JP7021533B2 - 電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法 - Google Patents

電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7021533B2
JP7021533B2 JP2017245964A JP2017245964A JP7021533B2 JP 7021533 B2 JP7021533 B2 JP 7021533B2 JP 2017245964 A JP2017245964 A JP 2017245964A JP 2017245964 A JP2017245964 A JP 2017245964A JP 7021533 B2 JP7021533 B2 JP 7021533B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
active material
lithium
precursor solution
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017245964A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019114380A (ja
Inventor
均 山本
知史 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2017245964A priority Critical patent/JP7021533B2/ja
Priority to US16/228,873 priority patent/US10998576B2/en
Publication of JP2019114380A publication Critical patent/JP2019114380A/ja
Priority to US17/221,296 priority patent/US11777141B2/en
Priority to JP2021177117A priority patent/JP7211470B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7021533B2 publication Critical patent/JP7021533B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0561Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of inorganic materials only
    • H01M10/0562Solid materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0567Liquid materials characterised by the additives
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/02Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0569Liquid materials characterised by the solvents
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0088Composites
    • H01M2300/0091Composites in the form of mixtures
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法に関する。
携帯型情報機器をはじめとする多くの電子機器の電源として、リチウム電池(一次電池及び二次電池を含む)が利用されている。リチウム電池において、高いイオン伝導率が得られることから液状の電解質が採用されているが、液状の電解質を正極と負極との間に漏れないように、且つ安全に封止するには高度な技術が必要とされる。そこで、高エネルギー密度と安全性とを両立可能な固体電解質が注目されている。
このような固体電解質として、例えば、特許文献1には、化学式がLi3-xLa2/3-xTiO3(0<x<0.16)であるチタン酸リチウムランタン結晶粒子の間の粒界にアモルファスのSiまたはSi化合物が存在している、ケイ素含有チタン酸リチウムランタン複合固体電解質材料が開示されている。
また、特許文献1には、ケイ素含有チタン酸リチウムランタン複合固体電解質材料の製造方法として、チタン酸リチウムランタンの原料溶液と、ケイ素前駆体溶液とを混合して、加熱反応させ、乾燥することで得られた複合粉体をシート状にプレスした後に、1100℃~1400℃の高温で1時間~10時間焼結して、複合固体電解質材料を得る方法が示されている。このようにして得られた複合固体電解質材料によれば、チタン酸リチウムランタン結晶粒子の間の粒界にアモルファスのSiまたはSi化合物が存在することによって、粒界導電率が顕著に向上するとしている。
特表2011-529243号公報
しかしながら、上記特許文献1のケイ素含有チタン酸リチウムランタン複合固体電解質材料の製造方法では、上述したように、1100℃~1400℃の高温で焼結を行うことから、焼結中に複合粉体からリチウムが蒸発して抜けたり、リチウムの副生成物が生じたりして所望の組成の複合固体電解質材料が得られないおそれがある。そこで、リチウム抜けや副生成物の生成を抑えるために焼結温度を例えば1000℃未満とすると、チタン酸リチウムランタン結晶粒子同士の界面が充分に焼結せず、粒界抵抗が上昇してイオン伝導率が低下するという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る電解質前駆体溶液は、電解質を構成する元素を含む金属化合物と、金属化合物を溶解可能な溶媒と、硫酸基を有する陰イオン界面活性剤と、を含むことを特徴とする。
本適用例の電解質前駆体溶液によれば、硫酸基を有する陰イオン界面活性剤を含んでいることから、電池の電極材料として用いられる活物質粒子と電解質前駆体溶液とを接触させて反応させると、活物質粒子の表面に親水基である硫酸基が結合する。したがって、活物質粒子と電解質(金属化合物)との間に硫酸基が存在することで、活物質がイオンとして解離し易くなり、活物質粒子と電解質との間のイオン伝導率を向上させることができる。つまり、高いイオン伝導率を有する電解質を形成可能な電解質前駆体溶液を提供することができる。
上記適用例に記載の電解質前駆体溶液において、電解質前駆体溶液は、臨界ミセル濃度の5倍以上15倍以下の前記陰イオン界面活性剤を含む陰イオン界面活性剤溶液を、前記金属化合物を含む溶液と混合することにより調製されたものであることが好ましい。
これによれば、活物質粒子と電解質との間に硫酸基を確実に存在させて、イオン伝導率を向上させることができる。
上記適用例に記載の電解質前駆体溶液において、陰イオン界面活性剤は、リチウムを含むことが好ましい。
これによれば、陰イオン界面活性剤にリチウムを含ませることによって、活物質としてのリチウムを増やし、リチウムイオンのイオン伝導率をさらに向上させることができる。
上記適用例に記載の電解質前駆体溶液において、陰イオン界面活性剤は、硫酸基とリチウムとが結合した、炭素数が4以上の疎水基、またはフッ素化アルキル基を含むことが好ましい。
これによれば、炭素数が4以上の疎水基、またはフッ素化アルキル基を含むと疎水性を示すため、界面活性剤としての機能を示すようになり、この陰イオン界面活性剤が、活物質粒子の表面に硫酸基を向けて配向することにより、疎水性を示す電解質前駆体溶液の濡れ性を改善することができる。
[適用例]本適用例に係る電極複合体の製造方法は、活物質粒子を用いて、内部に空隙を有する活物質部を形成する工程と、活物質部に、上記適用例に記載の電解質前駆体溶液を含浸させ、乾燥する工程と、電解質前駆体溶液を含浸させた活物質部を活物質粒子の融点よりも低い温度で焼成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、活物質粒子からなる活物質部と電解質とを複合化し、活物質部の空隙において活物質粒子の表面と電解質との間に陰イオン界面活性剤の硫酸基を介在させてイオン伝導率を向上させた電極複合体を製造することができる。したがって、焼成時の温度を活物質粒子の融点よりも低い温度としても所望のイオン伝導率を確保することが可能となると共に、低温焼成することで活物質がリチウムであった場合には、焼成時のリチウム抜けやリチウムの副生成物の生成を抑制して、所望の組成を有する電極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、活物質部に電解質前駆体溶液を含浸させ、乾燥する工程を繰り返し行うことが好ましい。
この方法によれば、活物質部の空隙に対する電解質の充填割合を向上させて、内部抵抗を低減し、単位体積当たりの電気容量、すなわちエネルギー密度を向上させた電極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、電解質前駆体溶液の金属化合物は、焼成後に、結晶質の第1電解質部と非晶質の第2電解質部とを構成する元素を含むことが好ましい。
この方法によれば、焼成後に得られる電解質は、イオン伝導方向が制約される結晶質の第1電解質部と、イオン伝導方向が制約され難い非晶質の第2電解質部とを含むことから、結晶質の第1電解質部のみである場合に比べて、高いイオン伝導率を実現できる。
上記適用例に記載の電極複合体の製造方法において、第1電解質部及び第2電解質部よりも低融点であり、冷却後に非晶質の第3電解質部を構成する第3電解質を溶融させて、活物質部に含浸させ、冷却する工程をさらに備えることが好ましい。
この方法によれば、活物質部の空隙にさらに第3電解質部が形成されることから、活物質粒子と電解質との間のイオン伝導路(イオン伝導パス)がさらに増えてより高いイオン伝導率を実現できる。
[適用例]本適用例に係る電極複合体は、複数の活物質粒子を含み、内部に空隙を有する活物質部と、結晶質の第1電解質部及び非晶質の第2電解質部を含む電解質と、を備え、活物質粒子、第1電解質部、第2電解質部のそれぞれはリチウムを含み、活物質部の空隙に電解質が含まれ、空隙において活物質粒子の表面と電解質との間に硫酸リチウムが介在していることを特徴とする。
本適用例によれば、電解質は結晶質の第1電解質部及び非晶質の第2電解質部を含むことから、電解質が結晶質の第1電解質部のみで構成される場合に比べて、第1電解質部と第2電解質部との間でのリチウムイオンの伝導(受け渡し)が効率的に行われる。加えて、活物質部の空隙に電解質が含まれ、空隙において活物質粒子の表面と電解質との間に硫酸リチウムが介在することによって、活物質粒子の表面におけるリチウムイオンの解離が促進される。すなわち、第1電解質部と第2電解質部との間のイオン伝導率の向上に加えて、活物質粒子と電解質との間のリチウムイオン濃度の向上により、イオン伝導率が向上した電極複合体を提供することができる。
上記適用例に記載の電極複合体において、第1電解質部は、ガーネット型結晶構造を有する下記式(1)で表される金属化合物であって、結晶半径が78pm以上の金属Aを含み、金属Aは、第1電解質部と第2電解質部とに含まれることが好ましい。
Li7-xLa3(Zr2-xx)O12・・・・(1)
0.05≦x≦0.6、金属AはNb、Ta、Sbの中から少なくとも1種選択される。
この構成によれば、結晶半径が78pm以上の金属Aは、第1電解質部のZrのサイトの一部を置換していることから、第1電解質部と第2電解質部との間で金属Aに係る濃度勾配が生ずる。つまり、第1電解質部と第2電解質部とが接する界面では、金属Aの濃度勾配により界面が明確になり難い。すなわち、第1電解質部と第2電解質部とにおけるリチウムイオンの伝導が容易となり、活物質部と高いイオン伝導率を有する電解質とが複合化された電極複合体を提供することができる。
上記適用例に記載の電極複合体において、電解質は、第1電解質部及び第2電解質部よりも低融点である非晶質の第3電解質部を含むことが好ましい。
この構成によれば、活物質部の空隙に、第1電解質部及び第2電解質部に加えて第3電解質部を含む電解質を含むことによってイオン伝導パスが増え、さらにイオン伝導率を向上させた電極複合体を実現できる。また、第3電解質部は、第1電解質部及び第2電解質部よりも低融点であることから、第3電解質部を構成する電解質材料を溶融させて活物質部の空隙に充填することが可能となる。つまり、第3電解質部の活物質部への充填にあたり、第1電解質部や第2電解質部の熱による組成変化を防ぐことができる。
