JP2022121356A - 汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法 - Google Patents

汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022121356A
JP2022121356A JP2021103846A JP2021103846A JP2022121356A JP 2022121356 A JP2022121356 A JP 2022121356A JP 2021103846 A JP2021103846 A JP 2021103846A JP 2021103846 A JP2021103846 A JP 2021103846A JP 2022121356 A JP2022121356 A JP 2022121356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
sludge treatment
treatment facility
navigation system
equipment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021103846A
Other languages
English (en)
Inventor
順 田中
Jun Tanaka
泰子 小林
Yasuko Kobayashi
琢也 神林
Takuya Kanbayashi
大介 八木
Daisuke Yagi
万規子 宇田川
Makiko Udagawa
光太郎 北村
Kotaro Kitamura
浩樹 宮川
Hiroki Miyagawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to CN202280008069.1A priority Critical patent/CN116685384A/zh
Priority to PCT/JP2022/004567 priority patent/WO2022168965A1/ja
Publication of JP2022121356A publication Critical patent/JP2022121356A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】一例として下水処理場における汚泥脱水工程と凝集工程の両方の設備に関して、適切な運転管理を行うための情報の表示を行い、経験値の乏しい作業者においても適正な設備運転を実行することを可能する、汚泥処理の効率化を図る汚泥処理設備の運転支援、制御技術としての汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムを提供する。【解決手段】汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムは、汚泥処理設備の稼働時の凝集フロック状態である、稼働時フロック状態を取得し、汚泥処理設備の稼働時の脱水汚泥の含水率である、稼働時汚泥含水率を取得し、稼働時フロック状態、稼働時汚泥含水率、所望凝集フロック状態、および、所望汚泥含水率に基づいて、凝集槽と汚泥脱水機の設備操作内容を選択または生成し、設備操作内容を表示装置に表示する。【選択図】図1

Description

本発明は、一例として下水処理場の下水汚泥処理設備において、特に汚泥の凝集設備と脱水設備の運転稼働管理業務を支援するナビゲーションシステム、および、運転支援方法に関する。
汚泥の脱水に関して、除去すべき水分を含む汚泥を供給するポンプと、汚泥を薄膜状に拡張し含まれる水分を遠心力によって除去する遠心薄膜乾燥装置と、この遠心薄膜乾燥装置によって乾燥された乾燥汚泥を回収する乾燥汚泥回収容器と、乾燥汚泥に赤外線を照射して含水率を測定する赤外線含水率計と、この赤外線含水率計の出力によって遠心薄膜乾燥装置の回転速度を制御する制御装置を具備する汚泥乾燥装置が提案されている(特許文献1)。
特開平9-57296号公報
下水処理場における汚泥発生量は莫大となり、汚泥処分の負担が増えており、汚泥処理の高効率化が必要とされている。下水処理は、一般的に、汚泥濃縮、濃縮汚泥貯留、汚泥凝集、汚泥脱水、脱水汚泥の貯留と処理工程が続いており、特に主要な処理工程である、汚泥を絞って水分と固形物を分離して汚泥の含水率の低減を図る汚泥脱水工程と、汚泥脱水工程の手前で、凝集剤を添加して汚水中の濁質を凝集させて集合粒子となるフロックを形成して脱水に適する汚泥形態とする凝集工程が、汚泥処理の高効率化を進めるにあたり課題の多い工程となる。
ここで、脱水後に一定範囲内の含水率に低減した汚泥とするためには、汚泥脱水工程の前の凝集剤を添加して汚水中の濁質を凝集させて集合粒子となるフロックを形成する凝集工程と、上記の汚泥脱水工程と、を組み合わせた条件下で、脱水と凝集を管理することが重要となる。しかしながら、特許文献1には、凝集を管理することについて、具体的な開示がない。
そこで、本発明の目的は、一例として下水処理場における下水処理設備において、汚泥処理に係る主要な汚泥脱水工程と凝集工程の両方の設備に関して、適正な運転管理を行うための情報の表示を行い、経験値の乏しい作業者であっても適正な設備運転を実行することを可能とする、汚泥処理の効率化を図る汚泥処理設備の運転支援、制御技術としての汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムおよび汚泥処理設備運転支援方法を提供することにある。
上述の目的を達成するための本発明の第1の態様によれば、以下の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムが提供される。すなわち、汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムは、プロセッサと、記憶資源と、表示装置と、を備える。記憶資源には、汚泥処理設備の凝集槽における所望する凝集フロック状態である所望凝集フロック状態と、汚泥処理設備の汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の所望する含水率である所望汚泥含水率と、がデータとして記憶される。プロセッサは、操作内容表示プログラムを実行することにより、(1)汚泥処理設備の稼働時の凝集フロック状態である、稼働時フロック状態を取得する。(2)汚泥処理設備の稼働時の脱水汚泥の含水率である、稼働時汚泥含水率を取得する。(3)稼働時フロック状態、稼働時汚泥含水率、所望凝集フロック状態、および、所望汚泥含水率に基づいて、凝集槽と汚泥脱水機の設備操作内容を選択または生成する。(4)設備操作内容を表示装置に表示する。
上述の目的を達成するための本発明の第2の態様によれば、以下の汚泥処理設備運転支援方法が提供される。すなわち、汚泥処理設備運転支援方法は、電子計算機を用いる。この汚泥処理設備運転支援方法は、(1)汚泥処理設備の稼働時の凝集フロック状態である、稼働時フロック状態を取得する。(2)汚泥処理設備の稼働時の脱水汚泥の含水率である、稼働時汚泥含水率を取得する。(3)稼働時フロック状態、稼働時汚泥含水率、汚泥処理設備の凝集槽における所望する凝集フロック状態である所望凝集フロック状態、および、汚泥処理設備の汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の所望する含水率である所望汚泥含水率に基づいて、凝集槽と汚泥脱水機の設備操作内容を選択または生成する。(4)設備操作内容を表示装置に表示する。
本発明により、特に、汚泥処理場における汚泥脱水工程と凝集工程の設備に関して、汚泥処理における熟練経験者が有する経験値をデジタル化したデータに基づく適正な運転管理を行うための情報の表示を行うので、経験値の乏しい作業者であっても適正な設備運転を実行することを可能として、汚泥処理の効率化を図る汚泥処理設備の運転支援、制御を実現することが可能となる。
本発明により、凝集工程において所望の凝集フロックを形成するに当たり、薬剤単価の高い高分子凝集剤の注入量を適正とすることで、使用薬剤のコストを低減することができる。その結果として、汚泥処分に係る費用の低減を図ることが可能となる。
また、汚泥脱水工程において汚泥脱水機の脱水圧力を適正として、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の含水率を調整して所望の性状となる脱水汚泥にすることができる。その結果として、排出後における搬送、輸送に適して(つまり、排出後における搬送、輸送の容易化を図ることができ)、汚泥処分に係る費用を低減することが可能となる。
第1実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図。 第2実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図。 第3実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例。 第4実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例。 第5実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例。 第6実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例。 第7実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例。 第8実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例。 第9実施形態に係り、計測した凝集フロック画像の画像解析方法を用いた、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの使用の一例を示すアルゴリズムフロー。 第10実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムにおいて、赤外線反射率から回帰直線を求め、該回帰直線を用いて含水率を予測する方法の一例を示すアルゴリズムフロー。 第11実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図。 第12実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図。 第13実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図。 第14実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図。 第15実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムにおいて、赤外線反射光から回帰直線を求め、該回帰直線を用いて含水率を予測する方法の一例を示すアルゴリズムフロー。 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面のメニュー画面の一例を示す図。 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の状況確認に係る画面の一例を示す図。 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の操作指示に係る画面の一例を示す図。 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の実施内容に係る画面の一例を示す図。 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の実施内容の出力に係る画面の一例を示す図。
発明が解決しようとする課題の欄に記載した課題を解決するため、以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図20を用いて説明する。図1は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図である。
下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム100は、下水汚泥処理工程の流れとして、凝集槽101と、汚泥脱水機、汚泥貯留槽104の下水汚泥処理設備が設置されている下水汚泥処理場において、汚泥処理の効率化を図る汚泥処理設備の運転支援、制御を実現するために設けられる。
上記した下水汚泥処理設備について簡単に説明すると、凝集槽101は、凝集剤を添加して、汚水中の濁質を凝集させて集合粒子となる凝集フロックを形成するために用いる槽である。一般的に、凝集槽101には、攪拌装置が設けられ、凝集槽101の内部は、攪拌装置によって攪拌される。
汚泥脱水機は、汚泥脱水機脱水部102と、汚泥脱水機排出部103と、を備える。汚泥脱水機脱水部102は、汚泥脱水機の脱水部を構成しており、汚泥の脱水処理を行う。汚泥脱水機脱水部102は、一例として、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、遠心脱水機とすることができる。汚泥脱水機排出部103は、汚泥脱水機の排出部を構成しており、汚泥脱水機脱水部102で脱水処理された汚泥は、汚泥脱水機排出部103を介して汚泥脱水機の外部へ排出される。汚泥貯留槽104は、汚泥を貯留するのに用いる槽である。
図1に示すように、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム100は、撮像装置105と、赤外線計測装置106と、撮像信号処理装置107と、赤外線信号処理装置108と、計算機109(電子計算機)と、凝集槽・汚泥脱水機操作手順表示装置110と、を備える。凝集槽・汚泥脱水機操作手順表示装置110は、適宜のディスプレイとすることができ、本明細書において表示装置110と呼ぶことがある。
撮像装置105は、イメージセンサを有している装置であり、対象物体の光(物理量)の像を、その光の強度に応じた電気的信号(画像信号と呼ぶことがある)に変換する。撮像装置105は、一例として、凝集槽101の内側の汚泥を撮像することができるように設けられ、撮像装置105は、撮像により取得する画像信号を、撮像信号処理装置107に出力する。撮像信号処理装置107は、撮像装置105から入力される画像信号に対して信号処理を行って画像情報を取得する装置であり、取得された画像情報は、計算機109に出力される。
