JP2009199545A - 遠隔監視システム - Google Patents

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義行 坂本
Katsuya Yokogawa
勝也 横川
Katsuya Yamamoto
勝也 山本
Yukio Hiraoka
由紀夫 平岡
Osamu Yamanaka
理 山中
Atsushi Yugawa
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Abstract

【課題】プロセス運用の妥当性の診断と施設を構成する機器類の異常を事前に検知する予防保全もしくは異常発生の検知ならびにその要因特定を迅速かつ適切に行える遠隔監視システムを提供する。
【解決手段】プラント11に設けられた各種センサーにより捉えられたデータを、ネットワーク12によりプラント外の監視側13にて収集し、異常診断手段21は、プラント11から収集されたデータを用いて多変量解析手法における主成分分析によりプロセス監視モデルを構築して、プラント11からのデータによりプラント監視指標となる統計量データを算出してこれら統計量データを監視し、異常を検知する。要因特定手段22は、検知された異常を、予め定めたルールにあてはめて、異常の要因を特定する。遠隔制御手段23は、特定された異常の要因に基づき、その異常を解消するための制御指令をネットワーク12によりプラント11の対応部分に出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、上下水道施設ならびに鉄鋼、製紙、半導体工場や食品加工工場等の産業施設で使用する工業用水やそれらからの排水の処理を行う水処理施設等のプラントを遠隔で監視制御する遠隔監視システムに関する。
上下水道施設は建設の時代を終え、いまや維持管理の時代へとシフトしつつある。そのような背景のもとで、上下水道施設が担うライフラインとしての役割においては、安全で安心なシステムとして機能することが必須となっている。そのため、上下水道施設の運用を適正かつ効率的にするため、プロセス運用の妥当性の診断と施設を構成する機器類の異常を事前に検知する予防保全もしくは異常発生の検知ならびにその要因特定をいかに迅速かつ適切に行えるかが重要となる。
このような背景のもと、携帯電話機及び携帯電話機を利用した遠隔監視システムとして、携帯電話機を通じて遠隔にて音声ならびに画像、計測信号をモニタでき、かつ、必要な操作を可能とする方法、装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。一方,半導体製造装置のリモート診断システムとして、アクセス権によって診断サービスの公開を限定するシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、これらはいずれも遠隔にて診断を行う装置、システムの構成であって、具体的な診断方法までは言及されていない。
また、発電設備の運用管理システムにおいて、異常に関して、重みを設定し、故障の重要度を判別し、重故障時にはあらかじめ用意している異常因子データベースから該当する異常要因を特定し、軽故障時にはあらかじめ用意していた物理モデルを用いてあらかじめ設定している動作許容範囲となるよう制御設定値を変更するという遠隔監視装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−234848号公報 特開2002−93676号公報 特許第3799217号公報
このような方法では、プロセス運用や機器、センサーの異常を捕らえ、その要因を特定するものではあるが、結局のところ、対象プラントを限定していたり、異常を判断するために、物理モデルを使用していたりして、計測できるオンラインデータから自動的に異常を遠隔で診断するものではない。
本発明の目的は、プラントの運用を適正かつ効率的にするため、プロセス運用の妥当性の診断と施設を構成する機器類の異常を事前に検知する予防保全もしくは異常発生の検知ならびにその要因特定を迅速かつ適切に行える遠隔監視システムを提供することにある。
