JP7493338B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制御装置に関するものであり、特に、制御装置のパラメータを調節する装置に関する。
本技術の背景技術として、特開2015-76024(特許文献1)がある。この文献には、「プラントの設定値を変更したときの設定値、操作変数、制御変数を計測し、計測した信号をフィッティングして規範モデルのベース関数を定義し、ベース関数に制御応答を調整する調整パラメータを導入して規範モデルとする。設定値変更時の制御変数と操作変数の応答、または、外乱信号印加時の制御変数の応答を推定し、これらの応答データから制御特性を表す指標を抽出する。この指標を基に定義した評価関数を用いて調整パラメータの最適値を求めることにより、要求される制御特性に応じた規範モデルを決定し、制御ゲインの最適化を図る。」が記載されている(要約参照)。
特開2015-76024号公報
しかしながら、前述した先行技術(特許文献1)では、規範モデル(参照モデル)のパラメータを再調整するための運転条件を用意し、事前の知見に基づいてパラメータ調整するものであり、通常運転時に事前の知見なしにパラメータを再調整するものではない。また、PID制御器におけるPIDゲインが実現可能な範囲を考慮した再調整方法でもない。さらに、PIDゲイン値の自動調整と規範モデルの自動調整との協調処理を提供するものでもない。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、PID制御器のPIDゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備え、前記ゲイン値調整部は、前記PIDゲイン値を調整し、前記パラメータ変更部は、前記PIDゲイン値が調整された後、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値を用いたとき、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値を用いたとき、前記制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値を用いたとき、前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記演算部のパラメータ値を変更し、前記ゲイン値調整部は、前記演算部のパラメータ値が変更された後、前記PIDゲイン値を再調整することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、制御対象の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
実施例1~8における制御装置の全体の構成を示す図である。 実施例1~8における制御装置のシステム構成図である。 実施例1、2における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例1~5におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例1~5におけるパラメータ変更判定部の処理1を示す図である。 実施例1~5におけるパラメータ変更判定部の処理2を示す図である。 実施例1~5におけるパラメータ変更判定部の処理3を示す図である。 実施例1~8におけるパラメータ変更部の処理を示す図である。 実施例1~5における所望の出力値演算部の処理1を示す図である。 実施例1~5における所望の出力値演算部の処理2を示す図である。 実施例3における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例3における制御対象特性検知部の処理1を示す図である。 実施例3における制御対象特性検知部の処理2を示す図である。 実施例4における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例4における制御対象異常判定部の処理1を示す図である。 実施例4における制御対象異常判定部の処理2を示す図である。 実施例5における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例5における制御対象異常判定部の処理を示す図である。 実施例6における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例6におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例6におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例6における所望の出力値演算部の処理を示す図である。 実施例7における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例7におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例7におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例7における所望の出力値演算部の処理を示す図である。 実施例8における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例8におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例8におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例8における所望の出力値演算部の処理を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
[実施例1]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置1について示す。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)を用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
図1は、制御装置1の中心機能を示す図である。制御装置1において、PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定、PID制御器ゲイン値調整部2が新たに演算したゲイン値が所定範囲内にあるか否かの判定、前記新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かの判定、及び制御対象への入力値が所定範囲内にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3が変更を許可したとき、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力の所望のプロフィールを演算する。PID制御器5は、制御対象を制御するための操作量を演算する。
図2は、制御装置1のシステム構成図である。
制御装置1は、ハードウェアとして、記憶装置11、CPU12、ROM13、RAM14、データバス15、入力回路16、入出力ポート17及び出力回路18を有する。入力回路16は、外部から入力された信号を処理する。外部から入力される信号は、例えば、制御装置1に設置又は接続されているセンサから出力されるセンサ出力信号などである。外部から入力される信号は、入力回路16を経て、入力信号となり入出力ポート17へ送られる。入出力ポート17に送られた各入力情報は、データバス15を経て、RAM14又は記憶装置11に格納される。ROM13及び記憶装置11の少なくとも一方は、後述する処理を実行するためのプログラムを格納しており、該プログラムはCPU12で実行される。その際、RAM14及び記憶装置11の少なくとも一方に格納された値を、適宜、使用して演算を行う。演算結果のうち外部へ送り出す情報(値)は、データバス15を経て入出力ポート17に送られ、出力信号として出力回路18に送られる。出力回路18は、出力信号を外部に出力する。外部へ出力される出力信号は、制御対象を所望の動きをさせるために制御対象に備わるアクチュエータへ送信されるアクチュエータ駆動信号などである。
なお、CPU12がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、FPGA(Field Programable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア)で実行してもよい。
図3は、制御装置1と、制御装置1に制御されるプラント21とを示す図である。
