JP2003181360A - 塗布装置、塗布方法、および塗布基板の製造方法 - Google Patents

塗布装置、塗布方法、および塗布基板の製造方法

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JP2003181360A
JP2003181360A JP2001380864A JP2001380864A JP2003181360A JP 2003181360 A JP2003181360 A JP 2003181360A JP 2001380864 A JP2001380864 A JP 2001380864A JP 2001380864 A JP2001380864 A JP 2001380864A JP 2003181360 A JP2003181360 A JP 2003181360A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイコート式塗布装置において、塗布条件
(パラメータ)の設定を迅速に行い、稼働率を向上させ
る。 【解決手段】 相対移動の関係にある塗布対象に対して
スリット状の開口部から流体材料を塗布するダイ18
と、このダイ18に対して所定のタイミングで流体材料
の供給を開始し、所定のタイミングで流体材料の供給を
停止するポンプ13と、塗布対象に対して流体材料を塗
布する前にダイ18による予備塗布を行うディスペンス
ロール21と、このディスペンスロール21に対する予
備塗布を実行している際に、ポンプ13からダイ18に
供給される流体材料の圧力を測定する圧力センサ17
と、この圧力センサ17により測定される圧力からポン
プ13の動作と吐出量との間の伝達関数を得ると共に、
得られた伝達関数に基づいて塗布対象に対して塗布する
実塗布の際におけるポンプ13の動作を制御する制御部
30とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布装置等に係
り、より詳しくは、塗布条件の制御を可能とする塗布装
置等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造用のウェハや、例えば
液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイ装置に用いられ
るガラス製の平板等の塗布対象物に、絶縁材料やフォト
レジスト液等の各種流体材料(塗布液、塗布流体)を塗布
する作業が行われている。塗布方法の最も代表的なもの
としては、スピンコート式塗布方法があり、これらの塗
布液を塗布する際には、均一な膜厚を有する薄膜を形成
することが要求される。
【0003】このスピンコート式塗布方法では、例え
ば、基板やウェハ等の塗布対象物における中央付近に所
定のノズルを配置し、このノズルから塗布液を滴下し、
この塗布対象物を高速回転させ、回転による遠心力によ
り塗布液を拡散させて均一な膜厚の形成を図っている。
しかしながら、このスピンコート式塗布方法では、回転
によって飛散する塗布液の量が多く、振り払われた塗布
液が無駄になってしまう。
【0004】一方、近年、ダイコート(スリットコート)
式塗布方法が注目されている。このダイコート式塗布方
法では、例えば矩形形状からなる基板やウェハ等の塗布
対象物に、塗布対象物における一辺の幅寸法の全長に亘
って設けられたダイを用いて塗布がなされる。このダイ
には、スリット状の開口部が備えられ、この開口部の先
端(リップ)から塗布液を吐出しながらダイまたは塗布対
象物を一定速度で移動して、均一な膜厚を形成してい
る。このダイコート式塗布方法によれば、スピンコート
式塗布方法では顕著であった飛散により発生する無駄が
ほとんど生じない点で優れている。
【0005】しかし、ダイコート式塗布方法では、ダイ
または塗布対象物の移動により均一な薄膜を得ることが
比較的難しい。特に、ダイまたは塗布対象物が走行を開
始して塗布を開始する塗布対象物の開始端と、ダイが塗
布を終了する塗布対象物の終了端とでは、塗布ムラが顕
著となり塗布の均一性を保つことができなくなる。この
問題に対処するために、例えば特開2000−5682
号公報では、塗布開始時および塗布終了時の圧力変化を
検出し、塗布開始時の供給開始状態および塗布終了時の
供給停止状態を目視または数値データで観測し、複数の
パラメータを調整することで、観測結果を略台形の立ち
上がりおよび立ち下がり波形に調整する技術について開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この特開2000−5
682号公報では、塗布液の吐出量について、圧力セン
サを用いてモニタしており、流量計では測定が困難な吐
出量(例えば数百μl/秒)である塗布液を測定する際
に、この圧力センサを用いてモニタする方法は非常に優
れている。しかしながら、かかる公報記載の技術では、
圧力を測定してモニタする内容までは開示されているも
のの、単に「略台形の波形に調整する」との記載に留ま
り、実際にはオペレータの勘に基づいてチューニングが
なされるに過ぎない。その結果、オペレータの熟練度等
により塗布品質が変わり、安定した塗布基板を得ること
