JP5945432B2 - リチウムイオン伝導性酸化物及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン伝導性酸化物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン伝導性酸化物及びその製造方法に関し、特に、リチウムイオン伝導性酸化物の特性の向上に関する。
近年、パソコン、携帯電話等の情報関連機器や各種通信機器の開発に伴い、発火や漏液等の問題を生ずる可能性がある非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池に代わり、全固体型リチウムイオン二次電池に対する要望が一段と高まっている。
全固体型リチウムイオン二次電池に用いる固体電解質の1つとして、非特許文献1の報告を契機として、ガーネット型のセラミックス材料であるLi7La3Zr2O12(以下、「LLZ」という。)が注目されている。そして、LLZ及びLLZの組成の一部を改変した化合物(以下、両者をまとめて「LLZ系化合物」という。)に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜5)。
特表2010−534383号公報 特開2010−102929号公報 特開2010−272344号公報 特開2011−51800号公報 特開2011−73962号公報
Ramaswamy Murugan etal., Angew. Chem.Int. Ed. 2007, 46, 1-5
しかしながら、上記従来技術においては、良好なリチウムイオン伝導性を有するLLZ系化合物を得るためには、その原料を仮焼成後、1000℃以上の高温で本焼成する必要がある等の制約があった。
LLZ系化合物の原料を高温で焼成する場合、リチウム成分の揮発量が大きいために、リチウムが不足し、リチウムイオン伝導性等の特性が十分な結晶を得ることができない。このため、過剰量のリチウム成分を添加することが一般に行われているが、特に、1000℃以上の高温で焼成を行う場合には、過剰に添加したリチウム成分が焼成用容器と反応し、不純物を生成するといった問題や、過剰に添加したリチウム成分が水分や二酸化炭素等と反応してガスを発生し、その結果、焼結密度が低下しリチウムイオン伝導度が低下するといった問題があった。
また、全固体型リチウムイオン二次電池の作製において、電極と固体電解質との界面抵抗を小さくしリチウムイオン伝導率のロスを最小化する目的で、電極材料と固体電解質又は固体電解質材料である仮焼成物等とを、一体化した状態で焼成する場合があるが、この場合、焼成を高温で行うと、当該電極材料と当該固体電解質とが反応することにより、電池特性が低下し、目的とする特性を有する全固体型リチウムイオン二次電池が得られないといった問題もあった。さらに、高温の焼成は、高いエネルギーコストを要し、工業生産上大きな障害となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、製造時の焼成を低温で行うことができ、且つ良好なリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性酸化物及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るリチウムイオン伝導性酸化物の製造方法は、水溶性又は有機溶媒溶解性のリチウム化合物、水溶性又は有機溶媒溶解性のランタン化合物及び水溶性又は有機溶媒溶解性のジルコニウム化合物を少なくとも含む液状反応物を調製する第一工程と、前記液状反応物の乾燥物をホウ素化合物及びアルミニウム化合物の存在下で1回以上焼成する第二工程と、を含むことを特徴とする。本発明によれば、低温の焼成によっても良好なリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性酸化物を製造する方法を提供することができる。
また、前記第二工程における全ての前記焼成を1000℃未満で行うこととしてもよい。また、ランタンの使用量に対するホウ素の使用量の割合はモル比(B/La)で0.01〜0.5であることとしてもよい。また、ランタンの使用量に対するアルミニウムの使用量の割合はモル比(Al/La)で0.05〜0.5であることとしてもよい。また、前記第一工程において、水溶性又は有機溶媒溶解性のニオブ化合物及び/又は水溶性又は有機溶媒溶解性のタンタル化合物をさらに含む前記液状反応物を調製することとしてもよい。この場合、ランタンの使用量に対するニオブの使用量とタンタルの使用量との合計の割合はモル比((Nb+Ta)/La)で0.01〜0.5であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るリチウムイオン伝導性酸化物は、リチウム、ランタン、ジルコニウム、ホウ素及びアルミニウムを含むことを特徴とする。本発明によれば、製造時の焼成を低温で行うことができ、且つ良好なリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性酸化物を提供することができる。
本発明によれば、製造時の焼成を低温で行うことができ、且つ良好なリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性酸化物を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る実施例1で得られた最終焼成後のペレットのX線回折図である。 本発明の一実施形態に係る実施例6で得られた最終焼成後のペレットのX線回折図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態に限られるものではない。
