JP4906799B2 - 自動運転制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、上水道施設の運転制御を支援する自動運転制御システムに係り、特に水質を管理するための薬品注入等の操作に好適な自動運転制御システムに関する。
上水道施設の運転管理では、監視制御システムの高度化に伴って自動化が進められてきた。自動化されたものには、需要計画や電力原単位等を考慮した配水コントロールや水質センサに基づいた薬品注入制御等がある。
水道の特徴の一つには原水水質の変動があり、この変動に対応した凝集剤,塩素剤,オゾン,活性炭,酸,アルカリ剤の注入制御は、良質な水道水を製造する上で重要な管理項目の一つである。今後、運転管理や維持管理における益々の合理化,省人化の要求を満足するためには、運転員や管理者の負担をさらに低減するための技術が必要である。
例えば、〔特許文献1〕では、凝集剤の注入制御を自動化するための装置が示されている。この技術は、原水中の流動電流が凝集剤を添加した際の凝集効果に与える影響に着目したものであり、流動電流,アルカリ度,導電率,水温,濁度,pH等をパラメータとして凝集剤の注入量を決定する。
また、〔特許文献2〕では、塩素剤の注入制御を自動化するための装置が示されている。この技術は、残塩,濁度,pH,アルカリ度,水温,UV,塩素要求量等をパラメータとした重回帰式を用いて次亜塩素酸ナトリウムの注入率を設定するものである。浄水処理の長い時定数を考慮するため、流下遅れを補正して重回帰を行っている。
特開2004−223357号公報 特開2005−329358号公報
〔特許文献1〕,〔特許文献2〕に記載の技術が提案されているが、多くの浄水場では運転員の経験に頼った薬剤注入がなされているのが現実である。これは、原水の水質は天候や水質事故の影響で変動するため、通常と異なる原水水質、例えば非定常時や異常時の水質においては、自動制御のロジックが適用可能な範囲を外れていることが原因と考えられる。
このように、通常水質時には自動運転可能であっても、年間数〜10数パーセント程度と予想される非定常時には運転員の介入が必要であるため、実質的に維持管理業務の合理化を達成することが困難となってしまうという問題があった。
本発明の目的は、これまで運転員の介入がなされてきた非定常時においても浄水場運転の自動制御が継続できる自動運転制御システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の自動運転制御システムは、上水道施設で計測された水質,プロセスデータを格納するモニタリング情報DBと、水質,プロセスデータを用いて算出する水質の安全性に係る評価指標の算出式を格納する評価指標DBと、浄水場施設において操作対象となる機器の運転操作に用いる操作量算出式および算出式選択に用いる評価指標と評価指標の値の範囲とを格納する操作量算出DBと、水質,プロセスデータを用いて評価指標を算出する評価指標算出部と、得られた評価指標の値に応じた操作量算出式を選定し、操作量算出式を用いて操作量を求める操作量評価部とを設けたものであり、評価指標で表わされる原水等の状態に応じた適切な薬注ロジックを選定し自動制御を継続するため、運転員に対する運転に係る負荷を低減することができる。
又、評価指標が操作量算出式の適用範囲を超え、対応する算出式が存在しない場合に、これをユーザに対して知らせる表示手段とを設けたものである。
又、オンライン計測情報およびオフライン計測情報を格納するモニタリング情報DBであって、モニタリング情報DBに格納された情報を用いて評価指標および操作量を算出するので、池や管における滞留時間が長く、時定数が大きい水道プロセスにおいて、評価指標と操作量の算出に時定数を考慮したデータを用いることができる。
又、操作量算出DBに操作量算出に用いるパラメータの有効期間を予め設定し、水質,プロセス測定データが有効期間内にあるパラメータから求める操作量算出式を抽出し、これらを候補として操作量算出式の選定処理を行うこととしているので、測定間隔が制御周期に対して長い測定項目に関して、不確実な値を用いることなく評価関数や操作量算出を行うことができる。
