及び強誘電体粉末を含む圧粉成形体を有する固体電解質が開示されている。また、硫化物系固体電解質粉末と強誘電体粉末とを所定の配合割合で混合しメノウ乳鉢ですり潰した後に、所定の圧力でプレスしてペレット状に成型する固体電解質の製造方法が開示されている。
上記特許文献2によれば、優れたイオン伝導度を有する固体電解質を提供できるとしている。
特表2011−529243号公報 特開2011−65776号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されたLLTO複合固体電解質材料の製造方法では、LLTOの結晶粒子と、アモルファスなSiまたはSi化合物とを単純に混ぜ合わせる場合に比べて、LLTOの結晶粒子の表面をアモルファスなSiまたはSi化合物で被覆する操作が難しいという課題がある。
また、例えば、活物質を含む正極材料と負極材料との間に、上記特許文献1あるいは上記特許文献2の固体電解質を挟んで焼成することにより電池を製造する場合、例えば1000℃以上の高温で焼成すると固体電解質からLiが抜けて組成ずれが生じたり、副生成物による異相が形成されたりするおそれがある。そうすると粒界抵抗や界面抵抗が上昇して電池特性が低下するという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係るイオン伝導体は、第1の電解質と、第2の電解質と、前記第1の電解質と前記第2の電解質との間に誘電体質と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の電解質と第2の電解質との間に生ずる電気二重層の電荷を誘電体質によって中和することができる。これにより、第1の電解質と第2の電解質との間の粒界などに生ずる界面インピーダンスが低減されるので、イオン伝導性が改善されたイオン伝導体を提供することができる。また、誘電体質は、第1の電解質と第2の電解質との間の粒界を隈なく被覆せずとも、界面インピーダンスの低下効果を引き出すことができる。なお、誘電体質とは、強誘電体質以外の常誘電体質を指すものである。
上記適用例に記載のイオン伝導体において、前記第1の電解質と、前記第2の電解質とのうち少なくとも一方がガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶に分類される固体電解質であって、前記誘電体質は、パイロクロア型結晶であることが好ましい。
この構成によれば、第1の電解質と第2の電解質とのうち少なくとも一方がガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶に分類される固体電解質であるとき、熱処理によってパイロクロア型結晶である誘電体質に含まれる元素が固体電解質に拡散したとしても、固体電解質との界面において異相が生成され難く、異相に起因する界面インピーダンスの低下が生じ難い。つまり、熱処理が施されてもイオン伝導性が損なわれ難いイオン伝導体を提供することができる。
[適用例]本適用例に係るイオン伝導体の製造方法は、第1の電解質の表面の少なくとも一部を誘電体質で被覆する被覆工程と、前記誘電体質で被覆された前記第1の電解質と、第2の電解質とを混合して成型体を形成する成型工程と、前記成型体を焼成する焼成工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の電解質と第2の電解質との間の少なくとも一部に誘電体質が導入された成型体が得られる。誘電体質は、第1の電解質と第2の電解質との間に生ずる電気二重層の電荷を中和することができるので、第1の電解質と第2の電解質との間の粒界などに生ずる界面インピーダンスが低減され、イオン伝導性が改善されたイオン伝導体としての成型体を製造することができる。
上記適用例に記載のイオン伝導体の製造方法において、前記被覆工程は、前記誘電体質の前駆体溶液を調製する工程と、前記前駆体溶液と前記第1の電解質の粉体とを混合して乾燥させ混合物を形成する工程と、を含み、前記成型工程は、前記混合物の粉体と前記第2の電解質とを混合して前記成型体を形成する、ことが好ましい。
この方法によれば、混合物を形成する工程では、第1の電解質の表面を誘電体質で容易に被覆した混合物を形成することができる。そして、当該混合物の粉体と第2の電解質とを混合して成型すれば、第1の電解質と第2の電解質との間に誘電体質を容易に導入させたイオン伝導体としての成型体が得られる。
[適用例]本適用例に係る電池は、上記適用例に記載のイオン伝導体を電解質として用いたことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に記載のイオン伝導体は、優れたイオン伝導性を有するため、優れた電池特性を有する電池を提供することができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電池を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、優れた電池特性を有する電池を備えているので、電池を充電することにより長期の繰り返し使用に耐え得る電子機器を提供することができる。
