JP6677436B1 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛蓄電池の回生充電受入性能改善のため、電解液にアルミニウム等を硫酸塩の形で添加することが行われているが、これにより電解液の粘度が増加し、活物質利用率低下の問題が生じた。【解決手段】正極活物質の平均細孔直径、活物質密度、短繊維アスペクト比、吸水量、および正極板厚みを、鉛蓄電池の自動車用電池としての性能が最大限に発揮されるよう、極板を特定のパラメータに設定する。【選択図】なし

Description

本発明は、PSOC(Partial state of charge:部分充電状態)で急速充放電を繰
り返すハイブリッド車に適した鉛蓄電池に関する。
ハイブリッド車用途において、充電効率改善のため、電解液にアルミニウム等を含有した鉛蓄電池(特許文献1)が提案されている。
特許第4799560号公報
特許文献1に記載された技術は、鉛蓄電池の充電効率改善を目的としたものであり、ハイブリッド車における回生受入性能改善に大きく貢献した。しかし、電解液にアルミニウム等を硫酸塩の形で添加したことにより電解液の粘度が増加し、活物質利用率の低下も同時に招く可能性がある。
電解液の粘度が増加すると、電解液が活物質の細孔内に入りにくくなる。これにより、電解液と接触することができなくなった電極内部の一部の活物質は、充放電に関与することができず、結果として活物質利用率の低下を招く可能性がある。特に、正極活物質は、平均細孔直径が負極活物質の平均細孔直径の約1/3と小さい上に、活物質密度も負極活物質より高く設定されているのが一般的であり、電解液粘度増加の影響がより顕著に現れる。
さらに、活物質利用率の低下は電池の実容量の低下を招き、長期的にはPSOC寿命性能にも影響を及ぼす。ただし、活物質利用率と正極板の耐久性(特に過充電性能)はトレードオフの関係にあるため、単に活物質利用率を上げるだけの対策では、高性能かつ長寿命の電池の構築は成し得ない。
本発明は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、回生受入性能と活物質利用率および耐久性に優れた鉛蓄電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明者は、アルミニウム硫酸塩が含まれた電解液を使用した鉛蓄電池の正極活物質の平均細孔直径、活物質密度、短繊維アスペクト比、吸水量、および正極板の厚みと活物質利用率の関係について詳細な検討を実施した。その結果、本発明者は、各因子を特定のパラメータに設定することで電池性能が飛躍的に上昇することを突き止め、本発明の完成に至った。
本発明に係る鉛蓄電池は、正極板、負極板、セパレータを積層した極板群および硫酸電解液からなる鉛蓄電池であって、化成後における正極活物質の密度が4.5g/cm3以上4.7g/cm3以下、前記化成後における正極活物質の平均細孔直径が0.10μm以上0.30μm以下であり、前記正極板の厚みが1.30mm以上1.50mm以下であり、前記硫酸電解液中に20mmol/L以上200mmol/L以下のアルミニウムイオンが含まれていることを特徴とする。
本発明によれば、充電受入性能、活物質利用率および耐久性に優れた鉛蓄電池を提供することが可能となる。
本発明の実施形態(以下、本実施形態)に係る鉛蓄電池は、正極板、負極板、セパレータ、電解液、鉛部品(ストラップ、極柱、セル間溶接部品、外部端子)、電槽、蓋にて構成されている。
鉛蓄電池としては、自動車用液式鉛蓄電池、シール式鉛蓄電池等を例示することができるが、本発明は正極板および電解液に関する発明であるため、液式、シール式を問わず適用可能である。
正極板としては、鉛合金製の集電体に鉛活物質を充填・乾燥した、いわゆるペースト式極板が使用され、その構成および作製法は従来の鉛蓄電池用正極板と略同様である。ただし、本実施形態では、利用率改善の目的のため、それに関するパラメータである、正極活物質の平均細孔直径、活物質密度、および極板厚みについて、ある一定のパラメータとしている。
本発明では、充電効率改善のため、アルミニウム硫酸塩が添加された電解液が用いられている。この電解液は、アルミニウム硫酸塩が添加されていない電解液と比較すると液粘度が高く、本電解液をそのまま鉛蓄電池に適用してしまうと、活物質細孔に電解液が入らず、その電極特性を十分に発揮することができない。
本実施形態では、正極活物質の平均細孔直径は、アルミニウム硫酸塩添加電解液を使用しないときよりも大きく設定され、0.10μm以上0.30μm以下を最適値としている。平均細孔直径が0.10μmよりも小さいと電解液が細孔に入りにくく利用率の低下を招き、逆に、0.30μmよりも大きいと活物質密度の低下に起因する耐久性の低下とを招く。
また、本実施形態における正極活物質の密度は4.5g/cm3以上4.7g/cm3以下が最適値である。正極活物質の密度が4.5g/cm3よりも小さいと活物質軟化に起因する耐久性の低下を招き、逆に、4.7g/cm3よりも大きいと活物質利用率の低下を招く。