又、評価指標DBに、操作量毎に複数の評価関数を予め設定し、第一の評価指標により操作量算出式を選択し、重み関数を格納する重み関数格納手段により、第二以降の評価指標の値に応じた重みを求め、重みによって操作量算出式で得られた値を補正して最終的な操作量とすることとしているので、水処理が安定な期間における薬剤量の低減や、逆に水質が不安定な場合の薬注の強化を自動で行うことができる。
又、モニタリング情報DB,評価指標DBまたは操作量算出式DBに格納されたデータから所定の項目に関して類似のデータセットを抽出するデータ抽出手段を有し、算出された評価指標の値の近傍における過去の操作量をデータ抽出手段によって抽出し、操作の結果を評価するための操作結果指標を、モニタリング情報DBのデータを用いて算出し、操作量により分類した各グループにおける操作結果指標のばらつきを比較し、ばらつきの小さい操作量算出式による操作量を採用しているので、操作量算出式の適用範囲の境界付近において、予想した評価指標と実際の結果との不一致や、操作量算出において考慮していない外乱による制御不良を考慮することになり、より適切なモデルの選択と操作量の算出が可能となる。
又、水質の安全性に係る評価指標として、対象とする水質項目による需要家への危害の重篤度と水質項目の濃度が所定値を逸脱する頻度の積または和から得られる指標、もしくは、対象とする水質項目による危害が需要家に発現する確率のいずれかを用いているので、需要家への危害のリスクを考慮した運転制御が可能となる。
又、評価指標が操作量算出式の適用範囲を超え、対応する算出式が存在しない場合に、操作量算出式を用いた運転制御を停止し、運転員が操作量を決定して運転制御するモードにシステムを自動的に切替えるので、システムの対応範囲を超えた異常時において、速やかに手動介入することが可能となる。
本発明によれば、上水道施設の維持管理に係る作業に関して、非定常状態を評価指標として定量化し、評価指標で表される原水等の状態に応じた適切な操作量算出式を選定して制御を継続するため、運転員の介在する必要を低減することができる。
本発明の各実施例を図面により説明する。
本発明の実施例1を図1から図5により説明する。図1は、本実施例の運転制御システムの構成図である。
運転制御システムは、制御LAN3に接続される管理サーバ1,監視制御装置2で構成される。管理サーバ1は、パーソナルコンピュータ等の計算機や計算機上のソフトウェアからなる。監視制御装置2は、制御LAN3経由で上水処理施設100におけるモニタリング情報を監視し、管理サーバ1からの制御指令に従って実際の施設におけるアクチュエータ等の機器運転を実行する。
上水処理施設100は、取水設備101,浄水設備102,送水設備103,給配水設備104から構成される。取水施設101で取水された原水は、浄水設備102において、凝集沈殿処理,オゾン処理,活性炭処理,ろ過処理,消毒処理等がなされる。浄水設備102で処理された上水は、送水設備103と給配水設備104を経て需要家へ供給される。給配水設備104に含まれる配水池では、残留塩素の確保を目的とした次亜塩素酸ナトリウム等の消毒剤の追加注入設備が設置される場合もある。
監視制御装置2では、例えば、浄水設備102における凝集剤,消毒剤,粉末活性炭,オゾン,酸,アルカリ剤の注入量制御を行う。この他に、取水設備101における取水量制御,送水設備103での送水量制御,給配水設備104での追加塩素注入制御等がある。
制御LAN3を介して監視制御装置2,管理サーバ1へ送られる監視情報としては、例えば、濁度やpH等の水質計測情報,流量,水圧情報,薬剤注入量がある。
図2は、管理サーバ1の詳細を示す構成図である。図2に示すように、管理サーバ1は、CPU30とモニタリング情報DB34,評価指標DB35,操作量算出DB36,ネットワークインターフェース(IF)32,データ入出力端末33,メモリ31を備えている。
メモリ31には、評価指標算出部40,操作量評価部41のプログラムが記憶されており、CPU30は、このプログラムを実行して評価指標算出,操作量評価を行う。
ネットワークインターフェース32により、制御LAN3に接続された監視制御装置2と通信し、モニタリング情報DB34には、水質やプロセス運転情報が計測年月日および時刻と紐付けされて格納される。
