JP7351736B2 - 固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法 - Google Patents
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Description
LiaLabZrcM1 dM2 eM3 fOg・・・(1)
(式(1)中、M1はCa、Ba又はSrを示し、M2はAl、Ga又はCrを示し、M3はHf、Nb又はTaを示す。a、b、c、d、e、f、gは、3≦a≦7.5、0<b≦3、0<c≦2、0≦d≦2、0≦e≦2、0≦f≦2、11≦g≦12.5を満たす数を示す。)
で表されるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子が鎖状に集結してなる固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法であって、次の工程(I)~(IV):
(I)ランタン化合物及びジルコニウム化合物と、或いはランタン化合物、ジルコニウム化合物及び金属(M)化合物(Mは、式(1)中のM1、M2及びM3から選ばれる1種又は2種以上を示す)と、セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーと、水とを混合した混合液(a1)に、水酸化リチウムと水とを混合した混合液(a2)を混合して、混合液(A)を調製する工程
(II)得られた混合液(A)を100℃以上の水熱反応に付した後、得られた水熱反応生成物を洗浄及び乾燥して、セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーが混在してなる前駆体混合物(B)を得る工程
(III)得られた前駆体混合物(B)と、リチウム化合物と、前駆体混合物(B)に含有されるランタン1モルに対して0.2モル~0.8モルのランタン化合物と、水とを混合した後、乾燥して前駆体混合物(C)を得る工程
(IV)得られた前駆体混合物(C)を400℃~1000℃で焼成する工程
を備える、固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により得られるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体(以下、「LLZO結晶粒子集合体」とも称する)を構成するリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子(以下、「LLZO結晶粒子」とも称する)は、ガーネット型結晶構造を有する粒子であり、下記式(1)で表される。
LiaLabZrcM1 dM2 eM3 fOg・・・(1)
(式(1)中、M1はCa、Ba又はSrを示し、M2はAl、Ga又はCrを示し、M3はHf、Nb又はTaを示す。a、b、c、d、e、f、gは、3≦a≦7.5、0<b≦3、0<c≦2、0≦d≦2、0≦e≦2、0≦f≦2、11≦g≦12.5を満たす数を示す。)
本発明の製造方法を経ることにより、最終的には熱分解により除去されることとなるセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーは、最終生成物であるLLZO結晶粒子集合体には、ほぼ残存することはない。したがって、LLZO結晶粒子自体は電子伝導性を有さないことから、LLZO結晶粒子集合体をリチウムイオン二次電池の固体電解質として用いた際、正極-負極間に生じる不要な短絡を有効に防止することができる。
なお、上記式(1)中におけるM1、M2、M3は、いわゆるドープ金属と称されるものであり、各々Li、La、Zrの結晶サイトのいずれかにドープされる。
上記式(1)で表されるLLZO結晶粒子としては、具体的には、例えば、Li7La3Zr2O12、Li6.25La3Zr2Al0.25O12、Li6.75La3Zr1.75Nb0.25O12、Li6.75La3Zr1.75Ta0.25O12、Li6.25La3Zr2Ga0.25O12、Li6.45La2.95Zr1.4Ca0.05Ta0.6O12が好ましい。
(I)ランタン化合物及びジルコニウム化合物と、或いはランタン化合物、ジルコニウム化合物及び金属(M)化合物(Mは、式(1)中のM1、M2及びM3から選ばれる1種又は2種以上を示す)と、セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーと、水とを混合した混合液(a1)に、水酸化リチウムと水とを混合した混合液(a2)を混合して、混合液(A)を調製する工程
(II)得られた混合液(A)を100℃以上の水熱反応に付した後、得られた水熱反応生成物を洗浄及び乾燥して、セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーが混在してなる前駆体混合物(B)を得る工程
(III)得られた前駆体混合物(B)と、リチウム化合物と、前駆体混合物(B)に含有されるランタン1モルに対して0.2モル~0.8モルのランタン化合物と、水とを混合した後、乾燥して前駆体混合物(C)を得る工程
(IV)得られた前駆体混合物(C)を400℃~1000℃で焼成する工程
を備える。
ランタン化合物、ジルコニウム化合物及び金属(M)化合物(Mは、式(1)中のM1、M2及びM3から選ばれる1種又は2種以上を示す)と、セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーと、水とを混合した混合液(a1)に、水酸化リチウムと水との混合液(a2)を混合して、混合液(A)を調製する工程である。