ができない。
【0007】また、圧力センサを用いてモニタするだけ
の構成では、例えば配管系にエアが混入したような所謂
エア噛みの場合に対応することができない。特に、ただ
単に略台形の波形に調整するだけでは、エアが混入した
ような偶発的な事象に対処することが困難である。更
に、塗布流体の挙動が観測できたとしても、実際に塗布
液を塗布している途中で不良であることが認められた場
合には、作業を止めることができず、歩留を向上させる
ことができない。
【0008】本発明は、以上のような技術的課題を解決
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、塗布異常の検知を可能とし、歩留を向上させるこ
とにある。また他の目的は、塗布条件(パラメータ)の設
定を迅速に行い、稼働率を向上させることにある。更に
他の目的は、エア抜きの判定を正確に行い、適切なタイ
ミングでエア抜きを行うことで稼働率を向上させること
にある。また更に他の目的は、数値による管理を行うこ
とで、経験や勘に頼った製造から脱却することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的のもと、本発
明は、配管系に組み込まれた圧力センサを利用して、間
欠塗布動作におけるポンプの動作と実際の吐出量との間
の伝達関数を求め、この伝達関数の特性値により塗布異
常の判定を行うと共に、好ましい吐出量プロファイルに
対応するポンプの動作を伝達関数を利用して求めてい
る。また、この伝達関数の推定を実際の塗布に先んじ
て、予備塗布(ディスペンス)動作中に行っている。即
ち、本発明が適用される塗布装置は、相対移動の関係に
ある塗布対象に対して流体材料を塗布する塗布手段と、
塗布対象に流体材料を塗布するに先立って塗布手段を用
いた予備塗布を行う予備塗布手段と、予備塗布の際に検
出された塗布手段の塗布特性に基づいて、塗布手段によ
る塗布対象への塗布を制御する制御手段とを備えること
を特徴としている。
【0010】ここで、この制御手段は、予備塗布の際に
検出された流体材料の圧力変化に基づいて塗布手段によ
る塗布動作と流体材料の吐出量との関係である伝達関数
を算出し、塗布手段は、この制御手段により算出された
伝達関数に基づいて、好ましい吐出量プロファイルから
塗布動作を決定することを特徴とすれば、数値による管
理によって塗布を実行することができる点で好ましい。
また、この制御手段は、算出された関係から得られる特
性値により、例えば、配管系へのエア噛み等、塗布手段
における塗布異常の判定を行うことを特徴とすることが
できる。尚、「相対移動の関係」とは、例えば塗布対象
が固定され、対峙する塗布手段の部分(ダイ)が移動する
場合や、塗布対象と対峙する塗布手段の部分(ダイ)が移
動せず、塗布対象が移動する場合等がある。他の発明も
同様である。
【0011】また、本発明は、相対移動の関係にある塗
布対象に対してスリット状の開口部から流体材料を塗布
するダイと、このダイに対して所定のタイミングで流体
材料の供給を開始し、所定のタイミングで流体材料の供
給を停止するポンプと、このポンプからダイに供給され
る流体材料の圧力を測定するセンサと、このセンサによ
り測定される圧力からポンプの動作と吐出量との間の伝
達関数を得ると共に、得られた伝達関数に基づいて塗布
対象に対して塗布する際のポンプの動作を制御する制御
部を備えたことを特徴とする。
【0012】ここで、塗布対象に対して流体材料を塗布
する前にダイによる予備塗布を行うディスペンスロール
等のディスペンス部を更に備え、制御部は、このディス
ペンス部にてなされる予備塗布の段階にてセンサにて測
定される圧力に基づき伝達関数を得ることを特徴とすれ
ば、予備塗布を利用して塗布条件(パラメータ)の設定を
行うことができる点で優れている。また、流体材料に含
まれるエアを取り除くエア抜きバルブを更に備え、制御
部は、得られる伝達関数の特性値に基づいて流体材料に
エアが含まれたことを判定し、エア抜きバルブを動作さ
せることを特徴とすれば、エア抜きの正確な判定に基づ
き、適切なタイミングでエア抜きを行うことが可能とな
る。
【0013】更に他の観点から捉えると、本発明が適用
される塗布装置は、相対移動の関係にある塗布対象に対
して流体材料を塗布する塗布手段と、この塗布手段に対
して所定のタイミングで流体材料の供給を開始し、所定
のタイミングで流体材料の供給を停止する流体材料供給
手段と、この流体材料供給手段の動作に伴う流体材料の
吐出量に関するデータを測定する測定手段と、この測定
手段により測定されるデータに基づいて、流体材料供給
手段の動作と吐出量との間の伝達関数を得ると共に、得
られた伝達関数に基づいて流体材料供給手段の動作を制
御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】一方、本発明は、所定のタイミングで流体
材料を供給し所定のタイミングで流体材料の供給を停止
して、相対移動の関係にある塗布対象に対し流体材料を
塗布する塗布方法であって、塗布対象への流体材料の塗
布に先立ち、この流体材料の供給動作を実行して予備塗
布を行い、予備塗布に際してなされた流体材料の吐出量
