JP2019178625A - ポンプ設備の異常診断システム、及び、ポンプ設備の異常診断方法 - Google Patents

ポンプ設備の異常診断システム、及び、ポンプ設備の異常診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプ設備において、故障等の異常発生を予兆段階から早期に診断することにより、異常改善に向けた対策の効率的な実施を可能とする。【解決手段】ポンプ設備の異常診断システムは、ポンプ設備の運転状態と相関がある複数の指標の組合せからなるデータセットと正常時の基準データセットとの偏差を示す偏差指標値が閾値を上回った場合、ポンプ設備に異常兆候があると判定する。ポンプ設備に異常兆候があると判定された場合、偏差指標値に対する指標の寄与度に基づいて要因を特定し、当該要因に関連付けられた対策データを出力する。【選択図】図9

Description

本開示は、流体を圧送可能なポンプ設備の異常診断システム、及び、ポンプ設備の異常診断方法に関する。
流体を圧送するためのポンプ設備は、様々な産業分野において広く用いられている。このようなポンプ設備に故障などの異常が発生すると、周辺設備に影響を及ぼすおそれがあるため、継続的に監視を行い、故障が発生した際には迅速な対応を行うことが好ましい。
そこで、ポンプ設備が設置された現場から地理的に離れた遠隔地(例えば製造メーカの監視拠点など)において、ポンプ設備の運転状態を監視するシステムが知られている。特許文献1には、この種のポンプ設備の遠隔監視システムの一例が開示されている。この文献では、遠隔監視装置によってポンプ設備の運転状態を監視し、故障が発生した際に、遠隔監視装置から遠隔地に向けて故障情報とともに運転情報を周期的に送信することで、ポンプ設備の遠隔監視を可能にしている。
特開2008−19763号公報
上記特許文献1では、ポンプ設備における故障発生がトリガーとなって、遠隔地にある監視拠点に故障情報や運転情報が送信される。そのため、監視拠点では、実際にポンプ装置に故障が発生した後での対応となる。更に、故障発生時の運転情報に基づいて故障の要因を特定するための時間や、当該要因を解消するために必要な交換部品を手配するための時間が必要になるため、故障を改善するための対応に時間を要してしまうおそれがある。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、故障等の異常発生を予兆段階から早期に診断することにより、異常改善に向けた対策の効率的な実施を可能とするポンプ設備の異常診断システム、及び、ポンプ設備の異常診断方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るポンプ設備の異常診断システムは上記課題を解決するために、
ポンプ設備の異常診断システムであって、
前記ポンプ設備の運転状態と相関がある複数の指標の組合せからなるデータセットを取得するように構成されたデータセット取得部と、
前記ポンプ設備の正常時における前記指標の組合せからなる基準データセットと前記データセットとの偏差を示す偏差指標値を算出するように構成された偏差指標値算出部と、
前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記ポンプ設備に異常兆候があると判定するように構成された異常判定部と、
前記ポンプ設備に異常兆候があると判定された場合、前記偏差指標値に対する前記複数の指標の各々の寄与度に基づいて、前記異常兆候の要因を特定するように構成された要因特定部と、
前記要因特定部で特定された前記要因に予め関連付けられた対策データを出力するように構成された対策データ出力部と、
を備える。
上記(1)の構成によれば、ポンプ設備の運転状態と相関がある指標の組合せからなるデータセットと基準データセットとの偏差を示す偏差指標値に基づく判定を行うことで、ポンプ設備に発生する異常の有無を予兆段階で判断できる。そして、偏差指標値に対する各指標の寄与度に基づいて異常兆候の要因を特定し、それに関連付けられた対策データを出力することで、発生が見込まれる異常に対して迅速に対策を講じることができる。
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、
前記偏差指標値算出部は、前記基準データセットにより構成される単位空間に対する、前記データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離を前記偏差指標値として算出するように構成される。
上記(2)の構成によれば、基準データセット及びデータセットに基づいてマハラノビス距離を算出し、当該マハラノビス距離に基づいてポンプ設備の異常判定を行う。このため、例えば、ユークリッド距離を用いて異常判定を行う場合に比べて、複数の指標間の相関関係を考慮した評価が可能である。
(3)幾つかの実施形態では上記(1)又は(2)の構成において、
前記対策データ情報出力部は、前記ポンプ設備に生じ得る異常事象と前記異常事象に対する対策指針とを関連付ける故障木データに基づいて、前記対策データを作成する。
上記(3)の構成によれば、異常判定部で判定された異常に対応する対策指針を故障木データに基づいて特定して対策データを作成することで、異常事象に対する対策指針を迅速に立案することが可能となる。