具体的には、例えば、アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。また、ガリウム化合物としては、例えば、塩化ガリウム、硝酸ガリウム及び硫酸ガリウムから選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。
ニオブ化合物としては、塩化ニオブ及びフッ化ニオブから選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。
タンタル化合物としては、塩化タンタル及びフッ化タンタルから選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。
カルシウム化合物としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム及び酢酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。
なお、水は、原料化合物を混合した後に添加してもよく、或いは各々の原料化合物を水に添加したのち、これらを混合してもよい。
すなわち、ここでCNF(X)を用いることによって、微細なLLZO結晶粒子の前駆体が得られ、かかるLLZO結晶粒子の焼結を抑制することが可能となることが起因となり、微細な粒子の集合体でありながらリチウムイオン伝導性の高いLLZO結晶粒子集合体が得られるものと推定される。
セルロースナノファイバー(x1)とリグノセルロースナノファイバー(x2)は、共に優れた水への分散性を有している。工程(I)では、これらセルロースナノファイバー(x1)及びリグノセルロースナノファイバー(x2)を一方のみ用いてもよく、双方併用してもよい。
CNF(X)の含有量は、混合液(a1)中の水100質量部に対し、好ましくは0.01質量部~45質量部であり、より好ましくは0.1質量部~40質量部であり、さらに好ましくは1質量部~35質量部である。
かかる混合液(a2)における水酸化リチウムの含有量は、混合液(a2)中の水100質量部に対し、好ましくは0.1質量部~50質量部であり、より好ましくは0.5質量部~40質量部であり、さらに好ましくは1質量部~30質量部である。
なお、工程(II)へ移行する前に、予め工程(I)で得られた混合液(A)を撹拌する場合、撹拌は反応容器内で行えばよく、次いで反応容器ごと圧力容器等に格納すればよい。かかる撹拌は、CNF(X)を含む前駆体混合物(B)を効率的に生成させる観点から、圧力容器等に格納された反応容器内において工程(II)における水熱反応が完了するまで継続するのが好ましい。
次いで、混合液(A)を水熱反応に付した後、得られた水熱反応生成物を洗浄し、乾燥する。洗浄は、水熱反応に付した後の混合液(A)を固液分離することにより行えばよい。水熱反応生成物を洗浄することにより、原料由来のアニオン成分等の水溶性不純物を効果的に除去することができる。かかる水熱反応生成物には、具体的には、ランタンジルコニウム酸化物La2Zr2O7と、CNF(X)を含む前駆体混合物(B)が含まれている。
固液分離に用いる装置としては、例えば、フィルタープレス機、遠心濾過機等が挙げられる。なかでも、効率的に水熱反応生成物を得る観点から、フィルタープレス機を用いるのが好ましい。
工程(III)において用いるリチウム化合物の量は、前駆体混合物(B)100質量部に対し、好ましくは40質量部~120質量部であり、より好ましくは50質量部~110質量部である。
工程(III)において用いるランタン化合物の量は、前駆体混合物(B)に含有されるランタン1モルに対して0.2モル~0.8モルであって、好ましくは0.25モル~0.75モルであり、より好ましくは0.3モル~0.7モルであり、さらに好ましくは0.4モル~0.6モルである。
MnSO4・H2O 25.35g、NiSO4・6H2O 13.14g、及び水100mLを混合して、スラリー(s1)を得た。得られたスラリー(s1)を25℃の温度に保持しながら撹拌しつつ、48質量%のNaOHを滴下して、pHが11のスラリー(s2)を得た。次に、得られたスラリー(s2)を1時間撹拌して前駆体(j)を得た後、得られた前駆体(j)1質量部に対して12質量部の水で洗浄した。
前駆体(j)全量、LiOH・H2O 4.20g、及び水100mLを混合した後、遊星型ボールミル(P-5、フリッチェジャパン株式会社製)を用いて15分間混合して、スラリー(s3)を得た。次に、得られたスラリー(s3)を80℃で12時間乾燥した後、得られた乾燥物を大気雰囲気下800℃×1時間焼成して、二次粒子であるLiMn1.5Ni0.5O4正極活物質粒子(一次粒子の平均粒径100nm)を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.60g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)1を得た。
次いで、水20mLにLiOH・H2O 1.03gを溶解して、混合液(a2)1を得た。得られた(a2)1の25℃におけるpHは12であった。
得られた混合液(a1)1を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)1に、混合液(a2)1の全量(混合液(a1)1100質量部に対して17.57質量部の量)を滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで10分間撹拌して混合液(A)1を得た。かかる混合液(A)1の25℃におけるpHは9であった。