赤外線計測装置106は、赤外線センサを有している装置であり、対象物体から受光する赤外領域の光(赤外線)を電気信号(計測信号と呼ぶことがある)に変換する。赤外線計測装置106は、汚泥脱水機脱水部102による脱水処理後の脱水汚泥を計測することができるように適宜に設けられ(汚泥脱水機排出部103、汚泥脱水機排出部103と汚泥貯留槽104の間の流路(例えば、脱水汚泥の搬送路)、汚泥貯留槽104などに設けられ)、赤外線計測装置106により取得される計測信号は、赤外線信号処理装置108に出力される。赤外線信号処理装置108は、入力される計測信号に対して信号処理を行い、赤外線の反射率情報(赤外線スペクトル)を取得し、取得された赤外線の反射率の情報は、計算機109に出力される。そして、この赤外線反射率情報を分析することにより、脱水汚泥の含水率が求められる。
本実施形態において、計算機109は、プロセッサと、記憶資源と、を備える。プロセッサは、演算装置として構成されている。記憶資源は、適宜の記録装置(例えば、ハードディスクドライブ)にすることができ、記憶資源には複数のデータ、および、データ処理を行うための適宜のプログラムが記憶される。記憶資源に記憶されるプログラムは、プロセッサにより実行される。
計算機109の記憶資源には、所望凝集フロック状態と、所望汚泥含水率と、設備操作手順群と、がデータとして記憶される。
所望凝集フロック状態は、凝集槽101における良好な凝集フロック状態を示すデータである。すなわち、所望凝集フロック状態は、例えば、熟練経験者が有する知識に基づいて好ましいと考えられる凝集フロック状態のデータである(つまり、熟練経験者が有する知識に基づいて好ましいと考えられるフロックの大きさや形状を示すデータである)。このような意味であるため、良好な凝集フロック状態は、目標とする(所望とする)凝集フロック状態とも言える。
所望汚泥含水率は、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の良好な含水率のデータである。上記の所望凝集フロック状態の場合と同様に、所望汚泥含水率は、例えば、熟練経験者が有する知識に基づいて好ましいと考えられる脱水汚泥の含水率のデータである。このような意味であるため、良好な含水率は、目標とする(所望とする)含水率とも言える。
設備操作手順群は、凝集槽101における凝集フロック状態を良好な凝集フロック状態(すなわち、所望凝集フロック状態)にして、且つ、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の含水率を良好な含水率(すなわち、所望汚泥含水率)にするための、凝集槽101と汚泥脱水機の設備操作手順を含むデータである。すなわち、設備操作手順群は、複数の設備操作手順を含み、凝集槽101に関して、凝集フロックを現状よりも大きくする設備操作手順と、凝集フロックを現状よりも小さくする設備操作手順と、を含む。凝集フロックを現状よりも大きくする設備操作手順には、一例として、凝集槽101に凝集剤を注入する操作手順が挙げられる。また、凝集フロックを現状よりも小さくする設備操作手順には、一例として、攪拌装置の回転速度を変更して、回転速度を大きくする操作手順が挙げられる。また、設備操作手順群は、汚泥脱水機に関して、脱水圧力を大きくして脱水汚泥の含水率を現状よりも小さくする設備操作手順と、脱水圧力を小さくして脱水汚泥の含水率を現状よりも大きくする設備操作手順と、を含む。脱水汚泥の含水率を現状よりも小さくする設備操作手順には、一例として、汚泥脱水機に設けられた圧力調整機構(例えば、バルブ)の操作により汚泥脱水機の脱水圧力を変更して、脱水圧力を大きくする操作手順が挙げられる。また、脱水汚泥の含水率を現状よりも大きくする設備操作手順には、一例として、汚泥脱水機に設けられた圧力調整機構の操作により汚泥脱水機の脱水圧力を変更して、脱水圧力を小さくする操作手順が挙げられる。
本実施形態では、計算機109の記憶資源には、凝集槽101と汚泥脱水機の設備操作手順の表示を行うことに用いる操作手順表示プログラムが記憶される。操作手順表示プログラムの処理では、良好な凝集フロック状態(すなわち、所望凝集フロック状態)および脱水汚泥の良好な含水率(すなわち、所望汚泥含水率)と、下水汚泥処理設備の稼働時に取得する現状の凝集フロック状態(稼働時フロック状態)および取得する現状の脱水汚泥の含水率(稼働時汚泥含水率)と、が比較される。そして、操作手順表示プログラムでは、取得する凝集フロック状態、および、取得する脱水汚泥の含水率を、所望凝集フロック状態と所望汚泥含水率に近づけるための設備操作手順を、表示装置110に表示する処理が行われる。本実施形態では、操作手順表示プログラムの処理において、記憶資源に記憶されている設備操作手順から、所望凝集フロック状態や所望汚泥含水率に近付けるための、適切な設備操作手順が選択される処理が行われる。例えば、所望凝集フロック状態よりも現状の凝集フロックが小さい場合では、設備操作手順群から凝集フロックを現状よりも大きくする設備操作手順が選択され、この設備操作手順を表示装置110に表示する処理が行われる。また、例えば、所望汚泥含水率よりも現状の含水率が大きい場合では、設備操作手順群から脱水汚泥の含水率を小さくする設備操作手順が選択され、この設備操作手順を表示装置110に表示する処理が行われる。
次に、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム100を用いた、下水汚泥処理設備の運転の一例について説明する。図1に示すように、下水汚泥処理設備においては、上流側の凝集槽101で下水汚泥の凝集処理が行われ、凝集槽101の下流側の汚泥脱水機で下水汚泥の脱水処理が行われる。
下水汚泥処理設備の稼働時において、凝集剤の添加により生成される現状のフロックの状態(稼働時フロック状態)が撮像装置105により経時で撮像され、計算機109は、現状の凝集フロック状態の画像情報を取得する。また、下水汚泥処理設備の稼働時において、汚泥脱水機から排出される現状の脱水汚泥が赤外線計測装置106により経時で計測され、計算機109は、脱水汚泥の赤外線の反射率情報を取得する。そして、計算機109は、赤外線反射率情報の分析に基づいて、現状の脱水汚泥の含水率(稼働時汚泥含水率)を取得する。
下水汚泥処理設備の稼働時において、計算機109のプロセッサは、操作手順表示プログラムを実行して、現状の凝集フロック状態(稼働時フロック状態)および現状の脱水汚泥の含水率(稼働時汚泥含水率)と、所望凝集フロック状態および所望汚泥含水率と比較する処理を行う。そして、プロセッサは、現状の凝集フロック状態および現状の脱水汚泥の含水率を、所望凝集フロック状態と所望汚泥含水率に近づけるための凝集槽101と汚泥脱水機の設備操作手順を表示装置110に出力し、当該設備操作手順の表示を行う。なお、操作内容表示プログラムの処理では、リアルタイムでの比較処理が行われ、設備操作手順が表示装置110に出力される。従って、表示装置110には、最新の設備操作手順が表示される。
下水汚泥処理設備の作業者は、表示装置110に表示される最新の設備操作手順に係る情報に従って凝集槽101と汚泥脱水機を適宜に操作することにより、現状の凝集フロック状態および現状の脱水汚泥の含水率を、所望凝集フロック状態と所望汚泥含水率に近づけることができ、下水汚泥処理設備を適切に運転することができる。
本実施形態によれば、所望凝集フロック状態と所望汚泥含水率に近付けるための下水汚泥処理設備の設備操作手順の表示を行うので、例えば経験値の乏しい作業者においても、適正な設備運転の支援を行うことができ、適正な設備運転を実行することが可能となる。
次に、第2実施形態について説明する。図2は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
第2実施形態での下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム200においては、下水汚泥処理設備が設けられている下水汚泥処理場とは異なる遠隔地に計算機109が設置され、計算機109は、通信ネットワーク201を介して、下水汚泥処理設備からの情報を取得する。また、表示装置110は、下水汚泥処理設備が設けられている下水汚泥処理場に設置され、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム200では、通信ネットワーク201を介した計算機109からの出力に基づく表示が行われる。
本実施形態では、計算機109は、プロセッサと、記憶資源と、通信部と、を備える。通信部は、通信を行うためのインタフェースとして構成されている。撮像信号処理装置107および赤外線信号処理装置108から出力される情報は、通信ネットワーク201を介して、通信部に入力される。また、計算機109からの出力は、通信部および通信ネットワーク201を介して、表示装置110に入力される。
本実施形態によれば、下水汚泥処理場とは異なる遠隔地に計算機109が設置され、下水汚泥処理設備の運転を支援する情報を配信するための配信サーバとして計算機109を活用することができ、遠隔地からの情報に基づく下水汚泥処理設備の作業者の設備運転の支援を実現することができる。
次に、第3実施形態について説明する。図3は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態によれば、表示装置110の操作手順表示装置画面301(表示画面と呼ぶことがある)には、現在の年日時に係る情報と、凝集槽101に係る情報と、汚泥脱水機に係る情報と、が表示される。ここで、凝集槽101に係る情報、および、汚泥脱水機に係る情報は、一例として、それぞれ分類されて表示される。なお、表示画面301の情報は、適宜のプログラムの実行により表示される。該プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。
年日時に係る情報の表示は、例えば、作業者が理解することができるように適宜の態様で表示されればよく、年日時に係る情報の表示には、例えば、数字や記号が用いられる。
凝集槽101に係る情報には、一例として、凝集槽101の運転開始時間や稼働時間の情報と、凝集フロックの状態に関する情報と、凝集槽101に関する設備操作手順の情報と、が含まれる。
凝集槽101の運転開始時間と稼働時間の表示は、下水汚泥処理設備の作業者が理解することができるように適宜の態様で表示されればよく、凝集槽101の運転開始時間と稼働時間の表示には、例えば、数字や記号が用いられる。
凝集フロック状態の表示は、現状の凝集フロック状態を、下水汚泥処理設備の作業者が理解することができるように適宜の態様で表示されればよく、凝集フロック状態の表示には、例えば、撮像装置105を用いて経時取得される画像情報が含まれてもよい。また、例えば、凝集フロックの大きさが数値や文字によって表示されてもよいし、凝集フロックの形状が表示されてもよい。また、所望凝集フロック状態に関する情報が含まれていてもよい。
凝集槽101に関する設備操作手順の情報には、第1実施形態で説明した設備操作手順群から選択された凝集槽101に関する設備操作手順が含まれる。従って、例えば、所望凝集フロック状態に近づけるために凝集槽101の攪拌装置の回転速度を調節する設備操作手順や、所望凝集フロック状態に近づけるために凝集剤を注入する設備操作手順が含まれる。凝集槽101の設備操作手順の表示情報は、現状の凝集フロック状態を所望凝集フロック状態に近づけるための設備操作手順を、下水汚泥処理設備の作業者が理解することができるように適宜の態様で表示すればよい。また、注入量計算プログラムの実行により、所望凝集フロック状態と現状のフロック状態のひらきから、所望凝集フロック状態にするための攪拌装置の回転速度や凝集剤の注入量が計算され、操作手順表示プログラムの実行により、計算された値と、設備操作手順群のうちの凝集槽101に関する設備操作手順と、を組み合わせて生成した設備操作手順が表示されてもよい。例えば、所望凝集フロック状態よりも現状のフロック状態が小さい場合、注入量計算プログラムの実行により、所望凝集フロックと現状のフロック状態とのひらきから、所望凝集フロック状態にするための主たる高分子凝集剤の注入量が計算され、操作手順表示プログラムの実行により、所望凝集フロック状態にするための高分子凝集剤の注入量が含まれた設備操作手順が表示されてもよい。なお、注入量計算プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。また、第1実施形態の場合と同じように、表示装置110には、最新の設備操作手順が表示される。
本実施形態によれば、所望凝集フロック状態にするための具体的な設備操作手順が表示される。従って、例えば、凝集設備において凝集フロックを監視して、凝集フロックの状態に関する指標をモニタ装置に表示し、処理プラントの状態を単純に監視する場合とは異なり、具体的な操作内容を表示するので、経験値の乏しい作業者であっても、表示された内容に従って、適正な運転管理を行うことができるようになっている。
汚泥脱水機に係る情報には、一例として、汚泥脱水機の運転開始時間や稼働時間の情報と、脱水汚泥の含水率の情報と、汚泥脱水機に関する設備操作手順の情報と、が含まれる。
汚泥脱水機の運転開始時間と稼働時間の表示情報は、下水汚泥処理設備の作業者が理解することができるように適宜の態様で表示されればよく、汚泥脱水機の運転開始時間と稼働時間の表示には、例えば、数字や記号が用いられる。
脱水汚泥の含水率の情報(図3では、含水率表示と記載)は、赤外線計測装置106により取得される脱水汚泥の含水率に関する情報である。脱水汚泥の含水率の情報の表示は、現状の脱水汚泥の含水率を、下水汚泥処理設備の作業者が理解することができるように適宜の態様で表示されればよい。また、所望汚泥含水率に関する情報が含まれていてもよい。
汚泥脱水機に関する設備操作手順の情報には、第1実施形態で説明した設備操作手順群の設備操作手順から選択された汚泥脱水機に関する設備操作手順が含まれる。従って、所望汚泥含水率に近付けるために汚泥脱水機の脱水圧力を調整するための設備操作手順が含まれる。汚泥脱水機の設備操作手順の表示情報は、現状の脱水汚泥の含水率を所望汚泥含水率に近づけるための設備操作手順を、下水汚泥処理設備の作業者が理解することができるように適宜の態様で表示すればよい。また、脱水圧力計算プログラムの実行により、所望汚泥含水率と現状の含水率のひらきから、所望汚泥含水率にするための汚泥脱水機の脱水圧力が計算され、操作手順表示プログラムの実行により、計算された脱水圧力と、設備操作手順群のうちの汚泥脱水機に係る設備操作手順と、を組み合わせて生成した設備操作手順が表示されてもよい。すなわち、所望汚泥含水率にするための脱水圧力が含まれた設備操作手順が表示されてもよい。なお、脱水圧力計算プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。また、第1実施形態の場合と同じように、表示装置110には、最新の設備操作手順が表示される。