さらに、極板厚みは、電解液の浸透に関係しており、本実施形態においては、1.30mm以上1.50mm以下が最適値である。極板の厚みが1.30mmよりも小さいと活物質量不足による容量低下に起因する耐久性の低下を招き、逆に、1.50mmよりも大きいと電解液の活物質内部への浸透性が悪化するため、活物質利用率が下がる。
さらに、本実施形態では、活物質合剤ペースト中のプラスチック短繊維(短繊維の一例)のアスペクト比は、アルミニウム硫酸塩添加電解液を使用しないときよりも大きく設定され、100以上200以下を最適値としている。
活物質合剤中のプラスチック短繊維は、活物質に絡まることで活物質粒子同士の接着を良くし、極板の耐久性向上させる補強剤としての役割を有する。また、プラスチック短繊維の役割はそれだけでなく、電解液を吸収する特性も有しているため、極板内部への電解液浸透性の向上の役割も果たしている。より詳細には、プラスチック短繊維は、細いプラスチックの糸が複数重なることで1本の繊維を構成している。
また、液体には毛細管現象と呼ばれる液体の表面張力に起因する力により、細い管に液体が入り込む現象が知られている。プラスチック短繊維は、細いプラスチックの糸同士の間に毛細管のような隙間が存在しており、電解液は、この隙間に入り込む特性を有する。さらに、この電解液の入り方には、液体の粘度も関係しており、高粘度であるほど入りにくい。
本実施形態において、プラスチック短繊維のアスペクト比を従来の鉛蓄電池より大きく設定した理由としては、アルミニウム硫酸塩添加電解液は無添加電解液と比較して液粘度が高いため、原理的にプラスチック短繊維中に電解液が入りにくく、繊維のアスペクト比をアルミニウム添加電解液用に最適化する必要があることに起因している。
なお、プラスチック短繊維のアスペクト比は、100以上200以下が最適値であると上述した。プラスチック短繊維のアスペクト比が100よりも小さいと極板内部への電解液の浸透効果が小さく、逆に、200よりも大きいと活物質合剤中のプラスチック短繊維の割合が大きくなり、活物質充填量の低下に起因する容量低下と、容量低下に起因する寿命性能の低下とを招く。
また、本実施形態では、正極活物質の吸水量を0.09g−水/g−活物質以上0.12g−水/g−活物質以下を最適値としている。なお、正極活物質の吸水量は、25℃の乾燥状態の正極活物質の質量に対する、乾燥状態の正極活物質中に含まれる水の質量である。正極活物質の吸水量が0.09g−水/g−活物質よりも少ないと電解液が細孔に入らず利用率の低下を招き、逆に、0.12g−水/g−活物質よりも多いと活物質密度の低下に起因する耐久性の低下とを招く。
このように、鉛蓄電池の性能は、上記のパラメータの絶妙なバランスにより担保されるものであり、このバランスが少しでも崩れると、本実施形態にて可能となった充電受入性能、活物質利用率、寿命性能を兼ね備えた電池の構築は成し得ない。また、各パラメータを制御する具体的な方法としては、鉛活物質ペーストを作製する際の水および硫酸量を調整することによりペースト密度を調整する、活物質を集電体に充填・乾燥時の温度を調整し、四塩基性硫酸鉛の生成条件を変える等の方法が挙げられる。
負極板としては、正極板と同様に、鉛合金製の集電体に鉛活物質を充填・乾燥した、いわゆるペースト式極板が使用される。本実施形態においては、特に制限はなく、アイドリングストップ車用鉛蓄電池として一般に用いられている負極板であれば適用可能である。なお、SLIバッテリーと呼ばれる始動用鉛蓄電池の負極板を本実施形態に適用した場合でも一定の効果は認められるが、負極板自体の充電受入性能が著しく悪いため、アイドリングストップ車には適さない。
セパレータとしては、液式鉛蓄電池の場合は、多孔性ポリエチレンセパレータおよびガラスマット、シール式鉛蓄電池の場合は、AGMセパレータと呼ばれるガラス繊維不織布を積層したセパレータが使用される。本実施形態においては特に制限はなく、各電池形式に合ったセパレータを選択することができる。
電解液としては、液式、シール式の両方において、希硫酸が使用される。なお、実施形態においては、鉛蓄電池の充電効率改善のため、アルミニウムイオンが含まれる。アルミニウムイオンが電解液中に含まれることによる充電効率改善の詳細は、特許文献1(特許第4799560号)に開示されている。特許文献1には、鉛イオンの溶解度の低い充電状態(SOC)70%以上の硫酸濃度の高い領域において、アルミニウムイオンは、その周りに鉛イオンを吸着・捕捉することが可能であり、これにより電解液中の鉛イオン濃度が高まり、酸化還元を容易にすることが充電効率の改善につながっていると述べられている。
なお、電解液中のアルミニウムイオンの濃度は、本実施形態では、20mmol/L以上200mmol/L以下が最適値である。アルミニウムイオンの濃度が20mmol/Lよりも低いと上記効果が薄く、逆に、200mmol/Lよりも高いと液粘度増加に起因する導電性の低下、ならびに活物質細孔への電解液浸透性低下に起因する活物質利用率の低下等の問題が生じる。また、具体的な添加方法は、電解液の主成分が硫酸であることを考慮すると、硫酸アルミニウム(Al(SO)の形で添加するのが望ましい。
