JP2012155361A - プロセス監視装置 - Google Patents

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明弘 長岩
Osamu Yamanaka
理 山中
Katsuya Yamamoto
勝也 山本
Yukio Hiraoka
由紀夫 平岡
Yoshiyuki Sakamoto
義行 坂本
Katsumi Sano
勝実 佐野
Minoru Sasaki
稔 佐々木
Toshiichi Hashimoto
敏一 橋本
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Abstract

【課題】複数の異常診断モデルを用いて異常の発報や要因を提示することにより、良好なる性能を維持する運転を省コスト運転で実現できるプロセス監視装置を提供する。
【解決手段】プロセス監視情報を保存する保存部141と、プロセス監視情報のデータの間の相関を利用して、相関解析手法の一つである主成分分析(PCA)と時間周波数解析手法の一つである離散ウェーブレット変換(DWT)を用いて異常診断モデルを構築してプロセスやセンサの異常を検出し、要因分離する異常診断モデル142とを有し、この異常診断モデル142を複数個用い、これら複数の異常診断モデル142 による複数の診断結果を用いてプロセスを監視する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロセス異常診断モデルを有する異常診断装置を用いてプロセス状態を監視するプロセス監視装置に関する。
下水処理場では、安定的な運転と効率的な維持管理が求められている。この実現ために、下水処理プロセスの異常や、異常に向かう傾向、すなわち正常状態から離れていることを見つけるプロセスの異常の検出できること、ならびにその異常の要因が診断できることは有用である。
従来プロセスの異常の検出は、監視制御システムに入力されるプロセス監視情報に対して、例えばポンプの運転が停止したらアラームを出す、あるいは放流リン濃度といった水質の濃度が設定した濃度1mg/lを超えると異常アラームを出す、など個々の情報ごとに異常検出する方法でプロセスの異常を運転員に伝えている。
また運転員がプロセスそのものを巡回して、色やにおいなどからプロセスの性状が異常でないかを判断したり、実際に水質を検査して適正な運転ができているかを判断したりしている。
これに対して、多数のプロセス監視情報(計測・運転データ)のみを用いて、それらデータの間の相関を利用して、相関解析手法の一つである主成分分析(PCA)と時間周波数解析手法の一つである離散ウェーブレット変換(DWT)を用いて水処理プロセスやセンサの異常を自動的に検出するプロセス監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。またこの方法の実例についても発表されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
特開2007−65883号公報
山中:主成分分析と離散ウェーブレット変換を用いた下水処理プロセスの異常診断、H17年電気学会D部門大会予稿集、II-73-76、2005. 長岩、山中、坂本、山本、平岡:プロセス監視情報を利用した異常診断システムの下水処理プロセスへの適用と課題、電気学会、平成20年電気学会産業応用部門大会、pp.II-65-68、2008.
従来の異常診断方法は、処理プロセス全体の異常を診断して、施設の適切な運転やプロセスの効率的な状態監視を可能とする装置である。
しかし運転員は、特にある特定の水質項目に注目して、良好なる水質を維持する運転、例えば空気量や薬品注入量を適正に制御している場合がある。さらにはその水質維持のための薬品注入量を最小化して省コスト運転を図りたいという要求がある。
これに対しては、全体の安定運転のみでは十分でなく、それに加えて、求める部分の処理プロセスの異常を詳細に検出し、運転を支援することが求められる。
本発明の目的は、複数の異常診断モデルを用いて異常の発報や要因を提示することにより、良好なる性能を維持する運転を省コスト運転で実現できるプロセス監視装置を提供することにある。