本発明による遠隔監視システムは、プラントに設けられた各種センサーにより捉えられたデータを、ネットワークにより前記プラント外の監視側にて収集し、前記プラントを監視制御する遠隔監視システムであって、前記プラントから収集されたデータを保存するデータベースと、前記プラントから収集されたデータを用いて多変量解析手法における主成分分析によりプロセス監視モデルを構築して、プラントからのデータによりプラント監視指標となる統計量データを算出してこれら統計量データを監視し、異常を検知する異常診断手段と、この異常診断手段により検知された異常を、予め定めたルールにあてはめて、異常の要因を特定する要因特定手段と、この要因特定手段により特定された異常の要因に基づき、その異常を解消するための制御指令を前記ネットワークにより前記プラントの対応部分に出力する遠隔制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明は、前記プラントの動作を模擬するモデルを有し、前記要因特定手段により特定された条件を入力して異常状態を模擬し、オペレータによる制御指令を入力することでプラントの挙動を模擬した結果を出力するシミュレーション手段を有する構成でもよい。
また、本発明では、前記プラントは、処理内容が互いに関連する複数個所に設置された処理施設である。
また、本発明では、前記プラントは、各センサーで検出されたデータを無線通信装置と組み合わせたセンサーネットワークにより収集し、この収集したデータを前記ネットワークにより前記監視側に送信する。
さらに、本発明では、前記プラントは、ネットワークにより前記監視側から送られてくるデータを携帯端末に伝送して出力させる端末制御手段を有する。
本発明によれば、プロセス運用の妥当性の診断と施設を構成する機器類の異常を検知でき、予防保全もしくは異常発生の検知ならびにその要因特定を迅速かつ適切に行える。
以下、本発明による遠隔監視システムの一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1はこの実施の形態を説明する全体構成図である。図1において、この実施の形態による遠隔監視システムは、監視対象であるプラント11に設けられた各種センサーにより捉えられたデータを、公衆回線や専用回線から成るネットワーク12により、プラント外の監視側13に送り、監視側13にてこれらデータを収集し、プラント11におけるプロセス運用の妥当性の診断、施設を構成する機器類の異常の検知、予防保全もしくは異常発生の検知ならびにその要因特定を迅速かつ適切に行うように監視制御するものである。監視対象のプラント11は、処理内容が互いに関連する複数個所に設置された処理施設を総称しており、例えば、河川から取水して所定の処理を施す上水道施設11A、上水道や工業用水を使用する鉄鋼、製紙、半導体工場や食品加工工場等の産業施設における排水に対する水処理施設11B、雨水を含む各種排水を処理して河川などに放流する下水処理施設11C等が監視制御対象となる。
プラント11を構成する各処理施設11A,11B,11Cに設けられる前述したセンサーとは、水処理施設の流量や圧力、各種水質データ、電流、電圧、カメラの画像データやマイク等から集音した音声データといったデータのすべて、もしくは、その一部を計測するセンサーである。各処理施設11A,11B,11Cにおける、上記各データの計測点は極めて大量になる。そこで、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)とRFID(Radio Frequency Identification)や可視光通信機能といった無線通信装置と組み合わせて構築したセンサーネットワークを用いる。そして、大量の計測点において極めて短いサンプリング周期で計測したデータをバッチ的に収集する。収集した各種データは、前述のようにネットワーク12により監視側13に送られる。
監視側13には、サーバコンピュータ14と、このサーバコンピュータ14により制御され、プラント11からネットワーク12により送られてくる各種の収集データを保存するデータベース15と、各種データなどを表示する表示装置16とが設けられている。
サーバコンピュータ14は、その機能として、プラント11の異常を検知する異常診断手段21、検知された異常を予め定めたルールにあてはめて異常の要因を特定する要因特定手段22、特定された異常の要因に基づきその異常を解消するための制御指令をネットワーク12によりプラント11の対応部分に出力する遠隔制御手段23、プラント11の動作を模擬するモデルを有し、異常状態おけるオペレータの制御指令などに対するプラント11の挙動を模擬するシミュレーション手段24を有する。
異常診断手段21は、プラント11から収集されたデータを用いて多変量解析手法における主成分分析(PCA)によりプロセス監視モデルを構築して、プラント11からのデータによりプラント監視指標となる統計データを算出し、これら統計データを監視することで、異常を検知する。
すなわち、本件出願人による先の提案(特開2007−65883号公報参照)で示すように、異常診断手段21は、まず、データベース15に保存された各種の時系列なデータの中から、予め定義された通常状態のデータ、すなわち、通常の運転範囲内であると判断される時系列データを抽出する。
