JP2017079094A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、部分充電状態で使用された場合でも電解液の成層化が抑制された鉛蓄電池を提供することを目的とする。更に本発明は、上記の条件において負極板のサルフェーションが抑制された鉛蓄電池を提供することを目的とする。【解決手段】正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る鉛蓄電池において、負極板の表面に炭素繊維から成る不織布を圧着し、該炭素繊維からなる不織布は水銀圧入法によって測定される細孔体積が1.0cc/g以上、2.8cc/g以下であることを特徴とする鉛蓄電池。【選択図】図1

Description

本発明は鉛蓄電池に関するものであり、特に鉛蓄電池の電解液の成層化抑制及び長寿命化に関するものである。
近年の環境問題の深刻化に伴い、自動車等の排出ガス規制は世界的に厳しくなる一方である。この様な規制に対応するため、自動車メーカーは様々な環境技術を開発してきた。特にハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)など、駆動力をモーターが補うことで化石燃料の消費を抑制したxEVと呼ばれる自動車が販売台数を増やしている。一方で、化石燃料の燃焼を駆動力に変換する内燃機関を有する従来型の自動車(以下、「内燃自動車」と表記する。)も、長年蓄積された技術による製造コストの安さと信頼性、安全性などから、依然として自動車市場の販売台数の大半を占める。
内燃自動車の環境技術としては、停車時に一時的にエンジンを停止させるアイドリングストップシステム(Idling Stop System、以下、「ISS」と表記する。)が知られている。ISSを搭載した内燃自動車(以下、「ISS車」と表記する。)は、信号待ち等で停車した際のアイドリングによる燃料の消費を抑制できるので、燃費が向上し更に排出ガス量も低減できる。
上記の様なISS車用の鉛蓄電池は、エンジンが頻繁に停止と始動を繰り返すため、鉛蓄電池は完全に充電されていない状態(部分充電状態、Partial State of Charge、以下、部分充電状態を「PSOC」、充電状態を「SOC」と表記する。)で充電と放電とが繰り返される。特にSOCが90%以上の高いPSOCでは、充電受入性が低くなり回生エネルギーの利用効率が低下するため、ISS車では鉛蓄電池のSOCを80%〜90%まで下げたPSOCで運用されることが望ましいとされる。
鉛蓄電池の劣化要因の一つである成層化は、鉛蓄電池の上部と下部とで電解液の濃度差が生じる現象であり、上記の如くPSOCを維持する様にSOCを制御して運用した際に発生し易い。比重の小さい上部では負極板表面に金属鉛の樹枝状結晶(デンドライト)が析出・成長して内部短絡が生じやすくなる。一方、比重の大きい下部では高濃度の電解液により、負極板表面で不導体の硫酸鉛が肥大化するサルフェーションが起こり、活物質からの硫酸の放出が抑制されるため充電受け入れ性が低下する。極板下部の充電受け入れ性が低下すると、主に極板上部で充放電反応が進行する様になるため、該極板上部の活物質の軟化や集電体である鉛合金格子の腐食が進行し、鉛蓄電池が早期に寿命を迎える要因となる。
以上より鉛蓄電池の長寿命化を図る場合、種々の劣化を招く要因となる成層化を抑制することが効果的である。
液式の鉛蓄電池の成層化を抑制する技術としては、特許文献1乃至3に開示される様に多孔性のセパレータを極板間に介在させる手法が知られている。
他方、鉛蓄電池のサルフェーションを抑制する技術としては、非特許文献1に記載の様に負極活物質にカーボン粒子を添加して硫酸鉛の表面に導電経路を形成し、硫酸鉛を鉛に還元し易くする手法が公知である。
特許第5432813号公報
特開2001−102027号公報
特開2003−77445号公報
沢井 研、他6名、「鉛蓄電池のPSOCサイクル中の"サルフェーション"抑制用負極活物質添加剤の開発」、GS Yuasa Technical Report、2006年7月、第3巻、第1号、P.12−19(p.18 3.3 カーボンファイバー)
しかしながら、特許文献1乃至3の様に極板表面にセパレータを圧着ではなく単に接触させる方法では、充放電反応に伴ってセパレータと極板の間隙にガスの気泡が溜まる等して隙間が広がり、斯様な隙間に高濃度の硫酸が溜まることで、該隙間の上方と下方とで電解液の濃度差を生じ、成層化を起こす可能性があるなど改良の余地があった。