[適用例]本適用例に係る電池は、上記適用例に記載の電極複合体と、電極複合体の一方の面側に活物質粒子と接するように設けられた集電体と、電極複合体の他方の面側に設けられた負極と、を備えることを特徴とする。
本適用例よれば、電極複合体は、活物質部と電解質とが複合化され、高いエネルギー密度及びイオン伝導率を有していることから、充放電特性に優れ、大容量の電池を提供することができる。
上記適用例に記載の電池において、負極は、金属リチウムまたはリチウムを含む合金からなり、電極複合体の他方の面と負極との間に耐リチウム還元層を備えることが好ましい。
この構成によれば、負極を金属リチウムまたはリチウムを含む合金により構成することで、他の活物質で負極を構成した場合に比べて、リチウム供給源が増えてより大容量の電池を実現できる。また、電極複合体の他方の面と負極との間に耐リチウム還元層を備えることで、充放電によって負極側にリチウムのデンドライトが成長することを耐リチウム還元層により防ぐことができる。つまり、リチウムのデンドライトの成長に起因して正極として機能する電極複合体と負極とが短絡することを防ぐことができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電池を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、充放電特性に優れ、大容量な電池を備えていることから、長期間に亘る繰り返しの使用に耐え得る電子機器を提供することができる。
第1実施形態のリチウム電池の構成を示す概略斜視図。 第1実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の電極複合体中の活物質部、第1電解質部、第2電解質部、第3電解質部を示す拡大図。 第1実施形態のリチウム電池における電極複合体の製造方法を示すフローチャート。 電解質前駆体溶液に含まれる陰イオン界面活性剤の状態を示す模式図。 電極複合体の製造方法における工程を示す概略図。 電極複合体の製造方法における工程を示す概略図。 電極複合体の製造方法における工程を示す概略図。 電極複合体の製造方法における工程を示す概略図。 電極複合体の製造方法における工程を示す概略図。 第2実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図。 変形例のリチウム電池の構造を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<電池>
まず、本実施形態の電池について、リチウム電池を例に挙げて、図1~図3を参照して説明する。図1は第1実施形態のリチウム電池の構成を示す概略斜視図、図2は第1実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図3は第1実施形態の電極複合体中の活物質部、第1電解質部、第2電解質部、第3電解質部を示す拡大図である。
図1に示すように、本実施形態のリチウム電池100は、正極として機能する電極複合体10と、電極複合体10に対して順に積層された電解質層24と、負極30と、を有している。また、電極複合体10に接する集電体41と、負極30に接する集電体42とを有している。電極複合体10、電解質層24、負極30は、いずれもリチウムを含む固相で構成されていることから、リチウム電池100は、充放電可能な固体二次電池である。
本実施形態のリチウム電池100は、例えば円盤状であって、外形の大きさは例えば10mmφ、厚みは例えばおおよそ0.3mmである。小型、薄型であると共に、充放電可能な固体二次電池であることから、スマートフォンなどの携帯情報端末の電源として好適に用いることができる。リチウム電池100は、成形が可能ならば大きさや厚みはこの値に限定されない。本実施形態のように外形の大きさが10mmφの場合の厚みは、薄い場合は成形性の観点から0.1mm程度、厚い場合は電解質のリチウムイオン伝導性の観点から見積もられ、1mm程度までで、あまり厚いと活物質の利用効率を下げてしまう。なお、リチウム電池100の形状は円盤状であることに限定されず、多角形の盤状であってもよい。以降、各層について詳しく説明する。
図2に示すように、正極として機能する電極複合体10は、複数の活物質粒子11aからなる活物質部11と、電解質20とを含んでいる。詳しい電極複合体10の構成や製造方法は後述するが、電極複合体10は、活物質粒子11a同士が接触した状態で焼結されて構成された活物質部11を含むことで、電極複合体10に電子伝導性が与えられた状態になっている。また、集電体41は複数の活物質粒子11aと接するように設けられている。電解質20は、結晶質の第1電解質部21と、非晶質の第2電解質部22と、同じく非晶質の第3電解質部23とを含んでいる。結晶質の第1電解質部21及び非晶質の第2電解質部22は、第3電解質部23よりもイオン伝導率が大きい材料が選ばれて用いられている。
また、非晶質の第3電解質部23は、活物質粒子11a、第1電解質部21、第2電解質部22を構成する材料よりも低融点な材料が選ばれて用いられている。
電極複合体10と負極30との間に設けられた電解質層24は、活物質粒子11aを含まず、イオン伝導性の電解質を用いて構成されている。このような電解質層24は、リチウム電池100の充放電によって負極30側にリチウムのデンドライトが生成することを抑制し、電子伝導性が与えられた電極複合体10と負極30とがリチウムのデンドライトによって電気的に短絡することを防ぐ耐リチウム還元層として機能するものである。
本実施形態のリチウム電池100において、以降、集電体41に接する電極複合体10の面を一方の面10cとし、電解質層24に接する電極複合体10の面を他方の面10aとして説明する。
<電極複合体>
図3は、電極複合体10を薄くスライスした試料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した様子を模式的に示した図である。図3に示すように、電極複合体10は、活物質部11を構成する複数の活物質粒子11aを含み、活物質粒子11aの粒子間には電解質20が充填されている。活物質粒子11a及び電解質20の第1電解質部21は、いずれも粒子状であって、活物質粒子11aの粒子径よりも第1電解質部21の粒子径のほうが圧倒的に小さい。第1電解質部21は、活物質粒子11aの表面に接して、活物質粒子11aの粒子間に存在している。また、活物質粒子11aの粒子間の隙間を埋めて、活物質粒子11a及び第1電解質部21と接するように非晶質の第2電解質部22及び第3電解質部23が存在している。活物質粒子11aの粒子間の隙間は、電解質20によってすべて埋められていることが好ましいが、実際には、一部に空間11sを含む状態となっている。
活物質粒子11aと電解質20との界面や、電解質20における第3電解質部23の界面、活物質粒子11aの粒子間における空間11sの界面は明確であるが、電解質20における第1電解質部21と第2電解質部22の界面は明確ではない。なお、図3では、図示の都合上、活物質粒子11a及び第1電解質部21の粒子形状を球状としたが、実際の粒子形状は必ずしも球状ではなくそれぞれ不定形である。
活物質粒子11aの粒子同士を接触させて電子伝導性を発揮させる観点から、活物質粒子11aの粒子径は、例えば平均粒径D50で500nm以上10μm未満とすることが好ましい。これに対して第1電解質部21の粒子径は後述する製法に関係して例えば平均粒径D50でサブミクロンレベルである。図3では、第1電解質部21の粒子を判別可能な状態で図示したが、実際には、サブミクロンレベルの細かい粒子が互いに接触して第1電解質部21を構成している。
活物質部11を構成する正極活物質である活物質粒子11aは、少なくともLiを含み、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの中から選ばれる少なくとも1種の遷移金属を構成元素として含むリチウム複合金属酸化物を用いることが化学的に安定していることから好ましい。このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、Li(NixMnyCo1-x-y)O2[0<x+y<1]、Li(NixCoyAl1-x-y)O2[0<x+y<1]、LiCr0.5Mn0.52、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などが挙げられる。また、これらのリチウム複合金属酸化物の結晶内の一部の原子が、典型金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体もリチウム複合金属酸化物に含むものとし、これら固溶体も活物質粒子11aとして用いることができる。本実施形態では、活物質粒子11aとしてLiCoO2の粒子を用いており、以降、略してLCO粒子と呼ぶこともある。
複数の活物質粒子11aを含む活物質部11の形成方法は、グリーンシート法のほか、プレス焼結法、CVD、PLD、スパッタ、エアロゾルデポジションなどの気相堆積法で薄膜状に形成してもよい。さらには、融液や溶液から成長させた単結晶を用いてもよい。活物質部11の形成方法として、グリーンシート法やプレス焼結法を用いる場合、焼結後の活物質粒子11aの粒子間に空隙が生ずる。このような空隙は、活物質部11の内部において連通した状態となっている。この空隙に電解質20を充填すれば、活物質粒子11aと電解質20との接触面積が増え、電極複合体10の界面インピーダンスを低減することができる。電極複合体10における界面インピーダンスを考慮すると、活物質部11における嵩密度空隙率は40%~60%であることが好ましく、空隙における電解質20の充填率は80%以上であることが好ましい。なお、嵩密度空隙率aは、活物質部11の見かけの体積vと、質量wと、活物質粒子11aの密度ρとを用い、下記式(1)により導かれる。
a={1-w/(v・ρ)}×100 ・・・(1)
電解質20の充填率は、充填後の質量から充填前の質量を差し引いた値を電解質20の密度で除することで求めることができる。
また、活物質部11の電気抵抗率は、700Ωcm以下であることが好ましい。活物質部11がこのような電気抵抗率を有することにより、電極複合体10を用いたリチウム電池100において、充分な出力を得ることができる。電気抵抗率は、活物質部11の表面に電極として用いる銅箔を付着し、直流分極測定を行うことにより求めることが可能である。
<電解質>
電極複合体10に含まれる電解質20(第1電解質部21、第2電解質部22、第3電解質部23)及び電解質層24は固体電解質であって、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ素化物などの金属化合物からなる結晶質または非晶質を用いることができる。
酸化物結晶質の一例としては、Li0.35La0.55TiO3、Li0.2La0.27NbO3、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト類似結晶、Li7La3Zr212、Li5La3Nb212、Li5BaLa2TaO12、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO43、及びこれら結晶の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe416、などのLISICON型結晶、Li3.40.6Si0.44、Li3.60.4Ge0.64、Li2+x1-xx3、などのその他の結晶質を挙げることができる。
硫化物結晶質の一例としては、Li10GeP212、Li9.6312、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3、Li3PS4などを挙げることができる。
また。その他の非晶質の一例としては、Li2O-TiO2、La23-Li2O-TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4-Li4SiO4、Li4GeO4-Li3VO4、Li4SiO4-Li3VO4、Li4GeO4-Zn2GeO2、Li4SiO4-LiMoO4、Li3PO4-Li4SiO4、Li4SiO4-Li4ZrO4、SiO2-P25-Li2O、SiO2-P25-LiCl、Li2O-LiCl-B23、LiAlCl4、LiAlF4、LiF-Al23、LiBr-Al23、Li2.88PO3.730.14、Li3N-LiCl、Li6NBr3、Li2S-SiS2、Li2S-SiS2-P25などを挙げることができる。