データに欠測データや異常データが含まれていたり、あるいはデータがノイズで乱されている様な場合には、予めこれらのデータに対して前処理を施しておく。具体的には、ノイズに対してはFIRフィルタやIIRフィルタなどのデジタルフィルタを使用した信号処理を行う。異常データに対しては、メジアンフィルタやウェーブレットフィルタなどを用いて、データの中から本当のプロセス情報であると思われる情報を抽出する。すなわち、センサーの計測データにおけるはずれ値(アウトライアとも呼ぶ)をメジアンフィルタにより除去するアウトライアフィルタ機能を有する。また、前値ホールドもしくはスプライン関数による補間により欠測値を補間する欠測値補間フィルタや、さまざまな周波数におけるノイズ成分を離散ウェーブレット変換により除去するノイズフィルタも有する。さらに、計測データにおける物理単位系のオーダーの違いによる計算処理上の影響を抑えるため、前記データの平均と分散による場合とデータの動作範囲の大きさによって正規化する場合を選択可能なスケーリングフィルタをも有する。
ここで、メジアンフィルタは以下のとおりである。
欠測値の前値ホールドによる欠測値補間フィルタは下記のように作用する。
離散ウェーブレット変換によるノイズフィルタは下記のように作用する。一般にウェーブレット変換は次式で定義される。
異常診断手段21は、抽出した時系列データを、横(行)方向にプラント11のアクチュエータ操作量センサー群及びプロセスセンサーに対応する変量を設定し、縦(列)方向に時間を設定した行列Xとして保存する。
次に、抽出されたプロセスの通常状態のデータに対して、PCAを使用したデータ分解処理を実行し、PCAのローディング行列(負荷行列)で表されるプロセス監視モデルを構築する。
以上のように分解されたデータに対して、ローディング行列PがQ統計量やホテリング分散である統計量データを計算するために用いられるプロセス監視モデルとなる。
次に、プロセス監視モデルを使用して、プロセス監視を実行する。ここで、監視するプロセス変数は、プラント11から収集されたアクチュエータの操作量センサー群あるいはプロセスセンサーそのものの出力ではなく、これらのセンサーの出力データから新たに生成されたQ統計量あるいはホテリング分散(T分散)等の統計量データであり、少なくともいずれか一方である。
そしてデータベース15からの時系列データ及び構築されたプロセス監視モデルを使用して、Q統計量(SPE)及びホテリング分散(T)である統計量データを、下記式(に示す計算式により算出する。
ここで、ある時刻(t)のセンサー出力値をベクトルx(t)とする。また、Λは、主成分分析による各主成分の分散を対角要素として持つ行列であり、分散を正規化していることを意味する。また、Ιは適当なサイズの単位行列である。
図3は、PCAを利用する異常診断の原理を説明するための概念図である。PCAでは、座標軸どうしの直交性を保ったまま、データのばらつき(分散)方向に差座標軸を取り直す。最も分散の大きい方向の軸を第1主成分軸と呼び、順に第2主成分軸、・・・第n主成分軸と呼ぶ。PCAを適用する変量間に何らかの相関がある場合には、データが殆ど分布しない方向(分散が小さい方向)がある。そこで、ある一定値以上の分散を持つ主成分軸からなる超平面を定義すると、データはその超平面付近に分布する。
この超平面の次数は、前記式(5)に示すPに対応しており、図3ではP=2の平面である。前記式(5)で定義したローディング行列Pは、この超平面を構成する主成分軸を表現する行列である。また、スコア行列Tは、超平面上でのデータの位置を示す行列である。
前記式(6)で表されるQ統計量は、診断データが図3の平面から乖離している距離を表すスカラ量である。正常時のデータのQ統計量は、ある微小範囲内で変動する。従って、例えばQ統計量にある閾値を設定することによって、正常または異常の判断を行うことができる。一方、前記式(7)で表されるホテリング分散統計量は、各主成分軸の分散を正規化した上で、図3の平面上でのデータのばらつきを表す量である。正常時データのホテリング分散統計量も、ある一定範囲で変動するため、Q統計量と同じ方法で正常または異常の判断を行うことができる。図3で異常と示したデータは、Q統計量やホテリング分散統計量の値が通常時から外れた場合を例示したものである。
以上のようなPCAによるプロセス監視方法だけでは、実際のプロセス異常を診断するためには不十分である場合が多い。そこで、離散時間ウェーブレット変換による多重解像度解析を使用して、Q統計量やホテリング分散の統計量データを複数の信号に分解する。