まず、本発明の概要について説明する。本発明の発明者らは、焼成を1000℃未満で行う場合であっても良好なリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性酸化物を製造できる方法について鋭意検討を行った。
すなわち、まず、液相で複数の金属化合物を混合することにより出発原料を調製するペッチーニ法について検討した。具体的に、硝酸リチウム、硝酸ランタン及びオキシ硝酸ジルコニウムを水に溶解させ、さらにクエン酸及びエチレングリコールを添加し、140℃で10時間の加熱撹拌を行うことで出発原料である液状反応物を調製した。次いで、この液状反応物を乾燥し、仮焼成を行い、さらに様々な温度で本焼成を行うことにより、ペレット状の酸化物を得た。
本焼成温度が1180℃の場合には、良好なリチウムイオン伝導性を有する立方晶のガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物が得られた。しかし、本焼成温度が800℃の場合、得られた酸化物は、正方晶のガーネット型結晶構造を有し、ペレットの密度が低く、常温下でのリチウムイオン伝導率が測定限界以下となった。
そこでさらに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、リチウム成分、ランタン成分及びジルコニウム成分に加えてホウ素成分及びアルミニウム成分を使用すること、及び出発原料として当該リチウム成分、ランタン成分及びジルコニウム成分の液状反応物を使用することによって、焼成を1000℃未満で行う場合であっても良好なリチウムイオン伝導性を有する緻密なリチウムイオン伝導性酸化物が得られることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本実施形態に係るリチウムイオン伝導性酸化物の製造方法(以下、「本方法」という。)は、水溶性又は有機溶媒溶解性のリチウム化合物、水溶性又は有機溶媒溶解性のランタン化合物及び水溶性又は有機溶媒溶解性のジルコニウム化合物を少なくとも含む液状反応物を調製する第一工程と、当該液状反応物の乾燥物をホウ素化合物及びアルミニウム化合物の存在下で1回以上焼成する第二工程と、を含む。
本方法は、上記第一工程及び第二工程を含むことにより、当該第二工程における全ての焼成を1000℃未満で行う場合であっても、良好なリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導性酸化物を製造することができる。
また、本実施形態に係るリチウムイオン伝導性酸化物(以下、「本酸化物」という。)は、このような本方法により好ましく製造される酸化物であって、リチウム、ランタン、ジルコニウム、ホウ素及びアルミニウムを含み、良好なリチウムイオン伝導性を有する。
次に、本発明を詳細に説明する。本方法の第一工程においては、まず、水溶性又は有機溶媒溶解性のリチウム化合物、水溶性又は有機溶媒溶解性のランタン化合物、及び水溶性又は有機溶媒溶解性のジルコニウム化合物を少なくとも準備する。
水溶性又は有機溶媒溶解性のリチウム化合物(以下、単に「リチウム化合物」という。)は、水又は有機溶媒に溶解するリチウム化合物であれば特に限られないが、例えば、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム及びリチウムのアルコキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
リチウムのアルコキシドは、特に限られないが、具体的には、例えば、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド及びリチウムブトキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
水溶性又は有機溶媒溶解性のランタン化合物(以下、単に「ランタン化合物」という。)は、水又は有機溶媒に溶解するランタン化合物であれば特に限られないが、硝酸ランタン、酢酸ランタン及びランタンのアルコキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
ランタンのアルコキシドは、特に限られないが、具体的には、例えば、ランタンメトキシド、ランタンエトキシド、ランタンプロポキシド及びランタンブトキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
水溶性又は有機溶媒溶解性のジルコニウム化合物(以下、単に「ジルコニウム化合物」という。)は、水又は有機溶媒に溶解するジルコニウム化合物であれば特に限られないが、例えば、オキシ硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム及びジルコニウムのアルコキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
ジルコニウムのアルコキシドは、特に限られないが、具体的には、例えば、ジルコニウムメトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド及びジルコニウムブトキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
なお、本発明において、水溶性又は有機溶媒溶解性の化合物は、水又は有機溶媒である供試溶媒に対する理論溶解度以下の量で用いればよいが、効率性の観点から溶解性の高い化合物を用いることが好ましい。
リチウム化合物の使用量、ランタン化合物の使用量及びジルコニウム化合物の使用量は、最終的に得られる酸化物において、リチウム(Li):ランタン(La):ジルコニウム(Zr)=7:3:2の化学量論比を示す組成が得られるように調節することが好ましい。
例えば、特にリチウム成分は焼成によって揮発し易いため、揮発量を考慮した過剰量で使用することが好ましい。すなわち、例えば、リチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物を、Li:La:Zr=7〜10:3:2のモル比で使用することが好ましい。