リチウムイオン電池の構成を示す概略断面図。 電解質層に含まれるイオン伝導体の構成を示す電子顕微鏡(SEM)写真。 固体電解質の製造方法を示すフローチャート。 リチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャート。 実施例1〜実施例4及び比較例1の固体電解質のX線回折パターン。 比較例1の固体電解質の構成を示す電子顕微鏡(SEM)写真。 実施例1〜実施例4及び比較例1の固体電解質(焼結体)のインピーダンス測定の結果を示すグラフ。 電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
<電池>
まず、本実施形態の電池について、リチウムイオン電池を例に挙げ、図1及び図2を参照して説明する。図1はリチウムイオン電池の構成を示す概略断面図、図2は電解質層に含まれるイオン伝導体の構成を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
図1に示すように、本実施形態の電池としてのリチウムイオン電池100は、一対の集電体51,52の間に挟持された積層体40を有する。積層体40は、正極層10、電解質層30、負極層20がこの順に積層されたものである。正極層10、電解質層30、負極層20のそれぞれは、活物質であるリチウム(Li)を含むものである。以降、各層について詳しく説明する。また、説明上、リチウムイオン電池100を「電池セル」と呼ぶこともある。
正極層10に含まれる正極活物質としては、例えば、Liと、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuからなる群より選択されるいずれか一種以上の元素とを構成元素の一部として含む複酸化物を用いることができる。このような複酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、LiCr0.5Mn0.52、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などが挙げられる。また、これらのリチウム複酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲン等で置換された固溶体もリチウム複酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質として用いることができる。
上記正極活物質を用いた正極層10の形成方法は、グリーンシート法のほか、プレス焼結法、射出成型法、適当な基材表面に対する有機金属溶液の塗布・焼成及びゾルゲル法などの液相堆積法、CVD、PLD、スパッター、エアロゾルデポジションなどの気相堆積法で薄膜状に形成してもよい。さらに融液や溶液から成長させた単結晶であってもよい。
負極層20に含まれる負極活物質としては、例えば、Nb25、V25、Ti22、In25、ZnO、SnO2、NiO、ITO(Snが添加された酸化インジウム)、AZO(アルミニウムが添加された酸化亜鉛)、GZO(ガリウムが添加された酸化亜鉛)、ATO(アンチモンが添加された酸化スズ)、FTO(フッ素が添加された酸化スズ)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti512、Li2Ti37などのリチウム複酸化物、Li、Si、Sn、Si−Mn、Si−Co、Si−Ni、In、Auなどの金属及び合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などを用いることができる。
上記負極活物質を用いた負極層20の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体負極活物質のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、真空蒸着法、めっき法、溶射法など、いずれを用いてもよい。
集電体51,52は、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などが用いられている。
本実施形態では、正極層10に接する集電体51としてアルミニウム(Al)を用い、負極層20に接する集電体52として銅(Cu)を用いている。集電体51,52の厚みは、例えば20μm〜40μmである。
<イオン導電体>
電解質層30に含まれる固体電解質は本実施形態におけるイオン伝導体であって、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ化物などからなる結晶質または非晶質を用いることができる。