本実施例のPID制御器5は、プラント21の温度を制御するための操作量(例えば、蒸気温度を調節するための目標バルブ開度)を演算する。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示すように、プラント温度Tdegのプロフィールと所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールの差異が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン値を決定する。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
プラント温度Tdegのプロフィールと所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールの差異を評価する評価関数としては、例えば、J2=||Tdeg-De_Tdeg||であるL2ノルム、又は、J1=|Tdeg-De_Tdeg|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。本実施例では、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)を用いてPIDゲイン値を最適化する。FRITは、一組の操作量と制御量信号だけでオフラインで最適化可能な最適化手法である。詳細については多くの文献があるので、ここでは詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図5、図6、図7)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
Tdegのオーバーシュート量がK_Tdeg_O1以上、又は、
Tdegのアンダーシュート量がK_Tdeg_U1以上
また、パラメータ変更判定部3は、以下の処理で、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可してもよい。すなわち、新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にあるか否か、又は、新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かを判定し、判定結果に応じて所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図6に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力し、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
Kp_new≧K_Kp_new_H、又は、
Ki_new≧K_Ki_new_H、又は、
Kd_new≧K_Kd_new_H
また、パラメータ変更判定部3は、以下の処理で、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可してもよい。すなわち、PID制御器5の出力(制御対象への入力)である操作量が所定範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図7に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
Tg_VO≧K_Tg_VO_H
なお、PID制御器5の出力であるTg_VO(目標バルブ開度)ではなく、PID制御器5で演算されるP分、I分、D分のそれぞれが所定範囲内にあるか否かで判定してもよい。また、制御対象への入力は、PID制御器5の出力である目標バルブ開度だけでなく、目標燃料流量、実バルブ開度、燃料流量などの制御対象への入力情報でもよい。
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示す処理を実行する。
・fp_ref=1の場合、所望の出力値演算部4のパラメータb1を下記のように(パラメータb1が大きくなるように)補正して、制御対象の出力の推定値の応答特性を低下する。
b1=b1+k1_b1
・fp_ref=0の場合、所望の出力値演算部4のパラメータb1は、現在の値を維持する。
<所望の出力値演算部(図9、図10)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばプラント21の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図9、図10に示す処理を実行する。
制御目標である目標プラント温度Tg_Tdegに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールを演算する。制御目標は、例えば、ステップ信号、ランプ信号などがある。伝達関数は、予め決定しておくとよいが、プラント21の動作状態に応じて特性を変化させてもよい。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の無駄時間であり、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(無駄時間が長くなる)性質がある。又は、図10に示すように、パラメータb1は、伝達関数の時定数であり、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(応答時間が長くなる)性質がある。なお、伝達関数のパラメータとして、無駄時間(図9)と時定数(図10)について説明したが、伝達関数のパラメータに伝達関数の次数を用いてもよい。
その後、所望の出力値演算部4は、再び、PID制御器ゲイン値調整部2で、PID制御器5のゲイン値を調整する。所望の出力値演算部4のパラメータを変更した(例えば伝達関数の応答性を遅らせた)ことによって、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で(又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で)、所望の出力値演算部4が設定した応答性を実現できる可能性がある。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)を用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現し、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、プラント制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例2]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置1について示す。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図3は、制御装置1と制御装置1によって制御されるプラント21とを示す図であるが、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図5、図6、図7)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5、図6、図7に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図9、図10)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばプラント21の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図9、図10に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
その後、所望の出力値演算部4は、再び、PID制御器ゲイン値調整部2で、PID制御器5のゲイン値を調整する。所望の出力値演算部4のパラメータを変更した(例えば伝達関数の応答性を遅らせた)ことによって、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で(又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で)、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるようになった可能性があるためである。