本実施形態によれば、凝集槽101および汚泥脱水機の稼働時において、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥を所望汚泥含水率にするための汚泥脱水機の脱水圧力を調整する設備操作手順と、汚水中の濁質を所望凝集フロック状態にするための主たる高分子凝集剤を注入する設備操作手順と、が表示装置110に表示され、高分子凝集剤を注入する設備操作手順には、主たる高分子凝集剤の注入量が含まれている。
従って、所望凝集フロック状態に近づけるための主たる高分子凝集剤の注入に係る設備操作手順と、所望汚泥含水率に近付けるために汚泥脱水機の脱水圧力を調整する設備操作手順と、を下水汚泥処理設備の作業者に提示して、下水汚泥処理設備の運転支援を行うことができる。
次に、第4実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態では、脱水汚泥の含水率を予測して算定するために用いる回帰直線のデータである回帰直線情報が記憶資源に記憶される。そして、操作手順表示プログラムの処理では、記憶資源に記憶された回帰直線情報を用いて脱水汚泥の予測値が算定され、脱水汚泥の含水率の予測値と、所望汚泥含水率と、が比較される。そして、脱水汚泥の含水率の予測値を所望汚泥含水率に近付けるための汚泥脱水機の設備操作手順を、表示装置110に表示する処理が行われる。
上記した回帰直線は、含水率が既知の脱水汚泥から求められる。回帰直線情報を求める方法の一例について説明する。この方法は、含水率が既知の脱水汚泥に赤外線を照射し、当該脱水汚泥から反射する赤外線を赤外線計測装置106(赤外線センサ)で経時計測する。ここで、経時計測により取得されたデータ(経時計測情報)は、記憶資源に記憶される。なお、精度の良い回帰直線を取得するために、本実施形態では、1200nm以上2500nm以下の波長範囲の赤外線が照射される。そして、この方法は、経時計測により取得されたデータから赤外線反射率(赤外線スペクトル)を算出し、赤外線反射率に一次微分処理を行い、前記一次微分処理の結果に多変量回帰分析を実行することによって、回帰直線情報を取得する。
回帰直線情報を求める方法について、より詳しく説明する。上記の算出された赤外線反射率は、一例として、縦軸で反射率(%)を示し、横軸で波長(nm)を示す、スペクトルデータ(グラフ)として考えることができる。そして、赤外線反射率に一次微分処理を行った結果(より詳細には、赤外線反射率の反射率の値を一次微分した結果)は、縦軸で一次微分値(無次元)を示し、横軸で波長(nm)を示す、グラフとして考えることができる。そして、一次微分処理の結果に多変量回帰分析を実行することにより、回帰直線が求められる。ここで、適切な回帰直線を求めることができればよく、多変量回帰分析において、変数の数(すなわち、波長範囲におけるデータポイントの間隔)は、適宜に定めることができる。そして、回帰直線に赤外線反射率に基づくデータを入力することで、含水率の予測値を求めることができる。
そして、上記したように、本実施形態では、操作手順表示プログラムの処理では、経時で取得する赤外線反射率と、上記した回帰直線情報と、を用いて、経時で排出される脱水汚泥の含水率の予測値が算出され、算出された脱水汚泥の含水率の予測値と、所望汚泥含水率と、の比較が行われる。ここで、上記した回帰直線情報を求めるにあたり、既知の含水率の脱水汚泥は、60wt%以上90wt%未満の範囲の含水率を有していることが好ましい。また、所望汚泥含水率は、60wt%以上85wt%未満の範囲の含水率であることが好ましい。これにより、精度の良い回帰直線を取得して、より適切な設備運転支援(すなわち、より適切な設備操作手順の表示)を行うことができる。なお、この数値は一例である。なお、所望汚泥含水率はこのような範囲指定の他、ピンポイントの値で指定してもよい。
また、本実施形態では、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムは、図4に示す表示を行うことができる。図4を参照しながら表示画面について説明する。図4は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例である。
表示画面401には、脱水汚泥の含水率の情報(図4では、汚泥含水率表示)と、汚泥脱水機の設備操作手順の情報と、が表示される。なお、表示画面401の情報は、適宜のプログラムの実行により表示される。該プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。
脱水汚泥の含水率の情報の表示は、一例として、回帰直線403を含んだグラフとすることができ、グラフにおいて、横軸で計測値(脱水汚泥の実際の計測により求められる含水率)が示され、縦軸で予測含水率が示されている。また、脱水汚泥の含水率の情報の表示には、所望汚泥含水率402の値が、計測値(すなわち、横軸)に平行する直線により示されていてもよい。その一方で、汚泥脱水機の設備操作手順の表示には、現状の脱水汚泥を計測して取得する計測値を回帰直線403に入力して求められる含水率の予測値と、所望汚泥含水率と、の比較に基づく汚泥脱水機の設備操作手順が含まれる。そして、下水汚泥処理設備の作業者は、汚泥含水率表示と、汚泥脱水機の設備操作手順の表示と、を参照して、汚泥脱水機を運転することができる。
次に、第5実施形態について説明する。図5は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態では、表示画面501には、汚泥脱水機の設備操作手順の表示情報に従って作業者が汚泥脱水機を操作した場合における、脱水汚泥の含水率の推移が表示されるようになっている。具体的に説明すると、表示画面501には、汚泥脱水機の設備操作手順の表示情報と、汚泥含水率に関する情報(図5では、汚泥含水率表示)と、が表示される。なお、表示画面501の情報は、適宜のプログラムの実行により表示される。該プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。
ここで、汚泥含水率表示は、一例として、グラフによって示され、横軸で脱水機稼働時間が示され、縦軸で含水率計測値が示される。横軸の脱水機稼働時間は、汚泥脱水機の稼働時間の推移を示し、グラフの左側から右側に向かって時間が推移することが示されている。また、縦軸の含水率計測値(すなわち、含水率値503)は、一例として、汚泥脱水機の稼働時間に対する所定時間ごとのプロットとして示すことができる。そして、含水率計測値は、グラフにおいて、左端のプロットを計測値(つまり、実測した現状の脱水汚泥の含水率)として示すことができ、それよりも右側のプロットを予測値として示すことができる。なお、汚泥含水率表示には、カーブフィッティングにより求められる曲線が表示されてもよい。また、汚泥含水率表示において、所望汚泥含水率502(すなわち、所望汚泥含水率502の値)が、脱水機稼働時間(すなわち、横軸)に平行する直線により示されていてもよい。
汚泥脱水機の設備操作手順の表示情報に従って作業者が汚泥脱水機を操作した場合における、脱水汚泥の含水率の推移は、適宜のプログラムの実施により求められる。脱水汚泥の含水率の推移(所望汚泥含水率になるまでの脱水汚泥の含水率の変化)は、例えば、表示画面501に表示される汚泥脱水機の設備操作手順に従って汚泥脱水機を操作した場合において、脱水汚泥の含水率が所望汚泥含水率502に収束するまでの時間を見積もることで求めることができる。
本実施形態によれば、汚泥脱水機の設備操作手順の表示情報に従って汚泥脱水機を操作した場合における、脱水汚泥の含水率の推移(言い換えれば、表示情報の操作の実施により所望汚泥含水率に変化すること)を表示することにより、下水汚泥処理設備の作業者の設備運転を支援することができる。
次に、第6実施形態について説明する。図6は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
表示画面601には、上記の第5実施形態で説明された汚泥含水率表示と、脱水汚泥の体積値である汚泥体積値と、脱水汚泥の処分費用である汚泥処分費用と、が表示されるようになっている。なお、表示画面601の情報は、適宜のプログラムの実行により表示される。該プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。
本実施形態では、記憶資源には、汚泥体積値算定プログラムと、処分費用算定プログラムと、予測表示プログラムと、が記憶されている。それぞれのプログラムは、プロセッサによって実行される。
汚泥体積値算定プログラムは、汚泥脱水機を用いて脱水した脱水汚泥の体積値である汚泥体積値を算定することに用いるプログラムである。汚泥体積値算定表示プログラムの処理において、汚泥体積値は、適宜の手法により見積もられればよく、汚泥体積値は、例えば、脱水機稼働時間(稼働開始時から現在までの時間)と、脱水汚泥の含水率と、の関係に基づいて見積もられてもよい。例えば、汚泥脱水機からは脱水汚泥が定量的に排出されるとして、脱水機稼働時間に基づいて、汚泥体積値が見積もられてもよい。また、含水率に基づく調整を加えて汚泥体積値が見積もられてもよい。なお、汚泥体積値算定プログラムは、算定した汚泥体積値を表示装置110に表示することに用いられてもよい。汚泥体積値算定プログラムは、例えば、現在の汚泥体積値を表示装置110に表示することに用いられてもよい。
処分費用算定プログラムは、汚泥体積値算定プログラムの実行により算定された汚泥体積値に基づいて、汚泥処分費用を算定することに用いるプログラムである。処分費用算定プログラムの処理において、汚泥処分費用は、適宜の手法により見積もられればよい。例えば、脱水汚泥の体積値と、脱水汚泥の処分費用と、を関連付けた処分費用データを記憶資源に記憶させておき、汚泥体積値算定プログラムの実行により算定される汚泥体積値を当該データに突き合わせることにより、汚泥処分費用が見積もられる。なお、処分費用算定プログラムは、算定した汚泥処分費用を表示装置110に表示することに用いられてもよい。処分費用算定プログラムは、例えば、現在の汚泥処分費用を表示装置110に表示することに用いられてもよい。
予測表示プログラムは、汚泥脱水機の稼働時間に対する、汚泥体積値の予測と、汚泥処分費用の予測と、を行うことに用いられるプログラムである。予測表示プログラムの処理において、汚泥体積値の予測値、および、汚泥処分費用の予測値は、適宜の手法により見積もられればよい。
汚泥体積値の予測値は、一例として、下記のようにして求めることができる。すなわち、所望汚泥含水率の脱水汚泥にするように汚泥脱水機が稼働した場合における(言い換えれば、表示装置110に表示される設備操作手順に従って汚泥脱水機を操作して、脱水汚泥の含水率が所望汚泥含水率に収束しながら推移する場合における)、汚泥脱水機の稼働時間と、汚泥体積値の推移と、を関連付けたデータを記憶資源に記憶させておく。そして、該データに、汚泥体積値を予測する時間までの汚泥脱水機の稼働時間を突き当てることにより、予測する時間における汚泥体積値(予測値)を求めることができる。
その一方で、汚泥処分費用の予測値は、一例として、求められた汚泥体積値の予測値を、上記で説明した処分費用データに突き合わせることにより、求めることができる。
また、予測表示プログラムは、求めた汚泥体積値の予測値および汚泥処分費用の予測値を表示装置110に表示させることに用いられるプログラムである。汚泥体積値の予測値および汚泥処分費用の予測値の表示の態様は、特に限定されず、これらの予測値の表示には、例えば数値や文字が用いられる。
上記した予測表示プログラムにおける処理では、適宜の所定時間後の予測値(汚泥体積値の予測値、汚泥処分費用の予測値)が算定されるが、一例として、年間の汚泥処分費用の予測値が求められてもよい。年間の汚泥処分費用の予測値は、一例として、下記の方法により求めることができる。例えば、一日当たりの汚泥体積値の予測値を求め、求めた汚泥体積値を年間の汚泥体積値に換算する(すなわち、一日分の汚泥体積値の予測値×365を実行する)。そして、求められた年間の汚泥体積値の予測値を、汚泥処分費用に関するデータ(すなわち、脱水汚泥の体積値と、脱水汚泥の処分費用と、を関連付けた処分費用データ)に突き合わせることにより、年間の汚泥処分費用の予測値が求められる。また、一日当たりの汚泥体積値の予測値を求め、該汚泥体積値から一日当たりの汚泥処分費用を求め、一日当たりの汚泥処分費用を年間の汚泥処分費用に換算する処理が行われてもよい。
本実施形態によれば、汚泥体積値を算定し、算定した汚泥体積値を表示装置110に表示させ、汚泥処分費用を算定し、算定した汚泥処分費用を表示装置110に表示させて、下水汚泥処理設備の作業者の設備運転支援を行うことができる。
また、本実施形態によれば、汚泥脱水機の稼働時間に対する、汚泥体積値の予測と、汚泥処分費用の予測と、を行うことができる。
また、本実施形態によれば、年間の汚泥処分費用を予測して、予測した年間の汚泥処分費用を表示装置110に表示させて、下水汚泥処理設備の作業者の設備運転支援を行うことができる。
次に、第7実施形態について説明する。図7は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態では、表示画面701には、凝集フロックの状態に関するヒストグラム(図において、凝集フロック状態ヒストグラム)が表示されるようになっている。このヒストグラムは、撮像装置105により取得される画像情報に画像処理を行うことによって取得され、凝集フロックの面積である凝集フロック面積を階級として凝集フロックの個数を度数とするデータである。なお、表示画面701の情報は、適宜のプログラムの実行により表示される。該プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。
ここで、ヒストグラムを求めるための画像処理について説明する。この画像処理には、凝集フロックを明確にして凝集フロックの面積である凝集フロック面積を算出する処理が含まれている。