特に、ホウ素化合物を含む液状反応物を調製する場合には、当該液状反応物の調製に使用される化合物の種類によっては、ホウ素(B)とLiとの反応物が生成することがあり、最終的に得られる酸化物においてLiが不足する可能性があるため、Liを多めに使用することが好ましい。
すなわち、例えば、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物及びホウ素化合物を、Li:La:Zr:B=8〜10:3:2:0.03〜1.5のモル比で使用することが好ましい。なお、本方法において使用される化合物のモル比は、良好なリチウムイオン伝導率を有する酸化物が得られる範囲であれば、上述の例に限られない。
また、第一工程においては、水溶性又は有機溶媒溶解性のニオブ化合物及び/又は水溶性又は有機溶媒溶解性のタンタル化合物をさらに含む液状反応物を調製することとしてもよい。
水溶性又は有機溶媒溶解性のニオブ化合物(以下、単に「ニオブ化合物」という。)は、水又は有機溶媒に溶解するニオブ化合物であれば特に限られないが、例えば、シュウ酸ニオブ及びニオブのアルコキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができ、特にニオブのアルコキシドを用いることが好ましい。
ニオブのアルコキシドは、特に限られないが、具体的には、例えば、ニオブメトキシド、ニオブエトキシド、ニオブプロポキシド及びニオブブトキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
水溶性又は有機溶媒溶解性のタンタル化合物(以下、単に「タンタル化合物」という。)は、水又は有機溶媒に溶解するタンタル化合物であれば特に限られないが、例えば、シュウ酸タンタル及びタンタルのアルコキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができ、特にタンタルのアルコキシドを用いることが好ましい。
タンタルのアルコキシドは、特に限られないが、具体的には、例えば、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタルプロポキシド及びタンタルブトキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
ニオブ化合物の使用量及びタンタル化合物の使用量は、特に限られないが、例えば、ランタンの使用量に対するニオブの使用量とタンタルの使用量との合計の割合はモル比((Nb+Ta)/La)で0.01〜0.5であることが好ましい。
ここで、ニオブの使用量は、本方法において使用するニオブの総量であり、タンタルの使用量は、本方法において使用するタンタルの総量であり、ランタンの使用量は、本方法において使用するランタンの総量である。
なお、ランタン化合物を液状反応物の調製にのみ使用する場合(ランタン化合物を第一工程でのみ使用する場合)には、当該液状反応物の調製に使用されるランタンの使用量が、本方法において使用するランタンの総量である。
そして、第一工程においては、リチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物を少なくとも含む液状反応物を調製する。すなわち、リチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物を粉末の状態で混合するのではなく、当該リチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物を液相で反応させることにより液状反応物を調製する。
より具体的に、液状反応物は、水及び/又は有機溶媒を含む溶媒中において、少なくともリチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物を混合し、反応させることにより生成される。
なお、有機溶媒はリチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物が溶解するものであれば特に限られず、例えば、アルコール、エステル類及び芳香族炭化水素からなる群より選択される1種以上を用いることができる。
アルコールとしては、例えば、炭素数が1〜10、好ましくは1〜8の低級モノアルコールを好ましく用いることができ、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール及びオクタノールからなる群より選択される1種以上を用いることができる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチルからなる群より選択される1種以上を用いることができる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
液状反応物は、少なくともリチウム成分、ランタン成分及びジルコニウム成分を含み、前記成分が均一分散し、且つ、化学的な相互作用により前記各成分の相対的な位置関係が拘束された状態のものをいう。具体的に、液状反応物は、例えば、ゲル状反応物である。ゲル状反応物は、例えば、ゲル、ゾル及び沈殿物からなる群より選択される1種以上である。
ゲル状反応物の生成が本発明による効果に寄与する機構は明らかではないが、例えば、ゲル化反応時に溶媒中で複数種の金属成分が均一に分散し、さらにゲル状態で当該複数種の金属原子の空間的な配置が緩やかに固定化されることが関係しているものと推定される。
ゲル状反応物は、例えば、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物からなる群より選択される1種以上としてアルコキシドを使用することにより生成することができる。
