JP2016006005A - リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたリチウム含有複合酸化物粉末を比較的低温で製造できる方法を提供する。
【解決手段】Li化合物、La化合物及びZr化合物を、ガーネット型結晶構造等を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用いて水熱合成を行い、前駆体を形成させる。この前駆体を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成する。あるいは、La化合物及びZr化合物を、パイロクロア型結晶構造等を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用いて水熱合成を行い、前駆体を形成させ、この前駆体に、Li化合物及びLa化合物を、原料粉末全体としてガーネット型結晶構造等を与えることが可能な配合比で混合して上記同様に熱処理してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法に関するものである。
リチウムイオン伝導性を有する固体電解質として、LiLaZr12(しばしばLLZと略称される)に代表される、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物(以下、LLZ系複合酸化物という)が注目されている。このLLZ系複合酸化物は、負極リチウムと直接接触しても反応が起きないリチウムイオン伝導材料であり、その上イオン伝導度も高いため、全固体リチウム電池の固体電解質としての利用が期待されている。
このようなLLZ系複合酸化物は高温合成を経て製造されている。例えば、特許文献1(特開2007−528108号公報)には、所定組成のガーネット型の固体イオン伝導体が開示されており、原料粉末を含むペレットを700〜1200℃、特に好ましくは900℃で焼成することが提案されている。
特許文献2(特開2011−73962号公報)には、LLZの基本元素であるLi、La及びZrに加えてNb及び/又はTaを加えることで、リチウムイオン伝導率を更に向上できることが開示されている。この文献では、一次焼成粉末を1125℃以上1250℃以下の温度で熱処理することが好ましいとされる一方、リチウム源として水酸化リチウムを用いた場合には熱処理工程を900℃以上1125℃未満という低めの温度でも行えることが記載されている。
特許文献3(特開2013−232284号公報)には、密度が90%以上の緻密部と気孔率が50%以上の多孔部からなるシート状の固体電解質が開示されている。この文献には、固体電解質粉末を、固相法、共沈法、水熱法、ガラス結晶化法、ゾルゲル法等で合成することが記載されており、実施例では固相法によりLLZ粉末が合成されている。
特許文献4(特開2013−37992号公報)には、LLZ系複合酸化物と、母材としてのLiBOとを含む固体電解質が開示されており、Li6.75LaZr1.75Nb0.2512なる組成のLLZ系複合酸化物を1150℃の成形焼成温度で合成したことが開示されている。
特開2007−528108号公報 特開2011−73962号公報 特開2013−232284号公報 特開2013−37992号公報
上記特許文献の幾つかからも分かるように、結晶性の良いLLZ系複合酸化物粉末の固相合成には通常700℃以上もの高温が必要であると考えられてきた。しかしながら、高温で熱処理するとリチウムの揮発が生じ易く、リチウム欠損組成となりやすい(これはLLZ系複合酸化物の表面近傍で特に生じやすい)。もっとも、仕込み組成におけるリチウムを過剰とすることで表面のリチウム欠損を防ぐことができるが、逆にLLZ系複合酸化物粉末の内部がリチウム過剰の組成となりやすい。そして、不都合なことに、リチウム過剰であってもリチウム欠損であってもリチウムイオン伝導率は低くなる。このため、従来法よりも低温で結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物粉末を合成できる方法が望まれる。
本発明者らは、今般、LLZ系複合酸化物粉末の製造プロセスにおいて、水熱合成による所定組成の前駆体の形成を経由することで、結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物を比較的低温(すなわち600℃以下)で製造できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物粉末を比較的低温で製造できる方法を提供することにある。
本発明の第一の態様によれば、リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法であって、
Li化合物、La化合物及びZr化合物を、ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意する工程と、
前記原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させる工程と、
前記前駆体を分離する工程と、
前記分離した前駆体を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成する工程と、
を含む、方法が提供される。
本発明の第二の態様によれば、リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法であって、
La化合物及びZr化合物を、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意する工程と、
前記原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させる工程と、
前記前駆体を分離する工程と、
前記分離した前駆体に、Li化合物及びLa化合物を、原料粉末全体としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で混合して原料粉末を得る工程と、
前記原料粉末を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成する工程と、
を含む、方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、リチウム含有複合酸化物膜の製造方法であって、
La及びZrを、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比、又は後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有する成膜原料を用意する工程と、
前記成膜原料を用いて、水熱合成による成膜及び所望により仮焼を行い、それにより少なくともLa、Zr及びOで構成される前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜を含む全体組成としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な量のLi化合物及びLa化合物の混合物、又はLi化合物を、前記前駆体膜に付着させる工程と、
