JP6661426B2 - プロセス診断装置、プロセス診断方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

プロセス診断装置、プロセス診断方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、プロセス診断装置、プロセス診断方法及びコンピュータプログラムに関する。
上下水道施設や石油・化学プラントでは、化学反応や生物反応といったプロセスを安定的に制御することが、生産される製品の質や量を左右する。そのため、このような施設やプラントには、プロセスに関する種々の物理量を計測し、それら物理量の計測データに基づいてプロセスの操作量を制御する監視制御システムが備えられている。このような施設やプラントにおいて、監視制御システムのオペレータは、種々の物理量について取得された時系列の計測データに基づいて、制御対象プロセスに異常が発生しているかを判断し、対処する。
しかしながら、時系列の計測データから得られる物理量の傾向監視のみでは、プロセスの異常を判断することが難しい場合がある。そのため、監視制御システムには、プロセス状態の診断を支援する診断システムが備えられる場合がある。このような監視制御システムや診断システムによって、急激な物理量の変化を伴うプロセス異常の検出は比較的容易であったが、経年変化など、プロセスの緩やかな特性の変化によって生じる異常の検出や診断は難しい場合があった。そのため、このような緩やかな変化に対して適切に対処できない場合があった。
緩やかなプロセス特性の変化に対する対処が難しい例として、制御パラメータの調整が挙げられる。制御パラメータとは、物理量の計測値を目標値に追従させるために変化させるフィードバック制御において、操作量の挙動を決定するために使用する係数である。プロセスの経年変化などにより、制御パラメータが現在のプロセス特性に適応した適切な制御パラメータから乖離してくると、プロセスを安定的に制御することができなくなり、プラントの運用リスクや運用コストが増大する可能性がある。これに対処するためには、プロセス特性に関する情報(以下、「特性情報」という。)を継続的に取得し、プロセス特性の変化に応じて制御パラメータを再調整することが望ましいが、特性情報の取得には開ループ試験が必要となる。しかしながら、開ループ試験にはプロセスの運用変更が必要となる。そして、プロセスの運用変更はリスクやコストを伴うものであるため、運用の観点から好まれない。
このような理由から、制御対象プロセスの制御パラメータを、特性情報を用いずに直接的に調整するFRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)等の技術が提案されてきた。しかしながら、特性情報を用いない調整方法では、得られた制御パラメータの妥当性の判断が難しく、得られた制御パラメータをそのまま制御対象プロセスに適用することが難しい場合があった。
特開2012−190364号公報
本発明が解決しようとする課題は、フィードバック制御において、制御対象プロセスの特性の変化をより容易に検出することができるプロセス診断装置、プロセス診断方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
実施形態のプロセス診断装置は、記憶部と、推定部と、診断部とを持つ。記憶部は、フィードバック制御によって制御されるプロセスに入力される操作量と、前記操作量の入力に応じて前記プロセスが出力する制御量と、前記操作量が入力された時点における前記プロセスの制御量の目標値と、を示す制御情報を蓄積する。推定部は、前記制御情報に基づいて、前記プロセスの特性を示すプロセスパラメータを推定する。診断部は、前記推定部によって推定された前記プロセスパラメータに基づいて、前記プロセスの状態を診断する。
第1の実施形態のプロセス診断装置1を備える制御システム100の構成の具体例を示す図。 制御対象プロセスの一例を示す概略図。 下水処理プロセス200の制御結果の一例を示す図。 制御対象プロセスの他の一例を示す概略図。 第1の実施形態のプロセス診断装置1の機能構成の具体例を示す図。 むだ時間の具体例を示す図。 第2の実施形態のプロセス診断装置1aの機能構成の具体例を示す図。 第3の実施形態のプロセス診断装置1bの機能構成の具体例を示す図。 第4の実施形態のプロセス診断装置1cの機能構成の具体例を示す図。 第5の実施形態のプロセス診断装置1dの機能構成の具体例を示す図。 PCA(Principal Component Analysis)の概要を示す図。 第6の実施形態のプロセス診断装置1eの機能構成の具体例を示す図。 第7の実施形態のプロセス診断装置1fの機能構成の具体例を示す図。 第8の実施形態のプロセス診断装置1gの機能構成の具体例を示す図。 Chien, Hrones and Reswickの調整則の概略を示す図。 第9の実施形態のプロセス診断装置1hの機能構成の具体例を示す図。 プロセスパラメータの推定結果の表示例を示す図。 プロセスパラメータの推定結果の表示例を示す図。 第10の実施形態のプロセス診断装置1iの機能構成の具体例を示す図。 現在の制御パラメータ及び調整後の制御パラメータで予測された制御結果の表示例を示す図。
以下、実施形態のプロセス診断装置、プロセス診断方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のプロセス診断装置1を備える制御システム100の構成の具体例を示す図である。図1に示す制御システム100は、制御対象プロセスをフィードバック制御する制御システムである。フィードバック制御は、制御量に基づいて決定される操作量を入力することによって、出力される制御量を目標値に近づける制御である。制御システム100の制御対象は、フィードバック制御により制御可能なプロセスであればどのようなプロセスであってもよい。
制御システム100は、プロセス診断装置1、プロセス2、制御部3及び記憶部4を備える。プロセス診断装置1は、プロセス2の状態を診断する装置である。プロセス2は、制御システム100の制御対象となるプロセスである。制御部3は、プロセス2の制御量及び制御量の目標値と、制御パラメータとに基づいて、プロセス2に入力される操作量を決定する。制御パラメータは、フィードバック制御に用いられるパラメータである。例えば、PID(Proportional-Integral-Derivative Controller)制御における制御パラメータには、比例ゲインや積分ゲイン、微分ゲイン、積分時間、微分時間などがある。一方、制御対象プロセス自体の特性を示すプロセスゲインや、むだ時間、時定数などの特性情報はプロセスパラメータと呼ばれる。制御パラメータは、これらのプロセスパラメータに基づいて適切に決定される必要がある。