またサルフェーションの抑制に有効な導電経路が形成されるのは、非特許文献1に開示されている様に負極活物質にカーボン粉末を添加した場合のみであって、同文献に記載の通り炭素繊維を添加した場合ではサルフェーションの抑制に十分な効果が得られなかった。
そこで本発明は、PSOCで使用された場合でも電解液の成層化が抑制された鉛蓄電池を提供することを目的とする。更に本発明は、前記の鉛蓄電池において負極のサルフェーションも同時に抑制された鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る鉛蓄電池において、負極板の表面に炭素繊維から成る不織布のカーボンペーパーを圧着し、該カーボンペーパーは水銀圧入法によって測定される細孔密度が1.0cc/g以上、2.8cc/g以下であることを特徴とする。
前記カーボンペーパーは、水銀圧入法によって測定される細孔密度が1.0cc/g以上2.8cc/g以下とすることで、極板表面から放出される硫酸の拡散を阻害せず、かつ高濃度の硫酸が電解液中へ緩やかに拡散し沈降が抑制されるため、成層化を抑制できる。
更にカーボンペーパーを負極板表面に圧着形成することにより、ガスが発生しても負極板表面とカーボンペーパーとの間に隙間を生じず、成層化抑制により効果的であるほか、負極板表面にカーボンペーパーが良好な導電経路を形成するため、鉛蓄電池がPSOCで使用され深い放電状態となった場合にも、その後の充電によって硫酸鉛が還元され易くなりサルフェーションの進行を抑制可能である。
前記カーボンペーパーの水銀圧入法によって測定される細孔体積が1.0cc/g未満では、該カーボンペーパー内における細孔が不十分となり、負極板から放出される硫酸の電解液中への拡散が阻害される。また前記細孔体積が2.8cc/gを超えると、カーボンペーパーの強度が低下して作業上の取り扱いが困難になり、鉛蓄電池の生産が困難になる。
上記の様に、本発明は鉛蓄電池の負極板の表面に、水銀圧入法によって測定される細孔密度が1.0cc/g以上、2.8cc/g以下であるカーボンペーパーを圧着したので、電解液の成層化が抑制され、さらに負極板表面のサルフェーションが抑制される効果を奏するものである。
電解液の上下比重差の経時的変化を示したグラフである。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の鉛蓄電池の負極は、従来公知の方法に従って製造した負極板の表面に例えばアクリルなどを炭化した炭素繊維から成る不織布のカーボンペーパーを圧着して形成される。まず、Pb−Ca系やPb−Ca−Sn系の鉛合金からなる格子基板を鋳造し、該格子基板の所定の位置に耳部を形成した。次いで鉛と一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、更に必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて正極及び負極用の活物質ペーストを夫々作製した。これら活物質ペーストを前記格子基板に充填後、熟成・乾燥工程を経て未化成の正極板及び負極板を作製した。
続いて、前記負極板の表面を被覆する様にカーボンペーパーを当接させ、ロールプレス機を用いて圧着させた。該カーボンペーパーは水銀圧入法によって測定される細孔密度が1.0cc/g以上、2.8cc/g以下であるものを選択することで、正負極板から放出される高濃度の硫酸の拡散を阻害せず、かつ高濃度の硫酸が好適に拡散する様に電解液中に放出されるため、該高濃度の硫酸が電槽の下部に沈降せず、成層化を抑制する効果を奏するものである。
次いで前記の正極板と負極板との間に樹脂薄膜またはガラスマット、リテーナマットのいずれかから選択されるセパレータを介在させ、これらを交互に積層して極板群を形成し、該極板群の耳部にストラップ溶接を施した。更に該極板群を所定のスタッキング圧のもとで鉛蓄電池の電槽内に収納した。
上記の様にして鉛蓄電池の電槽に前記極板群を収納した後、注液孔を設けた蓋を該電槽に載置して熱融着し、該注液孔より電槽内へ電解液として希硫酸を注液した。次いで該注液孔に注液栓を螺嵌した後、化成工程にて充放電を行い該極板群を活性化させ、本発明の実施形態の鉛蓄電池を得た。
以下に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。本発明の鉛蓄電池は負極板にカーボンペーパーを圧着した構成となっているが、基本構成は従来の鉛蓄電池と同様である。
(実施例1)
(カーボンペーパー付き負極板の作製)