前記Li化合物が付着された前駆体膜を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の膜を合成する工程と、
を含む、方法が提供される。
リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法
本発明によるリチウム含有複合酸化物粉末の製造方法は、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物(以下、LLZ系複合酸化物という)の粉末を製造するものである。LLZ系複合酸化物は、典型的にはLiLaZr12(LLZ)に代表されるガーネット系セラミックス材料であるが、構成元素の一部が他の元素(例えばNb及び/又はTa)で置換されていてもよいし、構成元素を置換することなく他の元素(例えばAl)が微量添加されていてもよい。ガーネット系セラミックス材料は、負極リチウムと直接接触しても反応が起きないリチウムイオン伝導材料であるが、とりわけ、Li、La、Zr及びOを含んで構成されるものは、イオン伝導度が高く、リチウムイオン伝導性固体電解質として特に適する。この種の組成のガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造はLLZ結晶構造と呼ばれ、CSD(Cambridge Structural Database)のX線回折ファイルNo.422259(LiLaZr12)に類似のXRDパターンを有する。なお、No.422259と比較すると構成元素が異なり、またセラミックス中のLi濃度などが異なる可能性があるため、回折角度や回折強度比が異なる場合もある。LLZ系複合酸化物は、LLZ結晶構造が得られている限り、LiLaZr12における各元素のモル比であるLi:La:Zr=7:3:2とは必ずしも一致する必要はなく、それよりもずれていてもよい。特に、Liは熱処理時における揮発等により消失しやすいため、仕込み組成からずれる傾向がある。Laに対するLiのモル数の比Li/Laは2.0以上2.5以下であることが好ましく、Laに対するZrのモル比Zr/Laは0.5以上0.67以下であるのが好ましい。このガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造はNb及び/又はTaをさらに含んで構成されるものであってもよい。すなわち、LLZのZrの一部がNb及びTaのいずれか一方又は双方で置換されることにより、置換前に比べて伝導率の向上させることができる。ZrのNb及び/又はTaによる置換量(モル比)は、(Nb+Ta)/Laのモル比が0.03以上0.20以下となる量にすることが好ましい。また、このLLZ系複合酸化物はAlをさらに含んでいるのが好ましく、これらの元素は結晶格子に存在してもよいし、結晶格子以外に存在していてもよい。Alの添加量はLLZ系複合酸化物の0.01〜1質量%とするのが好ましく、Laに対するAlのモル比Al/Laは、0.008〜0.12であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては先ず原料液を用意する。この原料液は、Li化合物、La化合物及びZr化合物を、ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有するものであってもよいし、あるいは、La化合物及びZr化合物を、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有するものであってもよい。前者はLLZ系複合酸化物の生成に必要なモル比でLi、La及びZrを有する点で完全な組成といえるのに対し、後者はパイロクロアをもたらす組成(典型的にはLaZr)がガーネット型LLZ組成(典型的にはLiLaZr12)と比較してLi及びLaが不足する点で不完全な組成といえる。
いずれにしても、本発明においては、このような完全又は不完全な組成の原料液を用いて水熱合成を行い、前駆体を形成させる。この工程は水熱合成であるため、一般的な焼成よりもはるかに低温(典型的には400℃以下)で行うことができる。こうして形成された前駆体を分離する。分離された前駆体はその組成に応じて異なる次工程に付される。すなわち、前駆体がガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な組成(すなわち完全な組成)を有する場合には、600℃以下の温度で熱処理して、LLZ系複合酸化物の粉末を合成することができる。一方、前駆体がパイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な組成(すなわち不完全な組成)を有する場合には、前駆体に、不足分のLi化合物及びLa化合物を、原料粉末全体としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で混合し、こうして完全な組成となった原料粉末を600℃以下の温度で熱処理してLLZ系複合酸化物の粉末を合成することができる。
このように本発明の方法においては、原料液及びそれに由来する前駆体の組成に応じて、異なる2つのルートの製造プロセスを採りうるが、いずれの製造プロセスにおいても、(典型的には100〜250℃で行われる)水熱合成により得られる前駆体を用いること、そしてその前駆体を用いて600℃以下の温度で熱処理してLLZ系複合酸化物の粉末を合成できる点で共通している。すなわち、本発明の方法によれば、通常700℃以上もの高温で合成が行われる従来法と比較して、格段に低い温度でLLZ系複合酸化物粉末を合成することができる。このように低温でLLZ系複合酸化物粉末を合成できるということは極めて有利なことである。というのも、前述したとおり、高温で熱処理するとリチウムの揮発が生じ易く、リチウム欠損組成となりやすいためである(これはLLZ系複合酸化物の表面近傍で特に生じやすい)。もっとも、仕込み組成におけるリチウムを過剰とすることで表面のリチウム欠損を防ぐことができるが、逆にLLZ系複合酸化物の内部がリチウム過剰の組成となりやすい。そして、不都合なことに、リチウム過剰であってもリチウム欠損であってもリチウムイオン伝導率は低くなる。かかる不都合を、従来法よりも低温での合成を可能とする本発明の製造方法によれば解消ないし低減することができる。加えて、比較的低温で合成であるが故に、エネルギーコストの削減、装置構成の簡素化等も実現しやすいとの利点もある。このように、本発明の方法によれば、結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物粉末を比較的低温で製造することができる。
第一の態様による方法
本発明の第一の態様によれば、リチウム含有複合酸化物粉末の製造は、(1a)Li化合物、La化合物及びZr化合物を、ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意し、(1b)原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させ、(1c)前駆体を分離し、(1d)分離した前駆体を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成することにより行われる。