一般に、プロセスの制御において、制御対象プロセスには何らかの外乱が加わり、その外乱がプロセスの制御量に影響を与えることが多い。制御部3は、外乱が作用した結果である制御量を操作量にフィードバックすることによって、制御量が目標値を追従するようにプロセス2を制御する。
記憶部4は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を備えて構成され、制御対象プロセスの制御に関する制御情報を蓄積する。具体的には、制御情報には、プロセスに与えられた操作量や、操作量の入力に応じて出力された制御量、操作量の決定に用いられた制御パラメータや目標値などの情報が含まれる。一般に、プロセスの制御において、制御対象プロセスには所定の周期(以下、「制御周期」という。)ごとに操作量が入力される。記憶部4は、取得された制御情報を時系列の各制御周期に対応づけて記憶装置に蓄積していく。
プロセス診断装置1は、記憶部4に蓄積される制御情報に基づいて、制御システム100や、制御システム100の制御対象となるプロセス2に関する種々の診断を行う。なお、図1に示した制御システム100の構成は一例であり、制御システム100が備える各機能部や装置の構成は図1に示す構成に限定されない。例えば、プロセス診断装置1が有する診断機能が制御部3に備えられてもよいし、記憶部4がプロセス診断装置1に備えられてもよい。また、プロセス診断装置1は、記憶部4に直接接続されてもよいし、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続されてもよい。
図2は、制御対象プロセスの一例を示す概略図である。例えば、制御システム100の制御対象となりうるプロセス2の一例として、図2の生物学的廃水処理プロセスが挙げられる。生物学的廃水処理プロセスは、微生物反応を利用して下水に含まれる有機物等の不要物を分解することにより下水を浄化するプロセス(以下、「下水処理プロセス」という。)である。下水処理プロセス200の概要は以下のとおりである。まず、好気槽201において、処理対象の下水に微生物が投入され、下水の曝気が行われる。曝気とは、微生物に空気を供給する処理であり、ブロワ202が好気槽201の底部に空気を送り込むことによって行われる。ブロワ202は、下水中の溶存酸素濃度が一定値以上に維持されるように空気の供給量(以下、「曝気量」という。)を調整する。微生物によって有機物が分解された下水は、好気槽201に後続する沈澱池203に送られる。
例えば、下水処理プロセス200における制御量の一つに、下水中の溶存酸素濃度(DO濃度)がある。下水処理プロセス200を制御対象とする場合、制御部3は、溶存酸素濃度計204によって計測される下水中の溶存酸素濃度が、目標値(例えば1[mg/L])に近づくように、ブロワ202の曝気量を調整する。すなわち、溶存酸素濃度を制御量とした場合、ブロワ202の曝気量が操作量となる。
一般に、上記の生物反応に基づくプロセスは、投入される微生物の量や微生物の状態によってプロセスの特性自体が変化する場合がある。そのため、このようなプロセスを制御対象とする場合、プロセス特性の経時的な変化に応じて制御パラメータを調整することが望ましい。しかしながら、生物反応に基づくプロセスはむだ時間の長いプロセスであるため、開ループ試験等によって特性情報を取得するのにもそれに応じた長い時間が必要となる。そのため、むだ時間の長いプロセスに対して制御パラメータの再調整を行うことは現実的でない。一方で、制御パラメータが適切に設定されずにいると、外乱によって制御量の分散が拡大してしまうという問題もある。このような背景により、従来の下水処理プロセス200の制御においては、溶存酸素濃度が一定値を下回らないようにするために必要以上に高い目標値を設定せざるを得ず、結果的にブロワ202の消費電力の増加を招いていた。
図3は、下水処理プロセス200の制御結果の一例を示す図である。図3の横軸は時間を表し、縦軸は下水中の溶存酸素濃度を表している。図3の時間軸は、時間tを境に、制御パラメータが適切に設定されていない第1の期間と、制御パラメータが適切に設定されている第2の期間とに分けられる。図3を見ても分かるように、第1の期間では、フィードバック制御がうまく機能しておらず、溶存酸素濃度の目標値である1[mg/L]に対して、実際の制御量が0[mg/L]となってしまっている箇所が多数見受けられる。
溶存酸素濃度が0[mg/L]となることは、下水中の微生物が活動できなくなることを意味する。その結果、有機物の分解除去が行われなくなり、処理結果として得られる水(以下、「処理水」という。)の水質が悪化する。さらに、第1の期間では、溶存酸素濃度が2[mg/L]を超えている箇所もある。このような状況は、溶存酸素濃度が水質の維持に必要な濃度を過度に上回っている状況であり、曝気量とそれに伴う電力が浪費されている状況である。すなわち、制御パラメータが適切に調整されず、フィードバック制御がうまく機能していない状況は、処理水の水質の悪化と電力の浪費とを生じ、運用面及び経済面の両面でのリスクを高めてしまう可能性がある。
一方、第2の期間のように、制御パラメータが適切に調整され、フィードバック制御が効率的に機能している状況では、溶存酸素濃度(制御量)の分散が小さくなるため、処理水の水質を悪化させてしまう可能性も低く、かつ電力の浪費を抑制することができる。具体的には、第2の期間では、制御パラメータの調整により、溶存酸素濃度を約0.8[mg/L]〜1.2[mg/L]の範囲で安定的に制御することができる。
このように溶存酸素濃度を安定的に制御することができれば、溶存酸素濃度に対してさらに低い目標値を設定することも可能となる。図3の第2の期間において符号210で示された曲線は、制御パラメータを適切に調整した上で、溶存酸素濃度の目標値を1.0から0.5に引き下げた場合の制御例である。引き下げ後の目標値に対する制御例を見ても分かるように、制御パラメータが適切に調整されれば、目標値を0.5[mg/L]に設定した場合であっても溶存酸素濃度を0.3〜0.7の範囲で安定的に制御することができる。そして、目標値を低き下げることができれば、その分の曝気量に必要な電力消費をさらに削減することができる。