鉛部品としては、ストラップ、セル間接続部品(中間極柱)、極柱、ブッシング、外部端子等が挙げられる。ストラップは、各セルの同極性の極板同士を接合する部品であり、主成分は金属鉛である。
ストラップは、極板の耳と呼ばれる極板上部の突起部分を金属鉛で溶接することにより形成される。形成方法としては、バーナー法(以下、「GB法」という)およびキャスト・オン・ストラップ法(以下、「COS法」という)の2種類がある。GB法は、極板の耳を櫛と呼ばれる溶接鋳型に差し込み、溶融した金属鉛を流し込むことにより形成される。COS法は、鋳型中で溶融した鉛の中に極板の耳を浸した後に冷却することで形成される。
中間極柱は、セル間を直列に接続するための部品であり、主成分は金属鉛である。中間極柱は、前述のストラップ形成時に同時に形成される。GB法の場合は、櫛付近に中間極柱部品を置き、耳と中間極柱部品を同時に鉛で溶接する。COS方式の場合は、ストラップと中間極柱部品がつながった形の鋳型を使用することで形成される。
極柱は、極板群と外部端子をつなぐ部品であり、自動車用鉛蓄電池の場合、1セル目の正極側、および6セル目の負極側に1つずつ存在する。極柱の形成方法は上述の中間極柱と同様であり、同一の設備で極柱も形成することができる。
外部端子は、電池から電流を取り出すための部品であり、極柱の先端に形成される。鉛でできたブッシングが予め埋め込まれた蓋と、電槽を合わせる際に、極柱をブッシングの下から差し込み、バーナー溶接を行うことにより柱上部とブッシングの溶接がなされ、外部端子が形成される。
電槽としては、価格が安く、成形性に優れ、かつ電解液として硫酸を使用する関係上、耐薬品性を有する材料が求められる。自動車用液式鉛蓄電池、二輪用シール式鉛蓄電池、産業用大型電池鉛蓄電池の場合、ポリプロピレン樹脂が使用される。また、長寿命が求められる産業用シール式鉛蓄電池においては、ABS樹脂もよく用いられる。
蓋に求められる要件も電槽と同様であり、ポリプロピレン樹脂およびABS樹脂が用いられる。また、上述のように、蓋には外部端子となる部品が埋め込まれており、蓋と電槽を溶着した後でブッシングと極柱との溶接が行われ、外部端子が形成される。
以下に、実施例とともに本発明についてさらに詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
<サンプル1−1>
(1)未化成正極板の作製
正極活物質として、鉛粉、酸化鉛、即ち、リサージ(PbO)、鉛丹(Pb3O4)などの各種酸化鉛、プラスチック短繊維(アスペクト比100)、イオン交換水、続いて比重1.27の希硫酸を加えながら混練して正極用ペーストを作製した。このペーストを鉛-カルシウム合金からなる鋳造基板に充填し、40℃、湿度95%の雰囲気で24時間の熟成・乾燥を行い、未化成正極板を作製した。
(2)未化成負極板の作製
負極活物質として、鉛粉、酸化鉛、即ち、リサージ(PbO)、鉛丹(Pb3O4)などの各種酸化鉛、導電性カーボン、硫酸バリウムの粉末を添加し乾式混合した。次にこれにリグニンを水溶液として加え、続いてイオン交換水、希硫酸を添加、混練して負極活物質合剤ペーストを調製した。負極活物質合剤ペーストは、鉛−カルシウム系合金から成る鋳造格子基板に充填した後、40℃、湿度95%の雰囲気で24時間の熟成・乾燥を行い、未化成負極板を作製した。
(3)電池組立、電解液の調製と化成
これらの未化成正極板と未化成負極板とを多孔性ポリエチレンセパレータを介して積層した後、同極性極板の耳群をCOS方式で溶接して極板群とした。これをポリプロピレン製の電槽に収納し、ヒートシールによって蓋を取り付けた。この時の極板群の圧迫度は15kPaになるようにスペーサーを入れて調整した。この時の群の圧迫度は15kPaになるようにスペーサーを入れて調整した。そして、硫酸アルミニウムを添加した電解液を注入して電槽化成を行い、12V、61Ahの電池工業会規格(SBA規格)Q−85相当の液式鉛蓄電池を作製した。
なお、本実施例における正極活物質の平均細孔直径は0.10μm、正極活物質密度は4.5g/cm3、正極板の厚みは1.30mm、化成後の正極活物質の吸水量は0.09g−水/g−活物質、電解液中のアルミニウムイオン濃度は20mmol/Lであった。
(4)充放電試験
作製した上記鉛蓄電池の活物質利用率および充電受入性能を評価するため、下記充放電試験を行った。活物質利用率は、容量測定の形で、SBAS 0101に準拠し測定を行った。すなわち、25℃の水槽にて満充電後5時間静置し、20時間率電流に相当する3.05(A)の電流値にて10.5Vとなるまで放電を実施し、60.0(Ah)の容量を得て、このときの正極活物質利用率は50.3%となった。また、充電受入性能もSBA S 0101に準拠し試験を行った。すなわち、25℃の水槽にて満充電後24時間静置し、20時間電流の3.42倍に相当する10.43Aで30分間放電を実施。24時間経過後、200A、14.5Vにて10秒間の充電を実施し、700A・sの充電受入容量を得た。さらにJISD 5301記載の軽負荷寿命試験を実施し、7200サイクルにて寿命となった。