また、ニオブ化合物及び/又はタンタル化合物を使用する場合には、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、ニオブ化合物及びタンタル化合物からなる群より選択される1種以上としてアルコキシドを使用することとしてもよい。
すなわち、ゲル状反応物は、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物からなる群より選択される1種以上及び/又は他の金属化合物(例えば、ニオブ化合物及び/又はタンタル化合物)としてアルコキシドを使用することにより生成されることとしてもよい。金属アルコキシドを使用する場合、当該金属アルコキシドの加水分解によりゲル状反応物が得られる。
また、金属アルコキシドをキレート剤と併用することとしてもよい。すなわち、金属アルコキシドの加水分解反応が急激に進行する場合は、生成されるゲル状反応物の組成が不均一となることがある。このため、金属アルコキシドを含む溶液中へキレート剤を添加することにより加水分解の反応速度を制御することが好ましい。このキレート剤としては、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等のβ−ジケトン化合物類や、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル、3−ケト−n−バレリック酸メチル等のβ−ケトエステル化合物類、さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等からなる群より選択される1種以上を用いることができる。
具体的に、例えば、硝酸ランタン、硝酸リチウム及び硝酸アルミニウムをエタノールに溶解させることにより溶液Aを調製するとともに、ジルコニウムイソプロポキシドを1−プロパノールに溶解させ、さらにアセト酢酸エチルを添加することにより溶液Bを調製し、当該溶液Aと溶液Bとを混合し、撹拌下で必要に応じて加熱することにより、ゲル状反応物を得ることができる。
また、例えば、硝酸リチウム及び硝酸ランタンをエタノールに溶解させることにより溶液Aを調製するとともに、ジルコニウムイソプロポキシド及びアルミニウムセカンダリーブトキシドを1−プロパノールに溶解させ、さらにアセト酢酸エチルを添加することにより溶液Bを調製し、当該溶液Aと溶液Bとを混合し、撹拌下で必要に応じて加熱することにより、ゲル状反応物を得ることができる。
また、ゲル状反応物は、例えば、水溶性金属化合物に加えて、キレート剤とポリアルコールとを使用することにより生成することができる。すなわち、この場合、金属イオンと、キレート剤と、ポリアルコールとのエステル化反応によりゲル状反応物が得られる。このような方法として、ペッチーニ法、錯体重合法などを例示することができる。
キレート剤としては、例えば、EDTA、NTA及びヒドロキシカルボン酸からなる群より選択される1種以上を用いることができる。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸及び乳酸からなる群より選択される1種以上を用いることができる。ポリアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
なお、ゲル状反応物等の液状反応物の調製方法は、上述の例に限られない。また、可能な限り均一な組成の液状反応物を得るためには、金属化合物及び溶媒等の原料の種類に応じて、各成分の濃度、ゲル化温度等の反応条件を適宜選択することにより反応速度を制御することが好ましい。
本方法の第二工程においては、上述のようにして調製した液状反応物の乾燥物をホウ素化合物及びアルミニウム化合物の存在下で1回以上焼成する。すなわち、第二工程においては、少なくとも1回の焼成をホウ素化合物及びアルミニウム化合物の存在下で行う。
なお、液状反応物の乾燥物の焼成は、例えば、焼成前に当該液状反応物を焼成温度より低い温度で乾燥させ、得られた乾燥物を当該焼成温度で焼成することとしてもよいし、当該液状反応物をそのまま焼成温度で加熱することにより、当該液状反応物を乾燥させるとともに焼成することとしてもよい。焼成前における液状反応物の乾燥は、例えば、当該液状反応物を50〜200℃(例えば、130℃)で1〜48時間(例えば、8時間)加熱することにより行う。
焼成に供する乾燥物の一実施形態としては、成形体であることが好ましい。これは、粉体を焼成する場合に比べて、リチウムの焼失を抑制することができるからである。成形法としては、例えば、一軸加圧成形、冷間等方成形(CIP)、熱間等方成形(HIP)等が挙げられる。例えば、ペレット状に成形することがリチウムイオン伝導率の測定において好ましい。さらに、乾燥物の成形体を、当該乾燥物の粉体(母粉体)で覆われた状態で焼成することにより、リチウムの焼失をより効果的に抑制することができる。焼成を複数回行うときの一実施形態は、焼成終了ごとに一旦成形体を冷却、粉砕し再度成形した後焼成する方法であり、これによってより緻密な成形体を得ることができる。冷却、粉砕の方法は特に限られず、例えば、公知の方法であることとしてもよい。すなわち、冷却は、例えば、自然放冷、徐冷、急冷等の任意の方法で行うことができる。また、粉砕は、例えば、遊星ボールミル、アトライター、ボールミル等を用いて行うことができる。また、粉砕時にホウ素化合物及び/又はアルミニウム化合物を添加し混合してもよい。
ホウ素化合物は、特に限られないが、例えば、ホウ酸、酸化ホウ素、メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、オルトホウ酸リチウム及びホウ酸三リチウムからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