図4(A)〜(D)は、上記信号分解の概念を示す。図4(A)は、同図(B)〜(D)に示す信号を合成した信号波形を示し、Q統計量やホテリング分散の統計量データ信号に対応するものである。図4(B)は、例えば日常の変動を示す信号波形を示す。図4(C)は、例えばセンサーのノイズに対応する信号波形を示す。図4(D)は、なんらかの異常信号に対応する信号を示す。
ここで、図4(A)に示すそのまま監視している場合には、どの時点で異常が生じているのかを検知することは困難である。これに対して、図4(A)に示す信号波形が同図(B)〜(D)に示す信号に分解されていれば、図4(D)に示す異常信号により、どこの時点で異常が生じたかを、明確に検知することができる。
このように解像度毎に分解された複数のQ統計量やホテリング分散に対して、限界値を予め設定し、予め設定した通常のプロセス状態から乖離していることを判断する。
要因特定手段22は、上述のようにして異常診断手段21により検知された異常を、予め定めたルールにあてはめて、異常の要因を特定する。すなわち、プロセスが非通常状態であると診断されたときに、その要因となる少なくとも一つ以上のアクチュエータの操作量センサー群あるいはプロセスセンサーを特定する。即ち、具体的には、図5に示すように、異常と判断された(分解された)Q統計量あるいはホテリング分散に対する寄与プロットを行うことによって、その要因となるセンサーを特定する。図5では、各バーグラフは、プラント11におけるアクチュエータの操作量センサー群及びプロセスセンサーに対応している。このバーの長いものが、非通常状態である要因となるセンサーであると推定される。また、図6に示すように、いくつかのセンサーが通常状態で無いと推定される場合がある。このような場合には、プロセス非通常要因センサー特定部7は、複数のセンサーを要因として特定する処理を実行する。
次に、特定されたセンサー情報に基づいて、このプロセスの本当の異常要因を推定する。すなわち、異常を検知した場合に、その異常の要因が何かをあらかじめ設定したルールに従って判定し、その結果を提示する。
例えば、図2で示すように、池31からポンプ32により、弁33、流量計34,35及び流量調節弁36を経て複数の配水池37に送水するような水道施設において、ある配水池37の流量調節弁36が全閉しているにもかかわらず、その配水池37の水位計38の測定水位が上昇しているプロセス異常についてみる。
この場合、つぎのようにして水位計の異常によるものと、要因を特定できる。
「配水池水位が上昇
⇒(配水池からの出側流量および入側流量の差分/配水池断面積)が0以下
かつ
ポンプ稼動中
⇒配水池水位計異常」
また、図6ではアンモニアを除去する硝化菌という微生物が活動しなくなった硝化阻害と呼ばれる現象が生じた場合を示している。この場合、硝化が行われなくなるためにアンモニアの濃度が高くなり、また硝化菌が活動しなくなるので、その活動に必要な酸素量が小さくなり、結果として溶存酸素濃度が高くなっている。そこで、このようなプロセス知識に基づいて、予め「アンモニア濃度が高くかつ溶存酸素濃度が高い場合には硝化阻害の可能性がある」などのルールを作成し、当該ルールに基づいてその要因を推定する。
このようなルールは、例えば、図7で示すようにマトリックス状に表現される。すなわち、変数A〜Dが、○×で表すどのような状態になっているかにより、「水位」、「電力」、「流量」などの異常を推定している。
上述したこれらの説明は、理解を容易にするため、きわめて単純で簡単な場合を説明したが、実際のプロセス運用上の異常や機器故障の要因判定では、各変数の状態が複雑に関係する。しかし、このような判定ルールを設定することで、的確に異常の要因を特定することができる。また、エキスパートシステムにより推論を実行する構成でもよい。
遠隔制御手段23は要因特定手段22により特定された異常の要因に基づき、その異常を解消するための制御指令をネットワーク12により、プラント11の対応部分に出力する。例えば、図2で示した水道施設において、配水池37に流入するに水の流量が、ある設定値となるように流量計35の計測値により流量調整弁36の開度を自動制御するシーケンスで運転されているものとする。ここで、流量計35の異常でその計測値が前記設定値より大きな値を出力し続けた場合、流量調整弁36は開度を絞る方向に制御され続ける。そして、最終的には流量調整弁36は全閉状態になってしまう。このような場合は、前記シーケンスによる自動制御を打ち切り、流量調整弁36を手動で開度制御する必要がある。このため、遠隔制御手段23は、要因特定手段22により流量計35の異常が特定された場合、前記シーケンスによる自動制御の打ち切り指令を出力すると共に、流量計35の修理または交換が済むまで流量調整弁36を手動で開度制御するようにメッセージを出力する。どのような異常に対しどのような対処を出力するかは、予めそれらの対応関係をルールテーブルに設定しておけばよい。