上述した固体電解質の中でも、第1電解質部21に用いられる固体電解質としては、優れたイオン伝導率を示す、Li7La3Zr212の結晶の元素の一部を、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶が好ましい。具体的には、下記式(2)で示すものが挙げられる。
Li7-xLa3(Zr2-xx)O12・・・・(2)
0.05≦x≦0.6、金属Aは原子の結晶半径が78pm以上であって、Nb、Ta、Sbの中から少なくとも1種選択される。以降、上記式(2)で示されるリチウム複合金属酸化物を略してLLZrAOと表記する。例えば、LLZrNbO(x=0.3)の総イオン伝導率は、1.6×10-4[S/cm](粒子内バルクのイオン伝導率は、6.2×10-4[S/cm]、粒界のイオン伝導率は、2.2×10-4[S/cm])である。
後述する電極複合体10の製造方法によれば、第2電解質部22は、第1電解質部21と同じ金属Aを含む非晶質の固体電解質からなる。したがって、金属Aは、第1電解質部21において上記式(2)に示すように、結晶におけるZrのサイトの一部を置換すると共に、非晶質の第2電解質部22にも含まれるため、第1電解質部21と第2電解質部22との間では、金属Aに係る濃度勾配が生じて、結晶質の第1電解質部21と非晶質の第2電解質部22との界面は明確になり難い。リチウムイオンは、結晶質の第1電解質部21では結晶質内をホッピング伝導し、非晶質の第2電解質部22ではイオン拡散によって伝導する。したがって、結晶質の第1電解質部21の間を非晶質の第2電解質部22で繋ぐことで、リチウムイオンが結晶質の第1電解質部21の間をイオン拡散して伝導するので、結晶質の第1電解質部21の間に粒界が存在する場合に比べて電解質20におけるイオン伝導率が向上する。
第3電解質部23は、活物質部11(多孔質活物質焼結体)の表面及び内部の空隙に対する被覆性が高く、融点が上述した活物質粒子11a、第1電解質部21、第2電解質部22よりも低い、炭素(C)とホウ素(B)とを含むリチウム複合酸化物であるLi2+x1-xx3やその類似物質が特に好適に用いられる。以降、Li2+x1-xx3を略してLCBOとして示す。
また、後述する電極複合体10の製造方法によれば、活物質粒子11aの表面と、電解質20との間には、硫酸リチウムが存在している。硫酸リチウムは、電解質20を形成する際に用いられる電解質前駆体溶液に含まれる陰イオン界面活性剤に由来するものである。活物質粒子11aの表面と電解質20との間に存在する硫酸リチウムは、1分子層程度であって、図3では図示を省略している。活物質粒子11aの表面と電解質20との間に硫酸リチウムを介在させることにより、活物質としてのリチウムイオンの解離が促進される。
上述した固体電解質を用いた電解質層24の形成方法としては、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、融液や溶液を用いたフラックス法などを挙げることができる。本実施形態では、電解質層24の形成方法としてスパッタリング法が用いられている。
本実施形態において、電極複合体10に含まれる第3電解質部23と、電解質層24とは同じ固体電解質を用いているが、異なる固体電解質を用いてもよい。
電極複合体10は、集電体41と接する一方の面10cに複数の活物質粒子11aが露出するように研磨処理が施されている。一方の面10cに露出した複数の活物質粒子11aに対して集電体41を接続することで、電極複合体10と集電体41との間における電気抵抗を低減している。
<負極>
負極30として用いることができる負極活物質としては、Nb25、V25、TiO2、In23、ZnO、SnO2、NiO、ITO(Indium Tin Oxide)、AZO(Al-doped Zinc Oxide)、FTO(F-doped Tin Oxide)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti512、Li2Ti37などのリチウム複合金属酸化物、Li、Si、Sn、Si-Mn、Si-Co、Si-Ni、In、Auなどの金属及びこれらの金属を含む合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などを挙げることができる。小型で薄型なリチウム電池100における放電容量を考慮すると、負極30は、金属Liあるいはリチウム合金を形成する単体金属及び合金であることが好ましい。合金としてはリチウムを吸蔵・放出可能であれば特に制限されないが、13族及び14族の炭素を除く金属や半金属元素を含むものであることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズの単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。合金としては、Li-Al、Li-Ni、Li-Si、Li-Sn、Li-Sn-Niなどのリチウム合金、Si-Znなどのシリコン合金、Sn-Mn、Sn-Co、Sn-Ni、Sn-Cu、Sn-Laなどのスズ合金、Cu2Sb、La3Ni2Sn7などを例示することができる。
上記負極活物質を用いた負極30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体負極活物質のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、真空蒸着法、めっき法、溶射法など、いずれを用いてもよい。
<集電体>
集電体41,42は、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などが用いられている。
本実施形態では、集電体41,42として銅(Cu)を用いている。集電体41,42の厚みは、例えば20μm~40μmである。なお、リチウム電池100は、必ずしも一対の集電体41,42を備えていなくてもよく、一対の集電体41,42のうち一方の集電体を備えていればよい。例えば、複数のリチウム電池100をそれぞれ電気的に直列に接続されるように積層して用いる場合、リチウム電池100は一対の集電体41,42のうち集電体41だけを備える構成としてもよい。
<リチウム電池の製造方法(電極複合体の製造方法)>
次に、本実施形態のリチウム電池100の製造方法は、電極複合体10の製造方法に特徴を有している。したがって、電極複合体10の製造方法について、図4~図10を参照して説明する。図4は第1実施形態のリチウム電池における電極複合体の製造方法を示すフローチャート、図5は電解質前駆体溶液に含まれる陰イオン界面活性剤の状態を示す模式図である。図6~図10は電極複合体の製造方法における工程を示す概略図である。
図4に示すように、本実施形態の電極複合体10の製造方法は、電解質前駆体溶液の調製工程(ステップS1)と、活物質部11の形成工程(ステップS2)と、活物質部11に対して電解質前駆体溶液の含浸と乾燥を行う工程(ステップS3)と、焼成工程(ステップS4)と、第3電解質の充填工程(ステップS5)と、研磨工程(ステップS6)とを備えている。以降、各ステップについて順に説明する。
ステップS1では、まず、第1電解質部21及び第2電解質部22に含まれる種々の金属元素について、それぞれ金属化合物として入手し、当該金属化合物を溶媒に溶解させた金属化合物溶液を調製する。本実施形態において対象となる金属化合物は、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物、ニオブ化合物、タンタル化合物、アンチモン化合物である。
リチウム化合物(リチウム源)としては、例えば、塩化リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムなどのリチウム金属塩、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムブトキシド、リチウムイソブトキシド、リチウムセカンダリーブトキシド、リチウムターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトリチウムなどのリチウムアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ランタン化合物(ランタン源)としては、例えば、塩化ランタン、硝酸ランタン、酢酸ランタンなどのランタン金属塩、ランタントリメトキシド、ランタントリエトキシド、ランタントリプロポキシド、ランタントリイソプロポキシド、ランタントリブトキシド、ランタントリイソブトキシド、ランタントリセカンダリーブトキシド、ランタントリターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトランタンなどのランタンアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジルコニウム化合物(ジルコニウム源)としては、例えば、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウムなどのジルコニウム金属塩、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラセカンダリーブトキシド、ジルコニウムテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、原子の結晶半径が78pm以上の化合物としてのニオブ化合物(ニオブ源)としては、例えば、塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、蓚酸ニオブ、ニオブペンタアセチルアセトナートなどのニオブ金属塩、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタプロポキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタセカンダリーブトキシドなどのニオブアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
同様に、原子の結晶半径が78pm以上の化合物としてのタンタル化合物(タンタル源)としては、例えば、塩化タンタル、臭化タンタルなどのタンタル金属塩、タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタノルマルプロポキシド、タンタルペンタイソブトキシド、タンタルペンタノルマルブトキシド、タンタルペンタセカンダリーブトキシド、タンタルペンタターシャリーブトキシドなどのタンタルアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、原子の結晶半径が78pm以上の化合物としてのアンチモン化合物(アンチモン源)としては、例えば、臭化アンチモン、塩化アンチモン、フッ化アンチモンなどのアンチモン金属塩、アンチモントリメトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリイソプロポキシド、アンチモントリノルマルプロポキシド、アンチモントリイソブトキシド、アンチモントリノルマルブトキシドなどのアンチモンアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒としては、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物、及び原子の結晶半径が78pm以上である金属化合物を、それぞれ、溶解し得る、水および有機溶媒の単溶媒または混合溶媒が用いられる。
このような有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、2-n-ブトキシエタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチルなどのエステル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類、トルエン、o-キシレン、p-キシレンなどの芳香族類などが挙げられる。
上述したように溶媒は、第1電解質部21及び第2電解質部22を構成する金属元素を含む金属化合物によって適宜選ばれる。したがって、溶媒は水だけでなく油性の有機溶媒が選択される可能性があると共に、1種であることに限定されるものではなく、複数種の溶媒を組み合わせることで当該金属化合物の溶解性を確保してもよい。