(1a)原料液の用意
Li化合物、La化合物及びZr化合物を、ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意する。この原料液は、Li化合物、La化合物及びZr化合物の上記配合比となるように秤量して水等の溶媒に溶解又は分散させることにより作製すればよい。原料液は、水溶液の形態が好ましいが、Li化合物、La化合物及びZr化合物の一部又は全部が分散された分散液の形態もありうる。室温では水等の溶媒に完全には溶解していない場合であっても、水熱合成等による加熱時に最終的に各成分が溶媒に溶解していれば足りるからである。
ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比とは、LLZの化学量論組成に照らして、Li:La:Zrのモル比が7:3:2あるいはそれに近似したモル比となるような配合比ということになるが、前述のとおり、他の元素で一部置換する場合には、その置換量をも加味して上記モル比となるように各成分を配合すればよい。例えば、Zrの一部がNb及び/又はTaで置換される場合、Li:La:(Zr+Nb+Ta)=7:3:2のモル比となるように各化合物を配合すればよい。ただし、Liは熱処理時における揮発等により消失しやすいため、その消失分を考慮して、Li化合物を上記モル比に相当する量よりも若干(例えば1〜30mol%)多めの量で配合するのが好ましい。このLi化合物の増量は、原料液の調製のための原料秤量時に行ってもよいし、化学量論に基づくモル比となるように原料液を調製した後、Li化合物を後から添加することにより行ってもよい。
Li化合物、La化合物及びZr化合物の各々は、水等の溶媒中でLiイオン、Laイオン及びZrイオンを供給可能な化合物であれば特に限定されないが、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種であるのが好ましい。Li化合物の好ましい例としては、酢酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム及びそれらの水和物が挙げられる。La化合物の好ましい例としては、酢酸ランタン、塩化ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン及びそれらの水和物が挙げられる。Zr化合物の好ましい例としては、酢酸水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及びそれらの水和物が挙げられる。また、Zrの一部を置換する元素としてNb及び/又はTaを添加する場合には、原料液はNb化合物及び/又はTa化合物をさらに含みうる。Nb化合物の好ましい例としては水酸化ニオブ及びそれらの水和物が挙げられる。Ta化合物の好ましい例としては水酸化タンタル及びそれらの水和物が挙げられる。
原料液はAl化合物をさらに含んでいてもよい。Al化合物は、水等の溶媒中でAlイオンを供給可能な化合物であれば特に限定されないが、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種であるのが好ましい。Al化合物の好ましい例としては、酢酸水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、及びそれらの水和物が挙げられる。
必要に応じて、原料液のpHを調整してもよい。例えば、このpH調整を水酸化リチウムの添加により行うのが好ましく、それにより消失しがちなリチウムの添加を併せて行うことができる。あるいは、このpH調整を水酸化カリウム等のLLZ系複合酸化物の基本組成に影響を与えない塩基の添加により行ってもよい。
(1b)水熱合成による前駆体の形成
原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させる。水熱合成は、高温高圧の熱水の存在下で行われる化合物の合成であり、典型的には400℃以下の温度で行われる。好ましい水熱合成温度は、100〜300℃であり、より好ましくは100〜280℃、さらに好ましくは150〜250℃である。水熱合成は、高温高圧に耐えうる密閉容器内、典型的にはオートクレーブ内で行われるのが好ましい。水熱合成の時間は特に限定されないが、好ましくは1〜150時間、より好ましくは5〜100時間、さらに好ましくは10〜75時間である。
こうして得られる前駆体の形態は特に限定されず、典型的には結晶粒子の形態であるが、それ以外の形態(例えばアモルファス形態)であってもよい。すなわち、後に行われる熱処理工程において所望の結晶形態を付与できるかぎり、前駆体は任意の形態であってよい。前駆体は、LLZ系複合酸化物単相からなる結晶粒子の形態であるのが、最終的に得られるLLZ系複合酸化物の結晶性を向上できる点で好ましいが、単相でなくてもよい。前駆体はナノオーダーないしミクロンオーダー(例えば粒径約1nm〜約30μm)の粒子の形態であるのが好ましい。このように前駆体が微細な粒子であると反応性が高く低温にて合成できる等の利点がある。
(1c)前駆体の分離
こうして形成された前駆体を分離する。前駆体を分離する手法は特に限定されず、例えば、遠心分離、フィルタープレス、スクリュープレス等の公知の手法により好ましく行うことができる。また、後続の熱処理に先立ち、分離した前駆体を常温、又は高温(例えば80〜200℃)で乾燥させるのが好ましい。
(1d)LLZ系複合酸化物粉末の合成
分離した前駆体を600℃以下の温度で熱処理して、LLZ系複合酸化物粉末を合成する。熱処理の温度は600℃以下、好ましくは200〜575℃、より好ましくは300〜550℃、さらに好ましくは400〜500℃であり、このような温度で所定時間、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜75時間、さらに好ましくは3〜50時間保持される。なお、上記熱処理温度への昇温は、10〜600℃/hの昇温速度で行われるのが好ましく、より好ましくは50〜300℃/hである。熱処理は、大気雰囲気等の酸化性雰囲気で行われるのが好ましい。このように、本発明においては、通常700℃以上もの高温で合成が行われる従来法と比較して、格段に低い温度でLLZ系複合酸化物粉末を合成することができる。そうでありながら、結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物粉末を得ることができる。
こうして得られるLLZ系複合酸化物粉末は結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたものであり、好ましくは実質的に単相の、より好ましくは単相のLLZ系複合酸化物からなる。
第二の態様による方法
