JP2011253489A - プラント運転監視装置およびシステムならびにプログラム - Google Patents

プラント運転監視装置およびシステムならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 水質データ等、多量で多変数のデータが複雑に組み合っている場合でもその微小変動や外れ値を検出し、要因を推定して適正な運転条件を導出する。
【解決手段】 多次元解析処理部314は、現場機器から取得される多次元データと、過去分における所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出する。そして、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する。ここで算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件は、描画・表示制御部5より画面表示される。
【選択図】図2

Description

本発明は、浄水場プラント等に用いて好適な、プラント運転監視装置およびシステムならびにプログラムに関する。
図7に、浄水場プラントの一例が示されている。図4に示されるように、浄水場施設は、川からの水を取水ポンプ2で取水して貯留する着水井3と、処理原水へ凝集剤を注入して混和させ、緩速攪拌により処理原水中にフロックを形成させるフロック形成池4と、懸濁物質やフロックを沈殿させる沈殿池5と、処理水をろ過する急速ろ過池6とからなる。他に、浄水池7、排水池8もあるが、ここでは、これらを設備として説明する。
各設備には、水位センサ等のセンサ類やバルブ調整器等、所謂、現場機器が備え付けられ、DCS(Distributed Control System)等のデータ収集蓄積装置でプロセスデータの収集がなされ、各種サーバからなるプラント運転監視システムにより運転状態が監視される。
具体的に、各現場機器で測定される実測データは、設備毎に割り当てられ設置されるDCSに、測定のサンプリング時刻毎リアルタイムにバッファリングされる。そのバッファリングされた測定データは、LAN(Local Area Network)等によりネットワーク接続される不図示のDBサーバにファイル又はデータベースの形式で蓄積され、中央監視サーバ又はクライアントによりLAN経由で適宜アクセスされる。
特許文献1には、多数の細目データを個別に監視することなく、水処理プラントの異常を迅速かつ正確に検知可能な水処理プラントの運転管理方法ならびに装置に関する技術が開示されている。具体的には、過去の水処理量と過去の原単位とから回帰式を算出し、現在の水処理量の実測値をこの回帰式に代入して原単位の推定値を得、この推定値を実際の原単位と比較して水処理プラント全体の異常を判定する。そして、水処理プラントを構成するプラント要素それぞれについて、水処理プラント全体の水処理量と各プラント要素の細目原単位との相関関係を示す回帰式に基づき細目原単位の推定値を得、これを実際の細目原単位と比較して、推定値と実測値との間に相違のあるプラント要素を異常あるプラント要素として抽出するものである。
特開2007−156653号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、例えば、水質データ等、個々の1:1の対応関係は把握できるが、環境やその他要素が複雑に関連しあい、全ての個々の関連性を考慮することは不可能であり、異常の要因を特定することは困難である。例えば、沈殿水濁度と凝集剤の注入率の関連性はわかっても、水温、攪拌強度、pH、アルカリ度等、その他要素の全ての関連性や影響度を明確にすることはできない。更に、その水質の長期的トレンドを表す多量のデータから、気づかない程度の微小変動を検出することも困難であった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、水質データ等、多量で多変数のデータが複雑に組み合っている場合の微小変動や外れ値を検出し、その要因を推定して適正な運転条件を導出可能な、プラント運転監視装置およびシステムならびにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のプラント運転監視装置は、複数の現場機器が接続されるプラント運転監視装置であって、前記現場機器の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部と、前記現場機器から取得される多次元データと、前記過去データ記憶部に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する多次元解析処理部と、前記多次元解析処理部で算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する描画・表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、多次元解析処理部が、現場機器から取得される多次元データと、過去分における所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出する。そして、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出、描画・表示制御部が、算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する。このため、例えば、水質データ等、多量で多変数のデータが複雑に組み合わさっている場合でも、多次元的な数理計算により長期的に気づかない程度の微小変動や外れ値を検出することができ、その要因を推定して適正な運転条件を導出することができる。