金属化合物溶液の調製は、上述した各金属化合物をモル(mol)単位の濃度となるように秤量して、選定された溶媒に投入し、混ぜ合わせて溶解させる。金属化合物を十分に溶解させるため、必要により溶媒を加温して混ぜ合わせる。
次に、生成物として得ようとする第1電解質部21及び第2電解質部22の組成を考慮して、金属化合物が溶解した金属化合物溶液を、金属源ごとにそれぞれ秤量して混ぜ合わせることにより、電解質前駆体溶液を得る。具体的には、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物をそれぞれ含む3種の金属化合物溶液と、ニオブ化合物、タンタル化合物、アンチモン化合物の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物を含む金属化合物溶液と、陰イオン界面活性剤とを所定の配合割合で混ぜ合わせる。
陰イオン界面活性剤は、前述したように活物質粒子11aと電解質20(この場合、第1電解質部21及び第2電解質部22)との間にリチウムイオンの解離を促進させる硫酸リチウムを存在させるために用いられるものであって、活物質であるリチウムを含むことが好ましい。また、陰イオン界面活性剤は、親水基である硫酸基(SO4 2-)と、リチウム(Li)とが結合した疎水基Rを含むものであり、疎水基Rは炭素数が4以上であるか、またはフッ素化アルキル基であることが好ましい。疎水基Rの炭素数を4以上、またはフッ素化アルキル基とすることで疎水性が向上し、界面活性剤としての機能を発揮させると共に、上記溶媒の選択の範囲を油性側において広げることが可能となる。よって、陰イオン界面活性剤は、下記式(3)で示される。
R-SO4-Li・・・(3)
炭素数が4以上の疎水基Rの具体例としては、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、もしくはn-オクタデシル基などの直鎖のアルキル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-アミル基、tert-アミル基、もしくは2-エチルヘキシル基などの分枝鎖のアルキル基、または2-フルオロエチル基、もしくは2,2,2-トリフルオロエチル基などのフッ素化アルキル基が挙げられる。
本実施形態では、陰イオン界面活性剤として、炭素数が12のアルキル基である疎水基Rに硫酸基(SO4 2-)とリチウム(Li)とが結合した、ドデシル硫酸リチウム(LDS)を用いた。
図5に示すように、例えば水性の溶媒に陰イオン界面活性剤25を混ぜ合わせると、溶媒中では、硫酸基(SO4 2-)が外側に向き、疎水基Rが内側に向いて複数の陰イオン界面活性剤25が集まったミセル25mが形成される。油性の溶媒に陰イオン界面活性剤25を混ぜ合わせた場合には、疎水基Rが外側に向き、硫酸基(SO4 2-)が内側に向いて複数の陰イオン界面活性剤25が集まったミセル25mが形成される。このように溶媒中でミセル25mが形成される陰イオン界面活性剤25の濃度は臨界ミセル濃度(CMC)と呼ばれている。陰イオン界面活性剤25としてのドデシル硫酸リチウム(LDS)の臨界ミセル濃度(CMC)は、3.0mmol(ミリモル)/kg(溶液)である。
電解質前駆体溶液における陰イオン界面活性剤25の含有量は、陰イオン界面活性剤25としての効能を確実に引き出す観点から、溶液中に陰イオン界面活性剤25がある程度分散した状態であることが好ましい。本実施形態では、溶液の総量に対する陰イオン界面活性剤25の含有量を臨界ミセル濃度の5倍以上15倍以下としている。溶液における陰イオン界面活性剤25の含有量が臨界ミセル濃度の15倍を超えると、陰イオン界面活性剤25は、溶液中でほとんどがミセル化し、溶液中に分散する陰イオン界面活性剤25の量が減少してしまう。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2では、多孔質の活物質部11を形成する。具体的には、まず、粒子状(粉体)の正極活物質材料(リチウム複合金属酸化物)を準備する。本実施形態では、正極活物質材料として粒子状のLiCoO2(以降、簡略化してLCOと称す)を用いた。正極活物質材料の平均粒径(D50)は、例えば、300nm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。平均粒径は、例えば、LCO粒子をn-オクタノールに0.1質量%~10質量%の濃度となるように分散させた後、光散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装社製ナノトラックUPA-EX250)を用いて測定する。平均粒径が小さすぎると空隙が小さくなり、この後の工程において、電解質を充填し難くなる。一方で平均粒径が大きすぎると活物質部11の比表面積が小さくなり、リチウム電池100の出力が低くなってしまう。
次に、図6に示すように、正極活物質材料の粉体11pをダイス(成形型)81に入れ、加圧部82により例えば0.1MPa~5.0MPaの圧力で加圧して圧縮成形する。さらに、この圧縮体を熱処理して焼結し、活物質部11を得る。この熱処理は、リチウムの蒸散を考慮して、850℃以上であって、かつ、正極活物質材料として用いるリチウム複合金属酸化物の融点および分解点のいずれか低い方の温度未満の温度条件で行われる。リチウム複合金属酸化物としてのLCOの融点が1000℃より高いことから、この熱処理は、900℃以上1000℃以下で行うことが好ましい。さらに、この熱処理は、5分以上36時間以下で行うことが好ましく、4時間以上14時間以下で行うことがより好ましい。
なお、正極活物質材料には、バインダーとして機能する高分子化合物を添加してもよい。このような高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)が挙げられる。これらの高分子化合物は、本工程の熱処理において燃焼または酸化され、量が減少または焼失する。
さらに、正極活物質材料には、造孔材を添加してもよい。造孔材とは、空隙の鋳型となる物質(例えば高分子化合物や炭素粉末)をいう。造孔材を添加することにより、活物質部11の嵩密度空隙率を制御することができる。造孔材は、本工程の熱処理において燃焼または酸化され、量が減少する。造孔材の平均粒径は、0.5μm~10μmであることが好ましい。造孔材は、潮解性を有する物質で形成された粒子を含んでもよい。この粒子が潮解することにより周囲に生じる水が、粒子状のリチウム複合金属酸化物をつなぎ合わせるバインダーとして機能する。したがって、粒子状の正極活物質材料を圧縮成形してから熱処理するまでの間、圧縮体の形状を維持することができる。
なお、嵩密度空隙率が40%~60%の多孔質な活物質部11を形成する方法は、プレス焼結法に限定されず、例えばグリーンシート法を用いてもよい。具体的には、バインダー(結着剤)としてのPPCを溶解させた溶媒としての1,4-ジオキサンに、粒度分布の平均粒径D50が例えば約5μmのLCO粉末を混ぜてスラリー化し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基板に全自動フィルムアプリケーター(コーテック社製)を用いて塗工して、シートを形成する。
このときのスラリーの組成は、所望のシートの厚みや塗工装置の性能に合わせて任意の値をとることができる。また、スラリーには、必要に応じて分散剤や消泡剤、及び造孔材などの助剤を添加してもよい。
このようにして形成されたシートを適当なポンチを用いて抜くことにより、直径が例えば10mmの円盤状に成形されたペレットを得る。このペレットを300℃程度で脱脂した後に、例えば酸化マグネシウムなどからなる基板に載せて例えば電気マッフル炉を用いて焼成する。焼成温度は、850℃以上であって、正極活物質材料であるLCOの融点未満の875℃以上1000℃以下の温度であることが好ましい。焼成時間は、例えば5分以上、36時間以下とすることが好ましい。より好ましくは、4時間以上、14時間以下である。
これにより、LCO粒子同士を焼結させて、内部に空隙(内腔)を有する多孔質の焼結体である活物質部11が得られる。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3では、多孔質な活物質部11にステップS1で調製した電解質前駆体溶液を含浸させて乾燥する。具体的には、図7に示すように、ホットプレート85上に基板84を介して成形された活物質部11を配置する。基板84は耐熱性の例えば酸化マグネシウムなどからなり、ホットプレート85で加熱する際に、ホットプレート85と活物質部11とが直接に触れないようにして、活物質部11の加熱による変質を防ぐものである。
基板84上に載置された活物質部11に、例えば定量吐出装置を用いてノズル51から所定量の電解質前駆体溶液60を滴下する。滴下された電解質前駆体溶液60は、活物質部11が多孔質であることから毛細管現象により活物質部11に浸透してゆく。所定量の電解質前駆体溶液60を滴下した後に、活物質部11の表面に電解質前駆体溶液60が残留している場合は、これを不織布などにより払拭して取り除く。電解質前駆体溶液60が陰イオン界面活性剤25を含むことから、活物質部11に対する電解質前駆体溶液60の濡れ性が向上して、活物質部11の内部の空隙に効率的に電解質前駆体溶液60を充填することができる。そして、ホットプレート85の温度を100℃未満であって溶媒を蒸散させることが可能な温度に設定して、溶媒の乾燥を行う。設定温度や乾燥時間は、溶媒の種類にもよるが活物質部11が設定温度に到達後、例えば15分間程度である。次に、ホットプレート85の温度を例えば360℃に設定して10分間加熱することにより、電解質前駆体溶液60に含まれる炭水化物の燃焼分解を行う。さらに、ホットプレート85の温度を活物質部11の焼結温度よりも低い例えば540℃に設定して10分間加熱することにより、仮焼成を行う。そして、活物質部11の温度が50℃以下になるまで徐冷する。これにより、活物質部11に電解質前駆体溶液60が含浸され乾燥・仮焼成することで、電解質前駆体溶液60に含まれた各種の金属化合物と、陰イオン界面活性剤25とが活物質部11の内部の空隙に析出する。
電解質前駆体溶液60を活物質部11に含浸させて乾燥・仮焼成する前後において質量を測定することにより、活物質部11の空隙における電解質の充填率を求める。求められた電解質の充填率に基づいて、ステップS3を充填率が所望の状態(例えば70%以上)となるまで繰り返す。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4では、電解質前駆体溶液60の含浸と乾燥・仮焼成が終了した活物質部11を焼成(本焼成)する。具体的には、活物質部11の仮焼成体を耐熱性の例えば酸化マグネシウムなどからなる坩堝に入れて蓋をし、例えば電気マッフル炉に坩堝を入れ、活物質部11を構成するLCO粒子(つまり活物質粒子11a)の融点よりも低く、仮焼成温度よりも高い、900℃から1000℃以下の温度にて例えば8時間焼成を行う。これにより、活物質部11の仮焼成体における空隙に充填された各種の金属化合物が熱処理されて、結晶質の第1電解質部21及び非晶質の第2電解質部22が生成される。また、図8に示すように、活物質粒子11aの表面に付着していた陰イオン界面活性剤25(ドデシル硫酸リチウム)が熱分解して疎水基Rが除去され、活物質粒子11aの表面に硫酸リチウムが生成される。つまり、活物質部11の空隙において、活物質粒子11aと電解質(第1電解質部21及び第2電解質部22)との間に硫酸リチウムが存在する状態となる。本実施形態では、本焼成が終了して、活物質部11と電解質(第1電解質部21及び第2電解質部22)とが複合化した状態を本焼成体10pと呼ぶ。そして、ステップS5に進む。
ステップS5では、本焼成体10pの空隙にさらに第3電解質を充填する。具体的には、図9に示すように、まず、坩堝91内に本焼成体10pを配置する。本焼成体10pは、坩堝91の底面に設けられた支持針92によって支持されている。坩堝91は、例えば酸化マグネシウムからなり、支持針92は例えば金(Au)からなる。本焼成体10p上に固形の第3電解質23pを配置する。本実施形態では、支持針92で支持された本焼成体10pの面が前述した電極複合体10の他方の面10aとなるものである。これに対して、第3電解質23pが配置された本焼成体10pの面を一方の面10bと呼ぶ。