評価指標DB35には、水質の安全性に係る評価指標が格納され、評価指標名称,評価指標算出式,評価指標算出に用いるパラメータ,評価を実行する周期,評価結果,評価年月日および時刻が格納されている。評価指標には、原水濁度のように計測値そのものや、凝集沈殿に関連するパラメータである水温,pH,アルカリ度,原水濁度,流量などを用いた指標や、これらのパラメータの下で浄水処理した場合に得られる水質の予測値などが設定できる。また、プロセスデータや定期的な設備点検結果を用いた設備機器の健全性なども評価指標とすることができる。評価指標算出部40は、モニタリング情報DB34の情報を用い、評価指標DB35に設定された周期で評価指標を算出する。
操作量算出DB36には、浄水場施設において操作対象となる機器の運転操作に用いる操作量を算出するための情報が格納され、操作量名称,各操作対象に関する操作量算出式,操作量算出に用いるパラメータ,対応する評価指標名称,操作量算出式を適用する評価指標の範囲,算出周期,操作量算出結果,操作量算出年月日および時刻が格納されている。操作の対象には、凝集剤等の薬品注入設備,取水や送水用のポンプ設備などがある。
操作量評価部41は、各操作対象に係る評価指標の値に対応する操作量算出式を選択し、モニタリング情報DB34のデータを使って操作量を算出する。操作量の設定値は監視制御装置2へ送られ、上水処理施設100の運転が制御される。
図3は、データ入出力端末33で表示される表示画面例を示す平面図である。ユーザが機場21,操作対象22および表示期間23を選択し、表示ボタン24を押下すると、選択された操作対象に関する現在の評価指標値25,現在の操作量26,評価指標のトレンドグラフ27および操作量のトレンドグラフ28を表示する。このとき、評価指標に対応する操作量算出式が操作量算出DB36にない場合は、対応する操作量算出式がないことをユーザに知らせるための表示29を行う。
図4に評価指標算出部40における処理フローを示す。S401で、評価指標に関する情報を評価指標DB35から取得する。S402で、評価指標算出に用いるための水質,プロセスデータをモニタリング情報DB34から取得する。S403で、評価指標を計算し、演算結果,年月日および時刻を評価指標DB35に記録する。
S404で、もしユーザからの処理終了指令があれば処理を終了する。処理を継続する場合は、S405で、前回の評価を行った時点から評価周期分の時間が経過したかどうかを判断し、経過したときには、S402からの処理を行い、最新データを用いて評価指標を求める。
図5に操作量評価部41における処理フローを示す。S501で、操作量算出に関する情報を操作量算出DB36から取得する。S502で、最新の評価指標を評価指標DB35から取得する。S503で、評価指標に応じた操作量算出式を選定する。対応する操作量算出式があれば、S504に進み、対応する算出式が設定されていない場合はS510に進み、データ入出力端末へ算出式がないことを表示する。
S504で、選定した操作量算出式に必要な水質,プロセス情報をモニタリング情報DB34から取得する。S505で、操作量を計算し、その計算値,算出日時および時刻を操作量算出DB36に記録する。
S506で、制御LAN3を介して操作対象と操作量の値を監視制御装置2へ出力する。S507で、データ入出力端末33のデータ更新を行い、S508で、ユーザからの処理終了指令の有無の判断を行い、処理の終了,継続を判断する。処理を継続する場合は、S509で、前回の評価を行った時点から評価周期分の時間が経過したかどうかを判断し、経過したときには、S502からの処理を実行する。
水道プロセスは池や管における滞留時間が長い、すなわち時定数が長いため、このような構成にすると、評価指標と操作量の算出に時定数を考慮したデータを用いることができる。
浄水処理において重要な管理項目である濁度を例に取り、凝集剤の注入操作を対象とした場合の評価指標や操作量算出式について説明する。