上記発明において、前記プラントは、川からの水を貯留する着水井と、処理原水へ凝集剤を注入して混和させ、緩速攪拌により処理原水中にフロックを形成させるフロック形成池と、懸濁物質や前記フロックを沈殿させる沈殿池と、処理水をろ過するろ過池とからなる浄水処理場施設であり、前記多次元解析処理部は、前記多次元データが示す、原水水質と、混和池運転条件と、フロック形成池運転条件と、沈殿池水質データと、前記プラントの運用コストの重み付けにより示される目的関数とから、データマイニング、又は外れ値分析により、微小変動している原水水質、混和池運転条件、フロック形成池運転条件、沈殿池水質データのうちの少なくとも一つの変化点を検出して異常要因を推定し、適正な運転条件を算出することを特徴とする。本発明によれば、多次元解析処理部がデータマイニング、又は外れ値分析により、微小変動している原水水質、混和池運転条件、フロック形成池運転条件、沈殿池水質データの変化点とその異常要因を解析し、画面表示するため、適正な運転条件の推定は勿論のこと、水質リスクの可視化が可能になる。
上記発明において、前記多次元データの推定値と実測値とが相違した場合のプラント要素同士の関係性と、プラントの異常要因とが関係付けられ記憶された異常要因データ記憶部を備え、前記多次元解析処理部は、前記推定値と実測値が所定値以上異なる場合に、前記異常要因データ記憶部を参照してその異常要因を推定することを特徴とする。本発明によれば、多次元解析処理部が異常要因データ記憶部を参照して異常要因を推定することにより、例えば、pHの低下は過剰な凝集剤注入率が異常要因であると推定でき、これを適正な運転条件の推定に反映させることができる。
本発明のプラント運転監視システムは、川からの水を貯留する着水井と、処理原水へ凝集剤を注入して混和させ、緩速攪拌により処理原水中にフロックを形成させるフロック形成池と、懸濁物質や前記フロックを沈殿させる沈殿池と、処理水をろ過するろ過池とからなる浄水処理設備におけるプラント運転監視システムであって、前記浄水処理設備のそれぞれに設けられるセンサを含む現場機器と、前記現場機器とは通信ネットワーク経由で接続され、前記現場機器の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部を有し、前記現場機器から取得される現時点における多次元データと、前記過去データ記憶部に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出し、当該算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、要因、適正な運転状態のうちの少なくとも一つを画面表示するプラント運転監視装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明のプラント運転監視プログラムは、複数の現場機器が接続され、前記現場機器の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部を有するプラント運転監視装置上のコンピュータで実行されるプラント運転監視プログラムであって、前記コンピュータに、前記現場機器から取得される多次元データと、前記過去データ記憶部に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する多次元解析処理と、前記多次元解析処理により算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する描画・表示処理と、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、水質データ等、多量で多変数のデータが複雑に組み合わされている場合の微小変動や外れ値を検出し、その要因を推定して適正な運転条件を導出可能な、プラント運転監視装置およびシステムならびにプログラムを提供することができる。
本発明の実施形態に係るプラント運転監視システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るプラント運転監視装置の構成を示すブロック図である。 図2の過去データDB、異常要因DBのデータ構造の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラント運転監視装置の基本処理動作を示すフローチャートである。 図4の異常要因推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図4の運転条件算出処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 浄水場プラントの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態に係るプラント運転監視システム1の構成を示すブロック図である。プラント運転監視システム1は、プラントの保守、維持管理業務を支援するシステムであり、機場#1〜#n毎に設置される現場機器10と、管理者端末20と、プラント運転監視装置30と、クライアント端末40とからなる。