ホウ素化合物の使用量は、特に限られず、当該ホウ素化合物の種類、他の原料の種類、これらの使用割合、焼成温度等の製造条件に応じて適宜決定されるが、例えば、ランタンの使用量に対するホウ素の使用量の割合はモル比(B/La)で0.01〜0.5であることが好ましい。ここで、ホウ素の使用量は、本方法において使用するホウ素の総量であり、ランタンの使用量は、上述の場合と同様、本方法において使用するランタンの総量である。
上記B/La比が0.01未満の場合には、ホウ素化合物の使用による効果が得られないことがある。また、上記B/La比が0.5超の場合には、ホウ素を含む不純物が生成することにより、最終的に得られる成形体の密度やリチウムイオン伝導性等の特性が不十分となることがある。
アルミニウム化合物は、特に限られないが、例えば、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及びアルミニウムのアルコキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。
アルミニウムのアルコキシドは、特に限られないが、例えば、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド及びアルミニウムブトキシドからなる群より選択される1種以上を用いることができる。これらアルミニウム化合物のうち、硝酸アルミニウム及び/又はアルミニウムのアルコキシドを用いることが特に好ましい。
アルミニウム化合物の使用量は、特に限られず、当該アルミニウム化合物の種類、他の原料の種類、これらの使用割合、焼成温度等の製造条件に応じて適宜決定されるが、例えば、ランタンの使用量に対するアルミニウムの使用量の割合はモル比(Al/La)で0.05〜0.5であることが好ましい。ここで、アルミニウムの使用量は、本方法において使用するアルミニウムの総量であり、ランタンの使用量は、上述の場合と同様、本方法において使用するランタンの総量である。
上記Al/La比が0.05未満の場合には、アルミニウム化合物の使用による効果が得られないことがある。また、上記Al/La比が0.5超の場合には、アルミニウムを含む不純物が生成することにより、最終的に得られる成形体の密度やリチウムイオン伝導性等の特性が不十分となることがある。
少なくとも1回の焼成におけるホウ素化合物及びアルミニウム化合物の存在のさせ方は、特に限られないが、例えば、第一工程、及び/又は第二工程の少なくとも1回の焼成前にホウ素化合物及びアルミニウム化合物を添加する。ホウ素化合物の添加及びアルミニウム化合物の添加は、それぞれ独立に、1回又は複数回行うことができる。
例えば、第一工程において、ホウ素化合物及び/又はアルミニウム化合物をさらに含む液状反応物を調製する。この場合、第二工程において、当該液状反応物の乾燥物を1回以上焼成することとしてもよい。
また、第一工程で調製した液状反応物が、ホウ素化合物及びアルミニウム化合物の一方または双方を含む場合であっても、また両者を含まない場合であっても、第二工程における当該液状反応物の乾燥物の少なくとも1回の焼成前に、ホウ素化合物及びアルミニウム化合物を添加して焼成することとしてもよい。例えば、第二工程において2回以上の焼成を行う場合には、最初の焼成前(例えば、液状反応物の乾燥前及び/又は乾燥時)にホウ素化合物及びアルミニウム化合物を添加することとしてもよく、また、最初の焼成後であって2回目以降のいずれかの焼成前にホウ素化合物及びアルミニウム化合物を添加することとしてもよい。
焼成温度は、液状反応物の乾燥物を焼成できる温度であれば特に限られず、例えば、液状反応物に含まれる有機物が完全に焼失する温度以上である。具体的に、焼成温度は、例えば、500℃以上であることとしてもよい。
すなわち、第二工程において2回以上の焼成を行う場合には、例えば、第一の焼成として、液状反応物の乾燥物を500℃以上、900℃以下の焼成温度(第一の焼成温度)で1回以上焼成し、第二の焼成として、当該1回以上の第一の焼成後の乾燥物を、550℃以上、1250℃以下であって当該第一の焼成温度より高い焼成温度(第二の焼成温度)で焼成する。なお、第一の焼成を2回以上行う場合、当該2回以上の第一の焼成における焼成温度は互いに異なることとしてもよいし、同一であることとしてもよい。
また、本方法においては、第二工程における全ての焼成を1000℃未満で行うこととしてもよい。すなわち、例えば、第二工程において焼成を1回のみ行う場合には、当該唯一の焼成を1000℃未満の焼成温度で行う。また、第二工程において焼成を2回以上行う場合には、当該2回以上の焼成の全てを1000℃未満の焼成温度で行う。
具体的に、例えば、液状反応物の乾燥物を1000℃未満の第一の焼成温度で焼成する第一の焼成と、当該第一の焼成後の乾燥物を、1000℃未満であって当該第一の焼成温度より高い第二の焼成温度で焼成する第二の焼成とを少なくとも行う。
すなわち、この場合、例えば、液状反応物の乾燥物を500℃以上、1000℃未満の第一の焼成温度で焼成する第一の焼成と、当該第一の焼成後の乾燥物を、550℃以上、1000℃未満であって当該第一の焼成温度より高い第二の焼成温度で焼成する第二の焼成とを少なくとも行う。
また、本方法においては、第二工程において少なくとも1回の焼成を1000℃以上で行うこととしてもよい。すなわち、この場合、例えば、1000℃未満の温度で第一の焼成を1回以上行うとともに、1000℃以上の温度で第二の焼成を1回以上行う。
具体的に、例えば、液状反応物の乾燥物を1000℃未満(例えば、500℃以上、1000℃未満)の第一の焼成温度で焼成する第一の焼成と、当該第一の焼成後の乾燥物を、1000℃以上(例えば、1000℃以上、1250℃以下)の第二の焼成温度で焼成する第二の焼成とを少なくとも行う。
焼成時間は、焼成温度等の他の焼成条件に応じて適宜設定されるが、例えば、3〜72時間である。焼成を行う雰囲気は特に限られず、大気中又は酸化性雰囲気であることとしてもよく、不活性雰囲気であることとしてもよい。