本実施形態では、第3電解質23pとして第1電解質部21を構成するLLZrAOよりも融点が低いLCBO(Li2+x1-xx3)を用いた。LCBOの融点はおよそ700℃であることから、炭酸(CO2)ガスを含む雰囲気下で、坩堝91をおよそ800℃に加熱し、本焼成体10pに載置された第3電解質23pを溶融させて融液23mを得た。融液23mは、毛細管現象により多孔質である本焼成体10pに浸み込んでゆく。その後、坩堝91を室温まで急冷して、浸み込んだ融液23mを固化させる。本焼成体10pの内部において、焼結された活物質粒子11aの粒子間に残る空隙にさらに第3電解質23pの融液23mが充填されて、冷却後に第3電解質部23となる。融液23mの量を調整することで、本焼成体10pの表面もまた第3電解質部23で覆われる。これによって、多孔質な本焼成体10pに電解質20(第1電解質部21、第2電解質部22、第3電解質部23)が充填された電極複合体10ができあがる。このときの電極複合体10の平均的な厚みは、例えば約110μmである。そして、ステップS6へ進む。なお、LCBOのイオン伝導率は、およそ8.0×10-7[S/cm]であって、第1電解質部21のイオン伝導率よりも小さい。
ステップS6では、図10に示すように、電解質20が充填された電極複合体10の一方の面10bを研磨して活物質粒子11aを露出させる。活物質粒子11aが露出した面が研磨面であって、図2に示した電極複合体10の一方の面10cに相当するものである。このように電極複合体10の一方の面10bを研磨する方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing;CMP処理)などが挙げられる。なお、ステップS5において本焼成体10pに第3電解質23pの融液23mを充填した後に、上記一方の面10bに複数の活物質粒子11aが充分に露出していた場合には、必ずしも研磨処理を実施しなくてもよい。つまり、ステップS6は省略することが可能である。
この後に、電極複合体10の他方の面10aに電解質層24を形成する。本実施形態では、第3電解質部23と同じLCBOをスパッタリング法で成膜して電解質層24とした。電解質層24の厚みは1.5μm以上100μm以下であればよく、本実施形態では2.5μmとした。
次に、電解質層24に積層して負極30を形成する。本実施形態では、金属リチウムをスパッタリング法で成膜して負極30とした。負極30の厚みは、50nm以上100μm以下の範囲であればよく、本実施形態では放電容量を考慮しておよそ15μmとした。
次に、図2に示すように、電極複合体10の一方の面10cに接するように集電体41を形成し、負極30に接するように集電体42を形成した。本実施形態では、厚みがおよそ20μmの銅箔を貼り付けて圧着することにより、集電体41,42を形成した。これにより、リチウム電池100ができあがる。
次に、電極複合体10を形成するために用いられる電解質前駆体溶液のより具体的な実施例と比較例とを挙げて、実施例の電解質前駆体溶液を用いた場合の効果を説明する。
(実施例1)
実施例1の電解質前駆体溶液は、結晶質の第1電解質部21を構成する金属化合物がLi6.7La3Zr1.7Nb0.312(LLZrNbO)で示される電解質前駆体溶液であって、陰イオン界面活性剤としてのドデシル硫酸リチウム(LDS)を臨界ミセル濃度(CMC)の5倍の濃度で含む陰イオン界面活性剤溶液を、前記金属化合物を含む溶液と混合することにより調製されたものである。以下、用いられる金属化合物溶液の調製と、電解質前駆体溶液の調製について説明する。
[1mol/kg濃度のリチウム化合物溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mL(ミリリットル)のパイレックス(商標)製試薬ビンに、リチウム源としての硝酸リチウム,3N5(関東化学社製)を0.6895g、及び溶媒としての2-n-ブトキシエタノール(関東化学社製)を9.3105g秤量し、300rpmのスターラー回転数、及び170℃に温調したスターラー機能付きホットプレート上に置く。硝酸リチウムが完全溶解するまで、30分間、加熱撹拌を行う。その後、室温まで徐冷し、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液とする。
[1mol/kg濃度のランタン化合物溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、ランタン源としての硝酸ランタン・六水和物4N(関東化学社製)を4.3301g、及び溶媒としての2-n-ブトキシエタノール(関東化学社製)を5.6699g秤量し、300rpmのスターラー回転数、及び140℃に温調したスターラー機能付きホットプレート上に置く。硝酸ランタン・六水和物が完全溶解するまで、30分間、加熱撹拌を行う。その後、室温まで徐冷し、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液とする。
[1mol/kg濃度のジルコニウム化合物溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、ジルコニウム源としてのジルコニウムテトラブトキシド80質量%ブタノール溶液(Gelest社製)を4.7960g、及び溶媒としての2-n-ブトキシエタノール(関東化学製)を5.2040g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。ジルコニウムテトラブトキシド80質量%ブタノール溶液と2-n-ブトキシエタノールとが完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液とする。
[1mol/kg濃度のニオブ化合物溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、ニオブ源としてのニオブペンタエトキシド(高純度化学研究所社製)を3.1821g、及び溶媒としての2-n-ブトキシエタノール(関東化学製)を6.8179g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。ニオブペンタエトキシドと2-n-ブトキシエタノールが完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液とする。
[15mmol/kg濃度の陰イオン界面活性剤溶液の調製;CMCの5倍濃度]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、陰イオン界面活性剤としてのドデシル硫酸リチウム(LDS)(ACROS ORGANICS社製)を0.0409g、及び溶媒としてのエタノールを9.9591g秤量し、300rpmのスターラー回転数、及び165℃に温調したスターラー機能付きホットプレート上に置く。LDSが完全溶解するまで、30分間、加熱撹拌を行う。その後、室温まで徐冷し、15mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液とする。
[LLZrNbO溶液の調製
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液を8.0400g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液を3.0000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を1.7000g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.3000g、及び15mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液を1.0000g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。
これら混合物が完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のLi6.7La3Zr1.7Nb0.312前駆体(+LDS;CMCの5倍濃度品)溶液とする。
(実施例2)
実施例2の電解質前駆体溶液は、陰イオン界面活性剤溶液中における陰イオン界面活性剤としてのLDSの濃度をCMCの15倍濃度としたものであり、他の構成は、実施例1と同じである。つまり、リチウム源(硝酸リチウム)、ランタン源(硝酸ランタン・六水和物)、ジルコニウム源(ジルコニウムテトラブトキシド)、及びニオブ源(ニオブペンタエトキシド)については、実施例1と同一の手順にて各1mol/kg濃度溶液を調製した。
[45mmol/kg濃度の陰イオン界面活性剤溶液の調製;CMCの15倍濃度]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、LDSを0.1225g、及び溶媒としてのエタノールを9.8775g秤量し、300rpmのスターラー回転数、及び165℃に温調したスターラー機能付きホットプレート上に置く。LDSが完全溶解するまで、30分間、加熱撹拌を行う。その後、室温まで徐冷し、45mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液とする。
[LLZrNbO前駆体溶液の調製
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液を8.0400g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液を3.0000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を1.7000g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.3000g、及び45mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液を1.0000g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。これら混合物が完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のLi6.7La3Zr1.7Nb0.312前駆体(+LDS;CMCの15倍濃度品)溶液とする。
(実施例3)
実施例3の電解質前駆体溶液は、結晶質の第1電解質部21を構成する金属化合物がLi6.7La3Zr1.2Sb0.4Ta0.412(LLZrSbTaO)で示される電解質前駆体溶液であって、陰イオン界面活性剤としてのLDSを臨界ミセル濃度(CMC)の10倍の濃度で含む陰イオン界面活性剤溶液を、前記金属化合物を含む溶液と混合することにより調製されたものである。以下、用いられる金属化合物溶液の調製と、電解質前駆体溶液の調製について説明する。
リチウム源(硝酸リチウム)、ランタン源(硝酸ランタン・六水和物)、及びジルコニウム源(ジルコニウムテトラブトキシド)については、実施例1と同一の手順にて各1mol/kg濃度溶液を調製した。
[1mol/kg濃度のアンチモン化合物溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、アンチモン源としてのアンチモントリエトキシド(高純度化学研究所社製)を2.5694g、及び溶媒としての2-n-ブトキシエタノール(関東化学製)を7.4306g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。アンチモントリエトキシドと2-n-ブトキシエタノールが完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のアンチモントリエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液とする。
[1mol/kg濃度のタンタル化合物溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、タンタル源としてのタンタルペンタエトキシド(高純度化学研究所社製)を4.0625g、及び溶媒としての2-n-ブトキシエタノール(関東化学製)を5.9375g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。タンタルペンタエトキシドと2-n-ブトキシエタノールが完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のタンタルペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液とする。