さらに、PID制御器5のゲイン値を再調整した後、再び、図5~図10に示す処理を実行し、適宜、所望の出力値演算部4のパラメータ値を更新する。以降、PIDゲイン値の再調整と所望の出力値演算部4のパラメータ値の更新とを繰り返す。所望の出力値演算部4のパラメータ値が所定値に達したとき、本繰り返し処理を停止するとよい。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は無駄時間を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。そして、PIDゲイン値の再調整を行った後、再び、所望の出力値演算部4のパラメータを変更する(例えば伝達関数の応答性を遅らせる)。以降、PIDゲイン値の再調整と所望の出力値演算部4のパラメータ値の更新を繰り返す。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。そして、PIDゲイン値の再調整後、再び、所望の出力値演算部4のパラメータを変更する(例えば伝達関数の応答性を遅らせる)ことによって、制御対象の特性変化に、随時、追従できる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現し、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、プラント制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例3]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置1について示す。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、制御対象特性検知部7は、調整されたPIDゲイン値、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及び所望の出力値演算部4のパラメータの値の少なくとも一つに基づいて、制御対象の(応答)特性を検知する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、制御対象特性検知部7は、調整されたPIDゲイン、調整されたPIDゲイン値の少なくとも一つに基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及び伝達関数の時定数又は伝達関数の無駄時間又は伝達関数の次数の値に基づいて、制御対象の(応答)特性を検知する。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図11は、制御装置1と、制御装置1によって制御されるプラント21を示す図である。
制御対象特性検知部7は、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値又はパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて、制御対象の特性パラメータを演算する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図5、図6、図7)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5、図6、図7に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図9、図10)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばプラント21の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図9、図10に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<制御対象特性検知部(図12、図13)>
制御対象特性検知部7は、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値又はパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象の特性パラメータを演算する。なお、制御対象特性検知部7は、調整されたPIDゲイン値に代えて、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値を用いて制御対象の特性パラメータを演算してもよい。また、制御対象特性検知部7は、PIDゲイン値、PIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及び所望の出力値演算部4のパラメータの複数を用いて制御対象の特性パラメータを演算してもよい。
例えば、制御対象特性検知部7は、図12に示す処理を実行する。すなわち、
Tbl_deg_char_1を参照して、Kp_new,Ki_new,Kd_newの値から制御対象(プラント21)の応答特性を診断する。
deg_charは、制御対象(プラント21)の応答特性、又は応答特性と相関がある特性(効率など)を示す値であり、Tbl_deg_char_1の設定値は実験などによって決定するとよい。例えば、制御対象の応答性が遅くなるほど、Kp_newの値が大きくなるので、Kp_newの値に応じて、制御対象(プラント21)の応答特性、又は応答特性と相関がある特性(物理的に意味がある効率など)を示す値を設定するとよい。
また、制御対象特性検知部7は、図13に示される処理を実行してもよい。すなわち、b1の値から、Tbl_deg_char_2を参照して、制御対象(プラント21)の応答特性を診断する。Tbl_deg_char_2の設定値は実験などによって決定するとよい。例えば、制御対象の応答性が遅くなるほど、b1の値(時定数又は無駄時間又は次数)が大きくなるので、b1の値に応じて、制御対象(プラント21)の応答特性、又は応答特性と相関がある特性(効率など)を示す値を設定するとよい。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は無駄時間を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、制御対象特性検知部7は、調整されたPIDゲイン値、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及び所望の出力値演算部4のパラメータの値の少なくとも一つに基づいて、制御対象の(応答)特性を検知する。また、所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、制御対象特性検知部7は、調整されたPIDゲイン値、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、伝達関数の時定数、伝達関数の無駄時間、及び伝達関数の次数の値の少なくとも一つに基づいて、制御対象の(応答)特性を検知する。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。そして、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及びパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータの少なくとも一つに基づいて制御対象の特性を検知する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。そして、制御対象特性検知部7は、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値又はパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象の特性を検知するので、特性変化検知のための機能を別途追加することなく、本制御システムのパラメータを用いて、制御対象の特性変化を逐次、知ることができる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現し、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、さらに、制御対象の特性変化も知ることができるので、プラント制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例4]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置1について示す。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、制御対象異常判定部8は、調整されたPIDゲイン値又は調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及び所望の出力値演算部4のパラメータの値の少なくとも一つに基づいて、制御対象が異常かを判定する。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図14は、制御装置1と、制御装置1によって制御されるプラント21を示す図である。