なお、ハイブリッド車用途の鉛蓄電池において、充電受入性能、活物質利用率および寿命性能の三性能は必須であり、どの性能も欠けることはあってはならない。以後に記載する各表に総合評価として、上記三性能を全て満たした水準を○、その中で特に優れた性能となった水準を◎、満足しない性能が1つある水準を△、満足しない性能が2つ以上、または極端に満足しない性能が1つある水準を×とした。
<サンプル1−2>
平均細孔直径が0.20μmである正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率51.3%、充電受入容量703A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−3>
平均細孔直径が0.30μmである正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率51.8%、充電受入容量705A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−4>
活物質密度が4.6g/cm3である正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率49.5%、充電受入容量697A・s、7680サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−5>
活物質密度が4.7g/cm3である正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率48.5%、充電受入容量692A・s、8160サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−6>
正極板厚みが1.40mmである極板を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率49.9%、充電受入容量710A・s、7680サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−7>
正極板厚みが1.50mmである極板を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率49.2%、充電受入容量715A・s、8160サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−8>
電解液中のアルミニウムイオン濃度が100mmol/Lである以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率48.0%、充電受入容量721A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−9>
電解液中のアルミニウムイオン濃度が200mmol/Lである以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率47.1%、充電受入容量699A・s、6720サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−10>
平均細孔直径が0.05μmである正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率42.3%、充電受入容量620A・s、6240サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−11>
平均細孔直径が0.40μmである正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率52.3%、充電受入容量650A・s、5760サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−12>
活物質密度が4.4g/cm3である正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率50.5%、充電受入容量680A・s、5760サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−13>
活物質密度が4.8g/cm3である正極活物質を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率41.0%、充電受入容量640A・s、8160サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−14>
正極板厚みが1.20mmである極板を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率52.0%、充電受入容量601A・s、5760サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−15>
正極板厚みが1.60mmである極板を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率44.1%、充電受入容量654A・s、8640サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−16>