(4)幾つかの実施形態では上記(1)から(3)のいずれか1構成において、
前記ポンプ設備によって圧送される流体の流量を制御するように構成された流量制御部を更に備え、
前記流量制御部は、前記対策データに従って前記流量を制御する。
上記(4)の構成によれば、異常判定部において異常兆候があると判定された場合に、対策データに従った流量制御を実施することで、異常兆候の解消、又は、異常発生までの期間延長を図ることができる。
(5)幾つかの実施形態では上記(1)から(3)のいずれか1構成において、
前記ポンプ設備によって圧送される流体の流量を制御するように構成された流量制御部を更に備え、
前記データセット取得部は、前記流量制御部によって前記流量が互いに異なるように設定される複数の運転条件下で前記データセットをそれぞれ取得し、
前記偏差指標値算出部は、前記複数の運転条件下で前記データセット取得部によって取得された前記データセットの各々に対応する前記偏差指標値をそれぞれ算出し、
前記異常判定部は、前記偏差指標値算出部によって算出された前記偏差指標値の推移に基づいて前記異常兆候の有無を判定する。
上記(5)の構成によれば、互いに流量が異なる運転条件下で取得したデータセットに基づいてそれぞれ偏差指標値を算出し、その推移を評価することにより異常判定が行われる。これにより、複数の運転条件下におけるポンプ設備の挙動変化に基づいて、ポンプ設備に生じる異常兆候を適切に診断できる。
(6)幾つかの実施形態では上記(1)から(5)のいずれか1構成において、
前記データセット取得部は、通信ネットワークを介して前記ポンプ設備から前記データセットを取得するように構成される。
上記(6)の構成によれば、通信ネットワークを介してデータセットの取得が可能となるため、ポンプ設備から遠隔地における異常診断が可能となる。
(7)幾つかの実施形態では上記(1)から(6)のいずれか1構成において、
前記ポンプ設備は、原子力プラントにおいて設置されているポンプである。
上記(7)の構成によれば、原子力プラントにおける冷却水ポンプは継続的な稼働が要求されるが、上述の構成によれば、このような冷却水ポンプを停止することなく、将来的に発生し得る異常兆候を精度よく診断できる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係るポンプ設備の異常診断方法は上記課題を解決するために、
ポンプ設備の異常診断方法であって、
前記ポンプ設備の運転状態と相関がある複数の指標の組合せからなるデータセットを取得するデータセット取得工程と、
前記ポンプ設備の正常時における前記指標の組合せからなる基準データセットと前記データセットとの偏差を示す偏差指標値を算出する偏差指標値算出工程と、
前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記ポンプ設備に異常兆候があると判定する異常判定工程と、
前記ポンプ設備に異常兆候があると判定された場合、前記偏差指標値に対する前記複数の指標の各々の寄与度に基づいて、前記異常兆候の要因を特定する要因特定工程と、
前記要因特定工程で特定された前記要因に予め関連付けられた対策データを出力する対策データ出力工程と、
を備える。
上記(8)の方法によれば、ポンプ設備の運転状態と相関がある指標の組合せからなるデータセットと基準データセットとの偏差を示す偏差指標値に基づく判定を行うことで、ポンプ設備に発生する異常の有無を予兆段階で判断できる。そして、偏差指標値に対する各指標の寄与度に基づいて異常兆候の要因を特定し、それに関連付けられた対策データを出力することで、発生が見込まれる異常に対して迅速に対策を講じることができる。
(9)幾つかの実施形態では上記(8)の方法において、
前記偏差指標値は、前記基準データセットにより構成される単位空間に対する、前記データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離として算出される。
上記(9)の方法によれば、基準データセット及びデータセットに基づいてマハラノビス距離を算出し、当該マハラノビス距離に基づいてポンプ設備の異常判定を行う。このため、例えば、ユークリッド距離を用いて異常判定を行う場合に比べて、複数の指標間の相関関係を考慮した評価が可能である。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、故障等の異常発生を予兆段階から早期に診断することにより、異常改善に向けた対策の効率的な実施を可能とするポンプ設備の異常診断システム、及び、ポンプ設備の異常診断方法を提供できる。
本発明の少なくとも一実施形態に係るポンプ設備の異常診断システムの全体構成図である。 図1のポンプ設備の具体的構成例である。 図2のポンプ設備に含まれるポンプ装置及びモータの断面図である。 図1のクラウドサーバの内部構成を示すブロック図である。 図4のデータセット取得部で取得されるデータセットの一例である。 マハラノビス距離を概念的に示す説明図である。 要因特定部で特定される要因と各指標の寄与率の分布パターンとの対応関係を示す図である。 対策データ出力部が参照可能な故障木データの一例である。 図1の異常診断システムで実施される異常診断方法を工程毎に示すフローチャートである。 異常兆候としてセンタリング不良が生じた場合におけるマハラノビス距離Dと、当該マハラノビス距離の算出に用いられる各指標の時間的変化の一例である。 各種異常兆候が生じた場合におけるマハラノビス距離の時間的変化が示されている。 変形例に係る異常診断方法を工程毎に示すフローチャートである。 各流量におけるマハラノビス距離と各指標の寄与率の分布パターンを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の少なくとも一実施形態に係るポンプ設備1の異常診断システム100の全体構成図である。異常診断システム100の診断対象であるポンプ設備1は、例えば原子力発電プラント、ガスタービン発電プラント、化学プラントのような各種プラントにおいて、各種液体や気体を含む流体を圧送するための設備である。