制御対象異常判定部8は、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値又はパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて、制御対象の異常を示す異常フラグを演算する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図5、図6、図7)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5、図6、図7に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図9、図10)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばプラント21の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図9、図10に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<制御対象異常判定部(図15、図16)>
制御対象異常判定部8は、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値又はパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象異常フラグを演算する。なお、制御対象異常判定部8は、調整されたPIDゲイン値に代えて、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値を用いて制御対象の制御対象異常フラグを演算してもよい。また、制御対象異常判定部8は、PIDゲイン値、PIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及び所望の出力値演算部4のパラメータの複数を用いて制御対象の制御対象異常フラグを演算してもよい。
例えば、制御対象異常判定部8は、図15に示す処理を実行する。すなわち、
・下記の条件を満たす場合、制御対象異常フラグf_ano_obj=1を出力し、
それ以外の場合、f_ano_obj=0を出力する。
Kp_new≧Kp_deg_ano
Ki_new≧Ki_deg_ano
Kd_new≧Kd_deg_ano
また、制御対象異常判定部8は、図16に示す処理を実行してもよい。すなわち、Kp_new(調整後Pゲイン)からテーブルTbl_deg_ano_1を参照して、deg_ano(制御対象の異常度)を求める。
・下記の条件を満たす場合、制御対象異常フラグf_ano_obj=1を出力し、
それ以外の場合、f_ano_obj=0を出力する。
deg_ano≧K_deg_ano
deg_anoは、物理的に意味のある値(例えば、プラント21の効率など)とするとよい。Kp_newとdeg_anoの関係を表すTbl_deg_ano_1は、実験から決めてもよい。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は無駄時間を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、制御対象異常判定部8は、調整されたPIDゲイン値又は調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、制御対象が異常と判定する。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。そして、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値、調整されたPIDゲイン値に基づいて演算された(PIDゲイン値とは異なる)パラメータ値、及びパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータの少なくとも一つに基づいて制御対象の異常を検知する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。そして、制御対象異常判定部8は、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値又はパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象の異常を検知するので、異常検知のための機能を別途追加することなく、本制御システムのパラメータを用いて、制御対象の異常を知ることができる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現し、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、さらに、制御対象の異常を検知できるので、プラント制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例5]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置1について示す。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、制御対象異常判定部8は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が所定範囲内にない場合、制御対象が異常と判定する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、制御対象異常判定部8は、伝達関数の時定数又は伝達関数の無駄時間又は伝達関数の次数の値が所定範囲内にない場合、制御対象が異常と判定する。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図17は、制御装置1と制御装置1によって制御されるプラント21示す図である。
制御対象異常判定部8は、パラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて、制御対象の異常を示す異常フラグを演算する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図5、図6、図7)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5、図6、図7に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図9、図10)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばプラント21の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図9、図10に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<制御対象異常判定部(図18)>
制御対象異常判定部8は、パラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象異常フラグを演算する。具体的には、図18に示す処理を実行する。
・b1(出力値演算部パラメータ)からテーブルTbl_deg_ano_2を参照して、deg_ano(制御対象の異常度)を求める。
・下記の条件を満たす場合、制御対象異常フラグf_ano_obj=1を出力し、
それ以外の場合、f_ano_obj=0を出力する。
deg_ano≧K_deg_ano
deg_anoは、物理的に意味のある値(例えば、プラント21の効率など)とするとよい。b1とdeg_anoの関係を表すTbl_deg_ano_2は、実験から決めてもよい。
また、実施例4で示す内容と組み合わせて、PID制御器ゲイン値調整部2で調整されたPIDゲイン値とパラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータの双方を用いて制御対象の異常を検知してもよい。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更され、PID制御器ゲイン値調整部2がPIDゲイン値を再調整した後、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を再変更する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は無駄時間を所定量大きくし、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御対象を制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、又は伝達関数の次数を再度、所定量大きくする。