2回以上の焼成を行う場合、最終の焼成を本焼成と称し、それ以外を仮焼成と称してもよい。例えば、1回目の仮焼成を第一の温度(例えば、500℃)で行い、2回目の仮焼成を当該第一の温度より高い第二の温度(例えば、600℃)で行い、3回目の仮焼成を当該第二の温度より高い第三の温度(例えば、700℃)で行い、最後に、本焼成を当該第三の温度より高い第四の温度(例えば、900℃)で行うこととしてもよい。
本方法においては、このような第一工程及び第二工程を実施することにより、良好なリチウムイオン伝導性を有する酸化物である本酸化物を製造することができる。すなわち、本方法においては、例えば、第二工程における最後の焼成により得られた酸化物を、本酸化物として得ることができる。
本発明によれば、上述のとおり、その製造における全ての焼成を1000℃未満で行った場合であっても、良好なリチウムイオン伝導性を有する本酸化物を得ることができる。すなわち、本発明によれば、1000℃以上の高温で焼成することによる上述した従来の問題を確実に回避しつつ、良好なリチウムイオン伝導性を示す本酸化物が得られる。また、本発明によれば、良好なリチウムイオン伝導性を有し、且つ密度の高い成形体である本酸化物を得ることもできる。
なお、本発明によれば、その製造における1回以上の焼成を1000℃以上で行った場合においても当然に、良好なリチウムイオン導電性を示す本酸化物を製造することができる。
本酸化物は、リチウム、ランタン、ジルコニウム、ホウ素及びアルミニウムを含み、良好なリチウムイオン伝導性を有する酸化物である。本酸化物は、ホウ素及びアルミニウムを含むことにより、ホウ素及びアルミニウムを含まない以外は同一条件下において製造した酸化物のそれに比べて高いリチウムイオン伝導性を有する。
なお、本酸化物において、ランタンに対するホウ素の割合は、例えば、モル比(B/La)で0.001〜0.5である。
また、本酸化物において、ランタンに対するアルミニウムの割合は、例えば、モル比(Al/La)で0.005〜0.5である。
また、本酸化物がニオブ及び/又はタンタルをさらに含む場合、そのリチウムイオン伝導性は、当該ニオブ及び/又はタンタルを含まない以外は同一条件下において製造した酸化物のそれより高くなる傾向がある。
本酸化物は、ガーネット型のリチウムイオン伝導性酸化物であることとしてもよい。この場合、本酸化物は、ガーネット型の結晶構造(ガーネットの結晶構造又はガーネット類似の結晶構造)を有する。すなわち、本酸化物の基本組成は、例えば、Li7La3Zr2O12(LLZ)である。また、本酸化物の基本組成は、LLZに類似したもの(LLZの一部を改変したもの)であってもよい。ガーネット型結晶構造を有する材料の一例として、IDCCの粉末回折ファイル〔045-0109〕(Li5La3Nb2O12)が良く知られている。本発明の製造方法によって得られる酸化物のXRD回折パターンは、構成元素やリチウム濃度の違い等により回折角度や回折強度比が上記粉末回折ファイルと若干異なる場合もあるが、上記粉末回折ファイルと類似のパターンを示すものである。但し、本発明の上記XRD回折パターンでは、アルミニウムとホウ素に関するピークが検出限界以下となることが通常である。しかし、ホウ素は酸化リチウム−酸化ホウ素系の非晶質状態で粒界に存在していると推定される。また、アルミニウムは単独で存在せずにガーネット型の結晶構造に取り込まれている可能性が高いと考えられる。
なお、ニオブ及び/又はタンタルをさらに含む本酸化物もまた当然に、上記IDCCの粉末回折ファイル〔045-0109〕と類似のXRD回折パターンを示す。また、本酸化物の結晶系としては、立方晶を示すものがリチウムイオン伝導性の観点から特に好ましい。
本酸化物は、その特性を生かして様々な用途に応用される。すなわち、本酸化物は、例えば、電池用の固体電解質として好ましく使用される。電池は、固体電解質を有するものであれば特に限られないが、例えば、リチウム二次電池などが挙げられる。また、本酸化物は、例えば、NOx、SOx、酸素等を検出するガスセンサー用の材料としても有用である。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例においては、特に断らない限り%は全て質量%を示す。
[ペレット成形]
サンプル粉末0.4gを金型を用いて直径約10mm、厚さ約1.5mmの円柱状にプレス成形することにより、ペレット状の成形体(以下、単に「ペレット」という。)を形成した。
[遊星ボールミル粉砕]
フリッチュ製の遊星ボールミルを用いて、45mLのZrO2ポットにサンプル1.5g、2−プロパノールを2.3g、直径2mmのZrO2ボール22.5gを入れた後、230rpm/12hで粉砕処理を行った。
[ペレット密度の測定]
最終本焼成によって得られたペレットの重量と、マイクロメーター計測によるペレットの体積(直径及び厚さのそれぞれについて、数箇所での測定値の算術平均値を求め、当該平均値から当該体積を算出した。)から、当該ペレットの密度を算出した。
[X線回折]
最終本焼成によって得られたペレットをX線回折装置(島津製作所株式会社製、粉末X線回折装置 XRD6000)で測定して解析した。測定は、CuKα線源を用い、加速電圧40kV、30mAで行った。
[リチウムイオン伝導率の測定]
最終本焼成によって得られたペレットの上下面をアルゴン雰囲気下で研磨した後、金スパッタを施し、当該ペレットの上下面にカーボンペーストを用いて金線を固定しリード線を形成した。また、測定には電気化学測定システム(ソーラトロン社製、ポテンショ/ガルバノスタッド 周波数応答アナライザ)を用い、常温下、周波数0.01Hz〜8MHz、電圧50mVにて交流インピーダンス測定を行い、リチウムイオン伝導率を算出した。
[実施例1:仮焼成物へのホウ素含有化合物添加]