酸化物結晶質の一例としては、Li0.35La0.55TiO3、Li0.2La0.27NbO3、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト類似結晶、Li7La3Zr212、Li5La3Nb212、Li5BaLa2TaO12、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO43、及びこれら結晶の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe416、などのLISICON型結晶、Li3.40.6Si0.44、Li3.60.4Ge0.64、Li2+x1-xx3、などのその他の結晶質を挙げることができる。
硫化物結晶質の一例としては、Li10GeP212、Li9.6312、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3、Li3PS4などを挙げることができる。
また。その他の非晶質の一例としては、Li3BO3、Li2O−TiO2、La23−Li2O−TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4SiO4−Li4ZrO4、SiO2−P25−Li2O、SiO2−P25−LiCl、Li2O−LiCl−B23、LiI、LiI−CaI2、LiI−CaO、LiAlCl4、LiAlF4、LiF−Al23、LiBr−Al23、LiI−Al23、Li2.88PO3.730.14、Li3NI2、Li3N−LiI−LiOH、Li3N−LiCl、Li6NBr3、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−P25などを挙げることができる。
上記固体電解質を用いた電解質層30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、融液や溶液を用いたフラックス法など、いずれを用いてもよい。
図2に示すように、本実施形態のイオン伝導体としての固体電解質34は、結晶質の第1の電解質31と、非晶質の第2の電解質32と、第1の電解質31と第2の電解質32との間の少なくとも一部に存在する誘電体質33とを含んで構成されている。具体的には、誘電体質33は、第1の電解質31の結晶粒子の表面の少なくとも一部を被覆するように形成されている。なお、図2は、後述する実施例4の固体電解質34の電子顕微鏡(SEM)写真である。この場合(実施例4)の誘電体質33の厚みは300nmに達している。
第1の電解質31としては、上述した結晶質のうち、ペロブスカイト型またはペロブスカイト類似結晶、ガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、NASICON型結晶、LISICON型結晶、その他の結晶を用いることができるが、特に、高いイオン伝導性が得られるガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶を用いることが好ましい。
第2の電解質32としては、上述したその他の非晶質の中から選ばれるが、やはり高いイオン伝導性が得られる点で、Li3BO3を用いることが好ましい。
誘電体質33は、Liを含まない金属複合酸化物であって、パイロクロア型結晶に分類される結晶構造を有するものが好ましい。パイロクロア型結晶の一例としては、La2Ti27、Ce2Ti27、Sm2TiO7、Nd2TiO7、La2Zr27、Ce2Zr27、Sm2Zr27、Nd2Zr27、La2Hf27、Ce2Hf27、Sm2Hf27、Nd2Hf27などを挙げることができる。またこれら結晶に含まれる元素の一部が任意の元素に置換されたものであっても、誘電体質33としての物理特性が損なわれない範囲で適用することができるが、La2Zr27やNd2Zr27が特に好適に用いられる。
<イオン伝導体の製造方法>
次に、本実施形態のイオン伝導体の製造方法としての固体電解質34の製造方法の一例について、図3を参照して説明する。図3は固体電解質の製造方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態の固体電解質34の製造方法は、誘電体質33の前駆体溶液の調製工程(ステップS1)と、誘電体質33と第1の電解質31とを含む混合物の形成工程(ステップS2)と、ステップS2で得られた混合物と第2の電解質32とを含む成型体の形成工程(ステップS3)と、成型体の焼成工程(ステップS4)とを、有している。なお、上記ステップS1と上記ステップS2とを含む工程が本発明の被覆工程に相当するものである。また、上記ステップS3が本発明の成型工程に相当するものである。
