JP6707399B2 - 複合酸化物前駆体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガーネット型複合酸化物を得るための複合酸化物前駆体の製造方法に関するものである。
リチウムを含むガーネット型複合酸化物は、高いリチウムイオン伝導性を有し、リチウムイオン全固体電池又はリチウム空気電池に対して固体電解質として適用が期待できる有用な化合物である。
従来、リチウムイオン二次電池の電解質には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した有機電解液が用いられており、漏液に伴う安全性の懸念があった。電解液の代わりに固体電解質を用いることで、正極材、電解質および負極材をすべて固体とした全固体電池は、可燃性の電解液が不要になり、かつ安全性が飛躍的に向上した技術として提案されている。
全固体電池に用いる固体電解質としては、例えば、高いリチウムイオン伝導性から硫化物系材料を用いた技術の開示がある。しかしながら、硫化物系材料は化学的安定性に乏しく、大気暴露において硫化水素が発生したり、硫化物系固体電解質と正極材とを直接接触させた場合、境界面に、リチウムの存在しない、厚さ数ナノメートルの「欠乏層」が出現し、出力特性が著しく低下したりするなどの課題がある。
上記課題に対して、高いリチウムイオン伝導性を有し、かつ化学的に安定なガーネット型酸化物、NASICON型の酸化物などの金属酸化物系の材料を固体電解質として用いる試みが為されている。NASICON型酸化物であるLi1.3Al0.3Ti1.7(POは、金属リチウム負極と接触した場合、劣化が生じる問題がある。これに対し、高いリチウムイオン伝導性を有し、かつ負極金属リチウムに対しても安定であることからLiLaZr12に代表されるガーネット型の複合酸化物系固体電解質が注目されている。ガーネット型の複合酸化物は一般的には、LiCO等のリチウム原料と、La等のランタン原料と、ZrO等のジルコニウム原料との混合物を、900〜1250℃の高温で12〜24時間ほど焼成する焼成工程を、複数回、繰り返して行うことにより製造されているが、高いイオン伝導性が得られる結晶相を選択的に合成する点、および副生成物を減らすために長い高温工程が必要である点で、合成が難しい問題があった。
上記の通り、ガーネット型複合酸化物の合成が難しいという課題を解決するために、例えば特許文献1に示されるように、ランタン及びジルコニウムを含むパイロクロア型構造を有する複合酸化物と、リチウム化合物とを原料に使用して、一般的な固相混合法による合成方法と比較して低い温度で合成する技術の開示がある。しかしながら、あらかじめランタン及びジルコニウムを含むパイロクロア型構造を有する原料を合成する必要があり、問題があった。
また、特許文献2では、リチウム元素と、第3族元素と、第4族及び/又は第5族元素とを含む、単相ガーネット構造の固体電解質を、1000℃以下の温度での焼成により合成するための固体電解質前駆体の技術の開示があるが、ゾルを得るために長時間の撹拌を要したり、乾燥に時間が掛かったりするので、操作が煩雑であり、問題があった。
特開2014−172812号公報 特開2015−88423号公報
前記したように、ガーネット型複合酸化物を簡便に得る技術は無く、低い温度で簡便にガーネット型複合酸化物を製造する方法が望まれていた。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ガーネット型複合酸化物を簡便に製造するための複合酸化物前駆体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた。その結果、可燃性の配位子を有する金属塩と酸化性の配位子を有する金属塩とを少なくとも含み、かつ可燃性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率が2〜5である燃焼性ゲルを熱分解して得るLi、La、Zrを含む複合酸化物前駆体の製造方法を見出し、本発明を成すに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]
ガーネット型複合酸化物を焼成により得るための複合酸化物前駆体の製造方法であって、前記複合酸化物前駆体の製造方法は、
可燃性の配位子を有する金属塩および酸化性の配位子を有する金属塩を含み、かつ前記可燃性の配位子を有する金属塩/前記酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率が2〜5である燃焼性ゲルを、熱分解する工程
を含み、かつ
前記複合酸化物前駆体は、Li、La、及びZrを含む、