と供給動作との関係を把握し、把握された関係に基づい
て塗布対象への流体材料の供給動作を制御することを特
徴としている。
【0015】また、本発明が適用される塗布方法は、流
体材料の供給動作と塗布対象に供給される流体材料の吐
出量との間の伝達関数を求め、求められた伝達関数に基
づいて塗布対象への流体材料の供給動作を制御すること
を特徴としている。ここで、この伝達関数を求める際
に、配管系に組み込まれた圧力センサにより得られる圧
力から吐出量を得ることを特徴とすれば、微小な吐出量
を正確に測定できる点で好ましい。また、この伝達関数
の特性値により塗布異常の判定を行うことを特徴とすれ
ば、塗布異常の判定を的確に行うことが可能となり、歩
留を向上させることができる。
【0016】更に本発明は、塗布基板の製造方法として
把握することができる。即ち、本発明が適用される塗布
基板の製造方法は、塗布対象の基板に対してダイコート
により液体材料を塗布する工程と、基板に塗布された液
体材料を硬化させる工程とを含み、この液体材料を塗布
する工程は、液体材料の供給動作と吐出量との間の伝達
関数を求め、求められた伝達関数に基づいて好ましい吐
出量に対する供給動作を決定し、決定された供給動作に
基づいて基板に対して液体材料を塗布することを特徴と
している。
【0017】また、本発明が適用される塗布基板の製造
方法は、塗布対象の基板を洗浄する工程と、洗浄された
基板に対してダイコートにより液体材料を塗布する工程
と、この基板に塗布された液体材料を硬化させる工程と
を含み、この液体材料を塗布する工程は、基板に対して
液体材料を塗布する実塗布に先んじて予備塗布を行い、
この予備塗布に際して得られた特性に基づき、例えば、
予備塗布の段階で求められた伝達関数に基づいて実塗布
を実行することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施の
形態が適用されるダイコート式塗布装置の全体構成を示
した図である。図1に示すダイコート式塗布装置は、流
体材料(塗布液、塗布材料)を入れる加圧タンク11、残
留空気を取り除くための脱気モジュール12、流体材料
を送り込むポンプ13、このポンプ13の動作に応じて
切り換え動作する切り換え弁14および15、ポンプ1
3のピストンからの磨耗粉を除去するフィルタ16、吐
出させる流体材料の圧力を測定する圧力センサ17、水
平方向にスライドする際にスリット状の開口部から流体
材料を吐出させ、基板に対して流体材料を塗布するダイ
18、配管系にエア噛みが生じた場合にエア抜きを行う
ためのエア抜きバルブ19、予備塗布を行うためのディ
スペンスロール21、ディスペンスロール21に付着さ
れた流体材料を掻き落とすドクターブレード22、塗布
対象物である基板を載置する定盤29を備えている。ま
た、圧力センサ17から測定された圧力に基づいて伝達
関数による制御を実行する制御部30を備えている。こ
の制御部30では、得られた結果に基づいて、基板への
実際の塗布作業(実作業)に際して、ポンプ13や切り換
え弁14、15等の動作を制御している。
【0019】加圧タンク11は、例えば10kPa程度
の圧空により加圧している。即ち、ポンプ13にて吸引
されて流体材料がチャージされる際に負圧になるとキャ
ビテーションしてしまうことから、加圧タンク11では
負圧にならない程度に流体材料を加圧している。脱気モ
ジュール12は、ポンプ13と加圧タンク11との間に
設けられ、流体材料の中に溶け込んだ残留空気(溶存酸
素、窒素等)を取り除いている。この残留空気が存在す
ると、少々の圧力変化によって泡が出現してしまうこと
から、例えば、中空糸が中を通るモジュールにて中空糸
の外側を減圧することで、溶存したガスを取り除くよう
に機能している。ポンプ13は、シリンジポンプなどの
容積型定流量ポンプが用いられ、2つの切り換え弁1
4、15に連結され、これらの切り換え弁14、15に
より出口または入口で切り換えられて吸引と吐出を繰り
返している。但し、2方弁からなる切り換え弁14、1
5を設ける代わりに、3方弁を用いることも可能であ
る。
【0020】ポンプ13の出口からダイ18までの配管
には、フィルタ16が設けられる。フィルタ16の材質
として、一般的には樹脂製のものが使用される場合が多
いが、筐体が圧力で変形した場合に圧力測定に基づく吐
出量の調整に際して支障となることから、そのハウジン
グを形成する筐体には変形し難いステンレスが用いられ
る。このフィルタ16は、ポンプ13のピストンから発
生する磨耗紛を除去し、その異物対策として設けられて
いる。
【0021】圧力センサ17は、半導体ゲージ式ダイヤ
フラムセンサ等の高応答、高剛性のものが要求され、応
答速度1ms以下のものが用いられている。本実施の形
態における圧力センサ17では、ステンレスからなるダ
イヤフラムに半導体ゲージからなる歪ゲージが貼られ、
圧力によるダイヤフラムの変形が歪ゲージで電気的に変
換されるように構成されている。歪ゲージとしては、一
般には金属線からなるものが使用されるが、半導体ゲー
ジを使用したものは、この中でも特に感度が高く、ま
た、一般的なブルドン管式圧力計と比較して剛性が高く