本発明によるプロセス監視装置は、プロセス監視情報を保存する保存部と、プロセス監視情報のデータの間の相関を利用して、相関解析手法の一つである主成分分析と時間周波数解析手法の一つである離散ウェーブレット変換を用いてモデルを構築してプロセスやセンサの異常を検出して要因分離する異常診断モデルとを有し、前記異常診断モデルを複数個用い、これら複数の異常診断モデルによる複数の診断結果を用いてプロセスを監視するプロセス監視装置、これら複数の異常診断モデルによる複数の診断結果を用いてプロセスを監視することを特徴とする。
本発明では、一方の異常診断モデルはプロセス全体の計測データを入力情報とし、他方の異常診断モデルは薬品注入量を入力情報とした異常診断装置を構築し、これら両異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、薬品量の大小の異常をアラームして省コスト運転を支援する。
また、本発明では、一方の異常診断モデルはプロセス全体の計測データを入力情報とし、他方の異常診断モデルはプロセスを構成する機器の電力量を入力情報とした異常診断装置を構築し、これら両異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、通常運転状態との乖離から機器の異常アラームを検出するのみならず、電力量が多いときにアラームすることにより省電力運転を支援するように構成してもよい。
また、本発明では、複数の系列に分かれている各処理系列ひとつひとつについて異常診断モデルを構築し、これら各異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、個別の系列といった細部に亘る異常を検出できるように構成してもよい。
また、本発明では、複数存在する処理目的ごとに異常診断モデルを構築し、これら各異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、処理項目ごとに異常を検出し、それら処理目的に合わせた運転支援ができるように構成してもよい。
また、本発明では、長期間のプロセスデータに基づいて構築された長期の異常診断モデルと、短期間のプロセスデータに基づいて構築された短期の異常診断モデルとを合わせて持ち、長期的に見た致命的な異常検出と、短期的に見てその時期の運用範囲から逸脱していないかといった異常とを検出可能な構成でもよい。
さらに、本発明では、長期の異常診断モデルと、短期の異常診断モデルとを合わせて持ち、短期の異常診断モデルは、運転管理指標の変更に伴って異常診断モデルを構築し、切り替える機能を有した構成でもよい。
本発明によれば、複数の異常診断モデルを用いて異常の発報や要因を提示するので、良好なる性能を維持する運転を省コスト運転で実現できる。
本発明によるプロセス監視装置の一実施の形態を示すシステム構成図である。 本発明が適用される下水処理プロセスの構成例を示す図である。 同上一実施の形態における処理機能を説明する図である。 同上一実施の形態における要部構成を詳細に説明する機能ブロック図である。 同上一実施の形態による異常診断結果の組み合わせ例を説明する表である。
以下、本発明によるプロセス監視装置の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この実施の形態によるプロセス監視装置の全体構成を示す。図1において、監視制御システム11は既存のものであり、運転員12と下水処理プロセス13との間でプロセス監視情報や運転指令のやり取りをする。
監視対象プロセスの一例である、下水処理プロセス13の詳細を、図2を用いて説明する。下水処理は、流入してきた下水を、最初沈殿池21、反応タンク22、最終沈殿池23といった処理槽を通過させることで、下水中の砂や泥などの固形物や有機物を沈殿させたり、あるいは微生物(微生物の集まりを汚泥と呼ぶ)を用いた生物反応で取り除いたりする。また、通常下水処理場では、水処理1系、水処理2系というように複数の系列(水の流れ)を有し、並列に処理している。
この下水処理プロセス13の性状を良好に保ち、下水中の有機物などの汚濁物質を十分に除去するために、図2に示すように流入下水のpHや、反応タンク22内のORP(酸化還元電位)、DO(溶存酸素濃度)、MLSS(浮遊物質濃度)、最終沈殿地23を経た処理水の濁度、COD(化学的酸素要求量)、全窒素濃度、全リン濃度などが、それぞれ対応する計測器201、202、203、204によりオンラインで計測される。また、反応タンク22内の微生物の活動を活性化させるために、反応タンク22に空気供給装置25によって空気を注入したり、微生物量を保つための、最終沈殿池23から反応タンク22への返送汚泥量や、反応タンク22内における循環量の制御、最初沈殿池21や最終沈殿池23からの不要な汚泥(余剰汚泥)の引き抜き量の制御を行う。ここでプロセス監視情報とは、これらの計測値や制御量の全てを示す。