異常診断システム100は、診断対象であるポンプ設備1が存在するサイト内に設置されたローカルサーバ200と、ローカルサーバ200と通信ネットワーク(例えば3G回線)300を介して通信可能でありローカルサーバ200と地理的に離れた場所に設置されたクラウドサーバ400と、を含む。後述するように、ポンプ設備1には各種情報を取得するための監視計器としてセンサ類が設置されており、ローカルサーバ200は、これらセンサ類からの出力信号をローカル回線を介してPLC(Programable logic controller)210に取り込む。PLC210に取り込まれた各種情報は、通信アダプタ220から通信ネットワーク300を介してクラウドサーバ400に送信される。クラウドサーバ400では、後述する異常診断方法が実施されることにより、ポンプ設備1の異常診断が実施される。クラウドサーバ400による異常診断結果は、ローカルサーバ200内のデータ評価用サーバ250によって適宜参照可能である。
また異常診断システム100は、ポンプ設備1における流体の流量を制御するための流量制御部500を備える。流量制御部500は、ポンプ設備1のコントロールユニットであり、ローカルサーバ200のPLC210から送信される制御信号に基づいて、ポンプ設備1における流量を可変に制御可能に構成されている。
尚、図1の異常診断システム100は、ローカルサーバ200から地理的に離れたクラウドサーバ400を備えるが、クラウドサーバ400を他のローカルサーバに置換することにより、異常診断システム100をサイト内で完結するようにしてもよい。この場合、サイト外に情報が漏洩するリスクがない点で有利である。
上述の異常診断システム100は、例えばコンピュータ(パーソナルコンピュータやワークステーションなど)のような演算処理装置から構成されるハードウェア装置に対して、本発明の少なくとも一実施形態に係る異常診断方法を実行するためのコンピュータプログラムがインストールされることにより実現してもよい。
この場合、ハードウェア装置に対してインストールされるコンピュータプログラムは、例えば、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、或いはコンピュータシステムに内蔵されるハードディスクのような記録装置を広く含む。また「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」は、インターネットや、電話回線等の通信ネットワークを介してコンピュータプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的な間、動的にコンピュータプログラムを保持するもの、その場合のサーバや、クライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのよう
に、一定時間コンピュータプログラムを保持しているものを含んでもよい。
尚、上述のコンピュータプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってよく、更に前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
図2は図1のポンプ設備1の具体的構成例であり、図3は図2のポンプ設備1に含まれるポンプ装置2及びモータ4の断面図である。
図2に示されるように、ポンプ設備1は、電力で駆動可能なモータ4を動力源として流体を圧送可能なポンプ装置2を含む。モータ4は、電力源6から電力供給ライン8を介して供給される電力によって駆動可能な電動機である。ポンプ装置2は、モータ4から供給される動力によって流体を圧送する。ポンプ設備1を有する系統である循環ライン10上には、流体を貯留するためのタンク12や流体の流量を制御するための流量制御弁14が設けられているが、これらの系統構成は任意でよい。
図3に示されるように、ポンプ装置2及びモータ4は、継手部7を介して互いに連結されている。
モータ4は、ポンプ装置2の動力を出力可能な出力軸4aを有する。出力軸4aは、モータ4のハウジング4bに対して、軸方向に沿って配置された軸受4c1、4c2(玉軸受)によって回転可能に支持される。軸受4c1、4c2は、出力軸4aの軸端側と継手側とにそれぞれ配置されており、出力軸4aを両持ち支持している。
モータ4は、軸受4c1、4c2の温度(以下、それぞれ「第1モータ軸受温度Tm1」、「第2モータ軸受温度Tm2」と称する)を検出するための第1モータ軸受温度センサ16及び第2モータ軸受温度センサ17を有する。またモータ4は、軸受4c1、4c2の振動(以下、それぞれ「第1モータ軸受振動Fm1」、「第2モータ軸受振動Fm2」と称する)を検出するための第1モータ軸受振動センサ18及び第2モータ軸受振動センサ19を有する。