本発明の第二の態様によれば、リチウム含有複合酸化物粉末の製造は、(2a)La化合物及びZr化合物を、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比(又は後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比)で含有する原料液を用意し、(2b)原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させ、(2c)前駆体を分離し、(2d)分離した前駆体に、Li化合物及びLa化合物を、原料粉末全体としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で混合して原料粉末を得、(2e)原料粉末を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成することにより行われる。
(2a)原料液の用意
La化合物及びZr化合物を、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意する。あるいは、原料液は、La化合物及びZr化合物を、後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有するものであってもよい。この原料液は、La化合物及びZr化合物の上記配合比となるように秤量して水等の溶媒に溶解又は分散させることにより作製すればよい。原料液は、水溶液の形態が好ましいが、La化合物及びZr化合物の一部又は全部が分散された分散液の形態もありうる。室温では水等の溶媒に完全には溶解していない場合であっても、水熱合成等による加熱時に最終的に各成分が溶媒に溶解していれば足りるからである。
パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比とは、パイロクロアの化学量論組成に照らして、La:Zrのモル比が1:1あるいはそれに近似したモル比となるような配合比ということになるが、前述のとおり、他の元素で一部置換する場合には、その置換量をも加味して上記モル比となるように各成分を配合すればよい。例えば、Zrの一部がNb及び/又はTaで置換される場合、La:(Zr+Nb+Ta)=1:1のモル比となるように各化合物を配合すればよい。なお、原料液は、La及びZrを、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有しさえしていれば、後続の前駆体の形成工程において必ずしもパイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与える必要はなく、例えばLaが固溶したZrO構造を与えるものであってもよい。
一方、後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比とは、LLZの化学量論組成に照らして、La:Zrのモル比が3:2あるいはそれに近似したモル比となるような配合比ということになるが、前述のとおり、他の元素で一部置換する場合には、その置換量をも加味して上記モル比となるように各成分を配合すればよい。例えば、Zrの一部がNb及び/又はTaで置換される場合、La:(Zr+Nb+Ta)=3:2のモル比となるように各化合物を配合すればよい。
La化合物及びZr化合物の各々は、水等の溶媒中でLaイオン及びZrイオンを供給可能な化合物であれば特に限定されないが、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種であるのが好ましい。La化合物の好ましい例としては、酢酸ランタン、塩化ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン及びそれらの水和物が挙げられる。Zr化合物の好ましい例としては、酢酸水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及びそれらの水和物が挙げられる。また、Zrの一部を置換する元素としてNb及び/又はTaを添加する場合には、原料液はNb化合物及び/又はTa化合物をさらに含みうる。Nb化合物の好ましい例としては水酸化ニオブ及びそれらの水和物が挙げられる。Ta化合物の好ましい例としては水酸化タンタル及びそれらの水和物が挙げられる。
原料液はAl化合物をさらに含んでいてもよい。Al化合物は、水等の溶媒中でAlイオンを供給可能な化合物であれば特に限定されないが、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種であるのが好ましい。Al化合物の好ましい例としては、酢酸水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、及びそれらの水和物が挙げられる。
必要に応じて、原料液のpHを調整してもよい。例えば、このpH調整を水酸化カリウム等のLLZ系複合酸化物の基本組成に影響を与えない塩基の添加により行うのが好ましい。
(2b)水熱合成による前駆体の形成
原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させる。水熱合成は、高温高圧の熱水の存在下で行われる化合物の合成であり、典型的には400℃以下の温度で行われる。好ましい水熱合成温度は、100〜300℃であり、より好ましくは100〜280℃、さらに好ましくは150〜250℃である。水熱合成は、高温高圧に耐えうる密閉容器内、典型的にはオートクレーブ内で行われるのが好ましい。水熱合成の時間は特に限定されないが、好ましくは1〜150時間、より好ましくは5〜100時間、さらに好ましくは10〜75時間である。
こうして得られる前駆体の形態は特に限定されず、典型的には結晶粒子の形態であるが、それ以外の形態(例えばアモルファス形態)であってもよい。すなわち、後に行われる熱処理工程において所望の結晶形態を付与できるかぎり、前駆体は任意の形態であってよい。前駆体は、LaZr単相からなる結晶粒子の形態であるのが、最終的に得られるLLZ系複合酸化物の結晶性を向上できる点で好ましいが、単相でなくてもよい。また、前述のとおり、前駆体はLaが固溶したZrO構造(典型的にはZrサイトにLaが固溶されてなる)を有するものであるのも好ましい。前駆体はナノオーダーないしミクロンオーダー(例えば粒径約1nm〜約30μm)の形態であるのが好ましい。このように前駆体が微細な粒子であると反応性が高く低温にて合成できる等の利点がある。
(2c)前駆体の分離
こうして形成された前駆体を分離する。前駆体を分離する手法は特に限定されず、例えば、遠心分離、フィルタープレス、スクリュープレス等の公知の手法により好ましく行うことができる。また、後続の熱処理に先立ち、分離した前駆体を常温、又は高温(例えば80〜200℃)で乾燥させるのが好ましい。
後続の工程であるLi化合物及びLa化合物の添加の前に、前駆体に対して熱処理を行ってもよい。この熱処理は、例えば300℃〜1300℃で1〜50時間保持することで行えばよい。前駆体はLiを含んでいないため、1000℃を超える高温で熱処理をしてもLiが欠損しない。
(2d)Li化合物及びLa化合物の添加