プラント11は、ネットワーク12により監視側13から送られてくる上述した制御指令を含むデータを入力し、プラント11側において、各種設備を動作させる監視制御用の端末17を有する。この端末17は、監視委側から送られてきたデータの少なくとも一部を携帯電話などの携帯端末18に伝送して出力させる端末制御手段を有する。すなわち、前記異常診断機能、要因特定機能、遠隔制御機能、後述するプロセス挙動シミュレーション機能のそれぞれの結果を、公衆回線や専用線、無線などを通じ、携帯端末18である携帯電話や携帯用のパーソナルコンピュータ、PDA等に伝送し、図、写真、数値、グラフ、音声等を出力することができる。
なお、上述した異常診断機能、要因特定機能、遠隔制御機能、後述するプロセス挙動シミュレーション機能のそれぞれの結果は、監視側13に設けられた表示装置16でももちろん表示可能である。
このように、遠隔制御手段23は、遠隔地に位置するプラント11の各施設11A,11B,11Cに設けられた監視制御用の端末17に対し、異常が検知された場合に、その異常の要因が何かをあらかじめ設定したルールに従って判定した結果に従って、その異常が正常となるよう施設の機器を遠隔から操作するものである。機器異常では異常な機器を修理、交換せざるを得ないが、そのための適切なメッセージを出力させたり、プロセス運用上の異常時に所望の設定値になるようプロセスを運用したい場合は、プロセスを構成するポンプやバルブ、処理装置等の目標設定値を変更したり、起動させる操作を行う。
シミュレーション手段24は、プラント11の動作を模擬するモデルを有し、要因特定手段22により特定された条件を入力して異常状態を模擬し、この異常状態に対するオペレータによる制御指令を入力することでプラントの挙動を模擬し、その結果を出力する。すなわち、シミュレーション手段24は、プラント11を構成する上水道施設11A、鉄鋼、製紙、半導体工場や食品加工工場等の産業施設11Bの水処理設備、下水道施設11Cの各設備や機器に取り付けられたセンサーと、操作可能な機器、例えば、ポンプや弁、薬品注入機、ブロワ等の操作量との関係を物理モデル化し、実際のプロセスの代わりに計算機上でそれらの挙動を模擬するものである。このシミュレーション手段24は、物理的な方程式により、構築してもよいし、統計的にARモデル(自己回帰モデル)やニューラルネットワークなどのブラックボックスモデルによって構築してもよい。
例えば、上水道における送水プロセスを例にとる。プラント挙動を模擬する数学的または物理的モデルの一つは、つぎのような一般化線形モデルで表わされる。
この式誤差eが最小となるようなθを求める方法の1つとして最小2乗法が知られている。実際のプロセス方程式をこの形へ変形する方法は、一般化線形モデルのような数学的または物理的モデルのパラメータθが、次に示す方法で調整された結果を利用してプラント挙動を模擬する。例えば、図2の送水プロセスにおいては、左側の池31からポンプ32により下流の配水池37に送水される。送水ポンプ32の吐出量と揚程とは以下の特性方程式(10)で表わされる。
H=k+kQ+k ・・・・・・・・(10)
ただし、Hは水頭、Qは吐出量、k〜kは調整すべきパラメータである。
また,このとき、弁33での圧力損失は次式(11)で表される。
−h=f(u)・Q ・・・・・・・・(11)
ただし、h、hは弁前後の水頭値、Qは吐出量、uは弁開度とする。
なお、式(11)におけるf(u)は次式(12)で表される。
(u)=1/(2gA2)*(1/u−1)n ・・・・・・・・(12)
このとき、調整すべきパラメータはnとなる。
同様に、管路における圧力損失はヘーゼンウィリアムスの式より、次式(13)で表される。
−h=fl・Q1.85 ・・・・・・・・(13)
ただし、h、hは管路前後の水頭値、Qは流量とする。
なお、上式(13)におけるflは次式(14)で表される。
l=10.666×C-1.85×D-4.87×L ・・・・・・・・(14)
このとき、Dは管路の口径、Lは管路長であり、調整すべきパラメータはCとなる。
これらからプロセスの圧力平衡式を作成すると以下に示すとおりとなる。すなわち、下側の配水池37の水位をh2,上側の池31の水位をh1とし、上側の池31から下側配水池37に至る管路の流量をQとすると、その圧力損失は総じて(13)および(14)で表せる。また、ポンプ32の吐出圧と流量の関係は(10)式、バルブの圧力損失は式(11)、(12)となる。これらより、圧力平衡式は次式(15)となる。