図4は、制御対象プロセスの他の一例を示す概略図である。例えば、制御システム100の制御対象となりうるプロセス2の他の一例として、図4の浄水プロセス300が挙げられる。浄水プロセス300は、例えば浄水場などで行われるプロセスであって、処理対象の原水に凝集剤や次亜塩素酸などの薬品を注入することにより原水を浄化するプロセスである。凝集剤は、原水中の不要物を凝集・沈殿させるために注入される薬品である。凝集剤の注入により原水中の不要物を分離・除去することが容易となる。また、次亜塩素酸は、原水の滅菌・消毒のために注入される薬品である。浄水プロセス300では、沈澱池301及びろ過池302において不要物が除去され、ポンプ井303に送られる。
このような浄水プロセス300における制御量の一つに、ポンプ井303における処理水の残留塩素濃度がある。浄水プロセス300を制御対象とする場合、制御部3は、残留塩素濃度計311によって計測される処理水中の残留塩素濃度が目標値に近づくように、塩素注入ポンプ312による塩素の注入量又は注入率を調整する。すなわち、残留塩素濃度を制御量とした場合、塩素注入ポンプ312の塩素注入量又は塩素注入率が操作量となる。
このように、制御システム100の制御対象となりうるプロセスはフィードバック制御が可能なプロセスであれば上記の下水処理プロセス200や浄水プロセス300以外のどのようなプロセスであってもよい。例えば、制御対象プロセスは、送配水場における水の送配水プロセスや、海水淡水化処理場における海水の膜処理プロセス、焼却場における廃棄物の焼却プロセスなどであってもよい。
例えば、送配水プロセスの制御では、送配水される水の圧力や流量等を制御量とした場合、送配水ポンプの出力が操作量となる。また、例えば膜処理プロセスの制御では、膜処理プロセスの膜差圧を制御量とした場合、膜処理に用いる高圧ポンプの出力が操作量となる。また、例えば焼却プロセスの制御では、焼却炉の温度を制御量とした場合、燃料の投入量が操作量となる。
このようなフィードバック制御は、制御パラメータがプロセス特性を考慮して調整されることによって、求められる性能を発揮することができる。例えば、フィードバック制御の手法として一般的なPID制御では、制御対象プロセスを「むだ時間+一次遅れ」の伝達特性をもつプロセスとみなすことで制御パラメータを調整する調整則が確立されている。この「むだ時間+一次遅れ」の伝達特性は、次の式(1)に示す伝達関数で表される。
式(1)において、K、T及びLは、制御対象プロセスのプロセスパラメータであり、それぞれプロセスゲイン、時定数及びむだ時間を表す。また、式(1)におけるsはラプラス演算子を表す。上述したとおり、このプロセスパラメータは、一般に開ループ試験を実施することによって決定されるものであるが、開ループ試験の実施は、プロセスの運用変更を必要とするためリスク面やコスト面から好まれない。そのため、プロセス特性の変化に応じて制御パラメータを再調整する手法の確率が望まれている。このような課題を解決するため、実施形態の制御システム100は、フィードバック制御の運用中に得られる制御情報に基づいてプロセスパラメータを推定するとともに、推定されたプロセスパラメータで制御対象プロセスを診断するプロセス診断装置1を備える。
図5は、第1の実施形態のプロセス診断装置1の機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プロセス診断プログラムを実行する。プロセス診断装置1は、プロセス診断プログラムの実行によって制御情報取得部11及びプロセスパラメータ推定部12を備える装置として機能する。なお、プロセス診断装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プロセス診断プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プロセス診断プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
制御情報取得部11は、記憶部4から制御情報を取得する。制御情報取得部11は、取得された制御情報をプロセスパラメータ推定部12に出力する。
プロセスパラメータ推定部12は、制御情報取得部11から出力される制御情報に基づいて、制御対象プロセス2のプロセスパラメータを推定する。具体的には、プロセスパラメータ推定部12は、プロセス2に入力された操作量と、その操作量の入力に応じて出力された制御量と、に基づいて制御対象プロセス2のむだ時間を推定する機能(むだ時間推定機能)を有する。むだ時間とは、プロセスに対して操作量が入力されてから、その入力に対する応答が出力(すなわち制御量)に現れるまでの時間的な遅れを示すプロセスパラメータである。
図6は、むだ時間の具体例を示す図である。図6の横軸は時間を表し、縦軸は出力の大きさを表す。図6において、第1の系列は操作量の変化を示し、第2の系列は、第1の毛列が示す操作量の入力に対して出力された制御量の変化を示す。むだ時間は、操作量の入力と、制御量の出力との時間的な遅れであるため、第1の系列の波形と第2の系列の波形とは、むだ時間のずれを伴いつつも似たような変化を持つ波形になると考えられる。そのため、第1の系列の波形及び第2の系列の波形を分析し、各波形のずれを取得することでプロセスのむだ時間を推定することができる。
各波形のずれを取得する方法の1つに、相互相関関数の値が最大となる時間幅を抽出する方法がある。例えば、相互相関関数は次の式(2)のように表される。
式(2)は、時刻tで表される関数y(t)と、時刻tから時間τだけ進んだ時刻t+τで表される異なる関数u(t+τ)との相互相関関数をRyu(τ)とした式である。例えば、第1の系列の波形(制御量)をy(t)、第2の系列の波形(操作量)をu(t)とすれば、Ryu(τ)は、制御量の波形と、操作量の波形を時間τだけ進めた波形との相関を示す。そのため、時間τが制御量と操作量との時間的なずれを示す場合に相互相関関数をRyu(τ)は最大となる。そのため、プロセスパラメータ推定部12は、時刻t+τで表される第1の系列の波形と、第2の系列の波形との相互相関関数Ryu(τ)を最大化するτをむだ時間として推定する。
また、各波形のずれを取得する他の方法として、第1の系列の波形と第2の系列の波形とに基づいて、「むだ時間+一次遅れ」の伝達特性をPade近似した高次伝達関数を同定し、同定された伝達関数の係数に基づいてむだ時間を推定する方法がある。なお、上述した2つの方法は、むだ時間を取得する方法の一例である。むだ時間の取得方法は上記方法に限定されず、波形のずれを取得することができる方法であれば、他のどのような方法であってもよい。