(コンプライアンスが小さい)、応答性が高い点に特徴が
ある。また、速い現象を正確に測定することができる点
でも優れている。更に、図1では、圧力センサ17をフ
ィルタ16の出口側に設けているが、フィルタ16の入
口側に設けることも可能である。但し、図1の位置のご
とく液溜まりの生じるダイ18に近い位置に配置するこ
とが好ましい。
【0022】ダイ18は、ステンレスにより構成され、
厚みは約30〜100mm、幅は被塗布物(基板)の幅よ
りも両側とも若干広くなるように設計されている。ま
た、ダイ18の先端は、中央に流体材料を吐出させるス
リット(幅約20〜200μm)を備え、このスリットの
両側には、ダイ18の側端から約45°の角度で突出し
て幅約100〜1000μm程度のリップを形成してい
る。ダイ18に供給される流体材料は、このスリットを
介して基板およびディスペンスロール21に供給され
る。このような形状を有するダイ18は、両サイドに設
けられたスライダ部を介して定盤29に載置され、リニ
アモータによって基板上をスライドしている。また、ス
ライダ部に上下のセンサとアクチュエータが設けられ、
これらによってダイ18の両サイドの高さが調整され、
リップと基板との距離が所定の範囲(例えば約100μ
m程度)に維持される。かかる状態にて、ダイ18が定
盤29上を約50mm/secでスライドし、ダイ18
のスリットから吐出される液体材料をリップで引き伸ば
しつつ、均一な膜厚を維持しながら基板への塗布作業を
実行している。
【0023】ディスペンスロール21は、例えば20〜
100mm程の径からなるロール材であり、長さは少な
くともダイ18の長さより長く構成され、鉄材に所定の
メッキ加工を施したものまたはステンレス材等によって
形成される。図2は、ダイ18とディスペンスロール2
1との位置関係を説明するための図である。ダイ18
は、実際の被塗布物である基板への塗布(実塗布)の前
に、ディスペンスロール21の上部に配置されて予備塗
布を実行する。このディスペンスロール21は、例えば
周速50mm/secで回転しており、この周速は、定
盤29上を移動するダイ18の速度にほぼ一致させてい
る。また、ダイ18とディスペンスロール21との距離
dは、実際に基板上に塗布する実塗布にてダイ18と基
板とで維持される距離に略同等とされている。これによ
り、ディスペンスロール21でのディスペンス時の塗布
(予備塗布)にて、実塗布の条件と同様な条件下にて、圧
力センサ17にて得られた測定値をもとに制御のための
値を得ることができる。尚、このディスペンスロール2
1の代わりに、相対的に移動する板材等に対して予備塗
布を行うように構成することも可能である。予備塗布
は、例えばダイ18の先端(リップ)にある液体材料を均
一にするため等、実塗布とは異なる目的を有するので、
その結果、塗布膜厚、塗布速度等の塗布条件として実塗
布と異なる条件を採用することも可能である。本実施の
形態では、このような予備塗布と実塗布との条件が仮に
大きく異なっても、充分にその効果を発揮させることが
できる。
【0024】次に、制御部30によって実行される塗布
制御方法について説明する。図3(a),(b)は、本実施
の形態が適用される配管系を単純化した系とそのモデル
を説明するための図であり、図3(a)は最も単純化され
た系を示し、図3(b)は図3(a)をモデル化した図を示
している。図3(a)に示すように、最も単純化された系
では、一次遅れの応答として取り扱うことができる(後
述)。吐出液がニュートン液体であれば、図3(b)に示
すマニホールド圧力Pと吐出量(吐出流量)Q'との間に
は、kを圧損係数として、 Q' = P/k という関係が成立する。即ち、配管内の圧力(マニホー
ルド圧力)Pは、ダイ18からの吐出量Q'をほぼ正確に
表しており、これらは比例関係にある。また、圧力セン
サ17で測定された圧力は、配管圧損が無視できる(あ
ったとしてもQ'にほぼ比例するので問題はない)ので、
マニホールド圧力Pを等しいと見なせる。ゆえに、P≒
P'である。以上により、Q→Q'の伝達関数は、Q→P
の伝達関数を求めることで推定することができる。
【0025】今、図3(b)において、q1=P/k、q2
=C・dP/dtとすると、吐出流量Qは
【式1】 となり、ラプラス変換すると、
【式2】 となる。ここで、ゲイン定数K=k、時定数T=k・C
とすると、伝達関数G(s)は、
【式3】 で表される。このK/(1+Ts)は、一次遅れ系を示し
ている。即ち、本実施の形態が適用される配管系では、
入力に対して出力が一次遅れ系のステップ応答で表現で
きる。
【0026】この一次遅れのステップ応答により、流体
材料にエアが混入するエア噛みによる配管系コンプライ
アンスCの変化は、時定数Tによって判定することがで
きる。コンプライアンスCは、 C=ΣCi=C1+C2+… である。ここで、C1+C2+…は、配管のコンプライア
ンスや気泡のコンプライアンス等を示している。気泡の
コンプライアンスは、他の要素と比較して非常に大き
く、その体積にほぼ比例する。
【0027】次に、エア噛みによる塗布異常について説
明する。図4(a),(b)は、ダイ走行開始時とダイ停止
時の吐出流量と膜厚との関係を説明するための図であ