ポンプ装置2は、モータ4から入力される動力によって駆動可能な駆動軸2aを有する。駆動軸2aは、モータ4の出力軸4aに対して継手部7を介して連結されており、駆動軸2aに入力される動力によって回転可能に構成される。駆動軸2aは、ポンプ装置2のハウジング2bに対して、軸方向に沿って配置された軸受2c1、2c2(玉軸受)によって回転可能に支持される。軸受2c1、2c2は、駆動軸2aの継手側と軸端側とにそれぞれ配置されており、駆動軸2aを両持ち支持している。
ポンプ装置2は、軸受2c1、2c2の温度(以下、それぞれ「第1ポンプ軸受温度Tp1」、「第2ポンプ軸受温度Tp2」と称する)を検出するための第1ポンプ軸受温度センサ20及び第2ポンプ軸受温度センサ21を有する。またポンプ装置2は、軸受2c1、2c2の振動(以下、それぞれ「第1ポンプ軸受振動Fp1」、「第2ポンプ軸受振動Fp2」と称する)を検出するための第1ポンプ軸受振動センサ22及び第2ポンプ軸受振動センサ23を有する。
またポンプ設備1には、図2に示されるように、回転数Rを検出するための回転数センサ24と、吸込圧と吐出圧との差圧を検出するための差圧センサ25と、ポンプ装置2に供給される電圧及び電流を検出するための電圧センサ26及び電流センサ27と、を備える。
このような構成を有するポンプ設備1では、運転に際して種々の異常が生じる可能性がある。以下の説明では、この種の異常として、駆動軸2aのセンタリング不良、ウェアリング隙間の拡大、軸受2c1、2c2の転動面における傷発生、及び、キャビテーション発生などを例示的に説明するが、これに限られない(ポンプ装置2の内部的異常であってもよいし、モータ4に生じる異常であってもよいし、モータ4への電力供給系統(電力源6や電力供給ライン8など)に生じる異常であってもよい)。
続いて図4は図1のクラウドサーバ400の内部構成を示すブロック図である。
クラウドサーバ400は、データセットを取得するように構成されたデータセット取得部402と、基準データセットを生成する基準データセット生成部404と、基準データセットとデータセットとの偏差を示す偏差指標値を算出するように構成された偏差指標値算出部406と、ポンプ設備1に異常兆候があるか否かを判定するように構成された異常判定部408と、異常兆候の要因を特定するように構成された要因特定部410と、対策データを出力するように構成された対策データ出力部412と、を備える。
データセット取得部402はデータセットを取得する。データセットは、ポンプ設備1の運転状態と相関がある複数の指標の組合せからなる。このようなデータセットは、まずローカルサーバ200のPLC210によって上述のセンサ類によって取得され、通信ネットワーク300を介してデータセット取得部402に取り込まれる。
図5は、図4のデータセット取得部402で取得されるデータセットの一例である。この例では、ポンプ設備1の運転状態と相関がある指標として、次の12種類の指標が取り扱われる。
[指標1]回転数センサ24によって検出される回転数R
[指標2]差圧センサによって検出されるポンプ装置2の吸込圧と吐出圧との差圧
[指標3]電圧センサ26によって検出される電圧
[指標4]電流センサ27によって検出される電流
[指標5]第1ポンプ軸受振動センサ22によって検出される第1ポンプ軸受振動Fp1
[指標6]第2ポンプ軸受振動センサ23によって検出される第2ポンプ軸受振動Fp2
[指標7]第1モータ軸受振動センサ18によって検出される第1モータ軸受振動Fm1
[指標8]第2モータ軸受振動センサ19によって検出される第2モータ軸受振動Fm2
[指標9]第1ポンプ軸受温度センサ20によって検出される第1ポンプ軸受温度Tp1
[指標10]第2ポンプ軸受温度センサ21によって検出される第2ポンプ軸受温度Tp2
[指標11]第1モータ軸受温度センサ16によって検出される第1モータ軸受温度Tm1
[指標12]第2モータ軸受温度センサ17によって検出される第2モータ軸受温度Tm2
基準データセット生成部404は、単位空間を構成するデータセットである基準データセットを生成する。基準データセットは、上述のデータセットと同じ指標の組合せのうち、ポンプ装置2の正常時における指標の組合せである。
尚、基準データセット生成部404による基準データセットの作成は、ポンプ設備1の運転開始前に予め実施されてもよいし、ポンプ設備1の運転中に実施されてもよい。
偏差指標値算出部406は、データセット取得部402で取得されたデータセットと基準データセット生成部404で作成された基準データセットとの偏差を示す偏差指標値を算出する。本実施形態の偏差指標値は、基準データセットにより構成される単位空間に対する、データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離として算出される。