[30mmol/kg濃度の陰イオン界面活性剤溶液の調製;CMCの10倍濃度]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、陰イオン界面活性剤としてのLDSを0.0817g、及び溶媒としてのエタノールを9.9183g秤量し、300rpmのスターラー回転数、及び165℃に温調したスターラー機能付きホットプレート上に置く。LDSが完全溶解するまで、30分間、加熱撹拌を行う。その後、室温まで徐冷し、30mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液とする。
[LLZrSbTaO前駆体溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液を7.4400g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液を3.0000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を1.2000g、1mol/kg濃度のアンチモントリエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.4000g、1mol/kg濃度のタンタルペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.4000g、及び45mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液を1.0000g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。これら混合物が完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のLi6.2La3Zr1.2Sb0.4Ta0.412前駆体(+LDS;CMCの10倍濃度品)溶液とする。
(比較例1)
比較例1の電解質前駆体溶液は、結晶質の第1電解質部21を構成する金属化合物がLi6.7La3Zr1.7Nb0.312(LLZrNbO)で示される電解質前駆体溶液であって、陰イオン界面活性剤としてのLDSを臨界ミセル濃度(CMC)の4倍の濃度で含む陰イオン界面活性剤溶液を、前記金属化合物を含む溶液と混合することにより調製されたものである。以下、用いられる金属化合物溶液の調製と、電解質前駆体溶液の調製について説明する。
リチウム源(硝酸リチウム)、ランタン源(硝酸ランタン・六水和物)、ジルコニウム源(ジルコニウムテトラブトキシド)、及びニオブ源(ニオブペンタエトキシド)については、実施例1と同一の手順にて各1mol/kg濃度溶液を調製した。
[12mmol/kg濃度の陰イオン界面活性剤溶液の調製;CMCの4倍濃度]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、陰イオン界面活性剤としてのLDSを0.0327g、及び溶媒としてのエタノールを9.9673g秤量し、300rpmのスターラー回転数、及び165℃に温調したスターラー機能付きホットプレート上に置く。LDSが完全溶解するまで、30分間、加熱撹拌を行う。その後、室温まで徐冷し、12mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液とする。
[LLZrNbO前駆体溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液を8.0400g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液を3.0000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を1.7000g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.3000g、及び12mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液を1.0000g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。これら混合物が完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のLi6.7La3Zr1.7Nb0.312前駆体(+LDS;CMCの4倍濃度品)溶液とする。
(比較例2)
比較例2の電解質前駆体溶液は、結晶質の第1電解質部21を構成する金属化合物がLi6.7La3Zr1.2Sb0.4Ta0.412(LLZrSbTaO)で示される電解質前駆体溶液であって、陰イオン界面活性剤としてのLDSを臨界ミセル濃度(CMC)の4倍の濃度で含む陰イオン界面活性剤溶液を、前記金属化合物を含む溶液と混合することにより調製されたものである。つまり、実施例3に対してLDSの濃度を低下させたものである。以下、用いられる金属化合物溶液の調製と、電解質前駆体溶液の調製について説明する。
リチウム源(硝酸リチウム)、ランタン源(硝酸ランタン・六水和物)、及びジルコニウム源(ジルコニウムテトラブトキシド)については、実施例1と同一の手順にて各1mol/kg濃度溶液を調製し、アンチモン源(アンチモントリエトキシド)、及びタンタル源(タンタルペンタエトキシド)については、実施例3と同一の手順にて各1mol/kg濃度溶液を調製する。12mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液に関しては、比較例1にて調製したものを用いる。
[LLZrSbTaO前駆体溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液7.4400g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液を3.0000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を1.2000g、1mol/kg濃度のアンチモントリエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.4000g、1mol/kg濃度のタンタルペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.4000g、及び12mmol/kg濃度のLDS/エタノール溶液を1.0000g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。これら混合物が完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のLi6.2La3Zr1.2Sb0.4Ta0.412前駆体(+LDS;CMCの4倍濃度品)溶液とする。
(比較例3)
比較例3の電解質前駆体溶液は、実施例1の電解質前駆体溶液に対して、陰イオン界面活性剤を含まないものである。リチウム源(硝酸リチウム)、ランタン源(硝酸ランタン・六水和物)、ジルコニウム源(ジルコニウムテトラブトキシド)、及びニオブ源(ニオブペンタエトキシド)については、実施例1と同一の手順にて各1mol/kg濃度溶液を調製した。
[LLZrNbO前駆体溶液の調製]
スターラーバーを入れた20mLのパイレックス(商標)製試薬ビンに、1mol/kg濃度の硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液を8.0400g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物/2-n-ブトキシエタノール溶液を3.0000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラブトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を1.7000g、及び1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシド/2-n-ブトキシエタノール溶液を0.3000g秤量し、300rpmのスターラー回転数のスターラー上に置く。これら混合物が完全に混合する迄、10分間撹拌する。撹拌が終了したら、これを1mol/kg濃度のLi6.7La3Zr1.7Nb0.312前駆体溶液とする。
なお、実施例1~実施例3、比較例1~比較例3の各電解質前駆体溶液において、リチウム源としての硝酸リチウム/2-n-ブトキシエタノール溶液は、焼成時にLi2CO3として大気中に飛散することを考慮して、仕込み量は理論組成比の1.2倍としている。また、ジルコニウム源としてジルコニウム(4価)ブトキシドのブタノール80質量%溶液を用いているため、電解質前駆体溶液の調製時には理論組成比の1.25倍(1/0.8)としている。
[電極複合体の製造]
実施例1~実施例3、比較例1~比較例3の電解質前駆体溶液を用いて、上記第1実施形態の電極複合体の製造方法に基づいて電極複合体を製造した。具体的には、まず、平均粒径D50が5μmのLCO粒子を用いて、外形が10mmφ、厚みが150μmで、嵩密度空隙率が約50%の活物質部11を用意した。
次に、基板84を介して活物質部11をホットプレート85上に載置して、実施例1の電解質前駆体溶液を20μL(マイクロリットル)滴下し、多孔質な活物質部11に毛細管現象を利用して含浸させた(図7参照)。活物質部11の表面に電解質前駆体溶液が残っていた場合には、キクワイプワイパーS-200(日本製紙クレシア社製;商標)で拭き取った。そして、ホットプレート85の温度を87℃に設定して、87℃に到達後15分間、溶媒の乾燥を行った。続いて、ホットプレート85の温度設定を360℃に設定し、360℃に到達後10分間、電解質前駆体溶液に含まれる炭化水素の燃焼分解処理を行った。さらに、ホットプレート85の温度を540℃に設定し、540℃に到達後10分間、仮焼成を行った。その後、仮焼成体が50℃以下になるまで徐冷を行った。
上記の操作を10回行った後に、得られた仮焼成体の質量測定を行った。その後、電気マッフル炉を用いて仮焼成体を900℃で8時間焼成して、本焼成体10pを得た。そして、本焼成体10pの質量測定を行った。
質量測定結果に基づいて本焼成体10pの嵩密度空隙率を求め、当該嵩密度空隙率に応じて、LCBOからなる粉体の第3電解質23pを秤量した。本焼成体10pを坩堝91に入れ、秤量した第3電解質23pを本焼成体10p上に載置して、炭酸ガスを含む雰囲気下で加熱して第3電解質23pを融解させた(図9参照)。融液23mを本焼成体10pに含浸させて冷却することにより、活物質部11の空隙に結晶質の第1電解質部21、非晶質の第2電解質部22及び第3電解質部23を含む電解質20が充填された実施例1の電極複合体を得た。実施例1において溶融させたLCBOの紛体の質量は概ね5mgである。
同様にして、実施例2、実施例3、比較例1~比較例3の電解質前駆体溶液を用いてそれぞれ電極複合体を製造した。
実施例1~実施例3、比較例1~比較例3の電解質前駆体溶液を用いて得られた電極複合体を交流インピーダンス測定することによって得られたリチウムのイオン伝導率について、電極複合体における電解質のバルク、粒界、総合の値を以下の表1に示す。なお、交流インピーダンス測定では、電極複合体における電子伝導性を完全に除き、リチウムイオンのイオン伝導性だけを観るために、ペレット状の電極複合体(活物質部11、第1電解質部21、第2電解質部22を含む)の両面に電解質としてのLCBOを膜厚がおよそ2μm程度となるようにスパッタ法で成膜した後に、同じく金属リチウム(Li)をスパッタ法で成膜して電極としたものを、各実施例及び各比較例の試料として用いた。
Figure 0007021533000001
上記表1に示すように、陰イオン界面活性剤(LDS)の濃度が臨界ミセル濃度(CMC)の4倍である比較例1及びLDSを添加していない比較例3では、活物質部11と電解質20との間の粒界抵抗が存在し、それぞれバルクと粒界のイオン伝導率が得られた。LDSの濃度がCMCの4倍である比較例2において、バルクと粒界のイオン伝導率が得られなかったのは、電解質としてのLLZrSbTaOが結晶質の第1電解質部21と非晶質の第2電解質部22とを有しており、結晶質と非結晶質の間の粒界が消失しているように振る舞っているからであると考えられる。比較例1~比較例3では、LDSを添加しなかった比較例3の総イオン伝導率が最も小さく8.3×10-5[S/cm]となっている。
これに対して、LDSをCMCの5倍以上添加した実施例1~実施例3は、いずれもバルク、粒界のイオン伝導率が得られず、比較例1~比較例3に比べて大きな総イオン伝導率が得られた。これは、LDSをCMCの5倍以上の濃度で含む陰イオン界面活性剤溶液を用いることで、活物質部11と電解質との間にLDS由来の硫酸リチウムが存在して粒界抵抗が比較例2に比べても小さくなったと考えられる。