機場#1〜#nには、それぞれ、フィールドサーバ11とプロセス機器12とかなる現場機器10が備え付けられている。これら現場機器10とWAN(Wide Area Network)50経由で接続されるプラント運転監視装置30は、プラントのフィールド情報を取得し、後述するように、過去データとの数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出し、自身が持つ表示モニタ又はLAN60経由で接続されるクライアント端末40に表示する機能を有する。
現場機器10は、フィールドサーバ11とプロセス機器12とを含む。フィールドサーバ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access Memory)等、サーバとしての基本構成の他に、周辺装置として、ハードディスク、表示モニタ等を含み構成される。又、プロセス機器12は、水位センサ等のセンサ類を含むバルブ調整器等であり、ここで測定されるフィールドデータは、フィールドサーバ11により収集され、プラント運転監視装置30により取り込まれる。
プラント運転監視装置30の構成が図2に示されている。図2に示されるように、プラント運転監視装置30は、制御部31と、操作部32と、記憶部33と、表示部34と、により構成される。
操作部32は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキー、あるいはマウス等のポインティングデバイスを有しており、これらキー、あるいはマウスがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部31に出力する。
記憶部33には、過去データ記憶部(過去データDB330)と、異常要因記憶部(異常要因DB331)とが割り付けられ記憶される。過去データDB330は、図1に示した現場機器10から取得されるフィールドデータ(多量で多変数であることから、以下、多次元データという)が所定期間分時系列に蓄積されるデータベースである。又、異常要因DB331は、多次元データの推測値と実測値とが相違した場合のプラント要素同士の関係性と、プラントの異常要因とが紐付けられて記憶されたデータベースである。
記憶部33は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
過去データDB330には、図3(a)にそのデータ構造の一例が示されているように、タイムスタンプ毎に、原水、ろ過水、沈殿水における、Tb、アルカリ度他に関するデータ、薬注率における凝集剤、苛性、残塩に関するデータ、及びその他の多次元データが過去の運転履歴(運転状態)として割り当てられ記憶されている。尚、タイムスタンプは、現場機器10からこれら多次元データを取得したときに付与される時刻データである。又、異常要因DB331には、図3(b)にそのデータ構造の一例が示されているように、多次元データの推測値と実測値とが相違した場合のプラント要素同士の関係性(外れ値、相違要素、相違幅)と、その場合の異常要因(凝集剤過注入、混和池pHが凝集適正範囲外、攪拌強度不足等)とが紐付けられて記憶されている。
表示部34は、多数の画素(複数色の発光素子の組み合わせ)を縦横に配して構成される、例えばLCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)を用いて構成される。表示部34は、制御部31により生成され、制御部31が内蔵する、又は外付けされるメモリの所定の領域(VRAM領域)に描画された表示対象データに応じた画像を表示する。
制御部31は、例えば、メモリを内蔵し、あるいは外付けのメモリを有するマイクロプロセッサにより構成される。このメモリには、本発明のプラント運転監視プログラムが記憶されており、現場機器10から取得される多次元データと、過去データ記憶部(過去データDB330)に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する多次元解析処理と、多次元解析処理により算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する描画・表示処理と、がプログラムされ、記憶されている。
このため、制御部31は、メモリから逐次読み出され実行されるプラント運転監視プログラムの構造が機能展開され示されているように、主制御部310と、通信インタフェース部#1(311)と、通信インタフェース部#2(312)と、操作情報取得部313と、多次元解析部314と、描画・表示制御部315とを含み構成される。