図1における異常診断装置14は、監視制御システム11から入力されたプロセス監視情報の保存部141と複数の異常診断モデル142A,142Bとから成る。このうち、一方の異常診断モデル142Aは、例えば、全体プロセス用であり、他方の異常診断モデル142Bは個別水質用とする。これら異常診断モデル142A、142Bは、プロセス監視情報のデータの間の相関を利用して、相関解析手法の一つである主成分分析と時間周波数解析手法の一つである離散ウェーブレット変換とを用いてモデルを構築してプロセスやセンサの異常を検出して要因分離する。すなわち、これら異常診断モデル142A、142Bは、それぞれ異常診断モデル構築機能143及び異常検出・要因分離機能144を有する。異常診断モデル構築機能143は、上述した保存部141に保存されたプロセス監視情報を使って、例えば1年ごとや季節ごとというように定期的に異常診断モデルを構築する。異常検出・要因分離機能144は、この異常診断モデル構築機能143で構築されたモデルを用いて、オンラインで逐次入力されるプロセス監視情報に対してプロセスの異常を診断する。もし異常が検出された場合には、例えばアラームを発するとともに要因を抽出して、運転員にガイダンスする。
図4に異常診断装置14の機能構成と手順を示す。異常診断装置14を構成する異常診断モデル142A,Bは、前述したように異常診断モデル構築機能143及び異常検出・要因分離機能143の2つの機能を有する。
異常診断モデル構築機能143は、保存部141に保存されたプロセス監視情報を用いて、例えば、1年に1回の頻度で異常診断に用いるモデルを構築する機能である。この異常診断モデル構築機能143は、欠測データの処理などをする前処理[A1]、異常診断モデル構築の主要部分である主成分分析(PCA)やウェーブレット変換(DWT)を行う異常診断モデル構築[A2]、異常検出を行う閾値を自動演算する閾値設定[A3]、の各演算機能がある。
異常診断モデル構築機能143における前処理[A1]の機能では、保存部141に保存された過去の時系列データの情報から、先ず、診断モデル構築に必要な変数を決定し選択する。そして、この選択された過去の時系列データである計測変数の中から、欠測値や明白な異常値を除去して正常なデータのみを抽出する。すなわち、データスクリーニングを行う。また、この正常状態の選択変数に対して、 (xi(t) -ai)/biによって各種の選択された変数を正規化する式のシフトパラメータaiとスケーリングパラメータbiを決定する。すなわち、スケーリングを行う。
なお、xi(t) :i番目の選択変数、ai:i番目の選択変数に対するシフトを表す定数(シフトパラメータ)、bi:i番目の選択変数に対するスケーリングを表す定数(スケーリングパラメータ)、である。
ここで、正規化に必要となるシフトパラメータaiと、スケーリングパラメータbiの値は次のように決定するとよい。
例えば、ロバスト標本とロバスト標本標準偏差を用いる。ここで、「ロバスト標本平均」や「ロバスト標本標準偏差」とは、予めプロセスデータの最大値及び最小値付近の数パーセント程度のデータを取り除いた上で標本平均と標本標準偏差を求めることである。この手順に従えば、予め上下限値付近のいくつかのデータを除いた上で、シフトパラメータとスケーリングパラメータとを次式のように定めることができる。
ai=1/N*Σk=1xi(k)
bi=Σk=1(xi(k)−ai)/(N−1)
・・・(1)
ただし、Nは切り出したデータ数である。
あるいは、先述のシフトパラメータをメジアンとし、スケーリングパラメータをメジアン絶対偏差(MAD)とすることもできる。
診断モデル構築[A2]では、前処理[A1]においてで定義した正規化データに対して、主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)、主成分回帰(PCR: Principal Component Regression)あるいは部分最小2乗法(PLS:Partial Least Squares)などの多変量解析手段を施すことによってローディング行列(負荷行列)とスコア行列とを求め、これらを用いて定義されるQ統計量およびHotellingのT統計量を計算するための計算式(モデル)を設定する。
すなわち、この診断モデル構築[A2]では、プロセス監視に必要となる統計量の計算式を定義する。例えば、多変量解析手段としてPCAを用いる場合には、まず次のようにデータ分解を行う。