次に、上記第1実施形態のリチウム電池の製造方法に基づいて、実施例1~実施例3、比較例1~比較例3の電極複合体を用いたリチウム電池を製造し、その電池特性を評価した結果を以下の表2に示す。なお、電池特性の評価は、充放電を100μA(0.2C)で行った時の、初回の充電量に対する放電量90%以上、且つ初回の放電量に対して10回目の放電量が90%を維持している場合を○(好適)とし、これ以外は×(不適)とした。
Figure 0007021533000002
上記表2に示すように、比較例1~比較例3の電極複合体を用いたリチウム電池は、いずれも電池特性評価が×(不適)であった。特に陰イオン界面活性剤(LDS)を用いなかった比較例3では、初回の放電量が充電量に対して半分に満たない200μAであり、且つ10回目の放電量は初回の放電量の半分であった。
これに対して、LDSの濃度がCMCの5倍である実施例1、15倍である実施例2、10倍である実施例3のいずれも電池特性評価が〇(好適)であった。すなわち、臨界ミセル濃度(CMC)の5倍以上~15倍以下の濃度で陰イオン界面活性剤(LDS)を含む陰イオン界面活性剤溶液を用いることで、活物質部11と電解質20との間の粒界抵抗を減じて、優れた総イオン伝導率を有する電極複合体10を形成することができる。この電極複合体10を正極として用いれば、優れた電池特性を有するリチウム電池100を提供及び製造することができる。
なお、臨界ミセル濃度(CMC)が15倍を超える濃度で陰イオン界面活性剤(LDS)を含む陰イオン界面活性剤溶液を用いて調製された電解質前駆体溶液では、ほとんどのLDSがミセル化することから、陰イオン界面活性剤として活物質粒子11aの表面に結合し難くなって、陰イオン界面活性剤(LDS)の機能を果たすことができず、比較例3と同様に好ましい電池特性が得られなかった。
(第2実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器について、ウェアラブル機器を例に挙げて説明する。図11は第2実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図である。
図11に示すように、本実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器300は、人体の例えば手首WRに腕時計のように装着され、人体に係る情報を入手可能な情報機器であって、バンド301と、センサー302と、表示部303と、処理部304と、電池305とを備えている。
バンド301は、装着時に手首WRに密着するように、可撓性の例えばゴムなどの樹脂が用いられた帯状であって、帯の端部に結合位置を調整可能な結合部を有している。
センサー302は、例えば光学式センサーであって、装着時に手首WRに触れるよう、バンド301の内面側(手首WR側)に配置されている。
表示部303は、例えば受光型の液晶表示装置であって、表示部303に表示された情報を装着者が読み取れるように、バンド301の外面側(センサー302が取り付けられた内面と反対側)に配置されている。
処理部304は、例えば集積回路(IC)であって、バンド301に内蔵され、センサー302や表示部303に電気的に接続されている。処理部304は、センサー302からの出力に基づいて、脈拍や血糖値などを計測するための演算処理を行う。また、計測結果などを表示するように表示部303を制御する。
電池305は、センサー302、表示部303、処理部304などへ電力を供給する電力供給源として、バンド301に対して脱着可能な状態で内蔵されている。電池305として、上記第1実施形態のリチウム電池100が用いられている。
本実施形態のウェアラブル機器300によれば、センサー302によって、手首WRから装着者の脈拍や血糖値に係る情報などを電気的に検出し、処理部304での演算処理などを経て、表示部303に脈拍や血糖値などを表示することができる。表示部303には計測結果だけでなく、例えば計測結果から予測される人体の状況を示す情報や時刻なども表示することができる。
また、電池305として小型でありながら優れた充放電特性を有するリチウム電池100が用いられているため、軽量且つ薄型であって長期の繰り返しの使用にも耐え得るウェアラブル機器300を提供することができる。また、リチウム電池100は、固体型の二次電池であるため、充電によって繰り返し使用が可能であると共に、電解液などが漏れる心配がないので長期に亘って安心して使用可能なウェアラブル機器300を提供できる。
本実施形態では、腕時計型のウェアラブル機器300を例示したが、ウェアラブル機器300は、例えば、足首、頭、耳、腰などに装着されるものであってもよい。
また、電力供給源としてのリチウム電池100が適用される電子機器は、ウェアラブル機器300に限定されない。例えば、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレイヤー、ワイヤレスヘッドホン、ゲーム機などが挙げられる。また、このようなコンシューマー(一般消費者向け)な機器に限らず、産業用途の機器にも適用可能である。また、本発明の電子機器は、例えば、データ通信機能、ゲーム機能、録音再生機能、辞書機能などの他の機能を有していてもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電解質前駆体溶液、該電解質前駆体溶液を用いた電極複合体の製造方法、電極複合体及び電極複合体を適用するリチウム電池、ならびに該リチウム電池を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)正極として機能する、上記第1実施形態の電極複合体10は、活物質部11と、第1電解質部21と、第2電解質部22と、第3電解質部23とを含むものであったが、必ずしも第3電解質部23を含まなくてもよい。
(変形例2)上記第1実施形態のリチウム電池100の製造方法によれば、多孔質な本焼成体10pに含浸させる第3電解質23pの融液23mの量を調整することにより、電極複合体10の他方の面10aに電解質層24を同時に形成することも可能であることから、電極複合体10は電解質層24を含むとしてもよい。
(変形例3)上記第1実施形態の電解質前駆体溶液を用いて形成された電解質を含むリチウム電池の構成は、内腔に電解質20を含む電極複合体10を正極とするリチウム電池100に限定されない。図12は変形例のリチウム電池の構造を示す概略断面図である。図12に示す変形例のリチウム電池200は、一対の集電体241,242の間に正極210、電解質層220、負極230が挟持されたものである。
電解質層220は、結晶質な第1電解質部221と、非晶質な第2電解質部222とを少なくとも含むものであって、上記第1実施形態にて説明した固体電解質を用いて第1電解質部221、第2電解質部222を構成することができる。電解質層220を形成する方法としては、例えばグリーンシート法により結晶質な第1電解質部221の材料を含むスラリーを用いてシートを形成する。スラリーは第1電解質部221の材料の他に結着剤や造孔材などを含むものである。そして、第2電解質部222を構成する元素を含む金属化合物と、当該金属化合物を溶解可能な溶媒と、硫酸基とリチウムとが結合した疎水基からなる陰イオン界面活性剤(例えばLDS)とを含む電解質前駆体溶液を調製する。仮焼成した該シートに当該電解質前駆体溶液を含浸させ、乾燥・焼成を繰り返した後に、900℃以上1000℃未満の温度で本焼成する。これにより、内部において粒子状の第1電解質部221の粒子間に非晶質の第2電解質部222が充填されていると共に、粒子状の第1電解質部221と第2電解質部222との界面に陰イオン界面活性剤(LDS)由来の硫酸リチウムが存在したシート状の電解質層220を形成することができる。粒子状の第1電解質部221と第2電解質部222との界面に硫酸リチウムが存在することによりリチウムイオンの解離が促進されることから、結晶質の第1電解質部221と非晶質の第2電解質部222との間におけるイオン伝導性を向上させることができる。
正極210は、上記第1実施形態の活物質部11を構成する活物質粒子11aと同様な正極活物質を用いて、例えばグリーンシート法などにより、シート状の電解質層220に積層して形成することができる。負極230もまた、上記第1実施形態の負極30を構成する負極活物質を用いて、例えばグリーンシート法などにより、シート状の電解質層220に積層して形成することができる。このようにしてできた正極210、電解質層220、負極230が積層されたシート状の積層体を所望の大きさに型抜きすればペレット状の電池セルが得られる。当該電池セルに対して集電体241,242を設ければよい。
集電体241,242もまた、上記第1実施形態の集電体41,42と同様に、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などを用いることができる。なお、集電体241,242は必ずしも両方必要なものではなく、いずれか一方を備える構成であってもよい。
このようなリチウム電池200とその製造方法によれば、電解質層220において優れたイオン伝導率を実現可能であることから、薄型であると共に優れた電池特性と量産性とを有するリチウム電池200を提供あるいは製造することができる。
10…電極複合体、11…活物質部、11a…活物質粒子、20…電解質、21第1電解質部、22…第2電解質部、23…第3電解質部、23m…第3電解質の融液、23p…第3電解質、24…耐リチウム還元層としての電解質層、25…陰イオン界面活性剤、30…負極、41,42…集電体、60…電解質前駆体溶液、100,200…電池としてのリチウム電池、300…電子機器としてのウェアラブル機器。

Claims (7)

  1. 電解質を構成する元素を含む金属化合物と前記金属化合物を溶解可能な溶媒と硫酸基を有する陰イオン界面活性剤と、を含む電解質前駆体溶液の製造方法であって
    界ミセル濃度の5倍以上15倍以下の前記陰イオン界面活性剤を含む陰イオン界面活性剤溶液を、前記金属化合物を含む溶液と混合する工程を有する電解質前駆体溶液の製造方法
  2. 前記陰イオン界面活性剤は、リチウムを含む、請求項1に記載の電解質前駆体溶液の製造方法
  3. 前記陰イオン界面活性剤は、硫酸基とリチウムとが結合した、炭素数が4以上の疎水基、またはフッ素化アルキル基を含む、請求項2に記載の電解質前駆体溶液の製造方法
  4. 活物質粒子を用いて、内部に空隙を有する活物質部を形成する工程と、
    前記活物質部に、請求項1乃至3のいずれか一項の電解質前駆体溶液を含浸させ、乾燥する工程と、
    前記電解質前駆体溶液を含浸させた前記活物質部を前記活物質粒子の融点よりも低い温度で焼成する工程と、を備えた電極複合体の製造方法。
  5. 前記活物質部に前記電解質前駆体溶液を含浸させ、乾燥する工程を繰り返し行う、請求項4に記載の電極複合体の製造方法。
  6. 前記電解質前駆体溶液の前記金属化合物は、焼成後に、結晶質の第1電解質部と非晶質の第2電解質部とを構成する元素を含む、請求項4または5に記載の電極複合体の製造方法。
  7. 前記第1電解質部及び前記第2電解質部よりも低融点であり、冷却後に非晶質の第3電解質部を構成する第3電解質を溶融させて、前記活物質部に含浸させ、冷却する工程をさらに備えた、請求項に記載の電極複合体の製造方法。
JP2017245964A 2017-12-22 2017-12-22 電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法 Active JP7021533B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017245964A JP7021533B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法
US16/228,873 US10998576B2 (en) 2017-12-22 2018-12-21 Electrolyte precursor solution, electrode assembly, battery, and electronic apparatus
US17/221,296 US11777141B2 (en) 2017-12-22 2021-04-02 Electrolyte precursor solution, electrode assembly, battery, and electronic apparatus