前駆体混合物(B)1全量と、予めLiNO3 1.63g、La(NO3)3・6H2O 1.30g(前駆体混合物(B)1中のランタン1モルに対して0.50モル)及び水200mLを混合して得られたスラリー(c1)1とを混合してスラリー(c2)1を得た。得られたスラリー(c2)1を凍結乾燥して前駆体混合物(C)1を得た。前駆体混合物(C)1を大気雰囲気下850℃で4時間焼成することにより、セルロースナノファイバーを熱分解させつつ除去して、LLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X1を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.60g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、Al(NO3)3・9H2O 0.29g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)2を得た。
次いで、水20mLにLiOH・H2O 1.64gを溶解して、混合液(a2)2を得た。得られた(a2)2の25℃におけるpHは13であった。
得られた混合液(a1)2を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)2に、混合液(a2)2の全量(混合液(a1)2100質量部に対して18.04質量部の量)を滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで10分間撹拌して混合液(A)2を得た。かかる混合液(A)2の25℃におけるpHは10であった。
前駆体混合物(B)2全量と、予めLiNO3 1.45g、La(NO3)3・6H2O 1.30g(前駆体混合物(B)2中のランタン1モルに対して0.50モル)及び水200mLを混合して得られたスラリー(c1)2とを混合してスラリー(c2)2を得た。得られたスラリー(c2)2を凍結乾燥して前駆体混合物(C)2を得た。前駆体混合物(C)2を大気雰囲気下850℃で4時間焼成することにより、セルロースナノファイバーを熱分解させつつ除去して、LLZO結晶粒子(Li6.25La3Zr2Al0.25O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X2を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.97g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、NbCl5 0.24g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)3を得た。
次いで、水20mLにLiOH・H2O 1.17gを溶解して、混合液(a2)3を得た。得られた(a2)3の25℃におけるpHは10であった。
得られた混合液(a1)3を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)3に、混合液(a2)3の全量(混合液(a1)3100質量部に対して17.60質量部の量)を滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで10分間撹拌して混合液(A)3を得た。かかる混合液(A)3の25℃におけるpHは9であった。
前駆体混合物(B)3全量と、予めLiNO3 1.79g、La(NO3)3・6H2O 1.49g(前駆体混合物(B)3中のランタン1モルに対して0.50モル)及び水200mLを混合して得られたスラリー(c1)3とを混合してスラリー(c2)3を得た。得られたスラリー(c2)3を凍結乾燥して前駆体混合物(C)3を得た。前駆体混合物(C)3を大気雰囲気下850℃で4時間焼成することにより、セルロースナノファイバーを熱分解させつつ除去して、LLZO結晶粒子(Li6.75La3Zr1.75Nb0.25O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X3を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 3.62g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、Ca(NO3)2・4H2O 0.05g、TaCl5 1.02g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)4を得た。
次いで、水20mLにLiOH・H2O 1.47gを溶解して、混合液(a2)4を得た。得られた(a2)4の25℃におけるpHは12であった。
得られた混合液(a1)4を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)4に、混合液(a2)4の全量(混合液(a1)4100質量部に対して17.63質量部の量)を滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで10分間撹拌して混合液(A)4を得た。かかる混合液(A)4の25℃におけるpHは10であった。