硫酸アルミニウム無添加電解液を用いた以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率52.4%、充電受入容量555A・s、8160サイクルにて寿命となった。
<サンプル1−17>
電解液中のアルミニウムイオン濃度が300mmol/Lである以外、サンプル1−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率41.1%、充電受入容量580A・s、6720サイクルにて寿命となった。
Figure 0006677436
試験結果は、上記表1に示されるように、サンプル1−1から1−9は、活物質利用率、充電受入容量、軽負荷寿命特性の全てが高いレベルで実現できているのに対し、サンプル1−10から1−17では、活物質利用率、充電受入容量、軽負荷寿命特性の3つの性能の少なくとも一つが欠けている結果となった。
より詳細には、平均細孔直径が小さ過ぎると利用率の低下および充電受入性能の低下を引き起こし、逆に大き過ぎる場合、寿命性能の低下を招く。活物質密度は、低過ぎると容量低下に起因する寿命性能低下、高すぎると利用率の低下を引き起こす。極板厚みは、薄過ぎると寿命性能低下、厚過ぎると利用率の低下を招く。なお、電解液添加剤は、無添加では充電受入性能が低下するが、逆に濃度が高すぎても充電受入性能の低下を引き起こす。詳細は定かではないが、アルミニウムイオンの鉛イオントラップ機能の効果よりも、電解液抵抗の増加による早期充電上限電圧の到達の影響が相対的に大きくなることが理由として考えられる。
<サンプル2−1(1−1)>
本サンプルはサンプル1−1と同じであり、比較のために示したものである。本実施例における正極活物質の平均細孔直径は0.10μm、正極活物質密度は4.5g/cm3、正極板の厚みは1.30mm、化成後の正極活物質の吸水量は0.09g−水/g−活物質、電解液中のアルミニウムイオン濃度は20mmol/L、正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が100であり、先の評価の結果、正極活物質利用率50.3%、充電受入容量700A・s、7200サイクルにて寿命であった。
<サンプル2−2>
化成後の正極活物質の吸水量が0.10g−水/g−活物質である正極活物質を用いた以外、サンプル2−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率51.0%、充電受入容量701A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル2−3>
化成後の正極活物質の吸水量が0.12g−水/g−活物質である正極活物質を用いた以外、サンプル2−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率51.2%、充電受入容量705A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル2−4>
化成後の正極活物質の吸水量が0.08g−水/g−活物質である正極活物質を用いた以外、サンプル2−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率45.3%、充電受入容量629A・s、6240サイクルにて寿命となった。
<サンプル2−5>
化成後の正極活物質の吸水量が0.13g−水/g−活物質である正極活物質を用いた以外、サンプル2−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率52.5%、充電受入容量655A・s、5760サイクルにて寿命となった。
Figure 0006677436
試験結果は、上記表2に示されるように、サンプル2−1(1−1)から2−3は、活物質利用率、充電受入容量、軽負荷寿命特性の全てが高いレベルで実現できているのに対し、サンプル2−4および2−5では、活物質吸水量が0.08g−水/g−活物質未満、または0.13g−水/g−活物質超過であり、発明の効果は見られるものの、顕著な効果はなく、改善の余地がある結果となった。
より詳細には、活物質吸水量が小さ過ぎると利用率の低下および充電受入性能の低下を引き起こし、逆に大きすぎる場合、寿命性能の低下を招く。活物質密度は、低過ぎると寿命性能低下、高過ぎると利用率の低下を引き起こす。極板の厚みは、薄過ぎると寿命性能低下、厚過ぎると利用率の低下を招く。なお、電解液添加剤は、無添加では充電受入性能が低下するが、逆に濃度が高過ぎても充電受入性能の低下を引き起こす。詳細は定かではないが、アルミニウムイオンの鉛イオントラップ機能の効果よりも、電解液抵抗の増加による早期充電上限電圧への到達の影響が相対的に大きくなることが理由として考えられる。
<サンプル3−1(1−1)>