凝集剤注入量の基準となる評価指標としては、直接的な指標として原水濁度や沈殿処理水濁度がある。また、複合的な指標としては、数1に示すような、原水濁度(Tu),原水pH(pH),原水アルカリ度(AL),原水水温(T)を変数とした線形の関数を用いることができる。
(数1)
(評価指標)=a×Tu+b×pH+c×AL+d×T+e (1)
ここで、a,b,c,d,eは定数である。これらの計測に自動計測器を用いる場合は、評価を実行する周期と操作量の算出周期は例えば10分に設定することができる。
また、別の方法としては、水処理プロセスにおける凝集沈殿に関するモデルを作成し、原水濁度等をパラメータとして沈殿処理水の水質を予測し、予測結果を評価指標とすることもできる。このように、評価指標にモデル計算による予測値を適用することは、時定数の大きな浄水処理においては、予め適切な薬剤注入率で運転することで処理水質を悪化させることを予防できる点で有効である。
また、さらに別の手法としては、需要家におよぶ危害のリスクを評価指標のすることもできる。例えば、対象とする水質項目による需要家への危害の重篤度と水質項目の濃度が設定値を逸脱する頻度の積または和から得られる指標がある。この場合、重篤度と頻度の値を用いることもできるが、それぞれ3から10段階のランクに分類し、ランクの数の和や積を用いることもできる。さらに厳密な評価方法としては、対象とする水質項目による危害が需要家に発現する確率を予想し、これを評価指標に用いることや、WHOが提唱しているDALYsなどを用いることもできる。このようにしているので、需要家への危害のリスクを考慮した運転制御が可能となる。
凝集剤の注入操作に関する操作量算出式としては、原水濁度と流量を用いて、凝集剤注入率を濁度比例とする、すなわち、凝集剤注入率と原水濁度の比が一定になるように操作量を算出することが考えられる。また、評価指標の算出と同様に、原水の濁度,pH,水温,アルカリ度をパラメータとした重回帰式による操作量の決定方法がある。又、モデル計算を活用し、目標水質を満足する条件をシミュレーションすることで、適切な操作量を選定する方法もある。
制御には、PID制御などのフィードバック制御を用いる制御や、物理モデルを組み込んだモデルベース制御など様々な制御ロジックが存在するが、これらの方法を特に限定するものではなく、評価指標の範囲に応じた適当な方法が設定できる。
定常時と非定常時における操作量算出式の切替えは、例えば、評価指標を沈殿処理水濁度、定常時の操作量算出式を、凝集剤注入率と原水濁度の比、すなわち、(凝集剤注入率)/(原水濁度)が一定、非定常時の操作量算出式を、目標水質を満足する条件のシミュレーションにより設定する。
定常時は、原水濁度をパラメータとしても、他の影響因子の変動が小さければ、十分な沈殿処理水水質を得ることができる。しかし、pHや水温の変化で凝集沈殿処理が困難になることもあり、例えば、沈殿処理水濁度が1度を境界として、これらの影響因子を考慮した、シミュレーションによる設定した非定常時の操作量算出式を適用する。
このように、評価指標で表わされる原水等の状態に応じた適切な薬注ロジックを選定し自動制御を継続するため、運転員に対する運転に係る負荷を低減することができる。
又、集中豪雨などにより原水濁度が急激に上昇し、定常時,非定常時の操作量算出式が対応する評価指標、すなわち沈殿処理水濁度の範囲を超えてしまった場合は、操作量は保留し、ユーザの介入を促すためにデータ入出力端末33への表示を行う。警報や通信等により運転員または関係者に評価指標や運転状況を知らせることもできる。
このような場合、システムは新たに操作量を求めることができなくなるため、操作量算出式を用いた運転制御を停止し、操作量算出式が適用できなくなる直前又は設定された時間内において操作量算出式から得た操作量を用いて運転を継続する。
システムがこのような状態になった場合、運転員は速やかに対応措置をとる必要があるため、運転員が操作量を決定して運転制御するモード、すなわち手動モードにシステムを自動的に切替える。
手動介入がなされた後に、評価指標に対応する操作量算出式が存在する範囲に入ったときは、評価指標の値に対応する操作量を算出し、データ入出力端末33の図3に示す表示画面に表示することで、自動制御への復帰をユーザに促す。
