JP4468269B2 - プロセス監視装置及びその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に上下水処理プロセス、排水処理プロセス、浄水プロセス、または化学プロセスなどのプロセス系の異常診断を行なうためのプロセス異常診断機能を有するプロセス監視装置に関する。
近年、上下水道の水量プロセスおよび水質プロセスや、化学プロセスなどのプロセス系においては、制御目的の多目的化や多様化に伴って、プロセス制御方法として、従来用いられていたPID制御方法やシーケンス制御方法に加えて、様々なアドバンスト制御方法(高度に改良された制御方法)が用いられるようになってきている。
例えば、下水処理プラントにおいては、従来の有機物除去のみの要求から、窒素やリンなどの河川への放流規制が義務付けられるようになりつつある。さらに、運転コストなどの経済的なコスト低減や省エネルギーなども求められるようになってきている。これら全ての要請に対して、従来のPID制御やシーケンス制御のみで応えることは困難であるため、アドバンスト制御の導入が必須になってきている。
アドバンスト制御方法としては、様々な方法が提案されている。しかし、実際のプロセス制御系での実現の容易さを考慮した場合、従来のPID制御やシーケンス制御を拡張したアドバンスト制御方法が有効である(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、アドバンスト制御方法を、実際のプロセス系に適用するためには、センサやアクチュエータが正常に動作し、かつ、プロセス状態に関する正しい情報の出力やプロセスへの正しい入力が行われていることが必須条件である。
従って、センサやアクチュエータの故障時には、これを検知して、プロセスの制御を適切に切り替える必要がある。また、このような機器の異常だけでなく、プロセスの外部状況が急激に変化する様な場合や、プロセス自身が異常を起こす様な場合にも、その状況に応じてアドバンスト制御を切り替えていくことが、アドバンスト制御のもつ潜在能力をより有効に発揮させることにつながる。
このような背景から、アドバンスト制御方法を実現するためには、様々なプロセスの異常や外部状況変化を検出するようなプロセスの診断機能、特にプロセスの異常診断機能を有するプロセス監視装置が重要である。要するに、プロセス監視装置は、センサやアクチュエータなどの機器の異常、プロセス自体の異常、プロセス突発外乱などをより正確に検出できる機能を備えて、プロセスの現実的かつ適切な制御を可能にすることにある。従って、プロセス監視装置においても、よりアドバンストな監視方法の適用が好ましい。
近年、アドバンストなプロセス監視方法としては、多変量統計解析手法を用いた多変量統計的プロセス管理(MSPC:Multivariate Statistical Process Control)が周知である。この方法は、ケモメトリクス手法と呼ばれることもあり、化学プロセスの分野で発展してきた技術である。このMSPCの中で、最も基本的であり、かつ有効な異常診断方法として、主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)を利用した異常診断方法がある(PCAについては、例えば、非特許文献1を参照)。
PCAは、通常では、(1)プロセスの異常や状況変化の検出、(2)その要因となる計測変数の特定、(3)真の要因の特定、(4)その状況への対策という手順をとる。この一連の手順において、最初に行うプロセスの異常や状況変化の検出をできる限り素早く、また正確に行うことが、この方法の実用化に際してキーポイントとなる。この理由としては、(1)異常等の状況変化は時間が経過してから検出しても意味が無いことが多く、また時間が経過してからであれば、このような監視システムが無くても人間が状況変化を察知できる。また、(2)異常等の要因特定は、異常等のイベントが生じてから時間が経過してしまうとなかなか行うことができないが,異常等のイベントが生じた直後であれば比較的容易に行える。さらに、(3)異常等の要因特定処理は、正しく異常などの検出ができれば、一連の数学的処理によって行えるが、異常と正常の違いをその限界付近で精度よく見極めることは極めて困難である。
以上のように、プロセスの異常や状況変化の正確な検出が、PCA(MSPC)の実用化にあたっては必須である。通常のPCA(MSPC)では、当該検出方法として、統計的プロセス管理(SPC:Statistical Process Control)と呼ばれる一つの変数(変量)の異常を判断するための手法を多変量に拡張して用いられている。このSPCでは、基本的な統計的手法によって異常判断が行なわれる。この様な基本的な統計手法によって判断できるような異常は、一般的に目視によっても行える様な比較的簡単なものである。
しかし、実際のプロセス監視においては、ユーザであるプロセス運転員やプロセス管理者が要求する情報は、前記のような簡単な異常に関するものではなく、ユーザが判断に迷う様な状況においての異常・正常の判断に必要な情報である。このようなユーザのニーズに対する要求と実際に存在する手法のギャップを埋めるために、様々な改善手法が提案されている。例えば、以下の様な方法がある。
(1)PCAに非線形性を導入した非線形PCAを利用する方法、(2)PCAを時間と共に更新させていく適応型PCAを利用する方法、(3)多重解像度解析を導入した多重解像度PCAを利用する方法、(4)プロセスのダイナミクスを考慮したダイナミックPCAを利用する方法である。しかしながら、これらの方法には、それぞれ特有の効果と同時に、以下のような問題点もある。
(1)非線形PCAは、非線形性が著しく強い多変量データに対して有効であるが、非線形性があまり強くない多変量データに対しては、それほど有効でない。また、非線形PCAは通常のPCAと比べて複雑な構造となっており、データを簡略化して表現することを目的とするPCAに複雑さを導入することになる。
(2)適応型PCAは、非定常のデータに対して有効であるが、適応更新則によりあまり頻繁にPCAモデルの更新を行うと、本来見分けるべき正常・異常の判断がつかなくなる可能性がある。