Figure 2012155361
このように分解したデータに対して、ローディング行列Pを用いてQ統計量やHotellingのT統計量を計算する計算式を以下の様に定義する。
Q統計量:
Q(x(t))=x(t)(I−PP)x(t) ・・・(3)
HotellingのT統計量:
Figure 2012155361
ここで、Λは、主成分分析による各主成分の分散を対角要素として持つ行列であり、分散を正規化していることを意味する。また、Iは適当なサイズの単位行列である。また、 x (t)は、行列Xのt番目の要素である。実際のプロセス監視では、このx (t)がオンラインで計測されてくるプロセスデータに置き換わって計算される。(3)式と(4)式が診断モデル構築部[A2]で定義される診断モデル(統計量)である。
次に、上記診断モデルにより求められるQ統計量やHotellingのT統計量に対して離散ウェーブレット変換を施す。すなわち、離散ウェーブレット変換による多重解像度解析を使用して、Q統計量やホテリング分散の統計量データを複数の信号に分解する。離散ウェーブレット変換には、そのマザーウェーブレットの選び方によって様々な種類のものがある。本実施の形態の離散ウェーブレット変換では、マザーウェーブレットの種類には特に限定されない。具体的には、最も簡単なHarrウェーブレットを用いれば良い。但し、マザーウェーブレットの種類に従って、フィルタバンクとして構成される要素フィルタのローパスフィルタとハイパスフィルタの構成が変化する。
閾値設定[A3]では、解像度毎に分解された複数のQ統計量やホテリング分散に対して、閾値を予め設定し、予め設定した通常のプロセス状態から乖離していることを判断する基準とする。
もうひとつの異常検出・要因分離機能144は、異常診断モデル構築機能143によりあらかじめ構築された異常診断モデルを用いて、プロセス監視情報が入力されるタイミング、例えば1分毎に、オンラインでプロセスの異常を検出し、要因を分離して抽出する機能である。この機能には、先ず、入力されたオンライン情報に対して前処理[A1]と同様の処理を行う前処理[B1]がある。すなわち、保存部141から、前記前処理[A1]で取り出したデータと同じ項目の現在データ(オンラインデータ)を取り出し、欠測値やアウトライアを除去する。異常検出[B2]では、構築された診断モデルと閾値を用いて異常を診断する。さらに異常が検出された場合にその要因を分離、すなわち元のプロセス監視情報に戻して抽出する要因分離[B3]の演算機能がある。詳細は、[非特許文献2]が参考となるが、以下、上述した各部についてさらに説明を行う。
例えば、下水処理プロセスで診断できる異常には、硝化阻害といったプロセスの異常や、センサの異常などがある。異常診断装置14は、このような異常アラームや要因ガイダンスを出力するので、運転員は施設の適切な運転や維持管理を行うことが可能になる。
この異常診断装置14の異常の検出と要因を抽出の方法を、図3を用いて説明する。
図3に示すように、まず下水処理プロセス13から得られたプロセス監視情報31には、流量、水質、ポンプ運転など多数の計測・運転データがある。これら多数のデータを集約して効率的に、かつデータ間の相関関係を用いて効果的に異常診断するために、主成分分析(PCA)を用いて2つの統計量(QとT2)に情報を集約する。
またプロセス情報の変化には、例えば数分で変わる速い変化と、数日単位でかわる遅い変化とがある。これら変化の速度が異なる情報を分離することで、より適切な異常診断が可能となる。このため離散ウェーブレット変換(DWT)と呼ばれる時間周波数解析手法を用いて、PCAを用いて得られた2つの統計量(QとT2)を高周波成分(速い変化)と低周波成分(遅い変化)に、例えば図3に示すように、3つの成分のデータ32に分解する。
このようにして得られた統計量Qと統計量T2の、各々3成分に対して、これらの値があらかじめ設定された閾値より大きいとき、プロセスに異常を検出する。
次に、検出された異常は、2つの集約された統計量に基づいた異常であるため、元のプロセス監視情報に戻して異常時の統計量への寄与量を算出する要因分離を行う。これにより検出された異常が、プロセス監視情報のうち、どの計測・運転データ項目かがわかる。例えば図3のデータ33では、情報Cと情報Gの寄与量が大きいので、これらの項目で異常が発生している可能性があると判断できる。
