JP3624940B2 - 設備管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水処理設備等の稼働状態を管理センタにおいて管理して上記設備の稼働条件を最適化するに適した設備管理システムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】
例えば冷却水系またはボイラ系の水処理設備においては、水に含まれる各種の不純物によって、その配管内にスライムやスケールが発生したり、処理水中の塩イオン濃度が上昇することがある。そこで従来より水処理設備の稼働状況に応じて、適宜、その水処理対象水系にスケール除去剤等の水処理薬剤を注入(薬注)することが行われている。また水処理設備に組み込んだ各種センサにより求められる水質等の情報に従って、その薬注を自動制御することも行われている。
【0003】
またこのような水処理設備の稼働状態をモニタするべく、上述した如く求められた水質の情報や設備機器の動作(制御)状態を示す情報を、その水処理設備の操作部(制御盤)に設けられた表示装置にて表示することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの種の水処理設備の稼働状態を把握するために、その都度、当該水処理設備が設けられた現場に赴くことは、多大な労力と時間を必要とする。このような不具合を解消するべく、例えば水処理設備が設けられた現場と、その水処理設備を管理する管理センタとの間を所定の通信回線を介して結び、管理センタにて水処理設備の稼働状態を示す情報を定期的に収集する等して、その稼働状態を管理することが試みられている。
【0005】
しかしながら上述した如く管理センタにおいて水処理設備の稼働状態を管理しても、水処理設備において実行される処理の動作制御が、当該設備に対して設定された稼働条件に委ねられているので、稼働条件を変更しない限りその稼働状態を最適化することが困難である。また水処理設備の稼働状態を管理する上で、その処理対象水(被処理物)を採取して水質分析し、その分析結果に従って当該水処理設備の稼働環境や稼働状態を解析することも行われる。
【0006】
しかし稼働状態や分析結果に従って設備の稼働条件を変更するには、当該水処理設備の仕様等を十分に把握していることが必要であり、また稼働条件の変更に伴う稼働状態の変化についても熟知していることが必要である。これ故、水処理設備が設けられた現場において、その稼働条件を適切に設定変更することは、一般的には甚だ困難である。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、水処理設備等の稼働状態を管理センタにおいて管理しながら、その稼働状態等に応じて設備の稼働条件を変更し、稼働状態の最適化を図ることのできる設備管理システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る設備管理システムは、予め設定された稼働条件に従って動作制御されて被処理水に薬注等の所定の処理を施す設備、例えば冷却水系またはボイラ水系からなる水処理設備と、この水処理設備の稼働状態を管理する管理センタとからなり、
前記管理センタにおいては、前記水処理設備に設けられたセンシング手段にて計測されるセンシング情報およびこのセンシング情報に基づく前記水処理設備の処理動作情報からなる設備稼動情報を通信回線を介して定期的に収集し、この設備稼動情報に基づいて前記水処理設備の予め設定された稼動条件の下での稼働状態を監視すると共に(稼働状態監視手段)、一方、前記水処理設備から採取した被処理水および/または処理水に対する水質分析結果を入手し、この分析結果に基づいて前記水処理設備の前記稼動条件の下での稼働成果を評価する(稼働状態解析手段)。そして上記稼働状態解析手段により求められた稼働成果に基づいて前記稼働状態監視手段により求められた稼動状態を評価し、データベースに予め蓄積された参照情報を参照して前記水処理設備の稼働環境に適合した稼動条件を求め、前記水処理設備に設定されている稼働条件を変更する(稼働条件制御手段)ことを特徴としている。
【0009】
より具体的には前記稼働状態監視手段においては、前記水処理設備からその稼働状態を示す情報を定期的に収集して該設備の経時的な稼働状態の変化を逐次監視し、また稼働状態解析手段においては、前記水処理設備から採取した被処理水の水質分析結果を入手したとき、その分析結果に従って前記設備の稼働状態の全体的な動向を解析して、前記水処理設備の稼働成果を評価する。
【0010】