(3)多重解像度PCAは、データを時間的な変動の速さに応じて分割してPCAを適用するため、異常検出精度の向上が一般に認められる。しかし、多重解像度解析は1つのデータをN(>1)個のデータに拡張する手法であるのに対して、PCAはM(>>1)個のデータをL(<<M)個のデータに圧縮する方法であるため、多重解像度PCAは、PCAの目的の一つである情報圧縮に反することになる。このため、PCAによるプロセス監視のメリットが減少することになる。
(4)ダイナミックPCAは、プロセスの状態や操作量を示すプロセスデータにダイナミックな特性がある場合に有効であるが、あまり複雑なダイナミクスを導入すると、監視モデルが複雑化するだけでその効果が向上しない。
特開2004−171531号公報 加納 学、"主成分分析"、2002年5月第2版、京都大学大学院工学研究科化学工学専攻プロセスシステム工学研究室、[2005年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www-pse.cheme.kyoto-u.ac.jp/kano/document/text-PCA.pdf>
前述のようなPCAを利用するプロセス管理方法は、プロセス監視の異常診断精度の向上を目的としているが、異常診断における異常検出の精度向上を目的としているわけではない。即ち、PCAを利用する異常診断方法の手順の中で、前述の(1)プロセスの異常や状況変化の検出の手順に、特別の焦点を当てたものではない。しかしながら、異常診断の実用化においては、当該手順が異常診断のためのボトルネックであり、この部分の精度向上が重要である。
そこで、本発明の目的は、PCAを利用するプロセス系の異常診断機能を備えたプロセス監視装置において、異常診断における異常検出精度を向上できるようにして、実際的かつ有用なプロセス監視装置を提供することにある。
本発明の観点は、特にPCAを利用するプロセス系の異常診断機能を有し、当該PCAとウェーブレット変換を組み合わせた異常検出処理を行なうプロセス監視装置である。
本発明の観点に従ったプロセス監視装置は、対象プロセスの状態または操作量を計測する計測手段と、前記計測手段から得られる計測結果を示すプロセス時系列データを保存するデータ保存手段と、前記データ保存部に保存された前記プロセス時系列データを使用して、主成分分析方式によるプロセス監視モデルを構築するモデル構築手段と、前記プロセス監視モデル及び前記プロセス時系列データを使用して、Q統計量またはホテリングT分散の統計量データを算出する計算手段と、前記計算手段により算出された前記統計量データに対して、ウェーブレット変換処理を実行し、複数の時間関数データに分解するデータ分解手段と、前記データ分解手段から得られる複数の時間関数データに基づいて、前記対象プロセスの時間的変化の速さが異なる状況での異常を診断する異常診断手段とを備えた構成である。
本発明によれば、PCAを利用するプロセス系の異常診断機能を備えたプロセス監視装置において、異常診断に必要なPCAでの統計量データからプロセス系の異常検出を高精度に行なうことができる実際的かつ有用なプロセス監視装置を提供できる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(システム構成)
図1は、第1の実施形態に関するプロセス制御システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態に関するプロセス制御システムは、例えば窒素及びリンの除去を目的とした下水処理プロセス1を対象とし、プロセス計測データ収集・保存部2を含むプロセス監視装置10を有する。なお、本実施形態に関するプロセス監視装置10は、下水処理プロセスに限定されるものではなく、化学プロセス等の他のプロセスにも適用できる。
下水処理プロセス1は、最初沈澱池101、第1嫌気槽102、第2好気槽103、第3無酸素槽104、第4好気槽105、及び最終沈澱池106を有する。また、下水処理プロセス1は、引き抜き流量センサを含む最初沈澱池余剰汚泥引き抜きポンプ111、投入量センサを含む酢酸系有機物を供給する酢酸投入ポンプ112、ステップ流入量センサを含むステップ流入ポンプ113、供給空気流量センサを含む第2好気槽に酸素を供給するブロワ114、投入量センサを含む炭素源(有機物)を供給する炭素源投入ポンプ115、循環流量センサを含む循環ポンプ116、返送流量センサを含む返送汚泥ポンプ117、および供給空気流量センサを含む第4好気槽に酸素を供給するブロワ118、投入量センサを含む凝集剤投入ポンプ119、及び引き抜き流量センサを含む最終沈澱池余剰汚泥引き抜きポンプ1110のそれぞれを、アクチュエータおよびその操作量センサ群として有する。
さらに、下水処理プロセス1は、流入下水量を計測する下水流入量センサ121、流入下水に含まれる全窒素量を計測する流入TNセンサ122、流入下水に含まれる全リン量を計測する流入TPセンサ123、流入下水に含まれる有機物量を計測する流入UVセンサあるいは流入CODセンサ124、第1嫌気槽102のリン酸濃度を計測するリン酸センサ125、第2好気槽103のアンモニア濃度を計測するアンモニアセンサ126、第2好気槽103の溶存酸素濃度を計測するDOセンサ127、及び第3無酸素槽104の硝酸濃度を計測する硝酸センサ128を有する。
また、下水処理プロセス1は、第1嫌気槽102、第2好気槽103、第3無酸素槽104、第4好気槽105の少なくとも1ヶ所の槽で活性汚泥量を計測するMLSSセンサ129、第4好気槽105のリン酸濃度を計測するリン酸センサ1210、第4好気槽105の溶存酸素濃度を計測するDOセンサ1211、第4好気槽105のアンモニア濃度を計測するアンモニアセンサ1212、最終沈澱池106から引き抜かれる汚泥量のMLSS濃度を計測するMLSSセンサ1213、最終沈澱池106から放流される放流水のSS濃度を計測するSSセンサ1214、放流下水量を計測する下水放流量センサ1215、放流下水に含まれる全窒素量を計測する放流TNセンサ1216、放流下水に含まれる全リン量を計測する放流TPセンサ1217、および放流下水に含まれる有機物量を計測する放流UVセンサあるいは放流CODセンサ1218のそれぞれをプロセスセンサとして有する。