ここで図6は、マハラノビス距離を概念的に示す説明図である。マハラノビス距離はデータセットに含まれる指標に対応する多次元空間に基づいて算出されるが、図6では、わかりやすく説明するために、データセットに含まれる2つの指標である第1モータ軸受温度Tm1(図5の指標11)と第2モータ軸受温度Tm2(図5の指標12)とを二次元座標系の変数として代表的に選択している。具体的に説明すると、図6では、横軸に第1モータ軸受温度Tm1が選択されるとともに、縦軸に第2モータ軸受温度Tm2が選択されることで、これら2つの指標の相関関係が示されている。すなわち、第1モータ軸受温度Tm1が変化すると第2モータ軸受温度Tm2も影響を受けて変化する。このような2つの指標間の相関関係は、運転条件によって少なからずばらつきを有するが、図6で単位空間として示されるように、正常な運転状態においては特定の範囲に収まる。一方で、運転状態が異常兆候を含む場合、これら2つの指標の相関関係が単位空間から乖離することとなる。このようにデータセットと基準データセットとの偏差を示す偏差指標値であるマハラノビス距離を算出することで、ポンプ設備1の運転状態における異常を診断することができる。
異常判定部408は、偏差指標値算出部406で算出された偏差指標値であるマハラノビス距離Dに基づいて、診断対象であるポンプ設備1に異常兆候があるか否かを判定する。このような判定は、マハラノビス距離Dを予め設定された閾値と比較することにより行われる。当該閾値は、実験的、理論的又はシミュレーション的な手法によって、異常兆候が生じたポンプ設備1に対応するマハラノビス距離として設定される。後述するように、異常判定部408は、偏差指標値算出部406で算出されるマハラノビス距離Dが閾値を超えないか連続的に監視する。
要因特定部410は、異常判定部408で異常兆候があると判定された場合に、異常兆候の要因を特定するように構成される。本実施形態では、このような要因特定は、異常判定部408で異常兆候があると判定された際に偏差指標値算出部406で算出された偏差指標値に対する各指標の寄与率に基づいて行われる。
ここで各要因は、各指標の寄与率の分布パターンによって予め対応付けられる。図7は要因特定部410で特定される要因と各指標の寄与率の分布パターンとの対応関係を示す図である。図7(a)は異常兆候「センタリング不良」に対応する分布パターンであり、指標6及び指標8を含むブロードな領域において寄与率が増加する傾向が示されている。図7(b)及び(c)は異常兆候「ウェアリング隙間が1.5倍に拡大」及び「ウェアリング隙間が2倍に拡大」に対応する分布パターンであり、指標2に顕著に大きな寄与率が表れることが特徴的である。図7(d)は異常兆候「ウェアリング接触」に対応する分布パターンであり、指標8に顕著に大きな寄与率が表れることが特徴的である。図7(e)は異常兆候「軸受2c1、2c2の転動面に傷発生」に対応する分布パターンであり、指標1−4及び6−12にかけてブロードな寄与率が表れることが特徴的である。図7(f)は異常兆候「キャビテーション」に対応する分布パターンであり、指標2に顕著に大きな寄与率が表れることが特徴的である。
このような要因と各指標の分布パターンとは、ポンプ設備1で生じ得る組み合わせが予め規定されている。要因特定部410は、偏差指標値算出部406で算出された偏差指標値に対する各指標の寄与率から分布パターンを求め、当該分布パターンが予め規定された分布パターンのいずれに対応するかを求めることで、要因の特定を行う。
対策データ出力部412は、要因特定部410による特定結果に基づいて、要因を解消するために必要な対応策に関する対策データを作成して出力する。対策データの作成に必要な対応策は、予め各要因に関連付けて規定された故障木データとして用意されており、対策データ出力部412は、当該故障木データを参照することにより、要因特定部410で特定された要因に対応する対策データを作成する。
図8は、対策データ出力部412が参照可能な故障木データ420の一例である。この例の故障木データ420は、「故障事象(振動)」に対して、要因として「センタリング不良」、「ウェアリング隙間拡大」、「ウェアリング接触」、「軸受2c1、2c2の転動面における傷発生」、及び、「キャビテーション」が関連付けられている。そして要因「センタリング不良」には当該要因を解消するための対応策「ポンプ分解点検」及び「再調整」が規定されている。また、要因「ウェアリング隙間拡大」には当該要因を解消するための対応策「ポンプ分解点検」及び「ライナリング取替&羽根車リング取付」が規定されている。また、要因「ウェアリング接触」には当該要因を解消するための対応策「ポンプ分解点検」及び「ライナリング取替&羽根車リング取付」が規定されている。また、要因「軸受2c1、2c2の転動面に傷発生」には当該要因を解消するための対応策「取替」が規定されており、要因「キャビテーション」には当該要因を解消するための対応策「ポンプ運転流量の変更」及び「プラント運転流量の変更」が規定されている。
対策データ出力部412は、このような故障木データ420にアクセスすることにより、要因特定部410で特定された要因に対する対応策を特定し、当該対応策を含む対策データを作成する。対策データ出力部412から出力される対策データは、ディスプレイ等の表示装置に表示される表示用データと、ポンプ設備1の制御部に入力されることにより、ポンプ設備1の制御に用いられる制御用データとを含んでもよい。
表示用データは、例えばデータ評価用サーバ250に設けられたディスプレイ等の表示装置に表示されることにより、オペレータによって認識される。この場合、オペレータは、表示装置に表示された対応策を認識することで、要因を解消又は軽減するための行動を迅速にとることができる。図8の故障木データ420では、例えば「ポンプ分解点検」、「再調整」、「ライナリング取替&羽根車リング取付」、「取替」が表示用データとして出力可能な対応策である。