具体的に説明すると、この画像処理には、撮像装置105により取得する画像情報をモノクロ画像に変換する処理と、モノクロ画像にヒストグラム平均化処理を行う処理と、ヒストグラム平均化処理により取得される画像にガウシアンフィルタ処理を行う処理と、が含まれる。すなわち、撮像装置105により取得される画像は、モノクロ画像にされて、ヒストグラム平均化処理により、平坦化(つまり、高コントラスト化)される。そして、ヒストグラム平均化処理された画像には、ガウシアンフィルタ処理が行われる(つまり、画像をぼかして輝度を滑らかに調整する処理が行われる)。
更に、この画像処理には、上記のガウシアンフィルタ処理により取得される画像に二値化処理を行う処理と、二値化処理により取得される画像において汚水領域を背景部分とした画素領域を抽出する処理と、画素領域の輪郭を抽出して背景部分に対する画素連結領域を抽出する処理と、が含まれる。すなわち、ガウシアンフィルタ処理された画像は、二値化処理に基づいて、2値画像(例えば、白黒)に変換される。そして、2値画像において、凝集フロックの部分を解析するために、汚水領域を背景部分とした画素領域が抽出される。これにより、凝集フロックの部分が抽出される。更に、画素領域の輪郭が抽出される。そして、画素領域の輪郭との連結性が判定され、画素領域の輪郭の画素と同じ値の部分が背景部分から抽出され、背景部分に対する画素連結領域が抽出される。
更に、この画像処理には、画素連結領域を凝集フロックの形状として、画素連結領域の画素数を積算した積算画素数を求める処理と、撮像装置105により計測(取得)する画像の面積に基づいて積算画素数を換算することにより凝集フロックの面積である凝集フロック面積を算出する処理と、が含まれる。すなわち、これらの処理においては、画素連結領域の画素数(積算画素数)が求められ、撮像装置105により取得した画像の面積を考慮して、積算画素数から凝集フロック面積が換算される。
そして、上記の画像処理により取得された凝集フロック面積を用いて、上記のヒストグラムが生成される。ここで、凝集フロックの個数については、例えば、撮像装置105により撮像して取得したり、画像処理の過程において適宜に取得することができる。また、画像処理およびヒストグラムを生成する処理については、適宜のプログラムを実行して行われる。
本実施形態では、プロセッサは、操作手順表示プログラムを用いて、下水汚泥処理設備の稼働時に撮像装置105により経時計測される画像情報から取得されるヒストグラムと、所望凝集フロック状態に係るヒストグラムと、を比較して、下水汚泥処理設備の凝集フロックの状態を所望凝集フロック状態に基づく凝集フロックの状態に近づけるための設備操作手順(例えば、高分子凝集剤を注入する操作)を表示装置110に表示する。
なお、図7において、表示画面701には、下水汚泥処理設備の稼働時に撮像装置105により取得される画像情報に画像処理を行うことによって取得されるヒストグラムが表示されるが、表示画面701には、例えば、所望凝集フロック状態のヒストグラム(凝集フロック面積が階級であり、凝集フロックの個数が度数であるヒストグラム)が共に表示されてもよい。
本実施形態によれば、凝集フロックの状態に関するヒストグラム、および、凝集フロックの状態を所望凝集フロック状態に基づく凝集フロックの状態に近づけるための設備操作手順(例えば、高分子凝集剤を注入する操作)を、表示装置110に表示して、下水汚泥処理設備の作業者の設備運転支援を行うことができる。例えば、凝集フロックが所望凝集フロックよりも小さい場合には、凝集槽101に凝集剤を添加して凝集フロックを大きくするために(言い換えれば、ヒストグラムにおける代表的な凝集フロック面積になるように)、所望凝集フロック状態にするための高分子凝集剤の注入量が含まれた設備操作手順が表示されてもよい。その一方で、例えば、凝集フロックが所望凝集フロックよりも大きい場合には、凝集槽101の攪拌速度を大きくして凝集フロックを小さくするために、攪拌装置の回転速度を変更して、回転速度を大きくする設備操作手順が表示されてもよい。
また、撮像装置105により取得する画像情報における凝集フロックが、1mm以上で50mm以下の長さ範囲の凝集体であることが好ましい。これにより、精度の良い画像処理を行って、より適切な設備運転支援(すなわち、より適切な設備操作手順の表示)を行うことができる。
次に、第8実施形態について説明する。図8は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの表示画面の一例である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態では、表示画面801には、凝集槽101の設備操作手順の表示情報に従って作業者が凝集槽101を操作した場合における、フロック面積の推移が表示されるようになっている。具体的に説明すると、表示画面801には、凝集槽101の設備操作手順の表示情報と、フロック面積に関する情報(図8では、フロック個数)と、が表示される。なお、表示画面801の情報は、適宜のプログラムの実行により表示される。該プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。
ここで、フロック面積に関する情報は、一例として、グラフによって示され、横軸で凝集槽101の稼働時間が示され、縦軸でフロック面積が示される。横軸の凝集槽稼働時間は、凝集槽101の稼働時間の推移を示し、グラフの左側から右側に向かって時間が推移することが示されている。また、縦軸のフロック面積は、一例として、凝集槽101の稼働時間に対する所定時間ごとのプロットとして示すことができる。そして、フロック面積は、グラフにおいて、左端のプロットを実測値(つまり、現状のフロック面積)として示すことができ、それよりも右側のプロットを予測値として示すことができる。なお、フロック面積に関する情報には、カーブフィッティングにより求められる曲線が表示されてもよい。また、フロック面積に関する情報において、所望凝集フロック状態におけるフロック面積の値が、凝集槽稼働時間(すなわち、横軸)に平行する直線により示されていてもよい。
また、本実施形態において、フロック面積は、例えば、第7実施形態での凝集フロックの状態に関するヒストグラムから代表的な凝集フロックの面積を算出して用いることができる。また、フロック面積の推移(所望凝集フロック状態になるまでのフロック面積の変化)は、例えば、表示画面801に表示される凝集槽101の設備操作手順に従って凝集槽101を操作した場合において(ここで、凝集槽101の設備操作手順の表示は、一例として、第7実施形態で説明した表示画面701等と同じにすることができる)、フロック面積が所望凝集フロック状態のフロック面積に収束するまでの時間を見積もることで求めることができる。
本実施形態によれば、凝集槽101の設備操作手順の表示情報に従って凝集槽101を操作した場合における、フロック面積の推移(言い換えれば、表示情報の操作の実施により所望凝集フロック状態に変化すること)を表示することにより、下水汚泥処理設備の作業者の設備運転を支援することができる。
次に、第9実施形態について説明する。図9は、計測した凝集フロック画像の画像解析方法を用いた、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの使用の一例を示すアルゴリズムフローである。なお、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。また、図9のアルゴリズムフローは、プロセッサが適宜のプログラムを実行して行う処理である。
下水汚泥処理設備の運転を開始した後に、撮像装置105による凝集槽101の画像計測が行われ、取得された画像情報が記憶資源に記憶される(処理901~処理903)。そして、上記の第7実施形態において説明された画像処理が行われる。すなわち、記憶資源に記憶された画像情報に対して、モノクロ画像変換処理と、ヒストグラム平均化処理と、ガウシアンフィルタ処理と、二値化処理と、輪郭の抽出と、連結画素領域の抽出と、輪郭内面積の算出(すなわち、凝集フロック面積の算出)と、が行われる(処理904~処理910)。
ここで、上記した処理(処理904~処理910)は、例えば、下水汚泥処理設備の運転に関して豊富な経験値を有している熟練経験者のもとで実行される。そして、熟練経験者にとって良好であるとされる凝集フロックの状態のデータが、所望凝集フロック状態(この例では、所望凝集フロック状態のヒストグラム)として記憶資源に記憶(学習)される(処理912)。
その後の処理(つまり、処理912の後であり、学習情報の保存後)においては、プロセッサによる操作手順表示プログラムの実行により、下水汚泥処理設備から取得される画像情報に画像処理を行って取得されるヒストグラム(すなわち、処理902~処理910を行って取得されるヒストグラム)と、上記の処理912において取得された所望凝集フロック状態のヒストグラムと、の比較が行われ、現状の凝集フロックの状態を所望凝集フロック状態に近づけるための凝集槽101の設備操作手順の表示が行われる(処理911)。この処理911では、例えば、ヒストグラムが表示される表示画面701の表示を行うことができる。そして、表示される設備操作手順に従って操作を行うことにより、経験値の乏しい作業者においても適正な設備運転を実行することができる。
次に、第10実施形態について説明する。図10は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムにおいて、赤外線反射率から回帰直線を求め、該回帰直線を用いて含水率を予測する方法の一例を示すアルゴリズムフローである。なお、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。また、図10のアルゴリズムフローは、プロセッサが適宜のプログラムを実行して行う処理である。
汚泥脱水機の運転を開始(処理1001)した後に、上記の第4実施形態において説明された回帰直線情報が求められる。すなわち、既知の含水率の脱水汚泥に対して赤外線を照射し、当該脱水汚泥から反射した赤外線を経時計測する。そして、計測情報から算出される赤外線反射率に一次微分処理を行い、一次微分処理の結果に多変量回帰分析を行い、含水率回帰直線を算出する(処理1002~1005)。そして、既知の含水率の脱水汚泥から算出した含水率回帰直線を記憶資源に記憶(学習)させる(処理1006)。
その後の処理(つまり、処理1006の後)では、記憶資源に記憶(学習)された含水率回帰直線に、下水汚泥処理設備の稼働時において取得される赤外線反射率に基づくデータが入力され、含水率回帰直線に基づく含水率の予測値が算出される(処理1007~処理1009)。
ところで、上記で説明された下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム(100、200)には、例えば、温度センサが設けられてもよい。そして、温度センサにより、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の温度に関するデータを計測して取得し、操作手順表示プログラムの処理において、脱水汚泥の含水率を所望汚泥含水率に近付けるための汚泥脱水機の設備操作手順を選択して表示することに、脱水汚泥の温度に関するデータが用いられてもよい。
ここで、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の含水率を所望汚泥含水率に近付けるために、温度センサから取得されるデータを用いる手法は、特に限定されない。例えば、所望汚泥含水率の脱水汚泥の温度のデータとしての所望汚泥温度を記憶資源に記憶させておき、操作手順表示プログラムの処理においては、下水汚泥処理設備の稼働時に温度センサにより計測される現状の脱水汚泥の温度と、所望汚泥温度と、を比較して、現状の脱水汚泥の温度を所望汚泥温度に近付けるための汚泥脱水機の設備操作手順が表示装置110に表示されてもよい。例えば、現状の脱水汚泥の温度が所望汚泥温度よりも低い場合、現状の脱水汚泥の含水率が所望汚泥含水率よりも高いと考えられるので、設備操作手順群のうちで汚泥脱水機の脱水圧力を大きくする設備操作手順に関する情報が表示されてもよい。また、例えば、現状の脱水汚泥の温度が所望汚泥温度よりも高い場合、現状の脱水汚泥の含水率が所望汚泥含水率よりも低いと考えられるので、設備操作手順群のうちで汚泥脱水機の脱水圧力を小さくする設備操作手順に関する情報が表示されてもよい。また、脱水圧力計算プログラムの実行により、現状の脱水汚泥の温度と、所望汚泥温度と、のひらきから、適切な脱水圧力が計算され、計算された脱水圧力が含まれる設備操作手順が表示されてもよい。
なお、下水汚泥処理設備の中であれば、温度センサの位置は、脱水汚泥の温度を適切に計測することができれば特に限定されない。温度センサは、例えば、汚泥脱水機排出部103、汚泥脱水機排出部103の下流側の脱水汚泥の流路(例えば、脱水汚泥の搬送路)、汚泥貯留槽104などに、適宜に設けることができる。また、温度センサの計測データは、一例として、適宜の方法により信号処理されて、計算機109の処理で用いられる。なお、温度センサの計測データは、汚泥脱水に関する温度であれば、汚泥脱水そのものの温度であってもよく、汚泥脱水の周辺の温度(気温)であってもよく、両方を対象としてもよい。そして、温度センサのより好適な位置は、赤外線計測装置の周辺又は赤外線計測装置が前記脱水汚泥に赤外線を照射する位置の周辺、が好ましい。赤外線計測装置は、以上又は以下に説明するように、赤外線を脱水汚泥に照射し、反射される光により、吸光度を算出することで、含水率算出の元とする。そのため、赤外線照射および反射経路上に存在する脱水汚泥および空気の温度が一定でない場合、脱水汚泥自体および空気自体が発する赤外線量が変化する。その結果として、経路上の脱水汚泥の温度や空気の温度によって、赤外線吸光度の赤外線波長分布(赤外線スペクトル)が変化してしまうため、温度の考慮が必要となるからである。なお、温度センサは、下水汚泥処理設備の任意の位置に設置されてもよい。また気温の測定は気象データに示される温度を用いてもよい。
上記の温度センサの場合と同様に、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム(100、200)には、例えば、湿度センサが設けられてもよい。そして、湿度センサにより、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の周辺の湿度に関するデータを計測して取得し、操作手順表示プログラムの処理において、脱水汚泥の含水率を所望汚泥含水率に近付けるための汚泥脱水機の設備操作手順を選択して表示することに、脱水汚泥の湿度に関するデータが用いられてもよい。