分離した前駆体に、不足分のLi化合物及びLa化合物を、原料粉末全体としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で混合して原料粉末を得る。ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比とは、LLZの化学量論組成に照らして、Li:La:Zrのモル比が7:3:2あるいはそれに近似したモル比となるような配合比ということになるが、前述のとおり、他の元素で一部置換する場合には、その置換量をも加味して上記モル比となるように各成分を配合すればよい。例えば、Zrの一部がNb及び/又はTaで置換される場合、Li:La:(Zr+Nb+Ta)=7:3:2のモル比となるように各化合物を配合すればよい。ただし、Liは熱処理時における揮発等により消失しやすいため、その消失分を考慮して、Li化合物を上記モル比に相当する量よりも若干(例えば1〜30mol%)多めの量で配合するのが好ましい。
Li化合物及びLa化合物の各々は、熱処理による合成時にLi及びZrを前駆体に供給可能な化合物であれば特に限定されないが、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種であるのが好ましい。前駆体に添加されるLi化合物の好ましい例としては、水酸化リチウム、過酸化リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムが挙げられ、特に好ましくは水酸化リチウムである。前駆体に添加されるLa化合物の好ましい例としては、水酸化ランタン、酢酸ランタン、酸化ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタンが挙げられ、特に好ましくは水酸化ランタンである。
(2e)LLZ系複合酸化物粉末の合成
こうして前駆体を経由して得られた原料粉末を600℃以下の温度で熱処理して、LLZ系複合酸化物粉末を合成する。熱処理の温度は600℃以下、好ましくは200〜575℃、より好ましくは300〜550℃、さらに好ましくは400〜500℃であり、このような温度で所定時間、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜75時間、さらに好ましくは3〜50時間保持される。なお、上記熱処理温度への昇温は、10〜600℃/hの昇温速度で行われるのが好ましく、より好ましくは50〜300℃/hである。熱処理は、大気雰囲気等の酸化性雰囲気で行われるのが好ましい。このように、本発明においては、例えば900℃以上もの高温で焼成が行われるといったような従来法と比較して、格段に低い温度でLLZ系複合酸化物粉末を合成することができる。そうでありながら、結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物粉末を得ることができる。
こうして得られるLLZ系複合酸化物粉末は結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたものであり、好ましくは実質的に単相の、より好ましくは単相のLLZ系複合酸化物からなる。
リチウム含有複合酸化物膜の製造方法
本発明によるリチウム含有複合酸化物膜の製造は、(1)La及びZrを上記所定のモル比(すなわちLa−Zr−O系組成)で含有する成膜原料を用意し、(2)この成膜原料を用いて、水熱合成による成膜及び所望により仮焼を行い、それによりLa−Zr−O系前駆体膜を形成し、(3)前駆体膜を含む全体組成としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な量のLi化合物及びLa化合物の混合物、又はLi化合物を、前駆体膜に付着させ、(4)Li化合物が付着された前駆体膜を600℃以下の温度で熱処理して、LLZ系複合酸化物の膜を合成することにより行われる。
(1)成膜原料の用意
La及びZrを、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比、又は後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有する成膜原料を用意する。成膜原料の形態は、後続の工程で採用する成膜方法に適した形態であれば特に限定されず、任意の形態でありうる。好ましい成膜原料の形態は、粉末、スラリー及び溶液からなる群から選択されるいずれか1種の形態であり、より好ましくはスラリー又は溶液の形態である。粉末形態の成膜原料は、La化合物及びZr化合物を含有する粉末混合物であってもよいし、La化合物及びZr化合物を用いて焼成等により合成されたLa−Zr−O系組成の合成粉末であってもよい。スラリー又は溶液形態の成膜原料は、La化合物及びZr化合物又はそれらの合成物を水等の溶媒に分散又は溶解させたものであることができる。
成膜原料は、La及びZrを、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有してなるのが好ましい。パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比とは、パイロクロアの化学量論組成に照らして、La:Zr比が1:1あるいはそれに近似した比となるようなモル比ということになるが、前述のとおり、他の元素で一部置換する場合には、その置換量をも加味して上記モル比となるように各成分を配合すればよい。例えば、Zrの一部がNb及び/又はTaで置換される場合、La:(Zr+Nb+Ta)=1:1のモル比となるように成膜原料を調製すればよい。
あるいは、成膜原料は、La及びZrを、後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有するものであってもよい。後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比とは、LLZの化学量論組成に照らして、La:Zrの比が3:2あるいはそれに近似した比となるようなモル比ということになるが、前述のとおり、他の元素で一部置換する場合には、その置換量をも加味して上記モル比となるように各成分を配合すればよい。例えば、Zrの一部がNb及び/又はTaで置換される場合、La:(Zr+Nb+Ta)=3:2のモル比となるように成膜原料を調製すればよい。
成膜原料は、La、Zr並びに必要に応じてNb及び/又はTaを、採用する成膜方法に適した任意の形態で含んでいればよく、その形態は特に限定されないが、典型的には、酸化物、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種の形態の混合物及び/又は合成物として含んでなる。
成膜原料はAlをさらに含んでいてもよい。この場合、成膜原料はAlを、採用する成膜方法に適した形態で含んでいればよく特に限定されないが、酸化物、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種の形態で含むのが好ましい。
(2)前駆体膜の形成