ここで、下水処理プロセス200におけるむだ時間の持つ物理的な意味は、流体の輸送等に起因した遅れを示すものと考えられる。例えば、配管を流れる水の平均到達時間tは次の式(3)で表される。
式(3)において、L、ν、A及びqは、それぞれ配管長、流速、配管の断面積及び流量を表している。例えば、配管が何らかの原因で詰まってしまった場合、実質的な配管の断面積が小さくなってしまうため、平均到達時間tが長くなり、むだ時間が増大すると考えられる。そのため、むだ時間を監視することで制御対象プロセスにおける異常発生の有無を診断することができる。
このように構成された第1の実施形態のプロセス診断装置1は、フィードバック制御の運用中に得られる制御情報に基づいて、制御対象プロセスのむだ時間を推定するプロセスパラメータ推定部12を備える。このような構成を備えることにより、プロセス診断装置1は、フィードバック制御において、制御対象プロセスの特性の変化をより容易に検出することができる。
また、このように推定されるむだ時間を監視することによって、オペレータは、制御対象プロセスの異常を検出するとともに、運用経験や知識に基づいて異常の原因を推定することができる可能性がある。従来の監視制御システムや診断システムにおける物理量の計測はプロセスの監視を目的とするものであったのに対し、実施形態のプロセス診断装置1は、このような監視によって取得されるデータから二次的に特性情報(すなわち、むだ時間)を取得するため、制御対象プロセスの特性の変化をより容易に検出することができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態のプロセス診断装置1aの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1aは、プロセスパラメータ推定部12に代えてプロセスパラメータ推定部12aを備える点で、第1の実施形態のプロセス診断装置1と異なる。プロセスパラメータ推定部12aは、制御情報に基づいてプロセスパラメータを推定する点はプロセスパラメータ推定部12と同様であるが、具体的には、制御情報とむだ時間に基づいて制御対象プロセス2の時定数及びゲインを推定するゲイン・時定数推定機能をさらに有する点で異なる。時定数及びゲインの推定に用いられるむだ時間は、むだ時間推定機能によって取得されてもよいし、所定の規定値であってもよい。図7は、プロセス診断装置1aが、むだ時間推定機能により取得されたむだ時間に基づいて時定数及びゲインを推定する場合の具体例を示している。
むだ時間が既知である場合、時間軸方向にむだ時間分だけずらした操作量と、制御量との間の伝達特性は、次の式(4)のように線形な伝達関数P’(s)で表すことができる。
時間軸方向にむだ時間分だけずらした操作量と、制御量との間には時間遅れがないため、式(4)は式(1)のむだ時間Lをゼロとすることで得られる。ここで式(4)を、例えば次の式(5)に示されるARX(Auto-Regressive eXogeneous)モデルなどの離散モデルで離散化する。
式(5)においてz−1は遅延演算子を表す。この場合、最小二乗法などを用いて離散化係数b〜b及びa〜aを求めることができる。そして、ゲインK及び時定数Tは、求められた離散化係数と、ゲインKと時定数Tとの対応関係とに基づいて推定することができる。
このように構成された第2の実施形態のプロセス診断装置1aは、フィードバック制御の運用中に得られる制御情報に基づいて、制御対象プロセスのゲイン及び時定数を推定するプロセスパラメータ推定部12aを備える。このような構成を備えることにより、プロセス診断装置1aは、フィードバック制御において、制御対象プロセスの特性の変化をより容易に検出することができる。
また、このように推定されるゲインや時定数を監視することによって、オペレータは、制御対象プロセスの異常を検出することができる。例えば、ゲインは操作量の変化に対して制御量がどの程度変化するかを示す値である。そのため、ゲインの物理的な意味を、操作量に対するプロセスの感度を定量化したものと考えることができる。また、時定数は操作量の変化に対する制御量の立ち上がり(又は立下がり)の時間を示す値である。そのため、時定数の物理的な意味を、操作量に対する制御量の反応時間であると考えることができる。例えば、ヒータ等を用いた加熱プロセスにおける温度変化は、ヒータの設定温度をT、実際の温度をT、伝熱係数をhとして次の式(6)のように表すことができる。
そして、このような温度変化を持つ加熱プロセスを、設定温度Tを入力、温度Tを出力とする伝達関数で表した場合、温度Tは次の式(7)のように表される。
この場合、式(7)からも分かるように伝熱係数hは時定数として現れる。このようにプロセスパラメータは物理的に意味のある数値と対応付けることができる場合が多い。特に、化学プロセスや生物プロセスにおいては、時定数は化学反応や生物反応の反応強度を示すと考えることができる。
そのため、オペレータは、ゲインや時定数の監視によって、プロセスの感度や反応速度を確認することができ、制御対象プロセスの異常の有無を診断することができる。また、このような診断結果に運用経験や知識を組み合わせることにより、オペレータはプロセスの異常の原因を推定することができる可能性がある。従来の監視制御システムや診断システムにおける物理量の計測はプロセスの監視を目的とするものであったのに対し、実施形態のプロセス診断装置1aは、このような監視によって取得されるデータから二次的に特性情報(すなわち、ゲイン及び時定数)を取得するため、制御対象プロセスの特性の変化をより容易に検出することができる。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態のプロセス診断装置1bの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1bは、プロセスパラメータ推定部12aに代えてプロセスパラメータ推定部12bを備える点で第2の実施形態のプロセス診断装置1aと異なる。プロセスパラメータ推定部12bが一の推定処理で同時にゲイン及び時定数を推定したのに対し、プロセスパラメータ推定部12bは、ゲインと時定数とを分離して推定する。具体的には、プロセスパラメータ推定部12bは、ゲインを推定するゲイン推定機能と、時定数を推定する時定数推定機能とをさらに有する。これは、時定数の変化は一般に低周波成分として現れることが多く、高周波成分として現れるノイズ等の影響を受けやすいためである。そのため、一般に時定数は、時間領域での制御情報よりも周波数領域での制御情報の方が精度良く推定することができる。具体的には、時定数は、操作量の周波数成分と制御量の周波数成分とを用いて次の式(8)のように表される。