このようにしているので、システムの対応範囲を超えた異常時において、速やかに手動介入することが可能となる。
本発明の実施例2を図6,図7により説明する。本実施例の運転制御システムの基本的なシステム構成は実施例1と同様であるが、モニタリング情報DB34で管理する情報に、手分析による水質データを含め、操作量評価部41では、これらのデータを用いた処理フローとしている。
手分析による水質データとしては、連続測定が困難な水質項目,藻類や微生物がある。これらの測定頻度は、1時間毎に1回から年に1回程度までと幅広い。考慮できるパラメータを増やすことは操作量算出結果の精度向上につながる。しかし、測定頻度が低いと最新の測定結果であっても現実を反映していない可能性が生じる。そのため、測定頻度が低い項目、例えば手分析の測定項目をモニタリング情報DB34に格納して操作量算出に用いる場合、水質項目の測定間隔とその項目の一般的な濃度変化期間を考慮して、手分析の測定項目を含む操作量算出式と、手分析の測定項目を含んでいない操作量算出式の選択を行うようにした。
本実施例では、操作量算出DB36にデータの有効期間の項目を追加する。有効期間とは、水質又はプロセスデータの測定またはサンプリングした日時を基準として、そのデータを操作量算出に用いてもよい期間のことである。例えば、有効期間が1日の項目のサンプリングが1月10日10:00になされたとした場合、その水質データは1月11日10:00まで使用してもよい。有効期間は、水質項目の濃度変動を考慮して予めユーザが設定する。
図6に本実施例の操作量算出を模式図として示す。項目Aは測定周期zで分析され、項目Bは連続測定されているとする。有効期間が測定周期より大きい場合は、図6(a)に示すように、評価指標に対応して選択されるF(A,B,..)に測定値A,Bをそれぞれ代入して操作量を得る。
有効期間が測定周期より小さい場合は、有効期間内は評価指標に対応し、項目AをパラメータとするF(A,B,..)を用いる。有効期間を超えた時間帯では、図6(b)に示すように、評価指標に対応し、項目Aをパラメータに含まないG(B,..)により操作量を求める。このとき、項目Aの測定を要求する表示をデータ入出力端末33に表示する。次に項目A2の測定が実施されたら、有効期間内であればF(A,B,..)を用いる。
図7に本実施例の処理フローを示す。本実施例の処理フローは、基本的には図5に示した処理フローと同様であるが、S701,S702のステップで、それぞれ有効期間に関する判定と有効期間を過ぎた項目の測定要求を表示することが追加されている。S701で、パラメータが有効期間内か否かの判定を行い、有効期間内と判定されれば、S505の操作量の計算を行う。有効期間内でないと判定されれば、S702で、データ入出力端末33に、該当する項目の測定を要求する表示を行い、S503の操作量算出式の選定に戻る。
水道プロセスは池や管における滞留時間が長い、すなわち時定数が長いため、このような構成にすると、評価指標と操作量の算出に時定数を考慮したデータを用いることができる。又、測定間隔が制御周期に対して長い測定項目に関して、不確実な値を用いることなく評価関数や操作量算出を行うことができる。
本発明の実施例3を図8により説明する。本実施例の運転制御システムの基本的なシステム構成は実施例1と同様であるが、本実施例では、操作量算出DB36の中の、対応する評価指標名称として複数の評価指標名称を登録でき、新たに重みの算出式を格納できる構成としている。又、操作量評価部41で、評価指標の範囲に対応する操作量算出に加え、重み算出を行い、重みを加えた値を最終的な操作量とする処理フローとしている。
図8に本実施例の処理フローを示す。本実施例の処理フローは、基本的に図5に示した処理フローと同様であるが、S801,S802,S803のステップが追加されている。S801では、それぞれの評価指標の範囲に対応する操作量算出式と、重み算出式を選定する。この選定がなされた場合は、S504の水質,プロセス情報の取得を行い、この選定がなされない場合は、S510で、データ入出力端末33に、操作量算出式と、重み算出式を選定を要求する表示を行い、S507のデータ入出力端末のデータ更新を行う。