h2= h1+k+kQ+k3−(10.666×C-1.85×D-4.87×L)×Q1.85
−1/(2gA2)*(1/u−1)n×Q ・・・・・・・・(15)
ただし、ここでは管路の圧力損失は説明を容易にするため、その特性を1つに集約しているが、実際には管の途中で材質や口径が違ったり、バルブの1次側、2次側でも異なったりするので、管が異なる場合にはその都度、式(13)、(14)と対応するパラメータを設定し、調整する必要がある。
いま、式(15)は非線形方程式となっているので、Q1.85を、ある初期流量Q=qでテイラー展開(3次項以降は無視)して線形化を行うと、以下式(16)のようになる。
これを式(15)に代入し、整理すると次式(17)となる。
ここに最小2乗法を適用して、パラメータを調整すればよい。
このようにして調整されたパラメータを用いて、式(10)から(17)までを使用して、プロセス挙動を模擬すればよい。
本実施の形態によれば、プラントを構成する上下水道施設(鉄鋼、製紙、半導体工場や食品加工工場等の産業施設で使用する工業用水やそれらから排水される水の処理を行う水処理施設も含む)の運用を適正かつ効率的にするため、プロセス運用の妥当性の診断と施設を構成する機器類の異常を事前に検知する予防保全もしくは異常発生の検知ならびにその要因特定をいかに迅速かつ適切に行える遠隔監視システムにおける異常診断および要因特定装置を提供することができる。
本発明による遠隔監視システムの一実施の形態を説明する全体構成図である。 上記一実施の形態における監視対象の一例である送水施設を説明する系統図である。 上記一実施の形態における主成分分析(PCA)を利用する異常診断の原理を説明するための概念図である。 上記一実施の形態における離散時間ウェーブレット変換による信号分解の概念を示す図である。 上記一実施の形態における分解された統計量データに対する寄与プロットを示すグラフである。 上記一実施の形態における分解された統計量データに対する寄与プロットを示すグラフの別の例である。 上記一実施の形態における要因特定ルールの概念を示す図である。
符号の説明
11 プラント
12 ネットワーク
13 監視側
15 データベース
17 監視制御用の端末
18 携帯端末
21 異常診断手段
22 要因特定手段
23 遠隔制御手段
24 シミュレーション手段

Claims (5)

  1. プラントに設けられた各種センサーにより捉えられたデータを、ネットワークにより前記プラント外の監視側にて収集し、前記プラントを監視制御する遠隔監視システムであって、
    前記プラントから収集されたデータを保存するデータベースと、
    前記プラントから収集されたデータを用いて多変量解析手法における主成分分析によりプロセス監視モデルを構築して、プラントからのデータによりプラント監視指標となる統計量データを算出してこれら統計量データを監視し、異常を検知する異常診断手段と、
    この異常診断手段により検知された異常を、予め定めたルールにあてはめて、異常の要因を特定する要因特定手段と、
    この要因特定手段により特定された異常の要因に基づき、その異常を解消するための制御指令を前記ネットワークにより前記プラントの対応部分に出力する遠隔制御手段と、
    を備えたことを特徴とする遠隔監視システム。
  2. 前記プラントの動作を模擬するモデルを有し、前記要因特定手段により特定された条件を入力して異常状態を模擬し、オペレータによる制御指令を入力することでプラントの挙動を模擬した結果を出力するシミュレーション手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔監視システム。
  3. 前記プラントは、処理内容が互いに関連する複数個所に設置された処理施設であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠隔監視システム。
  4. 前記プラントは、各センサーで検出されたデータを無線通信装置と組み合わせたセンサーネットワークにより収集し、この収集したデータを前記ネットワークにより前記監視側に送信することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遠隔監視システム。
  5. 前記プラントは、ネットワークにより前記監視側から送られてくるデータを携帯端末に伝送して出力させる端末制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遠隔監視システム。
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