式(8)においてωは角周波数を表す。U(ω)は操作量の周波数成分を表し、Y(ω)は制御量の周波数成分を表す。操作量及び制御量の周波数成分は、例えば操作量及び制御量の時系列データに対してFFT(Fast-Fourier Transform)を施すことによって取得可能である。例えば、プロセスパラメータ推定部12bは、まず、プロセスパラメータ推定部12aと同様の方法でゲインK及び時定数Tを算出する。続いて、プロセスパラメータ推定部12bは、操作量及び制御量の時系列データからそれぞれの周波数成分を抽出する。そして、プロセスパラメータ推定部12bは、算出されたゲインKと、操作量及び制御量の周波数成分とを式(8)に適用して得られる時定数T’を最終的な時定数の推定値として採用する。
このように構成された第3の実施形態のプロセス診断装置1bは、操作量及び制御量の計測データの周波数成分に基づいて、制御対象プロセスの時定数を推定するプロセスパラメータ推定部12bを備える。このような構成を備えることにより、プロセス診断装置1bは、制御対象プロセスの時定数をより精度良く推定することができる。そのため、プロセス診断装置1bは、制御対象プロセスの特性の変化をより精度良く検出することができる。
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態のプロセス診断装置1cの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1cは、プロセス診断部13をさらに備える点で第3の実施形態のプロセス診断装置1bと異なる。プロセス診断部13は、プロセスパラメータ推定部12bによって推定されたプロセスパラメータ(むだ時間、ゲイン、時定数)に基づいて、制御対象プロセスの状態を診断する。
具体的には、プロセス診断部13は、むだ時間診断機能、ゲイン診断機能及び時定数診断機能を有する。これらの機能は、むだ時間、ゲイン及び時定数が、それぞれについて予め定められた許容範囲内にあるか否かを判定することによってプロセスの異常を検出する機能である。上述のように、むだ時間やゲイン及び時定数は、制御対象プロセスに関する物理的な意味をと関連付けられる。そのため、制御対象プロセスの種別や性質等に応じて、各プロセスパラメータの値の許容範囲を見積もることができる。例えば、許容範囲は、開ループ試験等の試験結果に基づいて決定されてもよいし、運用経験の蓄積によって得られた経験則に基づいて決定されてもよい。また、例えば、許容範囲は、所定期間の運用で推定された各パラメータの最小値及び最大値によって決定されてもよい。
例えば、プロセス診断部13は、プロセスパラメータ推定部12bによって推定されたむだ時間の推定値が、むだ時間について設定された許容範囲の範囲外となった場合、むだ時間警報を出力することによって制御対象プロセスの異常を通知する。同様に、プロセス診断部13は、プロセスパラメータ推定部12bによって推定されたゲインの推定値が、ゲインについて設定された許容範囲の範囲外となった場合、ゲイン警報を出力することによって制御対象プロセスの異常を通知する。また、同様に、プロセス診断部13は、プロセスパラメータ推定部12bによって推定された時定数の推定値が、時定数について設定された許容範囲の範囲外となった場合、時定数警報を出力することによって制御対象プロセスの異常を通知する。
このように構成された第4の実施形態のプロセス診断装置1cは、プロセスパラメータ推定部12bによって推定されたプロセスパラメータの推定値に基づいて制御対象プロセスの異常を検出するプロセス診断部13を備える。このような構成を備えることにより、プロセス診断装置1cは、オペレータによる制御対象プロセスの異常診断を支援することができる。このような支援機能によれば、オペレータはより効率良く制御対象プロセスを監視することが可能となる。
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態のプロセス診断装置1dの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1dは、プロセス診断部13に代えてプロセス診断部13dを備える点で第4の実施形態のプロセス診断装置1cと異なる。プロセス診断部13が各プロセスパラメータごとの判定結果に基づいて制御対象プロセスの異常診断を行ったのに対し、プロセス診断部13dは、全てのプロセスパラメータ(むだ時間、ゲイン及び時定数)の複合的な分析結果に基づいて制御対象プロセスの異常診断を行う異常診断機能を有する。例えば、プロセス診断部13dは、プロセスパラメータの複合的な分析手法に主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)を用いる。
図11は、PCAの概要を示す図である。一般にPCAは、複数の変数で表される点群を、少数の新たな変数に置き換えて表現することによって点群の統計を分析する手法である。例えば、図11は、変数1及び変数2の2つの変数で表される点群を示している。このような点群をPCAで分析すると、第1主成分401と第2主成分402とが得られる。そして、第1主成分401と第2主成分402とに基づいて点群を所定の条件で分離することによって、例えば図11の点群は、所定の条件を満たす点群403と所定の条件を満たさない点404とに分離される。例えば、この場合、プロセス診断部13dは、点群403を正常値とみなし、点404を異常値とみなすことができる。このような診断方法は、複数のプロセスパラメータの推定値に基づいて取得される評価値が、所定の条件を満たすか否かを判定することによって制御対象プロセスの状態を診断する方法であると言える。プロセス診断部13dは、このような診断方法であればPCA以外の手法で制御対象プロセスを診断してもよい。
仮に図11に示された点群に対して個々の変数ごとに異常診断を行った場合、点404は変数1及び変数2の両方において許容範囲内であるため正常値とみなされてしまう。しかしながら、図11を見ても分かるように点404は他の点群とは異なる傾向にあるため、このような点はプロセス運用の観点から異常値として検出された方が好ましい場合が多い。