前駆体混合物(B)4全量と、予めLiNO3 2.14g、La(NO3)3・6H2O 1.86g(前駆体混合物(B)4中のランタン1モルに対して0.51モル)及び水200mLを混合して得られたスラリー(c1)4とを混合してスラリー(c2)4を得た。得られたスラリー(c2)4を凍結乾燥して前駆体混合物(C)4を得た。前駆体混合物(C)4を大気雰囲気下850℃で4時間焼成することにより、セルロースナノファイバーを熱分解させつつ除去して、LLZO結晶粒子(Li6.45La2.95Zr1.4Ta0.6Ca0.05O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X3を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.60g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びリグノセルロースナノファイバー(モリマシナリー製、含水率90%)3.24gを混合して、混合液(a1)1を得た以外、実施例1と同様にしてLLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X5を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.34g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)6を得た。
次いで、水20mLにLiOH・H2O 1.03gを溶解して、混合液(a2)6を得た。得られた(a2)6の25℃におけるpHは12であった。
得られた混合液(a1)6を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)6に、混合液(a2)6の全量(混合液(a1)6100質量部に対して17.61質量部の量)を滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで10分間撹拌して混合液(A)6を得た。かかる混合液(A)6の25℃におけるpHは9であった。
前駆体混合物(B)6全量と、予めLiNO3 1.63g、La(NO3)3・6H2O 1.56g(前駆体混合物(B)6中のランタン1モルに対して0.67モル)及び水200mLを混合して得られたスラリー(c1)6とを混合してスラリー(c2)6を得た。得られたスラリー(c2)6を凍結乾燥して前駆体混合物(C)6を得た。前駆体混合物(C)6を大気雰囲気下850℃で4時間焼成することにより、セルロースナノファイバーを熱分解させつつ除去して、LLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X6を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.86g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)7を得た。
次いで、水20mLにLiOH・H2O 1.03gを溶解して、混合液(a2)7を得た。得られた(a2)7の25℃におけるpHは12であった。
得られた混合液(a1)7を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)7に、混合液(a2)7の全量(混合液(a1)7100質量部に対して17.53質量部の量)を滴下して混合した後、さらに撹拌速度200rpmで10分間撹拌して混合液(A)7を得た。かかる混合液(A)7の25℃におけるpHは9であった。
前駆体混合物(B)7全量と、予めLiNO3 1.63g、La(NO3)3・6H2O 1.04g(前駆体混合物(B)1中のランタン1モルに対して0.36モル)及び水200mLを混合して得られたスラリー(c1)7とを混合してスラリー(c2)7を得た。得られたスラリー(c2)7を凍結乾燥して前駆体混合物(C)7を得た。前駆体混合物(C)7を大気雰囲気下850℃で4時間焼成することにより、セルロースナノファイバーを熱分解させつつ除去して、LLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X7を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.60g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)8を得た。
次いで、水10mLにLiOH・H2O 1.54gを溶解して、混合液(a2)8を得た。得られた(a2)8の25℃におけるpHは12であった。
得られた混合液(a1)8を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)8に、混合液(a2)8の全量(混合液(a1)8100質量部に対して9.64質量部の量)を滴下して混合した以外、実施例1と同様にしてLLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X8を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.60g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)9を得た。
次いで、水90mLにLiOH・H2O 0.51gを溶解して、混合液(a2)9を得た。得られた(a2)9の25℃におけるpHは12であった。
得られた混合液(a1)9を撹拌速度200rpmで10分間撹拌した後、そのまま撹拌を継続している混合液(a1)9に、混合液(a2)9の全量(混合液(a1)9100質量部に対して75.63質量部の量)を滴下して混合した以外、実施例1と同様にしてLLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体X9を得た。