S802では、取得した水質,プロセスデータを用いて操作量と重みを算出し、操作量算出DB36に記録する。S803では、操作量と重みの値から最終的な操作量の計算処理を行い、操作量算出DB36に記録する。
評価指標としては、水質,プロセスに関するデータを用いるケースとして、浄水設備の特定の池や系統における処理性能、設定された直前の期間における原水と処理水水質の変動を用いることができる。処理性能では、他に比べて通常、処理性能が劣る池や系統での水質を基に薬剤注入の増減を図る。又、水質,プロセスデータを用いないケースとして、昼夜の別,平日,休日の別,予備品や在庫量を評価指標として重みを設定することもできる。昼夜の別では、夜間は、異常に対応できる職員数が少ないため安全側の操作となるような重みをつけ、昼間は、薬注量の削減のために注入率を絞るような重みをつける。
重みの値としては、何らかのパラメータの関数として重みを設定する他、操作量の値に一定または周期的な(例えばsin関数などの)ゲインをかけるなどの方法がある。
このような操作量の制御は、一定の運転ロジックでは得られない浄水設備等の処理性能データを蓄積し、運転管理ノウハウとして活用する上でも有効である。
このような構成とすると、水処理が安定な期間における薬剤量の低減や、逆に水質が不安定な場合の薬注の強化を自動で行うことができるという効果がある。
本発明の実施例4を図9により説明する。本実施例の運転制御システムの構成を図9に示す。図9に示すように、本実施例では、図2に示す管理サーバ1の構成にデータ抽出部42が設けられている。
操作量算出DB36には、類似した評価指標データを抽出する対象範囲,操作量算出式,算出した操作量による浄水処理で得られる除去対象の水質項目等を操作結果指標として設定可能としている。データ抽出部42は、類似した評価指標データを抽出する対象範囲に含まれる評価指標を算出した日時をキーにして、モニタリング情報DB34又は操作量算出DB36から、データを抽出する。
図10に本実施例における操作量評価部41の処理フローを示す。本実施例の処理フローは、基本的に図5に示した処理フローと同様であるが、S1001,S1002,S1003,S1004のステップが追加されている。
S1001では、操作量算出DB36から操作量算出に関する情報と操作結果指標を取得して、S502の評価指標取得を行う。S502で評価指標を取得した後、S1002で、データ抽出部42により、類似した評価指標データを抽出する対象範囲に従って、評価指標の値,年月日時刻,操作量算出式をデータセットとして取得する。S1003で、操作量算出式毎にグループ分けし、S1004で、グループ分けされたグループ毎に操作結果指標のばらつきを示す統計値として標準偏差を求める。S1005では、S1004の結果を用いて操作量算出式の選定を行う。本実施例では、標準偏差が小さいグループの操作量算出式を用いることとする。
図11に操作量算出式の選定に関する説明図を示す。
本実施例では、S1002で評価指標を基準としてデータを抽出したが、もう一段階、データを絞りこんだ後に操作量算出式を選定することもできる。例えば、第1の絞込みでは評価指標の値を基準とする。図11(a)に示すように、類似した評価指標データを抽出する対象範囲での操作算出式Aと操作算出式Bがある場合に、第2の絞込みでは、評価指標を算出するために用いる各パラメータで比較し、類似しているデータセットを抽出する。そして、操作量算出式ごとのグループ内のデータ数が設定された数以上で、操作結果指標が小さい(指標によっては大きい)方の操作量算出式を選定する。例えば、図11(b)に示す結果では、操作量算出式Aの方が操作結果指標が小さいので操作量算出式Aを選択する。このようなデータ抽出を行うことで、原水水質等の条件が類似した過去の操作量と操作結果の実績を考慮して、より有効な操作量算出式を選定できる。
このような構成にすると、操作量算出式の適用範囲の境界付近において、予想した評価指標と実際の結果との不一致や、操作量算出において考慮していない外乱による制御不良を考慮することになり、より適切なモデルの選択と操作量の算出が可能となる。
以上の実施形態によれば、上水施設の運転制御に関して、評価指標で表わされる原水等の状態に応じた適切な薬注ロジックを選定し自動制御を継続するため、運転員に対する運転に係る負荷を低減することができる。