前記複合酸化物前駆体の製造方法。
[2]
前記燃焼性ゲルの熱分解温度が、100℃〜350℃である、[1]記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
[3]
前記複合酸化物前駆体が非晶質である、[1]記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
[4]
前記可燃性の配位子を有する金属塩が酢酸塩であり、かつ前記酸化性の配位子を有する金属塩が硝酸塩である、[1]〜[3]のいずれか1項記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
[5]
前記焼成により得られる前記ガーネット型複合酸化物がランタンジルコン酸リチウムを含む、[1]〜[4]のいずれか1項記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
[6]
[1]〜[5]のいずれか1項記載の複合酸化物前駆体の製造方法により得られた複合酸化物前駆体を1000℃以下の温度で焼成する工程を含む、ガーネット型複合酸化物の製造方法。
本発明の実施形態に係る複合酸化物前駆体を用いることにより、簡便にガーネット型複合酸化物を得る方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る複合酸化物前駆体のXRDパターンである。 図2は、本発明の実施形態に係る複合酸化物前駆体を焼成して得られるガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物のXRDパターンである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。尚、本明細書において「〜」を用いて記載される範囲は、その前後に記載される数値を含むものである。
本実施形態では、ガーネット型複合酸化物を焼成により得るための複合酸化物前駆体の製造方法は、可燃性の配位子を有する金属塩および酸化性の配位子を有する金属塩を含み、かつ可燃性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率(すなわち、酸化性の配位子を有する金属塩の合計モルに対する可燃性の配位子を有する金属塩の合計モルの比率)が2〜5である燃焼性ゲルを熱分解する工程を含み、それによりLi、La、及びZrを含む複合酸化物前駆体を製造することを特徴とする。
複合酸化物を構成する金属元素の原料として、可燃性の配位子を有する金属塩のみを用いて大気雰囲気下の加熱により複合酸化物前駆体を得た場合、空気のみによる可燃性配位子の燃焼であるため、瞬時に塩は分解せず、金属元素の分散性が悪く、均質性が乏しい複合酸化物前駆体が得られる。この複合酸化物前駆体を焼成することにより得られる複合酸化物は、複合酸化物前駆体の金属分散性が乏しいことに由来する好ましくない結晶相又は酸化物を含むようになる。
また、複合酸化物を構成する金属元素の原料として、酸化性配位子のみを用いて加熱により複合酸化物前駆体を得る場合、各金属の塩ごとに融点又は分解温度が異なるため、金属の分散性が悪く、不均質な複合酸化物前駆体が得られる。この複合酸化物前駆体を焼成することにより得られる複合酸化物は、複合酸化物前駆体の金属分散性が乏しいことに由来する好ましくない結晶相又は酸化物を含むようになる。
一方、本実施形態に従って、可燃性配位子を有する金属塩と酸化性の配位子を有する金属塩を特定比率で用いて、金属元素の分散性の高い均質な燃焼性ゲルを得て、加熱により瞬時に熱分解することで金属元素の分散性が保たれた均質性の高い複合酸化物前駆体が得られる。また、燃焼性ゲルが瞬時に分解することで、極めて微細な非晶質の粒子が得られ、ガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を得るための焼成過程では粒子微細化による表面自由エネルギーの低下により焼成温度を低下させることができ、飛散リチウム量を減らせる利点も得られる。本明細書中では可燃性の配位子を有する金属塩と、酸化性の配位子を有する金属塩とから成る燃焼性ゲルを得て、これを熱処理して、該燃焼性ゲルを瞬時に熱分解させることにより、均質で微細な複合酸化物前駆体を得る製造方法をゲル化燃焼法と称する。