また、制御対象異常判定部8は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が所定範囲内にない場合、制御対象が異常と判定する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、制御対象異常判定部8は、伝達関数の時定数、伝達関数の無駄時間、及び伝達関数の次数の値の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、制御対象が異常と判定する。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、プラント21を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。そして、制御対象異常判定部8は、パラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象の異常を検知する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、定値、新たに演算されたゲイン値、及び、制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて、適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。そして、制御対象異常判定部8は、パラメータ変更部6で演算された所望の出力値演算部4の変更パラメータを用いて制御対象の異常を検知するので、異常検知のための機能を別途追加することなく、本制御システムのパラメータを用いて、制御対象の異常を知ることができる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現し、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、さらに、制御対象の異常を検知できるので、プラント制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例6]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置について示す。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、自動運転車22を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図19は、制御装置1と制御装置1によって制御される自動運転車22示す図である。
本実施例のPID制御器5は、自動運転車22の運動を制御するための操作量(例えば、目標速度、目標回転角速度)を演算する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図20)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図12に示すように、速度VSPプロフィールと所望の速度De_VSPプロフィールの差異が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン値を決定する。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
速度VSPプロフィールと所望の速度De_VSPプロフィールの差異を評価する評価関数としては、例えば、J2=||VSP-De_VSP||であるL2ノルム、又は、J1=|VSP-De_VSP|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。本実施例では、FRITを用いて、PIDゲイン値を最適化する。FRITは、一組の操作量と制御量信号だけでオフラインで最適化可能な最適化手法である。詳細については多くの文献があるので、ここでは詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図21)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図19に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力し、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
VSPのオーバーシュート量がK_VSP_O1以上、又は、
VSPのアンダーシュート量がK_VSP_U1以上
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図22)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えば自動運転車22の速度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図22に示す処理を実行する。
制御目標である目標速度Tg_VSPに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望の速度De_VSPのプロフィールを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。伝達関数は、予め決定しておくとよいが、自動運転車22の動作状態に応じて特性を変化させてもよい。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の時定数であり、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(応答時間が長くなる)性質がある。また、パラメータb1に伝達関数の無駄時間を用いてもよい。この場合、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(無駄時間が長くなる)性質がある。
その後、所望の出力値演算部4は、再び、PID制御器ゲイン値調整部2で、PID制御器5のゲイン値を調整する。所望の出力値演算部4のパラメータを変更した(例えば伝達関数の応答性を遅らせた)ことによって、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で(又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で)、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できる可能性がある。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、自動運転車22を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現するように、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、自動運転車制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例7]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置について示す。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、ロボット23を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図23は、制御装置1と制御装置1によって制御されるロボット23示す図である。
本実施例のPID制御器5では、ロボット23の運動を制御するための操作量(例えば、角度、速度、トルク)を演算する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図24)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図24に示すように、位置POSプロフィールと所望の位置De_POSプロフィールの差異が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン値を決定する。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
位置POSプロフィールと所望の位置De_POSプロフィールの差異を評価する評価関数としては、例えば、J2=||POS-De_POS||であるL2ノルム、又は、J1=|POS-De_POS|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。本実施例では、FRITを用いて、PIDゲイン値を最適化する。FRITは、一組の操作量と制御量信号だけでオフラインで最適化可能な最適化手法である。詳細については多くの文献があるので、ここでは詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図25)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図25に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力し、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