ここで、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の含水率を所望汚泥含水率に近付けるために、湿度センサから取得されるデータを用いる手法は、特に限定されない。例えば、所望汚泥含水率の脱水汚泥の湿度のデータとしての所望汚泥湿度を記憶資源に記憶させておき、操作手順表示プログラムの処理においては、下水汚泥処理設備の稼働時に湿度センサにより計測される現状の脱水汚泥の湿度と、所望汚泥湿度と、を比較して、現状の脱水汚泥の湿度を所望汚泥湿度に近付けるための汚泥脱水機の設備操作手順が表示装置110に表示されてもよい。例えば、現状の脱水汚泥の湿度が所望汚泥湿度よりも低い場合、現状の脱水汚泥の含水率が所望汚泥含水率よりも低いと考えられるので、設備操作手順群のうちで汚泥脱水機の脱水圧力を小さくする設備操作手順に関する情報が表示されてもよい。また、例えば、現状の脱水汚泥の湿度が所望汚泥湿度よりも高い場合、現状の脱水汚泥の含水率が所望汚泥含水率よりも高いと考えられるので、設備操作手順群のうちで汚泥脱水機の脱水圧力を大きくする設備操作手順に関する情報が表示されてもよい。また、脱水圧力計算プログラムの実行により、現状の脱水汚泥の湿度と、所望汚泥湿度と、のひらきから、脱水圧力が計算され、計算された脱水圧力が含まれる設備操作手順が表示されてもよい。
なお、湿度センサの位置は、脱水汚泥の湿度を適切に計測することができれば特に限定されない。湿度センサは、例えば、汚泥脱水機排出部103、汚泥脱水機排出部103の下流側の脱水汚泥の流路(例えば、脱水汚泥の搬送路)、汚泥貯留槽104などに、適宜に設けることができる。また、湿度センサの計測データは、一例として、適宜の方法により信号処理されて、計算機109の処理で用いられる。なお、湿度センサのより好適な位置は、赤外線計測装置の周辺又は赤外線計測装置が前記脱水汚泥に赤外線を照射する位置の周辺、が好ましい。赤外線照射および反射経路上に高湿度な空気があると、空気により吸収される赤外線量が変化してしまうため、湿度の考慮が必要となるからである。なお、湿度が下水汚泥処理設備全体としてほぼ変わらないのであれば、下水汚泥処理設備の任意の位置の湿度センサのデータで代替してもよい。さらには、気象データに示される湿度を用いてもよい。
このように、温度センサや湿度センサから取得するデータに基づく設備操作手順の表示を行い、下水汚泥処理設備の作業者の運転支援を行うことができる。
そして、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム(100、200)には、上記した温度センサと湿度センサの両方が設けられてもよいし、温度センサまたは湿度センサの一方が設けられてもよい。
次に、温度センサによる計測場所の一例についてさらに具体的に説明する。図11は、第11実施形態に係り、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態では、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1100は、下水汚泥処理工程の流れとして、汚泥濃縮槽1101、濃縮汚泥貯留槽1102、凝集槽1103、汚泥脱水機1104、汚泥貯留槽1105の下水汚泥処理設備が設置されている下水汚泥処理場において、汚泥処理の効率化を図る汚泥処理設備の運転支援、制御を実現するために設けられる。
汚泥濃縮槽1101は、上流側から供給される生汚泥を濃縮する槽として構成されており、汚泥濃縮槽1101では、生汚泥から水分を分離させて含水率を低減させる処理(一例として、重力沈降により汚泥を沈降させ、上澄み液を分けて濃度を高める処理)が行われる。濃縮汚泥貯留槽1102は、汚泥濃縮槽1101において、含水率が低減されて濃縮された濃縮汚泥を貯留する槽として構成されている。なお、濃縮汚泥貯留槽1102では、汚泥を濃縮する処理が行われてもよい。濃縮汚泥貯留槽1102では、一例として、汚泥濃縮槽1101の場合と同じように、沈降分離に基づく処理が行われてもよい。
本実施形態では、図11に示すように、温度センサ(1106~1109)は、複数の箇所で温度を計測することができるように設けられている。具体的には、温度センサ1106は、汚泥濃縮槽1101の水温を計測することができるように設けられている。温度センサ1107は、濃縮汚泥貯留槽1102の水温を計測することができるように設けられている。温度センサ1108は、凝集槽1103の水温を計測することができるように設けられている。また、温度センサ1109は、脱水汚泥の温度を計測することができるように設けられている。
そして、複数の温度センサ(1106~1109)により取得される温度計測信号は、信号処理装置1110に出力される。信号処理装置1110は、入力される温度計測信号に対して信号処理を行い、温度情報を取得し、取得された温度情報は、計算機1111に出力される。
本実施形態では、下水処理工程の設備である、汚泥濃縮槽1101や濃縮汚泥貯留槽1102に、槽の水温を計測するために温度センサを適宜に設けることで、計算機1111は、凝集槽(1103)に入る汚泥の状態の情報を取得することができる。そして、計算機1111は、操作手順表示プログラムの実行により、凝集槽(1103)に入る汚泥の状態の情報に基づいて、設備操作内容を表示させることができる。例えば、汚泥濃縮槽1101や濃縮汚泥貯留槽1102の水温が通常の運転時よりも高い場合、発酵(一例として、嫌気性発酵)に基づくガスが、通常の運転時よりも多く汚泥から発生しており、発酵が進んだ状態の汚泥(言い換えれば、通常時と物性が異なる汚泥)が、凝集槽1103に入ると考えられる。そこで、この場合、注入量計算プログラムの実行により、温度センサ(1106、1107)より取得する温度情報に基づいて高分子凝集剤の注入量が調整されてもよく、操作手順表示プログラムの実行により、調整された注入量の高分子凝集剤を注入する設備操作手順が表示装置1112に表示されてもよい。このようにして、温度センサが取得するデータに基づく設備操作手順の表示を行い、下水汚泥処理設備の作業者の運転支援を行うことができる。なお、水温を介して脱水汚泥に関する温度を取得する例について詳しく説明されたが、これに限定されず、例えば、脱水汚泥に接触する位置に温度センサを設け、脱水汚泥の温度を取得してもよい。
なお、図11に示すように、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1100は、濃縮汚泥貯留槽(1102)において、汚泥より発生するガスを検知するためのガスセンサ(1107)を適宜に設けてもよい。このガスセンサ(1107)により取得されるガス計測信号は、信号処理装置1110に出力される。信号処理装置1110は、入力されるガス計測信号に対して信号処理を行い、ガス情報を取得し、取得されたガス情報は、計算機1111に出力される。そして、計算機1111は、上記した温度センサ(1106、1107)の場合と同じように、注入量計算プログラムの実行により、ガスセンサ(1107)より取得するガス情報に基づいて高分子凝集剤の注入量を調整し、操作手順表示プログラムの実行により、調整された注入量の高分子凝集剤を注入する設備操作手順を表示装置1112に表示してもよい。このようにして、凝集槽(1103)に入る汚泥から発生するガス情報を組み込んで、ガスセンサ(1107)が取得するデータに基づく設備操作手順の表示を行い、下水汚泥処理設備の作業者の運転支援を行うことができる。
また、温度センサ1108により取得する凝集槽1103の水温の温度情報に基づいて、凝集槽1103において、所望凝集フロック状態を生成するのに良好な凝集処理を行うための設備操作手順が表示される。例えば、凝集槽1103の水温が、基準温度または基準温度範囲から外れる場合、高分子凝集剤の溶解性が低下して、凝集不良が発生することが考えられる。そこで、この場合、注入量計算プログラムの実行により、温度センサ1109により取得する温度情報に基づいて高分子凝集剤の注入量が調整されてもよく、操作手順表示プログラムの実行により、調整された注入量の高分子凝集剤を注入する設備操作手順が表示装置1112に表示されてもよい。ここで、基準温度、基準温度範囲は、所望凝集フロック状態を生成するのに適切な凝集処理を行うことができる温度または温度範囲を示すデータであり、記憶資源に記憶される。
また、本実施形態における下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1100においても、上記の下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム(100、200)の場合の温度センサの説明と同様の処理が行われる。すなわち、操作手順表示プログラムの処理により、温度センサ1109により取得する脱水汚泥の温度情報に基づいて、脱水汚泥の含水率を所望汚泥含水率に近付けるための設備操作手順が表示装置1112に表示される。
次に、第12実施形態に係る、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1200について説明する。図12は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
第12実施形態での下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1200においては、下水汚泥処理設備が設けられている下水汚泥処理場とは異なる遠隔地に計算機1111が設置され、計算機1111は、通信ネットワーク1201を介して、下水汚泥処理設備からの情報を取得する。また、表示装置1112は、下水汚泥処理設備が設けられている下水汚泥処理場に設置され、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1200では、通信ネットワーク1201を介した計算機1111からの出力に基づく表示が行われる。
本実施形態では、計算機1111は、プロセッサと、記憶資源と、通信部と、を備える。通信部は、通信を行うためのインタフェースとして構成されている。信号処理装置1110から出力される情報は、通信ネットワーク1201を介して、通信部に入力される。また、計算機1111からの出力は、通信部および通信ネットワーク1201を介して、表示装置1112に入力される。
本実施形態によれば、下水汚泥処理場とは異なる遠隔地に計算機1111が設置され、下水汚泥処理設備の運転を支援する情報を配信するための配信サーバとして計算機1111を活用することができ、遠隔地からの情報に基づく下水汚泥処理設備の作業者の設備運転の支援を実現することができる。
次に、第13実施形態に係る、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1300について説明する。図13は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
本実施形態では、図13に示すように、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1300は、下水汚泥処理設備の操作盤を撮影するための複数の画像撮影機(1305~1308)を備える。具体的には、画像撮影機1305は、汚泥濃縮槽の操作盤1301を撮影することができるように設けられている。画像撮影機1306は、濃縮汚泥貯留槽の操作盤1302を撮影することができるように設けられている。画像撮影機1307は、凝集槽の操作盤1303を撮影することができるように設けられている。画像撮影機1308は、汚泥脱水機の操作盤1308を撮影することができるように設けられている。
そして、複数の画像撮影機(1305~1308)により取得される画像信号は、信号処理装置1309に出力される。信号処理装置1309は、入力される画像信号に対して信号処理を行い、操作盤情報を取得し、取得された操作盤情報は、計算機1310に出力される。
本実施形態では、汚泥濃縮槽1301、濃縮汚泥貯留槽1302、凝集槽1303、汚泥脱水機1304を運転するための操作盤を撮影する画像撮影機を適宜設けることで、撮影画像からの画像認識により操作盤の計器が示す状態を取得して、適切な設備操作手順を表示装置1311に表示させることができる。ここで、画像認識は、適宜のマッチング処理とすることができる。すなわち、所望フロック状態および所望汚泥含水率での操作盤の計器が示す状態を撮影した画像データを記憶資源に記録させておき、適宜の画像認識プログラムの実行により、当該画像データと、現状の計器が示す状態を撮影した画像データと、の対比を行う。なお、画像認識プログラムは、記憶資源に記憶され、プロセッサにより実行される。そして、計算機1310は、操作手順表示プログラムの実行により、画像認識の結果に基づいて、所望フロック状態および所望汚泥含水率での計器が示す状態に近づけるための設備操作手順を設備操作手順群のうちから適宜に選択し、または、高分子凝集剤の注入量や汚泥脱水機の脱水圧力が含まれる設備操作手順を適宜に生成し、設備操作手順を表示装置1311に表示させる。このように、本実施形態では、操作盤の計器のデータに基づく設備操作手順の表示を行い、下水汚泥処理設備の作業者の運転支援を行うことができる。
次に、第14実施形態に係る、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1400について説明する。図14は、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの構成図である。なお、本実施形態の説明にあたり、既に説明した内容と重複する説明については省略することがある。
第14実施形態での下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1400においては、下水汚泥処理設備が設けられている下水汚泥処理場とは異なる遠隔地に計算機1310が設置され、計算機1310は、通信ネットワーク1401を介して、下水汚泥処理設備からの情報を取得する。また、表示装置1311は、下水汚泥処理設備が設けられている下水汚泥処理場に設置され、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム1400では、通信ネットワーク1401を介した計算機1310からの出力に基づく表示が行われる。
本実施形態では、計算機1310は、プロセッサと、記憶資源と、通信部と、を備える。通信部は、通信を行うためのインタフェースとして構成されている。信号処理装置1309から出力される情報は、通信ネットワーク1401を介して、通信部に入力される。また、計算機1310からの出力は、通信部および通信ネットワーク1401を介して、表示装置1311に入力される。