ここで、前述の各種アクチュエータ111〜1110は、所定の周期で動作している。また、各種アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群、および各種プロセスセンサ121〜1218は所定の周期で計測を行っている。
(プロセス監視装置の構成)
プロセス監視装置10は、各種アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群、および各種プロセスセンサ121〜1218から所定の周期で得られるプロセスデータ(プロセス計測データ)を収集し、保存するプロセス計測データ収集・保存部2を有する。
さらに、プロセス監視装置10は、プロセス通常データ抽出部3と、プロセス監視モデル構築部4と、プロセス監視部5(A,Bの2種類を含む)と、プロセス診断部6と、プロセス非通常要因センサ特定部7と、プロセス非通常要因推定部8と、ユーザインターフェース部9とを含む。
プロセス通常データ抽出部3は、プロセス計測データ収集・保存部2に保存された各種時系列データの中から、予め定義された通常状態のデータを抽出する。プロセス監視モデル構築部4は、プロセス通常データ抽出部3により抽出されたプロセスの通常状態のデータに対して、前述の主成分分析(PCA)を施すことにより、PCAのローディング行列(負荷行列)で表されるプロセス監視モデルを構築する(後述する図8を参照)。
プロセス監視部5は、Aタイプのプロセス監視部51及びBタイプのプロセス監視部52を含む。プロセス監視部51は、プロセス監視モデル構築部4で構築したプロセス監視モデルを使用し、後述する統計量データを算出する。具体的には、プロセス監視部51は、プロセス計測データ収集・保存部2から得られたプロセスの計測データをプロセス監視モデルに入力し、統計的誤差指標であるQ統計量(Q誤差)または統計的分散指標であるホテリング(Hotelling)のT分散(以下単にホテリング分散と表記する場合がある)の少なくともいずれか一方を統計量データとして算出する。一方、プロセス監視部52は、プロセス監視部51により算出されたQ統計量またはホテリング分散に対して、ウェーブレット変換(離散ウェーブレット変換)を施すことにより、これらのデータを複数の解像度毎にデータ分解する。
プロセス診断部6は、プロセス状況判断基準部61及びプロセス状況判断部62を含む。プロセス状況判断基準部61は、予め設定した通常のプロセス状態から乖離していることを判断する。一方、プロセス状況判断部62は、プロセス状況判断基準部61から供給されたプロセス状況判断に基づいて、プロセス監視部52からの複数の解像度毎のQ統計量やホテリング分散の統計量データである時系列データからプロセスの状況を判断する。
プロセス非通常要因センサ特定部7は、プロセス状況判断部62によりプロセスが通常状態(正常)でないと診断されたときに、その要因となる少なくとも一つ以上のアクチュエータ111〜1110の操作量センサ群あるいはプロセスセンサ121〜1218を特定する。プロセス非通常要因推定部8は、プロセス非通常要因センサ特定部7により特定された情報に基づいて、予め知識処理などを行っておくことにより、何故そのようなセンサ情報が出力されるかを推定する。
ユーザインターフェース部9は、各種の情報を表示出力するための表示部を含み、プロセス監視部52、プロセス状況判断部62、プロセス非通常要因センサ特定部7、及びプロセス非通常要因推定部8の少なくともいずれか一つ以上の情報をオペレータに通知する機能を有する。
(第1の実施形態の作用)
次に、図1と共に、図2から図9を参照して、プロセス監視装置10の動作を説明する。
まず、下水処理プロセス1では、アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群あるいはプロセスセンサ121〜1218により、所定の周期でプロセスの情報が計測されている。プロセス計測データ収集・保存部2は、予め決められたフォーマットに従って、当該計測結果である時系列データを保存する。
以下、図9のフローチャートを参照して、プロセス監視装置10の処理手順を説明する。
プロセス通常データ抽出部3は、プロセス計測データ収集・保存部2に保存された各種時系列データの中から、予め定義された通常状態のデータ、即ち通常の運転範囲内であると判断される時系列データを抽出する(ステップS1)。具体的には、プロセス通常データ抽出部3は、例えば予め決定された操作量やプロセス量の通常範囲に属している時系列データのみを取り出す。この際、通常範囲に含まれる多様なデータを抽出する。
また、データに欠測データや異常データが含まれていたり、あるいはデータがノイズで乱されている様な場合には、予めこれらのデータに対して前処理を施しておくことが望ましい。具体的には、ノイズに対してはFIRフィルタやIIRフィルタなどのデジタルフィルタを使用した信号処理を行う。異常データに対しては、メジアンフィルタやウェーブレットフィルタなどを用いて、データの中から本当のプロセス情報であると思われる情報を抽出する。
プロセス通常データ抽出部3は、抽出した時系列データを、横(行)方向にアクチュエータ111〜1110の操作量センサ群及びプロセスセンサ121〜1218に対応する変量を設定し、縦(列)方向に時間を設定した行列Xとして保存する。
次に、プロセス監視モデル構築部4は、プロセス通常データ抽出部3により抽出されたプロセスの通常状態のデータに対して、PCAを使用したデータ分解処理を実行し、PCAのローディング行列(負荷行列)で表されるプロセス監視モデルを構築する(ステップS2)。
Figure 0004468269
また、前記式(2)は、元のデータ行列を図2に示すように分解することに相当する。
以上のように分解されたデータに対して、ローディング行列PがQ統計量やホテリング分散である統計量データを計算するために用いられるプロセス監視モデルとなる。