ここで、異常診断装置14の複数の異常診断モデルとして、図1では、全体異常診断モデル142Aと個別水質異常診断モデル142Bとを備えている。すなわち、全体異常診断モデル142Aへ、図2に示すプロセス全体の計測データを入力とするのみならず、例えば、リン除去のためのPAC(凝集剤のひとつ)注入量も入力情報として個別水質異常診断モデル142Bを構築し、それぞれ異常検出・要因分離している。このようにしたことにより、薬品量の大小の異常をアラームして省コスト運転を支援することができる。
このように複数の診断結果が得られることにより異常診断の結果分析を詳細に行うことができる。すなわち、全体プロセス異常診断の正常/異常(処理水基準値以下/処理水基準値以上)と、個別異常診断の正常/異常(少量の薬品/多量の薬品)2つの異常診断を組み合わせることで、図5で示すように、ケース1〜4の4つの事象を細分化して異常診断することができる。
例えば、ケース1では、処理水基準値以下の処理場運用を、PAC注入が少量で行えている、すなわち省コスト運転が実行されていることを、異常診断装置14の出力から判断することができる。これに対してケース2の場合、全体プロセス異常診断が正常で、個別水質異常診断が異常と出力された場合、全体の処理は処理水基準値以下であり良好であるが、リン除去のためのPAC注入が多いことが判断され、省コスト運転ができていないことが異常診断装置14の出力から判断できる。また、全体プロセス異常診断が異常と検出されたケース3やケース4の場合でも、ケース4の場合では、全体プロセスの異常の要因のひとつが、リン除去ならびにPAC注入であることが示されるため、運転員は、まずリン除去ならびにPAC注入に対する処置をする必要があるこがわかる。逆にケース3の場合では、異常時の処置において、リン除去ならびにPAC注入は除外して対応してよいことが明らかになる。
また、全体プロセス異常診断モデル142Aと、個別水質異常診断モデル142Bに代って図示しない機器の電力量に関する異常診断モデルとを組み合わせて、図1と同等の異常診断機能を実現してもよい。この場合、機器の電力量には、送水ポンプ電力量や返送ポンプ電力量、送風機電力量などがあり、さらに、これらは系列ごとに複数の台数がある。
図5のようなケース分類の中におけるケース2の場合、例えば1系の3台と2系の3台のという全数の中で、1系の3台の電力量が多いことが検出され要因分離されると、1系の運用に問題があることが判断される。また、1系の2台目の電力量が多いことが検出され要因分離されると、1系の2台目の運転に問題があるか、2台目ポンプが故障、あるいはポンプの運転効率低下といった問題機器であることが判断される。
他の実施の形態として、全体プロセス異常診断モデル142Aを、複数の処理系毎に設けてそれぞれ対応させてもよい。例えば、図2に示す下水処理プロセスでは、水処理1系の異常診断モデルと水処理2系の異常診断モデルとの組み合わせで、図1に示す異常診断機能を実現する。一般に、下水処理プロセスでは、水処理1系と水処理2系とはまったく同じプロセスになるものではない。このわずかなプロセスの違いに対しても、あるいは意図的にプロセス状態を変えて運転している場合においても、プロセス異常診断装置14は、水処理1系と水処理2系とを分けて異常診断するため、詳細に異常を検出できる。
また、他の実施の形態として、異常診断モデル142A,Bとして、各処理目的に合致した個別異常診断モデルを持つように構成してもよい。通常、下水処プロセスでは、固形汚濁物質除去の処理、有機物除去の処理、窒素除去の処理、リン除去の処理といった複数の処理が同時に行われており、それぞれ、濁度、COD、全窒素、全リンといった値を計測して処理状態を管理している。すなわち、リン除去処理では、処理水水質の全リンを良好に保つために、OPR値とDO値と空気量と返送汚泥量が重要であるというように、各処理によって管理の項目が異なる。例えば、このリン除去処理に対して、それらのプロセス監視情報を入力とした異常診断モデルを構築して、確実に異常を検出し、全体プロセス異常診断を組み合わせて運転を支援するように組み合わせてもよい。
さらに、このような各処理ひとつひとつに異常診断モデルを構築して、それら多数の異常診断モデルを用いて各処理ごとの異常を確実に検出し、その組み合わせでより詳細で適切な運転を支援することもできる。