り、図4(a)はダイ走行開始時の時間または距離の変
化、図4(b)はダイ停止時の時間または距離の変化を示
している。図4(a),(b)において、横軸は時間または
距離であり、vはダイ18が定盤29を走行する走行速
度を示している。また、Qは、ダイ18から吐出される
塗布液(流体材料)の吐出流量であり、図には、正常な状
態()とエア噛みがあった状態()とが示されている。
更に、tは、基板に塗布される膜厚を示しており、目標
膜厚に対して、正常な状態()とエア噛みがあった状態
()とでどのような変化が現れるかを示している。
【0028】ダイ18の走行開始と同時にポンプが吐出
を始めるとすると、図4(a)に示すように、正常な状態
()では速やかに一定の目標膜厚に収束するが、エア噛
みがあった状態()では吐出の立ち上がり(吐出流量Q
の立ち上がり)に遅れが生じ、塗布開始時の膜厚にアン
ダーシュート(膜厚の薄い部分)が生じる。一方、ダイ1
8の停止時では、図4(b)に示すように、吐出流量Qに
おいて、エア噛みがあった状態()では正常な状態()
よりも停止後に遅れて吐出される量が多い。即ち、一次
遅れでダラダラと吐出液が出る状態となる。その結果、
エア噛みがあった状態()では、塗布終了端にて厚膜化
する。本実施の形態では、かかるエア噛みがあった状態
()をディスペンスロール21への予備塗布の段階で把
握し、このエア噛み状態を含めて伝達関数を算出し、特
性値を得て各部の制御を実行している。即ち、エア噛み
すると、マニホールド圧力Pの立ち上がりが遅くなり、
吐出流量Qの遅れが大きくなり、塗布異常となる。従っ
て、このマニホールド圧力Pの立ち上がりを測定すれ
ば、エア噛みを検知することができ、吐出流量Qの遅れ
を検知することが可能となる。尚、予備塗布の段階でエ
ア噛み状態を検出した際に、エア抜きバルブ19により
エア抜きを実行した後に、新たな伝達関数を算出して特
性値を得るように構成することもできる。
【0029】図5は、制御部30の構成を示した図であ
る。本実施の形態が適用される配管系を制御する制御部
30は、ダイ18から塗布液を吐出させる際の圧力を測
定する圧力測定部31、圧力波形から伝達関数を得る伝
達関数取得部32、得られた伝達関数から周波数応答を
求める周波数応答算出部33、算出された周波数応答か
ら特性値を求める特性値取得部34を備えている。ま
た、制御対象としてポンプ13の駆動を制御するポンプ
駆動部35、エア抜きバルブ19の開閉を制御するエア
抜きバルブ制御部36を備えている。尚、制御対象とし
ては、例えば切り換え弁14、15等の他、その他の部
位も存在するが、ここではその説明を省略している。ま
た、ダイ18の動きに係る制御等についても省略してい
る。
【0030】図6は、図5に示す制御部30にて、伝達
関数の算出と特性値の推定からポンプ13の動作を制御
する処理の流れを示した図である。まず、制御部30の
ポンプ駆動部35は、ダイ18がディスペンスロール2
1に対峙した状態にて、ポンプ13をステップ状に駆動
する(ステップ101)。このポンプ13をステップ状に
駆動すると、圧力測定部31によって得られる圧力波形
(吐出)のステップ応答は、図に示すようになだらかに上
昇する。伝達関数取得部32では、圧力測定部31にて
得られた圧力波形を時間微分して、図に示すようなイン
パルス入力に対するインパルス応答(伝達関数g(t))を
得る(ステップ102)。周波数応答算出部33では、得
られた伝達関数g(t)を時間軸から周波数軸に変換し、
周波数応答g(ω)を求める(ステップ103)。そして、
特性値取得部34では、得られた周波数応答g(ω)から
ボード線図を作成し、特性値を求める(ステップ10
4)。
【0031】このステップ103に示した周波数応答g
(ω)を求める実際の処理は、計算機上のソフトウェアに
て実行され、伝達関数g(t)は、ある時間間隔の離散値
的な数列h(i)(i=0,…,n−1)として扱われる。こ
のとき、g(ωk)は、
【式4】 で求められる。また、h(i)は、圧力波形の差分を用い
て、
【式5】 と定義される。例えば系が一次応答を近似的に示すこと
が判っている場合、ステップ101に示したステップ応
答波形の幾何学的な処理から特性値(T,K)を求めても
良いが、ステップ104のボード線図より特性値を求め
るのが、より簡便であり、かつ正確である。
【0032】図7は、作成されたボード線図の一般例を
示した図である。ここでは、ゲイン特性が図に示すよう
に近似される。ここで、対象となる周波数応答(G(j
ω))は、
【式6】 となる。定常ゲインから−3dB落ちるところの周波数
(折れ点周波数)をωcとすると、 T=1/ωc で表される。尚、上記は一次遅れ系について説明した
が、より高次の遅れ系であっても図6に示すステップは
同様に適用することが可能である。
【0033】ここで、例えば、系が一次遅れ近似できる
場合に、理想的なステップ状の吐出を実現したいとす
る。このとき、単位ステップ状の吐出を
【式7】 とすると、
【式8】 となる。Q(s)→Q(t)にラプラス逆変換すると、
【式9】 となり、1/Kのステップ入力に先んじて大きさT/Kの
パルスを与えればよいことが判る。即ち、入力を大きさ