JP2021177117A JP7211470B2 (ja) 2017-12-22 2021-10-29 電極複合体、電池、電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017245964A JP7021533B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021177117A Division JP7211470B2 (ja) 2017-12-22 2021-10-29 電極複合体、電池、電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019114380A JP2019114380A (ja) 2019-07-11
JP7021533B2 true JP7021533B2 (ja) 2022-02-17

Family

ID=66951520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017245964A Active JP7021533B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (2) US10998576B2 (ja)
JP (1) JP7021533B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11807543B2 (en) 2019-08-02 2023-11-07 Ut-Battelle, Llc Ionically conductive powders and films, and methods of preparation

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009283451A (ja) 2008-04-21 2009-12-03 Kao Corp 導電膜形成用塗布剤
JP2012209256A (ja) 2011-03-15 2012-10-25 Ohara Inc 全固体二次電池
JP2014209471A (ja) 2013-03-27 2014-11-06 本田技研工業株式会社 電極およびその製造方法
US20150056520A1 (en) 2012-03-01 2015-02-26 Johnson Ip Holding, Llc Impregnated sintered solid state composite electrode, solid state battery, and methods of preparation
JP2016072071A (ja) 2014-09-30 2016-05-09 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質、その製造に用いられる分散液及びそれらの製造方法
JP2017135005A (ja) 2016-01-28 2017-08-03 セイコーエプソン株式会社 電極複合体の製造方法、リチウムイオン電池の製造方法
JP2017168396A (ja) 2016-03-18 2017-09-21 セイコーエプソン株式会社 固体電解質及びリチウムイオン電池
JP2018505312A (ja) 2015-01-14 2018-02-22 ユニベルシテ・ド・リエージュUniversite De Liege 基板上への1つ以上のエレクトロクロミック膜及び/又は電解質膜の超音波噴霧熱分解堆積の改善された方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3230610B2 (ja) 1991-07-25 2001-11-19 日本電信電話株式会社 高分子固体電解質及びその製造方法
JP2001223139A (ja) 2000-02-08 2001-08-17 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2003346895A (ja) 2002-05-30 2003-12-05 Fujitsu Ltd 固体電解質の形成方法およびリチウム電池
JP2005050778A (ja) 2003-07-14 2005-02-24 Nippon Soda Co Ltd 固体高分子電解質及びその製造方法
JP4930857B2 (ja) 2008-03-12 2012-05-16 住友電気工業株式会社 電解質粒子
CN101325094B (zh) 2008-07-25 2013-04-03 清华大学 一种锂镧钛氧llto复合固态电解质材料及其合成方法
JP5421076B2 (ja) 2009-11-13 2014-02-19 日本電信電話株式会社 リチウム空気電池
US8927683B2 (en) * 2010-03-01 2015-01-06 Nippon Chemi-Con Corporation Polymerization fluid, method for producing the polymerization fluid, transparent film and transparent electrode made from the polymerization fluid
JP6028694B2 (ja) * 2013-08-23 2016-11-16 株式会社豊田中央研究所 ガーネット型イオン伝導性酸化物の製造方法及び複合体の製造方法
JP6407995B2 (ja) 2013-11-28 2018-10-17 エルジー・ケム・リミテッド 中空金属粒子、これを含む電極触媒、前記電極触媒を含む電気化学電池、および中空金属粒子の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009283451A (ja) 2008-04-21 2009-12-03 Kao Corp 導電膜形成用塗布剤
JP2012209256A (ja) 2011-03-15 2012-10-25 Ohara Inc 全固体二次電池
US20150056520A1 (en) 2012-03-01 2015-02-26 Johnson Ip Holding, Llc Impregnated sintered solid state composite electrode, solid state battery, and methods of preparation
JP2014209471A (ja) 2013-03-27 2014-11-06 本田技研工業株式会社 電極およびその製造方法
JP2016072071A (ja) 2014-09-30 2016-05-09 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質、その製造に用いられる分散液及びそれらの製造方法
JP2018505312A (ja) 2015-01-14 2018-02-22 ユニベルシテ・ド・リエージュUniversite De Liege 基板上への1つ以上のエレクトロクロミック膜及び/又は電解質膜の超音波噴霧熱分解堆積の改善された方法
JP2017135005A (ja) 2016-01-28 2017-08-03 セイコーエプソン株式会社 電極複合体の製造方法、リチウムイオン電池の製造方法
JP2017168396A (ja) 2016-03-18 2017-09-21 セイコーエプソン株式会社 固体電解質及びリチウムイオン電池

Also Published As

Publication number Publication date
US10998576B2 (en) 2021-05-04
JP2019114380A (ja) 2019-07-11
US11777141B2 (en) 2023-10-03
US20210226248A1 (en) 2021-07-22
US20190198918A1 (en) 2019-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10340549B2 (en) Electrolyte and battery, and electronic device and vehicle
JP7151839B2 (ja) 電解質、電池、電子機器、電解質および電池の製造方法
CN105470565B (zh) 耐锂还原层的形成用组合物、成膜方法及锂二次电池
US11335948B2 (en) Method for producing solid electrolyte, solid electrolyte, secondary battery, and electronic apparatus
JP2018055865A (ja) イオン伝導体、イオン伝導体の製造方法、電池及び電子機器
US11075405B2 (en) Electrolyte, battery, and electronic apparatus
JP2020087770A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法、二次電池、電子機器
JP7021533B2 (ja) 電解質前駆体溶液の製造方法および電極複合体の製造方法
JP2018092804A (ja) 電池及び電池の製造方法、電子機器
US11641032B2 (en) Solid electrolyte, method for producing solid electrolyte, and composite body
JP7211470B2 (ja) 電極複合体、電池、電子機器
JP7283122B2 (ja) ガーネット型の固体電解質、ガーネット型の固体電解質の製造方法、二次電池、電子機器
JP2022039816A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法および複合体
JP2022039124A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法および複合体
JP2021138576A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法および複合体
JP2021138571A (ja) 固体組成物の製造方法および固体電解質の製造方法
JP2021169387A (ja) 固体組成物の製造方法および機能性セラミックス成形体の製造方法
JP2020098674A (ja) 電解質、電池、電子機器、電解質および電池の製造方法
US11641031B2 (en) Solid electrolyte, method for producing solid electrolyte, and composite body
US20210288345A1 (en) Solid Electrolyte, Method For Producing Solid Electrolyte, And Composite Body
JP2022038107A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法および複合体
JP2022039293A (ja) 固体電解質、固体電解質の製造方法および複合体
JP2023147098A (ja) 正極複合体の製造方法
JP2023143399A (ja) 固体電解質、電池、電子機器、固体電解質の製造方法および電池の製造方法
JPWO2020183806A1 (ja) ガーネット型固体電解質の前駆体溶液、ガーネット型固体電解質の前駆体溶液の製造方法およびガーネット型固体電解質

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180910

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190920

RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20200806

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211029

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20211029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7021533

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150