本サンプルはサンプル1−1と同じであり、比較のために示したものである。本実施例における正極活物質の平均細孔直径は0.1μm、正極活物質密度は4.5g/cm3、正極板の厚みは1.30mm、化成後の正極活物質の吸水量は0.09g−水/g−活物質、電解液中のアルミニウムイオン濃度は20mmol/L、正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が100であり、先の評価の結果、正極活物質利用率50.3%、充電受入容量700A・s、7200サイクルにて寿命であった。
<サンプル3−2>
正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が150である以外、サンプル3−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率51.3%、充電受入容量703A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル3−3>
正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が200である以外、サンプル3−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率51.8%、充電受入容量705A・s、7200サイクルにて寿命となった。
<サンプル3−4>
正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が300である以外、サンプル3−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率42.3%、充電受入容量690A・s、7680サイクルにて寿命となった。
<サンプル3−5>
正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が50である以外、サンプル3−1と同様の方法で鉛蓄電池の作製・評価を行い、正極活物質利用率52.3%、充電受入容量650A・s、5760サイクルにて寿命となった。
Figure 0006677436
試験結果は、上記表3に示されるように、サンプル3−1(1−1)から3−3は、活物質利用率、充電受入容量、軽負荷寿命特性の全てが高いレベルで実現できているのに対し、サンプル3−4および3−5では、正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が100未満、または200超過であり、発明の効果は見られるものの、顕著な効果はなく、改善の余地がある結果となった。
より詳細には、正極活物質中のプラスチック短繊維のアスペクト比が大き過ぎると利用率の低下および充電受入性能の低下を引き起こし、逆に小さ過ぎる場合、寿命性能の低下を招く。活物質密度は、低過ぎると寿命性能低下、高過ぎると利用率の低下を引き起こす。極板厚みは、薄過ぎると寿命性能低下、厚過ぎると利用率の低下を招く。なお、電解液添加剤は、無添加では充電受入性能が低下するが、逆に濃度が高過ぎても充電受入性能の低下を引き起こす。詳細は定かではないが、アルミニウムイオンの鉛イオントラップ機能の効果よりも、電解液抵抗の増加による早期充電上限電圧への到達の影響が相対的に大きくなることが理由として考えられる。
現在の自動車用鉛蓄電池の主流であるハイブリッド車用途では、上記3性能は必須であり、どの性能も欠けることがあってはならない。特に、電解液中にアルミニウムイオンが20mmol/L以上200mmol/L以下含まれた鉛蓄電池においては、正極板に関するパラメータを請求項の範囲内に設定することが重要であることが示された。
以上より、電解液中にアルミニウムイオンが20mmol/L以上200mmol/L以下含まれた鉛蓄電池において、正極板の平均細孔直径、活物質密度、極板厚みを請求項の範囲内に設定することにより、回生受入性能と活物質利用率、さらには寿命性能を兼ね備えた鉛蓄電池の提供が可能であることが示され、ハイブリッド車をはじめとした自動車のさらなる性能改善への効果が期待される。

Claims (3)

  1. 正極板、負極板、セパレータを積層した極板群および硫酸電解液からなる鉛蓄電池において、
    化成後における正極活物質の密度が4.5g/cm3以上4.7g/cm3以下、前記化成後における正極活物質の平均細孔直径が0.10μm以上0.30μm以下であり、
    前記正極板の厚みが1.30mm以上1.50mm以下であり、
    前記硫酸電解液中に20mmol/L以上200mmol/L以下のアルミニウムイオンが含まれていることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記化成後における正極活物質の吸水量が0.09g-水/g-活物質以上0.12g-水/g-活物質以下であることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 前記正極活物質を含む正極活物質合剤中に、アスペクト比100以上200以下の短繊維が含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉛蓄電池。
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