ステップS1では、上述したパイロクロア型結晶の誘電体質33を構成する複数種の金属の金属化合物の粉末を、誘電体質33における複数種の金属の配合割合に基づいて秤量し、それぞれ溶媒に溶解させた複数種の溶液を作る。そして、複数種の溶液を所定の割合で混ぜ合わせて撹拌したものを誘電体質33の前駆体溶液とする。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2では、誘電体質33と第1の電解質31とを含む混合物を形成する。具体的には、ステップS1で調整された前駆体溶液に、上述したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶に分類される第1の電解質31の粉末を加えて撹拌する。撹拌の後、溶媒を除去する乾燥を行って誘電体質33と第1の電解質31とを含む混合物を得る。得られた混合物を粉砕して、乾燥大気雰囲気下で例えば360℃〜850℃の温度で5分〜14時間、焼成を施す。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3では、ステップS3で焼成が施された混合物の粉末と、上述した非結晶の第2の電解質32の粉末と、溶媒とを混ぜ合わせてスラリーとする。当該スラリーを乾燥し溶媒を除去して得られた混合物を、成形型に詰めて加圧成型して成型体を得る。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4では、ステップS3で得られた成型体を乾燥大気雰囲気下で例えば540℃〜1200℃の温度で5分〜10時間、焼成を施して固体電解質34の焼結体を得る。
<リチウムイオン電池の製造方法>
次に、リチウムイオン電池100の製造方法の一例について、図4を参照して説明する。図4はリチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態のリチウムイオン電池100の製造方法は、スラリー化した層構成材料を用いるグリーンシート法で、正極層10及び電解質層30を形成するものである。
図4に示すように、本実施形態のリチウムイオン電池100の製造方法は、正極活物質を含むグリーンシートを形成する工程(ステップS11)と、固体電解質を含むグリーンシートを形成する工程(ステップS12)と、グリーンシートを積層して成型する工程(ステップS13)と、焼成工程(ステップS14)と、正極側の集電体51の形成工程(ステップS15)と、負極層20の形成工程(ステップS16)と、負極側の集電体52の形成工程(ステップS17)と、を有している。
ステップS11では、結着剤を含む溶媒に、上述した正極活物質の粉末を加えて撹拌しスラリーとする。当該スラリーを例えばフィルムなどの基材上に厚みが所定の値となるように例えば印刷法により塗布して乾燥することにより正極活物質を含むグリーンシートを形成する。なお、スラリーは、結着剤の他に、消泡剤や導電助剤、あるいはイオン伝導性を有する電解質を含んでいてもよい。そして、ステップS12へ進む。
ステップS12では、まず、上記ステップS4で得られた固体電解質34の焼結体を粉砕して粉末とする。固体電解質34の粉末を、結着剤を含む溶媒に加えて撹拌しスラリーとする。当該スラリーを例えばフィルムなどの基材上に厚みが所定の値となるように例えば印刷法により塗布して乾燥することにより固体電解質34を含むグリーンシートを形成する。なお、スラリーは、結着剤の他に、消泡剤や導電助剤を含んでいてもよい。そして、ステップS13へ進む。
ステップS13では、正極活物質を含むグリーンシートと、固体電解質34を含むグリーンシートとを積層して圧着することにより積層体を得る。電池セルの形状に対応した抜型を用いて当該積層体を成型して成型体を得る。そして、ステップS14へ進む。
ステップS14では、ステップS13で得られた成型体を、乾燥大気雰囲気下で例えば400℃〜1200℃の温度で5分〜10時間、焼成する。これにより、正極層10と電解質層30とが積層され、焼成された成型体が得られる。そして、ステップS15へ進む。
ステップS15では、成型体の正極層10に接する集電体51を形成する。集電体51の形成方法としては、真空蒸着やスパッターなどの気相成長法や、金属材料を用いたスラリー法、金属箔を圧着する方法などが挙げられる。そして、ステップS16へ進む。
ステップS16では、成型体の電解質層30に負極層20を積層して形成する。本実施形態では、厚みがおよそ40μmの金属リチウム箔を電解質層30に貼り付けて押圧することにより、負極層20とした。そして、ステップS17へ進む。
ステップS17では、負極層20に接する集電体52を形成する。集電体52の形成方法としては、集電体51の形成方法と同様に、真空蒸着やスパッターなどの気相成長法や、金属材料を用いたスラリー法、金属箔を圧着する方法などが挙げられる。これにより、一対の集電体51,52の間に挟持された、正極層10、電解質層30、負極層20を含む積層体40を有するリチウムイオン電池100ができあがる。