制御用データは、例えば、ポンプ設備1のコントロールユニットである流量制御部500に対する制御信号であり、当該制御信号によって、要因を解消又は軽減するためにポンプ設備1に対する流量制御が自動的に実施される。図8に含まれる対応策では、例えば「ポンプ運転流量の変更」及び「プラント運転流量の変更」が制御用データとして出力可能な対応策であり、この場合、流量制御部500は対策データ出力部412から出力される制御信号に基づいて流量制御を実施する。
続いて上記構成を有する異常診断システム100によって実施される、本発明の少なくとも一実施形態に係る異常診断方法について説明する。図9は図1の異常診断システム100で実施される異常診断方法を工程毎に示すフローチャートである。
まずデータセット取得部402は、データセットを取得する(ステップS100)。このようなデータセットは、ポンプ設備1に設けられた各種センサの検出値をローカルサーバ200のPLC210によって取得し、通信ネットワーク300を介してデータセット取得部402に取り込まれる。
続いて基準データセット生成部404は、ステップS10で取得されたデータセットに対応する基準データセットを生成する(ステップS101)。このような基準データは、上述のデータセットと同じ指標の組合せのうち、ポンプ装置2の正常時における指標の組合せである。
尚、ステップS101における基準データセットの作成は、ポンプ設備1の運転開始前に予め実施されてもよいし、ポンプ設備1の運転中に実施されてもよい。
続いて偏差指標値算出部406は、ステップS100で取得したデータセットと、ステップS101で生成した基準データセットとの運転データにおける偏差を示す偏差指標値を算出する(ステップS102)。本実施形態では、偏差指標値としてマハラノビス距離が算出される。
続いて異常判定部408は、ステップS102で算出された偏差指標値に基づいてポンプ設備1に異常兆候があるか判定する(ステップS103)。当該判定は、ステップS102で算出された偏差指標値が、予め設定された閾値と比較することにより行われる。異常判定部408は、上述のステップS100〜S102が繰り返し実施されることにより、偏差指標値を継続的に監視する。
異常判定部408の監視によって偏差指標値が閾値を超えた場合(ステップS103:YES)、異常判定部408はポンプ設備に異常兆候があると判定する(ステップS104)。一方、偏差指標値が閾値以下である場合(ステップS103:NO)、処理をステップS100に戻すことにより、上記処理が繰り返し実施される。
ここで図10は異常兆候としてセンタリング不良が生じた場合におけるマハラノビス距離Dと、当該マハラノビス距離の算出に用いられる各指標の時間的変化の一例である。この例では、時刻t1以降においてセンタリング不良の異常兆候が生じる場合が示されているが、図10(b)〜(i)に示されるように、各指標は、それぞれの許容値を大きく下回っている値を示しており、各指標に基づいて直接的に異常兆候を判定することが困難であることが示されている。一方、図10(a)に示されるように、マハラノビス距離Dは時刻t1において閾値を超える振る舞いを示しており、各指標では判定が困難な異常兆候を識別できることが示されている。
尚、図10では、マハラノビス距離Dに基づいてセンタリング不良に関する異常兆候を識別できることを示しているが、その他の異常兆候に関しても同様に識別可能である。例えば図11は他の異常兆候が生じた場合におけるマハラノビス距離の時間的変化が示されている。図11では、マハラノビス距離が閾値を超えることによって、「グランド隙間拡大」、「軸受2c1、2c2の転動面に傷発生」、「ウェアリング接触」、「主軸き裂(スリット)」、「ウェアリング隙間拡大」に関する異常兆候が識別可能であることが示されている。
このように異常判定部408によってポンプ設備に異常兆候があると判定されると(ステップS104)、要因特定部410は、偏差指標値に対する各指標の寄与度を算出し、各寄与度の分布パターンを特定する(ステップS1ー05)。続いて要因特定部410は、ステップS15で特定された各寄与度の分布パターンを、予め用意した分布パターンの集合から検索し、当該分布パターンに関連付けられた要因を特定する(ステップS106)。
続いて対策データ出力部412は、予め用意された故障木データ420(図8を参照)にアクセスすることにより、ステップS106で特定された要因に関連付けられた対応策を特定し(ステップS107)、当該対応策を含む対策データを作成する(ステップS108)。図8を参照して上述したように、予め用意された故障木データ420には、要因と対応策とが互いに関連付けられて記憶されている。対策データ出力部412は、要因特定部410で特定された要因に関して故障木データ420を検索することにより、当該要因に関連付けられた対応策を特定する。
このように対策データ出力部412から出力された対策データは、ディスプレイ等の表示装置に表示される表示用データと、ポンプ設備1の制御部に入力されることにより、ポンプ設備1の制御に用いられる制御用データとを含む。表示用データは、データ評価用サーバ250のディスプレイ等の表示装置に表示されることにより、オペレータによって認識される(ステップS109)。この場合、オペレータは対策データに含まれる対応策を認識することで、要因を解消又は軽減するための行動を迅速にとることができる。