このように構成された第5の実施形態のプロセス診断装置1dは、PCAを用いたプロセスパラメータの分析結果に基づいて制御対象プロセスの異常を診断するプロセス診断部13dを備える。このような構成を備えることにより、プロセス診断装置1dは、個々のプロセスパラメータの相関に基づく異常診断が可能となる。そのため、より精度のよい異常診断が可能となり、制御対象プロセスを安定的に稼働させることが可能となる。
なお、本実施形態では、プロセスパラメータを分析する手法にPCAを用いているが、プロセスパラメータの分析手法は、個々のプロセスパラメータの相関に基づく評価が可能であれば他のどのような分析手法が用いられてもよい。
(第6の実施形態)
図12は、第6の実施形態のプロセス診断装置1eの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1eは、プロセス診断部13dに代えてプロセス診断部13eを備える点で第5の実施形態のプロセス診断装置1dと異なる。また、プロセス診断部13eは、プロセス異常診断機能に加えて、制御難易度診断機能をさらに有する点でプロセス診断部13dと異なる。
制御難易度診断機能は、プロセスパラメータに基づいて制御対象プロセスの制御の難易度を診断する機能である。一般に、プロセスのむだ時間が短いほど、そのプロセスの制御は容易となる。これは、むだ時間が長いと、操作量の入力に対する制御量の応答が得られるまでに時間がかかるため、制御量の応答に操作量以外の影響が含まれてしまう可能性が高くなるためである。一方で、プロセスの時定数は、長いほどそのプロセスの制御が容易となる。これは、時定数が短いということは、操作量の入力に対する応答が制御量に現れ始めてから応答が完了するまでの時間が短いことを意味し、応答中の制御量の変化を操作量にフィードバックすることが難しいためである。
また、一般に「一次遅れ+むだ時間」の伝達特性を持つプロセスを制御対象とするPID制御において、制御パラメータの調整は、プロセス特性を表す無次元パラメータL/Tの関数として制御パラメータを決定することに帰着する。そのため、制御対象プロセスの制御の難易度の指標値に無次元パラメータL/Tを用いることは、制御パラメータの設計にとって都合が良い。このような理由により、プロセス診断部13eは、時定数Tをむだ時間Lで除算した値を、制御対象プロセスの制御の難易度を示す指標値として算出する。
このように構成された第6の実施形態のプロセス診断装置1eは、プロセスパラメータに基づいて制御対象プロセスの制御の難易度の指標値を算出するプロセス診断部13eを備える。このような構成を備えることにより、プロセス診断装置1eは、物理的には現象の異なるプロセスに関して統一的な指標で制御の難易度を測ることが可能となる。このような指標値が示されることにより、オペレータは、プロセスの制御性能が低下した際において、単純に制御パラメータがプロセス特性に適合していないのか、プロセスの制御の難易度自体が高いものであるのかを判断することが可能となる。
(第7の実施形態)
図13は、第7の実施形態のプロセス診断装置1fの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1fは、プロセス診断部13dに代えてプロセス診断部13fを備える点で第5の実施形態のプロセス診断装置1dと異なる。また、プロセス診断部13fは、プロセス異常診断機能に加えて、制御性能診断機能をさらに有する点でプロセス診断部13dと異なる。
制御性能診断機能は、プロセスパラメータに基づいて制御対象プロセスの制御の性能を診断する機能である。プロセスの制御においては、目標値の制御よりも、外乱の影響を抑制することが重要視される場合が多い。そのため、以下では、外乱抑制に関する性能の診断機能について説明する。一般には、外乱抑制の制御性能を測る指標として、制御量の分散が使用されることが多い。これは、目標値を変更せずに一定とした場合において、制御量の分散が、制御量を目標値にどれだけ維持できているかを定量的に示す指標となるためである。しかしながら、制御量の分散は、プロセスのゲインや外乱の大きさに大きく依存するため、絶対的な指標として使用しづらい。Harris Indexはこのような課題を解決するために規格化された指標であり、次の式(9)のように表される。
Harris Index ηは、最小分散制御の実施によって得られるであろう最小の分散(以下、「ポテンシャル分散」という。)σMVを基準として、実際の制御量の分散σがポテンシャル分散に対してどれだけ乖離しているかを示す指標値である。従来のHarris Indexを用いた制御性能の診断方法では、ポテンシャル分散を実際の操作量及び制御量から直接導出するのが一般的であった。そして、Harris Indexは、導出に必要な仮定を満たしていない場合でも、ポテンシャル分散の算出が可能である。そのため、従来の診断方法では、導出されたHarris Indexの値ηの妥当性を判断することができなかった。
これに対して、本実施形態のプロセス診断装置1fは、制御情報(操作量や制御量など)に基づいてプロセスパラメータを推定することができる。そのため、プロセス診断装置1fは、プロセスパラメータの推定値を使用してポテンシャル分散を求めることが可能である。そのため、プロセス診断装置1fは、より精度良く制御対象プロセスの制御性能を診断することができる。
また、プロセスパラメータの推定が可能であれば、性能比較の基準とする分散を、最小分散制御によって得られるであろう最小分散に限定する必要もなくなる。例えば、最も精度よく外乱を抑制することが可能な制御パラメータを使用した場合のPID制御における制御量の分散を基準とすることも可能となる。
(第8の実施形態)
図14は、第8の実施形態のプロセス診断装置1gの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1gは、制御パラメータ調整部14をさらに備える点で第5の実施形態のプロセス診断装置1dと異なる。制御パラメータ調整部14は、制御情報に基づいて制御対象プロセスの制御パラメータを調整する。
具体的には、制御パラメータ調整部14は、操作量及び制御量と、プロセスパラメータ(むだ時間、ゲイン及び時定数)の推定値とに基づいて、制御対象プロセスの状況に応じた制御パラメータを導出する。従来、開ループ試験を実施することなく直接的に制御パラメータを調整するFRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)技術などの研究が行われている。しかしながら、プロセス特性に基づかない調整方法では、取得された制御パラメータの妥当性を判断することが難しいという課題がある。そのため、取得された制御パラメータをそのままプロセスの制御に適用することが困難であった。