上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)イオン伝導体としての固体電解質34は、第1の電解質31と第2の電解質32との間の少なくとも一部に誘電体質33を有している。誘電体質33は、第1の電解質31の表面の少なくとも一部を被覆するように形成されている。このような固体電解質34によれば、第1の電解質31と第2の電解質32との間に生ずる電気二重層の電荷を誘電体質33によって中和することができる。これによって、第1の電解質31と第2の電解質32との界面インピーダンスが低下して、リチウムイオンのイオン伝導性が向上する。つまり、優れたイオン伝導性を有する固体電解質34が実現される。
(2)誘電体質33は、第1の電解質31と第2の電解質32との間の粒界を隈なく被覆せずとも、界面インピーダンスの低下効果を引き出すことができるため、前述した特許文献1(特表2011−529243号公報)のように、LLTOの結晶粒子の表面をアモルファスなSiまたはSi化合物で被覆する場合に比べて、被覆の操作の難易度が低い。
(3)固体電解質34は、優れたイオン伝導性を有することから、固体電解質34を含む電解質層30を備えることにより、優れた充放電特性を有するリチウムイオン電池100を提供することができる。
次に、イオン伝導体としての固体電解質34に係る実施例と比較例とを挙げて、具体的な効果を説明する。
[実施例1]
実施例1の固体電解質34を以下の工程で製造した。
1.誘電体質33の前駆体溶液の調製
ランタンを含む金属化合物としてLa(NO33・6H2O(硝酸ランタンの6水和物)の粉末を秤量して、濃度が0.1mol/kgとなるように、溶媒としての2−ブトキシエタノールに溶解させ、ランタン化合物溶液(ランタン原料溶液)を得た。ジルコニウムを含む金属化合物としてZr(On494を秤量して、同じく濃度が0.1mol/kgとなるように、溶媒としての2−ブトキシエタノールに溶解させ、ジルコニウム化合物溶液(ジルコニウム原料溶液)を得た。ランタン化合物溶液1.0gとジルコニウム化合物溶液1.0gとを秤量し、ホウケイ酸ガラス製のサンプル瓶内で撹拌して誘電体質33としてのLa2Zr27の前駆体溶液を得た。
2.誘電体質33による第1の電解質31の被覆
第1の電解質31の粉末として、粒度分布のメジアン径がおよそ2μmのLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512の粉末を1.0g秤量し、0.5gのLa2Zr27の前駆体溶液に加えて撹拌した後、140℃の乾燥大気雰囲気下で3時間保持し溶媒を除去して、混合物を得た。得られた混合物を粉砕し、酸化マグネシウム(MgO)製のるつぼに入れ、乾燥大気雰囲気下で700℃、4時間の焼成を行った。これにより、結晶粒子における表面の少なくとも一部が誘電体質33で被覆された第1の電解質31の粉末(結晶粒子)を得た。
3.混合物と第2の電解質32とを含む成型体の形成と焼成
誘電体質33で被覆された第1の電解質31の粉末をメノウ乳鉢に入れて再びよく粉砕した後に、150mg秤量し、第2の電解質32としてのLi3BO3の粉末50mgと混ぜ合わせ、3ml(ミリリットル)のn−ヘキサン中で混合した。得られた混合物を140℃の乾燥大気雰囲気下で3時間保持することにより溶媒を除去した。溶媒が除去された混合物を内径がφ10mmの排気ポート付きペレットダイスに充填して、50kgNの荷重で1軸加圧成型して成型体を得た。得られた成型体を800℃の乾燥大気雰囲気下で10分間焼成して焼結体を得た。
[実施例2]
実施例2の固体電解質34の製造方法は、実施例1に対して、第1の電解質31の粉末と、誘電体質33であるLa2Zr27の前駆体溶液との混合割合を変えたものであり、他の工程は実施例1と同じ方法で固体電解質34を得た。具体的には、粒度分布のメジアン径がおよそ2μmのLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512の粉末を1.0g秤量し、1.0gのLa2Zr27の前駆体溶液に加えて撹拌した後、140℃の乾燥大気雰囲気下で3時間保持し溶媒を除去して、混合物を得た。
[実施例3]
実施例3の固体電解質34の製造方法もまた、実施例1に対して、第1の電解質31の粉末と、誘電体質33であるLa2Zr27の前駆体溶液との混合割合を変えたものであり、他の工程は実施例1と同じ方法で固体電解質34を得た。具体的には、粒度分布のメジアン径がおよそ2μmのLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512の粉末を1.0g秤量し、1.5gのLa2Zr27の前駆体溶液に加えて撹拌した後、140℃の乾燥大気雰囲気下で3時間保持し溶媒を除去して、混合物を得た。
[実施例4]