ここで、プロセス監視モデル構築部4は、通常のPCAの代わりに、非線形PCAを使用してプロセス監視モデルを構築する構成でもよい。この場合には、ローディング行列Pの代わりに、スプライン関数やニューラルネットワークで用いられるシグモイド関数などの非線形関数がスコアに対して作用されることになる。また、プロセス監視モデルを、所定の周期あるいは所定のタイミングあるいはオペレータの指令によって更新する適応型PCAを使用してもよい。さらに、データ行列Xに同じ変量のデータの時刻をずらせたデータを含ませたダイナミックPCAとして適用することも可能である。下水処理プロセス1が複数の系列から構成されている様な場合には、各系列毎にPCAを適用して、これらのPCAを使用して算出するQ統計量やホテリング分散に対して、さらに一つのPCAを適用するという階層型のマルチブロックPCAを使用してもよい。また、下水処理プロセス1が、図1に示す様な連続型(CSTR型)のプロセスではなく、バッチ処理型のプロセスである場合には、マルチウェイPCAを使用することも可能である。以上のように、プロセス監視モデル構築部4は、通常範囲のデータに対して、各種のPCAを使用してプロセス監視モデルを構築する。
次に、プロセス監視部5は、プロセス監視モデル構築部4で構築されたプロセス監視モデルを使用して、プロセス監視を実行する。ここで、監視するプロセス変数は、アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群あるいはプロセスセンサ121〜1218そのものではなく、これらのセンサの出力データから新たに生成されたQ統計量あるいはホテリング分散(T分散)であり、少なくともいずれか一方である。
通常では、Q統計量及びホテリング分散の両方を監視し、必要に応じて他の変数である例えばアクチュエータ111〜1110の操作量センサ群あるいはプロセスセンサ121〜1218の中の重要なセンサ情報そのものや、PCAによって計算されたスコア(後述する)を平面上にプロットして監視することもできる。
プロセス監視部5において、プロセス監視部51は、プロセス計測データ収集・保存部2からの時系列データ及びプロセス監視モデル構築部4で構築されたプロセス監視モデルを使用して、Q統計量(SPE)及びホテリング分散(T)である統計量データを、下記式(3)及び(4)に示す計算式により算出する(ステップS3)。
Figure 0004468269
Figure 0004468269
ここで、アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群あるいはプロセスセンサ121〜1218において、ある時刻(t)のセンサ出力値をベクトルx(t)とする。また、Λは、主成分分析による各主成分の分散を対角要素として持つ行列であり、分散を正規化していることを意味する。また、Ιは適当なサイズの単位行列である。
前記の計算式で計算されるSPE(t)やT(t)はスカラー値であるので、この値をトレンドグラフとして表示することでプロセス監視を行うことができる。また、予め計算しておいた上下限の限界値も、同時にプロットすることもできる。図3は、この概念を示す図である。図3に示すように、上下限値を設けて、その限界値を超えた場合に通常状態で無い(異常)であると判断する方法が通常のPCAによるプロセス監視方法である。
図8は、PCAを利用する異常診断の原理を説明するための概念図である。
PCAでは、座標軸どうしの直交性を保ったまま、データのばらつき(分散)方向に差座標軸を取り直す。最も分散の大きい方向の軸を第1主成分軸と呼び、順に第2主成分軸、…第n主成分軸と呼ぶ。PCAを適用する変量間に何らかの相関がある場合には、データが殆ど分布しない方向(分散が小さい方向)がある。そこで、ある一定値以上の分散を持つ主成分軸からなる超平面を定義すると、データはその超平面付近に分布する。
この超平面の次数は、前記式(2)に示すPに対応しており、図8ではP=2の平面である。前記式(2)で定義したローディング行列Pは、この超平面を構成する主成分軸を表現する行列である。また、スコア行列Tは、超平面上でのデータの位置を示す行列である。
前記式(3)で表されるQ統計量は、診断データが図8の平面から乖離している距離を表すスカラ量である。正常時のデータのQ統計量は、ある微小範囲内で変動する。従って、例えばQ統計量にある閾値を設定することによって、正常または異常の判断を行うことができる。一方、前記式(4)で表されるホテリング分散統計量は、各主成分軸の分散を正規化した上で、図8の平面上でのデータのばらつきを表す量である。正常時データのホテリング分散統計量も、ある一定範囲で変動するため、Q統計量と同じ方法で正常または異常の判断を行うことができる。図8で異常と示したデータは、Q統計量やホテリング分散統計量の値が通常時から外れた場合を例示したものである。
以上のようなPCAによるプロセス監視方法だけでは、実際のプロセス異常を診断するためには不十分である場合が多い。そこで、本実施形態のプロセス監視装置10では、プロセス監視部5は、プロセス監視部51に加えて、プロセス監視部52を含む構成である。
図4(A),(B)は、プロセス監視部51のみを使用したプロセス監視では不十分である場合の具体例を示す。図4(A),(B)は、下水処理プロセス1の返送汚泥ポンプ117が故障した場合のQ統計量をプロットしたものである。同図(A)は、返送汚泥ポンプ117の容量が半分になってしまった場合を想定したものである。同図(B)はポンプ117の流量がドリフトした場合を想定したものである。
ここで、通常状態においても返送汚泥ポンプ117は、例えば流入量に対する比率を一定に保つ流入比率一定制御などで制御が行われており、ある程度の変動幅を持っている。従って、異常と正常の限界値は、例えば図4に示したような値(横線)で設定しておかなければならない。しかし、同図(B)に示すように、このように設定された限界値のもとでは、実際にポンプの流量がドリフトする様な異常を検出することができていない(符号400を参照)。また、同図(A)に示すように、ポンプ容量が半容量になった場合の異常は検出できているものの(符号400を参照)、異常発生後しばらく時間が経過してからでなければ、その異常を検出することができない。
このように、通常のPCAを用いたプロセス監視では、検出できないような異常があったり、あるいは検出できたとしても、異常発生後しばらく時間が経過してからでないとその異常がわからなかったりすることがある。このことは、以下の様な問題を引き起こすことが推測される。