T/Kのパルスだけオーバーシュートさせるように構成
すれば、遅れを適切に補正することが可能となる。この
ように一般的に、周波数応答G(jω)が判っていれば、
同様の手法を用いて逆問題を解くことが可能となること
から、本実施の形態によれば、「好ましい吐出量プロフ
ァイル」から「ポンプ13の動作」という逆問題の解
を、求められた伝達関数を利用して容易に求めることが
できる。
【0034】次に、本実施の形態が適用される塗布基板
の製造方法について説明する。図8は、塗布基板の製造
方法の一つとして、液晶ディスプレイに用いられるカラ
ーフィルタの製造方法を示した図である。まず、BM
(ブラックマトリックス)工程にて、Cr薄膜付きのガラ
ス上でフォトレジストをパターニングし、それをマスク
としてCrをエッチングする方法でブラックマトリック
スが形成される(ステップ201)。その後、赤色画素生
成工程(ステップ202)、緑色画素生成工程(ステップ
203)および青色画素生成工程(ステップ204)に移
行する。次に、オーバーコート工程にて保護膜が形成さ
れ(ステップ205)、スパッタ工程にてITO(導電膜)
が成膜され(ステップ206)、その後、切面工程にて切
断面取りが行われ(ステップ207)、最後に検査工程に
て目視検査等が行われて(ステップ208)、カラーフィ
ルタの製造工程が終了する。尚、ステップ205、20
6、207は、このうち1つ以上のステップを省略する
こともある。
【0035】このステップ202からステップ204で
は、ガラス上で各画素の原料となるフォトレジストをパ
ターニングする方法で、カラーであるR(レッド)→G
(グリーン)→B(ブルー)の順に、流体材料だけが異なる
同一工程が3回、繰り返される。例えばステップ202
の工程では、まず、基板の洗浄が行われる(ステップ2
11)。次に、本実施の形態における特徴的な構成であ
るダイコートによる液体材料塗布が実行される(ステッ
プ212)。
【0036】このステップ212のダイコートによる液
体材料の塗布工程では、図1に示すようなダイコート式
塗布装置により、前述した塗布方法による塗布作業が実
行される。即ち、まず、ダイ18をディスペンスロール
21の位置に移動させ、予備塗布が行われる。この予備
塗布の結果、ダイ18の先端(リップ)にある液体材料が
均一化されると共に、この予備塗布の際に圧力センサ1
7によって測定される圧力に基づいて伝達関数が求めら
れる。この予備塗布の段階で把握された伝達関数をもと
に、好ましい吐出量プロファイルに対応するポンプ13
の動作が決定される。そして、ダイ18が定盤29の位
置に移動配置され、例えばダイ18が予備のスライドを
行って高さ調整がなされた後、ダイ18が定盤29上に
置かれた基板上をスライドして塗布作業が行われる。こ
のとき、前述した伝達関数によって決定されるポンプ1
3の動作によって、ダイ18のスリットから液体材料が
吐出される。このような作業手順により塗布されること
で、一般に塗り始め(ダイ18の移動開始時)と塗り終わ
り(ダイ18の停止時)の均一性の制御が難しいダイコー
ト式塗布において、より均一化された塗布が可能とな
る。尚、予備塗布の段階で把握された伝達関数によって
液体材料へのエア噛みが発見された際には、エア抜きバ
ルブ19を操作してエア抜きを実施した後、例えば、再
度、予備塗布を行って伝達関数を求めて塗布動作の条件
を決定した後に、基板への塗布である実塗布を実行する
ように工程を組むことが可能である。
【0037】このステップ212の工程を経た後、塗布
された流体材料を硬化させるために、減圧チャンバーで
溶媒を飛ばした後に、ホットプレートで加熱(50〜1
00℃)してプリベークの工程が実行される(ステップ2
13)。その後、フォトマスクによるプロキシミティ露
光が行われ(ステップ214)、アルカリ現像液によるス
プレー現像がなされる(ステップ215)。そして、自動
検査工程(ステップ216)を経て、再び高温にて焼く工
程、即ち、対流オーブンによる熱硬化の焼成処理(約2
00℃以上で30〜120分程度)がなされる(ステップ
217)。このステップ211〜ステップ217の工程
が3回、繰り返して実行されることで、基板上にR、
G、Bのカラーフィルタが形成された塗布基板を得るこ
とができる。
【0038】以上、詳述したように、本実施の形態で
は、配管系に組み込まれた圧力センサ17を利用して、
間欠塗布動作における、ポンプ13の動作と実際の吐出
量との間の伝達関数を求めた。また、伝達関数の推定
は、実際の塗布動作に先んじて行われるディスペンス動
作中(予備塗布動作中)にて行うことが可能である。更
に、伝達関数の特性値(時定数等)により、塗布異常(配
管の中に気泡が入るエア噛み等)の判定を行っている。
また更に、「好ましい吐出量のプロファイル」から「ポ
ンプ13の動作」という逆問題の解を、求められた伝達
関数を利用して得ている。
【0039】このように、本実施の形態では、例えばデ
ィスペンスロール21における予備塗布の段階にて塗布
異常の検知ができることから、歩留を向上させることが
できる。また、塗布条件(パラメータ)の設定が迅速にで
き、稼働率を向上させることができる。更に、エア抜き