実施例4の固体電解質34の製造方法もまた、実施例1に対して、第1の電解質31の粉末と、誘電体質33であるLa2Zr27の前駆体溶液との混合割合を変えたものであり、他の工程は実施例1と同じ方法で固体電解質34を得た。具体的には、粒度分布のメジアン径がおよそ2μmのLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512の粉末を1.0g秤量し、2.0gのLa2Zr27の前駆体溶液に加えて撹拌した後、140℃の乾燥大気雰囲気下で3時間保持し溶媒を除去して、混合物を得た。
[比較例1]
比較例の固体電解質の製造方法は、実施例1に対して、第1の電解質31としての粒度分布のメジアン径がおよそ2μmのLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512の粉末150mgと、第2の電解質32としてのLi3BO3の粉末50mgとを混ぜ合わせ、3ml(ミリリットル)のn−ヘキサン中で混合したものである。以降の溶媒の除去及び焼成の各工程は、実施例1と同様に処理して比較例1の固体電解質の焼結体を得た。つまり、比較例1の固体電解質において、第1の電解質31の結晶粒子の表面は誘電体質33で被覆されていない。
[実施例1〜実施例4及び比較例1の固体電解質の評価]
実施例1〜実施例4及び比較例1の固体電解質(焼結体)の結晶状態を確認すべく、X線回折装置を用いてX線回折パターンを計測した。また、実施例1〜実施例4及び比較例1の焼結体に活性電極であるリチウム金属箔電極を形成して、交流インピーダンスアナライザー(Solartron1260型)を用いてインピーダンス測定を行った。
図5は実施例1〜実施例4及び比較例1の固体電解質(焼結体)のX線回折パターンを示す図、図6は比較例1の固体電解質の構成を示す電子顕微鏡(SEM)写真、図7は実施例1〜実施例4及び比較例1の固体電解質(焼結体)のインピーダンス測定の結果を示すグラフである。
図5に示すように、実施例1〜実施例4の固体電解質(焼結体)34は、結晶質の第1の電解質31であるLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512と、同じく結晶質である誘電体質33であるLa2Zr27の存在を示すX線回折強度のピークが認められる。また、実施例1〜実施例4では、第1の電解質31や誘電体質33以外の異相の存在を示すX線回折強度のピークは観測されなかった。これに対して、比較例1の固体電解質(焼結体)からは、Li6.75La3Zr1.75Nb0.2512の存在を示すX線回折強度のピークは認められるが、La2Zr27の存在を示すX線回折強度のピークが当然ながら認められない。また、第1の電解質31以外の異相(La23)の存在を示すX線回折強度のピークが認められる。
図6に示すように、比較例1の固体電解質(焼結体)における結晶質である第1の電解質31と非晶質である第2の電解質32との粒界(界面)には、誘電体質33は存在していない。これに対して、例えば、実施例4の固体電解質(焼結体)34は、図2に示すように、結晶質の第1の電解質31と非晶質の第2の電解質32との粒界(界面)には誘電体質33が存在している。誘電体質33は、第1の電解質31の結晶の表面を被覆するように形成されている。
図7のインピーダンス測定の結果を示すグラフによれば、比較例1の固体電解質の交流インピーダンスの値に対して、実施例1〜実施例4の固体電解質34の交流インピーダンスの値はいずれも小さくなっている。特に、実施例2の固体電解質34の交流インピーダンスの値が最も小さくなっている。また、以下の表1に示すように、比較例1の固体電解質におけるイオン伝導率は、1.1×10-4Scm-1である。これに対して、実施例1の固体電解質34の第1の電解質31における誘電体質33(La2Zr27)からなる被覆部の厚みはおよそ20nmであり、固体電解質34のイオン伝導率は5.3×10-4Scm-1であった。実施例2の固体電解質34の被覆部の厚みはおよそ80nmであり、固体電解質34のイオン伝導率は7.7×10-4Scm-1であった。実施例3の固体電解質34の被覆部の厚みはおよそ150nmであり、固体電解質34のイオン伝導率は4.7×10-4Scm-1であった。実施例4の固体電解質34の被覆部の厚みはおよそ300nmであり、固体電解質34のイオン伝導率は2.6×10-4Scm-1であった。
Figure 2018055865
また、実施例2の固体電解質を用いてリチウムイオン電池を以下の工程にて製造した。
1.正極活物質合剤グリーンシートの形成