通信インタフェース部#1(311)は、WAN50経由で接続される現場機器10との間の通信インタフェースを司り、WAN50使用の通信プロトコルに従い、各機場#1〜#nの、例えば、原水水質と、混和池運転条件と、フロック形成池運転条件と、沈殿池水質データ等の多量で多変数のデータを取り込んで、多次元解析処理部314へ出力する。
通信インタフェース部#2(312)は、LAN60経由で接続される管理者端末20、クライアント端末40と間の通信インタフェースを司り、LAN60で使用する、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet
Protocol)等のプロトコルに従い、管理者端末20により設定入力される目標関数に関するデータを取り込み、あるいは、クライアント端末40からの要求に基づき、プラント運転監視装置30により生成出力される適正な運転条件等を出力する。
尚、ここでいう「目標関数」とは、運用コストの重み付けによって示される、例えば、薬品費、電力量等に関するデータであり、このデータは目標関数として設定される。この目標関数は、管理者端末20によらず、プラント運転監視装置30に直結される操作部32から設定入力しても良い。この場合、その目標関数は、操作情報取得部313によって取り込まれ、多次元解析処理部314へ出力される。
多次元解析部314は、通信インタフェース部#1(311)経由で取得される現場機器10による多量で多変数のプロセス実測値データと、記憶部33の過去データDB330に蓄積された所定期間分のプロセスデータとに基づくデータマイニング、外れ値分析等の数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する機能を有する。
尚、「データマイニング」とは、周知の数理計算技法の一つであり、解析の技法を多次元のデータに網羅的に適用することにより、上記した微小変動、外れ値(他の測定値から飛び離れた測定値)、乖離度等の有用な情報を検出し、あるいは予測を行うものであり、相関ルール抽出、カテゴリ予測、クラスタリング、回帰分析による数値予測等の技法が使用される。
描画・表示制御部315は、多次元解析処理部314で算出された微小変動、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する機能を有する。描画・表示制御部315は、多次元解析処理部314により生成される表示画面情報を不図示のメモリ(VRAM:Video RAM)に描画し、これを表示部34の表示タイミングに同期して読み出し、表示部34にその表示画面情報を表示する。尚、VRAMは、ここでは、描画・表示制御部315が内蔵するものとするが、記憶部33の一部領域に割り当てても良い。
尚、主制御部310は、制御部31が、現場機器10から取得される現時点における多次元データと、記憶部33(過去データDB330)に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出し、当該算出された微小変動、外れ値、乖離度、要因、適正な運転状態のうちの少なくとも一つを画面表示する機能を実現するために、上記した、通信インタフェース部#1(311)、通信インタフェース部#2(312)、操作情報取得部313、多次元解析部314、描画・表示制御部315のシーケンス制御を行う。
(実施形態の動作)
図4は、本発明の実施形態の基本処理動作を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートを参照しながら、図2、図3に示すプラント運転監視装置30の動作について詳細に説明する。
通信インタフェース部#1(311)は、各機場#1〜#nに設置された現場機器10(フィールドサーバ11)と通信を行い、プロセス機器12により測定されるプロセスデータの収集、および蓄積を行ない、多次元解析処理部314へ入力する(ステップS11)。多次元解析処理部314へは、他に、操作情報取得部313により取得される目標関数データが入力されている。
尚、ここでいう「プロセスデータ」とは、原水水質、混和池運転条件、フロック形成池運転条件、沈殿池水質データ等の多次元データである。尚、原水水質データは、原水Tb、原水pH、原水色度、原水アルカリ度、原水水温等のデータを含み、混和池運転条件データ、フロック形成池運転条件は共に、攪拌強度、攪拌時間等データを含み、沈殿池水質データは、表面負荷率、TbやpH等の沈殿水水質データを含む。又、目標関数とは、運用コストの重み付けによって示される、例えば、薬品費、電力量等に関する管理データである。
多次元解析処理部314は、上記の大量で多変数のプロセスデータから、データマイニングや外れ値分析等の数理計算を行う。ここで、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出する(ステップS12)。例えば、長期的に気付かない程度に微小変動している原水水質のその変化点と原因を解析する。特に、外れ値があった場合に(ステップS13“YES”)、その異常要因を推定する(ステップS14)。具体的に、多次元解析処理部314は、多次元データの推定値と実測値とが閾値以上相違した場合に、記憶部33の異常要因DB331を検索し、プラント要素同士の関係性に紐付けられたプラントの異常要因を取得することにより推定を行う。