本実施形態に係る複合酸化物前駆体を焼成することによりガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を得ることができる。複合酸化物に含まれるガーネット型複合酸化物としては、ランタンジルコン酸リチウム(LiLaZr12)を基本組成とする化合物が好ましく合成される。ランタンジルコン酸リチウムを基本組成とする化合物については、イオン伝導性を高める目的、化学的な安定性を高める目的、及び加工性を高める目的で、上記基本組成に対して置換、ドープ等により元素を置換した複合酸化物も合成することができる。例えば、K、Ca、Sr、Ba、Y、Ga、Al、Si、Bi、Sb、Nb、Ta等を置換又は添加により導入した複合酸化物を好ましく合成することができる。さらに好ましくは、リチウムイオン伝導性の高い立方晶の結晶形態が安定して得られるAlを添加した複合酸化物として、例えばLi6.25Al0.25LaZr12を、又はイオン伝導性を高めるために、NbおよびTa置換体であるLiLaZr2−xNb12(式中、0<X<0.95)、若しくはLiLaZr2−xTa12(式中、0<X<0.95)を合成することができる。
本実施形態に係る複合酸化物前駆体から焼成により得られる複合酸化物は、ガーネット型複合酸化物が含まれていればよく、LaZrに代表されるパイロクロア型酸化物およびランタン酸化物などのリチウム化合物をさらに添加して、ガーネット型複合酸化物の純度を高めることができる副生成物が含まれていても構わない。パイロクロアおよびランタン酸化物が副生成物として含まれていた場合、例えば特許文献1に記載の方法により純度の高いガーネット型複合酸化物を得ることができる。複合酸化物前駆体の焼成において酸化ジルコニウムが副生成物として得られた場合、さらに焼成を繰り返しても反応性が低いためガーネット型複合酸化物の純度を高くすることはできず、好ましくない。
原料となる金属塩としては、Li、La、Zrなどを含み、かつ燃焼性の配位子を有する塩又は酸化性の配位子を有する塩であれば、いずれも用いることができる。可燃性の配位子を有する金属塩としては、例えば、クエン酸塩、酢酸塩、グリシン塩、シュウ酸塩等を挙げることができ、酸化性の配位子を有する塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。これらの塩は、無水塩であっても含水塩であっても構わない。具体的には、例えば、Li塩としては硝酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウム、クエン酸リチウム、シュウ酸リチウム等を挙げることができ、La塩としては硝酸ランタン、硫酸ランタン、酢酸ランタン、シュウ酸ランタン等を挙げることができ、Zrを含む塩としては硝酸酸化ジルコニウム、酢酸酸化ジルコニウム等を用いることが好ましい。リチウムイオン伝導性の高い立方晶のガーネット型複合酸化物を安定して得る目的でAlを添加する場合には、可溶性酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウムを用いることが好ましい。さらに好ましくは、酸化性の配位子を有する金属塩としては硝酸ランタン、又は硝酸酸化ジルコニウム等の硝酸塩を用い、可燃性の配位子を有する金属塩としては酢酸ランタン、又は酢酸酸化ジルコニウム等の酢酸塩を用い、Liを含む塩として硝酸リチウム、又は酢酸リチウムが用いることができる。可燃性の配位子を有する金属塩および酸化性の配位子を有する金属塩の好ましい使用比率に合わせるため、これらの塩を適宜組み合わせて用いることができる。
上記の通りに燃焼性ゲルを得るための酸化性の配位子を有する金属塩と可燃性の配位子を有する金属塩との比率は、可燃性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率が2〜5の範囲内である。このモル比率は、燃焼性ゲルの燃焼性を高め、かつ瞬時に熱分解させるために2以上の範囲で用いられ、一方で、燃焼性ゲルの可燃性の金属配位子の燃え残りを抑え、かつ得られる前駆体の均質性を高めるために5以下の範囲で用いられる。このモル比率が2〜5の範囲内であれば、熱処理時の熱分解の状態、熱処理後の粉体の粒子の大きさ又は形態により、適宜に可燃性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率を決めることができる。好ましくは、可燃性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率が2.5〜3.5の範囲で用いられる。
ゲル化燃焼法においては、先ず、上記に示した酸化性の配位子を有する金属塩及び可燃性の配位子を有する金属塩を所定の割合で含有する揮発性の溶媒を用いた溶液をそれぞれ調製し、次いで、それらの溶液を混合、撹拌後、得られた混合溶液から溶媒を除去して均質な燃焼性ゲルを得る。用いる揮発性の溶媒として、水、アルコール類を好ましく用いることができ、さらに好ましくは水が用いられる。次いで、得られた燃焼性ゲルを熱処理することで複合酸化物前駆体を得る。