本発明の鉛蓄電池の負極板は、従来公知の鉛蓄電池と同様の方法で作製した。すなわち、まず酸化鉛を主とする鉛粉に炭素導電材、ポリマー樹脂からなるカットファイバー、硫酸バリウム、リグニンを添加し、水と希硫酸によって混練して負極活物質ペーストを作製した。次に前記負極活物質ペーストを、Pb−Ca−Sn−Al合金からなる格子基板に充填した後、該ペーストを充填した面にカーボンペーパーを当接させた。なお該カーボンペーパーは、ペーストを充填した面全体を被覆する様に当接させた。更に、ロールプレスを0.2MPaの加圧力で施し、前記負極板の表面にカーボンペーパーを圧着させた。ここで、該カーボンペーパーは厚みが190μm、目付量が38g/mのものを使用した。該カーボンペーパーの細孔密度を水銀圧入法によって測定したところ、細孔体積は2.8cc/gであった。
続いて、前記の負極板と常法により作製した正極板との間に多孔性樹脂薄膜のセパレータを介在させ、これらを交互に積層して極板群を形成した。次いで、極板群の耳部にストラップ溶接を施した後、該極板群を所定のスタッキング圧のもとで鉛蓄電池の電槽内に収納し、注液孔を設けた蓋を該電槽に載置して熱融着し、該注液孔より電槽内へ電解液として希硫酸を注液した。次いで該注液孔に注液栓を螺嵌した後、化成工程にて充放電を行い該極板群を活性化させ、2V単セルの本発明の実施例1の鉛蓄電池を得た。
(実施例2)
カーボンペーパーの厚みが190μm、目付量が55g/mのものを使用し、該カーボンペーパーの水銀圧入法による細孔体積が1.9cc/gであること以外は実施例1と同様にして、実施例2の鉛蓄電池を得た。
(実施例3)
カーボンペーパーの厚みが190μm、目付量が100g/mのものを使用し、該カーボンペーパーの水銀圧入法による細孔体積が1.0cc/gであること以外は実施例1と同様にして、実施例3の鉛蓄電池を得た。
(比較例1)
カーボンペーパーの厚みが190μm、目付量が27g/mのものを使用し、該カーボンペーパーの水銀圧入法による細孔体積が4.1cc/gであること以外は実施例1と同様にして、比較例1の鉛蓄電池を得た。
(比較例2)
カーボンペーパーの厚みが190μm、目付量が110g/mであり、水銀圧入法で測定される細孔体積が0.7cc/gであること以外は実施例1と同様にして、比較例2の鉛蓄電池を得た。
(比較例3)
カーボンペーパーを使用しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の鉛蓄電池を得た。
(比較例4)
負極板の製造について、まず酸化鉛を主とする鉛粉に炭素導電材、ポリマー樹脂からなるカットファイバー、硫酸バリウム、リグニンを添加し、水と希硫酸によって混練して負極活物質ペーストを作製した。次に前記負極活物質ペーストを、Pb−Ca−Sn−Al合金からなる格子基板に充填した後、該ペーストを充填した面にカーボン電極材料を塗布した。前記カーボン電極材料は、カーボンブラック、増粘剤、バインダを混練したスラリーであり、負極表面に塗布後、加熱して乾燥固化させた。そして、負極板以外の構成は実施例1と同様にして、比較例4の鉛蓄電池を得た。
(比較例5)
比較例4と同様に、負極板の表面に前記カーボン電極材料を塗布した後、実施例1で使用した物と同一のカーボンペーパーを当接させ、負極板の耳部を除く表面全体を被覆した状態で、0.2MPaでロールプレスを施し該カーボンペーパーの細孔内にカーボン電極材料が充填された状態とし、比較例4と同様に加熱して乾燥固化させた。そして、負極板以外の構成は実施例1と同様にして、比較例5の鉛蓄電池を得た。
(実施例、比較例の結果)
実施例1乃至3及び比較例1乃至5の2V単セルの鉛蓄電池について、下記のプロファイルに従って充放電を実施し、実施例1乃至3及び比較例1乃至3は電解液の成層化を評価し、更に実施例1及び比較例3乃至5については負極板のサルフェーションを硫酸鉛量の化学分析によって評価した。また、前記充放電は25℃に保った水槽に前記鉛蓄電池を入れた状態で実施した。
鉛蓄電池のSOCを50%調整にするため、0.2CAで2.5時間放電した。その際、下限電圧は1.67Vに設定した。
(2)充電として0.35CAで40分CV充電を行った。その際、上限電圧は2.4Vに設定した。
(3)放電として0.35CAで30分放電を行った。その際、下限電圧は1.67Vに設定した。
(4)(2)の充電と(3)の放電を夫々交互に計85回繰り返し行った。
(5)第一充電として、0.1CAで18時間充電を行った。その際、上限電圧は2.67Vに設定した。
(6)20HR容量試験として、0.05CAで下限電圧1.75Vまで放電を行った。