第1に、検出できない異常(隠れた異常)が積み重なって、長期的にプロセスに悪影響を与える可能性が高い。第2に、異常検出が遅れることによって、異常要因を特定できなくなる場合がある。これは、例えばある機器の故障が時間の経過とともにプロセスの様々な部分に影響を与えるため、ある程度時間が経過すると、本当の要因を特定することが困難になるためである。従って、異常発生直後に、プロセスの他の部分に影響が及ぶ前に異常検出をしておくことは、異常要因の特定のために必須のことである。第3に、そもそも時間が経過してから異常が検出できるのは当然であり、このような異常はある程度経験のあるオペレータならば監視システムが無くてもわかるものである。従って、オペレータがはっきりと認識できるような異常であれば、プロセス監視システムを導入する意味は無いことになる。
ここで、図4(B)に示すように、正常と異常の上限値が設定されていれば、目視により、異常が生じていることはわかる。また、図4(A)に示すように、限界値を超える前に異常が生じていることは明らかである。これは、オペレータなどは、通常の変動と異常時の変動を見分けているからであると考えられる。このような変動を見分けられる理由は色々と考えられるが、主たる理由の一つとして変動の速さが異なることが挙げられる。即ち、図4(B)に示すように、流量のドリフトは比較的緩やかであるのに対し、日常の変動は日常の負荷状況に左右されるためより激しい。従って、このような変化の早さに注目して信号を分解することができれば、異常と正常をより正確に見分けることが可能になると考えられる。
このような通常のPCAによるプロセス監視システムに対して、本実施形態のプロセス監視部5は、プロセス監視部51に加えて、プロセス監視部52を備えている。プロセス監視部52は、離散時間ウェーブレット変換による多重解像度解析を使用して、Q統計量やホテリング分散の統計量データを複数の信号に分解する(ステップS4)。
図5(A)〜(D)は、プロセス監視部52による信号分解の概念を示す図である。図5(A)は、同図(B)〜(D)に示す信号を合成した信号波形を示し、Q統計量やホテリング分散の統計量データ信号に対応するものである。図5(B)は、例えば日常の変動を示す信号波形を示す。図5(C)は、例えばセンサのノイズに対応する信号波形を示す。図5(D)は、なんらかの異常信号に対応する信号を示す。
ここで、図5(A)に示すそのまま監視している場合には、どの時点で異常が生じているのかを検知することは困難である。これに対して、図5(A)に示す信号波形が同図(B)〜(D)に示す信号に分解されていれば、図5(D)に示す異常信号により、どこの時点で異常が生じたかを、明確に検知することができる。
プロセス監視部52は、離散ウェーブレット変換を用いて、統計量データを複数の信号に分解する。離散ウェーブレット変換には、そのマザーウェーブレットの選び方によって様々な種類のものがある。本実施形態の離散ウェーブレット変換では、マザーウェーブレットの種類には特に限定されない。具体的には、最も簡単なHarrウェーブレットを用いれば良い。但し、マザーウェーブレットの種類に従って、フィルタバンクとして構成される要素フィルタのローパスフィルタとハイパスフィルタの構成が変化する。以上の様な方法によって、プロセス監視部5によりプロセス監視処理が実行される。
次に、プロセス診断部6は、プロセス状況判断基準部61及びプロセス状況判断部62を含み、所定の診断ルールに基づいてプロセスの異常診断処理(正常または異常の判断)を実行する(ステップS5)。プロセス状況判断基準部61は、解像度毎に分解された複数のQ統計量やホテリング分散に対して、図3又波図4に示すような限界値を予め設定し、予め設定した通常のプロセス状態から乖離していることを判断する。この場合、判断レベルとして、警告レベル(WL)と限界レベル(CL)を設定することが望ましい。
一方、プロセス状況判断部62は、プロセス状況判断基準部61から供給されたプロセス状況判断(判断レベル)に基づいて、例えば以下の様な診断ルールに基づいて正常と異常を判断する。具体的には、プロセス状況判断部62は、異常診断ルールとして、一点が限界レベル(CL)を超えたときには異常であると判断する。また、異常診断ルールとして、連続する3点のうち、2点以上が警告レベル(WL)を超えたときには異常であると判断する。また、異常診断ルールとして、連続する5点のうち4点以上が1標準偏差を超えたときに異常であると判断する。また、異常診断ルールとして、連続する8点のデータが単調増加あるいは単調減少する場合には、異常であると判断する。さらに、異常診断ルールとして、非ランダム性を持つなんらかのパターンが現れた場合には、異常であると判断する。あるいは、プロセス状況判断部62は、解像度毎に分解された複数のQ統計量やホテリング分散に対して、必要であれば累積総和(CUSUM)チャートなどのさらなる処理を実行する構成でもよい。要するに、以上のような手順によって、プロセスの通常状態と非通常状態とを識別することができる。
次に、プロセス非通常要因センサ特定部7は、プロセス状況判断部62によりプロセスが非通常状態であると診断されたときに、その要因となる少なくとも一つ以上のアクチュエータ111〜1110の操作量センサ群あるいはプロセスセンサ121〜1218を特定する(ステップS6)。即ち、具体的には、図6に示すように、異常と判断された(分解された)Q統計量あるいはホテリング分散に対する寄与プロットを行うことによって、その要因となるセンサを特定する。図6では、各バーグラフは、アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群及びプロセスセンサ121〜12181に対応している。このバーの長いものが、非通常状態である要因となるセンサであると推定される。但し、ここでは必ずしも、図6に示すような一つの要因だけが大きくなっているとは限らない。例えば、図7に示すように、いくつかのセンサが通常状態で無いと推定される場合がある。このような場合には、プロセス非通常要因センサ特定部7は、複数のセンサを要因として特定する処理を実行する。
次に、プロセス非通常要因推定部8は、プロセス非通常要因センサ特定部7により特定されたセンサ情報に基づいて、このプロセスの本当の異常要因を推定する(ステップS7)。プロセス非通常要因推定部8は、具体的には、例えばエキスパートシステムにより推論を実行する構成である。プロセス非通常要因推定部8は、例えば、図6に示すように、ある一つのセンサだけが傑出して大きな値を示している場合には、そのセンサの故障であると推定する。また、プロセス非通常要因推定部8は、センサによっては故障信号を出すことができる様になっているものも多いので、そこから得られる故障信号との論理和あるいは論理積などを取ることによって、センサの異常を特定する。