POSのオーバーシュート量がK_POS_O1以上、又は、
POSのアンダーシュート量がK_POS_U1以上
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図26)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばロボット23の位置)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図26に示す処理を実行する。
制御目標である目標位置Tg_POSに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望の位置De_POSのプロフィールを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。伝達関数は、予め決定しておくとよいが、ロボット23の動作状態に応じて特性を変化させてもよい。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の時定数であり、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(応答時間が長くなる)性質がある。また、パラメータb1に伝達関数の無駄時間を用いてもよい。この場合、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(無駄時間が長くなる)性質がある。
その後、所望の出力値演算部4は、再び、PID制御器ゲイン値調整部2で、PID制御器5のゲイン値を調整する。所望の出力値演算部4のパラメータを変更した(例えば伝達関数の応答性を遅らせた)ことによって、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で(又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で)、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できる可能性がある。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、ロボット23を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現するように、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、ロボット制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
[実施例8]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置1について示す。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、飛行体(例えばドローン24)を制御する装置である。
図1は、制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図27は、制御装置1と制御装置1によって制御されるドローン24示す図である。
本実施例のPID制御器5では、ドローン24の運動を制御するための操作量(例えば、各ロータの回転速度)を演算する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図28)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図28に示すように、飛行速度FSPプロフィールと所望の飛行速度De_FSPプロフィールの差異が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン値を決定する。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
飛行速度FSPプロフィールと所望の飛行速度De_FSPプロフィールの差異を評価する評価関数としては、例えば、J2=||FSP-De_FSP||であるL2ノルム、又は、J1=|FSP-De_FSP|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。本実施例では、FRITを用いて、PIDゲイン値を最適化する。FRITは、一組の操作量と制御量信号だけでオフラインで最適化可能な最適化手法である。詳細については多くの文献があるので、ここでは詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図29)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲内にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図29に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力し、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
FSPのオーバーシュート量がK_FSP_O1以上、又は、
FSPのアンダーシュート量がK_FSP_U1以上
<パラメータ変更部(図8)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータの値)を演算する。具体的には、図8に示すように、実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図30)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(例えばロボット23の位置)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図30に示す処理を実行する。
制御目標である目標飛行速度Tg_FSPに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望の飛行速度De_FSPのプロフィールを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。伝達関数は、予め決定しておくとよいが、ドローン24の動作状態に応じて特性を変化させてもよい。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の時定数であり、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(応答時間が長くなる)性質がある。また、パラメータb1に伝達関数の無駄時間を用いてもよい。この場合、b1の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性は遅くなる(無駄時間が長くなる)性質がある。
その後、所望の出力値演算部4は、再び、PID制御器ゲイン値調整部2で、PID制御器5のゲイン値を調整する。所望の出力値演算部4のパラメータを変更した(例えば伝達関数の応答性を遅らせた)ことによって、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で(又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で)、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できる可能性がある。
本実施例によれば、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値(時系列信号など)と制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するパラメータ変更部6とを備え、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整する。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、伝達関数の時定数を所定量大きくする、又は伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、又は伝達関数の次数を所定量大きくする。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、FRITを用いて、PID制御器5のゲイン値を調整する。
また、制御装置1は、ドローン24を制御する装置である。