LiNO3 2.9g、La(NO3)3・6H2O7.8gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、アセト酢酸エチル(EAcAc) 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li7La3Zr2Al0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hで加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉(乾燥物と同一組成)で覆った状態で700℃/20hで仮焼成した。焼成物1gに、B2O3を0.04g(B/Laのモル比=0.2)添加し、遊星ボールミル粉砕を行い、得られた粉末をペレット成形した。このペレットを母体粉(仮焼成物と同一組成)で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は4.09g/cm3、リチウムイオン伝導率は2.0×10-6S/cmであった。また、本ペレットのX線回折測定による回折パターンは、ICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕に類似したものであった。さらに、この回折パターンは、上述した特許文献1の第2表に掲載されているLi7La3Zr2O12のパターンにも類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[実施例2:仮焼成物へのホウ素含有化合物添加]
LiNO3 3.2g、La(NO3)3・6H2O7.8gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li7.7La3Zr2Al0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で700℃/5hで仮焼成した。焼成物1gに、LiBO2・H2Oを0.055g(B/Laのモル比=0.2)添加し、遊星ボールミル粉砕を行い、得られた粉末をペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は4.27g/cm3、リチウムイオン伝導率は8.1×10-6S/cmであった。また、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕及び特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[実施例3:仮焼成物へのホウ素含有化合物添加]
LiNO3 3.2g、La(NO3)3・6H2O7.8gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li7.7La3Zr2Al0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で700℃/5hで仮焼成した。焼成物1gに、Li3BO3を0.68g(B/Laのモル比=0.2)添加し、遊星ボールミル粉砕を行い、得られた粉末をペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は3.70g/cm3、リチウムイオン伝導率は1.9×10-5S/cmであった。また、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕と特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[実施例4:ホウ素成分を含有した液状反応物]
LiNO3 3.9g、La(NO3)3・6H2O7.8g、H3BO3 0.11gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li9.4La3Zr2Al0.3B0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で700℃/5hで仮焼成した。焼成物を遊星ボールミル粉砕で粉末化した後、ペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は3.69g/cm3、リチウムイオン伝導率は1×10-8S/cm以下であった。また、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕と特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[実施例5:焼成3回]
LiNO3 3.2g、La(NO3)3・6H2O7.8gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li7.7La3Zr2Al0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で600℃/5hで仮焼成した。焼成物1gに、Li3BO3を0.68g(B/Laのモル比=0.2)添加し、遊星ボールミル粉砕を行い、得られた粉末をペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、700℃/10h、続けて900℃/36hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は4.10g/cm3、リチウムイオン伝導率は1.0×10-4S/cmであった。また、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕と特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[実施例6:ニオブ成分を含有した液状反応物、及び仮焼成物へのホウ素含有化合物添加]