これに対して、本実施形態のプロセス診断装置1gは、プロセスパラメータを推定するとともに、推定されたプロセスパラメータの妥当性を診断することができる。そのため、プロセス診断装置1gは、妥当性が確認されたプロセスパラメータの推定値を使用して制御パラメータを導出する。
なお、プロセスパラメータから制御パラメータを導出する手法(以下、「調整則」という。)には、産業分野で長い実績を有するPID制御において確立されている調整則が用いられてもよい。また、PID制御の調整則のほか、Ziegler & Nicolesの調整則や部分モデルマッチング法など様々な調整則が提案されている。これらはいずれも実績のある調整則であり、制御パラメータの調整には、これらの調整則のほかどのような手法が用いられてもよい。図15は、Chien, Hrones and Reswickの調整則の概略を示す図である。図15は、プロセスパラメータであるゲインK、時定数T、むだ時間Lに対する、制御パラメータである比例ゲインK、積分時間T、微分時間Tが満たすべき関係を示している。
このように構成された第8の実施形態のプロセス診断装置1gは、プロセスパラメータの推定値を使用して制御パラメータを導出する制御パラメータ調整部14を備える。このような機能を備えることにより、プロセス診断装置1gは、より精度の良い制御パラメータを導出することができる。そのため、導出された制御パラメータをそのままプロセスの制御に適用することが可能となる。
(第9の実施形態)
図16は、第9の実施形態のプロセス診断装置1hの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1hは、記憶部15、表示部16及び表示制御部17をさらに備える点で第3の実施形態のプロセス診断装置1bと異なる。
記憶部15は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部15は、プロセスパラメータ推定部12bの推定結果を時系列に記憶する。
表示部16は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を用いて構成される。又は、表示部16は、これらの表示装置を自装置に接続するインターフェースとして構成されてもよい。表示部16は、表示制御部17から出力された画面情報を表示する。
表示制御部17は、記憶部15に記憶されたプロセスパラメータの推定結果を表示部16に可視化して表示させるための画面情報を生成する。表示制御部17は、生成した画面情報を表示部16に出力する。
図17及び図18は、プロセスパラメータの推定結果の表示例を示す図である。例えば、図17は、プロセスパラメータの推定値が時系列に表示された例を示す図である。このように、プロセスパラメータの推定値が時系列に表示されることによって、オペレータは、プロセス特性の変化を容易に把握することが可能となる。例えば図16では、ゲインに経時的な減少傾向が見られる。プロセスの制御において、このような変動傾向が季節の変動に応じて一定の周期で現れることは珍しくない。例えばこのような変動傾向は、気温によって反応の感度が変動する化学反応や生物反応などのプロセスにおいて現れる場合がある。このように、プロセスパラメータの時系列な変化を見ることは、制御対象プロセスの特性を理解するのに有効な手段となる。
また、図18は、同じタイミングで推定されたプロセスパラメータが、個々のパラメータを軸として3次元表示された例である。例えば、このような3次元表示によれば、各タイミングでのプロセス特性を、プロセス状態が類似していると考えらえる複数のグループに分類することができる。例えば図18では、各タイミングでのプロセス特性が状態A及び状態Bの2つのグループに分類することができる。そして、このような分類されたプロセスパラメータの推定結果に対して、プロセスの状態に応じた情報を対応づけることが可能となる。例えば、プロセスパラメータの推定結果に、制御対象プロセスの状態に応じた操作要領や留意点などを対応づけることができる。このような対応づけを行えば、オペレータは、プロセスパラメータの推定結果に応じて運用モードを切り替えるなど適切なアクションを起こすことが可能となる。例えば、プロセスパラメータについて点501の推定結果が得られた場合、オペレータは、状態Bに対応する操作や手順を実行することができる。
このように構成された第9の実施形態のプロセス診断装置1hは、プロセスパラメータの推定結果の視覚化を可能にする表示制御部17を備える。このような構成を備えることによって、プロセス診断装置1hは、オペレータの質の向上を支援することができる。
(第10の実施形態)
図19は、第10の実施形態のプロセス診断装置1iの機能構成の具体例を示す図である。プロセス診断装置1iは、記憶部15を備えない点、表示制御部17に代えて表示制御部17iを備える点、制御パラメータ調整部14及び制御結果予測部18をさらに備える点で第9の実施形態のプロセス診断装置1hと異なる。なお、制御パラメータ調整部14は、第8の実施形態のプロセス診断装置1gが備えるものと同様の機能部であるため説明を省略する。
制御結果予測部18は、現在の制御パラメータで制御対象プロセスの制御を継続した場合の制御結果と、制御パラメータ調整部14によって導出された制御パラメータでの制御に切り替えた場合の制御結果とを予測する。具体的には、制御結果予測部18は、プロセスパラメータ推定部12によって取得されたプロセスパラメータの推定値を式(1)に適用して制御対象プロセスの伝達関数を得る。制御結果予測部18は、制御対象プロセスの伝達関数と現在の制御パラメータとに基づいて制御対象プロセスの制御をシミュレーションすることにより、現在の制御パラメータで制御対象プロセスの制御を継続した場合の制御結果を予測する。
また、制御結果予測部18は、制御対象プロセスの伝達関数と制御パラメータ調整部14によって導出された制御パラメータとに基づいて制御対象プロセスの制御をシミュレーションすることにより、調整後の制御パラメータで制御対象プロセスを制御した場合の制御結果を予測する。
表示制御部17iは、制御結果予測部18によって予測された制御結果を表示部16に可視化して表示させるための画面情報を生成する。表示制御部17iは、生成した画面情報を表示部16に出力する。