一方、制御用データは、ポンプ設備1の流量制御部500に対する制御信号であり、当該制御信号によって、要因を解消又は軽減するためにポンプ設備1に対する制御が自動的に実施される(ステップS110)。
例えば、原子力プラントなどで用いられるポンプ設備1は、プラント運転の低コスト化に伴って、低流量運転(ミニフロー運転)が実施されることがある。このようなミニフロー運転は流量制御部500による流量制御によって実施されるが、振動増加現象が生じることがある。上述の異常診断システム100によれば、このようなミニフロー運転における振動増加現象を予兆段階において早期に認識できる。そして、異常予兆が認識された場合には、対策データに含まれる制御用データに基づいて、例えば、ミニフロー運転における流量を増加させるように流量制御を実施することによって、迅速に異常予兆を解消又は軽減することができる。
尚、このような振動増加現象が認識された場合の流量制御は、例えば、ポンプ装置2の固有振動数を回避するように行われてもよい。
<変形例>
図12は変形例に係る異常診断方法を工程毎に示すフローチャートである。本変形例では、流量制御部500によってポンプ設備1の流量を可変制御することにより、各流量における偏差指標値をそれぞれ算出し、その推移を観察することによって、ポンプ設備1における異常を診断することができる。
尚、本変形例では上述の実施形態に対応する構成には共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略する。
まずポンプ設備1のコントロールユニットである流量制御部500は、ポンプ設備1に対して制御信号を送ることによって、ポンプ設備1における流量を初期設定値に設定する(ステップS200)。ここでは初期設定値の一例として、定格流量の90%に設定されることとする。
続いてデータセット取得部402は、流量が初期設定値に制御されたポンプ設備1に対してデータセットの取得を行う(ステップS201)。このようなデータセットは、ポンプ設備1に設けられた各種センサの検出値をローカルサーバ200のPLC210によって取得し、通信ネットワーク300を介してデータセット取得部402に取り込まれる。
続いて基準データセット生成部404は、ステップS201で取得されたデータセットに対応する基準データセットを生成する(ステップS202)。このような基準データは、上述のデータセットと同じ指標の組合せのうち、ポンプ装置2の正常時における指標の組合せである。
続いて流量制御部500は、ポンプ設備1における流量を変更しながら上述のステップS201からS203を繰り返すことにより、各流量におけるデータセット及び基準データセットを取得する(ステップS203)。
続いて偏差指標値算出部406は、各流量におけるデータセット及び基準データセットに基づいて、各運転流量の偏差を算出する(ステップS204)。本実施形態では、偏差指標値としてマハラノビス距離Dが算出され、各流量に対応するマハラノビス距離D1,D2,D3,・・・が求められる。本変形例では、ポンプ設備1の流量は、初期設定値である90%から、60%、30%、0%と次第に段階的に減少するように制御しながら、各流量においてマハラノビス距離D1,D2,D3,・・・が求められる。
続いて異常判定部408は、各流量におけるマハラノビス距離D1,D2,D3,・・・の推移に基づいて、異常兆候の有無を判定する(ステップS205)。ここで図13は各流量におけるマハラノビス距離D1,D2,D3,・・・と各指標の寄与率の分布パターンを示す図である。図13に示されるように、寄与率の分布パターンは似た結果になっているが、マハラノビス距離D1,D2,D3,・・・は流量が減少するに従って、大きな値を示すように推移する様子が示されている。このようなマハラノビス距離の推移もまた異常兆候の種類によって特徴的なパターンを有することが判明した。
異常判定部408は、このような流量に基づくマハラノビス距離D1,D2,D3,・・・の推移パターンを特定し、予め異常兆候の種類と関連付けて規定されたパターンデータと照合することにより(ステップS206)、要因の特定を行う(ステップS207)。
続いて対策データ出力部412は、予め用意された故障木データ420(図8を参照)にアクセスすることにより、ステップS207で特定された要因に関連付けられた対応策を特定し(ステップS208)、当該対応策を含む対策データを作成する(ステップS209)。
以上説明したように本発明の少なくとも一実施形態によれば、ポンプ設備1の運転状態と相関がある指標の組合せからなるデータセットと基準データセットとの偏差を示す偏差指標値に基づく判定を行うことで、ポンプ設備1に発生する異常の有無を予兆段階で判断できる。そして、偏差指標値に対する各指標の寄与度に基づいて異常兆候の要因を特定し、それに関連付けられた対策データを出力することで、発生が見込まれる異常に対して迅速に対策を講じることができる。
本発明の少なくとも一実施形態は、流体を圧送可能なポンプ設備の異常診断システム、及び、ポンプ設備の異常診断方法に利用可能である。
1 ポンプ設備
2 ポンプ装置
2a 駆動軸
4 モータ
6 電力源
7 継手部