(7)第二充電として、0.1CAで23時間充電を行った。その際、上限電圧は2.67Vに設定した。
以上の(1)〜(7)の充放電を行いつつ、比重計によって一週間毎に夫々の鉛蓄電池の上部と下部の比重の差を測定し、該上下比重差の充放電に伴う経時変化を求めた。更に、負極活物質における硫酸鉛量を化学分析によって測定し、負極板のサルフェーションを評価した。
(成層化の抑制効果)
図1は、実施例1乃至3及び比較例1乃至3で作製した鉛蓄電池において、電解液の上下比重差の経時変化の測定結果を示したグラフである。いずれの水準も、充放電の初期に上下比重差が上昇した後、下降する傾向を示した。この後期の上下比重差の下降は、(7)の第二充電の末期に正負両方の極板からガスが発生し、電解液が攪拌されたことに因るものと推定される。実施例1及び実施例2は充放電初期の上下比重差の上昇が0.02と最も小さく、更に3週経過後には0.01まで低下し、上下比重差は殆ど解消された。また実施例3は、充放電初期の上下比重差が0.03まで上昇したものの、4週目以降は0.02まで低下した。一方、比較例1は実施例1と同様に充放電初期の一週間目に上下比重差が0.02まで上昇し、その後3週間目から4週間目にかけて更に0.05まで上昇し、6週間が経過しても0.03であり成層化を抑制できなかった。該比較例1は実施例1乃至3よりも目付け量の小さいカーボンペーパーを圧着した水準であり、実施例1乃至3と比してカーボンペーパーの細孔が大きく、負極板から放出された硫酸の電解液中への拡散量が大きくなり、結果として高濃度の硫酸が塊となって電槽下部へ沈降して成層化を招いたものと推定される。他方、比較例2は一週間目に上下比重差が0.04まで上昇した後、更に2週間面に0.05まで上昇し、6週間が経過しても0.03であり成層化を抑制できなかった。該比較例2は実施例1乃至3よりも目付け量の大きいカーボンペーパーを圧着した水準であり、実施例1乃至3と比して細孔が小さく硫酸の拡散が十分行われず、負極板表面とカーボンペーパーとの隙間にガスが滞留し、該隙間を伝って高濃度の硫酸が電槽下部に沈降したものと推測される。他方、比較例3は1週間目に上下比重差が0.05まで上昇し、更に3週間目には0.07まで到達し、6週間が経過しても0.03であり成層化を抑制できなかった。該比較例3はカーボンペーパーを配さなかった水準であり、負極板から放出された高濃度の硫酸が拡散せずに塊となって電槽の下部に沈降し、上下比重差が拡大し成層化を招いたものと推定される。
(サルフェーションの抑制効果)
実施例1及び比較例3乃至5について、充放電後の負極板の硫酸鉛量を化学分析によって評価した結果、表1の結果が得られた。硫酸鉛の生成量は実施例1が最も少なく、次いでカーボンペーパーにカーボン電極材料を充填した比較例5のサルフェーションが抑制される結果となった。このことから、カーボンペーパーが負極表面に良好な導電経路を形成し、硫酸鉛が肥大化する前に還元されたものと考えられる。特に実施例1より比較例5の硫酸鉛量が僅かに大きくなった原因は、比較例5においてカーボン電極材料を充填したカーボンペーパーが負極板表面から放出される硫酸の拡散を阻害し、負極板表面とカーボン電極材料を充填したカーボンペーパーとの隙間に高濃度の硫酸が滞留したことに因るものと推測される。比較例3は負極板の表面にカーボンペーパーやカーボン電極材料を配さなかった水準であり、サルフェーションを抑制できなかった。また比較例4は負極板の表面にカーボン電極材料を塗布した水準であり、サルフェーションが最も進行していた。これは、負極板から放出される高濃度の硫酸が負極板表面とカーボン電極材料の隙間に滞留することで、負極板の自己放電を助長しサルフェーションを進行させたことによるものであると推定される。
以上の結果より、本発明の様に、鉛蓄電池の負極板の表面に、水銀圧入法によって測定される細孔密度が1.0cc/g以上、2.8cc/g以下であるカーボンペーパーを圧着したことにより、PSOCで使用した際の電解液の成層化が抑制され、更に負極板の表面のサルフェーションの進行が抑制されることが判った。

Claims (1)

  1. 正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る鉛蓄電池において、負極板の表面に炭素繊維から成る不織布を圧着し、該炭素繊維からなる不織布は水銀圧入法によって測定される細孔体積が1.0cc/g以上、2.8cc/g以下であることを特徴とする鉛蓄電池。
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