本実施形態によれば、下水汚泥処理場とは異なる遠隔地に計算機1310が設置され、下水汚泥処理設備の運転を支援する情報を配信するための配信サーバとして計算機1310を活用することができ、遠隔地からの情報に基づく下水汚泥処理設備の作業者の設備運転の支援を実現することができる。
以上、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム(1100、1200、1300、1400)においても、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム(100、200)の場合で説明されたように、撮像装置105、赤外線計測装置106、湿度センサなどを用いた処理を行ってもよい。
上記で説明された、赤外線計測装置106の位置は、脱水汚泥を適宜に計測することができれば特に限定されない。赤外線計測装置106は、例えば、汚泥脱水機排出部103、汚泥脱水機排出部103の下流側の脱水汚泥の流路(例えば、脱水汚泥の搬送路)、汚泥貯留槽104などに、適宜に設けることができる。
上記で説明された、撮像装置105の位置は、凝集槽101における凝集フロックを適宜に計測することができれば特に限定されない。撮像装置105は、例えば、凝集槽101における凝集フロックを計測することができる位置、凝集槽101の内部、凝集槽101の外部、凝集槽101の下流側の汚泥の流路などに、適宜に設けることができる。
上記の実施形態では、撮像信号処理装置107と赤外線信号処理装置108により、取得したデータの信号処理が行われたが、例えば、撮像信号処理装置107と赤外線信号処理装置108を計算機の一部として構成し、計算機が取得したデータの信号処理を行ってもよい。また、撮像信号処理装置107と赤外線信号処理装置108を省略して、計算機の記憶資源に当該信号処理を行うためのプログラムを記憶させ、プロセッサによる当該プログラムの実施により、当該信号処理が行われてもよい。信号処理装置(1110、1309)についても同様に、計算機の一部として構成してもよい。信号処理装置(1110、1309)を省略して、計算機が信号処理を行ってもよい。
プロセッサの一例としてはCPUが考えられるが、所定の処理を実行する主体であれば他の半導体デバイス(例えば、GPU)でもよい。
記憶資源は、一例として、ハードディスクドライブ(HDD;Hard disk drive)であることが考えられるが、記憶資源は、適宜の記録装置とすることができる。記憶資源は、例えば、半導体素子メモリを使ったドライブであるソリッドステートドライブ(SSD;Sоlid State Drive)であってもよい。
第15実施形態について説明する。なお、上記と同じ説明については省略することがある。第15実施形態では、含水率の予測値である含水率予測値を、第4実施形態の場合とは異なる算出方法で算出する下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの形態について説明する。この形態では、含水率の算出方法が異なり、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムでの含水率の使用方法は、第4実施形態の場合と同様であるので、使用方法に関する説明を省略することがある。
本実施形態では、脱水汚泥の含水率を予測して算定するために用いる回帰直線データである回帰直線情報が記憶資源に記憶される。そして、操作手順表示プログラムの処理では、記憶資源に記憶された回帰直線情報を用いて脱水汚泥の予測値が算定され、脱水汚泥の含水率の予測値と、所望汚泥含水率と、が比較される。そして、脱水汚泥の含水率の予測値を所望汚泥含水率に近付けるための汚泥脱水機の設備操作手順を、表示装置110に表示する処理が行われる。
回帰直線は、含水率が既知の脱水汚泥から求められる。ここで、回帰直線情報を求める方法の一例について、図15を参照しながら説明する。図15は、脱水汚泥の含水率を算出する解析の流れの一例を示すフローチャートである。この方法は、設備運転開始後(S101)に、含水率が既知の脱水汚泥に赤外線を照射し、当該脱水汚泥から反射する赤外線を赤外線計測装置(赤外線センサ)で経時計測する。ここで、経時計測により取得されたデータ(経時計測情報)は、記憶資源に記憶される。なお、精度の良い回帰直線を取得するために、本実施形態では、1200nm以上2500nm以下の波長範囲の赤外線が照射される。そして、この方法は、経時計測により取得されたデータから赤外線反射光の吸光度(赤外線スペクトル)を算出し(S102)、赤外線反射光の吸光度に平滑化処理を行い、前記平滑化処理の結果にオフセット補正(ベースライン補正)を行う(S103)。その後に、この方法は、多変量回帰分析(この例では、重回帰分析)を実行することによって(S104)、回帰直線情報を取得し(S105)、算出した含水率の回帰直線情報を記憶資源に記憶(学習)させる(S106)。なお、回帰直線情報は、例えば回帰係数や、補正係数が考えられるが、回帰直線(統計学の定義に基づき実際には一次関数でなくてもよい)を定義する係数であればほかの係数であってもよい。また、回帰直線を複数の関数で表現できる場合は、どの関数を適用したのかを示す関数に付与された識別子であってもよく、複数の関数の結果を加算する重みづけ係数であってもよい。
回帰直線情報を求める方法について、より詳しく説明する。上記の算出された赤外線反射光の吸光度は、一例として、縦軸で吸光度(任意単位)を示し、横軸で波長(nm)を示す、スペクトルデータ(グラフ)として考えることができる。そして、赤外線反射光の吸光度に平滑化処理を行い、前記平滑化処理の結果にオフセット補正(ベースライン補正)を行い、その結果に多変量回帰分析を実行することにより、回帰直線が求められる。ここで、適切な回帰直線を求めることができればよく、多変量回帰分析において、変数の数(すなわち、波長範囲におけるデータポイントの個数)は、適宜に定めることができる。そして、回帰直線に赤外線反射光の吸光度に基づくデータを入力することで、含水率の予測値を求めることができる。
そして、上記したように、本実施形態では、操作手順表示プログラムの処理では、経時で取得する赤外線反射光の吸光度と、上記した回帰直線情報と、を用いて、経時で排出される脱水汚泥の含水率の予測値が算出され(S107~S109)、算出された脱水汚泥の含水率の予測値と、所望汚泥含水率と、の比較が行われる。ここで、上記した回帰直線情報を求めるにあたり、既知の含水率の脱水汚泥は、60wt%以上90wt%未満の範囲の含水率を有していることが好ましい。また、所望汚泥含水率は、60wt%以上85wt%未満の範囲の含水率であることが好ましい。これにより、精度の良い回帰直線を取得して、より適切な設備運転支援(すなわち、より適切な設備操作手順の表示)を行うことができる。なお、上記したように、所望汚泥含水率はこのような範囲指定の他、ピンポイントの値で指定してもよい。
次に、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの実行画面に表示される内容についての詳細を図16から図20を用いて説明する。
図16は、メニュー画面の一例である。本実施形態では、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムのプログラムをプロセッサが実行することにより、図16に示すメニュー画面I1が表示装置に表示される。図16に示すように、メニュー画面I1には、複数の項目が含まれており、下水処理場の作業者は、参照したい項目を適宜に選択して決定することができる。次に、メニュー画面I1に表示される項目についての内容を順に説明する。
「情報入力」の項目において、下水処理場の作業者は、システムに登録する情報である登録情報を登録することができる。ここで、登録情報は、一例として、作業者、温度、湿度などの情報が挙げられる。登録方法は、プルダウン形式により選択することができる態様であってもよいし、作業者が直接的に情報を入力することができる態様であってもよい。また、温度や湿度などの数値データに関して、センサから取得されるデータが自動的に入力(登録)されてもよい。また、気象データが適宜に取得され、気象データに基づく温度や湿度などの数値データが自動的に入力(登録)されてもよい。気象データは、一例として、ネットワークを介して外部から取得することができる。
ここで、センサには、温度、湿度、凝集フロックの撮像装置、含水率の赤外計測装置の他、凝集槽の凝集剤添加流量や濃度、撹拌機の回転速度、汚泥の流量や汚泥の濃度、脱水機の汚泥の圧搾圧力に関する値などを計測する計測計器が含まれる。例えば、遠心脱水機の場合は遠心力、加圧脱水機の場合は加圧力、ベルトプレス脱水機の場合はろ布の緊張圧力の調整、多重円盤脱水機の場合は汚泥の回転速度、スクリュープレス脱水機の場合はスクリューの回転数などを計測するセンサがあるが、これらの例示した計測センサ(計測機器)に限定されない。なお、例示したセンサのいくつかについては具体例を後程説明する。
「計測条件設定」の項目は、主に、ナビゲーションシステムのプログラム作成者を対象とした項目である。「計測条件設定」には、凝集槽の凝集フロックの画像の解析アルゴリズム、および、乾燥汚泥(脱水汚泥)の含水率を演算するための重回帰分析のアルゴリズムが格納されている。
凝集フロックの解析アルゴリズムでは、画像領域、ヒストグラム平坦化、フィルタ方式、二値化の閾値などの設定が可能である。また、解析する凝集フロックサイズの範囲の指定、解析対象とする凝集フロックの範囲の直径または面積、平均フロック径の範囲、フロック数の範囲などの設定が行われてもよい。例えば、凝集フロックの大きさに関する設定が行われることで、所望のサイズ範囲の凝集フロックの生成状態を容易に確認することができる。
その一方で、含水率の演算では、目標とする含水率範囲、含水率を計測するセンサの計測条件(スキャン回数、ゲイン設定、スムージング有無、計測速度など)、キャリブレーションデータ、赤外光学情報を含水率へ変換するための、回帰係数、補正係数などの入力(設定)が可能である。
その他、凝集フロックの状態と含水率の計測について、リアルタイムデータの処理(更新)間隔を入力して設定することが可能である。また、これらの計測に関するデータの最大表示時間を入力して設定することが可能である。そして、ホームボタンを押すことで、メニュー画面に戻ることができる。
「計測経過」および「ヒストグラム」の項目は、「計測条件設定」の項目と同様に、主に、ナビゲーションシステムのプログラム作成者を対象とした項目である。「計測経過」の項目で、計測経過に関するデータなどの格納が行われてもよい。また、「ヒストグラム」の項目で、ヒストグラム処理に用いるデータなどの格納が行われてもよい。ただし、これらの項目は画面表示を省略してもよい。
次に、「状況確認」の項目について説明する。「状況確認」の項目は、主に、下水処理場の作業者を対象とした画面に関する。「状況確認」の一例、すなわち、この画面の一例について、図17を参照しながら説明する。図17は、状況確認に係る画面の一例を示す。
「状況確認」の項目から確認できる画面I2を用いて、作業者は、現状のフロックのサイズおよび数、含水率の状況を数値で把握することができる。また、当該画面I2を用いて、凝集フロックの画像を把握することができる。ここで、数値表示することができるデータに関して、時間の経過に基づく数値の変化を示す情報(図17に示すように、例えば、数値と時間軸を関連付けたグラフ)が表示されてもよい。なお、現状のフロックの数および径、含水率および含水率を算出するための赤外線のスペクトル情報の数値データは、保存、出力することができる。
また、数値表示することができるデータに関して、上限値と下限値を設定して、設定値から現在の値が外れた場合に、警告が行われてもよい。図17に示すように、例えば、乾燥汚泥(脱水汚泥)の含水率の上限値と下限値を設定して、設定値から外れたら(つまり、目標範囲から外れたら)数字または表示枠を赤で点滅させ、異常を知らせる警告が行われてもよい。なお、適宜の手段による警告が行われればよく、作業者等が把握することができれば、警告の態様は特に限定されない。例えば、ブザーなどによる警報音を鳴らすことにより、警告が行われてもよい。
次に、「操作指示」の項目について説明する。「操作指示」の項目は、推奨する設備の操作の内容を表示する画面に関する。「操作指示」の一例、すなわち、この画面の一例について、図18を参照しながら説明する。図18は、操作指示に係る画面の一例を示す。
「操作指示」に関する画面I3には、設備の操作履歴、過去の凝集フロックのサイズおよび数、過去の乾燥汚泥(脱水汚泥)の含水率、を解析した結果に基づき、現状の凝集フロックのサイズおよび数、現状の乾燥汚泥の含水率から、推奨する設備操作内容が表示される。
ここで、設備操作内容には、操作内容を推奨する値である優先度が対応付けられており、複数の設備操作内容を表示する場合では、優先度による優先順位をつけてそれぞれの設備操作内容が画面I3に表示される。さらに、操作する数量(操作数量)も併せて画面I3に表示される。
推奨操作の対象となる設備としては、凝集槽や脱水機が挙げられる。ここで、凝集槽や脱水機が複数設けられる場合では、何れの設備を操作するのかについて区別した態様で、推奨操作が表示される。例えば、凝集槽や脱水機などの設備が複数号機ある場合では、いずれの号機の設備が操作の対象であるかを示す情報を含めた表示が行われる。従って、表示を参照することで、どの設備を操作すべきかについて容易に把握することができる。
スクリュープレス型脱水機を用いる場合の事例について説明する。この場合、凝集槽に対しては、無機凝集剤や高分子凝集剤などを添加する操作や、添加率の増量あるいは減量する操作が、設備操作内容として挙げられる。その一方で、脱水機に対しては、スクリュー回転数を増加あるいは低減する操作や、汚泥を脱水するための加圧度または減圧度等の操作が、設備操作内容として挙げられる。そして、それぞれの操作において操作する数量が、対応付けて表示される。また、それぞれの設備操作内容の優先度が併せて表示され、それぞれの設備操作内容が優先順位で並べられて表示される。
下水処理場の作業者は、推奨された操作内容を下水処理設備に実施した後に、実施した操作内容を入力することができる。設備操作内容のうち、実際に操作した内容(すなわち、優先順位が最も高い操作の内容)の行の項目(Nо、推奨操作、操作する数量、優先度)のいずれかを画面上で選択することで、後述する「実施内容」の入力画面に遷移する便利な機構が備えられてもよい。すなわち、画面I3は、マウス等を用いて実際に操作した内容を入力するための画面であってもよく、画面I3上で実施内容の入力が行われてもよい。このように構成することで、画面I3を用いて実施内容を容易に入力することができる。その一方で、ホームボタンを選択するなどしてメニュー画面I2を出力して、メニュー画面I2より「実施内容」を選択して操作内容を入力してもよい。