また、上記実施の形態では、異常診断モデル142のモデル構築機能を、1年に1回の頻度で異常診断に用いるモデルを構築すると説明したが、年間や季節といった長期の異常診断モデルと、1ヵ月ごとといった短期のモデルを合わせて持つ異常診断装置14としてもよい。例えば、年間全体のプロセス管理情報を用いて異常診断モデルを構築し、そのモデルに基づいて、下水処理場全体の通常の運用状態から外れた致命的な(すぐに対応しなければならない)異常を検出することは運転管理上、重要である。しかし下水処理場では、時期によって流入水量や水温が異なるため処理時間や微生物量を変化させて良好な処理プロセス状態を保つ管理がされている。このようなプロセス状態の変化は、年間や季節といった長期の異常診断モデルでは正確に検出することができない。これに対して例えば1ヵ月ごとといった短期の異常診断モデルは、この変化を的確に捉えることができる。このため短期の異常診断モデルを用いてその時期の運用範囲から逸脱していないか、暫時様子を見ていい異常と、長期の致命的な、すぐに対応しなければならない異常の2つの異常を診断することで、適切な運用対応が可能になる。
さらに、上述した短期の異常診断モデルのモデル構築のタイミングを、自動的に決定するように構成してもよい。例えば、このタイミングの決定方法として、次式に示すSRTと呼ばれる運転管理指標の変化を用いる方法がある。
Figure 2012155361
一般にSRTは数日から十数日で下水処理場は運用されているので、例えば、SRTが1日増えたタイミングでモデルを再構築すればよい。
このように運転管理指標の変更に伴って異常診断モデルを構築し、切り替える機能を有することで、運転管理に合致した適切なタイミングで異常診断モデルを再構築することが可能になり、正確な異常検出ができるようになる。
11…既設の監視制御システム
12…運転員
13…下水処理プロセス
14…異常診断装置
141…保存部
142A,142B…異常診断モデル
143…異常診断モデル構築機能
144…異常検出・要因分離機能

Claims (7)

  1. プロセス監視情報を保存する保存部と、
    プロセス監視情報のデータの間の相関を利用して、相関解析手法の一つである主成分分析と時間周波数解析手法の一つである離散ウェーブレット変換を用いてモデルを構築してプロセスやセンサの異常を検出して要因分離する異常診断モデルとを有し、
    前記異常診断モデルを複数個用い、これら複数の異常診断モデルによる複数の診断結果を用いてプロセスを監視するプロセス監視装置。
  2. 一方の異常診断モデルはプロセス全体の計測データを入力情報とし、他方の異常診断モデルは薬品注入量を入力情報とした異常診断装置を構築し、これら両異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、薬品量の大小の異常をアラームして省コスト運転を支援する請求項1に記載のプロセス監視装置。
  3. 一方の異常診断モデルはプロセス全体の計測データを入力情報とし、他方の異常診断モデルはプロセスを構成する機器の電力量を入力情報とした異常診断装置を構築し、これら両異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、通常運転状態との乖離から機器の異常アラームを検出するのみならず、電力量が多いときにアラームすることにより省電力運転を支援する請求項1に記載のプロセス監視装置。
  4. 複数の系列に分かれている各処理系列ひとつひとつについて異常診断モデルを構築し、これら各異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、個別の系列といった細部に亘る異常を検出できる請求項1に記載のプロセス監視装置。
  5. 複数存在する処理目的ごとに異常診断モデルを構築し、これら各異常診断モデルによりそれぞれ異常検出・要因分離することにより、処理項目ごとに異常を検出し、それら処理目的に合わせた運転支援ができる請求項1に記載のプロセス監視装置。
  6. 長期間のプロセスデータに基づいて構築された長期の異常診断モデルと、短期間のプロセスデータに基づいて構築された短期の異常診断モデルとを合わせて持ち、長期的に見た致命的な異常検出と、短期的に見てその時期の運用範囲から逸脱していないかといった異常とを検出可能な請求項1に記載のプロセス監視装置。
  7. 長期の異常診断モデルと、短期の異常診断モデルとを合わせて持ち、短期の異常診断モデルは、運転管理指標の変更に伴って異常診断モデルを構築し、切り替える機能を有した請求項6に記載のプロセス監視装置。
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