上記混合溶液における金属塩濃度は、酸化性の配位子を有する金属塩及び可燃性の配位子を有する金属塩の合計濃度として、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましい。混合溶液における金属塩濃度は、均質な燃焼性ゲルを得るためには50質量%以下であることが好ましく、溶媒の除去の効率を高め、かつ短い時間で燃焼性ゲルを得るためには0.1質量%以上の濃度であることが好ましい。この混合溶液は、より安定した燃焼性ゲルを得る目的で、調製後に熟成を行うこともできる。この熟成は、可燃性配位子を有する金属塩および酸化性を有する金属塩化から成るゲルの均質性を高める目的で行われ、例えば50℃〜80℃において、溶液の撹拌を10分〜20時間の範囲で継続することにより行うことができる。
可燃性配位子を有する金属塩および酸化性配位子を有する金属塩から成る燃焼性ゲルは、上記の混合溶液に対して、加熱及び減圧から選択される1種以上の操作を加えて溶媒を除去し、乾固する方法により得ることができる。可燃性および酸化性の配位子を有する塩を溶解するために用いた溶媒の残留量は、燃焼性ゲルに対して1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
原料仕込み時の可燃性配位子および酸化性配位子の比率を保つため、比較的低い温度での加熱による溶媒除去が好ましい。具体的には、100℃以下の温度での加熱操作が好ましく、70℃〜80℃での加熱操作が好ましい。この操作の加熱時間は30分〜12時間の範囲内であることが好ましく、1時間〜4時間の範囲であることがさらに好ましい。
上記燃焼性ゲルの熱分解処理は、均質な複合酸化物前駆体を得るために瞬時により低い温度で行われることが好ましい。具体的には、熱分解温度は100℃〜350℃となることが好ましい。高温での燃焼性ゲルの変性を抑えるためには熱分解温度を350℃以下とすることが好ましく、瞬時に熱分解させるためには100℃以上で燃焼性ゲルを熱分解させることが好ましい。さらに好ましくは、180℃〜300℃の範囲内で燃焼性ゲルの熱分解を行うことが好ましい。熱分解温度は、可燃性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩のモル比率を低くすれば高くなる傾向があり、このモル比率を高くすれば熱分解温度が低くなる傾向がある。複合酸化物前駆体が均質でない場合には、複合酸化物前駆体を焼成して得られるガーネット型複合酸化物に好ましくない金属単体の酸化物が含まれたり、イオン伝導性の低い結晶相が得られたりするようになる。
燃焼性ゲルの熱分解のために操作される熱分解処理の到達温度は、好ましくは300℃〜500℃である。ゲルに含まれる配位子を十分に分解させるため300℃以上の到達温度で操作され、目的としない結晶の異相の成長を抑え、かつ粒子サイズ、金属の分布等が不均一になることを避けるという観点から、500℃以下の到達温度で操作される。最も好ましくは、燃焼性ゲルの熱分解は、300℃〜400℃の範囲内の到達温度で操作される。
熱処理の際の昇温の速度は、10℃/時間〜200℃/時間の範囲内で操作される。昇温速度が速すぎる場合、燃焼性ゲルの温度むらが生じ、均等に熱分解されなかったり、温度むらにより燃焼性ゲルが溶解し、均質な複合酸化物前駆体が得られなかったりする。均質な熱分解の観点から、昇温の速度は遅い方が好ましい。しかしながら、熱分解効率の観点から10℃/時間以上の昇温の速度で熱分解は行われ、均質な熱分解粉体を得るために200℃/時間以下の昇温の速度で操作することが好ましい。より好ましくは50℃/時間〜150℃/時間の範囲の昇温の速度で熱分解は操作される。
本実施形態に係る複合酸化物前駆体は、非晶質であることが好ましい。結晶性化合物が複合酸化物前駆体に含まれる場合、複合酸化物前駆体の焼成によりガーネット型複合酸化物を得る工程において、複合酸化物前駆体の不均一性により、イオン伝導性の高い結晶相が得られなかったり、不純物の酸化物の結晶が成長したりするなどの問題が生じるため好ましくない。また、複合酸化物前駆体が非晶質であれば粒子が微細であるため表面エネルギーが低下し、焼成開始温度を低くすることができ、高い焼成温度での原料リチウム化合物の蒸散を抑えることができ、ガーネット型複合酸化物の合成の効率も高めることができる。複合酸化物前駆体を非晶質とするためには、可燃性配位子を有する金属塩/酸化性配位子を有する金属塩のモル比率を調整して低い燃焼開始温度としたり、燃焼性ゲルの熱処理時の到達温度を低い温度で操作したりすることにより、非晶質が得られる傾向がある。