正極活物質としてLiCoO2の粉末10.0gと、実施例2の固体電解質の粉末4.0gとを、ポリプロピレンカーボネート(PPC)を10重量%含む1,4−ジオキサンの溶液100gに加えてメノウ乳鉢中で混合し、スラリーとした。必要に応じて脱泡攪拌機などを用いてスラリーを脱泡したのち、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に全自動フィルムアプリケーターを用いてスラリーを塗布した。80℃のオーブンで塗布したスラリーを乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥して正極合剤グリーンシートとした。乾燥後の正極合剤グリーンシートの厚みを測定したところ、平均厚みは約140μmであった。
2.固体電解質グリーンシートの形成
実施例2の固体電解質を粉砕し、ポリプロピレンカーボネート(PPC)を5重量%含む1,4−ジオキサンの溶液100gに添加してメノウ乳鉢中で混合しスラリーとした。必要に応じて脱泡攪拌機などを用いてスラリーを脱泡したのち、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に全自動フィルムアプリケーターを用いてスラリーを塗布した。80℃のオーブンで塗布したスラリーを乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥して固体電解質グリーンシートとした。本工程で得られた固体電解質グリーンシートの厚みをマイクロメーターで計測したところ、平均膜厚は約40μmであった。
3.グリーンシートの積層と焼成
上記正極合剤グリーンシートと上記固体電解質グリーンシートとを順に積層し、90℃に加温したロール式ラミネート機を用いて0.8MPaの圧力で熱間圧着した。冷却後の積層体を適当なポンチで切り抜くことで直径が10mmの円盤状の成型体を得た。この成型体を300℃の大気雰囲気で2時間保持することにより脱脂を行い、さらに800℃の大気雰囲気で10分間加熱することで焼結を行ったところ、厚みが100μmの正極合剤層と厚みが20μmの固体電解質34とが積層されて焼結された焼結体が得られた。
4.正極側の集電体の形成
自然放冷後に得られた上記焼結体の正極合剤層の表面にアルミニウムを蒸着して正極側の集電体51とした。
5.負極層及び負極側の集電体の形成
上記焼結体の電解質層側の表面に円形に切り抜いた厚みが40μmのリチウム金属箔を圧着して負極層20とした。負極層20のリチウム金属箔に、厚みが20μmの銅箔を圧着して負極側の集電体52とした。
このようにして得られたリチウムイオン電池(電池セル)の電池特性評価を行った。具体的には、電池充放電装置(HJ1020mSD8型;北斗電工製)を用いて電池セルの充放電容量を求めた。電池セルの理論容量(3.3mAh)から見積もられる放電率(放電レート)0.1Cで動作した時の容量密度は121mAh/gと優れた容量利用率を示した。また放電率1Cで動作した際の容量密度は73mAh/gであり、良好な出力特性を示した。
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器について、ウェアラブル機器を例に挙げて説明する。図8は電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図である。
図8に示すように、本実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器300は、人体の例えば手首WRに腕時計のように装着され、人体に係る情報を入手可能な情報機器であって、バンド301と、センサー302と、表示部303と、処理部304と、電池305とを備えている。
バンド301は、装着時に手首WRに密着するように、可撓性の例えばゴムなどの樹脂が用いられた帯状であって、帯の端部に結合位置を調整可能な結合部を有している。
センサー302は、例えば光学式センサーであって、装着時に手首WRに触れるよう、バンド301の内面側(手首WR側)に配置されている。
表示部303は、例えば受光型の液晶表示装置であって、表示部303に表示された情報を装着者が読み取れるように、バンド301の外面側(センサー302が取り付けられた内面と反対側)に配置されている。
処理部304は、バンド301に内蔵された例えば集積回路(IC)であって、センサー302や表示部303に電気的に接続されている。処理部304は、センサー302からの出力に基づいて、脈拍や血糖値などを計測するための演算処理を行う。また、計測結果などを表示するように表示部303を制御する。
電池305は、センサー302、表示部303、処理部304などへ電力を供給する電力供給源として、バンド301に対して脱着可能な状態で内蔵されている。電池305として、上記実施形態のリチウムイオン電池100が用いられている。
本実施形態のウェアラブル機器300によれば、センサー302によって、手首WRから装着者の脈拍や血糖値に係る情報などを電気的に検出し、処理部304での演算処理などを経て、表示部303に脈拍や血糖値などを表示することができる。表示部303には計測結果だけでなく、例えば計測結果から予測される人体の状況を示す情報や時刻なども表示することができる。