更にまた、図7は、アンモニアを除去する硝化菌という微生物が活動しなくなった硝化阻害と呼ばれる現象が生じた場合の図であるが、この場合,硝化が行わなくなるためにアンモニアの濃度が高くなり、また硝化菌が活動しなくなるので、その活動に必要な酸素量が小さくなり、結果として溶存酸素濃度が高くなっている。プロセス非通常要因推定部8は、以上のようなプロセス知識に基づいて、予め「アンモニア濃度が高くかつ溶存酸素濃度が高い場合には硝化阻害の可能性がある」などのルールを作成し、当該ルールに基づいてその要因を推定する。
そして、ユーザインターフェース部9は、各種の情報を表示出力するための表示部を含み、プロセス監視部52、プロセス状況判断部62、プロセス非通常要因センサ特定部7、及びプロセス非通常要因推定部8の少なくともいずれか一つ以上の情報をオペレータに通知する。これにより、オペレータは、プロセス監視結果を確認することができる。
以上のように本実施形態のプロセス監視装置であれば、多変量統計解析を用いた多変量統計的プロセス管理(MSPC)の異常検出方法(プロセス監視部5)として、ウェーブレット変換を用いた多重解像度解析を適用することにより異常検出の精度を高めることができる。従って、結果として異常要因となるセンサの特定や、プロセスの本当の異常要因の推定を容易に行なうことが可能となる。また、異常検出精度の向上により、オペレータなどが通常判断に迷う様な早期の異常検出が可能になり、プロセス監視装置としての実際的な価値を高めることができる。さらに、監視モデルに非線形性やダイナミクスを持たせることにより、非線形性の強いプロセスやダイナミックな特性を考慮すべきプロセスに対しても、精度の高い異常検出とその要因推定が可能になる。
要するに、本実施形態のプロセス監視装置によれば、PCAとウェーブレット変換とを組み合わせた異常診断処理を実行することにより、高精度の異常検出とその要因推定を実現することができる。従って、下水処理プロセスなどの化学プロセスに適用すれば、プロセスの異常診断や状況判断での精度を向上することができるため、結果として実用的かつ有用性の高いプロセス監視装置を提供することができる。
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態に関するプロセス制御システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態のプロセス監視装置10は、外部入力計測データ収集・保存部2Aと、プロセスセンサ異常診断部300と、外部入力センサ異常診断部400と、手分析データ保存部500と、プロセス最適化部600と、制約条件設定部700と、最適評価関数設定部800と、ローカル制御部900とを有する。なお、これ以外の構成は、前述の図1に示すシステムと同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
外部入力計測データ収集・保存部2Aは、各流入下水センサ121〜124で計測された計測結果を外部入力として、流入下水量と流入下水水質の時系列データを収集し保存する。プロセスセンサ異常診断部300は、プロセス計測データ収集・保存部2から所定の周期で供給されるプロセス計測データ(時系列データ)に基づいて、プロセスセンサ125〜1218の異常を診断する。外部入力センサ異常診断部400は、外部入力計測データ収集・保存部2Aから所定の周期で供給される外部入力計測データ(時系列データ)に基づいて、各流入下水センサ121〜124の異常を診断する。手分析データ保存部500は、主に下水流入水質の手分析データを保存している。
制約条件設定部700は、保存量制約設定部710と、出力制約設定部720と、操作量制約設定部730とを含む。保存量制約設定部710は、プロセスのマスバランスあるいはエネルギーバランス等の保存量に関する制約条件を設定する。出力制約設定部720は、プロセスの出力である水質や水量の規制値などの制約条件を設定する。操作量制約設定部730は、プロセスの入力である操作量のリミットや操作量変化率のリミット(Δリミット)などの制約条件を設定する。また、最適評価関数設定部800は、プロセスの最適性を定量的に定義した評価関数を設定する。
プロセス最適化部600は、最適評価関数設定部800により設定された評価関数と、制約条件設定部700で設定された各種の制約値とに基づいて、各アクチュエータ111〜1110の最適操作量、及びプロセスセンサ125〜1218から計算されるプロセス被制御量の最適目標値を計算する。この場合、プロセス最適化部600は、各流入下水センサ121〜124から得られた各種流入下水水質と流入下水水量のデータを、外部入力計測データ収集・保存部2Aを通して入力する。
ローカル制御部900は、プロセス計測データ収集・保存部2において収集されてプロセスデータと、プロセス最適化部600から供給される最適目標値とを入力とし、各アクチュエータ111〜1110の操作量を計算するローカル制御部910〜910Nを含み、N個の複数のモード毎に切り替える機能を有する。
次に、本実施形態のプロセス監視装置の動作を説明する。
まず、前述したように、下水処理プロセス1では、各アクチュエータ111〜1110の操作量センサ群、及び各種プロセスセンサ121〜1218により所定の周期でプロセスデータが計測されている。これらの計測データは、プロセス計測データ収集・保存部2及び外部入力計測データ収集・保存部2Aにより、例えば流入下水に関するセンサ群とそれ以外のセンサ群とに区別されて、予め決められたフォーマットに従って時系列データとして保存されている。
次に、プロセスセンサ異常診断部300は、プロセス計測データ収集・保存部2から所定の周期で供給される時系列データに基づいて、プロセスセンサ125〜1218の異常を診断し、前述のプロセス診断部6と同様に、プロセスの通常状態と非通常状態との判断を実行する。プロセスセンサ異常診断部300は、判断結果が非通常状態(異常)の場合には、その異常要因となるセンサを特定する。一方、同様な方法で、外部入力センサ異常診断部400は、流入下水に関するセンサについて通常状態と非通常状態との判断を実行し、非通常状態(異常)の場合には、その異常要因となるセンサを特定する。