複合酸化物前駆体の焼成後に得られる複合酸化物には、ガーネット型複合酸化物の他、ガーネット型複合酸化物に容易に転換できる化合が含まれていても構わない。ガーネット型複合酸化物に容易に転換できる化合物としては、LaZr等のパイロクロア型酸化物、パイロクロア型酸化物と組み合わせてガーネット型複合酸化物となるモル比率の酸化ランタン、水酸化リチウム、炭酸リチウム等のリチウム化合物が挙げられる。得られる複合酸化物には、容易にガーネット型複合酸化物に転換できない化合物、又はガーネット型複合酸化物のリチウムイオン伝導性を阻害する化合物が含まれることは好ましくない。複合酸化物に含まれることが好ましくない化合物としては、酸化ジルコニアなどの単純な酸化物が挙げられ、焼成と粉砕を繰り返してもガーネット型複合酸化物に容易に転換できない化合物であるため好ましくなく、結晶構造を安定化させるために添加したAlについても、ガーネット構造に取り込まれない酸化物であるアルミナなどは、ガーネット型複合酸化物のリチウムイオン伝導性を低下させるため好ましくない。
本実施形態の複合酸化物前駆体は、ガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物が得られるのであれば、燃焼性ゲルを加熱により熱分解して複合酸化物前駆体を得て、そのまま引き続き焼成操作を行い、極めて簡便な操作でガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を得ることもできる。一度の焼成操作によりガーネット型複合酸化物の比率を高めたガーネット型複合酸化物を得るためには、複合酸化物前駆体を得た後、粉砕、擂潰、混合等の操作を加えて焼成を行うこともできる。焼成後の複合酸化物に好ましくない化合物が含まれていなければ、複数回焼成を繰り返すことで、ガーネット型複合酸化物を高い比率で含む複合酸化物を得ることができる。本実施形態で得られた複合酸化物前駆体は、複数回焼成を繰り返す際にも、高い金属元素分散性が保たれるため、単純に固相混合による方法より効率良くガーネット型複合酸化物を得ることができる。
複合酸化物前駆体の焼成によりガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を得る時の焼成の温度は、1000℃以下の範囲で行うことが好ましい。好ましい結晶成長を保ち、好ましくない酸化物の生成を抑え、好ましいガーネット型複合酸化物の結晶形態が得られ、かつ複合酸化物前駆体に含まれるリチウム化合物の飛散を抑えるため、1000℃以下の範囲で複合酸化物前駆体の焼成を行うことが好ましく、さらに好ましくは700℃〜950℃の範囲で焼成を行うことができ、最も好ましくは800℃〜900℃で焼成が行われる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例および比較例について説明する。
[実施例1]
<ゲル化燃焼法によるガーネット型複合酸化物前駆体の合成>
酸化性の配位子として硝酸塩を用い、可燃性の配位子として酢酸塩を用い、可燃性の配位子/酸化性の配位子の比率を3/1としてゲル化燃焼法により、Li6.25Al0.25LaZr12のガーネット型複合酸化物前駆体を合成した。
Li源としてはLi(CHCOO)・2HO及びLiNOを、Al源としてはAl(NO・9HOを、La源としてはLa(CHCOO)・1.5HOを、Zr源としてはZrO(CHCOO)の20%水溶液を、それぞれ用い、Li(CHCOO)・2HO及びLiNOの使用比率を調整することにより、原料全体のCHCOO/NO比率が3/1(モル比)となるように調整し、更にLiの比率が、目的のガーネット型複合酸化物の全量に対して10質量%過剰に相当する量となるようにLi(CHCOO)・2HO及びLiNO比率を調整して、上記の原料に対して水溶液として全ての塩を合計した重量に対して10重量%水溶液となるように水を添加して水溶液を調製した。次いで、上記の水溶液が入った容器を撹拌しながら80℃において3時間加熱して、水分を除去することにより燃焼性ゲルを得た。得られたゲルを、到達温度400℃、室温から400℃までの昇温時間3時間、400℃における保持時間30分の条件で熱処理を行い、スポンジ状の粉体を得た。熱処理の過程を、ゲルに直接熱電対を接し、温度変化として測定したところ、270℃に急激な温度上昇と瞬時の温度低下が見られ、瞬時に熱分解が生じていることを示した。次いで、得られたスポンジ状粉体を、乳鉢を用いて粉砕して粉体を得た。この粉体をX線回折法により測定したところ、ハローパターンが見られ、結晶成長による鋭いピークが無いXRD回折パターンが得られ、粉体は非晶質であった。複合酸化物前駆体として得られた粉体のXRDパターンを図1に示す。