そして稼動条件制御手段においては、前記稼動条件を規定している処理目標と実際の処理結果とのずれを評価し、データベースに予め蓄積された設備仕様や事例等の参照情報を参照して前記水処理設備の稼働環境に適合した最適な稼動条件を求めて前記水処理設備に設定されている稼働条件を変更することで、その設備環境等に応じた最適な稼動状態を安定に実現するようにしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る設備管理システムについて説明する。
この実施形態に係る設備管理システムは、例えば図1にその概略的な構成を示すように冷却水系またはボイラ水系からなる水処理設備1の稼働状態を、当該水処理設備1が設けられた現場とは異なる場所に設けられた管理センタ2において管理するように構成される。この管理センタ2と水処理設備1とは電話回線等の所定の通信回線3を介して結ばれ、管理センタ2は通信回線3を介して水処理設備1の稼働状態を示す情報を収集する如く構成される。
【0012】
尚、管理センタ2が管理する水処理設備1については、ここでは1つだけを示しているが、一般的には互いに異なる場所にそれぞれ設置された複数の水処理設備1からなる。そして管理センタ2はこれらの水処理設備1からそれぞれ通信回線3を介してその稼働情報を示す情報を収集しながら、各水処理設備1の稼働状態を個別に管理する機能を担う。
【0013】
ちなみに水処理設備1は、基本的には図2に示すように制御盤11の制御の下で駆動されるポンプ12により、給水タンク13から供給される処理水をボイラ/冷却塔14に供給して所定の水処理(熱交換)を行う如く構成される。そしてボイラ/冷却塔14やその配管系に組み込まれた各種センサ15(15a,〜15d)により検出される水質情報やスライム・スケール情報等に従い、制御処理部10からその処理対象水系にスライム除去剤等の薬液を注入(薬注)するように構成される。
【0014】
尚、制御処理部10は、薬液タンク21に準備された薬液を処理対象水系に注入するポンプ22や、各種センサ15(15a,〜15f)を介して処理対象水の水質等を検出するセンシング部23、このセンシング部23にて検出された情報に従って前記ポンプ22の作動、即ち、薬注を制御するCPU24等を備えている。そしてCPU24は、キーボード等の操作部25から入力される処理動作の指示や、メモリ26に登録された薬注制御条件を示す設定値(稼働条件)に従って薬注動作を制御する。またCPU24は通信端末27を作動させることで、上述した如く検出したセンシング情報や該制御処理部16の動作状態等の情報を、所定の通信回線3を介して前記管理センタ2に通知する機能を備えている。
【0015】
一方、前記管理センタ2は、例えば大型コンピュータにより各種の処理機能を構築した管理部4を主体として構成される。この管理部4は、基本的には水処理設備1からその稼働状態を示す情報(設備稼働情報)を前述した通信回線3を介して定期的に収集するデータ機能、そして収集した設備稼働情報に従って当該水処理設備1の稼働状態を監視する稼働状態監視機能を備える。またこの管理センタ2には、管理対象とする水処理設備1の前述したボイラ/冷却塔14の形式等からなる設備仕様の情報を予め登録したデータベース5や、各種設備における種々の稼働状態において生じた不具合等の情報、更にその不具合に対して施された最適なメンテナンス法等の事例等の情報を登録したデータベース6が設けられている。
【0016】
ちなみに前記管理部4が水処理設備1から収集する設備稼働情報は、該水処理設備1が冷却水系である場合には、設備機能としてタイマ薬注やバッチ薬注の情報、その設備情報として薬注量や運転時間、電気伝導度、ブロー量、給水量、また処理水のポリマ濃度や塩化物イオン濃度、更には処理水に生じたスライムやスケールの情報、および汚れの情報等からなる。また水処理設備1がボイラ水系である場合には、設備機能として給水量や給水温度に応じた薬注の情報や希釈の情報、その設備情報として薬注量や運転時間、電気伝導度、ブロー量、給水量、更には軟水量やスケール化の要因となる水質硬度等の情報からなる。
【0017】
そして管理部4が備える稼働状態監視機能は、上述した如き設備管理情報を所定の周期で定期的に収集しながら、その設備管理情報に従って当該水処理設備1の稼働状態を逐次認識し、例えば異常や不具合の発生を検知し、或いは予知したり、薬注タンク21における薬液の残量をモニタする等してその稼働状態の変化を逐次的に管理するものとなっている。
【0018】