成膜原料を用いて、水熱合成による成膜及び所望により仮焼を行い、それによりLa−Zr−O系前駆体膜を形成する。その結果、前駆体膜は成膜原料の組成に由来してLa−Zr−O系組成を有することになる。すなわち、成膜原料は、La及びZrを、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有してなる場合には、前駆体膜はパイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を有しうることになる。一方、成膜原料は、La及びZrを、後にLiが添加された場合にガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有する場合には、前駆体膜はLa及びZrを含む2種以上の結晶の混晶が形成されうる。成膜原料がLa及びZrをパイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能なモル比で含有する場合、前駆体膜はそのような結晶構造の単相(例えばLaZr単相)から実質的になるのが、最終的に得られるLLZ系複合酸化物の結晶性を向上できる点で特に好ましい。このように前駆体膜は典型的には結晶形態を有するが、後に行われる熱処理工程において所望の結晶形態を付与できるかぎり、それ以外の形態(例えばアモルファス形態)であってもよい。
前駆体の成膜は、水熱合成を採用して行うことができる。好ましくは、成膜原料がスラリー又は溶液の形態であり、このスラリー又は溶液を用いた水熱合成により成膜を行うことができる。スラリー又は溶液の形態の成膜原料は、La化合物及びZr化合物の前述したモル比となるように秤量して水等の溶媒に溶解又は分散させることにより作製すればよい。すなわち、この態様に用いる成膜原料は、水溶液等の溶液の形態であってもよいし、La化合物及びZr化合物の一部又は全部が分散されたスラリーの形態であってもよい。例えば、La化合物とZr化合物を秤量して水等の溶媒に溶解させ、得られた溶液に沈殿剤(例えばアンモニア水)をさらに加えて沈殿物を析出させ、この沈殿物を濾別及び所望により水等で洗浄した後、得られた固形物を水等の溶媒に分散させてスラリーとするのが好ましい。La化合物の好ましい例としては、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、及びそれらの水和物が挙げられる。Zr化合物の好ましい例としては、塩化ジルコニウム、酢酸水酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、及びそれらの水和物が挙げられる。Nb及び/又はTaを添加する場合、Nb化合物の好ましい例としては水酸化ニオブ及びそれらの水和物が挙げられる一方、Ta化合物の好ましい例としては水酸化タンタル及びそれらの水和物が挙げられる。Alを添加する場合、Al化合物の好ましい例としては、酢酸水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、及びそれらの水和物が挙げられる。必要に応じて、原料液のpHを調整してもよい。例えば、このpH調整を水酸化カリウム等のLLZ系複合酸化物の基本組成に影響を与えない塩基の添加により行うのが好ましい。原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体膜を基板上に形成させる。水熱合成は、高温高圧の熱水の存在下で行われる化合物の合成であり、典型的には400℃以下の温度で行われる。好ましい水熱合成温度は、100〜300℃であり、より好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜250℃である。水熱合成は、高温高圧に耐えうる密閉容器内、典型的にはオートクレーブ内に、前駆体膜が形成されるべき基板を入れて行われるのが好ましい。水熱合成の時間は特に限定されないが、好ましくは1〜150時間、より好ましくは5〜100時間、さらに好ましくは10〜75時間である。こうして前駆体膜が形成された基板を取り出し、前駆体を常温、又は高温(例えば80〜200℃)で乾燥させるのが好ましい。こうしてスラリー又は溶液の形態の成膜原料を用いて水熱合成を行うことで水熱合成膜を前駆体膜として好ましく得ることができる。
必要に応じて、前駆体膜には仮焼を行ってもよい。仮焼は、所望の仮焼温度、好ましくは600℃以下、より好ましくは300〜600℃、さらに好ましくは400〜600℃で、所望の時間、好ましくは1時間以上、より好ましくは1〜60時間、さらに好ましくは1〜20時間行えばよい。仮焼は大気雰囲気等の酸化性雰囲気で好ましく行うことができる。
(3)Li化合物等の付着
前駆体膜を含む全体組成としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な量のLi化合物及びLa化合物の混合物、又はLi化合物を、前駆体膜に付着させる。すなわち、前駆体膜の組成に応じて、不足分のLi及び/又はLaを補充するように前駆体膜に化合物を付着させる。Li化合物及びLa化合物は、好ましくは、酸化物、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種でありうる。とりわけ、前駆体膜に付着されるLi化合物は水酸化リチウム及び/又は過酸化リチウムであるのが好ましく、前駆体膜に付着されるLa化合物が水酸化ランタンであるのが好ましい。特に好ましいLi化合物は水酸化リチウムである。これらの化合物であると後続の合成工程で、不足分のLi及び/又はLaを前駆体膜中に拡散させやすく、それによりLLZ系複合酸化物膜の結晶性を向上することができる。
(4)LLZ系複合酸化物膜の合成
Li化合物が付着された前駆体膜を600℃以下の温度で熱処理して、LLZ系複合酸化物膜を合成する。熱処理の温度は600℃以下、好ましくは200〜600℃、より好ましくは200〜575℃、さらに好ましくは300〜550℃、特に好ましくは400〜500℃であり、このような温度で所定時間、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜75時間、さらに好ましくは3〜50時間保持される。なお、上記熱処理温度への昇温は、10〜600℃/hの昇温速度で行われるのが好ましく、より好ましくは50〜300℃/hである。熱処理は、大気雰囲気等の酸化性雰囲気で行われるのが好ましい。このように、本発明においては、通常700℃以上もの高温で合成が行われる従来法と比較して、格段に低い温度でLLZ系複合酸化物膜を合成することができる。そうでありながら、結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたLLZ系複合酸化物膜を得ることができる。
こうして得られるLLZ系複合酸化物膜は結晶性及びリチウムイオン伝導性に優れたものであり、好ましくは実質的に単相の、より好ましくは単相のLLZ系複合酸化物からなる。LLZ系複合酸化物膜の厚さは特に限定されないが、典型的には0.5〜50μmであり、より典型的には1〜20μmであり、さらに典型的には1〜10μmである。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。なお、以下の例において作製した粉末試料及び膜試料の評価方法は以下のとおりとした。