<複合酸化物前駆体の焼成によるガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物の合成>
前記複合酸化物前駆体を、到達温度900℃、室温から到達温度までの昇温時間1.5時間、及び到達温度の保持時間5時間の条件下で焼成することにより、複合酸化物を得た。熱処理の過程を、前駆体に直接熱電対を接し、温度変化として測定したところ、焼成が完了したと考えられる温度(表1では「焼成温度」として示す)は800℃であった。
複合酸化物をXRD回折法による測定した結果、得られた複合酸化物は、ガーネット型複合酸化物およびパイロクロア型酸化物が主成分の複合酸化物が得られた。得られた複合酸化物のXRDパターンを図2に示す。
得られた複合酸化物について、ガーネット型複合酸化物とパイロクロア型酸化物の比率は、立方晶ガーネット型複合酸化物の2θ=16.84°付近に現れる(420)面(PDF(Powder Diffraction File)番号45−109と照合)のピーク強度Igとし、かつパイロクロア型酸化物の2θ=28.60°付近に現れる(222)面(PDF番号50−843と照合)の回折強度の比率をIpとした時、Ip/Ig=1.23に相当する比率であった。
また、好ましくない酸化物としてAlの2θ=20.94°付近のメインピークピーク(PDF番号31−26と照合)の強度をI(Al)として、かつZrOの(003)面の2θ=29.72°付近のピーク強度をI(ZrO)として、I(Al)/IgおよびI(ZrO)/Igを求めたが、いずれのピークも見られず、I(Al)/Ig=0、I(ZrO)/Ig=0であった。好ましくない結晶相は複合酸化物中に存在しなかった。
XRD測定条件
上記で調製した複合酸化物前駆体および焼成後の複合酸化物のXRD分析は、下記条件で実施した。
検出器:半導体検出器
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
発散スリット:0.3°
ステップ幅:0.02°/step
計測時間:3sec.
<ガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物の再焼成>
上記ガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物全量に対して、Ip/Igから割り出したパイロクロア比率から、パイロクロアからガーネット型複合酸化物を合成するのに必要な水酸化リチウム量を割り出し、この水酸化リチウム量の10wt%過剰量を、上記で得られた複合酸化物に添加し、粉砕混合し、到達温度900℃、室温から到達温度までの昇温時間1.5時間、及び到達温度の保持時間5時間の条件下で焼成を行った。得られた複合酸化物のXRD測定を行ったところ立方晶のガーネット型複合酸化物が得られ、他の酸化物のピークは見られなかった。
[実施例2]
実施例1において可燃性の配位子の配位子/酸化性の配位子の比率を2.2とすること以外は同じ方法でガーネット型複合酸化物前駆体を合成した。この時の熱分解温度は282℃であり、得られた前駆体は非晶質であった。次いで実施例1と同じ方法で前駆体の焼成を行って複合酸化物を得たところ、Ip/Igは、1.53であり、I(Al)/IgおよびI(ZrO)/Igを求めたが、いずれのピークも見られず、I(Al)/Ig=0、I(ZrO)/Ig=0であった。好ましくない結晶相は複合酸化物中に存在しなかった。
得られたガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を実施例1と同じ方法で再焼成したところ、立方晶のガーネット型複合酸化物が得られ、他の酸化物のピークは見られなかった。
[比較例1]
実施例1において可燃性の配位子/酸化性の配位子の比率を0.5とすること以外は同じ方法でガーネット型複合酸化物前駆体を合成した。この時の熱分解温度は明瞭に現れず、XRD測定において複合酸化物前駆体には結晶性のピークが見られた。この前駆体を焼成した複合酸化物のIp/Igは、1.60であり、I(Al)/Ig=0.046であり、I(ZrO)/Ig=0.21であり、好ましくない結晶相が複合酸化物中に含まれていた。
得られたガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を実施例1と同じ方法で再焼成したところ、立方晶のガーネット型複合酸化物の他にZrOが含まれていた。
[比較例2]