図5に、多次元解析処理部314による異常要因推定処理(ステップS14)の詳細処理手順が示されている。図5によれば、多次元解析処理部314は、多次元データの推定値と実測値との間に相違があった場合に、その相違要素と相違幅の検出を行う(ステップS141)。続いて外れ値を検出し(ステップS142)、その外れ値(異常要素)に基づき、記憶部33の一部領域に割り当てられ記憶されている異常要因DB331を参照する。そして、その相違要素、相違幅に基づく異常要因を抽出し、結果を、運転条件算出処理(図4のステップS15)に引き渡す。
例えば、多次元データの推測値と実測値との間で凝集剤注入率に相違があり、相違要素が沈殿水Tbで相違幅−2.0ppmが検出された場合、多次元解析処理部314は、異常要因DB331を参照することにより、異常要因は凝集剤の過注入であると解析する。
続いて、多次元解析処理部314は、その異常要因に基づき、最適な運転条件を算出して(ステップS15)、ガイダンス表示を行う(ステップS16)。例えば、適正な凝集状態とするために、多次元的に複雑に組み合わされているそれぞれの要因を分析し、適正な凝集条件と凝集剤の注入率を導きだす。
図6に、多次元解析処理部314による運転条件算出処理(ステップS15)の詳細処理手順が示されている。図6によれば、多次元解析処理部314は、ステップS14でプラントの異常要因を推定すると、過去DB330を参照することにより、過去に発生した運転事例の中で類似した近い運転状態を検索する(ステップS151)。例えば、凝集剤が過注入の状態で運転された過去の事例を検索してその運転状態の良否判定を行い(ステップS152)、良であれば(ステップS153“YES”)、検索により得られた運転状態を参照してその運転条件を算出して、得られる運転条件に関するデータを描画・表示制御部315に引き渡す(ステップS154)。尚、否であれば(ステップS153“NO”)、再度過去データDB330を参照して過去の事例で近い運転事例を検索し、その運転条件が良と判定されるまで、ステップS151、S152の処理を繰り返し実行する。
最後に、描画・表示制御部315は、多次元解析処理部314で算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件に関する画面表示情報を生成し、VRAMに描画したうえで表示部34に画面表示する(ステッフS16)。
(実施例の効果)
本実施形態のプラント運転監視装置30によれば、制御部31(多次元解析処理部314)が、現場機器10から取得される多次元データと、記憶部33の過去データDB330に記憶された過去分における所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出し、描画・表示制御部315が、多次元解析処理部314で算出された微小変動、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する。
このため、例えば、水質データ等、多量で多変数のデータが複雑に組み合わさっている場合でも、多次元的な数理計算により長期的に気づかない程度の微小変動や外れ値を検出することができ、その要因を推定して適正な運転条件を導出することができる。又、多次元解析処理部314がデータマイニング、又は外れ値分析により、微小変動している原水水質、混和池運転条件、フロック形成池運転条件、沈殿池水質データの変化点とその異常要因を解析し、画面表示するため、適正な運転条件の推定は勿論のこと、水質リスクの可視化が可能になる。
又、多次元解析処理部314は、記憶部33の所定の領域に割り当てられた異常要因データDB331を参照することで異常要因の推定が可能になり、このため、例えば、「pHの低下は過剰な凝集剤注入率が異常要因である」と推定でき、これを適正な運転条件の推定に反映させることができる。従って、運転員は表示部34に表示された画面内容を確認しながら運転操作が可能になり、プラント運転操作時における運転員の負荷軽減がはかれる。
(プラント運転監視プログラム)
尚、本発明のプラント運転監視プログラムは、例えば、図1〜図3に示されるように、複数の現場機器10が接続され、現場機器10の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部(過去データDB330)を有するプラント運転監視装置30上のコンピュータで実行されるプラント運転監視プログラムである。
このプラント運転監視プログラムは、コンピュータ(制御部31が内蔵するマイクロプロセッサ)に、例えば、図4のフローチャートに示されるように、現場機器10から取得される多次元データと、過去データ記憶部(過去データDB330)に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する多次元解析処理(ステップS12〜S15)と、この多次元解析処理により算出された微小変動、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する描画・表示処理(ステップS16)と、を実行させるものである。