次に、「実施内容」の項目について説明する。「実施内容」の項目は、実際に操作した設備操作内容の入力画面に関する。「実施内容」の画面の一例について、図19を参照しながら説明する。図19は、実施内容に係る画面の一例を示す。
図19に示すように、「実施内容」を入力する画面I4は、第1エリアA1と、第2エリアA2と、第3エリアA3と、を含む。第1エリアA1は、実施内容(すなわち、実際に実施した設備操作内容)を入力するエリアである。そして、この第1エリアA1は、操作項目に関する入力欄E1と、操作数量に関する入力欄E2と、を含む。第2エリアA2は、実施内容の結果の良否を入力するエリアである。第3エリアA3は、実施した時間(実施時刻)を入力するエリアである。すなわち、表示装置は、ユーザによる実際の設備操作内容を入力または選択する第1エリアA1と、設備操作内容を実施した結果の良否を入力または選択する第2エリアA2と、実施時間を入力する第3エリアA3と、を有する画面を表示する。言い換えれば、プロセッサは、ユーザによる実際の設備操作内容を入力または選択する第1エリアA1と、設備操作内容を実施した結果の良否を入力または選択する第2エリアA2と、実施時間を入力する第3エリアA3と、を有する画面を前記表示装置に表示させる。なお、図19においては、第1エリアA1、第2エリアA2、および、第3エリアA3が、一例として、横並びに配置されているが、画面I4上でのそれぞれのエリア(A1~A3)の配置は特に限定されない。そして、上記で説明したように、「操作指示」の画面I3上で実際に操作した内容が選択された場合、実施内容の入力画面I4には(詳細には、第1エリアA1には)、この操作に関する内容が自動的に入力され、入力された内容が表示されてもよい。例えば、図18に示す「凝集剤ポリマ添加」に関する操作が選択された場合では、この操作の内容が第1エリアA1の入力欄E1に自動的に入力されて表示され、併せて操作数量が第1エリアA1の入力欄E2に自動的に入力されて表示されてもよい。すなわち、プロセッサは、画面I3で設備操作内容の特定を受信し、受信した設備操作内容に関する操作項目および操作数量を特定し、特定した操作項目および操作数量を、第1エリアA1に入力してもよい。その一方で、「実施内容」の入力画面I4が、ユーザによる実施内容を入力する画面とされてもよい。
「実施内容」の画面I4において(詳細には、第1エリアA1の入力欄E2において)、操作した数量の有効数字などは、適切であれば特に限定されず、例えば、下水処理場の状態に合わせて(例えば、下水処理場の規模や、時間あたりの処理能力を考慮して)、適宜に決定することができる。例えば、凝集剤の添加率やスクリュー回転数の数量は、下水処理場の状態に合わせて適宜決定されるが、一例として、おおむね小数点以下第2位程度までの細かい値を表示することができる機構にすることができる。
下水処理場の作業者は、設備操作内容を実施した結果、フロック凝集状態や含水率が改善したか、変化なしか、さらに追加が必要であったか、など結果(実施結果)を第2エリアA2に入力することができる。なお、自動的な入力が行われてもよく、プロセッサは、実施後の凝集フロックの推移や含水率の推移から実施結果の良否を判定し、第2エリアA2に実施結果を入力してもよい。また、実施した時刻が第3エリアA3に入力される。時刻は、実施内容の自動的な入力に併せて自動で記録されてもよいし、下水処理場の作業者が入力してもよい。
操作した数量や実施結果の入力について(すなわち、第1エリアA1の入力欄E2への入力、および、第2エリアA2への入力に関して)、プルダウン形式で選択して入力する機構が備えられてもよい。例えば、「凝集剤ポリマ添加」の操作した数量についてそれぞれ異なる添加率を示す複数の項目を準備しておき、これらの項目から適宜に選択することで、操作した数量の値が入力されてもよい。また、例えば、実施結果について、「改善」、「変化なし」、および、「追加必要」の項目を準備しておき、これらの項目から適宜に選択することで、実施結果が入力されてもよい。操作した数量をプルダウン形式による入力方式にして、さらに、操作内容を手動で入力する機構とすることで、設備操作内容の選択に基づく自動的な入力によらず、下水処理場の作業者による判断で、実施した内容を手動で入力することができる。
「実施内容」(画面I4)に入力されるデータ(例えば、実施した設備操作内容やその結果に関するデータ)は、下記で説明するように、一例として、プログラムの設定などに用いることができる。
「操作指示」の項目で、推奨された操作から選択して実施した後、「状況確認」の画面にて、所望の凝集フロックのサイズや数、乾燥汚泥の含水率に至ったことを確認できた場合は、選択して実施した操作が適切であるので、以降、「操作指示」の項目で推奨操作を表示する際、推奨度(つまり、優先度)を上げるように、プログラムに設定する(パターン1とする)。推奨された操作から選択して実施した結果、所望の凝集フロックのサイズや数、乾燥汚泥の含水率に至らない場合で、かつ、推奨操作実施前よりも、凝集フロックのサイズや数、乾燥汚泥の含水率が悪化した場合は、推奨度を下げるように、プログラムに設定する(パターン2とする)。推奨された操作から選択して実施した結果、所望の凝集フロックのサイズや数、乾燥汚泥の含水率に至らなかった場合で、推奨操作実施前と比較して、変化がない場合は、推奨度を下げるが、パターン2において推奨度を下げた設定よりは下げ幅を小さくするように、プログラムに設定する(パターン3とする)。なお、ここでの、推奨度の上げ幅、下げ幅は、開発者によって適宜設定される。このようにして、「操作指示」の項目での推奨操作の表示内容と、推奨操作を実施した結果および、凝集フロックのサイズや数、乾燥汚泥の含水率をデータベースとして構築し、学習、解析を繰り返すことで、操作指示内容の精度の改善(すなわち、より正確な設備操作内容を出力すること)に活用することができる。すなわち、推奨操作を実施した後の凝集フロックと脱水汚泥に関するデータを取得するステップと、取得したデータを用いて、推奨操作の良し悪しを評価するステップと、評価の結果に応じて、推奨操作を推奨する値である優先度を変動させるステップと、を実行することで、操作指示内容の精度を改善することができ、より正確な推奨操作を出力することができるようになる。
また、取得するデータを用いて、「操作指示」の画面I3において表示される操作数量の値の精度が改善されてもよい。例えば、「実施内容」の画面I4にて、実施結果(つまり、第2エリアA2の入力内容)から改善されたことが確認できた場合は、対応する設備操作内容についての操作数量の値を変更しないで、実施結果から改善されていないことが確認できた場合、対応する設備操作内容についての操作数量の値を変更するという処理を行うことで、操作数量の値の精度の改善が行われてもよい。このようにして、実施した操作の数量(実施内容の入力画面に入力される数量)から、操作する数量の値の精度を改善することができる。
また、同様に、「状況確認」の画面I2にて、凝集フロックや汚泥の含水率に関するデータが、所望の数値となったことが確認された場合、操作数量の値を変更しないで、所望の数値となったことが確認できない場合、操作数量の値を変更するという処理が行われてもよい。
次に、「実施内容の出力」の項目について、図20を参照しながら説明する。図20は、実施内容の出力に係る画面の一例を示す。
メニューの実施内容の出力の項目を選択すると、図20に示すように、出力要否の確認画面I5が表示される。その後、承諾(OK)を選択すると、凝集フロックのサイズおよび数、含水率の計測結果から、ナビシステムが推奨した操作、下水処理場の作業者が実施した内容、などの情報を出力することができる。
出力が完了すると、出力ファイルの保存先とともに、出力が完了したことを知らせる内容が表示される。出力ファイルの形式について、図20の画面I5の例では、CSVファイルが記載されているが、ファイル形式は、システム作成者によって適宜選択することができる。また、出力ファイルの一式は、遠隔制御している場合、遠隔制御の情報処理機器まで、伝送することもできる。
上記以外に、画面に示される情報として、凝集フロックや含水率の予測情報を下水処理場の作業者に示す機能も備えている。すなわち、将来の予測に関するデータの表示が行われてもよい。例えば、乾燥汚泥の含水率の算出時点、または、凝集フロックのサイズや数の算出時点より先の時間の予測値に関するデータが取得されて、「状況確認」の画面I2に表示されてもよい。この場合、表示される予測値を把握して操作を行うことができる。
また、画面には、設備の監視(モニタリング)や制御に用いられる制御盤が取得するデータが表示されてもよい。また、画面には、制御盤を撮像して取得する画像が表示されてもよい。すなわち、制御盤を撮像する制御盤カメラが設けられ、制御盤を撮像して画像処理することにより取得されるモニタリング値が、画面に表示されてもよい。このモニタリング値を参照することで、制御盤の情報を容易に把握することができる。なお、モニタリング値としては、例えば、凝集槽への薬剤の添加量や薬剤の比率、汚泥の濃度および流量、撹拌機の回転数、脱水機の圧力などが挙げられる。
数値表示に用いるデータは、各々の設備の監視や計測に用いるセンサ(例えば、上記で説明されたセンサ)から取得されてもよいし、制御盤から取得してもよい。なお、制御盤に所望凝集フロック状態、凝集フロック状態の撮像画像、又は含水率などが表示されている場合は、当該方法により、表示されている値又は情報を得てもよい。
優先度は、設備操作内容を適切に評価することができればよく、%値以外であってもよい。操作数量は、適切な値で示されればよく、%値以外であってもよい。
以上、下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムの実行画面の内容について説明したが、表示する文言等は、下水処理場の作業者が馴染む言葉などに適宜に置き換えても良い。下水汚泥処理設備を対象に説明したが、実施形態で説明されたシステムは、凝集槽、脱水機を用いて処理する上水、産業排水など、下水処理以外の汚泥処理場を対象として用いてもよい。
設備操作手順には、設備操作内容が含まれる。そして、プロセッサの処理により、設備操作内容が表示装置に表示されてもよい。また、操作手順表示プログラムは、操作内容表示プログラムとして用いられてもよい。
100 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム
101 凝集槽
102 汚泥脱水機脱水部
103 汚泥脱水機排出部
104 汚泥貯留槽
105 撮像装置
106 赤外線計測装置
107 撮像信号処理装置
108 赤外線信号処理装置
109 計算機(電子計算機)
110 凝集槽・汚泥脱水機操作手順表示装置(表示装置)
200 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム
201 通信ネットワーク
301 操作手順表示装置画面(表示画面)
401 操作手順表示装置画面(表示画面)
402 所望の含水率値(所望汚泥含水率)
403 含水率回帰直線(回帰直線)
501 操作手順表示装置画面(表示画面)
502 所望の含水率値(所望汚泥含水率)
503 含水率値(含水率計測値)
601 操作手順表示装置画面(表示画面)
701 操作手順表示装置画面(表示画面)
801 操作手順表示装置画面(表示画面)
1100 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム
1101 汚泥濃縮槽
1102 濃縮汚泥貯留槽
1103 凝集槽
1104 汚泥脱水機
1105 汚泥貯留槽
1106 温度センサ
1107 センサ(温度センサ、ガスセンサ)
1108 温度センサ
1109 温度センサ
1110 信号処理装置
1111 計算機(電子計算機)
1112 操作手順表示装置(表示装置)
1200 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム
1201 通信ネットワーク
1300 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム
1301 汚泥濃縮槽の操作盤
1302 濃縮汚泥貯留槽の操作盤
1303 凝集槽の操作盤
1304 汚泥脱水機の操作盤
1305 画像撮影機
1306 画像撮影機
1307 画像撮影機
1308 画像撮影機
1309 信号処理装置
1310 計算機(電子計算機)
1311 操作手順表示装置(表示装置)
1400 下水汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム
1401 通信ネットワーク
I1 メニュー画面
I2 状況確認画面
I3 操作指示画面
I4 実施内容の入力画面
I5 実施内容の出力画面

Claims (17)

  1. プロセッサと、記憶資源と、表示装置と、を備え、
    前記記憶資源には、
    汚泥処理設備の凝集槽における所望する凝集フロック状態である所望凝集フロック状態と、
    前記汚泥処理設備の汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の所望する含水率である所望汚泥含水率と、
    がデータとして記憶され、
    前記プロセッサは、操作内容表示プログラムを実行することにより、
    (1)前記汚泥処理設備の稼働時の凝集フロック状態である、稼働時フロック状態を取得し、
    (2)前記汚泥処理設備の稼働時の脱水汚泥の含水率である、稼働時汚泥含水率を取得し、
    (3)前記稼働時フロック状態、前記稼働時汚泥含水率、前記所望凝集フロック状態、および、前記所望汚泥含水率に基づいて、前記凝集槽と前記汚泥脱水機の設備操作内容を選択または生成し、
    (4)前記設備操作内容を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  2. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサと、前記記憶資源と、通信を行うためのインタフェースである通信部と、を備える電子計算機が構成されており、
    前記電子計算機は、前記汚泥処理設備が設けられる汚泥処理場とは異なる遠隔地に設置されており、