<結晶相及び半値幅>
XRD装置(株式会社リガク製、RINT2500)を用いて、2θ:10°〜70°、スキャン速度:2°/min、ステップ幅:0.02°の条件で、粉末試料又は膜試料に対し、X線回折を行った。得られたXRDプロファイルをCSD(Cambridge Structural Database)のX線回折ファイルNo.422259(LiLaZr12)と比較することで、結晶相の同定を行った。また、得られたXRDプロファイルに基づき(422)回折線の半値幅を算出した。半値幅が狭いほど結晶性が高いことを意味する。
<抵抗値>
交流インピーダンス法により、粉末試料の抵抗値を測定した。この抵抗値は、粉末試料の粒内抵抗値と粒界抵抗値の合計値である。具体的には、Arガスが充填されたグローブボックス内にて、直径20mmの穴が空いたアルミナセラミックス容器に粉末試料を入れ、その上下からステンレス製の金型で粉末を100kNで圧粉プレスする。圧力をかけたまま、金型の上下を電極とし、四端子法にて周波数:1MHz〜0.1Hz、電圧:10mVの条件で交流インピーダンス測定を行った。得られたコールコールプロットよりLLZ圧粉体の抵抗成分を取り出し、リチウムイオン伝導性の評価指標とした。すなわち、抵抗値が低いほどリチウムイオン伝導性に優れることを意味する。
<Liイオン導電性評価>
膜試料の表面に、Ar雰囲気グローブボックス中でカーボンペースト(日本電子株式会社製、ドータイトペーストXC−12)を塗布して、イオン伝導度評価用カーボン電極を形成した。このカーボン電極を用いて、Ar雰囲気グローブボックス中で、4端子法を用いた交流インピーダンス法により100℃、150℃及び200℃の温度でLiイオン伝導度を評価した。具体的には、膜試料にAuスパッタを施し、更に110℃以上で5時間以上真空乾燥させ、そのままAr雰囲気のグローブボックス内に導入し、CR2032コインセルに組み込んだ。このコインセルを大気中に取り出し、電気化学測定システム(ソーラトロン社製、ポテンショ/ガルバノスタッド−周波数応答アナライザ)を用い、周波数:1MHz〜0.1Hz、電圧:10mVにて交流インピーダンス測定を行った。
例1〜12
酢酸リチウム(和光純薬工業株式会社)(例1〜8及び10〜12)若しくは水酸化リチウム(関東化学株式会社)(例9)、酢酸ランタンn水和物(和光純薬工業株式会社製)、及び酢酸水酸化ジルコニウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)を出発原料として用意した。これらの出発原料を、Li+La+Zr=0.01molで、かつ、Li:La:Zr=7:3:2のモル比となるように秤量し、45mlの蒸留水に溶解させた。得られた溶液に、20mol%過剰となるように酢酸リチウムを加え、さらにpH調整用に10mol/Lとなるように水酸化リチウム(関東化学株式会社)を加えた。例10〜12ではさらに添加剤として酢酸水酸化アルミニウム(例10及び12)又は塩化アルミニウム(例11)を表1に示される量加えた。こうして調製された溶液をオートクレーブに投入し、表1に示される温度及び時間で加熱を行った。加熱後、得られた粉末を取り出し、100℃のホットプレート上にて乾燥した。乾燥した粉末をアルミナ坩堝に入れて大気雰囲気中にて200℃/hの昇温速度で昇温し、表1に示される温度で6時間保持した。こうして得られた粉末試料に対してXRDによる結晶相の解析を行ったところ、例1〜12のいずれにおいてもLLZ単相であることが確認された。また、電気伝導性を評価したところ、例1〜12においても表1に示されるように十分に低い抵抗値を有することが確認された。
Figure 2016006005
例13〜23
塩化ランタン七水和物(和光純薬工業株式会社製)、塩化ジルコニウム(和光純薬工業株式会社)を出発原料として用意した。これらの出発原料を、La+Zr=0.01molで、かつ、La:Zr=1:1のモル比となるように秤量し、45mlの蒸留水に溶解させた。得られた溶液に、pH調整用に10mol/Lとなるように水酸化カリウム(関東化学株式会社製)を加えた。例20〜23ではさらに添加剤として酢酸水酸化アルミニウム(例20、22及び23)又は塩化アルミニウム(例21)を表2に示される量加えた。こうして調製された溶液をオートクレーブに投入し、表2に示される温度及び時間で加熱を行った。加熱後、得られた粉末を取り出し、100℃のホットプレート上にて乾燥した。乾燥した粉末をXRDで結晶相の解析を行ったところ、LaZr単相であることが確認された。この粉末に水酸化リチウム(関東化学株式会社製)(例13〜18及び20〜23)若しくは過酸化リチウム(例19)と水酸化ランタン(信越化学工業株式会社製)とを原料粉末全体としてLi:La:Zr=7:3:2になるように秤量及び配合し、ライカイ機にて混合して焼成用原料粉末を得た。この焼成用原料粉末をアルミナ坩堝に入れて大気雰囲気中にて200℃/hの昇温速度で昇温し、表2に示される温度で6時間保持した。こうして得られた粉末試料に対してXRDによる結晶相の解析を行ったところ、例13〜23のいずれにおいてもLLZ単相であることが確認された。また、電気伝導性を評価したところ、例13〜23においても表2に示されるように十分に低い抵抗値を有することが確認された。
例24〜26
酢酸ランタンn水和物(和光純薬工業株式会社製)及び酢酸水酸化ジルコニウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)を出発原料として用意した。これらの出発原料を、La+Zr=0.01molで、かつ、La:Zr=1:1のモル比となるように秤量し、45mlの蒸留水に溶解させた。得られた溶液に、pH調整用に0.4mol/L(例24)、0.3mol/L(例25)又は0.5mol/L(例26)となるように水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製)を加えた。こうして調製された溶液をオートクレーブに投入し、180℃(例24)又は250℃(例25及び26)で72時間加熱を行った。加熱後、得られた粉末を取り出し、100℃のホットプレート上にて乾燥した。乾燥した粉末をXRDで結晶相の解析を行ったところ、Laが固溶したZrOであることが確認された。この粉末に水酸化リチウム(関東化学株式会社製)と水酸化ランタン(信越化学工業株式会社製)とを原料粉末全体としてLi:La:Zr=7:3:2になるように秤量及び配合し、ライカイ機にて混合して焼成用原料粉末を得た。この焼成用原料粉末をアルミナ坩堝に入れて大気雰囲気中にて200℃/hの昇温速度で昇温し、500℃で6時間保持した。こうして得られた粉末試料に対してXRDによる結晶相の解析を行ったところ、いずれにおいてもLLZ単相であることが確認された。また、電気伝導性を評価したところ、十分に低い抵抗値を有することが確認された。
Figure 2016006005
例27(比較)