本実施例では、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にない場合、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にない場合、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にない場合に、所望の出力値演算部4の伝達関数の応答性を遅らせる。これにより、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内にある状態で、又は、PIDゲイン値が所定範囲内にある状態で、又は、制御対象への入力である操作量が所定範囲内にある状態で、所望の出力値演算部4で設定した応答性を実現できるPIDゲイン値が得られる可能性が生じるので、再び、PIDゲイン値を調整する。
制御システムの稼働時の制御対象の出力の計測値、推定値、新たに演算されたゲイン値、及び制御対象への入力値の少なくとも一つに基づいて、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象の特性が変化した場合、通常運転時に事前の知見なしに、所望の出力値演算部4のパラメータ値を制御対象の特性の変化に応じて適正な値に再調整できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、所望の出力値演算部4のパラメータの値が変更された後、PIDゲイン値を再調整するので、制御対象の特性の変化に応じて、所望の出力値演算部4で指定した出力を実現するPIDゲイン値を自動的に調整できる。
このように、制御対象の特性が変化した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値とPIDゲイン値を順次調整することによって、制御対象の特性変化に応じた応答特性を実現するように、PIDゲイン値を自動調整するPID制御系が可能となり、ドローン制御システムのロバスト性、信頼性及び精度を向上できる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1 制御装置
2 PID制御器ゲイン値調整部
3 パラメータ変更判定部
4 所望の出力値演算部4
5 PID制御器5
6 パラメータ変更部
7 制御対象特性検知部
8 制御対象異常検知部
11 制御装置の記憶装置
12 制御装置のCPU
13 制御装置のROM
14 制御装置のRAM
15 制御装置のデータバス
16 制御装置の入力回路
17 制御装置の入出力ポート
18 制御装置の出力回路
21 プラント
22 自動運転車
23 ロボット
24 ドローン

Claims (11)

  1. 制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、
    前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、PID制御器のPIDゲイン値を調整するゲイン値調整部と、
    前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備え、
    前記ゲイン値調整部は、前記PIDゲイン値を調整し、
    前記パラメータ変更部は、
    前記PIDゲイン値が調整された後、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値を用いたとき、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値を用いたとき、前記制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値を用いたとき、前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記演算部のパラメータ値を変更し、
    前記ゲイン値調整部は、前記演算部のパラメータ値が変更された後、前記PIDゲイン値を再調整することを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記ゲイン値調整部が前記PIDゲイン値を再調整した後、
    前記パラメータ変更部は、
    前記再調整されたPIDゲイン値を用いて前記制御対象を制御したとき、
    前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、
    前記制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、
    前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記演算部のパラメータ値を再変更することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記演算部は、伝達関数で表され、
    前記パラメータ変更部は、前記伝達関数の時定数を所定量大きくする、前記伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、及び、前記伝達関数の次数を所定量大きくする、の少なくとも一つによって、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記演算部は、伝達関数で表され、
    前記パラメータ変更部が、前記伝達関数の時定数を所定量大きくする、前記伝達関数の無駄時間を所定量大きくする、及び、前記伝達関数の次数を所定量大きくする、の少なくとも一つによって、前記演算部のパラメータ値を変更して、前記ゲイン値調整部が前記PIDゲイン値を再調整した後、
    前記パラメータ変更部は、
    前記再調整されたPIDゲイン値を用いて前記制御対象を制御したとき、
    前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲内にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、
    前記制御対象への入力値が所定範囲内にない場合、及び、
    前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記伝達関数の時定数を再度、所定量大きくする、前記伝達関数の無駄時間を再度、所定量大きくする、及び、前記伝達関数の次数を再度、所定量大きくする、の少なくとも一つによって、前記演算部のパラメータ値を再変更することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記調整されたPIDゲイン値、前記調整されたPIDゲイン値に基づいて演算されたパラメータ値、及び、前記演算部のパラメータ値の少なくとも一つに基づいて、前記制御対象の特性を検知する検知部を備えることを特徴とする制御装置。
  6. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記演算部は、伝達関数で表され、
    前記調整されたPIDゲイン値、前記調整されたPIDゲイン値に基づいて演算されたパラメータ値、前記伝達関数の時定数、前記伝達関数の無駄時間、及び、前記伝達関数の次数の値の少なくとも一つに基づいて、前記制御対象の特性を検知する検知部を備えることを特徴とする制御装置。
  7. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記調整されたPIDゲイン値、及び、前記調整されたPIDゲイン値に基づいて演算されたパラメータ値の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、前記制御対象が異常であると判定する異常判定部を備えることを特徴とする制御装置。
  8. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記演算部のパラメータ値が所定範囲内にない場合、前記制御対象が異常であると判定する異常判定部を備えることを特徴とする制御装置。
  9. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記演算部は、伝達関数で表され、
    前記伝達関数の時定数、前記伝達関数の無駄時間、及び、前記伝達関数の次数の値の少なくとも一つが所定範囲内にない場合、前記制御対象が異常であると判定する異常判定部を備えることを特徴とする制御装置。
  10. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記ゲイン値調整部は、FRITを用いて、前記PIDゲイン値を調整することを特徴とする制御装置。
  11. 請求項1に記載の制御装置であって、
    少なくとも、プラントを制御する装置、自動運転車を制御する装置、ロボットを制御する装置、及び飛行体を制御する装置のいずれかであることを特徴とする制御装置。
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