本発明のプラント運転監視プログラムによれば、当該プログラムをプラント運転監視装置30のコンピュータ上で実行させることにより、水質データ等、多量で多変数のデータが複雑に組み合わされているデータを、多次元的な数理計算を行うことにより、長期的に気付かない程度の微小変動や外れ値を検出し、その要因を推定して適正な運転条件の導出が可能になる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態では、浄水プロセスに適用した場合の例について説明したが、本発明を下水プロセスに適用することもできる。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 プラント運転監視システム
10 現場装置
11 フィールドサーバ
12 プロセス機器
20 管理者端末
30 プラント運転監視装置
40 クライアント端末
50 WAN
60 LAN
31 制御部
32 操作部
33 記憶部
34 表示部
310 主制御部
311 通信インタフェース部#1
312 通信インタフェース部#2
313 操作情報取得部
314 多次元解析部
315 描画・表示制御部

Claims (5)

  1. 複数の現場機器が接続されるプラント運転監視装置であって、
    前記現場機器の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部と、
    前記現場機器から取得される多次元データと、前記過去データ記憶部に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する多次元解析処理部と、
    前記多次元解析処理部で算出された微小変動、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する描画・表示制御部と、
    を備えたことを特徴とするプラント運転監視装置。
  2. 前記プラントは、
    川からの水を貯留する着水井と、処理原水へ凝集剤を注入して混和させ、緩速攪拌により処理原水中にフロックを形成させるフロック形成池と、懸濁物質や前記フロックを沈殿させる沈殿池と、処理水をろ過するろ過池とからなる浄水処理場施設であり、
    前記多次元解析処理部は、
    前記多次元データが示す、原水水質と、混和池運転条件と、フロック形成池運転条件と、沈殿池水質データと、前記プラントの運用コストの重み付けにより示される目的関数とから、データマイニング、又は外れ値分析により、微小変動している原水水質、混和池運転条件、フロック形成池運転条件、沈殿池水質データのうちの少なくとも一つの変化点を検出して異常要因を推定し、適正な運転条件を算出することを特徴とする請求項1記載のプラント運転監視装置。
  3. 前記多次元データの推定値と実測値とが相違した場合のプラント要素同士の関係性と、プラントの異常要因とが関係付けられ記憶された異常要因データ記憶部を備え、
    前記多次元解析処理部は、
    前記推定値と実測値が所定値以上相違する場合に、前記異常要因データ記憶部を参照してその異常要因を推定することを特徴とする請求項2記載のプラント運転監視装置。
  4. 川からの水を貯留する着水井と、処理原水へ凝集剤を注入して混和させ、緩速攪拌により処理原水中にフロックを形成させるフロック形成池と、懸濁物質や前記フロックを沈殿させる沈殿池と、処理水をろ過するろ過池とからなる浄水処理設備におけるプラント運転監視システムであって、
    前記浄水処理設備のそれぞれに設けられるセンサを含む現場機器と、
    前記現場機器とは通信ネットワーク経由で接続され、前記現場機器の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部を有し、前記現場機器から取得される現時点における多次元データと、前記過去データ記憶部に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出し、当該算出された微小変動、外れ値、乖離度、要因、適正な運転状態のうちの少なくとも一つを画面表示するプラント運転監視装置と、
    を備えたことを特徴とするプラント運転監視システム。
  5. 複数の現場機器が接続され、前記現場機器の状態を示す多次元データが所定期間分時系列に蓄積される過去データ記憶部を有するプラント運転監視装置上のコンピュータで実行されるプラント運転監視プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記現場機器から取得される多次元データと、前記過去データ記憶部に蓄積された所定期間分の多次元データとに基づく数理計算により、微小変動、外れ値ならびにその乖離度を検出し、その異常要因を推定して適正な運転条件を算出する多次元解析処理と、
    前記多次元解析処理により算出された微小変動の状況、外れ値、乖離度、異常要因、適正な運転条件のうちの少なくとも一つを画面表示する描画・表示処理と、
    を実行させることを特徴とするプラント運転監視プログラム。
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