焼成用原料調製のための各原料成分として水酸化リチウム(関東化学株式会社)、水酸化ランタン(信越化学工業株式会社)、及び酸化ジルコニウム(東ソー株式会社)を用意した。これらの粉末をLi:La:Zr=7:3:2になるように秤量及び配合し、ライカイ機にて混合して焼成用原料を得た。上記焼成用原料をアルミナ坩堝に入れて大気雰囲気中にて200℃/時間の昇温速度で昇温し、500℃で6時間保持した。得られた評価結果は表3に示されるとおりであった。
Figure 2016006005
例28〜32:水熱合成による成膜例
塩化ランタン七水和物(和光純薬工業株式会社)及び塩化ジルコニウム(和光純薬工業株式会社)を出発原料として用意した。これらの出発原料をLa+Zr=0.01molで、かつ、La:Zr=1:1となるように原料を秤量し、蒸留水に溶解させた。得られた溶液にアンモニア水をさらに加えて沈殿物を析出させた。沈殿物を濾別して純水で洗浄した後、得られた固形物を45mlの蒸留水に分散させてスラリーを得た。このスラリーに、pH調整用に10mol/Lとなるように水酸化カリウム(関東化学株式会社)を加えるとともに、ステンレス(SUS)基板を浸漬させた。この基板が浸漬されたスラリーをオートクレーブに投入して、表4に示される水熱合成温度で72時間加熱した。加熱後得られた基板を取り出し、100℃のホットプレート上にて乾燥した。例29においては、前駆体膜を酸素雰囲気にて500℃で5時間仮焼した。こうして乾燥及び所望により仮焼された前駆体膜に対してXRDで結晶相の解析を行ったところ、LaZr単相であることが確認された。この前駆体膜上に水酸化リチウム(関東化学株式会社)と水酸化ランタン(信越化学工業株式会社)を、前駆体膜を含む全体組成としてLi:La:Zr=7:3:2のモル比となるように秤量して付着させた。この前駆体膜を大気雰囲気で200℃/hの速度で500℃に昇温し、この温度で6時間保持した。こうして得られた膜試料に対して各種評価を行ったところ表4に示される結果が得られた。
Figure 2016006005

Claims (19)

  1. リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法であって、
    Li化合物、La化合物及びZr化合物を、ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意する工程と、
    前記原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させる工程と、
    前記前駆体を分離する工程と、
    前記分離した前駆体を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成する工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記水熱合成が100〜250℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水熱合成がオートクレーブ内で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記前駆体が結晶粒子の形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記前駆体及び前記複合酸化物の粉末がナノオーダーないしミクロンオーダーの粒子の形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記熱処理の温度が150〜600℃である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記Li化合物、前記La化合物及び前記Zr化合物の各々が、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記原料液がAl化合物をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記Al化合物が、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種である、請求項8に記載の方法。
  10. リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法であって、
    La化合物及びZr化合物を、パイロクロア型又はパイロクロア型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で含有する原料液を用意する工程と、
    前記原料液を用いて水熱合成を行い、それにより前駆体を形成させる工程と、
    前記前駆体を分離する工程と、
    前記分離した前駆体に、Li化合物及びLa化合物を、原料粉末全体としてガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を与えることが可能な配合比で混合して原料粉末を得る工程と、
    前記原料粉末を600℃以下の温度で熱処理して、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する複合酸化物の粉末を合成する工程と、
    を含む、方法。
  11. 前記水熱合成が100〜250℃の温度で行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記水熱合成がオートクレーブ内で行われる、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記前駆体が結晶粒子の形態である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記前駆体及び前記複合酸化物の粉末がナノオーダーないしミクロンオーダーの粒子の形態である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記熱処理の温度が150〜600℃である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記Li化合物、前記La化合物及び前記Zr化合物の各々が、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種である、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記前駆体に添加されるLi化合物が水酸化リチウムであり、前記前駆体に添加されるLa化合物が水酸化ランタンである、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記原料液がAl化合物をさらに含む、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記Al化合物が、酢酸塩、塩化物、酢酸水酸化物、水酸化物、及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくともいずれかの1種である、請求項18に記載の方法。
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