    前記表示装置は、前記汚泥処理場に設置されている、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  3. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記表示装置に表示される前記設備操作内容は、
    前記汚泥脱水機の脱水圧力を調整する手順と、
    汚水中に高分子凝集剤の注入量を指定した高分子凝集剤を注入する手順と、
    を含むことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  4. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記記憶資源には、
    脱水汚泥の含水率を予測して算定するために用いる回帰直線のデータである回帰直線情報が記憶され、
    前記回帰直線情報は、
    既知の含水率の脱水汚泥に1200nm以上2500nm以下の波長範囲の赤外線を照射し、前記脱水汚泥を経時計測して取得する赤外線反射率に一次微分処理を行い、前記一次微分処理の結果に多変量回帰分析を実行することによって取得され、
    前記プロセッサは、前記操作内容表示プログラムを実行することにより、
    前記汚泥脱水機から経時で排出される脱水汚泥に1200nm以上2500nm以下の波長範囲の赤外線を照射し、前記脱水汚泥を経時計測して取得される赤外線反射率と、前記回帰直線情報と、を用いて、前記稼働時汚泥含水率を算出し、
    前記稼働時汚泥含水率と、前記所望汚泥含水率と、に基づいて、前記設備操作内容を選択または生成する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  5. 請求項4に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記所望汚泥含水率は、範囲で示される、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  6. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、
    汚泥体積値算定プログラムを実行することにより、
    前記脱水汚泥の体積値である汚泥体積値を算定し、算定した前記汚泥体積値を前記表示装置に表示し、
    処分費用算定プログラムを実行することにより、
    前記脱水汚泥の処分費用である汚泥処分費用を算定し、算定した前記汚泥処分費用を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  7. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、予測表示プログラムを実行することにより、
    前記汚泥脱水機の稼働時間に対する前記脱水汚泥の体積値である汚泥体積値の予測と、前記脱水汚泥の処分費用である汚泥処分費用の予測と、を行い、
    予測した前記汚泥処分費用を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  8. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記所望凝集フロック状態は、
    汚水中に凝集する凝集フロックを既定の面積範囲で経時で画像計測し、取得した画像情報に対して凝集フロックの部分を明確にして凝集フロックの面積である凝集フロック面積を算出する画像処理を行って取得され、
    前記所望凝集フロック状態は、
    前記凝集フロック面積を階級として凝集フロックの個数を度数とするヒストグラムであり、
    前記稼働時フロック状態は、
    前記汚泥処理設備の稼働時に、汚水中に凝集する凝集フロックを既定の面積範囲で経時で画像計測し、取得した画像情報に前記画像処理を行って取得され、
    前記稼働時フロック状態は、
    凝集フロック面積を階級として凝集フロックの個数を度数とするヒストグラムであり、
    前記プロセッサは、前記操作内容表示プログラムを実行することにより、
    前記稼働時フロック状態と、前記所望凝集フロック状態と、に基づいて、前記設備操作内容を選択または生成し、
    前記稼働時フロック状態のヒストグラムと、前記設備操作内容と、を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  9. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    汚泥処理設備は、前記脱水汚泥に関する温度を計測する温度センサ、および/または、前記脱水汚泥の周辺の湿度を計測する湿度センサを備え、
    前記プロセッサは、前記操作内容表示プログラムを実行することにより、
    前記温度センサおよび/または前記湿度センサから取得するデータを用いて、前記設備操作内容を選択または生成する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  10. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    制御盤を撮像して画像処理することによりモニタリング値を取得する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  11. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記表示装置は、設備操作内容の表示後にユーザが前記設備操作内容を入力するための画面を表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  12. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、
    ユーザによる実際の設備操作内容を入力または選択する第1エリアと、
    前記設備操作内容を実施した結果の良否を入力または選択する第2エリアと、
    実施時間を入力する第3エリアと、を有する画面を前記表示装置に表示させる、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  13. 請求項11または12に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、
    入力または選択された設備操作内容に関する情報を利用して、前記設備操作内容を推奨する値である優先度を求める、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  14. 請求項1に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、
    脱水汚泥の含水率の算出時点、または、凝集フロックに関するデータの算出時点より、先の時間の予測値を取得し、
    前記表示装置は、取得した前記予測値を表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  15. 請求項13に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、
    実施する対象の設備操作内容を表示する画面で設備操作内容の特定を受信し、
    受信した設備操作内容に関する操作項目および操作数量を特定し、
    特定した操作項目および操作数量を、前記第1エリアに入力する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  16. 請求項11または12に記載の汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステムであって、
    前記プロセッサは、
    入力または選択された設備操作内容に関する情報を利用して、推奨する前記設備操作内容の操作数量を求める、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム。
  17. 電子計算機を用いる汚泥処理設備運転支援方法であって、
    (1)汚泥処理設備の稼働時の凝集フロック状態である、稼働時フロック状態を取得し、
    (2)前記汚泥処理設備の稼働時の脱水汚泥の含水率である、稼働時汚泥含水率を取得し、
    (3)前記稼働時フロック状態、前記稼働時汚泥含水率、前記汚泥処理設備の凝集槽における所望する凝集フロック状態である所望凝集フロック状態、および、前記汚泥処理設備の汚泥脱水機から排出される脱水汚泥の所望する含水率である所望汚泥含水率に基づいて、前記凝集槽と前記汚泥脱水機の設備操作内容を選択または生成し、
    (4)前記設備操作内容を表示装置に表示する、
    ことを特徴とする汚泥処理設備運転支援方法。
JP2021103846A 2021-02-08 2021-06-23 汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法 Pending JP2022121356A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202280008069.1A CN116685384A (zh) 2021-02-08 2022-02-04 污泥处理设备运转辅助导航系统、污泥处理设备运转辅助方法
PCT/JP2022/004567 WO2022168965A1 (ja) 2021-02-08 2022-02-04 汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021018635 2021-02-08
JP2021018635 2021-02-08

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022121356A true JP2022121356A (ja) 2022-08-19

Family

ID=82849448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021103846A Pending JP2022121356A (ja) 2021-02-08 2021-06-23 汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022121356A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115392806A (zh) * 2022-10-28 2022-11-25 国能龙源环保有限公司 污泥处置监管系统及污泥处置监管方法
CN117430308A (zh) * 2023-10-30 2024-01-23 上海大学 一种基于疏浚底泥粒径分布特性的有机絮凝剂联合调理加药的控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115392806A (zh) * 2022-10-28 2022-11-25 国能龙源环保有限公司 污泥处置监管系统及污泥处置监管方法
CN117430308A (zh) * 2023-10-30 2024-01-23 上海大学 一种基于疏浚底泥粒径分布特性的有机絮凝剂联合调理加药的控制方法
CN117430308B (zh) * 2023-10-30 2024-03-26 上海大学 一种基于疏浚底泥粒径分布特性的有机絮凝剂联合调理加药的控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022121356A (ja) 汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法
JP7012484B2 (ja) 汚泥評価システム及び汚泥評価指標取得システム
WO2022168965A1 (ja) 汚泥処理設備運転支援ナビゲーションシステム、汚泥処理設備運転支援方法
CN109187534A (zh) 水质检测方法及其水样图像识别装置
CN105261027A (zh) 基于图像处理的污泥沉降比检测方法及系统
JP5564356B2 (ja) 遠隔浄水システム
JP2024051134A (ja) 脱水システム
JP2023033927A (ja) 水処理状況監視システム及び水処理状況監視方法
KR101999696B1 (ko) 실시간 영상 분석을 이용한 정수 처리 제어 방법
JP2024026106A (ja) 情報処理装置、水処理システム、水処理方法およびプログラム
JP6726696B2 (ja) 希釈汚泥撮像システム、凝集剤添加量制御システム、汚泥濃縮システム、希釈汚泥撮像方法
CN116685384A (zh) 污泥处理设备运转辅助导航系统、污泥处理设备运转辅助方法
JP7478692B2 (ja) 電子計算機、含水率計測方法、含水率計測システム
JP5541790B2 (ja) プラント運転監視装置およびシステムならびにプログラム
Sivchenko et al. Floc sensor prototype tested in the municipal wastewater treatment plant
KR101334693B1 (ko) 수질측정기와 회귀모델을 이용한 응집제 주입량 결정방법과 그를 이용한 정수처리시스템
JP2022175217A (ja) 脱水システム
JP7300380B2 (ja) 閾値更新装置、学習装置、制御装置、閾値更新方法、および制御プログラム
JP6701251B2 (ja) 凝集剤添加量制御装置、汚泥濃縮システム、凝集剤添加量制御方法
CN114873665B (zh) 基于计算机视觉技术的凝结水精处理再生自动控制系统
JP2023004018A (ja) 管理支援表示装置、管理支援表示方法及び管理支援表示プログラム
JP2022137973A (ja) 遠隔監視システム
EP4177847A1 (en) System for automatic measurement of the sedimentation speed and the mud volume
CN117710364B (zh) 一种基于机器视觉的抗磨液压油除杂全流程分析管理系统
WO2022172882A1 (ja) 推測装置、推測システム、推測プログラム及び推測方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240125