8 電力供給ライン
10 循環ライン
12 タンク
14 流量制御弁
16 第1モータ軸受温度センサ
17 第2モータ軸受温度センサ
18 第1モータ軸受振動センサ
19 第2モータ軸受振動センサ
20 第1ポンプ軸受温度センサ
21 第2ポンプ軸受温度センサ
22 第1ポンプ軸受振動センサ
23 第2ポンプ軸受振動センサ
24 回転数センサ
25 差圧センサ
26 電圧センサ
27 電流センサ
100 異常診断システム
200 ローカルサーバ
220 通信アダプタ
250 データ評価用サーバ
300 通信ネットワーク
400 クラウドサーバ
402 データセット取得部
404 基準データセット生成部
406 偏差指標値算出部
408 異常判定部
410 要因特定部
412 対策データ出力部
420 故障木データ
500 流量制御部

Claims (9)

  1. ポンプ設備の異常診断システムであって、
    前記ポンプ設備の運転状態と相関がある複数の指標の組合せからなるデータセットを取得するように構成されたデータセット取得部と、
    前記ポンプ設備の正常時における前記指標の組合せからなる基準データセットと前記データセットとの偏差を示す偏差指標値を算出するように構成された偏差指標値算出部と、
    前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記ポンプ設備に異常兆候があると判定するように構成された異常判定部と、
    前記ポンプ設備に異常兆候があると判定された場合、前記偏差指標値に対する前記複数の指標の各々の寄与度に基づいて、前記異常兆候の要因を特定するように構成された要因特定部と、
    前記要因特定部で特定された前記要因に予め関連付けられた対策データを出力するように構成された対策データ出力部と、
    を備える、ポンプ設備の異常診断システム
  2. 前記偏差指標値算出部は、前記基準データセットにより構成される単位空間に対する、前記データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離を前記偏差指標値として算出するように構成される、請求項1に記載のポンプ設備の異常診断システム。
  3. 前記対策データ情報出力部は、前記ポンプ設備に生じ得る異常事象と前記異常事象に対する対策指針とを関連付ける故障木データに基づいて、前記対策データを作成する、請求項1又は2に記載のポンプ設備の異常診断システム。
  4. 前記ポンプ設備によって圧送される流体の流量を制御するように構成された流量制御部を更に備え、
    前記流量制御部は、前記対策データに従って前記流量を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載のポンプ設備の異常診断システム。
  5. 前記ポンプ設備によって圧送される流体の流量を制御するように構成された流量制御部を更に備え、
    前記データセット取得部は、前記流量制御部によって前記流量が互いに異なるように設定される複数の運転条件下で前記データセットをそれぞれ取得し、
    前記偏差指標値算出部は、前記複数の運転条件下で前記データセット取得部によって取得された前記データセットの各々に対応する前記偏差指標値をそれぞれ算出し、
    前記異常判定部は、前記偏差指標値算出部によって算出された前記偏差指標値の推移に基づいて前記異常兆候の有無を判定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のポンプ設備の異常診断システム。
  6. 前記データセット取得部は、通信ネットワークを介して前記ポンプ設備から前記データセットを取得するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプ設備の異常診断システム。
  7. 前記ポンプ設備は、原子力プラントにおいて設置されているポンプである、請求項1から6のいずれか一項に記載のポンプ設備の異常診断システム。
  8. ポンプ設備の異常診断方法であって、
    前記ポンプ設備の運転状態と相関がある複数の指標の組合せからなるデータセットを取得するデータセット取得工程と、
    前記ポンプ設備の正常時における前記指標の組合せからなる基準データセットと前記データセットとの偏差を示す偏差指標値を算出する偏差指標値算出工程と、
    前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記ポンプ設備に異常兆候があると判定する異常判定工程と、
    前記ポンプ設備に異常兆候があると判定された場合、前記偏差指標値に対する前記複数の指標の各々の寄与度に基づいて、前記異常兆候の要因を特定する要因特定工程と、
    前記要因特定工程で特定された前記要因に予め関連付けられた対策データを出力する対策データ出力工程と、
    を備える、ポンプ設備の異常診断方法。
  9. 前記偏差指標値は、前記基準データセットにより構成される単位空間に対する、前記データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離として算出される、請求項8に記載のポンプ設備の異常診断方法。
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