次に、制約条件設定部700では、保存量制約設定部710は、下水処理プロセス1で生じる生物反応や、水流あるいは酸素供給を考慮して、物質量の収支を保存するように構成された(非線形代数方程式で表される)プロセスモデルの定常状態でのモデルを、等式制約条件として組み込んでいる。また、出力制約設定部720は、水質の上下限値を不等式制約条件として組み込んでいる。操作量制約設定部73は、操作量の上下限値を不等式制約条件として組み込んでいる。
ここで、等式制約条件のモデルは、物質量保存を計算するために流入下水の水量および各種水質の入力を必要とする。保存量制約設定部710は、外部入力センサ異常診断部400によって各種センサ121〜124が正常であった場合には、これらのセンサによって計測されるデータから平均値や、所定の周期の中央値あるいは最大値などの代表値を取り出すことによって、流入下水の水量および各種水質の値を入力する。一方、外部入力センサ異常診断部400で、各種センサ121〜124のいずれかが異常であると判断された場合には、そのセンサで計測されている水質の代わりに、手分析データ保存部500から、手分析により計測された水質を入力する。また、流量センサ121が故障している場合には、放流量センサ1215の値を入力するか、あるいはデータリコンシレーション手法を用いて推定した流入量を入力する。以上の動作により、制約条件設定部700の制約条件設定が完了することになる。
次に、最適評価関数設定部800は、プロセス最適化を行うための最適な評価関数を設定する。この評価関数は、定量的に評価できるものであればどのような評価でも構わないが、例えば下記式(5)で示すような運用コスト評価関数(J)を設定する。
Figure 0004468269
ここで、EC及びOCはそれぞれ、放流水質コストと運転コストを意味し、例えば次式(6),(7)で定義する。
Figure 0004468269
次に、プロセス最適化部600は、所定のプロセス制御実現アルゴリズムを用いて入力した流入下水に対する最適な操作量や、最適な水質濃度(目標値)を計算する。プロセス最適化部600は、保存量制約設定部710で用いたプロセスモデルで定義される全ての水質、水量および操作量の最適値を計算する最適化演算を実行する。
次に、ローカル制御部900では、プロセスセンサ異常診断部300で異常が生じていない場合には、通常設定してある例えばローカル制御部910のコントローラがプロセス制御を実行する。ローカル制御部910は、例えばアンモニアセンサ1212を用いて、8第4好気槽のブロワ118の酸素供給量を制御する。
一方、ローカル制御部900では、プロセスセンサ異常診断部300で、アンモニアセンサ1212の異常が認められた場合には、例えばDOセンサ1211を用いて、第4好気槽のブロワ118の酸素供給量を制御するDO制御に切り替える。このとき、ローカル制御部900は、ローカル制御部910から、アンモニア制御の代わりにDO制御が組み込まれているローカル制御部911のコントローラに切り替える。なお、プロセスセンサ異常診断部300は、適切な診断によってタイミングよくローカル制御部900の制御を切り替えることができる。
以上のように本実施形態のプロセス監視装置であれば、プロセスの運転状況に応じた複数のローカル制御部をその状況に応じて適切に切り替えることができる。従って、特に上位系と下位系からなる階層型プロセス制御装置において、プロセスの状態に応じた複数の制御モードの切り替えが可能になるため、様々なプロセス状態においてもプロセスの最適な運転を実現することができる。換言すれば、精度の良い異常検出により異常要因となるセンサや、本当の異常要因を特定することが容易になると共に、異常時に正しい運転モードに切り替えることができる運転モード毎のプロセス制御を実現できる。従って、プロセス異常時でのロバストなプロセス制御系を構築することが可能となる。
(変形例)
図11は、第2の実施形態の変形例を示すブロック図である。
本変形例は、第2の実施形態での複雑な最適制御を行う構成ではなく、複数の制御部201〜20Nを含むコントローラ20を有し、プロセスセンサ異常診断部300の異常診断の結果に基づいて各制御部201〜20Nを切り替える構成のプロセス監視装置である。
各制御部201〜20Nはそれぞれ、例えば、通常時制御部、アンモニアセンサ故障時制御部、雨天時制御部、過負荷時制御部、硝化阻害時緊急制御部に対応する。コントローラ20は、前述したように、プロセスセンサ異常診断部300の異常診断の結果に基づいて、各制御部201〜20Nの適合機能に従ってプロセス制御を切り替える。
なお、他の構成及び作用効果は、前述の図10に示す第2の実施形態と同様のため説明を省略する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に関するプロセス制御システムの構成を示すブロック図。 第1の実施形態に関するPCAによるデータ分解の概念を示す図。 第1の実施形態に関する統計量データを管理限界値と共に時系列データとして示す図。 第1の実施形態に関して通常のPCAによるプロセス監視での問題を説明するための図。 第1の実施形態に関するウェーブレット変換による時系列データの分解概念を説明するための図。 第1の実施形態に関して容易に特定できるプロセス異常要因センサの具体例を示す図。 第1の実施形態に関して特定が難しいプロセス異常要因センサの具体例を示す図。 第1の実施形態に関するPCAを利用する異常診断の原理を説明するための図。 第1の実施形態に関するプロセス監視装置の処理手順を説明するためのフローチャート。 第2の実施形態に関するプロセス制御システムの構成を示すブロック図。 第2の実施形態の変形例を示すブロック図。
符号の説明
1…下水処理プロセス、2…プロセス計測データ収集・保存部、
3…プロセス通常データ抽出部、4…プロセス監視モデル構築部、5…プロセス監視部、
6…プロセス診断部、7…プロセス非通常要因センサ特定部、
8…プロセス非通常要因推定部、9…ユーザインターフェース部、