実施例1において可燃性の配位子/酸化性の配位子の比率を6.0とすること以外は同じ方法でガーネット型複合酸化物前駆体を合成した。この時の熱分解温度は明瞭に現れず、XRD測定において複合酸化物前駆体には結晶性のピークが見られた。この前駆体を焼成した複合酸化物のIp/Igは、1.92であり、I(Al)/Ig=0.045であり、I(ZrO)/Ig=0.35であり、好ましくない結晶相が複合酸化物中に含まれていた。
得られたガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を実施例1と同じ方法で再焼成したところ、立方晶のガーネット型複合酸化物の他にZrOが含まれていた。
[比較例3]
硝酸リチウム、硝酸アルミニウム9水和物、硝酸ランタン6水和物と、ジルコニウム(IV)イソプロポキシド溶液(イソプロパノール付加体):ジルコニウム含有比率70wt%と、エタノールおよびアセト酢酸エチルの混合物(モル比率50:1.6)とを混合して、Li濃度1.51mmol/g、Al濃度0.055mmol/g、La濃度0.65mmol/g、及びZr濃度0.44mmol/gの溶液(ゾル)を調製した。この溶液15gを80℃で12時間加熱しながら撹拌した後、150℃で5時間加熱し、次いで加熱炉で200℃、5時間乾燥して、ゲル状の複合酸化物の前駆体を得た。この前駆体を900℃で5時間焼成し、複合酸化物を得た。この複合酸化物のXRD測定の結果、Ip/Igは、1.35であり、I(Al)/Ig=0.053であり、I(ZrO)/Ig=0.19であり、好ましくない結晶相が複合酸化物中に含まれていた。さらに複合酸化物を再焼成に供したところ、再焼成後の酸化物にはAl、ZrOが含まれていた。
実施例1及び2並びに比較例1〜3の結果を下記表1に示す。
Figure 0006707399
表1から明らかなように、複合酸化物前駆体の合成条件として、可燃性配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩の好ましくない比率を選択して合成した比較例1および比較例2では、最終的に得られるガーネット型複合酸化物に好ましくない酸化物が含まれる。さらに一般的なゾルゲル法で合成した比較例3においても好ましくない酸化物を含むガーネット型複合酸化物が得られる。これに対し、複合酸化物前駆体の合成条件として、可燃性配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩の好ましい比率の条件を選択して合成した実施例1および2では、好ましくない酸化物を含まないガーネット型複合酸化物を含む複合酸化物を簡便に合成でき、最終的に得られるガーネット型複合酸化物は、他の酸化物は含まず、純度が高い。
本発明により、例えば、ノートブックコンピューター、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の携帯用電子機器の電源として適用可能な安全性の高い全固体リチウムイオン電池、リチウム空気電池等に広範囲に用いられる純度が高いガーネット型複合酸化物を簡便に合成できる方法を提供できる。

Claims (5)

  1. ガーネット型複合酸化物を焼成により得るための複合酸化物前駆体の製造方法であって、前記複合酸化物前駆体の製造方法は、
    可燃性の配位子を有する金属塩および酸化性の配位子を有する金属塩を含み、かつ前記可燃性の配位子/前記酸化性の配位子のモル比率が2〜5である燃焼性ゲルを、熱分解する工程
    を含み、熱分解処理の到達温度が、300℃〜500℃であり、前記可燃性の配位子を有する金属塩が酢酸塩であり、前記酸化性の配位子を有する金属塩が硝酸塩であり、かつ
    前記複合酸化物前駆体は、Li、La、及びZrを含む、
    前記複合酸化物前駆体の製造方法。
  2. 前記熱分解処理の到達温度が、300℃〜400℃である、請求項1記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
  3. 前記複合酸化物前駆体が非晶質である、請求項1記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
  4. 前記焼成により得られる前記ガーネット型複合酸化物がランタンジルコン酸リチウムを含む、請求項1〜のいずれか1項記載の複合酸化物前駆体の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の複合酸化物前駆体の製造方法により得られた複合酸化物前駆体を1000℃以下の温度で焼成する工程を含む、ガーネット型複合酸化物の製造方法。
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