また前記管理部4は、水処理設備1から採取された処理水(被処理物)の分析結果を分析センタ7から入手し、その分析結果に基づいて当該水処理設備1の稼働環境や稼働状態を解析する稼働状態解析機能を備えている。上記分析センタ7は、水処理設備1から採取された処理水のサンプルを電気的、或いは化学的に定性・定量分析してその水質等を調べる役割を担うもので、通常、上記水処理設備1や管理センタ2とは独立した機関として設立されている。そして分析センタ7においては、例えば管理センタ2からの依頼の下で、水処理設備1にて採取された処理水のサンプルを分析処理し、その分析結果をとりまとめて管理センタ2に報告することでその役割を果たす。
【0019】
しかして管理部4における稼働状態解析機能は、このようにして分析センタ7から報告される、前記水処理設備1から採取した処理水(被処理物)の分析結果を取り込み、その分析結果を解析・評価することで当該水処理設備1の稼働状態を解析し、その解析結果に基づいて水処理設備1の稼働状態の全体的な動向を調べている。またこの稼働状態解析機能により、水処理設備1において所定の水質基準を満たすべく、前述した各種センシング情報に従って処理制御が行われる目標値(水質)と、該水処理設備1において実際に得られる水質とのずれを求める等の評価も行われるようになっている。
【0020】
このような稼働状態監視機能および稼働状態解析機能に加えて、前記管理部4は更に前述したデータベース5,6にそれぞれ蓄積された設備仕様や事例等の情報を参照しながら、前述した如く求めた水処理設備1の稼働状態に従って当該水処理設備1の最適な稼働条件を求め、水処理設備1に設定されている稼働条件を変更する稼働条件制御機能を備えている。
【0021】
即ち、この稼働条件制御機能は、水処理設備1から収集した設備稼働情報に従って逐次的に求められる設備の稼働状態、前記サンプルの分析結果から求められる水処理設備1の全体的な稼働環境や稼働状況、およびデータベース5,6から求められる設備仕様や事例情報等に従って当該水処理設備1の稼働条件を総合的に評価し、前述した如く設定された稼働条件の下で実行されている薬注等の水処理の制御が、その稼働環境に適合しているか否か等を判断している。そして事例情報を参照してその稼働環境に適した設備の稼働条件(制御設定値)を求め、この稼働条件を当該水処理設備1に通知して、その設定値を変更するものとなっている。
【0022】
具体的には季節の移り変わりに伴って供給水の電気伝導度が変化したような場合、稼働条件制御機能は、例えばその電気電導度の変化に応じた適切な薬注が行われるように、水処理設備1における薬注制御の条件(1回当たりの薬注量や薬注タイミング等)を設定変更したり、処理水の供給量を変更設定するものとなっている。
【0023】
この際、稼働条件制御機能においては前記データベース5,6を参照することで、水処理設備1を稼働するに有用な情報、例えば水処理設備1をメンテナンスするに必要な作業の種別(形態)とそのメンテナンス手順や、該水処理設備1の予想される不具合を回避する上での予知・予防情報等の有用な情報(価値情報)を求め、この情報を適宜水処理設備1に提示するようにしても良い。このような価値情報の提示によれば、水処理設備1側における設備・処理負担を招来することなく、水処理設備1でのメンテナンス等を効果的にアシストすることが可能となる。
【0024】
尚、水処理設備1を稼働するに有用な価値情報については、例えばインターネットを介して提供可能なWEB情報画面をなす形態の情報として作成し、水処理設備1からのアクセスを受けたときにだけ、適宜、その水処理設備1に提供するようすれば良い。この際、ID照合等により、水処理設備1に組み込まれた通信端末や、そのメンテナンス作業者が携帯する通信端末等の、予め特定された通信端末に対してのみ上記価値情報を提供するように保護しておくことが望ましい。
【0025】
図3は上述した如く構成された設備管理システムにおける全体的な処理手順の流れを示している。この図3を参照してこの実施形態に係る設備管理システムにおける水処理設備1の管理形態を別の観点から説明すると、水処理設備1においては、そのボイラ/冷却塔の形式やその配管設備等の設備仕様を取得し[ステップS1]、これらの設備仕様や当該設備に対して要求されている処理の仕様に従って当該水処理設備1を稼働する上での制御目標値や制御パラメータ等の稼働条件を設定する[ステップS2]。これらの設備仕様や稼働条件は、水処理設備1の稼働(運転)開始に先立って、当該水処理設備1の稼働状態の管理を委ねる管理センタ2に通知され、管理センタ2に設けられたデータベース5,6にそれぞれ登録される[ステップS21,S22]。
【0026】