10…プロセス監視装置、51,52…プロセス監視部、
2A…外部入力計測データ収集・保存部、300…プロセスセンサ異常診断部、
400…外部入力センサ異常診断部、500…手分析データ保存部、
600…プロセス最適化部、700…制約条件設定部、
800…最適評価関数設定部、900…ローカル制御部、
111〜1110…アクチュエータ及び操作量センサ群、
121〜1218…プロセスセンサ。

Claims (13)

  1. 対象プロセスの状態または操作量を計測する計測手段と、
    前記計測手段から得られる計測結果を示すプロセス時系列データを保存するデータ保存手段と、
    前記データ保存部に保存された前記プロセス時系列データを使用して、主成分分析方式によるプロセス監視モデルを構築するモデル構築手段と、
    前記プロセス監視モデル及び前記プロセス時系列データを使用して、Q統計量またはホテリングT分散の統計量データを算出する計算手段と、
    前記計算手段により算出された前記統計量データに対して、ウェーブレット変換処理を実行し、複数の時間関数データに分解するデータ分解手段と、
    前記データ分解手段から得られる複数の時間関数データに基づいて、前記対象プロセスの時間的変化の速さが異なる状況での異常を診断する異常診断手段と
    を具備したことを特徴とするプロセス監視装置。
  2. 前記データ保存手段から、前記対象プロセスが予め定義された通常状態での前記プロセス時系列データを抽出するデータ抽出手段を有し、
    前記モデル構築手段は、前記データ抽出手段により抽出された通常状態での前記プロセス時系列データを使用して、主成分分析方式によるプロセス監視モデルを構築するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  3. 前記異常診断手段は、
    前記複数の時間関数データを使用し、前記対象プロセスの通常状態と非通常状態とを判断するための判断基準に基づいて前記対象プロセスの状態を判断するプロセス状態判断手段と、
    前記プロセス状態判断手段により前記対象プロセスの状態が非通常状態と判断された場合に、当該非通常状態の要因を推定する推定手段と
    を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のプロセス監視装置。
  4. 前記モデル構築手段は、前記主成分分析方式としてシグモイド関数やスプライン関数などの非線形関数を組み込んだ非線形主成分分析方式を使用して前記プロセス監視モデルを構築することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス監視装置。
  5. 前記モデル構築手段は、前記主成分分析方式として主成分分析を予め与えられた所定のタイミングで実行し、前記プロセス監視モデルを更新する適応型主成分分析方式を使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス監視装置。
  6. 前記モデル構築手段は、前記主成分分析方式としてダイナミック型主成分分析方式を使用して前記プロセス監視モデルを構築することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス監視装置。
  7. 前記モデル構築手段は、前記主成分分析方式として階層型のマルチブロック主成分分析方式を使用して前記プロセス監視モデルを構築することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス監視装置。
  8. 前記モデル構築手段は、前記主成分分析方式としてマルチウェイ型主成分分析方式を使用して前記プロセス監視モデルを構築することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス監視装置。
  9. 前記データ抽出手段は、前記データ保存手段から、前記対象プロセスが予め定義された通常状態での前記プロセス時系列データを抽出する場合に、デジタルフィルタ、メジアンフィルタ、ウェーブレットフィルタの中の少なくとも一つ以上のフィルタを使用して、前記プロセス時系列データのフィルタリングを実行する手段を含むことを特徴とする請求項2に記載のプロセス監視装置。
  10. 前記データ分解手段は、前記ウェーブレット変換処理として離散ウェーブレット変換を使用することを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  11. 前記異常診断手段は、前記対象プロセスの状態が非通常状態と判断した場合に、当該非通常状態の要因を推定する推定手段を含み、
    前記推定手段により推定されたプロセス非通常状態の推定要因に基づいて、複数の運転モードに切り替える運転モード制御手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  12. 前記運転モード制御手段によって判断された複数の運転モード毎に、その出力変数を切り替えられることができるプロセス目標値/設定値最適化手段と、
    前記プロセス目標値/設定値最適化手段から出力される変数に応じて複数用意されたプロセスワンループ制御手段と
    を有することを特徴とする請求項11に記載のプロセス監視装置。
  13. プロセス系の異常診断を行なうプロセス異常診断機能を有するプロセス監視装置に適用するプロセス監視方法であって、
    対象プロセスの状態または操作量を計測した計測結果を示すプロセス時系列データを使用して、主成分分析方式によるプロセス監視モデルを構築するステップと、
    前記プロセス監視モデル及び前記プロセス時系列データを使用して、Q統計量またはホテリングT分散の統計量データを算出するステップと、
    前記統計量データに対して、ウェーブレット変換処理を実行し、複数の時間関数データに分解するステップと、
    前記複数の時間関数データに基づいて、前記対象プロセスの時間的変化の速さが異なる状況での異常を診断するステップと
    を有する手順を実行することを特徴とするプロセス監視方法。
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