図20は、現在の制御パラメータ及び調整後の制御パラメータで予測された制御結果の表示例を示す図である。例えば、図20は、現時点までの制御結果と、現時点以降の制御について予測された制御結果と、が現時点tを境に連続的かつ時系列に表示された例である。一般に、FRIT技術などのように直接的に制御パラメータを調整する方法では、得られた制御パラメータの妥当性を判断することが難しいことに加えて、制御パラメータの再調整によって得られる効果の見積もりが難しいという課題があった。
これに対して、本実施形態のプロセス診断装置1iは、現在の制御パラメータでの制御結果と、調整後の制御パラメータでの制御結果とを予測する制御結果予測部18と、これらの予測結果を比較可能な態様で表示部に表示させる表示制御部17iを備える。このような構成を備えることによって、プロセス診断装置1iは、制御パラメータを調整した場合と調整しない場合とで制御結果がどのように変化するのかを可視化してオペレータに提示することができる。そのため、オペレータは、制御パラメータを変更すべきか否かを視覚的に判断することができる。
以下、実施形態のプロセス診断装置の変形例について説明する。
上述の各実施形態のプロセス診断装置は、必要に応じて他の実施形態のプロセス診断装置が持つ機能部を備えるように構成されてもよい。例えば、第8の実施形態のプロセス診断装置1gは、第7の実施形態のプロセス診断装置1fが持つ制御性能診断機能を備えるように構成されてもよい。また、例えば、第10の実施形態のプロセス診断装置1iは、第9の実施形態のプロセス診断装置1hが持つ制御パラメータ調整部14や制御結果予測部18を備えてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、制御対象プロセスに入力される操作量と、操作量の入力に応じて制御対象プロセスが出力する制御量と、操作量が入力された時点における制御対象プロセスの制御量の目標値と、を示す制御情報に基づいて、制御対象プロセスの特性を示すプロセスパラメータを推定するプロセスパラメータ推定部と、推定部によって推定されたプロセスパラメータに基づいて、制御対象プロセスの状態(例えば異常)を診断するプロセス診断部と、を持つことにより、フィードバック制御において、制御対象プロセスの特性の変化をより容易に検出するとともに、制御対象プロセスの状態を精度良く診断することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i…プロセス診断装置、11…制御情報取得部、12,12a,12b…プロセスパラメータ推定部、13,13d,13e,13f…プロセス診断部、14…制御パラメータ調整部、15…記憶部、16…表示部、17,17i…表示制御部、18…制御結果予測部、2…制御対象プロセス、3…制御部、4…記憶部、100…制御システム、200…下水処理プロセス、201…好気槽、202…ブロワ、203…沈澱池、204…溶存酸素濃度計、210…目標値を引き下げた場合の制御例を示す曲線、300…凝集沈殿プロセス、301…沈澱池、302…ろ過池、303…ポンプ井、311,311−1,311−2…残留塩素濃度計、312…塩素注入ポンプ、401…第1主成分、402…第2主成分、403…(正常値を示す)点群、404…(異常値を示す)点、501…(推定結果の一例を示す)点

Claims (11)

  1. フィードバック制御によって制御されるプロセスに入力される操作量と、前記操作量の入力に応じて前記プロセスが出力する制御量と、前記操作量が入力された時点における前記プロセスの制御量の目標値と、を示す制御情報を蓄積する記憶部と、
    前記制御情報に基づいて、前記プロセスの特性を示すプロセスパラメータを推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された前記プロセスパラメータを、プロセス状態が類似する複数のグループに分類して表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えるプロセス診断装置。
  2. 前記推定部によって推定された前記プロセスパラメータに基づいて、前記プロセスの状態を診断する診断部をさらに備える、
    請求項に記載のプロセス診断装置。
  3. 前記診断部は、複数のプロセスパラメータの推定値のそれぞれが、前記プロセスパラメータごとに設定された所定の許容範囲内であるか否かを判定することによって前記プロセスの状態を診断する、
    請求項に記載のプロセス診断装置。
  4. 前記診断部は、複数のプロセスパラメータの推定値に基づいて取得される評価値が、所定の条件を満たすか否かを判定することによって前記プロセスの状態を診断する、
    請求項に記載のプロセス診断装置。
  5. 前記推定部は、前記プロセスパラメータとして前記プロセスのむだ時間を推定する、
    請求項2から4のいずれか一項に記載のプロセス診断装置。
  6. 前記推定部は、前記制御情報及び前記むだ時間に基づいて、前記プロセスパラメータとしてさらに前記プロセスのゲイン及び時定数を推定する、
    請求項に記載のプロセス診断装置。
  7. 前記推定部は、時系列に取得された前記制御情報を示す計測データの周波数に基づいて前記時定数を推定する、
    請求項に記載のプロセス診断装置。
  8. 前記診断部は、前記むだ時間の推定値と、前記時定数の推定値との比に基づいて、前記プロセスの制御の難易度を診断する、
    請求項6又は7に記載のプロセス診断装置。
  9. 前記診断部は、前記プロセスパラメータの推定値に基づいて、前記プロセスの制御の精度を診断する、
    請求項2から8のいずれか一項に記載のプロセス診断装置。
  10. フィードバック制御によって制御されるプロセスに入力される操作量と、前記操作量の入力に応じて前記プロセスが出力する制御量と、前記操作量が入力された時点における前記プロセスの制御量の目標値と、を示す制御情報を蓄積する記憶ステップと、
    前記制御情報に基づいて、前記プロセスの特性を示すプロセスパラメータを推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにおいて推定された前記プロセスパラメータを、プロセス状態が類似する複数のグループに分類して表示部に表示させる表示制御ステップと、
    を有するプロセス診断方法。
  11. 請求項1からのいずれか一項に記載のプロセス診断装置としてコンピュータを機能
    させるためのコンピュータプログラム。
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