このような準備手順を終えた後、水処理設備1が上述した如く設定した稼働条件の下で稼働(運転)される[ステップS3]。そしてその稼働状態が前述したセンシング情報等として逐次検出され[ステップS4]、例えば所定の周期毎に管理センタ2に通知される(定時通信)。この定時通信の周期はシステム仕様に応じて定められるもので、例えば24時間毎に1回等として定められる。尚、水処理設備1において上記センシング情報等からその異常が判定された場合には、上記定時通信のタイミングに拘わることなく、その検知時点で速やかに異常の検知を示す旨の情報と共に、そのときの稼働状態を示すセンシング情報等が管理センタ2に通知される(アラーム通信)。
【0027】
一方、水処理設備1からの発呼を受けた管理センタ2においては、該水処理設備1から通知される設備状態情報を取り込み(データ収集)、この設備状態情報に従って当該水処理設備1の稼働状態を監視する[ステップS23]。そして前述したデータベース5,6を参照して[ステップS24]、例えばボイラ/冷却塔の形式等の設備仕様に従ってその稼働状態を解析し[ステップS25]、当該水処理設備1が効率的に稼働しているか否か、更にはその稼働効率を高める余地があるか否か等、その稼働状態を評価する。そしてその評価の結果に応じて、当該水処理設備1を効率的に稼働する上で参考となるアドバイス情報や、メンテナンス情報等の水処理設備1にとって有用な情報(価値情報)を作成する[ステップS26]。
【0028】
この価値情報は、水処理設備1側からのアクセスに応じて、適宜、インターネットを介する等して水処理設備1側に提供される。そして水処理設備1においては、上述した如く管理センタ1から提供される価値情報を参照することで[ステップS5]、管理センタ2において詳細に解析されている当該水処理設備1の稼働状態とその評価結果等を知り、適宜そのメンテナンスや、設備稼働条件の調整等を実行する。
【0029】
さて上述した如く水処理設備1が稼働し、その稼働状態を管理センタ2において監視している状態において、水処理設備1における被処理対象物(処理水)の水質を検査するべく、その処理水系から処理水を採取し[ステップS11]、そのサンプルを分析センタ7に移送すると、当該分析センタ7においてその水質検査が実行される[ステップS12]。そして分析センタ7においては、その分析結果(水質の情報)を管理センタ2に通知する。
【0030】
すると管理センタ2においては、分析センタ7から通知された水質情報(分析結果)を解析する[ステップS31]。その上でデータベース5,6を参照して[ステップS32]、当該水処理設備1の設備仕様の情報等を得ると共に、前述した如く監視している水処理設備1の稼働状態の情報を得て、当該水処理設備1の動作状態を更に詳しく解析する[ステップS33]。そして、例えば或る水質を確保しながら水処理設備1を稼働している稼働条件が真に適当であるか否か等の評価を行ったり、処理水自体の水質の変化に起因して水処理設備1の稼働条件が、本来目的としている稼働環境との間にずれが生じていないか等を総合的に評価している。
【0031】
そしてこのような総合的(全体的)な評価結果を踏まえて前述した水処理設備1の稼働状態を再度詳しく判定し、当該水処理設備1を更に効率的に稼働する上での制御目標値等の、最適な稼働条件を求めている[ステップS34]。そしてこの最適稼働条件を通信回線3を介して水処理設備1に通知し、水処理設備1に設定されている処理制御の設定値等をリモート的に変更することで、その稼働条件の最適化を図るようになっている[ステップS7]。尚、この際、前述したように当該水処理設備1を効率的に稼働するに有用な情報(価値情報)を作成し、この価値情報を水処理設備1に適宜提供することも勿論可能である。
【0032】
かくして上述した如く構築された設備管理システムによれば、水処理設備1の稼働状態を管理する管理センタ2において、該水処理設備1の稼働状態を示す設備状態情報を収集しながら、更に前記水処理設備1から採取されて分析センタ7にて分析された被処理物(処理水)の分析結果を得、これらの情報をデータベース5,6に蓄積されている設備仕様や事例情報を参照しながら解析して、当該水処理設備1を効率的に稼働するに適した制御目標値等の稼働条件を求めて水処理設備1における制御設定値(稼働条件)を設定変更するものとなっている。
【0033】