また、電池305として小型でありながら優れた充放電特性を有するリチウムイオン電池100が用いられているため、軽量且つ薄型であって長期の繰り返しの使用にも耐え得るウェアラブル機器300を提供することができる。また、リチウムイオン電池100は、全固体型の二次電池であるため、充電によって繰り返し使用が可能であると共に、電解液などが漏れる心配がないので長期に亘って安心して使用可能なウェアラブル機器300を提供できる。
本実施形態では、腕時計型のウェアラブル機器300を例示したが、ウェアラブル機器300は、例えば、足首、頭、耳、腰などに装着されるものであってもよい。
また、電力供給源としてのリチウムイオン電池100が適用される電子機器は、ウェアラブル機器300に限定されない。例えば、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレイヤー、ワイヤレスヘッドホン、ゲーム機などが挙げられる。また、このようなコンシューマー(一般消費者向け)な機器に限らず、産業用途の機器にも適用可能である。また、本発明の電子機器は、例えば、データ通信機能、ゲーム機能、録音再生機能、辞書機能などの他の機能を有していてもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うイオン伝導体及び該イオン伝導体の製造方法ならびに該イオン伝導体を適用する電池もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)結晶質である第1の電解質31の表面の少なくとも一部を誘電体質33で被覆する工程は、誘電体質33の前駆体溶液を用いた溶液プロセスに限定されず、スパッタリング法などの気相プロセスを用いて行ってもよい。
(変形例2)リチウムイオン電池100の製造方法は、グリーンシート法で正極層10及び電解質層30を形成することに限定されない。例えば、固体電解質34の製造方法により、電池セルに対応する形状に固体電解質34を成型して焼成された焼結体の一方の面に、正極活物質を含むグリーンシートを積層して、再び焼成する方法を用いてもよい。
これにより、固体電解質34の焼結体を粉体化する工程やスラリー化する工程を省くことができる。
(変形例3)固体電解質34を用いた電解質層30は、多孔質な焼結体であってもよい。その場合、電解質層30と正極層10とを複合化してもよい。複合化の方法としては、例えば、正極層10を構成する正極活物質を含む前駆体溶液を調製し、当該前駆体溶液を電解質層30に含浸させて乾燥・焼結する方法が挙げられる。なお、同様にして、電解質層30と負極層20とを複合化することも可能である。
(変形例4)本発明のイオン伝導体は、第1の電解質31と第2の電解質32のうち少なくとも一方が固体電解質であればよく、例えば、結晶質の第1の電解質31を誘電体質33で被覆した後に、液状またはゲル状の第2の電解質32と混ぜ合わせてイオン伝導体を構成してもよい。
(変形例5)本発明の電池は、本発明のイオン伝導体を電解質として用いたものであって、リチウムイオン電池100のように充放電可能な二次電池に限定されず、充電ができない一次電池であってもよい。
10…正極層、20…負極層、30…電解質層、31…第1の電解質、32…第2の電解質、33…誘電体質、34…イオン伝導体としての固体電解質、40…積層体、51,52…集電体、100…電池としてのリチウムイオン電池。

Claims (6)

  1. 第1の電解質と、
    第2の電解質と、
    前記第1の電解質と前記第2の電解質との間に誘電体質と、を備えたイオン伝導体。
  2. 前記第1の電解質と、前記第2の電解質とのうち少なくとも一方がガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶に分類される固体電解質であって、
    前記誘電体質は、パイロクロア型結晶である請求項1に記載のイオン伝導体。
  3. 第1の電解質の表面の少なくとも一部を誘電体質で被覆する被覆工程と、
    前記誘電体質で被覆された前記第1の電解質と、第2の電解質とを混合して成型体を形成する成型工程と、
    前記成型体を焼成する焼成工程と、を備えたイオン伝導体の製造方法。
  4. 前記被覆工程は、前記誘電体質の前駆体溶液を調製する工程と、
    前記前駆体溶液と前記第1の電解質の粉体とを混合して乾燥させ混合物を形成する工程と、を含み、
    前記成型工程は、前記混合物の粉体と前記第2の電解質とを混合して前記成型体を形成する、請求項3に記載のイオン伝導体の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載のイオン伝導体を電解質として用いた電池。
  6. 請求項5に記載の電池を備えた電子機器。
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