の判定が正確にできることから、適切なタイミングでエ
ア抜きを行うことが可能となり、また稼働率を向上させ
ることができ、塗布液(流体材料)の無駄が削減できる。
また更に、これらの管理を数値により行うことが可能と
なり、作業者の経験や勘が不要となる。
【0040】尚、本実施の形態では、被塗布対象物とし
て、ガラス基板等の平面の基板を例に挙げて説明した
が、この塗布装置、塗布方法等は、ロール状に巻かれた
シート材の塗布にも適用することができる。例えば長尺
であるシート材であっても、一定間隔を空けて所定の距
離で流体材料を塗布する、いわゆる間欠塗布の場合に
は、塗り始めと塗り終わりで膜厚を制御できる本実施の
形態が有効である。かかる態様の場合には、例えば、間
欠塗布の合間にディスペンスロール21にて予備塗布を
行うように構成することができる。また、前回の間欠塗
布を予備塗布と考え、その際に測定された圧力に基づい
て、伝達関数による制御を行うように構成することも可
能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
塗布条件(パラメータ)の設定を迅速に行い、稼働率を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態が適用されるダイコート式塗布
装置の全体構成を示した図である。
【図2】 ダイとディスペンスロールとの位置関係を説
明するための図である。
【図3】 (a),(b)は、本実施の形態が適用される配
管系を単純化した系とそのモデルを説明するための図で
ある。
【図4】 (a),(b)は、ダイ走行開始時とダイ停止時
の吐出流量と膜厚との関係を説明するための図である。
【図5】 制御部の構成を示した図である。
【図6】 制御部にて、伝達関数の算出と特性値の推定
からポンプの動作を制御する処理の流れを示した図であ
る。
【図7】 作成されたボード線図の一般例を示した図で
ある。
【図8】 塗布基板の製造方法の一つとして、液晶ディ
スプレイに用いられるカラーフィルタの製造方法を示し
た図である。
【符号の説明】
11…加圧タンク、12…脱気モジュール、13…ポン
プ、14…切り換え弁、15…切り換え弁、16…フィ
ルタ、17…圧力センサ、18…ダイ、19…エア抜き
バルブ、21…ディスペンスロール、22…ドクターブ
レード、29…定盤、30…制御部、31…圧力測定
部、32…伝達関数取得部、33…周波数応答算出部、
34…特性値取得部、35…ポンプ駆動部、36…エア
抜きバルブ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 301 B05D 7/24 301Z G03F 7/16 501 G03F 7/16 501 Fターム(参考) 2H025 AB16 AB17 EA04 4D075 AC02 AC08 AC73 AC78 AC92 AC95 BB60X BB92X CA47 CA48 DA03 DA06 DB13 DC22 DC24 EA07 EA45 4F041 AA01 AA02 AA05 AA06 AB02 BA10 BA31 BA34 4F042 AA01 AA02 AA07 AA10 BA07 BA12 BA21 BA25 BA27 CB02 CB10 CB11 CB24 DH09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動の関係にある塗布対象に対して
    流体材料を塗布する塗布手段と、 前記塗布対象に前記流体材料を塗布するに先立って前記
    塗布手段を用いた予備塗布を行う予備塗布手段と、 前記予備塗布の際に検出された前記塗布手段の塗布特性
    に基づいて、当該塗布手段による前記塗布対象への塗布
    を制御する制御手段とを備えることを特徴とする塗布装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記予備塗布の際に検
    出された流体材料の圧力変化に基づいて前記塗布手段に
    よる塗布動作と流体材料の吐出量との関係を算出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段により算出される前記関係
    は、前記塗布動作と前記吐出量とによって算出される伝
    達関数であることを特徴とする請求項2記載の塗布装
    置。
  4. 【請求項4】 前記塗布手段は、前記制御手段により算
    出された前記伝達関数に基づいて、好ましい吐出量プロ
    ファイルから塗布動作を決定することを特徴とする請求
    項3記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、算出された前記関係か
    ら得られる特性値により前記塗布手段における塗布異常
    の判定を行うことを特徴とする請求項2記載の塗布装
    置。
  6. 【請求項6】 相対移動の関係にある塗布対象に対して
    スリット状の開口部から流体材料を塗布するダイと、 前記ダイに対して所定のタイミングで流体材料の供給を
    開始し、所定のタイミングで流体材料の供給を停止する