従って水処理設備1にとっては、その稼働状態の詳細な分析とその管理の全てを管理センタ2に委ねながら、管理センタ2側からリモート的に設定された稼働条件に従って動作するだけで、その稼働環境に応じた効率的な薬注等の水処理を実行することができる。従って設備の稼働環境に変化が生じた場合であっても、水処理設備1が設けられた現場に出向いてその制御値等を設定変更する等の煩わしさがなく、稼働環境に適合した水処理制御を実行させることが可能となる。従って水処理設備に1においては大掛かりな設備管理機能を個々に備えなくても、その効率的な運転(稼働)を容易に実現することができる。
【0034】
また前述したように設備を稼働するに有用な情報(価値情報)の提示を適宜受けるようにしておけば、水処理設備1においては数値等によって示される設備の稼働状態を個々に評価することなく、該設備の全体的な稼働状態を的確に把握することが可能となる。そして提示された価値情報に従って適切なメンテナンスを施すことが可能となる等の効果が奏せられる。
【0035】
また管理センタ2においては、水処理設備1から収集した設備稼働情報や分析センタ7を介して求められる処理水の分析結果のみならず、データベース5,6に蓄積されている当該水処理設備1に固有な設備仕様や、他の設備から求められる等した種々の事例を参照しながらその稼働状態を総合的に評価するので、その状態把握の的確性、ひいてはその管理精度を容易に高めることができる等の効果が奏せられる。
【0036】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここでは冷却水系やボイラ水系の水処理設備1の管理について説明したが、食器洗浄装置等の水所に設備の監視についても同様に適用することができる。また空調整備等の水処理設備以外の設備を管理する場合にも適用可能なことは言うまでもない。更には通信回線3を介する設備稼働情報の収集の形態や、価値情報の提示の形態についても種々変形可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、水処理設備等の設備稼働情報を収集して該設備の稼働状態を管理すると共に、データベースに蓄積されている参照情報を参照しながら、上記設備稼働情報や被処理物の分析結果に従って当該設備の稼働状態を詳細に分析し、該設備を稼働する上での稼働条件を管理センタ側からリモート的に設定変更するので、設備側での処理負担を招くことなく、しかも設備の稼働環境に応じて当該設備を効率的に稼働させることができる。
【0038】
しかも設備側にとっては当該設備の稼働状態の管理と、その処理制御の条件設定の全てを管理センタに委ねることができるので、その設備コストや管理コストを低く抑えることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る設備管理システムの概略的な構成を示す図。
【図2】管理センタによりその稼働状態が管理される水処理設備の概略的な構成例を示す図。
【図3】本発明に係る設備管理システムにおける概略的な処理手順の流れを示す図。
【符号の説明】
1 水処理設備
2 管理センタ
3 通信回線
4 管理部(稼働状態監視、稼働状態解析、稼働条件制御)
5,6 データベース
7 分析センタ
10 制御処理部
Claims (3)
- 予め設定された稼働条件に従って動作制御されて被処理水に所定の処理を施す水処理設備と、この水処理設備の稼働状態を管理する管理センタとからなり、
前記管理センタは、
前記水処理設備に設けられたセンシング手段にて計測されるセンシング情報およびこのセンシング情報に基づく前記水処理設備の処理動作情報からなる設備稼動情報を定期的に収集し、この設備稼動情報に基づいて前記水処理設備の予め設定された稼動条件の下での稼働状態を監視する稼働状態監視手段と、
前記水処理設備から採取した被処理水および/または処理水に対する水質分析結果を入手し、この分析結果に基づいて前記水処理設備の前記稼動条件の下での稼働成果を評価する稼働状態解析手段と、
この稼働状態解析手段により求められた稼働成果に基づいて前記稼働状態監視手段により求められた稼動状態を評価し、データベースに予め蓄積された参照情報を参照して前記水処理設備の稼働環境に適合した稼動条件を求めて前記水処理設備に設定されている稼働条件を変更する稼働条件制御手段と
を具備したことを特徴とする設備管理システム。 - 前記水処理設備は、冷却水系またはボイラ水系からなる請求項1に記載の設備管理システム。
- 前記データベースに蓄積された参照情報は、前記水処理設備の設備仕様および種々の稼動条件において発生した不具合とその対策法とからなる事例を含むものである請求項1に記載の設備管理システム。
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