LiNO3 3.1g、La(NO3)3・6H2O7.8gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 4.8g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、Nb(OC2H5)5 0.57g、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li7.4La3Zr1.7Nb0.3Al0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で700℃/5hで仮焼成した。焼成物1gに、LiBO2・H2Oを 0.069g(B/Laのモル比=0.2)添加し、遊星ボールミル粉砕を行い、得られた粉末をペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は4.05g/cm3、リチウムイオン伝導率は2.4×10-5S/cmであった。また、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕と特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[比較例1:ホウ素成分なし]
LiNO3 2.9g、La(NO3)3・6H2O7.8gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、Al(O-sec-C4H9)30.44g、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li7La3Zr2Al0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で700℃/20hで仮焼成した。仮焼成物を遊星ボールミルで粉砕し、得られた粉末をペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は3.11g/cm3であり、ペレットの緻密性が低く、常温下でリチウムイオン伝導率の測定はできなかった。なお、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕と特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
[比較例2:アルミニウム成分なし]
LiNO3 3.9g、La(NO3)3・6H2O7.8g、H3BO3 0.11gをエタノール13.8gに溶解させた溶液に、1−プロパノールで希釈したZr(OC3H7)4 5.6g(Zr(OC3H7)4含量70%)、EAcAc 1.2gを混合した溶液を添加した(このときの組成比は、Li9.4La3Zr2B0.3)。常温下で1h撹拌して白色のゲルを包含した液状反応物を得た後、60℃/12h、続けて130℃/8hに加熱し、乾燥物を得た。乾燥物をペレット成形し、このペレットを母体粉で覆った状態で700℃/5hで仮焼成した。焼成物を遊星ボールミル粉砕で粉末化した後、ペレット成形した。このペレットを母体粉で覆った状態で、900℃/10hの本焼成を行った。
本焼成後のペレットの密度は3.60g/cm3であった。また、常温下でリチウムイオン伝導率の測定はできなかった。なお、X線回折測定による回折パターンは、実施例1と同様にICDD粉末回折ファイル〔045-0109〕と特許文献1の第2表に類似したものであり、本ペレットが立方晶系ガーネット型結晶構造を有していることを確認した。
Figure 0005945432

Claims (5)

  1. 水溶性又は有機溶媒溶解性のリチウム化合物、水溶性又は有機溶媒溶解性のランタン化合物及び水溶性又は有機溶媒溶解性のジルコニウム化合物を少なくとも含む液状反応物を調製する第一工程と、
    前記液状反応物の乾燥物をホウ素化合物及びアルミニウム化合物の存在下で1回以上、1000℃未満で焼成する第二工程と、
    を含み、
    前記第一工程において、リチウム化合物、ランタン化合物及びジルコニウム化合物を、Li:La:Zr=7〜10:3:2のモル比で使用し、
    前記第二工程において、ランタンの使用量に対するホウ素の使用量の割合はモル比(B/La)で0.01〜0.5であり、ランタンの使用量に対するアルミニウムの使用量の割合はモル比(Al/La)で0.05〜0.5である
    ことを特徴とするガーネット型のリチウムイオン伝導性酸化物の製造方法。
  2. 前記第二工程における全ての前記焼成を1000℃未満で行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のガーネット型のリチウムイオン伝導性酸化物の製造方法。
  3. 前記第一工程において、水溶性又は有機溶媒溶解性のニオブ化合物及び/又は水溶性又は有機溶媒溶解性のタンタル化合物をさらに含む前記液状反応物を調製する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガーネット型のリチウムイオン伝導性酸化物の製造方法。
  4. ランタンの使用量に対するニオブの使用量とタンタルの使用量との合計の割合はモル比((Nb+Ta)/La)で0.01〜0.5である
    ことを特徴とする請求項3に記載のガーネット型のリチウムイオン伝導性酸化物の製造方法。
  5. リチウム、ランタン、ジルコニウム、ホウ素及びアルミニウムを含み、
    ランタンに対するホウ素の割合はモル比(B/La)で0.001〜0.5であり、
    ランタンに対するアルミニウムの割合はモル比(Al/La)で0.005〜0.5であり、
    Li:La:Zr=7:3:2のモル比を示し、
    XRD回折パターンにおいてアルミニウムとホウ素に関するピークが検出限界以下である
    ことを特徴とするガーネット型のリチウムイオン伝導性酸化物。
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