本発明の実施例1である運転制御システムの構成図。 図1に示す管理サーバの構成図。 管理サーバにおけるデータ出力画面の一例を示す平面図。 実施例1の評価指標算出のフロー図。 実施例1の操作量評価のフロー図。 本発明の実施例2である操作量算出のための説明図。 実施例2の操作量評価のフロー図。 本発明の実施例3である操作量評価のフロー図。 本発明の実施例4である管理サーバの構成図。 実施例4の操作量評価のフロー図。 実施例4の操作量算出の説明図。
符号の説明
1 管理サーバ
2 監視制御装置
3 制御LAN
30 CPU
31 メモリ
32 IF
33 データ入出力端末
34 モニタリング情報DB
35 評価指標DB
36 操作量算出DB
40 評価指標算出部
41 操作量評価部
42 データ抽出部
100 上水処理施設
101 取水設備
102 浄水設備
103 送水設備
104 給配水設備

Claims (8)

  1. 上水道施設で計測された水質,プロセスデータを格納するモニタリング情報DBと、水質,プロセスデータを用いて算出する水質の安全性に係る評価指標の算出式を格納する評価指標DBと、浄水場施設において操作対象となる機器の運転操作に用いる操作量算出式および操作量算出式選択に用いる評価指標と評価指標の値の範囲とを格納する操作量算出DBと、前記モニタリング情報DBから水質,プロセスデータを取得し、前記評価指標DBから取得した評価指標の算出式を用いて評価指標値を算出する評価指標算出部と、該評価指標算出部で算出された前記評価指標値に対応する操作量算出式を選択し、該選択された前記操作量評価式を用いて操作対象となる機器の操作量を求める操作量評価部とを備えた自動運転制御システム。
  2. 評価指標が操作量算出式の適用範囲を超え、対応する操作量算出式が存在しない場合に、これをユーザに対して知らせる表示手段とを有する請求項1に記載の自動運転制御システム。
  3. 前記モニタリング情報DBがオンライン計測情報およびオフライン計測情報を格納するものであって、該モニタリング情報DBに格納された情報を用いて前記評価指標を算出し、前記操作量算出式を選択する請求項1に記載の運転制御システム。
  4. 前記操作量算出式DBに操作量算出に用いるパラメータの有効期間を予め設定し、水質,プロセス測定データが有効期間内にあるパラメータを用いて求める前記操作量算出式を選択し、これらを候補として操作量算出式の選定処理を行う請求項1又は3に記載の運転制御システム。
  5. 前記評価指標DBに、操作量毎に複数の評価関数を予め設定し、第一の評価指標により前記操作量算出式を選択し、重み関数を格納する重み関数格納手段により、第二以降の評価指標の値に応じた重みを算出し、該算出された重みによって操作量算出式で得られた値を補正して操作量とする請求項1に記載の運転制御システム。
  6. 前記モニタリング情報DB,前記評価指標DBまたは操作量算出式DBに格納されたデータから対象とする項目に類似のデータセットを抽出するデータ抽出手段により、算出された評価指標の値の近傍における過去の操作量を抽出し、操作の結果を評価するための操作結果指標を、前記モニタリング情報DBに格納されたデータを用いて算出し、操作量により分類した各グループにおける前記操作結果指標のばらつきを比較し、ばらつきの小さい操作量算出式による操作量を採用する請求項1に記載の運転制御システム。
  7. 水質の安全性に係る評価指標として、対象とする水質項目による需要家への危害の重篤度と水質項目の濃度が設定値を逸脱する頻度の積または和から得られる指標、又は対象とする水質項目による危害が需要家に発現する確率のいずれかを用いる請求項1に記載の運転制御システム。
  8. 前記評価指標が操作量算出式の適用範囲を超え、対応する操作量算出式が存在しない場合に、前記操作量算出式を用いた運転制御を停止し、運転員が操作量を決定して運転制御するモードにシステムを自動的に切替える請求項1に記載の運転制御システム。
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