水500mLにLa(NO3)3・6H2O 38.97g、ZrO(NO3)2・2H2O 16.53gを混合して、水溶液(L)1を得た。得られた水溶液(L)1に、28%のアンモニア水を36.4g滴下した。その後、pHを11に調整するために1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を加えて沈殿させた。得られた沈殿物を分離、水洗浄後に、200℃×12時間乾燥して沈殿物(M)1を得た。
次いで、水10mLに、得られた沈殿物(M)1全量と、LiOH 7.06gを遊星型ボールミルで混合した後、前駆体混合物(N)1を得た。
水100mLにLa(NO3)3・6H2O 2.60g、ZrO(NO3)2・2H2O 1.65g、及びセルロースナノファイバー(BINIFI-s-IMa-10002、スギノマシン製、含水率97.9%)15.43gを混合して、混合液(a1)1を得た。
次いで、水20mLにNaOH 0.99gを溶解して、混合液(a2)1を得た以外、実施例1と同様にしてLLZO結晶粒子(Li7La3Zr2O12)が鎖状に集結してなるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体Y2を得た。
実施例1~9及び比較例1~2で得られたLLZO結晶粒子集合体X1~X9、Y2及びLLZO結晶粒子Y1を用い、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
具体的には、製造例1で得られたLiMn1.5Ni0.5O4正極活物質粒子を用い、正極活物質粒子:固体電解質:アセチレンブラック(質量比)を75:20:5で混合した後、プレス用冶具に投入して正極活物質層とした。さらに、その層上にLLZO結晶粒子集合体X1又はLLZO結晶粒子Y1のみを投入して、固体電解質層を形成・積層させた後、ハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、φ14mmの円盤状の正極を得た。次いで、負極としてリチウム箔を固体電解質層側に取り付け、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
結果を表1に示す。
Claims (5)
- 下記式(1):
LiaLabZrcM1 dM2 eM3 fOg・・・(1)
(式(1)中、M1はCa、Ba又はSrを示し、M2はAl、Ga又はCrを示し、M3はHf、Nb又はTaを示す。a、b、c、d、e、f、gは、3≦a≦7.5、0<b≦3、0<c≦2、0≦d≦2、0≦e≦2、0≦f≦2、11≦g≦12.5を満たす数を示す。)
で表されるリチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子が鎖状に集結してなる固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法であって、次の工程(I)~(IV):
(I)ランタン化合物及びジルコニウム化合物と、或いはランタン化合物、ジルコニウム化合物及び金属(M)化合物(Mは、式(1)中のM1、M2及びM3から選ばれる1種又は2種以上を示す)と、リグノセルロースナノファイバーと、水とを混合した混合液(a1)を撹拌し、そのまま撹拌を継続して混合液(a1)に水酸化リチウムと水とを混合した混合液(a2)を滴下して混合し、さらに撹拌を継続して混合液(A)を調製する工程
(II)得られた混合液(A)を100℃以上の水熱反応に付した後、得られた水熱反応生成物を洗浄及び乾燥して、リグノセルロースナノファイバーが混在してなる前駆体混合物(B)を得る工程
(III)得られた前駆体混合物(B)と、リチウム化合物と、前駆体混合物(B)に含有されるランタン1モルに対して0.2モル~0.8モルのランタン化合物と、水とを混合した後、凍結乾燥して前駆体混合物(C)を得る工程
(IV)得られた前駆体混合物(C)を大気雰囲気下又は酸素雰囲気下にて400℃~1000℃で焼成する工程
を備える、固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法。 - 工程(I)において、混合液(a1)100質量部に対し、1質量部~85質量部の混合液(a2)を混合する請求項1に記載の固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法。
- 混合液(a2)中における水酸化リチウムの含有量が、混合液(a2)中における水100質量部に対し、0.1質量部~50質量部である請求項1又は2に記載の固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法。
- 工程(I)において得られる混合液(A)の25℃におけるpHが、8~13である請求項1~3のいずれか1項に記載の固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法。
- 固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体のBET比表面積が、15m2/g以上である請求項1~4のいずれか1項に記載の固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法。
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