    ポンプと、 前記ポンプから前記ダイに供給される流体材料の圧力を
    測定するセンサと、 前記センサにより測定される圧力から前記ポンプの動作
    と吐出量との間の伝達関数を得ると共に、得られた当該
    伝達関数に基づいて前記塗布対象に対して塗布する際の
    前記ポンプの動作を制御する制御部とを備えたことを特
    徴とする塗布装置。
  7. 【請求項7】 前記塗布対象に対して前記流体材料を塗
    布する前に前記ダイによる予備塗布を行うディスペンス
    部を更に備え、 前記制御部は、前記ディスペンス部にてなされる前記予
    備塗布の段階にて前記センサにて測定される圧力に基づ
    き伝達関数を得ることを特徴とする請求項6記載の塗布
    装置。
  8. 【請求項8】 前記流体材料に含まれるエアを取り除く
    エア抜きバルブを更に備え、 前記制御部は、得られる伝達関数の特性値に基づいて前
    記流体材料にエアが含まれたことを判定し、前記エア抜
    きバルブを動作させることを特徴とする請求項6記載の
    塗布装置。
  9. 【請求項9】 相対移動の関係にある塗布対象に対して
    流体材料を塗布する塗布手段と、 前記塗布手段に対して所定のタイミングで流体材料の供
    給を開始し、所定のタイミングで流体材料の供給を停止
    する流体材料供給手段と、 前記流体材料供給手段の動作に伴う流体材料の吐出量に
    関するデータを測定する測定手段と、 前記測定手段により測定される前記データに基づいて、
    前記流体材料供給手段の動作と前記吐出量との間の伝達
    関数を得ると共に、得られた当該伝達関数に基づいて当
    該流体材料供給手段の動作を制御する制御手段とを備え
    たことを特徴とする塗布装置。
  10. 【請求項10】 所定のタイミングで流体材料を供給し
    所定のタイミングで当該流体材料の供給を停止して、相
    対移動の関係にある塗布対象に対し当該流体材料を塗布
    する塗布方法であって、 前記塗布対象への前記流体材料の塗布に先立ち、当該流
    体材料の供給動作を実行して予備塗布を行い、 前記予備塗布に際してなされた前記流体材料の吐出量と
    前記供給動作との関係を把握し、 把握された前記関係に基づいて前記塗布対象への前記流
    体材料の供給動作を制御することを特徴とする塗布方
    法。
  11. 【請求項11】 前記予備塗布における前記供給動作の
    開始および/または終了のタイミングと前記流体材料の
    吐出量との関係から伝達関数を求め、 求められた前記伝達関数に基づいて、好ましい吐出量プ
    ロファイルから前記塗布対象への供給動作を決定するこ
    とを特徴とする請求項10記載の塗布方法。
  12. 【請求項12】 所定のタイミングで流体材料を供給し
    所定のタイミングで当該流体材料の供給を停止して、相
    対移動の関係にある塗布対象に対し当該流体材料を塗布
    する塗布方法であって、 前記流体材料の供給動作と前記塗布対象に供給される前
    記流体材料の吐出量との間の伝達関数を求め、 求められた前記伝達関数に基づいて前記塗布対象への前
    記流体材料の供給動作を制御することを特徴とする塗布
    方法。
  13. 【請求項13】 前記伝達関数を求める際に、配管系に
    組み込まれた圧力センサにより得られる圧力から前記吐
    出量を得ることを特徴とする請求項12記載の塗布方
    法。
  14. 【請求項14】 前記伝達関数の特性値により、塗布異
    常の判定を行うことを特徴とする請求項12記載の塗布
    方法。
  15. 【請求項15】 塗布対象の基板に対してダイコートに
    より液体材料を塗布する工程と、 前記基板に塗布された前記液体材料を硬化させる工程と
    を含み、 前記液体材料を塗布する工程は、当該液体材料の供給動
    作と吐出量との間の伝達関数を求め、求められた当該伝
    達関数に基づいて好ましい吐出量に対する供給動作を決
    定し、決定された当該供給動作に基づいて前記基板に対
    して当該液体材料を塗布することを特徴とする塗布基板
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 塗布対象の基板を洗浄する工程と、 洗浄された前記基板に対してダイコートにより液体材料
    を塗布する工程と、 前記基板に塗布された前記液体材料を硬化させる工程と
    を含み、 前記液体材料を塗布する工程は、前記基板に対して液体
    材料を塗布する実塗布に先んじて予備塗布を行い、当該
    予備塗布に際して得られた特性に基づいて当該実塗布を
    実行することを特徴とする塗布基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記液体材料を塗布する工程は、前記
    予備塗布の段階で求められた伝達関数に基づいて前記実
    塗布を実行することを特徴とする請求項16記載の塗布
    基板の製造方法。
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